JP3139475B2 - 半導体集積回路 - Google Patents

半導体集積回路

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JP3139475B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体集積回路
に係り、特に、外部クロック信号に基づいて、タイミン
グ変動を抑えた内部クロック信号を生成するための半導
体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】クロック信号に同期して動作する装置に
おいては、外部クロック信号を受信回路で受信し増幅し
て、内部クロック信号を生成して、装置のクロック信号
制御に使用する方法がとられるが、この際、装置規模が
増大するのに伴って、内部クロック信号の生成時に生じ
る遅延時間が、クロック周期に対して相対的に大きくな
り、装置動作に支障をきたす場合があった。
【0003】従来、外部クロック信号に対する内部クロ
ック信号の遅延時間を少なくするために、入力クロック
信号と出力クロック信号との位相差に対応する電圧を増
幅して、電圧制御発振器の制御信号として帰還すること
によって、電圧制御発振器から出力する内部クロック信
号の周波数を外部クロック信号に追従させるようにし
た、位相同期ループ(Phase Locked Loop:PLL)を使
用して、外部クロック信号に同期した内部クロック信号
を生成する方法が知られている。しかしながら、PLL
では、外部クロック信号に対する同期動作の収束に時間
がかかるため、待機状態で電源供給を停止する装置の場
合には、内部クロック信号を使用する必要が生じた場合
でも、直ちに使用可能な状態にならないので、装置動作
上の障害になることがある。
【0004】これに対して、実効的に1周期以内に外部
クロック信号と内部クロック信号との位相差をなくすこ
とができるものとして、レジスタ制御DLL(Register
Controled Delay Locked loop:RDLL)及びSMD
(Synchronous Mirror Delay)が知られている。
【0005】RDLLにおいては、外部クロック信号
と、外部クロック信号を受信回路及び増幅回路の遅延時
間と等しい時間遅延したクロック信号との位相差を検出
し、検出結果に応じて複数段からなるシフトレジスタ回
路のいずれかの段をセットし、セットされた段のシフト
レジスタ回路出力によって、複数段からなる遅延回路列
のいずれかの節点を選択して、外部クロック信号をこの
節点で定まる時間遅延して、内部クロック信号を生成す
るように構成する。そして、外部クロック信号が安定な
状態で、シフトレジスタ回路を設定して、外部クロック
信号と内部クロック信号との位相差がなくなるようにす
るので、外部クロック信号と内部クロック信号との位相
差がなくなるまでに必要な時間を、実効的にクロック1
周期にすることができる。したがって、RDLLの場合
は、内部クロック信号を使用しないときは、電源供給を
停止して、待機状態での消費電力を逓減することができ
る。
【0006】また、SMDにおいては、外部クロック信
号を受信回路及び増幅回路の遅延時間と等しい時間遅延
したクロック信号を第1の遅延回路列を伝搬させるとと
もに、次の周期の外部クロック信号によってゲート群を
制御して、第1の遅延回路列を伝搬したパルスを第2の
遅延回路列に移して第1の遅延回路列と反対方向に伝搬
させて、内部クロック信号を生成する。この際、第1の
遅延回路列の伝搬時間と第2の遅延回路列の伝搬時間と
は常に等しくなるように構成されているので、さらに次
の周期に第2の遅延回路列から出力される内部クロック
信号は、外部クロック信号と同位相になる。したがって
SMDの場合は、クロック2周期で、内部クロック信号
と外部クロック信号との位相差をなくすことができとと
もに、内部クロック信号を使用しないときは、電源供給
を停止して、待機状態での消費電力を逓減することがで
きる。
【0007】しかしながら、RDLLやSMDの場合、
クロック信号が高速化すると、内部クロック信号の生成
タイミングにばらつきが生じた場合、クロック信号によ
るデータ入出力ウインドウ時間に対して動作余裕が低下
する。すなわち、クロック信号によってデータの入出力
を行う場合には、データ入力時に、クロック入力信号の
前後に、入力セットアップ時間と入力ホールド時間とが
規定されるとともに、データ出力時に、アクセス時間と
出力ホールド時間とが規定される。RDLLの場合のク
ロック出力タイミングの分解能は、遅延素子1段分であ
り、SMDの場合は、第2の遅延回路列の入力端子の間
隔である遅延素子1段分であって、内部クロック信号の
タイミングは、クロックサイクル時間の変動時、この分
解能の範囲で変動するため、前述の入出力データに対す
る動作余裕が少なくなり、そのため、伝搬するパルス信
号の波形が崩れ、最悪の場合にはパルス信号の消失を招
くことになる。
【0008】これに対して、複数段からなる遅延回路中
のパルス波形の往復の伝搬時間によって、出力クロック
信号のタイミングを規正することによって、外部クロッ
ク信号に対して遅延がなく、かつ安定な内部クロック信
号を供給することができるようにしたクロック供給用半
導体集積回路が提案されている(例えば特願平9−15
2656号参照)。
【0009】図15は、従来のクロック供給用半導体集
積回路の電気的構成を示す図、図16は、同半導体集積
回路における遅延回路列の構成を示す図、図17は、同
半導体集積回路の動作を説明するためのタイミングチャ
ート、図18は、同半導体集積回路におけるタイミング
ずれの増幅を説明する図、また、図19は、遅延回路列
における、サイクル時間による出力タイミングの変化
(ジッタ)を説明する図である。
【0010】従来例の半導体集積回路は、図15に示す
ように、受信回路10と、極性制御回路24と、制御回
路110,210と、遅延回路列120,220と、パ
ルス生成回路130,230と、オア回路40とから概
略構成されている。受信回路10は、エッジ検出回路を
有し、外部クロック信号を1を受信して、内部電源電位
に変換された内部信号2を出力する。極性制御回路24
は、内部信号2の立ち上がりごとに論理レベルが交互に
反転する極性制御信号108、及び極性制御信号108
の反転信号である極性制御信号208を出力する。制御
回路110、210は、それぞれ極性制御信号108,
208によって定まる極性で、内部信号2の立ち上がり
でトグルする互いに逆相の制御信号101,102及び
201,202を発生するとともに、内部信号2から一
定時間遅れた入力信号103,203を発生する。遅延
回路列120,220は、直列に接続された複数段の遅
延素子からなり、入力信号103,203を図の右方向
に伝搬させるとともに、ある時期から折り返して反対方
向に伝搬させて、信号104,204を出力する。パル
ス生成回路130,230は、それぞれ、遅延回路列か
らの出力信号104,204の立ち上がりに応じて、出
力パルス105,205を生成する。オア回路40は、
出力パルス105,205の論理和をとって、内部クロ
ック信号4を出力する。
【0011】遅延回路列120,220は、同一の構成
を有している。以下においては、図16を用いて、遅延
回路列120について説明する。遅延回路列120は、
複数の同一構成の遅延素子1201,1202,…,1
20k、…、120nからなっている。以下、例えば遅
延素子1201について説明すると、遅延素子1201
は、2組の直列に接続された2個のPchトランジスタ
(TP1、TP2及びTP3、TP4)と、2組の直列
に接続された2個のNchトランジスタ(TN1、TN
2及びTN3、TN4)とからなり、入出力節点とな
る、第一、第二,第三,第四の節点A0,B0,A1,
B1を有している。
【0012】遅延素子1201において、トランジスタ
TP1及びTN2は、そのソースをそれぞれ電源及び接
地に接続され、ゲートに第一の制御信号101を接続さ
れている。トランジスタTP3及びTN4は、そのソー
スをそれぞれ電源及び接地に接続され、ゲートに第二の
制御信号102を接続されている。トランジスタTP2
及びTN1は、そのソースをそれぞれトランジスタTP
1,TN2のドレインに接続され、ドレインを互いに接
続されて第二の節点B0を形成している。トランジスタ
TP4及びTN3は、そのソースをそれぞれトランジス
タTP3,TN4のドレインに接続され、ドレインを互
いに接続されて第三の節点A1を形成している。さら
に、トランジスタTN1のゲートは第一の節点A0を形
成し、トランジスタTP2のゲートは第三の節点A1に
接続され、トランジスタTP4のゲートは、第二の節点
B0に接続され、トランジスタTN3のゲートは第四の
節点B1を形成している。
【0013】第一の制御信号101がハイレベルのと
き、第一の節点A0がハイレベルになると、直列に接続
された2個のNchトランジスタTN1,TN2が導通
し、第二の節点B0が放電してロウレベルになる。この
とき第二の制御信号102がロウレベルなので、直列に
接続された2個のPchトランジスタTP3,TP4が
導通し、第三の節点A1は充電されてハイレベルにな
る。また、第一の制御信号101がロウレベルのとき、
第二の制御信号102がハイレベルなので、第4の節点
B1がハイレベルになると、直列に接続された2個のN
chトランジスタTN3,TN4が導通し、第三の節点
A1が放電してロウレベルになる。第三の節点A1がロ
ウレベルになると、直列に接続された2個のPchトラ
ンジスタTP1,TP2が導通し、第二の節点B0は充
電されてハイレベルになる。
【0014】次に、図15及び図16を参照して、従来
例の半導体集積回路の動作を説明する。いま、内部信号
2が立ち上がると、第一の制御信号101がハイレベル
となり、第二の制御信号102がロウレベルとなる。制
御回路110からの入力信号103によって遅延回路列
120の節点A0がハイレベルになると、節点B0が放
電してロウレベルになり、続いて節点A1が充電されて
ハイレベルになる。以降順に、節点Ak(k=0,1,
2,…,n)は充電されてハイレベルになり、節点Bk
は放電してロウレベルになり、節点Ak+1は充電され
てハイレベルになる回路状態が移動することによって、
入力信号のエッジが遅延回路列120内を図16の右方
向(kが大きくなる方向)に進行する(前進サイクル又
は測定サイクル:Forward )。
【0015】ある時刻において、次のサイクルの内部信
号2が立ち上がり、第一の制御信号101が反転してロ
ウレベルになり、第二の制御信号102が反転してハイ
レベルになったとき、遅延回路列の節点Anが充電され
ている途中だったとすると、節点Bnはハイレベルのま
まなので、節点Anは充電された電荷量だけ放電され
る。以降、節点Akが放電、節点Bkが充電されなが
ら、遅延回路列120を図16の左方向(kが小さくな
る方向)に進行し、最後に節点B0の信号、すなわち遅
延回路列120の出力信号104がハイレベルになる
(後退サイクル又は出力サイクル:Backward)。
【0016】パルス生成回路130は、出力信号104
と、これを遅延した信号との論理積をとることによっ
て、出力信号104の立ち上がりに対応する1ショット
パルスからなる出力パルス105を発生する。出力パル
ス105は、内部信号2の2倍の周期を有している。
【0017】遅延回路列220における動作も同様であ
るが、この場合は、極性制御信号208が極性制御信号
108と逆相のため、第一の制御信号201、第二の制
御信号202、入力信号203は、それぞれ第一の制御
信号101、第二の制御信号102、入力信号103と
逆相の関係になる。そのため、出力パルス205は、出
力パルス105と同様に内部信号2の2倍の周期を有し
ているが、その位相は、出力パルス105に対して半周
期異なっている。そこでオア回路40を介して出力パル
ス105,205の論理和をとることによって、内部信
号2と同じ周期を有する内部クロック信号4が得られ
る。
【0018】次に、図17を参照して、従来の半導体集
積回路における各部信号の位相関係を説明する。第一の
期間C1と第二の期間C2とにおいて、信号は同一経路
を互いに逆方向に伝搬する。遅延回路列を構成する各節
点の寄生容量は等しく、かつ遅延回路列を構成するPc
hトランジスタ及びNchトランジスタの能力はそれぞ
れ等しいので、第一の期間C1に節点A0が立ち上がっ
てから、節点Akが立ち上がるまでの伝搬時間、すなわ
ち第一の期間に遅延回路列を伝搬する時間と、第二の期
間C2に節点Bkが立ち上がってから、節点B0が立ち
