JP3144151B2 - 交通流異常検出装置 - Google Patents

交通流異常検出装置

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JP3144151B2
JP3144151B2 JP11067493A JP11067493A JP3144151B2 JP 3144151 B2 JP3144151 B2 JP 3144151B2 JP 11067493 A JP11067493 A JP 11067493A JP 11067493 A JP11067493 A JP 11067493A JP 3144151 B2 JP3144151 B2 JP 3144151B2
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顕武 寺本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像処理によって交通
流の異常有無を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】交通流異常検出装置の主な目的は、事
故、故障,落下物などによって本来通れるはずの車線が
ふさがれて通れなくなくなった状態を検知し、後続の車
両や中央の管制センターに知らせることである。従来の
交通流異常検出装置は、(1)連続した画像フレーム間
の差分を取ることによって抽出した車両の速度を算出
し、その速度から渋滞を検知するもの、(2)数十の画
像フレームを積分して移動部分を消去し、道路上の障害
物(事故車、故障車、落下物など)を検出するもの、な
どが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(1)の
装置は、障害物で車線をふさがれた結果としておこる渋
滞を検知する構成であるために、実際に障害が起こって
から渋滞を検知するまでの時間遅れが大きいという問題
点がある。また、(2)の装置も、障害物を検知するた
めに数十の画像フレームを積分する必要があるために処
理時間がかかる、という問題点があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、走行している車両の異常な挙動を
画像処理によって検知することにより、事故等が起こる
前に異常検出を可能とする交通流異常検出装置を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、道路上を通過
する車両の画像を検出する画像検出手段と、該画像検出
手段で検出された連続する画像フレームから該画像フレ
ーム内の車両の移動ベクトルを算出する車両移動ベクト
ル算出手段と、予め求められた道路上の該車両位置での
進行方向ベクトルと前記移動ベクトルとのなす角度に基
づいて交通流の異常有無を判定する異常有無判定手段
と、を備えてなることを特徴とする。
【0006】また、前記車両移動ベクトル算出手段は、
連続した画像フレーム間の差分をとって車両部分の外接
長方形を算出し、さらにこの外接長方形を画像フレーム
に当てはめることで車両を切り出す車両切出し部と、切
り出した車両を参照して連続した画像フレーム間での同
一の車両の対応をとる車両対応付け部と、該車両対応付
け部での車両の対応結果に基づいて車両の移動ベクトル
を算出する移動ベクトル算出部とを備えることを特徴と
する。
【0007】また、前記車両切出し部で切り出して抽出
した車両の大きさ、前記車両対応付け部で得られた車両
の対応結果の確からしさ、及び前記移動ベクトル算出部
で算出した車両の移動ベクトルの大きさを含む画像処理
段階での所定の情報の内一つ又は複数の情報に基づいて
画像処理の確からしさを算出する信頼性算出手段と、該
信頼性算出手段の算出結果と前記異常有無判定手段の判
定結果から交通流の異常有無を総合的に判定する総合判
定手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0008】また、前記信頼性算出手段は、前記所定の
情報を特徴量とする各々のファジイ測度を算出するファ
ジイ測度算出手段と、各特徴量の組み合わせに対するフ
ァジイ測度値積分用の重みを予め記憶する重みテーブル
と、該重みテーブルの重みを使用して前記ファジイ測度
算出手段により算出されたファジイ測度の積分演算を行
うファジイ積分手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】また、前記総合判定手段は、前記信頼性算
出手段の算出結果と前記異常有無判定手段の判定結果か
ら交通流の異常有無を画像フレーム単位で判定する暫定
判定手段と、該暫定判定手段で判定された結果を複数フ
レーム分記憶する暫定判定結果記憶手段と、該暫定判定
