JP3143087B2 - 絶縁継ぎ手の製作方法 - Google Patents

絶縁継ぎ手の製作方法

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JP3143087B2
JP3143087B2 JP09282117A JP28211797A JP3143087B2 JP 3143087 B2 JP3143087 B2 JP 3143087B2 JP 09282117 A JP09282117 A JP 09282117A JP 28211797 A JP28211797 A JP 28211797A JP 3143087 B2 JP3143087 B2 JP 3143087B2
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淳 秋元
務 高橋
喜一 岡崎
正 高島
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溶融炭酸塩型燃料電池発電システム技術研究組合
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Fuel Cell (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池の高温雰囲
気下で使用されるガス配管の電気絶縁配管継手に関わる
ものであり、特に流体の温度が650〜700℃と高温
の条件下で良好なガスシール性と電気絶縁性を有するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来技術の燃料電池の高温ガス配管に使
用される電気絶縁配管継手としては特開平7−1694
72号公報に燃料電池のガス配管とガス配管との間に絶
縁配管継手を使用することが提案されている。この絶縁
配管継手はフランジを有するガス配管とガス配管との間
に絶縁材のガスケットなどのシール材を配置し、フラン
ジに設けた貫通穴よりネジ部を挿入し、ネジ部の先端に
ナットを装着し、ナットを締め付けて、ガス配管とガス
配管との間にガスシール材を固定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この構
造のガスシールについては下記の様な問題点がある。
【0004】1.絶縁材であるセラミックスとガス配管
及びフランジの金属との線膨張係数が大きく異なり、ガ
ス配管の昇降温時に熱の伸びによる差でシール面が摺動
するため、シール材の変形及びシール面の荒れによりガ
スシール性が低下する。これは、配管径が太きくなるに
従いその影響が大きくなる。
【0005】2.絶縁の為のガスケットとして軟質のモ
ネル、銅などの金属に金メッキを行ったものを使用して
いるが、メッキ層はポーラスで有り緻密質は期待できな
いため、高温空気などの酸化雰囲気下ではガスケット材
が酸化してシール性が低下する恐れがある。
【0006】3.絶縁材を厚くした場合、絶縁材と締め
付けボルトとの熱伸び差により、昇温時にボルトがゆる
みシール性が低下する恐れがある。これは電気絶縁性能
をあげるために絶縁材の厚さを厚くするほど顕著とな
る。
【0007】4.ボルトはフランジの弾性により締め付
けられているが、長時間の使用ではフランジ材のクリー
プにより締め付け力が不足しシール性が低下する恐れが
ある。
【0008】本発明の目的は、長期の使用において安定
したガスシール及び電気絶縁性能を有する絶縁配管継手
の製作方法及びその製作方法により製作した絶縁配管継
手を提供することにある。
【0009】[課題を解決する手段] 本発明の絶縁継ぎ手の製作方法は、接合すべき配管の互
いに対向する各端部にそれぞれフランジを形成し、前記
各フランジの対向面の周方向に沿って取付けられている
と共に、内周側と外周側との間の断面形状が略V型形状
を有する接合リングと、前記接合リングと前記フランジ
との間に前記配管に連通する前記接合リングの内径より
大きい外径を有するアルミナリングが前記接合リングを
圧縮するように接合し、前記接合リングと前記アルミナ
リングとが互いに対向する接合面にそれぞれNiメッキ
とMo−Mnメタライズ層とを施し、前記Niメッキと
Mo−Mnメタライズ層との間にろう材を挟み、前記接
合リング及び前記アルミナリングを昇温し、前記接合リ
ングと前記アルミナリングとの間をろう材により接合し
た後、ろう付け温度以下で前記接合リングが前記アルミ
ナリングを圧縮するように接合していることを特徴とす
る。
【0010】本発明の絶縁継ぎ手は、前記アルミナリン
グと接触する前記接合リングの接触面に前記アルミナリ
ングを接合する時に前記接合リングの圧縮力を弱める複