上がるまでの伝搬時間、すなわち第二の期間に遅延回路
列を伝搬する時間とは等しい。
【0019】外部クロック信号1が受信回路10へ入力
されてから、制御回路110から遅延回路列120に対
する第一の制御信号101が出力されるまでの時間、す
なわち、受信回路10と制御回路110における伝搬時
間をt1とし、遅延回路列120からの出力信号104
が、内部クロック信号4に出力されるまでの時間、すな
わち、パルス生成回路130及びオア回路40の伝搬時
間をt2とし、第一の期間C1及び第二の期間C2にお
いて遅延回路列120を伝搬する時間をtdとする。一
方、制御回路110における遅延回路列入力信号103
に対する遅延時間は、t1+t2になるように予め設定
されている。遅延回路列120の第一の制御信号101
がハイレベルである時間は、クロックのサイクル時間t
CKに等しく、これは第一の制御信号101が立ち上が
ってから、入力信号が第一の期間C1に遅延回路列12
0を伝搬する時間に等しいので、tCK=t1+t2+
tdである。
【0020】第二の期間C2に、外部クロック信号1が
受信回路10に入力されてから、第一の制御信号101
が立ち下がり、遅延回路列120、パルス生成回路13
0及びオア回路40を経て、内部クロック信号4が出力
されるまでの時間は、t1+td+t2であって、サイ
クル時間tCKに等しい。そこで、内部クロック信号4
は、第三の期間C3における外部クロック信号1と同じ
タイミングで出力されることになる。このように、従来
例の半導体集積回路では、2周期で、内部クロック信号
と外部クロック信号との位相差をなくして、同期させる
ことができる。したがって、図15に戻って、メモリセ
ル31の出力を、Dタイプフリップフロップ32を介し
て内部クロック信号4によってタイミング整形すること
によって、内部クロック信号4に同期した、メモリ出力
信号が得られる。
【0021】次に、図18を用いて、従来の半導体集積
回路におけるタイミングずれの増幅を説明する。半導体
集積回路において、正常時、サイクル時間tCKで、遅
延回路列120と220とから、交互にパルスが出力さ
れていたとし、期間C2で、サイクル時間が延びて、t
CK+Δtに変化したものとする。このとき、遅延回路
列120では、期間C3における前進(Forward )の期
間に−Δtの変化が生じ、したがって期間C4における
後退(Backward)の期間にも−Δtの変化が生じる。一
方、このとき、遅延回路列220では、期間C2におけ
る前進の期間に+Δtの変化が生じ、したがって期間C
3における後退の期間にも+Δtの変化が生じる。した
がって、期間C2における、正常なタイミングからのず
れ+Δtが、期間C3において、最大+2Δtに増幅さ
れている。
【0022】次に、図19を用いて、遅延回路列におけ
る、サイクル時間による出力タイミングの変化(ジッ
タ)を説明する。図19(a)は、遅延回路列におい
て、遅延素子を構成するPchトランジスタとNchト
ランジスタの閾値が標準的(Typical )な値でバランス
している場合の、サイクル時間tCK(ns)と、内部
クロック信号4の出力タイミングと外部クロック信号1
の入力タイミングとの時間差t(ICLKRB)−t
(CLK)(ns)との関係を示し、ほぼフラットな関
係になることが示されている。図19(b)は、遅延回
路列において、遅延素子を構成するPchトランジスタ
の閾値が標準値より高く、Nchトランジスタの閾値が
標準値より低い場合の、サイクル時間tCK(ns)
と、内部クロック信号4の出力タイミングと外部クロッ
ク信号1の入力タイミングとの時間差t(ICLKR
B)−t(CLK)(ns)との関係を示し、サイクル
時間における、遅延素子1個あたりの伝搬遅延時間tP
Dの変化を周期として、時間差t(ICLKRB)−t
(CLK)(ns)が増減することが示されている。
【0023】これは、遅延回路列内を信号が折り返す最
終段の遅延素子において、PchトランジスタとNch
トランジスタの閾値がバランスしている場合には、前進
と後退の切り替えが、節点Anの充電中に行われる場合
も、節点Bnの放電中に行われる場合も、その時間が等
しいため、サイクル時間の変化に対して、時間差t(I
CLKRB)−t(CLK)(ns)の変化がほぼフラ
ットになるのに対して、最終段の遅延素子において、例
えば、Pchトランジスタの閾値が高くなったとする
と、サイクル時間が短いときは、節点Bnの放電は速い
が、次のサイクルにおける節点An+1の充電が遅れる
ので、前進の時間に対して後退の時間が長くなる。一
方、サイクル時間が長くなると、節点An+1が途中ま
で充電されてから放電されるので、逆の現象が生じて、
前進の時間に対して後退の時間が短くなるためである。
この結果、遅延素子1個あたりの伝搬遅延時間tPDを
周期として、時間差t(ICLKRB)−t(CLK)
(ns)が増減する。図19(b)においては、tPD
≒0.8nsを周期として、時間差t(ICLKRB)
−t(CLK)(ns)が増減することが示されてい
る。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
の半導体集積回路では、外部クロック信号にジッタがあ
ったときは、内部クロック信号における一定周期のタイ
ミングからのずれが、外部クロック信号における一定周
期のタイミングからのずれより大きくなるという問題が
あった。
【0025】簡易なクロックドライバ等を使用したシス
テムでは、入力クロック信号が一定周期のタイミングか
らずれることがあるが、このとき、従来の半導体集積回
路では、上述のように、内部クロック信号のタイミング
のずれが、外部クロック信号のタイミングずれΔtより
も増幅され、最大では2Δtになることがある。
【0026】また、外部クロック信号に周期的なノイズ
があったときは、内部クロック信号におけるジッタが増
大し、最悪の場合は、2サイクル周期のときに、外部ク
ロック信号のタイミングずれΔtに対して、内部クロッ
ク信号のタイミングのずれが3Δtになる。
【0027】さらに、遅延回路列を構成するPchトラ
ンジスタとNchトランジスタの能力(閾値)がアンバ
ランスの場合には、内部クロック信号において、サイク
ル時間の変化に対して、遅延素子1個分の伝搬遅延時間
tPDを周期とする、出力タイミングの変化(ジッタ)
が生じる。
【0028】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
ものであって、外部クロック信号に基づいて内部クロッ
ク信号を生成するための半導体集積回路において、短期
間に、内部クロック信号と外部クロック信号との位相差
をなくして、同期させることができるとともに、外部ク
ロック信号にタイミングのずれが生じた場合でも、出力
される内部クロック信号において、タイミングのずれが
増幅されることが少なく、さらに、遅延回路列を構成す
るPchトランジスタとNchトランジスタの能力(閾
値)がアンバランスの場合でも、サイクル時間の変化に
対して、内部クロック信号に周期的なジッタを生じるこ
とがない、半導体集積回路を提供することを目的として
いる。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、半導体集積回路に係り、信
号前進時の入力節点、出力節点及び信号後退時の入力節
点、出力節点を有し、第一の制御状態のとき、信号を一
定の遅延時間で信号前進時の入出力節点間を伝搬させ、
第二の制御状態のとき、信号を上記遅延時間で信号後退
時の入出力節点間を伝搬させ、第一の制御状態と第二の
制御状態がともに反転した第三の制御状態のとき信号の
伝搬を停止する複数の遅延素子を、相隣る素子間におい
て対応する出力節点と入力節点とを順次接続することに
よって、直列に接続してなる2n(n=2,3,…;以
下、略す)列の遅延回路列と、上記遅延回路列の各遅延
素子に対応する複数の短絡素子を有し、該遅延回路列2
列ごとに、該2列の遅延回路列の中間に介在して、短絡
制御信号に応じて、該2列の遅延回路列の各遅延素子の
対応する前進時の入力節点間と後退時の出力節点間とを
対応する短絡素子によって短絡するn列の短絡回路列
と、外部クロック信号の入力ごとにその1サイクル時間
だけ有意になる2n相の極性制御信号を発生するととも
に、1相おきの各相の極性制御信号の中間のサイクルに
おいて上記短絡制御信号を発生する極性制御手段と、各
相の極性制御信号に応じて、順次、対応する遅延回路列
を上記第一の制御状態にするとともに、該制御状態の立
ち上がりから所定時間遅延させて、上記遅延回路列の先
頭の遅延素子の前進時の入力節点に入力信号を与え、2
n−1サイクル後の上記極性制御信号に応じて上記遅延
回路列を上記第二の制御状態にすることによって、順
次、各遅延回路列の先頭の遅延素子の後退時の出力節点
から出力信号を取り出すように制御する複数の制御手段
と、上記各遅延回路列の出力信号の論理和をとって内部
クロック信号を生成する論理和手段とを備えてなること
を特徴としている。
【0030】また、請求項2記載の発明は、半導体集積
回路に係り、信号前進時の入力節点、出力節点及び信号
後退時の入力節点、出力節点を有し、第一の制御状態の
とき、信号を一定の遅延時間で信号前進時の入出力節点
間を伝搬させ、第二の制御状態のとき、信号を上記遅延
時間で信号後退時の入出力節点間を伝搬させ、第一の制
御状態と第二の制御状態がともに反転した第三の制御状
態のとき信号の伝搬を停止する複数の遅延素子を、相隣
る素子間において対応する出力節点と入力節点とを順次
接続することによって、直列に接続してなるn列の遅延
回路列と、上記遅延回路列の各遅延素子に対応する複数
の短絡素子を有し、該遅延回路列1列ごとに、順次、前
後に相隣る遅延回路列の中間に介在して、短絡制御信号
に応じて、該前後の2列の遅延回路列の各遅延素子の対
応する前進時の入力節点間と後退時の出力節点間とを対
応する短絡素子によって短絡するn列の短絡回路列と、
外部クロック信号の入力ごとにその1サイクル時間だけ
有意になるn相の極性制御信号を発生するとともに、各
相の極性制御信号の中間のサイクルにおいて上記短絡制
御信号を発生する極性制御手段と、各相の極性制御信号
に応じて、順次、対応する遅延回路列を上記第一の制御
状態にするとともに、該制御状態の立ち上がりから所定
時間遅延させて、上記遅延回路列の先頭の遅延素子の前
進時の入力節点に入力信号を与え、n−1サイクル後の
上記極性制御信号に応じて上記遅延回路列を上記第二の
制御状態にすることによって、順次、各遅延回路列の先
頭の遅延素子の後退時の出力節点から出力信号を取り出
すように制御する複数の制御手段と、上記各遅延回路列
の出力信号の論理和をとって内部クロック信号を生成す
る論理和手段とを備えてなることを特徴としている。
【0031】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の半導体集積回路に係り、上記所定時間が、外
部クロック信号の入力から前記第一の制御状態の立ち上
がりまでの時間と、上記出力信号の発生から内部クロッ
ク信号の出力までの時間との和の時間であることを特徴
としている。
【0032】また、請求項4記載の発明は、半導体集積
回路に係り、信号前進時の入力節点、出力節点及び信号
後退時の入力節点、出力節点を有し、第一の制御状態の
とき、信号を一定の遅延時間で信号前進時の入出力節点
間を伝搬させ、第二の制御状態のとき、信号を上記遅延
時間で信号後退時の入出力節点間を伝搬させ、第一の制
御状態と第二の制御状態がともに反転した第三の制御状
態のとき信号の伝搬を停止する複数の遅延素子を、相隣
る素子間において対応する出力節点と入力節点とを順次
接続することによって、直列に接続してなる2n列の遅
延回路列と、上記遅延回路列の各遅延素子に対応する複
数の短絡素子を有し、該遅延回路列2列ごとに、該2列
の遅延回路列の中間に介在して、短絡制御信号に応じ
て、該2列の遅延回路列の各遅延素子の対応する前進時
の入力節点間と後退時の出力節点間とを対応する短絡素
子によって短絡するn列の短絡回路列と、外部クロック
信号の入力ごとにその1サイクル時間だけ有意になる2
n相の極性制御信号を発生するとともに、1相おきの各
相の極性制御信号の中間のサイクルにおいて上記短絡制
御信号を発生する極性制御手段と、各相の極性制御信号
に応じて、順次、対応する遅延回路列を上記第一の制御
状態にし、上記2列の遅延回路列のうちの一方に対し
て、該制御状態の立ち上がりから第一の所定時間遅延さ
せるとともに、他方に対して、該制御状態の立ち上がり
から第二の所定時間遅延させて、上記各遅延回路列の先
頭の遅延素子の前進時の入力節点に入力信号を与え、2
n−1サイクル後の上記極性制御信号に応じて上記各遅
