JP3143379U - 超軟水のできる感温変色計 - Google Patents

Abstract

【課題】石けんカスやぬめりの発生を防止可能な超軟水ができ、また湯水温表示機能を設えた感温変色計を提供する。
【解決手段】合成樹脂等による中空状で球状等の容器に一定程度の孔を複数設け、その内部にイオン交換樹脂材を詰めた袋状の不織布等を包含させて超軟水化機能を持たせ、かつ容器あるいはその表面に感温変色機能を併せ持たせことで、温熱効果による上記利点の向上促進やぬめりを低減して汚れや転倒の防止を図り、さらに老人等の火傷防止等を目的としたものである。
【選択図】図１

Description

本考案は、合成樹脂、ゴム、繊維、木材、セラミック及び金属のうちの一つ以上と感温機能性色素材により、内部が中空状で一定程度の孔を設けて球状形、方状形、平状形、柱状形あるいは動植物形とした容器の内部に、イオン交換樹脂材あるいはゼオライトを詰めた袋状の天然及び化学繊維による織布あるいは不織布を包含してなされる超軟水化機能と、感温機能性色素材により湯水温を感じて変色する感温変色機能を併せ持たせた超軟水のできる感温変色計に関する。

文献１は、「洗濯用水質改善用具」としてイオン交換樹脂を、水を通すことのできる袋状のネットに密封して洗濯機の中に投入するだけで、軟水化機能が働き、水中のカルシウムやマグネシウムを低減するとしている。

その効果は、硬度物質（カルシウムやマグネシウム）のある洗濯水が軟水化することで色物の衣類に発生する石けんカスを抑制できるとしている。

また、文献２は、浴槽に固定ボルトで取り付ける手摺りを、熱変色性色素を含んだ芯材樹脂の外面を透明樹脂で被覆するもので、その特徴は、必ず浴槽に取り付けたこと及び入浴に適した温度で変色する色素を用いて視認効果を高めたこととある。

しかし、これら文献には欠点も多い。文献１は、通常の洗濯工程が水洗い、洗剤洗い、すすぎ洗いといった各工程のすべてにおいて洗濯水を必ず取り替えるため、イオン交換樹脂による軟水化作用が希薄となることは明らかであり、その効果は不十分と思われる。

また、文献２では、浴槽の一定箇所に固定ボルトでの取り付けが重要な要素であるとされているが、固定されている手摺りの色変化を、果たして老人等が気付くとは思えない。

文献１

登録実用新案第３１１２１１８号

文献２

特願平１１−４２３２２

入浴には、身体や肌の汚れを落として清潔にするという衛生面や美容面での効果と、身体を温めて交感神経及び副交感神経を働かせて新陳代謝や疲労回復を促すだけでなく、筋肉の緊張緩和や血液循環の促進等によってストレス解消や精神の安定を図る効果がある。

しかし、身体を温めて新陳代謝や疲労回復の促進、そしてストレス解消等による精神の安定を図る温熱効果は、通常の湯水にもカルシウムやマグネシウム等の硬度物質が含まれているために、その効果はかなり抑制されている。

また、身体や肌の汚れを落とす際に使用する石けんは、界面活性剤であるため水中の金属イオンと化合して金属石けんと呼ばれる石けんカスになって入浴者の肌や髪を傷めるだけでなく、浴槽や排水管等にぬめりを発生させて汚れを増加させたり転倒によるケガの危険を増大させている。

さらに、浴槽の残り湯を洗濯水とする場合にも、それら硬度物質が衣類の汚れを落としにくくしているために柔軟剤を必要としている。

一方、入浴者や家族等の湯水温に対する注意認識や配慮が薄いために、入浴者自身がその都度確認して湯水温調整をすることが多くなり、特に老人や幼児等の入浴に際しては適温調整が不十分となることで火傷等の危険を伴っている。

以上の課題に加え、入浴者が超軟水化機能による効果と、湯水温を視覚的かつ積極的に認識させる感温変色機能を併せ持たせた用具あるいは装置は今までなかった。

本考案は、上記課題に対し、合成樹脂等（等はゴム、繊維、木材、セラミクス及び金属。以下略。）による中空状で球状等（等は方状形、平状形、柱状形あるいは動植物形。以下略。）の容器に一定程度の孔を複数設け、その内部にイオン交換樹脂材（ゼオライトを含め、以下略。）を詰めた袋状の天然及び化学繊維による織布あるいは不織布（以下「不織布等」とする。）を包含させて超軟水化機能を持たせ、かつその容器あるいは容器表面に感温変色機能を併せ持たせたことで、温熱効果による利点の向上促進だけでなくぬめりの発生を低減して汚れや転倒の防止を図り、さらには老人等の火傷の防止等を目的としたものである。