数の切り込み溝を設けることを特徴とする。
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1ない
し図3に示す絶縁配管継手により説明する。
【0014】図1は電池スタックに絶縁フランジを取り
付けた説明図である。電池スタックは電解質板、電極よ
り構成される単セルをセパレータを介して多数積層した
積層セル1とその上下両端にガス配管を接続するための
ガスヘッダ2から構成されている。ガスヘッダ2にはそ
れぞれ燃料ガスの入口配管、出口配管及び酸化剤ガスの
入口配管、出口配管が設けられている。これらのガスヘ
ッダ2は絶縁フランジ10を介してスタック外部のそれ
ぞれの燃料ガス入口配管6A、燃料ガス出口配管6B及
び酸化剤ガスの入口配管5A及び出口配管5Bに接続し
ている。燃料ガス出口配管6Bは燃料ガス入口配管6A
と対応するガスヘッダ2に設けられ、燃料ガスを外部に
排気する。
【0015】これらの配管から温度650〜700℃の
燃料ガス及び酸化剤ガスが絶縁フランジ10を通ってガ
スヘッダ2から積層セル1内に導かれ、反応した後再び
ガスヘッダ2の出口配管に集まり、出口側の絶縁フラン
ジ10を通ってスタック外の配管に排出される。絶縁フ
ランジ10は積層セル1が発電する際にガスヘッダ2に
も電位が生じることから、ガス配管を通して電池が短絡
するのを防ぐ役割を果たしている。
【0016】絶縁フランジ10は図1に示すように各配
管5A,5B,6A,6Bを接続しているが、構成が同
じなので、以下、図2,3を用いて入口配管5Aの構成
ついて説明する。即ち、一端に絶縁性のフランジ10
Fを有する中空状の一方側SUSの入口配管5Aと、他
方側SUSの配管5Bとの間に配管と連通するセラミッ
クスより成るアルミナリング11を配置し、アルミナリ
ング11と対向するフランジ面にアルミナリング側に突
出する接合リング12を設け、接合リング12とアルミ
ナリング11とをろう材13にて一体に接合している。
接合リング12は、フランジ面の周方向に沿って取り付
けられていると共に、外周側と内周側との間の断面形状
が略V型形状を有している。
【0017】また、アルミナリング11と金属部材の接
合リング12の接合にはNiろう材をろう材13として
付した。通常、金属とセラミックスを接合する場合、そ
の金属材としてはコパール、ファーニコなどの線膨張係
数がセラミックスに近い鉄ニッケル合金が使用される。
【0018】しかし、これらの金属は燃料電池の様な高
温酸化雰囲気条件での耐食性がSUS材に比べ低いこと
や、本発明のフランジ10Fが挿入される外部配管は一
般的な鋼管、及びステンレス管であるため、これら低膨
張係数材との溶接が必要であり、該溶接部での熱伸び差
を吸収するための対策が必要となることなどを考慮する
必要がある。このことから、本発明では接合リングに使
用される金属として、高温での強度及び耐食性に優れる
SUS316材を選定している。
【0019】また、セラミックスとしては高温強度、電
気絶縁性にすぐれる点からアルミナ材を選定した。ろう
付けを行う部分はテーパの端部部分である。SUS材の
接合リング11の接合部にはNiメッキを、またアルミ
ナリング11の側にはMo−Mnのメタライズ処理をし
たメタライズ層15を施し、ろう付け時の接合性を向上
させている。また、テーパはアルミナリング11、SU
S材の接合リング12とも同じ傾斜のテーパであり、ろ
う付け時の接合リング12とアルミナリング11の熱伸
び差による空隙の発生を防ぐために付けている。
【0020】接合リング12の内径は温度がろう付け時
の1100℃になった時に、アルミナリング11の外径
と熱伸びした接合リング12の内径がほぼ等しくなるよ
うに設定している。アルミナリング11の肉厚は接合リ
ング12がろう付け温度から常温にいたる過程で発生す
る締め付け力に対し、十分な強度持つ肉厚に設定してい
る。電気絶縁性能としては、温度700℃で1MΩの抵
抗値を確保するため、アルミナの抵抗率から温度700
℃での抵抗値を算出して接合リング12間の距離を設定
した。
【0021】次に、上述を考慮して絶縁配管継手の詳細
構成及び製作方法を図4ないし図6により説明する。
【0022】絶縁配管継手である絶縁フランジ10のろ
う付けは図4に示すように置台16に一方側の接合リン
12、アルミナリング11、他方側の接合リング12
とを順次積み重ね、ろう付け用重石17を載せた状態で
炉内にセットする。絶縁フランジ10の周囲温度が70
0℃であることから、ろう材にはろう付け性を良くする
ために接合リング12にNiメッキ14を施し、アルミ
ナリング11にMo−Mnのメタライズ層15を施して
