JP3142386U - 医療廃棄容器 - Google Patents

Abstract

【課題】専用の器具を用いることなく、安全にペン型注射器から針ユニットを取り外すことができる医療廃棄容器を提供する。
【解決手段】医療廃棄容器１は方形状の容器であり、容器本体（収容部）１２と、内蓋１３および外蓋１４からなる蓋部１０とを備えている。前記内蓋１３および外蓋１４は一体に成形され、内蓋１３と外蓋１４の間は薄肉部１５となっている。内蓋１３は、容器本体１２の上部に嵌め込まれており、外蓋１４は、薄肉部１５を中心に回転可能となっている。内蓋１３は、その上面に使用済の針ユニット２７および針ケース２０が投入される開口１６および針ユニット２７の取り外しに用いる有底の取外し凹部１７を備えている。針ユニット２７の取り外しや、取り外した針ユニット２７を、開口１６から医療廃棄容器１の内部に投入するには、外蓋１４を回動させて開いた状態で行う。
【選択図】図４

Description

本考案は医療廃棄容器に関するものである。

従来より、たとえば、インスリンや成長ホルモンを患者が自分で注射する（自己注射）するためのペン型注射器が提案されている（特許文献１参照）。
前記患者が自己注射を行えるようになるまで、看護師が前記ペン型注射器を用いて患者に注射方法を教えている。かかる場合には、前記注射を行った後、衛生上の観点から、１回の注射ごとにペン型注射器の針ユニットの交換を看護師が行っている。使用済の針ユニットは、医療廃棄容器に廃棄される（特許文献２参照）。
特表２００６−５１９０７８号公報 登録意匠番号１１６６２０２号公報

しかし、前記ペン型注射器の針ユニットの交換中に針先が看護師に自身に刺さり、院内感染が生じるなどの医療事故が発生している。
一方、前記医療事故を回避するために、看護師の手をカバーするようなラッパ型の交換用器具も使用されているが、大型で嵩張り、また、該交換器具を持参することを失念するおそれがあるなど煩雑である。

したがって、本考案の目的は、別途、専用の器具を用いることなく、安全にペン型注射器から針ユニットを取り外すことができる医療廃棄容器を提供することである。

前記目的を達成するために、本考案の医療廃棄容器は、針と当該針の一部を囲繞する針ハウジングとを有する針ユニットがネジにより本体ケースに着脱され、患者が自分で薬液を投与するのに適したペン型注射器の前記針ユニットを投入する開口が形成された蓋部と、前記投入された針ユニットを収容する収容部とを備えた医療廃棄容器であって、前記本体ケースから前記針ユニットを取り外す針ケースを立設するための有底の取外し用凹部が前記蓋部に形成され、かつ、前記凹部の底部は前記立設された前記針ケースの下端を支持することが可能であり、前記凹部は、前記針ケースが凹部に嵌着せず、かつ、前記針ケースが凹部内で倒れることのないように、深さが６．０ｍｍ〜１０ｍｍで、直径が５．８ｍｍ〜６．８ｍｍに設定されていることを特徴とする。

本考案によれば、医療廃棄容器に形成された取外し用凹部に針ケースを挿入し、該針ケースにペン型注射器を押し込んで、針ユニットの針ハウジングに前記針ケースを嵌着させるので、看護師に針先が刺さるなどの事故を防止しながら、針ハウジングの交換を行うことができる。
また、別途、針ユニットを取り外すための器具を持ち歩く必要が無くなるので至便である。

以下、本考案の実施例を図面にしたがって説明する。
図１〜図８は実施例１を示す。
ペン型注射器型：
本考案の医療廃棄容器を説明するに先立ち、まず、自己注射に用いるためのペン型注射器について説明する。

図８Ａに示すように、ペン型注射器は、本体ケース３０と針ユニット２７からなる。針ユニット２７は、針２５と当該針２５の一部を囲繞する針ハウジング２６とを有する。図７Ｄに示すように、針２５は、円筒形の本体ケース３０の先端部の径方向に設けられた、たとえばゴム製の挿入部３０ｂを貫通して本体ケース３０内に挿入される。前記挿入によって、本体ケース３０内の薬液は針２５を通り患者に投与可能な状態となる。
前記ペン型注射器を用いて医薬品の投与を行うには、投与量を該ペン型注射器に設定した後、針２５に装着された針キャップ２４を取り外した後、針２５を患者の体に挿入して、該ペン型注射器内に予め投入された医薬品を患者の体内に投与する。