結果記憶手段に記憶されている複数フレーム分の判定結
果から交通流の異常有無を最終的に判定する最終判定手
段と、を備えることを特徴とする。
【0010】さらに、前記異常有無判定手段は、画像内
における道路上の白線等、道路の進行方向に沿って引い
てある複数の基準線を、各々XY座標に置いた状態か
ら、Z方向の各基準線間隔が所定の長さとなるように各
基準線をZ方向へ移動させることによって形成される、
三次元曲面z=f(x,y)を算出する手段と、前記車
両の位置するXY座標中の、点(p,q)における前記
進行方向ベクトルを、曲面z=f(x,y)と平面z=
f(p,q)の交線の傾きによって算出する手段と、を
含むことを特徴とする。
【0011】
【作用】撮像カメラによって検出された道路を通過する
車両および道路を含む画像は、車両移動ベクトル算出手
段に入力され、ここで車両の移動ベクトルが算出され
る。移動ベクトルの算出は、例えば、次のようにして行
われる。すなわち、連続した画像フレーム間の差分をと
って車両部分を含む外接長方形を算出し、この外接長方
形を画像フレームに当てはめることで車両をまず切り出
す。そして、切り出した車両を参照して連続した画像フ
レーム間での同一の車両の対応をとり、この車両の対応
結果に基づいて車両の移動ベクトルを算出する。同一車
両の対応付けは、相互の相関値を算出することで可能で
ある。このようにして算出した車両の移動ベクトルと、
あらかじめ求められている道路上の該車両位置での進行
方向ベクトルとを比較し、それらのベクトルがなす角度
に基づいて交通流の異常有無を判定する。すなわち、こ
のベクトル間の角度が一定以上であれば道路上に障害物
があるために斜線がふさがれていると判断されることに
なる。
【0012】また、上記の一連の画像処理段階におい
て、その処理の確からしさを算出する信頼性算出手段を
設け、得られた異常有無判定結果と算出された信頼性結
果とに基づいて交通流の異常有無を総合的に判定する。
この場合、画像処理の確からしさは、切り出されて抽出
された車両の大きさ、車両の対応結果の確からしさ(す
なわち、相関値)、および算出された車両の移動ベクト
ルの大きさを含む画像処理段階での所定の情報の中から
一つまたは複数の情報に基づいて算出される。これらの
情報に基づいて算出された画像処理の確からしさが低い
値を示す場合には総合判定において交通流が異常状態に
あると判定しない。
【0013】また、上記信頼性算出手段は、ファジイ測
度によって信頼性算出を行うように構成できる。すなわ
ち、前記画像処理段階での所定の情報を特徴量とする各
々のファジイ測度を算出し、さらにこのファジイ速度の
積分演算をあらかじめ決められた重みを使用して行うよ
うにする。
【0014】また、判定された交通流の異常有無は暫定
結果として画像フレームごとに記憶し、これらの複数の
画像フレームの暫定結果から最終的に交通流の異常有無
を判定する。
【0015】さらに、道路が湾曲している場合などに
は、道路の進行方向ベクトルを演算により求める。この
演算は、XYZ座標上に三次元の道路曲面を作成し、こ
の曲面に対して車両の位置するXY座標点が交差するよ
うにXY座標平面をZ方向に平行に移動させる。この方
法により、道路上の任意の点における進行方向ベクトル
を容易に算出できるようになる。
【0016】
【実施例】図1は、本発明の実施例の交通流異常検出装
置のブロック図を示す。
【0017】道路1のあらかじめ決められた範囲を撮像
範囲に設定した撮像カメラ3の出力は画像メモリ4に入
力され、更に、画像メモリ4に記憶されている画像フレ
ームデータは車両切出し部5に入力される。なお、図で
は、車両2が図の上の方向に移動しているものとする。
【0018】図2,図3は車両切出し部5の車両切出し
方法について説明するための図である。いま、撮像カメ
ラ3によって、図2(A),(B)のような連続した画
像が撮像され、それぞれの画像フレームが画像メモリ4
に記憶されたとする。車両切出し部5では、この二つの
画像フレームを得ると、まず、その差分をとる。差分を
とることによって、移動していない部分、すなわち道路
や背景の部分が除去される。続いて、差分結果を水平方
向に投影し、所定のしきい値(点線で示される)以上の
部分だけを切り出した後に、今度は垂直方向に投影して
同じ処理を行う(図3参照)。その結果、車両部分に外
接する長方形5a,5bが算出される。
【0019】そして、この外接長方形5a,5bを図2
(A)に示す入力画像フレームに当てはめることで車両
を切り出し(図4参照)、また同図(B)に示す入力画
像にも当てはめることで車両を切り出す。切り出された
車両は車両対応付け部6に入力される。
【0020】前記車両対応付け部6では、切り出された
画像間において、図2(A)の車両部分を含む図4の外
