JP3140677B2 - Ｆｍ多重放送受信装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＦＭ多重放送を受
信して、その放送内容を車両のメータ上に表示するＦＭ
多重放送受信装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】車両に搭載されるＦＭ多重放送受信装置
としては、従来、図９に示す装置が開発されている。

【０００３】この図に示すＦＭ多重放送受信装置１０１
は、車両の所定部分に取り付けられるアンテナ１０２
と、このアンテナ１０２の受信動作によって得られた高
周波信号を取り込んで、指定されたチャネルのＦＭ多重
放送をチューニングし、このチャネルの受信信号を生成
するチューナ回路１０３と、このチューナ回路１０３か
ら出力される受信信号を取り込んで、信号処理に適した
形式の信号に変換するインタフェース回路１０４と、こ
のインタフェース回路１０４から出力される信号を取り
込んで、これをデコードし、前記受信信号中に含まれて
いる文字データを抽出する信号処理部１０５と、この信
号処理部１０５から出力される文字データを取り込ん
で、表示データを作成するインタフェース回路１０６
と、このインタフェース回路１０６から出力される表示
データを取り込んで、これを受信メッセージなどとして
表示する表示器１０７とを備えている。

【０００４】そして、車両のユーザなどによって電源が
投入され、受信チャネルが指定されると、アンテナ１０
２の受信動作によって得られた高周波信号中にある、指
定されたチャネルのＦＭ多重放送信号が選択されるとと
もに、信号処理部１０５によりＦＭ多重放送信号中に含
まれている文字データが抽出されて表示器１０７上に表
示される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなＦＭ多重放送受信装置１０１においては、次に述べ
るような問題があった。

【０００６】すなわち、図９に示すＦＭ多重放送受信装
置１０１は、通常、車両のカーステレオなどのラジ／カ
セ部に収納されている。このラジ／カセ部は一般に車室
の中央下方向に配置されているため、車両走行中に、表
示器１０７上に表示されているＦＭ多重放送の内容を見
ようとすると、どうしても視線を前方から中央下方向に
たびたび移さなければならないという危険性がある。

【０００７】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、走行中においてもＦＭ多重放送の
受信メッセージを良好な状態で見ることができるととも
に、車両のコントロール基板側からワーニング信号が出
力されたとき、このワーニング信号に対応する警報メッ
セージと、ＦＭ多重放送の内容を示す受信メッセージと
を極めて限られた表示スペース上に効率良く表示するこ
とができ、これによって表示スペースの有効利用を図る
ことができるＦＭ多重放送受信装置を提供することにあ
る。

【０００８】

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明によるＦＭ多重放送受信装置は、車両上に搭
載され、ＦＭ多重放送を受信して、その受信内容を示す
受信信号を出力するチューナ回路と、前記車両上に搭載
され、前記チューナ回路から出力される受信信号をデコ
ードして、受信メッセージデータを作成する信号処理部
と、前記車両における運転者の視野内に設けられ、受信
メッセージ表示エリアと受信／警報メッセージ表示エリ
アとから成る表示器とを備え、前記信号処理部は、前記
車両のコントロール基板側からワーニング信号が出力さ
れない通常時においては、前記受信メッセージを前記受
信メッセージ表示エリアと受信／警報メッセージ表示エ
リアとを使用して表示させ、ワーニング信号が出力され
た場合には、このワーニング信号に応じた警報メッセー
ジを前記受信／警報メッセージ表示エリアに表示させる
とともに、前記受信メッセージを前記受信メッセージ表
示エリアに表示させることを特徴としている。

【００１０】上記の構成によれば、ワーニング信号が出
力されない通常時においては、受信メッセージが受信メ
ッセージ表示エリアと受信／警報メッセージ表示エリア
とを使用して表示され、ワーニング信号が出力された場
合には、このワーニング信号に応じた警報メッセージが
受信／警報メッセージ表示エリアに表示される。これに
より、極めて限られた表示スペース上に、ワーニング信
号に対応する警報メッセージとＦＭ多重放送の内容を示
す受信メッセージとを効率良く表示することができ、表
示スペースの有効利用を図ることができる。