延回路列を上記第二の制御状態にすることによって、順
次、各遅延回路列の先頭の遅延素子の後退時の出力節点
から出力信号を取り出すように制御する複数の制御手段
と、上記各遅延回路列の出力信号を第三の所定時間遅延
させる複数の遅延手段と、該各遅延出力の論理和をとっ
て内部クロック信号を生成する論理和手段とを備えてな
ることを特徴としている。
【0033】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の半導体集積回路に係り、上記第一の所定時間が、外
部クロック信号の入力から上記第一の制御状態の立ち上
がりまでの時間と、上記出力信号の発生から内部クロッ
ク信号の出力までの時間との和の時間であり、上記第二
の所定時間が、上記第一の所定時間と、上記遅延素子1
段あたりの伝搬遅延時間の1/2の時間との和の時間で
あり、上記第三の所定時間が、上記遅延素子1段あたり
の伝搬遅延時間の1/4の時間であることを特徴として
いる。
【0034】また、請求項6記載の発明は、半導体集積
回路に係り、信号前進時の入力節点、出力節点及び信号
後退時の入力節点、出力節点を有し、第一の制御状態の
とき、信号を一定の遅延時間で信号前進時の入出力節点
間を伝搬させ、第二の制御状態のとき、信号を上記遅延
時間で信号後退時の入出力節点間を伝搬させ、第一の制
御状態と第二の制御状態がともに反転した第三の制御状
態のとき信号の伝搬を停止する複数の遅延素子を、相隣
る素子間において対応する出力節点と入力節点とを順次
接続することによって、直列に接続してなるn列の遅延
回路列と、上記遅延回路列の各遅延素子に対応する複数
の短絡素子を有し、該遅延回路列1列ごとに、順次、前
後に相隣る遅延回路列の中間に介在して、短絡制御信号
に応じて、該前後の2列の遅延回路列の各遅延素子の対
応する前進時の入力節点間と後退時の出力節点間とを対
応する短絡素子によって短絡するn列の短絡回路列と、
外部クロック信号の入力ごとにその1サイクル時間だけ
有意になるn相の極性制御信号を発生するとともに、各
相の極性制御信号の中間のサイクルにおいて上記短絡制
御信号を発生する極性制御手段と、各相の極性制御信号
に応じて、順次、対応する遅延回路列を上記第一の制御
状態にし、上記n列の遅延回路列から交互に選択した一
方の遅延回路列に対して、該制御状態の立ち上がりから
第一の所定時間遅延させるとともに、他方の遅延回路列
に対して、該制御状態の立ち上がりから第二の所定時間
遅延させて、上記各遅延回路列の先頭の遅延素子の前進
時の入力節点に入力信号を与え、n−1サイクル後の上
記極性制御信号に応じて上記各遅延回路列を上記第二の
制御状態にすることによって、順次、各遅延回路列の先
頭の遅延素子の後退時の出力節点から出力信号を取り出
すように制御する複数の制御手段と、上記各遅延回路列
の出力信号を第三の所定時間遅延させる複数の遅延手段
と、該各遅延出力の論理和をとって内部クロック信号を
生成する論理和手段とを備えてなることを特徴としてい
る。
【0035】また、請求項7記載の発明は、請求項6記
載の半導体集積回路に係り、上記第一の所定時間が、外
部クロック信号の入力から上記第一の制御状態の立ち上
がりまでの時間と、上記出力信号の発生から内部クロッ
ク信号の出力までの時間との和の時間であり、上記第二
の所定時間が、上記第一の所定時間と、第四の所定時間
との和の時間であり、上記第三の所定時間が、上記第四
の所定時間の1/2の時間であることを特徴としてい
る。
【0036】また、請求項8記載の発明は、請求項1乃
至7記載の半導体集積回路に係り、上記第一の制御状態
が、極性制御信号によって定まる極性を有し、外部クロ
ック信号に応じてトグルする第一の制御信号と、該第一
の制御信号と逆極性の第二の制御信号とによって定ま
り、上記第二の制御状態が、次の上記第一の制御状態の
直前のサイクルにおいて外部クロック信号に応じてトグ
ルする第三の制御信号と、該第三の制御信号と逆極性の
第四の制御信号とによって定まることを特徴としてい
る。
【0037】また、請求項9記載の発明は、請求項8記
載の半導体集積回路に係り、上記各遅延素子が、ゲート
を上記信号前進方向の入力節点に接続された第一のNチ
ャネルトランジスタと、ゲートに上記第一の制御信号を
接続された第二のNチャネルトランジスタとを、上記信
号後退方向の出力節点と第二の電源間に直列に接続した
第一の枝路と、ゲートに上記第四の制御信号を接続され
た第一のPチャネルトランジスタと、ゲートを上記信号
前進方向の出力節点に接続された第二のPチャネルトラ
ンジスタとを、第一の電源と上記信号後退方向の出力節
点間に直列に接続した第二の枝路と、ゲートを上記信号
後退方向の入力節点に接続された第三のNチャネルトラ
ンジスタと、ゲートに上記第三の制御信号を接続された
第四のNチャネルトランジスタとを、上記信号前進方向
の出力節点と上記第二の電源間に直列に接続した第三の
枝路と、ゲートに上記第二の制御信号を接続された第三
のPチャネルトランジスタと、ゲートを上記信号後退方
向の出力節点に接続された第四のPチャネルトランジス
タとを上記第一の電源と上記信号前進方向の出力節点間
に直列に接続した第四の枝路とからなることを特徴とし
ている。
【0038】また、請求項10記載の発明は、請求項1
乃至9記載の半導体集積回路に係り、上記各短絡素子
が、上記短絡制御信号によってオンになる第一のPチャ
ネルトランジスタ及び第一のNチャネルトランジスタか
らなるトランスファゲートを上記2列の遅延回路列の対
応する信号後退時の入力節点間に接続した第一の枝路
と、上記短絡制御信号によってオンになる第二のPチャ
ネルトランジスタ及び第二のNチャネルトランジスタか
らなるトランスファゲートを前記2列の遅延回路列の対
応する信号前進時の出力節点間に接続した第二の枝路と
からなることを特徴としている。
【0039】
【作用】この発明の構成では、第一の制御状態のとき、
信号を、信号前進時の入出力節点間で伝搬させ、第二の
制御状態のとき、信号を、信号後退時の入出力節点間で
伝搬させる機能を有する遅延素子を、複数、直列に接続
して構成した遅延回路列を2n列備えるとともに、2列
の遅延回路列ごとに、その中間に、複数の短絡素子を有
する短絡回路列を配置して、短絡制御信号に応じて、そ
れぞれの短絡素子によって、2列の遅延回路列の各遅延
素子における、前進時の入力節点間と、後退時の出力節
点間を電気的に接続するように構成する。これに対し
て、外部クロック信号の入力ごとに、その1サイクル時
間だけ有意になる2n相の極性制御信号によって、遅延
回路列を順次、第一の制御状態にして、先頭の遅延素子
の信号前進時の入力節点に入力信号を与えることによっ
て、遅延回路列中に信号を伝搬させるとともに、2n−
1サイクル後に、第二の制御状態にして、遅延回路列中
を折り返して伝搬した信号によって、遅延回路列の先頭
の遅延素子の信号後退時の出力節点から出力信号を取り
出すとともに、この際、1相おきに発生する短絡制御信
号に応じて、第一の制御状態と第二の制御状態の中間の
サイクルで、短絡回路列を動作させて、2列の遅延回路
列の各遅延素子において、電荷を共有して平均化させ
る。そして、取り出された各遅延回路列の出力信号の論
理和をとって、内部クロック信号を生成する。したがっ
て、この発明によれば、順にサイクル時間を測定する2
列の遅延回路列ごとに、サイクル時間を測定した結果に
相当する電荷を共有して、出力のサイクル時間を平均化
するようにしたので、外部クロック信号にタイミングず
れが生じた場合でも、出力である内部クロック信号にお
けるタイミングずれの増加を、大幅に軽減することがで
きる。
【0040】またこの発明の別の構成では、第一の制御
状態のとき、信号を、信号前進時の入出力節点間で伝搬
させ、第二の制御状態のとき、信号を、信号後退時の入
出力節点間で伝搬させる機能を有する遅延素子を、複
数、直列に接続して構成した遅延回路列をn列備えると
ともに、各遅延回路列ごとに、順次、前後の遅延回路列
の中間に、複数の短絡素子を有する短絡回路列を配置し
て、各相ごとに発生する短絡制御信号に応じて、それぞ
れの短絡素子によって、前後の遅延回路列の各遅延素子
における、前進時の入力節点間と、後退時の出力節点間
を電気的に接続するように構成する。これに対して、外
部クロック信号の入力ごとに、その1サイクル時間だけ
有意になるn相の極性制御信号によって、遅延回路列を
順次、第一の制御状態にして、先頭の遅延素子の信号前
進時の入力節点に入力信号を与えることによって、遅延
回路列中に信号を伝搬させるとともに、n−1サイクル
後に、第二の制御状態にして、遅延回路列中を折り返し
て伝搬した信号によって、遅延回路列の先頭の遅延素子
の信号後退時の出力節点から出力信号を取り出すととも
に、この際、各相ごとに、第一の制御状態と第二の制御
状態の中間のサイクルで、短絡回路列を動作させて、前
後の遅延回路列の各遅延素子において、電荷を共有して
平均化させる。そして、取り出された各遅延回路列の出
力信号の論理和をとって、内部クロック信号を生成す
る。したがって、この発明によれば、隣接する3列の遅
延回路列において、順次、サイクル時間を測定した結果
に相当する電荷を共有して、出力のサイクル時間を平均
化するようにしたので、外部クロック信号にタイミング
ずれが生じた場合でも、出力である内部クロック信号に
おけるタイミングずれの増加を、大幅に軽減することが
できる。
【0041】またこの発明の別の構成では、第一の制御
状態のとき、信号を、信号前進時の入出力節点間で伝搬
させ、第二の制御状態のとき、信号を、信号後退時の入
出力節点間で伝搬させる機能を有する遅延素子を、複
数、直列に接続して構成した遅延回路列を2n列備える
とともに、2列の遅延回路列ごとに、その中間に、複数
の短絡素子を有する短絡回路列を配置して、短絡制御信
号に応じて、それぞれの短絡素子によって、2列の遅延
回路列の各遅延素子における、前進時の入力節点間と、
後退時の出力節点間を電気的に接続するように構成す
る。これに対して、外部クロック信号の入力ごとに、そ
の1サイクル時間だけ有意になる2n相の極性制御信号
によって、遅延回路列を順次、第一の制御状態にして、
先頭の遅延素子の信号前進時の入力節点に入力信号を与
えるが、この際、2列の遅延回路列のうちの一方に対し
て、他方の遅延回路列よりも、1遅延素子あたりの伝搬
遅延時間tPDの1/2長く遅延させて、入力信号を与
えて、遅延回路列中に信号を伝搬させ、2n−1サイク
ル後に、第二の制御状態にして、遅延回路列中を折り返
して伝搬した信号によって、遅延回路列の先頭の遅延素
子の信号後退時の出力節点から出力信号を取り出すとと
もに、この際、1相おきに発生する短絡制御信号に応じ
て、第一の制御状態と第二の制御状態の中間のサイクル
で、短絡回路列を動作させて、2列の遅延回路列の各遅
延素子において、電荷を共有して平均化させる。そし
て、取り出された各遅延回路列の出力信号をtPDの1
/4遅延させた後、それぞれの論理和をとって、内部ク
ロック信号を生成する。したがって、この発明によれ
ば、順にサイクル時間を測定する2列の遅延回路列にお
いて、一方の入力をtPD/2だけずらして入力して、
サイクル時間を測定した結果に相当する電荷を共有し
て、出力のサイクル時間を平均化するようにしたので、
遅延素子を構成するPチャネルトランジスタとNチャネ
ルトランジスタの能力(閾値)が、アンバランスした場
合に生じる、tPDを周期とする出力タイミングのサイ
クル時間依存性を相殺した、内部クロック信号を出力す
ることができる。
【0042】さらにこの発明の別の構成では、第一の制
御状態のとき、信号を、信号前進時の入出力節点間で伝
搬させ、第二の制御状態のとき、信号を、信号後退時の
入出力節点間で伝搬させる機能を有する遅延素子を、複
数、直列に接続して構成した遅延回路列をn列備えると
ともに、各遅延回路列ごとに、順次、前後の遅延回路列
の中間に、複数の短絡素子を有する短絡回路列を配置し
て、各相ごとに発生する短絡制御信号に応じて、それぞ
れの短絡素子によって、前後の遅延回路列の各遅延素子
における、前進時の入力節点間と、後退時の出力節点間
を電気的に接続するように構成する。これに対して、外
部クロック信号の入力ごとに、その1サイクル時間だけ
有意になるn相の極性制御信号によって、遅延回路列を
順次、第一の制御状態にして、先頭の遅延素子の信号前
進時の入力節点に入力信号を与えるが、この際、前後の
遅延回路列のうちの一方に対して、他方の遅延回路列よ
りも、所定時間αの1/2長く遅延させて、入力信号を
与えて、遅延回路列中に信号を伝搬させ、n−1サイク
ル後に、第二の制御状態にして、遅延回路列中を折り返