接長方形の画像を教師画像として正規化相互相関演算を
行い、最も相関値の高い部分を図2(A)の車両部分に
対応する図2(B)の車両部分とする。車両対応付けを
行った後、移動ベクトル算出部7において図2(A)と
(B)の対応する車両の位置のずれによって車両の移動
ベクトルを算出し(図5)、異常有無判定部8におい
て、算出した車両の移動ベクトルとあらかじめ求められ
た道路の進行方向ベクトルとのなす角度θのcosθを
算出し、その値が予め決められた所定のしきい値より小
さければ異常と判定する。
【0021】以上に述べた異常検出装置により、2つの
画像フレームを取り込んで画像処理を行うだけで交通流
の異常有無を判定できるために、処理時間が短くてよ
く、もし異常状態が判定された場合には迅速に後続の車
両に対して通知することができる。
【0022】図6は、本発明の他の実施例のブロック図
を示す。図1に示す構成と相違する点は、信頼性算出部
9と総合判定部10を設けた点である。信頼性算出部9
は、車両切出し部5の出力、車両対応付け部6の出力お
よび移動ベクトル算出部7の出力を入力し、切り出され
て抽出された車両の大きさを表す情報(a)、車両の対
応結果の確からしさ(すなわち相関値)を表す情報
(b)、および車両の移動ベクトルの大きさを表す情報
(c)の3つの情報に基づいて画像処理の確からしさ、
すなわち画像処理の信頼性を算出し、この結果を異常有
無判定部8の判定結果と共に総合判定部10に導く。総
合判定部10では、異常有無判定部8からの判定結果だ
けではなく、信頼性算出部9から出力された結果をも参
照して総合的な異常有無の判定を行う。
【0023】前記信頼性算出部9では、上記の3つの情
報の内どれか1つでも所定のしきい値以下であれば「N
G」を、すべてがしきい値以上であれば「OK」を総合
判定部10に対して出力する。総合判定部10では、異
常有無判定部8の判定結果が「異常」であり、信頼性算
出部9の結果が「OK」の時だけ最終判定結果を「異
常」とし、それ以外は「正常」として出力する。このよ
うに信頼性算出部9を付加することにより、車両以外の
ノイズを抽出してしまうなどの画像処理のミスが原因と
なって「異常」と誤判定することを防ぐことができる。
なお、この実施例では、信頼性を算出するのに上記の情
報(a),(b),(c)の3つを全て見ているが、こ
のうちの1つの情報だけであってもよい。
【0024】前記信頼性算出部9は、入力される情報を
特徴量とする各々のファジイ測度を算出することで信頼
性結果を求めることができる。図7はこの場合の構成図
を示す。ファジイ測度によって信頼性を求めるには、こ
の信頼性算出部9を、前記3つのそれぞれの情報を特徴
量とする各々のファジイ測度を算出するファジイ速度算
出部9aと、各特徴量の組み合わせに対するファジイ測
度値積分用の重みを記憶する重みテーブル9bと、重み
テーブルから得られる重みを使用してファジイ測度算出
手段により算出されたファジイ速度の積分演算を行うフ
ァジイ積分部9cとで構成される。ここでは、ファジイ
積分には、Choquet積分(ファジイ測度論入門
「1」:菅野、室伏:日本ファジイ学会誌90/5 V
ol.2No.2 174−181などで公知であ
る。)を用いる。このChoquet積分を行うには、
ファジイ測度値(メンバシップ値)をまず求める。
【0025】図8は、Choquet積分による評価値
Vを求める方法について説明する図である。
【0026】まず、入力情報として、特徴量ω、メンバ
ーシップ値f(ω)およびμを用意する。特徴量とメン
バーシップ値は並べ替え手段により、メンバシップ値が
大きい順に並べ替えられる。その後、積分を図8に示す
式(1)によって行う。ここで、μは、各特徴量が互い
に相関のある場合、それらが同時にある値を得た時、そ
の信頼度がどのくらい左右されるかの程度を表したもの
であり、値が1に近いほど信頼度が大きいことを示して
いる。このμの値はあらかじめテーブルで与えられる。
本実施例では、特徴量を、それぞれ面積(切り出して抽
出した車両の大きさ)、速度(移動ベクトル算出部7で
算出した移動ベクトルの大きさ)、及び相関値(車両対
応付け部6で得られる車両の対応結果の確からしさ)と
し、それらの特徴量の組み合わせに対する重みμは図9
のように設定されているものとする。また、各特徴量の
メンバーシップ関数を図10に示す。ファジイ測度算出
部9aでは、このメンバーシップ関数を使用してメンバ
シップ値(ファジイ測度)を算出する。
【0027】今、たとえば、3つの画像P1,P2,P
3のそれぞれの特徴量(面積,速度,相関値)がP1
(500,110,0.85)、P2(6500,1
0,0.9)、P3(180,150,0.7)であっ
たとすれば、それぞれのファジイ測度(Af,Bf,C
f)は、P1(1.0,0.9,0.7)、P2(0.