【００１１】

【００１２】

【００１３】

【発明の実施の形態】図１は本発明によるＦＭ多重放送
受信装置の一実施形態を示すブロック図である。

【００１４】この図に示すＦＭ多重放送受信装置１は、
車両の所定部分に取り付けられるアンテナ２と、このア
ンテナ２の受信動作によって得られた高周波信号を取り
込んで、指定されたチャネルのＦＭ多重放送をチューニ
ングし、このチャネルの受信信号を生成するチューナ回
路３と、このチューナ回路３から出力される受信信号を
取り込んで、信号処理に適した形式の信号に変換するイ
ンタフェース回路４と、車両のコントロール基板側から
各種のワーニング信号が出力されたとき、これを取り込
むインタフェース回路５と、これらの各インタフェース
回路４、５から出力される信号を取り込んで、これをデ
コードし、前記受信信号中に含まれている受信メッセー
ジデータ、前記ワーニング信号中に含まれている警報メ
ッセージデータを抽出する信号処理部６と、この信号処
理部６から出力される文字データを取り込んで、表示デ
ータを作成するインタフェース回路７と、図２に示す如
く車両のメータ８内に配置され、インタフェース回路７
から出力される表示データを取り込んで、これら受信メ
ッセージ、警報メッセージなどを指定された表示形式で
表示するＦＭ多重放送表示器９とを備えている。

【００１５】この場合、ＦＭ多重放送表示器９は、図３
に示す如く上段がヘッダ文を表示するヘッダ文表示エリ
ア１０にされ、中段が受信メッセージを表示する受信メ
ッセージ表示エリア１１にされ、下段が受信メッセージ
または警報メッセージを表示する受信／警報メッセージ
表示エリア１２にされている。

【００１６】次に、図面を参照しながら、この実施形態
の動作を説明する。

【００１７】図４のフローチャートに示す如く、車両の
ユーザなどによってＦＭ放送の受信が開始されると（ス
テップＳＴ１OK）、チューナ回路３によってアンテナ２
の受信動作によって得られた高周波信号中にある、指定
されたチャネルのＦＭ多重放送信号が選択されるととも
に、信号処理部６によって前記ＦＭ多重放送信号中に含
まれている文字データが抽出される。そして、コントロ
ール基板側からワーニング信号が出力されていないこと
を条件に（ステップＳＴ２NO）、ＦＭ多重放送表示器９
の受信メッセージ表示エリア１１上と、受信／警報メッ
セージ表示エリア１２上とに、前記文字データの内容、
例えば図５に示すような内容が表示される。

【００１８】以下、この動作が繰り返されて、ＦＭ多重
放送表示器９の受信メッセージ表示エリア１１上と、受
信／警報メッセージ表示エリア１２上とに、ＦＭ多重放
送の受信動作で得られた文字データの内容が表示される
（ステップＳＴ１、ＳＴ２、ＳＴ３）。図５に示す表示
の一例は、交通渋滞情報として“国道１号線の品川駅前
で、自然渋滞となり、１０ｋＭ走行するのに５０分かか
る”旨を示している。

【００１９】このような受信メッセージの表示中に、コ
ントロール基板側からワーニング信号が出力されると
（ステップＳＴ２YES ）、信号処理部６によってこれが
検知されて、このワーニング信号で示される警報メッセ
ージデータが作成され、この警報メッセージデータに対
応する警報メッセージが受信／警報メッセージ表示エリ
ア１２上に表示されるとともに、受信メッセージ表示エ
リア１１上に、ＦＭ多重放送の受信動作で得られた受信
メッセージが、図６、図７に示す如く２分割されて、こ
れらが交互に表示される（ステップＳＴ４、ＳＴ５）。
すなわち、受信メッセージ表示エリア１１には、“国１
品川駅前自然渋滞」の文字列が最初に表示され、次に
“１０ｋＭ５０分”の文字列が表示される。一方の受信
／警報メッセージ表示エリア１２には常に、“注意！燃
料補給”と警報メッセージの文字列が表示される。ある
いは、図５に示した表示と図６に示した表示とを交互に
繰り返すようにしても良い。すなわち、受信メッセージ
表示エリア１１には常時、“国１品川駅前自然渋滞」の
文字列が表示され、受信／警報メッセージ表示エリア１
２には、“１０ｋＭ５０分”の文字列と、“注意！燃料
補給”の文字列とが交互に表示される。

【００２０】また、ＦＭ放送を受信していないときや、
ＦＭ多重放送のチャネル選択している状態などの文字デ
ータが抽出されていない状態のときに（ステップＳＴ１
NG）、コントロール基板側からワーニング信号が出力さ
れると（ステップＳＴ６YES）、信号処理部６によって
これが検知されて、このワーニング信号で示される警報
メッセージデータが作成され、図８に示す如くこの警報
メッセージデータに対応する警報メッセージが受信／警
報メッセージ表示エリア１２上に表示されるとともに、
受信メッセージ表示エリア１１上に、“受信確認中”な
どの文字が表示される（ステップＳＴ７）。

