JP3141948U - 水力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】火力発電や原子力発電は大気汚染や放射能汚染の恐れがあり、それらの恐れのない発電が望まれている。そのようなものとして水力発電があるが、ダムを建設する必要があり、多額の費用と長い年月を要するという問題点があった。そこで、コスト安く手軽に発電できる水力発電を提供する。
【解決手段】第1水車4,第2水車5からプーリー8,9を経てプーリー10に合成回転力を得る水力ユニットを、複数個設置する(2A〜2F)。各水力ユニットの出力であるプーリー10の回転力を集め、回転力伝達機構13を介して発電機17に伝える。その回転力により発電機17を回転し、発電する。
【選択図】図1

Description

本考案は、河川等の水流を利用した水力発電装置に関するものである。
現在の日本における発電事情を概観すると、以下の通りである。日本での発電は、主として火力発電および原子力発電によって行われており、水力発電はそれらを補完する形で行われている。
火力発電は、石油を燃やして発電をしているわけであるから、大量の二酸化炭素CO2 を大気中に排出している。大気中にCO2 を排出することは、大気汚染や地球温暖化の原因になるとして厳しく批難されており、電力需要が増えるからといって火力発電を増やすことは、今後はなかなかむづかしくなって来ている。
原子力発電は大気中にCO2 を排出するわけではないから、大気汚染や地球温暖化の原因とはならない。しかし、大地震や発電所内での何らかの事故により、放射能が洩れて放射能汚染をもたらす危険性は、常に懸念されている。そのため、新しく原子力発電所を作ることに対しては、周辺住民の了解が容易には得られず、完成までには十数年から20年といった長年月を要すると共に、地元自治体への補助金を含め膨大な費用がかかるのが実情である。
水力発電については、各地の山間部にダムが建設され、ダムから落下させる水力を利用して発電が行われている。これには、大気汚染や地球温暖化を招く要素はないから、それらの点から見れば火力発電や原子力発電より好ましい。
上記以外の発電としては太陽光発電や風力発電が行われているが、これらは大気汚染や地球温暖化をもたらさない発電方法として注目され、目下、少しづつ普及し始めている。
実用新案登録第3092704号
今後の発電は、大気汚染や地球温暖化を招かない発電方法による発電が好ましいが、そのような発電方法の1つとして水力発電が挙げられる。特に我が国は、比較的雨量が多い上、国土は起伏に富んで川が至るところにあり、水資源が豊富だからである。
しかし従来の水力発電は、前記したように山間部にダムを建設し、そのダムの規模に合った発電装置を設置して発電するものであるので、水力発電を増やそうとすれば、先ずダムの建設をしなければならず、多額の費用と長い年月を要するという問題点があった。発電機にしても、ダムの規模に合わせたものを設計,製作しなければならず、コストが高くなるといった問題点があった。
また、ダムには、山の環境を大きく変えたり破壊したりするとか、上流から流れて来る土砂が堆積してほどなく使いものにならなくなるといった問題点が出て来ている。県によっては、もうダムは作らせないと宣言するところも出て来る状況となって来ている。
本考案は、以上のような問題点に鑑み、コスト安く手軽に水力発電をすることが出来るようにすることを、課題とするものである。
前記課題を解決するため、本考案の水力発電装置は、水車を動力源として回転力を生ずる複数個の水力ユニットと、
各水力ユニットの回転力を合成した回転力が入力される回転力伝達機構と、
該回転力伝達機構を介して伝達される回転力により回転される発電機と
を具える構成とした。
なお、前記水力ユニットは、同じ導水路(3)に設置された第1水車(4),第2水車(5)と、該第1水車と軸が連結されている第1プーリー(8)と該第2水車と軸が連結されている第2プーリー(9)と、該第1プーリー,第2プーリーとベルト(11)を介して連結され回転力を出力する第3プーリー(10)とより構成し、該第3プーリーより水力ユニットの回転力を出力するようにすることが出来る。
また、前記回転力伝達機構は、各水力ユニットからの回転力を合成した回転力により回転される第1歯車(14)と、発電機の回転軸に連結され、該第1歯車(14)と噛合されている第2歯車(15)とより構成したものとすることが出来る。
本考案の水力発電装置によれば、次のような効果を奏する。
1.河川等の水流を利用して発電するので、ダムを建設する必要がない。
2.小さな水流から回転力を取り出す水力ユニットを複数個組合せ、それらの合成回転力で発電機を回転させているので、設置場所で得られる水量に応じて水力ユニットの数を適宜決定し、立地場所に応じて適切な発電をさせることが出来る。
3.水力ユニットや発電機は、規格品をプレハブ的に作ることが出来るので、コスト安く作ることが出来る。
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本考案の水力発電装置を示す図である。この図は、水力発電装置を上方から見下ろした図であり、1は水力発電装置、2A〜2Fは水力ユニット、3は導水路、4は第1水車、5は第2水車、6,7は連結軸、8,9,10はプーリー、11はベルト、12は連結軸、13は回転力伝達機構、14,15は歯車、16は回転軸、17は発電機である。
水力ユニット2Aは、同じ導水路3に設置された2つの水車(第1水車4,第2水車5)と、それら各水車と軸が連結されている2つのプーリー8,9と、それらのプーリーとベルト11を介して連結されているプーリー10とより構成されている。他の水力ユニット2B〜2Fも、同様に構成されている。
そして、このような水力ユニットを複数個設置し、各水力ユニットのプーリー10に得られる回転力を利用して、発電機17を回転し、発電する。
回転力伝達機構13は、プーリー10の回転力を発電機17に伝達するための機構である。これは、例えば、歯車14と歯車15とを噛み合わせた機構として構成することが出来る。
図4は、歯車14,15で構成した回転力伝達機構を正面から見た図であり、符号は図1のものに対応している。歯車14は、プーリー10の回転軸である連結軸12に取り付けられた歯車であり、歯車15は、発電機17の回転軸16に取り付けられた歯車である。
このようにすれば、図1の各水力ユニットの水車から取り出されプーリー10に集められた回転力は、連結軸12および回転力伝達機構13を経て、発電機17を回転することになる。従って、1つ1つの水車の力は小さくとも、全体としては大きな回転力となり、比較的大きな発電力を得ることが可能となる。
回転力伝達機構13は、歯車の噛み合わせ以外の構成とすることも出来る。例えば、プーリーとベルトとを用いて回転力を伝達するようにしてもよい。
なお、図1に示した例では、水力ユニットは2A〜2Fの6個であるが、その数は、水力発電装置の設置場所で利用し得る水量や、そこで必要とされる電力量等に応じて、適宜決定することが出来る。
図2は、水力ユニットの構成を説明する図である。符号は図1のものに対応し、20は水流、21は張力調節ローラーである。
導水路3には水が導き入れられ、矢印の方向へ(左→右へ)流れる水流20が出来るようにされている。そして、水車の水を受ける部分がその水流20の中に浸るよう、第1水車4,第2水車5が配設される。
第1水車4の中心に通されている連結軸6はプーリー8の中心にも通されており、第2水車5の中心に通されている連結軸7はプーリー9の中心にも通されている。そして、プーリー8,9は、ベルト11を介してプーリー10と連結されている。ベルト11に接触するよう描かれている張力調節ローラー21は、ベルト11が弛んだりしないようにするために適宜箇所に設置されるローラーである。
1つの水力ユニットは、以上のように構成されている。
図3は、水車とプーリーの連結関係を示す斜視図であり、符号は図1,図2のものに対応している。第1水車4の中心に通されている連結軸6には、間隔をおいてプーリー8が通されている。この間隔は、水力ユニットを設置する間隔によって異なる。水力ユニットの設置間隔が小であれば小となり、設置間隔が大であれば大となる。
このことは、例えば図1の水力ユニット2B内の第1水車4に注目して見れば、容易に理解し得るところである。
図3では第1水車4についてのプーリー8との連結関係のみ示したが、水力ユニット内のもう1つの水車である第2水車5についてのプーリー9との連結関係も同様である。
以上のようにすれば、小さな川からでも水を導水路3へ引き込み、手軽に発電することが出来る。利用し得る水量にもよるが、一般家庭で必要とする電力量とか小規模の事業所で必要とする電力量をまかなうことも可能となる。
水力ユニットや発電機は規格品として一定の仕様のものを作ることとし、水量に応じてその使用個数を適宜決定するという具合に対応することが出来るから、製造コストを低くすることが出来る。
なお、図1に示した水力発電装置を、水の流れに沿って適宜の箇所に次々と設置することが出来る。そうすれば、エネルギーを秘めた水流を無駄に流してしまうことなく、多くの水力発電装置から電力を取り出すことが可能となる。
かくして、大気汚染や地球温暖化を招くことがなく、ダムを建設する必要もない水力発電が、コスト安く実現することが可能となる。
本考案の水力発電装置を示す図 水力ユニットの構成を説明する図 水車とプーリーの連結関係を示す斜視図 回転力伝達機構を正面から見た図
符号の説明
1…水力発電装置、2A〜2F…水力ユニット、3…導水路、4…第1水車、5…第2水車、6,7…連結軸、8,9,10…プーリー、11…ベルト、12…連結軸、13…回転力伝達機構、14,15…歯車、16…回転軸、17…発電機、20…水流、21…張力調節ローラー