7,0.33,0.8)、P3(0.2,0.5,0.
4)となる。
【0028】前記ファジイ積分部9cでは、ファジイ測
度算出部9aで上記のようにして得られたファジイ測度
(Af,Bf,Cf)と重みテーブル9bから得られる
重みμに基づいて図8に示す積分を行って評価値Vを算
出する。同式によって各画像P1,P2,P3に対する
評価値Vを計算すると、次のようになる。
【0029】 V(P1)= (Af−Bf)×μ({Af}) +(Bf−Cf)×μ({Af,Bf}) + Cf ×μ({Af,Bf,Cf}) = (1.0−0.9)×0.6 +(0.9−0.7)×0.5 + 0.7 ×1.0 =0.86 同様にV(P2)、V(P3)についてもそれぞれ、C
f>Af>Bf、Bf>Cf>Afであるから、 V(P2)= (Cf−Af)×μ({Cf}) +(Af−Bf)×μ({Af,Cf}) + Bf ×μ({Af,Bf,Cf}) = (0.8−0.7) ×0.5 +(0.7−0.33)×0.6 + 0.33 ×1.0 =0.602 V(P3)= (Bf−Cf)×μ({Bf}) +(Cf−Af)×μ({Bf,Cf}) + Af ×μ({Af,Bf,Cf}) = (0.5−0.4)×0.4 +(0.4−0.2)×0.4 + 0.2 ×1.0 =0.32 上記の評価値(積分値)を画像処理が正しいかどうかの
信頼性情報とする。たとえば、しきい値を2つ用いて、
信頼性結果が0.8以上であればOK、0.4未満であ
ればNG、その中間であればGRAYとした時、画像P
1はOK、P2はGRAY、P3はNGとなる。
【0030】上記のように、各特徴量をもとにしたファ
ジイ測度積分を信頼性算出部9に用いることにより、よ
り確かな評価値を得ることができる。
【0031】図11は、本発明の他の実施例の総合判定
部の構成を示している。この実施例では、図6の総合判
定部10を、異常有無判定部8の判定結果と信頼性算出
部9の算出結果とから交通流の異常有無を画像フレーム
単位で判定する暫定判定部10aと、この暫定判定部1
0aで判定された結果を複数フレーム分記憶する暫定判
定結果記憶部10bと、この記憶されている複数フレー
ム分の暫定判定結果から交通流の異常有無を最終的に判
定する最終判定部10cとを備えている。この装置で
は、暫定判定部10aで「異常」と1回判定されても直
ちに最終判定されず、その暫定判定結果が暫定判定結果
記憶部10bに複数画像フレーム分記憶されてからその
記憶結果に基づいて最終判定を行う。したがって、暫定
判定結果が異常となった連続回数があるしきい値以上に
なった時に、最終判定部10cが「異常」を出力する。
このように、複数フレーム分の暫定判定結果を用いるこ
とによって、さらに信頼性が高い判定が可能となる。な
お、10フレーム分程度の暫定判定結果を用いるとして
も、そのことによる処理時間の遅れはそれほど問題にな
ることがなく実用上差し支えはない。
【0032】以上の実施例では、道路が真っ直ぐであ
り、その進行方向ベクトルがあらかじめ与えられている
ものとしたが、道路が湾曲している場合には車両の位置
によって進行方向ベクトルが変わってくる。この場合、
進行方向を求めるのに、道路の進行方向に沿って引かれ
ている基準線、例えば白線を使用する。進行方向を算出
するのにまず考えられるのは、白線からの距離の割合が
一定になる方向を算出し、その方向を進行方向とする方
法であるが、その方法では正しい進行方向を算出するこ
とが困難である。そこで、道路の両側にあるそれぞれの
白線を異なるZ座標に置いて、仮想的に三次元空間に置
いた道路に相当する曲面をスプライン補間によって求
め、その曲面を用いて進行方向ベクトルを算出する。図
12(A)は道路画像、同図(B)は道路上の進行方向
ベクトルの算出方法を説明する図である。また、図13
は進行方向ベクトルを算出する部分の構成図である。図
13において、進行方向ベクトル算出部は、車両切出し
部5の出力に基づいて、現在の車両位置(p,q)を算
出する部分11と、三次元曲面z=f(x,y)を作成
する三次元曲面作成部12と、これらの情報から進行方
向ベクトルを算出する部分13とで構成されている。
【0033】いま、車両の写ってない道路画像が図12