して伝搬した信号によって、遅延回路列の先頭の遅延素
子の信号後退時の出力節点から出力信号を取り出すとと
もに、この際、各相ごとに発生する短絡制御信号に応じ
て、第一の制御状態と第二の制御状態の中間のサイクル
で、短絡回路列を動作させて、前後の遅延回路列の各遅
延素子において、電荷を共有して平均化させる。そし
て、取り出された各遅延回路列の出力信号をαの1/4
遅延させた後、それぞれの論理和をとって、内部クロッ
ク信号を生成する。したがって、この発明によれば、順
にサイクル時間を測定する前後の遅延回路列において、
一方の入力をα/2だけずらして入力して、隣接する3
列の遅延回路列において、順次、サイクル時間を測定し
た結果に相当する電荷を共有して、出力のサイクル時間
を平均化するようにしたので、遅延素子を構成するPチ
ャネルトランジスタとNチャネルトランジスタの能力
(閾値)が、アンバランスした場合に生じる、αを周期
とする出力タイミングのサイクル時間依存性を相殺し
た、内部クロック信号を出力することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行なう。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である半導体集積回路の
電気的構成を示すブロック図、図2は、同半導体集積回
路における遅延回路列の構成例を示す図、図3は、同半
導体集積回路における短絡回路列の構成例を示す図、図
4は、同半導体集積回路の動作を説明するためのタイミ
ングチャート、図5は、同半導体集積回路における外部
クロック信号のタイミングずれの影響を説明する図、図
6は、入力ノイズパターンを示す図、図7は、遅延回路
列における、サイクル時間による出力タイミングの変化
(ジッタ)を説明する図である。
【0044】この例の半導体集積回路は、図1に示すよ
うに、受信回路10と、極性制御回路26と、制御回路
110,210,310,410と、遅延回路列12
0,220,320,420と、パルス生成回路13
0,230,330,430と、短絡回路列190,2
90と、オア回路41とから概略構成されている。上記
受信回路10は、エッジ検出回路を有し、外部クロック
信号1を受信して、内部電源電位に変換された内部信号
2を出力する。また、極性制御回路26は、論理レベル
が1サイクル時間だけハイレベルになる変化を4サイク
ルごとに繰り返す、4相の極性制御信号108,20
8,308,408を、内部信号2の立ち上がりごとに
順次出力するとともに、第一の極性制御信号108と第
三の極性制御信号308から、それぞれ2サイクル遅れ
て、短絡制御信号21,22を出力する。
【0045】制御回路110,210,310,410
は、それぞれ極性制御信号108,208,308,4
08によって定まる極性で、内部信号2の立ち上がりで
トグルする第一の制御信号101,201,301,4
01と、第一の制御信号と逆相の第二の制御信号10
2,202,302,402と、第一の制御信号から3
サイクル時間遅れて内部信号2の立ち上がりでトグルす
る第三の制御信号106,206,306,406と、
第三の制御信号と逆相の第四の制御信号107,20
7,307,407とを発生するとともに、内部信号2
から一定時間遅れて、第一の制御信号101,201,
301,401の立ち上がりごとにそれぞれ信号10
3,203,303,403を出力する。
【0046】遅延回路列120,220,320,42
0は、直列に接続された複数の遅延素子からなり、それ
ぞれ入力信号103,203,303,403を始め図
の右方向に伝搬させるとともに、ある時期から折り返し
て左方向に伝搬させて、信号104,204,304,
404を出力する。パルス生成回路130,230,3
30,430は、それぞれ、遅延回路列からの出力信号
104,204,304,404の立ち上がりに応じ
て、出力パルス105,205,305,405を生成
する。短絡回路列190,290は、複数の短絡素子か
らなり、短絡制御信号21,22に応じて、遅延回路列
120と220,320と420の対応する遅延素子の
節点間を、対応する短絡素子によって電気的に接続す
る。オア回路41は、出力パルス105,205,30
5,405の論理和をとって、内部クロック信号4を出
力する。
【0047】遅延回路列120,220,320,42
0は、同一の構成を有している。以下においては、図2
を参照して、遅延回路列120を例として説明する。遅
延回路列120は、複数の同一構成の遅延素子120
1,1202,…,120k,…,120nからなって
いる。以下、例えば遅延素子1201について説明する
と、遅延素子1201は、2組の直列に接続された2個
のPchトランジスタ(TP1,TP2及びTP3,T
P4)と、2組の直列に接続された2個のNchトラン
ジスタ(TN1,TN2及びTN3,TN4)とからな
り、入出力点となる、第一,第二,第三,第四の節点A
0,B0,A1,B1を有している。
【0048】遅延素子1201において、トランジスタ
TP1及びTN2は、そのソースをそれぞれ電源及び接
地に接続され、ゲートにそれぞれ第四の制御信号107
及び第一の制御信号101を接続されている。トランジ
スタTP3及びTN4は、そのソースをそれぞれ電源及
び接地に接続され、ゲートにそれぞれ第二の制御信号1
02及び第三の制御信号106を接続されている。トラ
ンジスタTP2及びTN1は、そのソースをそれぞれト
ランジスタTP1,TN2のドレインに接続され、ドレ
インを互いに接続されて第二の節点B0を形成してい
る。トランジスタTP4及びTN3は、そのソースをそ
れぞれトランジスタTP3,TN4のドレインに接続さ
れ、ドレインを互いに接続されて第三の節点A1を形成
している。さらに、トランジスタTN1のゲートは第一
の節点A0を形成し、トランジスタTP2のゲートは第
三の節点A1に接続され、トランジスタTP4のゲート
は、第二の節点B0に接続され、トランジスタTN3の
ゲートは第四の節点B1を形成している。
【0049】第一の制御信号101がハイレベルである
第一の期間において、入力信号103によって第一の節
点A0がハイレベルになると、直列に接続された2個の
NchトランジスタTN1,TN2が導通して、第二の
節点B0が放電してロウレベルになる。このとき第二の
制御信号102がロウレベルなので、直列に接続された
2個のPchトランジスタTP3,TP4が導通して、
第三の節点A1は充電されてハイレベルになる。また、
第一の制御信号101がロウレベルである第四の期間に
おいては、第三の制御信号106がハイレベルなので、
折り返された信号によって第四の節点B1がハイレベル
になると、直列に接続された2個のNchトランジスタ
TN3,TN4が導通して、第三の節点A1が放電して
ロウレベルになる。このとき、第四の制御信号107は
ロウレベルなので、第三の節点A1がロウレベルになる
と、直列に接続された2個のPchトランジスタTP
1,TP2が導通して、第二の節点B0は充電されてハ
イレベルになる。なお、第二の期間、第三の期間におい
ては、第一の制御信号101、第三の制御信号106が
ロウレベルであり、第二の制御信号102、第四の制御
信号107がハイレベルであって、各節点における充放
電の動作は行われない。
【0050】短絡回路列190,290は、同一の構成
を有している。以下においては、図3を参照して、短絡
回路列190を例として説明する。短絡回路列190
は、複数の同一構成の短絡素子1901,1902,
…,190k,…,190nからなっている。以下、例
えば短絡素子1901について説明すると、短絡素子1
901は、遅延回路列120の節点B0と遅延回路列2
20の節点B0間に接続された、PchトランジスタT
P11とNchトランジスタTN11、遅延回路列12
0の節点A1と遅延回路列220の節点A1間に接続さ
れた、PchトランジスタTP12とNchトランジス
タTN12、及び短絡制御信号21とPchトランジス
タTP11,TP12のゲート間に接続されたインバー
タINV1と、インバータINV1の出力とNchトラ
ンジスタTN11,TN12のゲート間に接続されたイ
ンバータINV2とから構成されている。短絡素子19
01はトランスファゲートを構成し、短絡制御信号21
がハイレベルになったとき、PchトランジスタTP1
1、NchトランジスタTN11が導通して、遅延回路
列120の節点B0と遅延回路列220の節点B0とを
電気的に接続し、PchトランジスタTP12、Nch
トランジスタTN12が導通して、遅延回路列120の
節点A1と遅延回路列220の節点A1とを電気的に接
続する。
【0051】この例においては、外部クロック信号1が
受信回路10へ入力されてから、制御回路110から制
御信号101が出力されるまでの時間、すなわち、受信
回路10と極性制御回路26と制御回路110における
伝搬時間をt1とし、出力信号104がパルス生成回路
130へ入力されてから、内部クロック信号4がオア回
路41から出力されるまでの時間、すなわち、パルス生
成回路130とオア回路41における伝搬時間をt2と
し、入力信号が遅延回路列120を右方向に伝搬する時
間及び左方向に伝搬する時間をtdとする。また、制御
回路110における入力信号103に対する遅延時間
は、t1+t2に設定されている。
【0052】遅延回路列120において、制御信号10
1がハイレベルである期間は、サイクル時間tCKに等
しく、これは制御信号101が立ち上がってから、入力
信号が制御回路110を経て遅延回路列120を右方向
に伝搬する時間に等しいので、Tck=t1+t2+t
dである。また、外部クロック信号1が受信回路10に
入力されてから、制御信号101が立ち下がり、折り返
された入力信号によって、遅延回路列120、パルス生
成回路130及びオア回路41を経て内部クロック信号
4が出力されるまでの時間は、t1+td+t2であっ
て、これはtCKすなわちサイクル時間である。したが
って、内部クロック信号4は、外部クロック信号1と同
じ位相で出力される。他の、制御回路210,310,
410、パルス生成回路230,330,430及び遅
延回路列220,320,420についても、同様であ
る。
【0053】次に、図1乃至図4を参照して、この例の
半導体集積回路の動作について説明する。第一の期間C
1において、遅延回路列120では、第一の制御信号1
01がハイレベル、第二の制御信号102がロウレベル
になるので、制御回路110からの入力信号103が節
点A0に入力されることによって、各遅延素子において
順次充放電動作が行われて、入力信号が図1の右方向に
伝搬する。
【0054】第二の期間C2において、遅延回路列12
0では、第一の制御信号101がロウレベル、第二の制
御信号102がハイレベル、第三の制御信号106がロ
ウレベル、第四の制御信号107がハイレベルになるの
で、充放電動作が停止し、入力信号の伝搬が停止する。
一方、遅延回路列220では、第一の制御信号201が
ハイレベル、第二の制御信号202がロウレベルになる
ので、制御回路210からの入力信号203が節点A0
に入力されることによって、入力信号が図1の右方向に
伝搬する。
【0055】第三の期間C3において、遅延回路列12
0では、第一の制御信号101がロウレベル、第二の制
御信号102がハイレベル、第三の制御信号106がロ
ウレベル、第四の制御信号107がハイレベルになるの
で、充放電動作が停止している。また、遅延回路列22
0では、第一の制御信号201がロウレベル、第二の制
御信号202がハイレベル、第三の制御信号206がロ
ウレベル、第四の制御信号207がハイレベルになるの
で、充放電動作が停止し、入力信号の伝搬が停止する。
このとき、短絡制御信号21が一定期間ハイレベルにな
るので、短絡回路列190における各短絡素子が導通状
態になり、遅延回路列120,220における対応する
各遅延素子の節点Bk及びAk+1が電気的に接続され
て、電荷が共有され平均化される。
【0056】第四の期間C4において、遅延回路列12
0では、第三の制御信号106がハイレベル、第四の制
御信号107がロウレベルになるので、入力信号は、折
り返して図1の左方向に伝搬し、節点B0から出力信号
104が発生して、パルス生成回路130を経て、出力
パルス105が生成され、オア回路41を経て内部クロ
ック信号4が出力される。一方、遅延回路列220で
は、第一の制御信号201がロウレベル、第二の制御信
号202がハイレベル、第三の制御信号206がロウレ
ベル、第四の制御信号207がハイレベルになるので、
充放電動作が停止している。
【0057】第五の期間C5において、遅延回路列12