前記注射を行う毎に、針ユニット２７を本体ケース３０から取り外し、注射を行う度に新たな針ユニット２７を本体ケース３０に装着する。

針ユニット２７；
図６に示す本体ケース３０に装着前の針ユニット２７は、予め、針ケース２０内に収納された後、カバーフィルム２２によって密閉されている。
ここで、図７Ｄに示すように、針２５の周囲には前記針ケース２０の先端の小径部２１に嵌着するための針ハウジング２６が設けられている。

針ユニット２７の装着方法；
まず、図６に示すカバーフィルム２２を、図７Ａに示すようにはぎ取った後、図７Ｂに示すように、針ケース２０内に収納された針ユニット２７の挿入孔２３内に本体ケース３０の先端部３１（図７Ａ）を挿入した後、複数回、針ケース２０を本体ケース３０に対して所定の締まり方向に回転させる。図８Ａに示すように、本体ケース３０の先端部３１と、針ユニット２７の挿入孔２３には、互いに螺合するネジが形成されているので、前記ネジが螺合することにより、図８Ｂに示すように、本体ケース３０に針ユニット２７が固定される。

その後、針ケース２０を本体ケース３０から引き抜くと、図７Ｃに示すように、本体ケース３０に針ユニット２７が装着される。該針ユニット２７には、該針ユニット２７をカバーする針キャップ２４が装着されている。前記針キャップ２４は、注射時に外して使用する。

医療廃棄容器１：
前記針ユニット２７は、注射を行う毎に取り外して廃棄される。
以下、針ユニット２７の取り外しおよび廃棄を行うための医療廃棄容器１の構造について説明する。

図１に示すように、前記医療廃棄容器１は方形状の容器であり、容器本体（収容部）１２と、内蓋１３および外蓋１４からなる蓋部１０とを備えている。
前記内蓋１３および外蓋１４は一体に成形され、内蓋１３と外蓋１４の間は薄肉部１５となっている。内蓋１３は、容器本体１２の上部に嵌め込まれており、外蓋１４は、薄肉部１５を中心に回転可能となっている。

前記内蓋１３は、その上面に使用済の針ユニット２７および針ケース２０が投入される開口１６および針ユニット２７の取り外しに用いる有底の取外し凹部１７を備えている。針ユニット２７の取り外しや、取り外した針ユニット２７を、開口１６から医療廃棄容器１の内部に投入するには、外蓋１４を回動させて開いた状態で行う。

前記薄肉部１５は、医療廃棄容器１の背面側Ｂに設けられている。医療廃棄容器１内に収納された使用済の針ユニット２７や針ケース２０などの廃棄を行う場合には、外蓋１４を正面側Ｆに向って回動させ、開口１６を閉じた上で、外蓋１４の先端に設けた２つの爪１８ａを折り曲げて、内蓋１３上面に設けた２つの嵌合孔１８ｂにそれぞれ押し込み、外蓋１４が開かないように閉じる。

なお、医療廃棄容器１は、ヒンジ部１９ａを中心に回転可能な把手１９ｂを備えており、前記把手１９ｂを持って医療廃棄容器１を持ち運ぶことが可能である。

前記針ユニット２７を本体ケース３０から取り外すには、図５Ａに示すように、前記針ケース２０内に本体ケース３０の針ユニット２７を押し込み、針ケース２０の小径部２１の内部に前記針ハウジング２６を嵌着させる。前記嵌着後、本体ケース３０を医療廃棄容器１から引き上げると、本体ケース３０の先端に針ユニット２７が装着される。
その後、図５Ｂに示すように、所定の取外方向に針ユニット２７を複数回回転させると、本体ケース３０の先端部３１に針ユニット２７が固定される。
前記固定後、本体ケース３０から針ケース２０を引き抜き、本体ケース３０から針ユニット２７を取り外した後、図５Ｃに示すように、針ユニット２７が収納された針ケース２０を前記開口１６から医療廃棄容器１内に廃棄する。

ここで、本体ケース３０を針ケース２０に押し込む際に、針２５が看護師の指に刺さるなどの医療事故が生じ易い。そこで、図３に示すように本医療廃棄容器１には、内蓋１３の上面に、針ケース２０を立設するための取外し凹部１７が設けられている。
図４に示すように、取外し凹部１７に立設された針ケース２０に本体ケース３０の針ユニット２７側を押し込み、引き上げることで、針ケース２０の小径部２１内に針ユニット２７の針ハウジング２６が嵌着し、安全に本体ケース３０の先端に針ケース２０を装着することができる。

取外し凹部１７：
図２に示すように、前記取外し凹部１７には、針ケース２０の小径部２１（図６）が挿入される。取外し凹部１７は、針ケース２０の小径部２１が該凹部１７に嵌着せず、かつ、針ケース２０が倒れることがないように、市販の針ケースの小径部に合わせて、深さＤが６．０ｍｍ〜１０ｍｍで、直径が５．８ｍｍ〜６．８ｍｍに設定されている。
取外し凹部１７の上面は、針ケース２０の小径部２１が入り易いように、若干丸みを帯びた形状に形成されている。