Claims (3)

  1. 水車を動力源として回転力を生ずる複数個の水力ユニットと、
    各水力ユニットの回転力を合成した回転力が入力される回転力伝達機構と、
    該回転力伝達機構を介して伝達される回転力により回転される発電機と
    を具えたことを特徴とする水力発電装置。
  2. 水力ユニットを、
    同じ導水路(3)に設置された第1水車(4),第2水車(5)と、
    該第1水車と軸が連結されている第1プーリー(8)と該第2水車と軸が連結されている第2プーリー(9)と、
    該第1プーリー,第2プーリーとベルト(11)を介して連結され回転力を出力する第3プーリー(10)とより構成し、
    該第3プーリーより水力ユニットの回転力を出力するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の水力発電装置。
  3. 回転力伝達機構を、
    各水力ユニットからの回転力を合成した回転力により回転される第1歯車(14)と、
    発電機の回転軸に連結され、該第1歯車(14)と噛合されている第2歯車(15)と
    より構成した
    ことを特徴とする請求項1または2記載の水力発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013170512A (ja) * 2012-02-21 2013-09-02 Institute Of National Colleges Of Technology Japan 水車装置及び水力発電装置
JP5559412B1 (ja) * 2013-11-05 2014-07-23 長松院 泰久 浮力式連結水車型発電装置
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