0では、第一の制御信号101がハイレベル、第二の制
御信号102がロウレベルになるので、制御回路110
からの入力信号103が再び節点A0に入力されること
によって、入力信号が右方向に伝搬する。一方、遅延回
路列220では、第三の制御信号206がハイレベル、
第四の制御信号207がロウレベルになるので、入力信
号は、折り返して左方向に伝搬し、節点B0から出力信
号204が発生して、パルス生成回路230を経て、出
力パルス205が生成され、オア回路41を経て内部ク
ロック信号4が出力される。
【0058】遅延回路列320,420においても同様
であって、第三の期間C3に制御回路310から遅延回
路列320に入力信号303が入力され、3サイクル時
間後に出力信号304が発生して、パルス生成回路33
0を経て、出力パルス305が生成され、オア回路41
を経て内部クロック信号4が出力され、第四の期間C4
に制御回路410から遅延回路列420に入力信号40
3が入力されることによって、3サイクル時間後に出力
信号404が発生して、パルス生成回路430を経て、
出力パルス405が生成され、オア回路41を経て内部
クロック信号4が出力される。この際、第五の期間C5
に、短絡制御信号22が出力されることによって、遅延
回路列320,420の電荷が共有され平均化される。
【0059】以下、同様に、外部クロック信号1の入力
ごとに、各制御回路110,210,310,410か
ら順次、入力信号103,203,303,403が入
力されることによって、順次、出力パルス105,20
5,305,405が発生し、これによって、内部クロ
ック信号4が出力される。このようにして、各サイクル
ごとに、入力信号の発生から4サイクル後に、内部クロ
ック信号4が出力されるので、これによって、メモリセ
ル31からDタイプフリップフロップ32を介して、各
サイクル時間ごとにデータ出力5が発生する。
【0060】以下、図5を用いて、同半導体集積回路に
おいて、外部クロック信号にタイミングずれが発生した
場合の、データ出力に対する影響を説明する。第一の期
間C1において、外部クロック信号のタイミングは正常
であって、遅延回路列220からの出力に基づいて、デ
ータ出力5が正常なタイミングで発生する。次の第二の
期間C2において、外部クロック信号にΔtのずれが発
生した場合、遅延回路列220において、入力信号の前
進期間に+Δtの変化が生じる。
【0061】次の第三の期間C3において、短絡回路列
190が動作して、遅延回路列120,220の電荷が
共有され平均化される。遅延回路列320では、入力信
号の前進開始にΔtの遅れが生じるが、前進期間の終了
は変わらないので、前進期間に−Δtの変化が生じる。
また、遅延回路列420では、入力信号の後退期間の開
始がΔt遅れるが、後退期間は変化しないので、内部ク
ロック信号に+Δtの遅れが生じ、データ出力5の終了
に+Δtの変化が生じる。次の第四の期間C4におい
て、遅延回路列120では、第三の期間C3において電
荷が平均化された結果、入力信号の後退期間に+Δt/
2の変化が生じる。したがって、この期間には、データ
出力5の開始に+Δtの変化が生じ、終了に+Δt/2
の変化が生じる。
【0062】次の第五の期間C5において、短絡回路列
290が動作して、遅延回路列320,420の電荷が
共有され平均化される。遅延回路列120では、新たな
入力が発生して前進する。また、遅延回路列220で
は、第三の期間C3において電荷が平均化された結果、
入力信号の後退期間に+Δt/2の変化が生じる。した
がって、この期間には、データ出力5の開始に+Δt/
2の変化が生じ、終了に+Δt/2の変化が生じる。次
の第六の期間C6において、遅延回路列320では、第
五の期間C5において電荷が平均化された結果、入力信
号の後退期間に+Δt/2の変化が生じる。したがっ
て、この期間には、データ出力5の開始に+Δt/2の
変化が生じ、終了に−Δt/2の変化が生じる。
【0063】次の第七の期間C7において、遅延回路列
420では、第五の期間C5において電荷が平均化され
た結果、入力信号の後退期間に+Δt/2の変化が生じ
る。したがって、この期間には、データ出力5の開始に
−Δt/2の変化が生じ、終了に−Δt/2の変化が生
じる。次の第八の期間C8において、遅延回路列120
では、入力信号の後退期間に変化を生じない。したがっ
て、この期間には、データ出力5の開始に−Δt/2の
変化が生じるが、終了には変化が生じない。以後におい
ては、第二の期間C2において生じた、外部クロック信
号のタイミングずれの影響がなくなる。
【0064】以上においては、外部クロック信号周期に
単発的に変動が発生した場合について説明したが、外部
クロック信号の変動は、周期的に生じることがある。以
下、図6を用いて、このような外部クロック信号の変動
について説明する。図6においては、外部クロック信号
周期(tCK)の変動がない理想的な入力状態に対し
て、変動が一回だけ生じた場合(Single-Event Noise)
と、周期的なノイズの例として、2サイクル周期の場合
と、4サイクル周期の場合と、8サイクル周期の場合と
の、外部クロック信号の態様を例示している。
【0065】次に、図7を用いて、外部クロック信号周
期の変動周期が変化した場合の、内部クロック信号周期
の変動について説明する。図7においては、横軸に示
す、入力である外部クロック信号周期の変動(ジッタ)
周期(外部クロック信号のサイクル数で示す)が変化し
た場合の、出力(内部クロック信号)ジッタの、入力ジ
ッタに対する倍率を縦軸に示し、点線で示す従来例(図
15)の双方向性遅延素子(BDD)の場合と、実線で
示すこの例の電荷結合型双方向性遅延素子(CBDD)
の場合とを対比して示している。図示のように、従来例
の場合は、倍率の最大は3倍(2サイクル周期の場合)
であるのに対して、この例の場合は、最大約1.7倍で
あって、大幅に改善されている。なお図中においてS.
Eは、単発的変動の場合を示し、従来例の場合は倍率が
2倍であったが、この例の場合は前述の説明のように1
倍であって、同様に改善されている。
【0066】このように、この例によれば、2列の遅延
回路列ごとにその中間に短絡回路列を配置して、順にサ
イクル時間を測定した、隣接する2列の遅延回路列ごと
に、測定したサイクル時間に相当する電荷を共有して、
出力されるサイクル時間を平均化するようにしたので、
外部クロック信号のタイミングが一定周期からずれた場
合でも、出力である内部クロック信号のタイミング変動
の増加を、大幅に抑えることができる。
【0067】◇第2実施例 図8は、この発明の第2実施例である半導体集積回路の
構成を示すブロック図、図9は、同半導体集積回路の動
作を説明するためのタイミングチャート、図10は、同
半導体集積回路における外部クロック信号のジッタの影
響を説明する図、図11は、同半導体集積回路におけ
る、入力ジッタ周期による出力ジッタの変化を説明する
図である。
【0068】この例の半導体集積回路は、図8に示すよ
うに、受信回路10と、極性制御回路27と、制御回路
110,210,310,410と、遅延回路列12
0,220,320,420と、パルス生成回路13
0,230,330,430と、短絡回路列190,2
90,390,490と、オア回路41とから概略構成
されている。受信回路10は、エッジ検出回路を有し、
外部クロック信号1を受信して、内部電源電位に変換さ
れた内部信号2を出力する。極性制御回路27は、論理
レベルが1サイクル時間だけハイレベルになる変化を4
サイクルごとに繰り返す、4相の極性制御信号108,
208,308,408を、内部信号2の立ち上がりご
とに順次出力するとともに、極性制御信号108,20
8,308,408から2サイクル遅れて、短絡制御信
号21,22,23,24を出力する。
【0069】制御回路110,210,310,410
は、それぞれ極性制御信号108,208,308,4
08によって定まる極性で、内部信号2の立ち上がりで
トグルする第一の制御信号101,201,301,4
01と、第一の制御信号と逆相の第二の制御信号10
2,202,302,402と、第一の制御信号から3
サイクル時間遅れて内部信号2の立ち上がりでトグルす
る第三の制御信号106,206,306,406と、
第三の制御信号と逆相の第四の制御信号107,20
7,307,407とを発生するとともに、内部信号2
から一定時間遅れて、第一の制御信号101,201,
301,401の立ち上がりごとにそれぞれ信号10
3,203,303,403を出力する。
【0070】遅延回路列120,220,320,42
0における各遅延回路列は、それぞれ図2に示された遅
延回路列120と同様の構成を有している。各遅延回路
列120,220,320,420は、直列に接続され
た複数の遅延素子からなり,それぞれ入力信号103,
203,303,403を始め図の右方向に伝搬させる
とともに、ある時期から折り返して左対方向に伝搬させ
て、信号104,204,304,404を出力する。
パルス生成回路130,230,330,430は、そ
れぞれ、遅延回路列からの出力信号104,204,3
04,404の立ち上がりに応じて、出力パルス10
5,205,305,405を生成する。短絡回路列1
90,290,390,490は、それぞれ図3に示さ
れた短絡回路列190と同様の構成を有している。各短
絡回路列190,290,390,490は、短絡制御
信号21,22,23,24に応じて、遅延回路列42
0と120,120と220,220と320,320
と420の対応する遅延素子の節点間を、対応する短絡
素子によって電気的に接続する。オア回路41は、出力
パルス105,205,305,405の論理和をとっ
て、内部クロック信号4を出力する。
【0071】この例の場合の、制御回路110,21
0,310,410及びパルス生成回路130,23
0,330,430における、信号伝搬時間t1,t2
と遅延設定時間t1+t2、ならびに遅延回路列12
0,220,320,420における信号伝搬時間td
の関係は、第1実施例の場合と同様である。
【0072】次に、図8及び図9を参照して、この例の
半導体集積回路の動作について説明する。第一の期間C
1において、遅延回路列120では、第一の制御信号1
01がハイレベル、第二の制御信号102がロウレベル
になるので、制御回路110からの入力信号103が節
点A0に入力されることによって、各遅延素子において
順次充放電動作が行われて、入力信号が図8の右方向に
伝搬する。
【0073】第二の期間C2において、遅延回路列12
0では、第一の制御信号101がロウレベル、第二の制
御信号102がハイレベル、第三の制御信号106がロ
ウレベル、第四の制御信号107がハイレベルになるの
で、充放電動作が停止し、入力信号の伝搬が停止する。
一方、遅延回路列220では、第一の制御信号201が
ハイレベル、第二の制御信号202がロウレベルになる
ので、制御回路210からの入力信号203が節点A0
に入力されることによって、入力信号が図8の右方向に
伝搬する。このとき、制御回路410からの短絡制御信
号24がハイレベルになるので、短絡回路列490の各
短絡素子が導通状態になり、遅延回路列420,120
における対応する各遅延素子の節点Bk及びAk+1が
電気的に接続されて、電荷が共有され平均化される。
【0074】第三の期間C3において、遅延回路列12
0では、第一の制御信号101がロウレベル、第二の制
御信号102がハイレベル、第三の制御信号106がロ
ウレベル、第四の制御信号107がハイレベルになるの
で、充放電動作が停止している。遅延回路列220で
は、第一の制御信号201がロウレベル、第二の制御信
号202がハイレベル、第三の制御信号206がロウレ
ベル、第四の制御信号207がハイレベルになるので、
入力信号の伝搬が停止し、充放電動作が停止している。
遅延回路列320では、第一の制御信号301がハイレ
ベル、第二の制御信号302がロウレベルになるので、
制御回路310からの入力信号303が節点A0に入力
されることによって、入力信号が図8の右方向に伝搬す
る。このとき、短絡制御信号21が一定期間ハイレベル
になるので、短絡回路列190における各短絡素子が導
通状態になり、遅延回路列120,220における対応
する各遅延素子の節点Bk及びAk+1が短絡されて、
電荷が共有され平均化される。
【0075】第四の期間C4において、遅延回路列12
0では、第三の制御信号106がハイレベル、第四の制
御信号107がロウレベルになるので、入力信号は、折
り返して図8の左方向に伝搬し、節点B0から出力信号
104が発生して、パルス生成回路130を経て、出力