図３に示すように、取外し凹部１７内に針ケース２０の小径部２１を差し込むと、図２の側面１７ａに針ケース２０の小径部２１（図６）の側面が支持されると共に、取外し凹部１７の底部１７ｂに前記小径部２１の下端が支持され、図３に示すように、針ケース２０が立設される。
なお、取外し凹部１７の平面形状は、必ずしも円形である必要はなく、多角形や楕円形など取外し凹部１７内で針ケース２０が嵌着せず、かつ、取外し凹部１７内で倒れることがない形状であればよい。
また、図１１に示すように、前記取外し凹部１７の側面１７ａには、小孔１７ｃが形成されていてもよい。

針ユニット２７の取り外し方法：
本体ケース３０から針ユニット２７を取り外すには、まず、図３に示すように、前記取外し凹部１７に、針ユニット２７を収納することが可能な針ケース２０の小径部２１を挿入し、挿入孔２３が上方に向かった状態で、取外し凹部１７に当該針ケース２０を起立状態に配置する。

その後、図４および図５Ａに示すように、針ユニット２７が取り付けられた本体ケース３０を前記針２５を下に向けた状態で、針ユニット２７を針ケース２０に押し込む。

前記押し込み後、本体ケース３０を上方に引き上げると、針ケース２０の小径部２１内に針ハウジング２６が嵌着することにより、針ケース２０が本体ケース３０の先端に装着された状態で取外し凹部１７から取り外される。

その後、図５Ｂに示すように、本体ケース３０に対して針ケース２０を、図５Ｂに示す所定の方向に複数回回転させると、針ユニット２７のネジと、本体ケース３０の先端部３１のネジとが外れる。かかる状態で、本体ケース３０から針ケース２０を引き抜くと、該針ケース２０内に針ユニット２７が収納された状態で、本体ケース３０から針ユニット２７が取り外される。

前記取外後、図５Ｃに示すように、前記針ユニット２７の収納された針ケース２０を医療廃棄容器１の開口１６から前記容器本体１２内に投入して廃棄する。

図９は実施例２を示す。
図９に示すように、実施例２の医療廃棄容器１は、円筒形に形成されている。
医療廃棄容器１の内蓋１３には、取外し凹部１７および使用済みの針ユニット２７の収納された針ケース２０を廃棄するための開口１６が形成されている。
その他の構成は、実施例１と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。

前記医療廃棄容器１は、患者が携帯して使用できる大きさに形成されているのが好ましい。
なお、図１０に示すように、開口１６の代わりに、ペン型注射器以外の通常の注射器の注射針を取り外すための取外孔４０が形成されていてもよい。

本考案の実施例１にかかる医療廃棄容器を示す概略斜視図である。 同取外し凹部を示す拡大された概略断面図である。 医療廃棄容器を示す概略斜視図てある。 医療廃棄容器を示す概略斜視図てある。 図５Ａ〜図５Ｃは、針ユニットの取り外し方法を示す概略斜視図である。 針ケースを示す概略斜視図である。 図７Ａ〜図７Ｄは、針ユニットのペン型注射器への装着方法を示す概略斜視図である。 図８Ａおよび図８Ｂはペン型注射器を示す概略斜視図である。 本考案の実施例２にかかる医療廃棄容器を示す概略斜視図である。 医療廃棄容器の変形例を示す概略斜視図である。 取外し凹部の変形例を示す概略断面図である。

符号の説明

１：医療廃棄容器
１０：蓋部
１２：容器本体（収容部）
１６：注射器投入口（開口）
１７：取外し凹部
２０：針ケース
２３：挿入孔（針ケースの開口）
２５：針
２６：針ハウジング
２７：針ユニット
３０：本体ケース

Claims (1)

1. 針と当該針の一部を囲繞する針ハウジングとを有する針ユニットがネジにより本体ケースに着脱され、患者が自分で薬液を投与するのに適したペン型注射器の前記針ユニットを投入する開口が形成された蓋部と、前記投入された針ユニットを収容する収容部とを備えた医療廃棄容器であって、
   前記本体ケースから前記針ユニットを取り外す針ケースを立設するための有底の取外し用凹部が前記蓋部に形成され、
   かつ、前記凹部の底部は前記立設された前記針ケースの下端を支持することが可能であり、
   前記凹部は、前記針ケースが凹部に嵌着せず、かつ、前記針ケースが凹部内で倒れることのないように、深さが６．０ｍｍ〜１０ｍｍで、直径が５．８ｍｍ〜６．８ｍｍに設定されていることを特徴とする医療廃棄容器。

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