上記目的を達成するために、まず合成樹脂等と感温機能性色素材により中空状で球状等の容器を成形し、その容器に一定程度の孔を複数設け、例えばその容器が上下に開閉可能となるように成形する。

その際、合成樹脂等に感温機能性色素材を含めて上記容器を成形したり、合成樹脂等による容器成形後にその表面に感温機能性色素材を塗布等により定着させ、さらにその上面に透明の合成樹脂等を配して保護すること等で感温変色機能を併せ持たせた容器とする。

次に、湯水温に対応して変色するように調整したイオン交換樹脂材を一定量詰めた袋状の不織布等を上記容器の内部に包含させることで、本考案の超軟水のできる感温変色計が形成される。なお、本考案の対象には、浴槽に限らずおよそ一定量の湯水を貯めた器を含み、屋内外で湯水を貯めたもの（例えばプール等）も含まれる。

なお、上記容器を湯水面に投入（浮遊）する際に上下区分を要する場合には、当該容器の下部等に錘あるいは壁面を厚くする等の工夫を用いて安定させてもよい。

本考案による主な作用は以下のとおり。まず、本考案の容器を一定量の湯水が張られた浴槽内に投入（浮遊）することで、当該容器内部に包含させた袋状の不織布等に詰まったイオン交換樹脂材が湯水を超軟水化する。この際、浴槽内の湯水は一定時間貯まっているので、超軟水化作用が継続されて本考案による効果が期待できる。

また、同時に上記容器に含まれる感温機能性色素材を事前に入浴用に調整しておき、その色素材が湯水温を感知して、例えば青色からオレンジ色のように浮遊中に変色することで、入浴者の視覚に積極的に訴えて適切な湯水温を認識させることになる。

まず、イオン交換樹脂材が湯水を超軟水化してカルシウムやマグネシウムを一定程度取り除き、それによって温熱効果が向上して新陳代謝や疲労回復が促進されるとともにストレス解消等による精神の安定がより図られる。

また、石けんカスが減少して入浴者の肌の保湿性が高まることで、美容効果が向上したり入浴者の髪が傷みにくくなるだけでなく、ぬめりの発生が抑制されることで浴室の浴槽や床や排水管が汚れにくくなり、維持管理の改善や転倒防止も図られる。

次に、本考案の容器を湯水に浮かべることで感温機能性色素材も揺れ動き、特に老人等の入浴者の視覚に積極的に湯水温を訴えられることで、適温か否かを認識させて火傷等の危険を低減できる。

以下、本考案の一実施例の形態を図面に基づいて説明する。但し本考案はこれらに限定されるものではない。

図１は本考案の超軟水のできる感温変色計１の外観及び一部断面図である。まず合成樹脂等と感温機能性色素材により中空状で一定程度の孔３を設けた球状等の容器２を成形する。なお、感温機能性色素材を、合成樹脂等だけで成形した容器２の表面に塗布しその表面を合成樹脂等で保護する方法でもよい。

次に、湯水に含まれるカルシウムやマグネシウムを除去して超軟水とするためのイオン交換樹脂材４を、例えば細かなメッシュ状あるいは透水性を有する袋状の不織布等５に内包する。なお、それにはファスナー、紐又はテープ等によりイオン交換樹脂材４を出し入れできる取出口を設ける。

また、上記容器２にはイオン交換樹脂材４の出入れを行えるように、例えば上下に分けられるようにした開閉口６を設ける。

そして、上記容器２の内部に、イオン交換樹脂材４を詰めた袋状の不織布等５を内包させることで、本考案の超軟水のできる感温変色計１が形成される。

本考案の超軟水のできる感温変色計の一実施例を示す外観及び一部断面図。

符号の説明

１ 超軟水のできる感温変色計
２ 容器
３ 孔
４ イオン交換樹脂材
５ 不織布等
６ 開閉口

Claims (3)

1. 合成樹脂、ゴム、繊維、木材、セラミック及び金属のうちの一以上と感温機能性色素材により、中空状で一定程度の孔を複数設けて球状形、方状形、平状形、柱状形あるいは動植物形とした容器の内部に、イオン交換樹脂材あるいはゼオライトを一定量詰めた袋状の天然及び化学繊維による織布あるいは不織布を包含させて、イオン交換樹脂材あるいはゼオライトによる超軟水化機能と感温機能性色素材による感温変色機能を併せ持たせたことを特徴とする超軟水のできる感温変色計。
2. 上記において成形された容器の内部に、イオン交換樹脂材あるいはゼオライトを一定量詰めた袋状の天然及び化学繊維による織布あるいは不織布を包含させたことを特徴とする請求項１記載の超軟水のできる感温変色計。
3. 上記においてイオン交換樹脂材あるいはゼオライトによる超軟水化機能と感温機能性色素材による感温変色機能を併せ持たせたことを特徴とする請求項１記載の超軟水のできる感温変色計。

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