パルス105が生成され、オア回路41を経て内部クロ
ック信号4が出力される。遅延回路列220では、第一
の制御信号201がロウレベル、第二の制御信号202
がハイレベル、第三の制御信号206がロウレベル、第
四の制御信号207がハイレベルになるので、充放電動
作が停止している。遅延回路列320では、第一の制御
信号301がロウレベル、第二の制御信号302がハイ
レベル、第三の制御信号306がロウレベル、第四の制
御信号307がハイレベルになるので、充放電動作が停
止している。遅延回路列420では、第一の制御信号4
01がハイレベル、第二の制御信号402がロウレベル
になるので、制御回路410からの入力信号403が入
力されることによって、入力信号が図8の右方向に伝搬
する。このとき、短絡制御信号22が一定期間ハイレベ
ルになるので、短絡回路列290における各短絡素子が
導通状態になり、遅延回路列220,320における対
応する各遅延素子の節点Bk及びAk+1が短絡され
て、電荷が共有され平均化される。
【0076】第5の期間C5において、遅延回路列12
0では、第一の制御信号101がハイレベル、第二の制
御信号102がロウレベルになるので、制御回路110
からの入力信号103が節点A0に入力されることによ
って、入力信号が図8の右方向に伝搬する。遅延回路列
220では、第三の制御信号206がハイレベル、第四
の制御信号207がロウレベルになるので、入力信号は
折り返して図8の左方向に伝搬し、節点B0から出力信
号204が発生して、パルス生成回路230を経て、出
力パルス205が生成され、オア回路41を経て内部ク
ロック信号4が出力される。 遅延回路列320では、
第一の制御信号301がロウレベル、第二の制御信号3
02がハイレベル、第三の制御信号306がロウレベ
ル、第四の制御信号307がハイレベルになるので、充
放電動作が停止している。遅延回路列420では、第一
の制御信号401がロウレベル、第二の制御信号402
がハイレベル、第三の制御信号406がロウレベル、第
四の制御信号407がハイレベルになるので、充放電動
作が停止している。このとき、短絡制御信号23が一定
期間ハイレベルになるので、短絡回路列390における
各短絡素子が導通状態になり、遅延回路列320,42
0における対応する各遅延素子の節点Bk及びAk+1
が短絡されて電荷が共有され平均化される。
【0077】以下、同様に、外部クロック信号1の入力
ごとに、各制御回路110,210,310,410か
ら順次、入力信号103,203,303,403が入
力されることによって、順次、出力パルス105,20
5,305,405が発生し、これによって、内部クロ
ック信号4が出力される。このようにして、4サイクル
時間後から、各サイクル時間ごとに、内部クロック信号
4が出力されるので、これによって、メモリセル31か
らDタイプフリップフロップ32を介して、各サイクル
時間ごとにデータ出力5が発生する。
【0078】この際、各遅延回路列に対する入力信号の
入力から1サイクル時間後に、停止状態にある、当該遅
延回路列とこれより1サイクル前に入力された遅延回路
列とが、短絡回路列によって、電荷が共有され平均化さ
れる。停止状態にある1サイクル前に入力された遅延回
路列では、前サイクルで、当該遅延回路列とさらに1サ
イクル前に入力された遅延回路列とが、電荷共有されて
いるので、あるサイクルの出力信号には、当該サイクル
の前3サイクルの入力信号に基づくサイクル時間の平均
時間が反映されている。
【0079】この場合、外部クロック信号にタイミング
ずれが発生すると、データ出力タイミングにも変化が生
じる。以下、図10を用いて、同半導体集積回路におけ
る外部クロック信号のジッタの影響を説明する。第一の
期間C1において、外部クロック信号のタイミングは正
常であって、遅延回路列220からの出力に基づいて、
データ出力5が正常なタイミングで発生する。また、こ
の期間には、短絡回路列390が動作して、遅延回路列
320,420の電荷が共有され平均化される。第二の
期間C2において、外部クロック信号にΔtの遅れが発
生した場合、遅延回路列220において、入力信号の前
進期間に+Δtの変化が生じる。また、この期間には、
短絡回路列490が動作して、遅延回路列420,12
0の電荷が共有され平均化される。
【0080】次の第三の期間C3において、遅延回路列
320では、入力信号の前進開始が遅れるので、前進期
間に−Δtの変化が生じる。遅延回路列420では、入
力信号の後退開始がΔt遅れるが、後退期間は変化しな
いので、内部クロック信号に+Δtの遅れが生じ、デー
タ出力の終了に+Δtの変化が生じる。また、この期間
には、短絡回路列190が動作して、遅延回路列12
0,220の電荷が共有され平均化される。次の第四の
期間C4において、遅延回路列120では、第一の期間
C1と、第二の期間C2と、第三の期間C3とにおいて
電荷が平均化された結果、入力信号の後退期間に+Δt
/2の変化が生じる。したがって、この期間には、デー
タ出力5の開始に+Δtの変化が生じ、終了に+Δt/
2の変化が生じる。また、この期間には、短絡回路列2
90が動作して、遅延回路列220,320の電荷が共
有され平均化される。
【0081】次の第五の期間C5において、遅延回路列
220では、第二の期間C2と、第三の期間C3と、第
四の期間C4とにおいて電荷が平均化された結果、入力
信号の後退期間に−Δt/2の変化が生じる。したがっ
て、この期間には、データ出力5の開始に+Δt/2の
変化が生じ、終了に−Δt/2の変化が生じる。また、
この期間には、短絡回路列390が動作して、遅延回路
列320,420の電荷が共有され平均化される。次の
第六の期間C6において、遅延回路列320では、第三
の期間C3と、第四の期間C4と、第五の期間C5とに
おいて電荷が平均化された結果、入力信号の後退期間に
−Δt/4の変化が生じる。したがって、この期間に
は、データ出力5の開始に−Δt/2の変化が生じ、終
了に−Δt/4の変化が生じる。また、この期間には、
短絡回路列490が動作して、遅延回路列420,12
0の電荷が共有され平均化される。
【0082】次の第七の期間C7において、遅延回路列
420では、第四の期間C4と、第五の期間C5と、第
六の期間C6とにおいて電荷が平均化された結果、入力
信号の後退期間に−Δt/8の変化が生じる。したがっ
て、この期間には、データ出力5の開始に−Δt/4の
変化が生じ、終了に−Δt/8の変化が生じる。また、
この期間には、短絡回路列190が動作して、遅延回路
列120,220の電荷が共有され平均化される。次の
第八の期間C8において、遅延回路列120では、第五
の期間C5と、第六の期間C6と、第七の期間C7とに
おいて電荷が平均化された結果、入力信号の後退期間に
−Δt/16の変化が生じる。したがって、この期間に
は、データ出力5の開始に−Δt/8の変化が生じ、終
了に−Δt/16の変化が生じる。また、この期間に
は、短絡回路列290が動作して、遅延回路列220,
320の電荷が共有され平均化される。
【0083】この例の場合も、外部クロック信号周期の
変動が周期的に生じた場合には、入力ジッタ周期によっ
て出力ジッタの大きさが変化する。以下、図11を用い
て、外部クロック信号周期の変動周期が変化した場合
の、内部クロック信号周期の変動について説明する。図
中において、横軸と縦軸の表示は、図7に示された第1
実施例の場合と同じであり、同様に点線で示す従来例
(図15)の双方向性遅延素子(BDD)の場合と、実
線で示すこの例の電荷結合型双方向性遅延素子(CBD
D)の場合とを対比して示す。図示のように、従来例の
場合は、倍率の最大は3倍(2サイクル周期の場合)で
あるのに対して、この例の場合は、最悪値でも約1.5
倍であって、特にジッタ周期が短いノイズの場合に効果
が顕著であることが示されている。なお図中において
S.Eは、単発的変動の場合を示し、従来例の場合は倍
率が2倍であったが、この例の場合は1倍であり、同様
に改善されている。
【0084】このように、この例の構成によれば、遅延
回路列と短絡回路列とを交互に配置して、順にサイクル
時間を測定した、隣接する2列の遅延回路列ごとに、測
定したサイクル時間に相当する電荷を共有して、出力さ
れるサイクル時間を平均化するようにしたので、外部ク
ロック信号のタイミングが一定周期からずれた場合で
も、出力である内部クロック信号のタイミング変動の増
加を大幅に抑えることができる。
【0085】◇第3実施例 図12は、この発明の第3実施例である半導体集積回路
の構成を示すブロック図、図13は、同半導体集積回路
の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0086】この例の半導体集積回路は、図12に示す
ように、受信回路10と、極性制御回路26と、制御回
路110,210A,310,410Aと、遅延回路列
120,220,320,420と、パルス生成回路1
30,230,330,430と、遅延素子140,2
40,340,440と、短絡回路列190,290
と、オア回路41とから概略構成されている。上記受信
回路10は、エッジ検出回路を有し、外部クロック信号
1を受信して、内部電源電位に変換された内部信号2を
出力する。また、極性制御回路26は、論理レベルが1
サイクル時間だけハイレベルになる変化を4サイクルご
とに繰り返す、4相の極性制御信号108、208,3
08,408を、内部信号2の立ち上がりごとに順次出
力するとともに、第一の極性制御信号108と第三の極
性制御信号308から、それぞれ2サイクル遅れて、短
絡制御信号21,22を出力する。
【0087】制御回路110、210A,310,41
0Aは、それぞれ極性制御信号108,208,30
8,408によって定まる極性で、内部信号2の立ち上
がりでトグルする第一の制御信号101,201,30
1,401と、第一の制御信号と逆相の第二の制御信号
102,202,302,402と、第一の制御信号か
ら3サイクル時間遅れて内部信号2の立ち上がりでトグ
ルする第三の制御信号106,206,306,406
と、第三の制御信号と逆相の第四の制御信号107,2
07,307,407とを発生するとともに、内部信号
2から第一の所定時間遅れて、第一の制御信号101,
301の立ち上がりごとにそれぞれ信号103,303
を出力し、内部信号2から第二の所定時間遅れて、第一
の制御信号201,301の立ち上がりごとにそれぞれ
信号203,403を出力する。
【0088】遅延回路列120,220,320,42
0における各遅延回路列は、それぞれ図2に示された遅
延回路列120と同様の構成を有している。各遅延回路
列120,220,320,420は、直列に接続され
た複数の遅延素子からなり、それぞれ入力信号103,
203,303,403を始め図の右方向に伝搬させる
とともに、ある時期から折り返して左方向に伝搬させ
て、信号104,204,304,404を出力する。
パルス生成回路130,230,330,430は、そ
れぞれ、遅延回路列からの出力信号104,204,3
04,404の立ち上がりに応じて、出力パルス10
5,205,305,405を生成する。遅延素子14
0,240,340,440は、パルス生成回路13
0,230,330,430の出力を、tPD/4だけ
遅延させる。短絡回路列190,290は、それぞれ図
3に示された短絡回路列190と同様の構成を有し、短
絡制御信号21,22に応じて、遅延回路列120と2
20,320と420の対応する遅延素子の節点間を、
対応する短絡素子によって電気的に接続する。オア回路
41は、出力パルス105,205,305,405の
論理和をとって、内部クロック信号4を出力する。
【0089】この例においては、第1実施例の場合と比
べて、制御回路110,310における信号103,2
03に対する遅延時間は、t1+t2に設定されている
が、制御回路210A,410Aにおける信号203,
403に対する遅延時間が、t1+t2+tPD/2に
設定されている点が異なっている。ここで、tPDは、
各遅延回路列における、1遅延素子あたりの伝搬遅延時
間である。他の各部における信号伝搬時間t1,t2,
tdは、第1実施例の場合と同様である。他の各部にお
ける信号伝搬時間t1,t2,tdは、第1実施例の場
合と同様である。
【0090】次に、図12及び図13を参照して、この
例の半導体集積回路の動作を説明する。第一の期間C1
において、遅延回路列120では、第一の制御信号10
1がハイレベル、第2の制御信号102がロウレベルに
なり、制御回路110の設定に基づいてt1+t2遅れ
て、遅延回路列120を図12の左方向に伝搬した信号