【００２１】このように、この実施形態においては、ア
ンテナ２およびチューナ回路３によって指定されたチャ
ネルのＦＭ多重放送を受信するとともに、信号処理部６
によって前記受信動作で得られた受信信号中に含まれる
文字データを抽出して、車両メータ８内に配置されたＦ
Ｍ多重放送表示器９上に前記文字データの内容を示す受
信メッセージを表示するようにしたので、常に運転者の
視野内にＦＭ多重放送の内容を示す受信メッセージを位
置させることができ、走行中において、ＦＭ多重放送の
内容を示す受信メッセージを見ても、前方から視線を外
させないようにすることができる。これによって車両の
安全走行を確保することができる。

【００２２】また、この実施形態においては、車両のコ
ントロール基板側からワーニング信号が出力されたと
き、このワーニング信号に対応する警報メッセージをＦ
Ｍ多重放送表示器９の受信／警報メッセージ表示エリア
１２上に表示するとともに、ＦＭ多重放送表示器９の受
信メッセージ表示エリア１１上に、ＦＭ多重放送の内容
を示す受信メッセージを表示し、１度に表示しきれない
ときには、前記受信メッセージを複数に分割して、これ
らをサイクリックに表示するようにしたので、警報メッ
セージと、受信メッセージとを極めて限られた表示スペ
ース上に効率良く表示することができ、これによって表
示スペースの有効利用を図ることができる。

【００２３】以上説明したように本発明によれば、常に
運転者の視野内にＦＭ多重放送の内容を示す受信メッセ
ージを位置させることができ、走行中において、ＦＭ多
重放送の内容を示す受信メッセージを見ても、前方から
視線を外させないようにすることができるとともに、極
めて限られた表示スペース上に、ワーニング信号に対応
する警報メッセージとＦＭ多重放送の内容を示す受信メ
ッセージとを効率良く表示することができ、表示スペー
スの有効利用を図ることができる。

【００２４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるＦＭ多重放送受信装置の一実施形
態を示すブロック図である。

【図２】図１に示すＦＭ多重放送受信装置で使用される
ＦＭ多重放送表示器の配置例を示す正面図である。

【図３】図２に示すＦＭ多重放送表示器の表示面の使用
例を示す正面図である。

【図４】図１に示すＦＭ多重放送受信装置の動作例を示
すフローチャートである。

【図５】図１に示すＦＭ多重放送表示器上に表示される
内容例を示す模式図である。

【図６】図１に示すＦＭ多重放送表示器上に表示される
内容例を示す模式図である。

【図７】図１に示すＦＭ多重放送表示器上に表示される
内容例を示す模式図である。

【図８】図１に示すＦＭ多重放送表示器上に表示される
内容例を示す模式図である。

【図９】従来から知られているＦＭ多重放送受信装置の
一例を示すブロック図である。

【符号の説明】 １ ＦＭ多重放送受信装置 ２ アンテナ ３ チューナ回路 ４，５，７ インタフェース回路 ６ 信号処理部 ８ 車両のメータ ９ ＦＭ多重放送表示器 １０ ヘッダ文表示エリア １１ 受信メッセージ表示エリア １２ 受信／警報メッセージ表示エリア

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両上に搭載され、ＦＭ多重放送を受信
   して、その受信内容を示す受信信号を出力するチューナ
   回路と、 前記車両上に搭載され、前記チューナ回路から出力され
   る受信信号をデコードして、受信メッセージデータを作
   成する信号処理部と、 前記車両における運転者の視野内に設けられ、受信メッ
   セージ表示エリアと受信／警報メッセージ表示エリアと
   から成る表示器とを備え、 前記信号処理部は、 前記車両のコントロール基板側からワーニング信号が出
   力されない通常時においては、前記受信メッセージを前
   記受信メッセージ表示エリアと受信／警報メッセージ表
   示エリアとを使用して表示させ、 ワーニング信号が出力された場合には、このワーニング
   信号に応じた警報メッセージを前記受信／警報メッセー
   ジ表示エリアに表示させるとともに、前記受信メッセー
   ジを前記受信メッセージ表示エリアに表示させる、 ことを特徴とするＦＭ多重放送受信装置。