(A)に示すように用意されると、その道路の車線を区
切る白線1a,1b,1cの白線の座標を求めて、三次
曲面作成部12に入力する。この作成部12において、
図12(A)の画像の横軸をX軸,縦軸をY軸としてX
Y座標平面(z=0)に変換し(写像し)、そのXY座
標平面上の白線をZ軸に平行移動して曲面を作成する。
すなわち、それぞれの白線を、図12(B)のようなX
YZ三次元空間にて、1番左の白線はz=k、中央はz
=2k、1番右の白線はz=3kというそれぞれの平面
上に平行移動し、そして、得られたXYZ空間中の3本
の曲線で張られる曲面z=f(x,y)をスプライン補
間によって求める。一方、車両切出し部5からの情報に
基づいて、車両位置算出部11では、画像に車両が表れ
しだい、切り出された車両の位置(p,q)をXYの二
次元座標上で求める。なお、この位置(p,q)は、車
両の画像中の重心を求めた位置であるのが望ましいが、
計算を簡単にするために、ここでは図2(A)の入力画
像(1)における外接長方形の中心(対角線同士の交
点)とする。そして、進行方向ベクトル算出部13にお
いて、この二次元座標の、(p,q)における進行方向
ベクトルを、三次元曲面作成部12であらかじめ作成さ
れている曲面z=f(x,y)から算出する。具体的に
は、点(p,q)における進行方向ベクトルは、XYZ
空間中において、曲面z=f(x,y)と平面z=f
(p,q)との交線の点(p,q,f(p,q))にお
ける接線の方向として求められる。このように、二次元
の道路を仮想的に三次元空間に置き換えることにより、
道路上の白線の座標データを求めておくだけで、画像中
の道路上の任意の点の進行方向ベクトルを簡単に、しか
も正確に求めることが可能になる。
【0034】
【発明の効果】本発明では、連続した画像フレームから
車両の移動ベクトルを算出し、その移動方向が道路の進
行方向と大きく異なる時に異常と検知するようにでき
る。すなわち、交通事故などが発生した後の現象から検
知するのではなく、事故直前の現象、および起こりつつ
ある状況を検知するために、早期検知が可能となる。交
通流異常の早期検知は、後続車への警報による二次衝突
の防止や、救急活動の迅速化などに非常に大きな効果を
もたらす。
【0035】また、抽出した車両部分の大きさ、画像間
での車両の対応を求めた時の確からしさ、移動ベクトル
の大きさなどを用いて画像処理の信頼性を算出している
ために、画像処理のミスによる誤判定を少なくし、精度
の高い判定を可能にする。そして、この信頼性の算出
を、ファジイ測度積分によって行うことで、誤判定をさ
らに少なくすることができる。
【0036】さらに、1回の判定だけで異常を出力せず
に、それを暫定判定結果として連続して数回記憶し、そ
れらの複数の暫定判定結果が異常と判定された時に初め
て総合判定を異常とするために、判定の確度をさらに上
げることが可能になる。
【0037】また、道路を仮想的に三次元空間においた
曲面にし、その曲面を用いて進行方向ベクトルを算出し
ているために、道路上の任意の点の進行方向ベクトルが
正しく算出できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の交通流異常検出装置のブロッ
ク図を示す図。
【図2】(A),(B)はそれぞれ連続する入力画像フ
レームを示す図。
【図3】差分画像と車両の切出し方法を説明する図。
【図4】切り出した車両画像を示す図。
【図5】車両の対応付けと移動ベクトルの算出方法を示
す図。
【図6】本発明の他の実施例の構成を示す図。
【図7】本発明のさらに他の実施例における信頼性算出
部の構成を示す図。
【図8】ファジイ測度積分に使用するChoquet積
分法を説明するための図。
【図9】重みテーブルの例を示す図。
【図10】各特徴量のメンバーシップ関数を示す図。
【図11】本発明のさらに他の実施例においての総合判
定部の構成を示す図。
【図12】(A),(B)は、それぞれ道路画像および
道路上の進行方向ベクトルの算出法を説明するための
図。
【図13】本発明にさらに他の実施例においての進行方