による出力信号104が立ち下がるとともに、入力信号
103の発生によって、信号が遅延回路列120を、第
一の制御信号101の立ち下がりまでのtdの期間、図
12の右方向に伝搬する。
【0091】第二の期間C2において、遅延回路列12
0では、第一の制御信号101がロウレベル、第二の制
御信号102がハイレベル、第三の制御信号106がロ
ウレベル、第四の制御信号107がハイレベルになるの
で、充放電動作が停止し、入力信号の伝搬が停止してい
る。一方、遅延回路列220では、第一の制御信号20
1がハイレベル、第2の制御信号202がロウレベルに
なり、制御回路210Aの設定に基づいてt1+t2+
tPD/2遅れて、遅延回路列220を図12の左方向
に伝搬した信号による出力信号204が立ち下がるとと
もに、入力信号203の発生によって、信号が遅延回路
列220を、第一の制御信号201の立ち下がりまでの
td−tPD/2の期間、図12の右方向に伝搬する。
【0092】第三の期間C3において、遅延回路列12
0,220では、第一の制御信号101,201がロウ
レベル、第2の制御信号102,202がハイレベル、
第三の制御信号106,206がロウレベル、第四の制
御信号107,207がハイレベルになるので、充放電
動作がが停止し、信号の伝搬が停止している。このと
き、短絡制御信号21がハイレベルになることによっ
て、短絡回路列190が動作して、遅延回路列120と
220の対応する遅延素子の節点間が、対応する短絡素
子によって電気的に接続されて、電荷が共有され平均化
される。
【0093】第四の期間C4において、第三の制御信号
106がハイレベル、第四の制御信号107がロウレベ
ルになるので、遅延回路列120において信号が図12
の左方向に伝搬して、出力信号104を発生する。出力
信号104は、第三の期間C3において、遅延回路網1
20と220が短絡されているので、制御回路210A
で設定された伝搬時間の差分tPD/2が平均化され
て、td−tPD/4の期間後に出力され、さらにパル
ス生成回路130,オア回路41においてt2遅延さ
れ、遅延素子140においてtPD/4だけ遅延され
て、内部クロック信号4を出力するので、内部クロック
信号4のタイミングは、外部クロック信号1と一致す
る。
【0094】第五の期間C5において、第三の制御信号
206がハイレベル、第四の制御信号207がロウレベ
ルになのるで、遅延回路列220において信号が図12
の左方向に伝搬して、出力信号204を発生する。出力
信号204は、第三の期間C3において、遅延回路網1
20と220が短絡されているので、制御回路210A
で設定された伝搬時間の差分tPD/2が平均化され
て、td−tPD/4の期間後に出力され、さらにパル
ス生成回路230,オア回路41においてt2遅延さ
れ、遅延素子240においてtPD/4だけ遅延され
て、内部クロック信号4を出力するので、内部クロック
信号4のタイミングは、外部クロック信号1と一致す
る。
【0095】遅延回路列320,420を伝搬する信号
についても、同様のタイミング関係が成立する。
【0096】各遅延回路列において、遅延素子を構成す
るPchトランジスタとNchトランジスタの閾値がと
もに標準的な値である場合、すなわち能力がバランスし
ている場合には、サイクル時間が変化しても、出力のタ
イミングは変化しない。しかしながら、Pchトランジ
スタとNchトランジスタの能力がアンバランスに変化
した場合には、図19に示されたように、1遅延素子分
の伝搬時間tPDを周期として、出力タイミングのサイ
クル時間依存性が生じて、これが出力ジッタとなる。
【0097】しかしながら、この例では、2列の遅延回
路列ごとにその中間に短絡回路列を配置し、2列の遅延
回路列ごとに、一方の遅延回路列の信号入力時の遅延時
間をtPD/2だけ長くするとともに、順にサイクル時
間を測定した、隣接する2列の遅延回路列ごとに、測定
したサイクル時間に相当する電荷を共有して、出力され
るサイクル時間を平均化し、さらに各遅延回路列の出力
をtPD/4遅延させて、内部クロック信号を生成する
ようにしたので、遅延回路列を構成するPchトランジ
スタとNchトランジスタの能力がアンバランスに変化
して、tPDを周期とする出力タイミングのサイクル時
間依存性が生じても、これを打ち消して、内部クロック
信号におけるジッタを抑えることができる。
【0098】このように、この例によれば、順にサイク
ル時間を測定する2列の遅延回路列において、遅延素子
を構成するPchトランジスタとNchトランジスタの
能力(閾値)がアンバランスに変化した場合に生じる、
1遅延素子あたりの伝搬遅延時間tpdを周期とする出
力タイミングのサイクル時間依存性を相殺した、内部ク
ロック信号を出力することができる。
【0099】◇第4実施例 図14は、この発明の第4実施例である半導体集積回路
の構成を示すブロック図である。
【0100】この例の半導体集積回路は、図14に示す
ように、受信回路10と、極性制御回路27と、制御回
路110,210B,310,410Bと、遅延回路列
120,220,320,420と、パルス生成回路1
30,230,330,430と、遅延素子140A,
240A,340A,440Aと、短絡回路列190,
290,390,490と、オア回路41とから概略構
成されている。受信回路10は、エッジ検出回路を有
し、外部クロック信号1を受信して、内部電源電位に変
換された内部信号2を出力する。極性制御回路27は、
論理レベルが1サイクル時間だけハイレベルになる変化
を4サイクルごとに繰り返す、4相の極性制御信号10
8、208,308,408を、内部信号2の立ち上が
りごとに順次出力するとともに、極性制御信号108,
208,308,408から2サイクル遅れて、短絡制
御信号21,22,23,24を出力する。
【0101】制御回路110、210B,310,41
0Bは、それぞれ極性制御信号108,208,30
8,408によって定まる極性で、内部信号2の立ち上
がりでトグルする第一の制御信号101,201,30
1,401と、第一の制御信号と逆相の第二の制御信号
102,202,302,402と、第一の制御信号か
ら3サイクル時間遅れて内部信号2の立ち上がりでトグ
ルする第三の制御信号106,206,306,406
と、第三の制御信号と逆相の第四の制御信号107,2
07,307,407とを発生するとともに、内部信号
2から第一の所定時間遅れて、第一の制御信号101,
301の立ち上がりごとにそれぞれ信号103,303
を出力し、内部信号2から第二の所定時間遅れて、第一
の制御信号201,401の立ち上がりごとにそれぞれ
信号203,403を出力する。
【0102】遅延回路列120,220,320,42
0における各遅延回路列は、それぞれ図2に示された遅
延回路列120と同様の構成を有している。各遅延回路
列120,220,320,420は、直列に接続され
た複数の遅延素子からなり、それぞれ入力信号103,
203,303,403を始め図の右方向に伝搬させる
とともに、ある時期から折り返して左方向に伝搬させ
て、信号104,204,304,404を出力する。
パルス生成回路130,230,330,430は、そ
れぞれ、遅延回路列からの出力信号104,204,3
04,404の立ち上がりに応じて、出力パルス10
5,205,305,405を生成する。遅延素子14
0A,240A,340A,440Aは、パルス生成回
路130,230,330,430の出力を、td+α
/2だけ遅延させる。短絡回路列190,290,39
0,490は、それぞれ図3に示された短絡回路列19
0と同様の構成を有している。各短絡回路列190,2
90,390,490は、短絡制御信号21,22,2
3,24に応じて、遅延回路列420と120,120
と220,220と320,320と420の対応する
遅延素子の節点間を、対応する短絡素子によって電気的
に接続する。オア回路41は、出力パルス105,20
5,305,405の論理和をとって、内部クロック信
号4を出力する。
【0103】この例においては、制御回路110,31
0における信号103,203に対する遅延時間は、t
1+t2に設定されているが、制御回路210B,41
0Bにおける信号203,403に対する遅延時間は、
t1+t2+αに設定されている。ここでαは、予め設
定される微小な伝搬時間である。
【0104】次に、図14を参照して、この例の半導体
集積回路の動作を説明する。最初のサイクル期間におい
て、遅延回路列120では、第一の制御信号101がハ
イレベル、第二の制御信号102がロウレベルになるの
で、制御回路110からの入力信号103が節点A0に
入力されることによって、各遅延素子において順次充放
電動作が行われて、入力信号が図14の右方向に伝搬す
る。
【0105】次のサイクル期間において、遅延回路列1
20では、第一の制御信号101がロウレベル、第二の
制御信号102がハイレベル、第三の制御信号106が
ロウレベル、第四の制御信号107がハイレベルになる
ので、充放電動作が停止し、入力信号の伝搬が停止す
る。一方、遅延回路列220では、第一の制御信号20
1がハイレベル、第二の制御信号202がロウレベルに
なるので、制御回路210からの入力信号203が節点
A0に入力されることによって、入力信号が図14の右
方向に伝搬する。このとき、制御回路410からの短絡
制御信号24がハイレベルになるので、短絡回路列49
0の各短絡素子が導通状態になり、遅延回路列420,
120における、対応する各遅延素子の節点B0及びA
k+1が電気的に接続されて、電荷が共有され平均化さ
れる。
【0106】次のサイクル期間において、遅延回路列1
20では、第一の制御信号101がロウレベル、第二の
制御信号102がハイレベル、第三の制御信号106が
ロウレベル、第四の制御信号107がハイレベルになる
ので、充放電動作が停止している。遅延回路列220で
は、第一の制御信号201がロウレベル、第二の制御信
号202がハイレベル、第三の制御信号206がロウレ
ベル、第四の制御信号207がハイレベルになるので、
充放電動作が停止している。遅延回路列320では、第
一の制御信号301がハイレベル、第二の制御信号30
2がロウレベルになるので、制御回路310からの入力
信号303が入力されることによって、入力信号が図1
4の右方向に伝搬する。このとき、短絡制御信号21が
一定期間ハイレベルになるので、短絡回路列190にお
ける各短絡素子が導通状態になり、遅延回路列120,
220における、対応する各遅延素子の節点Bk及びA
k+1が短絡されて、電荷が共有され平均化される。
【0107】次のサイクル期間において、遅延回路列1
20では、第三の制御信号106がロウレベル、第四の
制御信号107がハイレベルになるので、入力信号は折
り返して図14の左方向に伝搬し、節点B0から出力信
号104が発生して、パルス生成回路130を経て、出
力パルス105が生成され、オア回路41を経て内部ク
ロック信号4が出力される。遅延回路列220では、第
一の制御信号201がロウレベル、第二の制御信号20
2がハイレベル、第三の制御信号206がロウレベル、
第四の制御信号207がハイレベルになるので、充放電
動作が停止している。遅延回路列320では、第一の制
御信号301がロウレベル、第二の制御信号302がハ
イレベル、第三の制御信号306がロウレベル、第四の
制御信号307がハイレベルになるので、充放電動作が
停止している。遅延回路列420では、第一の制御信号
401がハイレベル、第二の制御信号402がロウレベ
ルになるので、制御回路410からの入力信号403が
節点A0に入力されることによって、入力信号が図14
の右方向に伝搬する。このとき、短絡制御信号22が一
定期間ハイレベルになるので、短絡回路列290におけ
る各短絡素子が導通状態になり、遅延回路列220,3
20における、対応する各遅延素子の節点Bk及びAk
+1が短絡されて、電荷が共有され平均化される。
【0108】次のサイクル期間において、遅延回路列1
20では、第一の制御信号101がハイレベル、第二の
制御信号102がロウレベルになるので、制御回路11
0からの入力信号103が節点A0に入力されることに
よって、入力信号が図14の右方向に伝搬する。遅延回
路列220では、第三の制御信号206がハイレベル、
第四の制御信号207がハイレベルになるので、入力信
号は折り返して図14の左方向に伝搬し、節点B0から
出力信号204が発生して、パルス生成回路230を経
て、出力パルス205が生成され、オア回路41を経て
内部クロック信号4が出力される。遅延回路列320で
は、第一の制御信号301がロウレベル、第二の制御信