いる。
【0023】この時、接合リング12はその内径がアル
ミナリング11の外径より約2mm小さく、また接合部
にテーパが付けられているため、ろう付け巾がラップし
ているのは約5mm程度である。この状態で炉の温度を
ろう付け温度である1100℃まで昇温し、30分ほど
保持した後、降温する。この状態は図5のようにろう付
け用重石17による押圧力Pと接合リング12の熱伸び
により接合リング12がE方向に拡張すること、及びN
iメッキ14とメタライズ層15との溶融による濡れに
より、図6のようにフランジ10F及び接合リング12
内にアルミナリング11が嵌め込まれる。接合リング1
2とアルミナリング11との間は溶融したろう材13に
て一体化される。昇降温速度はろう付け中、アルミナリ
ング11に熱衝撃を加えぬよう100℃/hで行う。
【0024】ろう付けの昇温の過程で接合リング12は
熱伸びのため径が約2mm増加するが、接合リング12
及びアルミナリング11にはテーパが付けられているた
め、上下の接合リング12はその熱伸びに応じてアルミ
ナリング11に沈み込み、ろう付けの間アルミナリング
11と接合リング12の接合部のギャップは適正に保た
れる。
【0025】ろう付けの降温過程で接合リング12は収
縮し、アルミナリング11には図6のように接合リング
12の圧縮応力Cが加わる。この時、接合リング12の
板厚が約0.6mmと薄いのに対し、アルミナリング1
1の肉厚は約10mmと厚く、この圧縮応力に十分耐え
ることができる。また、このろう付けの際接合リング1
2は、1100℃まで昇温された後100℃/hで徐冷
されるため、降温の過程で焼きなまされる。
【0026】アルミナリング11と接合リング12の接
合後、SUS304からなるSUSのフランジ10Fを
接合リング2に溶接して図3に示す絶縁フランジ10が
完成する。絶縁フランジ10は1100℃以下では常に
アルミナリング11に接合リング12の圧縮応力Cが残
っているので、良好なシール性を保つことができる。
【0027】このように本発明において、絶縁フランジ
10のアルミナリング11と接合リング12のシール部
はNiのろう付け13によるため、ガスケットなどのシ
ール材に比較して良好なシール性を保つことができる。
【0028】本発明の絶縁フランジ10を実際に使用す
る場合、配管内流体の昇降温にともない常温〜700℃
のヒートサイクルが加わる。この時アルミナリング11
と接合リング12との熱伸び差により、接合リング12
には周方向で約1%の歪みが発生するが、本発明のアル
ミナリングはすでに接合時に接合リング12により焼き
なまされているため容易に変形し、アルミナリング11
を破壊するほどの応力を発生する恐れがない。
【0029】流体に対する耐食性の面から見ると、本継
ぎ手はその部材がアルミナ、SUS316、SUS30
4等、耐食性に優れる材料で構成されており、燃料電池
に利用される流体に対して十分使用が可能である。
【0030】また、本発明のフランジ10Fでは絶縁材
であるアルミナリングの長さを任意に設計できるため、
一定の電気抵抗が必要な場合に抵抗値の確保が容易であ
る。本実施例では温度700℃で1MΩの抵抗値を確保
したい為、接合リング12間の距離を30mmとした
が、それほどの抵抗値を必要としない場合は、このアル
ミナリングの長さを短くする事により容易に目的の抵抗
値を確保することができる。
【0031】また、本発明の接合リングの周方向の伸び
差については接合リングの板厚を薄くして接合部での応
力を低く押さえ、その応力に対しアルミナリングの肉厚
を十分厚くとることで接合部の信頼性を確保している。
アルミナリングと接合リングの接合時に熱の伸びによる
部材間の隙間が生じる点に関しては、接合部をテーパと
して、接合時に外部配管の軸方向に重石をおき接合中軸
方向に荷重を加えておくことにより、このテーパ部で隙
間の発生を防ぐことができる。
【0032】また、一般にアルミナリングは金属に比べ
て線膨脹係数が小さいため、本発明の接合部はアルミナ
リングに金属の接合リングを焼ばめする形になるため、
アルミナリングは常温まで降温する段階で金属の接合リ
ングにより締め付けられて、圧縮応力が加わる。アルミ
ナ材は引っ張りに比べ圧縮強度は約10倍程度大きくな
ることから、アルミナリングの肉厚を十分にとることに
より、接合後の降温時に圧縮応力でアルミナリングを破
損する恐れはない。更に、アルミナリングを接合リング
に挿入しずらい時には、図7に示すように接合リングに
切り込み溝を設けても良い。即ち、アルミナリング11
と接触する接合リング12の接触面にアルミナリング1
1を接合する時に前記接合リング12の圧縮力を弱める