向ベクトルを算出する部分の構成を示す図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−259798(JP,A) 特開 昭59−183498(JP,A) 特開 平4−323780(JP,A) 特開 平3−12788(JP,A) 特開 平6−274786(JP,A) 特開 平6−110552(JP,A) 特開 平4−313198(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/00 G06T 7/20 G08G 1/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】道路上を通過する車両の画像を検出する画
    像検出手段と、該画像検出手段で検出された連続する画
    像フレームから該画像フレーム内の車両の移動ベクトル
    を算出する車両移動ベクトル算出手段と、 予め求められた道路上の該車両位置での進行方向ベクト
    ルと前記移動ベクトルとのなす角度に基づいて交通流の
    異常有無を判定する異常有無判定手段と、を備えてなる
    交通流異常検出装置。
  2. 【請求項2】前記車両移動ベクトル算出手段は、 連続した画像フレーム間の差分をとって車両部分の外接
    長方形を算出し、さらにこの外接長方形を画像フレーム
    に当てはめることで車両を切り出す車両切出し部と、 切り出した車両を参照して連続した画像フレーム間での
    同一の車両の対応をとる車両対応付け部と、 該車両対応付け部での車両の対応結果に基づいて車両の
    移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部とを備え
    る、請求項1記載の交通流異常検出装置。
  3. 【請求項3】前記車両切出し部で切り出して抽出した車
    両の大きさ、前記車両対応付け部で得られた車両の対応
    結果の確からしさ、及び前記移動ベクトル算出部で算出
    した車両の移動ベクトルの大きさを含む画像処理段階で
    の所定の情報の内一つ又は複数の情報に基づいて画像処
    理の確からしさを算出する信頼性算出手段と、 該信頼性算出手段の算出結果と前記異常有無判定手段の
    判定結果から交通流の異常有無を総合的に判定する総合
    判定手段と、をさらに備える請求項2記載の交通流異常
    検出装置。
  4. 【請求項4】前記信頼性算出手段は、前記所定の情報を
    特徴量とする各々のファジイ測度を算出するファジイ測
    度算出手段と、 各特徴量の組み合わせに対するファジイ測度値積分用の
    重みを予め記憶する重みテーブルと、 該重みテーブルの重みを使用して前記ファジイ測度算出
    手段により算出されたファジイ測度の積分演算を行うフ
    ァジイ積分手段と、を備える請求項3記載の交通流異常
    検出装置。
  5. 【請求項5】前記総合判定手段は、前記信頼性算出手段
    の算出結果と前記異常有無判定手段の判定結果から交通
    流の異常有無を画像フレーム単位で判定する暫定判定手
    段と、 該暫定判定手段で判定された結果を複数フレーム分記憶
    する暫定判定結果記憶手段と、 該暫定判定結果記憶手段に記憶されている複数フレーム
    分の判定結果から交通流の異常有無を最終的に判定する
    最終判定手段と、を備える請求項3記載の交通流異常検
    出装置。
  6. 【請求項6】前記異常有無判定手段は、画像内における
    道路上の白線等、道路の進行方向に沿って引いてある複
    数の基準線を、各々XY座標に置いた状態から、Z方向
    の各基準線間隔が所定の長さとなるように各基準線をZ
    方向へ移動させることによって形成される、三次元曲面
    z=f(x,y)を算出する手段と、 前記車両の位置するXY座標中の、点(p,q)におけ
    る前記進行方向ベクトルを、曲面z=f(x,y)と平
    面z=f(p,q)の交線の傾きによって算出する手段
    と、を含んでなる請求項1記載の交通流異常検出装置。
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