複数の切欠き溝18を設ける。
【0033】また、本発明の絶縁フランジに高温ガスを
流した場合、SUS金属の接合リングは再び熱膨張し、
接合部に熱応力が発生する。この時、接合部の接合リン
グはアルミナリングへの接合時にすでに焼きなまされて
おり、且つ接合部が薄板で構成されていることから、実
際に接合部に加わる力は小さくろう付け部及びアルミナ
リングが破壊されることはない。更に高温ガスを流して
いる場合には接合リングの軸方向への伸縮は図2に示す
接合リングとアルミナリングとの間の窪み19により吸
収することが出来る。
【0034】この様に絶縁材をアルミナリングとし、シ
ールをろう付けとしたことにより、絶縁配管継手のシー
ル性を向上させる事ができる。また、従来構造と比較す
ると絶縁材を締め付けるボルトが不要であり、絶縁材を
締め付けているフランジも軽量化できるなど、絶縁フラ
ンジの構造を簡略化する事ができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明の絶縁配管継手は絶
縁フランジ10の使用により、1100℃以下では常に
アルミナリング11に接合リング12の圧縮応力Cが加
わつているので、燃料電池の運転時の700〜800℃
の高温度ガス下でも良好なシール性を保つことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例として示した燃料電池の概略構
成図。
【図2】図1に使用した絶縁継ぎ手の一部を断面した説
明図。
【図3】図2を上側または下側から見た平面図。
【図4】図1の絶縁継ぎ手を製作するための組立て説明
図。
【図5】図1の絶縁継ぎ手の製作工程の一部を示した説
明図。
【図6】図1の絶縁継ぎ手の製作工程の一部を示した説
明図。
【図7】本発明の他の実施例である絶縁継ぎ手の一部を
示す斜視図。
【符号の説明】
1…積層セル、2…ガスヘッダ、5A…入口配管、5B
…出口配管、6A…燃料ガス入口配管、6B…燃料ガス
出口配管、10…絶縁フランジ、10F…フランジ、1
1…アルミナリング、12…接合リング、13…ろう
材、14…Niメッキ、15…メタライズ層、16…置
台、17…ろう付け用重石、18…切欠き溝、19…窪
み。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 喜一 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立 ニュークリアエンジニアリング株式会社 内 (72)発明者 高島 正 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 平3−223589(JP,A) 特開 昭55−149177(JP,A) 特開 昭59−26984(JP,A) 特開 昭59−35075(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/00 - 8/24 C04B 37/02 F16K 25/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合すべき配管を互いに対向する各端部
    にそれぞれフランジを形成し、前記各フランジの対向面
    の周方向に沿って取付けられていると共に、内周側と外
    周側との間の断面形状が略V型形状を有する接合リング
    と、前記接合リングと前記フランジ面との間に前記配管
    に連通する前記接合リングの内径より大きい外径を有す
    るアルミナリングが前記接合リングを圧縮するように接
    合し、前記接合リングと前記アルミナリングとが互いに
    対向する接合面にそれぞれNiメッキとMo−Mnメタ
    ライズ層とを施し、前記NiメッキとMo−Mnメタラ
    イズ層との間にろう材を挟み、前記接合リング及び前記
    アルミナリングを昇温し、前記接合リングと前記アルミ
    ナリングとの間をろう材により接合した後、ろう付け温
    度以下で前記接合リングが前記アルミナリングを圧縮す
    るように接合していることを特徴とする絶縁継ぎ手の製
    作方法。
  2. 【請求項2】 前記アルミナリングと接触する前記接合
    リングの接触面に前記アルミナリングを接合する時に前
    記接合リングの圧縮力を弱める複数の切欠き溝を設ける
    ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁継ぎ手の製作方
    法。
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