号302がハイレベル、第三の制御信号306がロウレ
ベル、第四の制御信号307がハイレベルになるので、
充放電動作が停止している。遅延回路列420では、第
一の制御信号401がロウレベル、第二の制御信号40
2がハイレベル、第三の制御信号406がロウレベル、
第四の制御信号407がハイレベルになるので、充放電
動作が停止している。このとき、短絡制御信号23が一
定期間ハイレベルになるので、短絡回路列390におけ
る各短絡素子が導通状態になり、遅延回路列320,4
20における、対応する各遅延素子の節点Bk及びAk
+1が短絡されて、電荷が共有され平均化される。
【0109】以下、同様に、外部クロック信号1の入力
ごとに、各制御回路110,210B,310,410
Bから順次、入力信号103,203,303,403
が入力されることによって、順次、出力パルス105,
205,305,405が発生し、これによって、内部
クロック信号4が出力される。このようにして、4サイ
クル時間後から、各サイクル時間ごとに、内部クロック
信号4が出力されるので、これによって、メモリセル3
1からDタイプフリップフロップ32を介して、各サイ
クル時間ごとにデータ出力5が発生する。
【0110】この際、各遅延回路列に対する入力信号の
入力から1サイクル時間後に、停止状態にある、当該遅
延回路列とこれより1サイクル前に入力された遅延回路
列とが、短絡回路列によって、電荷が共有され平均化さ
れる。停止状態にある1サイクル前に入力された遅延回
路列では、前サイクルで、当該遅延回路列とさらに1サ
イクル前に入力された遅延回路列とが、電荷共有されて
いるので、あるサイクルの出力信号には、当該サイクル
の前3サイクルの入力信号に基づくサイクル時間の平均
時間が反映されている。
【0111】例えば、遅延回路列420,120の電荷
が共有されると、出力信号104では、制御回路410
で設定された伝搬時間の差分αが平均化されて、td−
α/2の期間後に出力され、さらにパルス生成回路13
0,オア回路41においてt2遅延され、遅延素子14
0Aにおいてα/2だけ遅延されて、内部クロック信号
4を出力するので、内部クロック信号4のタイミング
は、外部クロック信号1と一致する。他の遅延回路列1
20,220、遅延回路列220,320、遅延回路列
320,420についても同様である。
【0112】各遅延回路列において、遅延素子を構成す
るPchトランジスタとNchトランジスタの閾値がと
もに標準的な値である場合、すなわち能力がバランスし
ている場合には、サイクル時間が変化しても、出力のタ
イミングは変化しない。しかしながら、Pchトランジ
スタとNchトランジスタの能力がアンバランスに変化
した場合には、図19に示されたように、1遅延素子分
の伝搬時間tPDを周期として、出力タイミングのサイ
クル時間依存性が生じて、これが出力ジッタとなる。
【0113】しかしながら、この例では、遅延回路列と
短絡回路列とを交互に配置して、順次隣接する遅延回路
列において、1列おきに信号入力時の遅延時間を所定値
αだけ長くするとともに、順にサイクル時間を測定し
た、隣接する2列の遅延回路列ごとに、測定したサイク
ル時間に相当する電荷を共有して、出力されるサイクル
時間を平均化し、さらに各遅延回路列の出力をα/2遅
延させて、内部クロック信号を生成するようにしたの
で、遅延回路列を構成するPchトランジスタとNch
トランジスタの能力がアンバランスに変化して、tPD
を周期とする出力タイミングのサイクル時間依存性が生
じても、これを打ち消して、内部クロック信号における
ジッタを抑えることができる。
【0114】このように、この例によれば、遅延回路列
において、遅延素子を構成するPchトランジスタとN
chトランジスタの能力(閾値)がアンバランスに変化
した場合に生じる、1遅延素子分の伝搬時間tPDを周
期とする、出力タイミングのサイクル時間依存性を相殺
した内部クロック信号を出力することができる。
【0115】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られたもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、各実施例
において、遅延回路列を構成する遅延素子の数は、クロ
ック信号のサイクル時間と、遅延素子の伝搬遅延時間と
に応じて、任意に設定することができる。また、遅延回
路列の数も、4列に限らず、極性制御回路の発生する極
性制御信号の相数に応じて、さらに多くの列数を設ける
ことも可能である。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、外部クロック信号に基づいて内部クロック信号を生
成するための半導体集積回路において、短時間に、内部
クロック信号と外部クロック信号との位相差をなくし
て、同期させることができるとともに、外部クロック信
号にタイミングのずれが生じた場合でも、出力される内
部クロック信号において、タイミングのずれが増幅され
ることが少なく、さらに、遅延回路列を構成するPch
トランジスタとNchトランジスタの能力(閾値)がア
ンバランスの場合でも、サイクル時間の変化に対して、
内部クロック信号に周期的なジッタを生じることがな
い、半導体集積回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である半導体集積回路の
電気的構成を示すブロック図である。
【図2】同半導体集積回路における遅延回路列の構成例
を示す図である。
【図3】同半導体集積回路における短絡回路の構成例を
示す図である。
【図4】同半導体集積回路の動作を説明するためのタイ
ミングチャートである。
【図5】同半導体集積回路における外部クロック信号の
タイミングずれの影響を説明する図である。
【図6】入力ノイズパターンを示す図である。
【図7】遅延回路列における、サイクル時間による出力
タイミングの変化(ジッタ)を説明する図である。
【図8】この発明の第2実施例である半導体集積回路の
電気的構成を示すブロック図である。
【図9】同半導体集積回路の動作を説明するためのタイ
ミングチャートである。
【図10】同半導体集積回路における外部クロック信号
のジッタの影響を説明する図である。
【図11】同半導体集積回路における、入力ジッタ周期
による出力ジッタの変化を説明する図である。
【図12】この発明の第3実施例である半導体集積回路
の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】同半導体集積回路の動作を説明するためのタ
イミングチャートである。
【図14】この発明の第4実施例である半導体集積回路
の電気的構成を示すブロック図である。
【図15】従来のクロック供給用半導体集積回路の構成
を示す図である。
【図16】同半導体集積回路における遅延回路列の構成
を示す図である。
【図17】同半導体集積回路の動作を説明するためのタ
イミングチャートである。
【図18】同半導体集積回路におけるタイミングずれの
増幅を説明する図である。
【図19】遅延回路列におけるサイクル時間による出力
タイミングのジッタを説明する図である。
【符号の説明】
26,27 極性制御回路(極性制御手段) 41 オア回路(論理和手段) 110,210,210A,210B,310,41
0,410A,410B制御回路(制御手段) 120,220,320,420 遅延回路列 130,230,330,430 バルス生成回路 140,140A,240,240A,340,340
A,440,440A遅延素子(遅延手段) 190,290,390,490 短絡回路列 1201,1202,…,120k,…,120n
遅延素子 1901,1902,…,190k,…,190n
短絡素子 TP1,TP2,TP3,TP4,TP11,TP12
Pチャネルトランジスタ TN1,TN2,TN3,TN4,TN11,TN12
Nチャネルトランジスタ

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号前進時の入力節点、出力節点及び信
    号後退時の入力節点、出力節点を有し、第一の制御状態
    のとき、信号を一定の遅延時間で信号前進時の入出力節
    点間を伝搬させ、第二の制御状態のとき、信号を前記遅
    延時間で信号後退時の入出力節点間を伝搬させ、第一の
    制御状態と第二の制御状態がともに反転した第三の制御
    状態のとき信号の伝搬を停止する複数の遅延素子を、相
    隣る素子間において対応する出力節点と入力節点とを順
    次接続することによって、直列に接続してなる2n(n
    =2,3,…;以下、略す)列の遅延回路列と、 前記遅延回路列の各遅延素子に対応する複数の短絡素子
    を有し、該遅延回路列2列ごとに、該2列の遅延回路列
    の中間に介在して、短絡制御信号に応じて、該2列の遅
    延回路列の各遅延素子の対応する前進時の入力節点間と
    後退時の出力節点間とを対応する短絡素子によって短絡
    するn列の短絡回路列と、 外部クロック信号の入力ごとにその1サイクル時間だけ
    有意になる2n相の極性制御信号を発生するとともに、
    1相おきの各相の極性制御信号の中間のサイクルにおい
    て前記短絡制御信号を発生する極性制御手段と、 各相の極性制御信号に応じて、順次、対応する遅延回路
    列を前記第一の制御状態にするとともに、該制御状態の
    立ち上がりから所定時間遅延させて、前記遅延回路列の
    先頭の遅延素子の前進時の入力節点に入力信号を与え、
    2n−1サイクル後の前記極性制御信号に応じて前記遅
    延回路列を前記第二の制御状態にすることによって、順
    次、各遅延回路列の先頭の遅延素子の後退時の出力節点
    から出力信号を取り出すように制御する複数の制御手段
    と、 前記各遅延回路列の出力信号の論理和をとって内部クロ
    ック信号を生成する論理和手段とを備えてなることを特
    徴とする半導体集積回路。
  2. 【請求項2】 信号前進時の入力節点、出力節点及び信
    号後退時の入力節点、出力節点を有し、第一の制御状態
    のとき、信号を一定の遅延時間で信号前進時の入出力節
    点間を伝搬させ、第二の制御状態のとき、信号を前記遅
    延時間で信号後退時の入出力節点間を伝搬させ、第一の
    制御状態と第二の制御状態がともに反転した第三の制御
    状態のとき信号の伝搬を停止する複数の遅延素子を、相
    隣る素子間において対応する出力節点と入力節点とを順
    次接続することによって、直列に接続してなるn列の遅
    延回路列と、 前記遅延回路列の各遅延素子に対応する複数の短絡素子
    を有し、該遅延回路列1列ごとに、順次、前後に相隣る
    遅延回路列の中間に介在して、短絡制御信号に応じて、
    該前後の2列の遅延回路列の各遅延素子の対応する前進
    時の入力節点間と後退時の出力節点間とを対応する短絡
    素子によって短絡するn列の短絡回路列と、 外部クロック信号の入力ごとにその1サイクル時間だけ
    有意になるn相の極性制御信号を発生するとともに、各
    相の極性制御信号の中間のサイクルにおいて前記短絡制
    御信号を発生する極性制御手段と、 各相の極性制御信号に応じて、順次、対応する遅延回路
    列を前記第一の制御状態にするとともに、該制御状態の
    立ち上がりから所定時間遅延させて、前記遅延回路列の
    先頭の遅延素子の前進時の入力節点に入力信号を与え、
    n−1サイクル後の前記極性制御信号に応じて前記遅延
    回路列を前記第二の制御状態にすることによって、順
    次、各遅延回路列の先頭の遅延素子の後退時の出力節点
    から出力信号を取り出すように制御する複数の制御手段
    と、 前記各遅延回路列の出力信号の論理和をとって内部クロ
    ック信号を生成する論理和手段とを備えてなることを特
    徴とする半導体集積回路。
  3. 【請求項3】 前記所定時間が、外部クロック信号の入
    力から前記第一の制御状態の立ち上がりまでの時間と、
    前記出力信号の発生から内部クロック信号の出力までの
    時間との和の時間であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の半導体集積回路。
  4. 【請求項4】 信号前進時の入力節点、出力節点及び信
    号後退時の入力節点、出力節点を有し、第一の制御状態
    のとき、信号を一定の遅延時間で信号前進時の入出力節
    点間を伝搬させ、第二の制御状態のとき、信号を前記遅
    延時間で信号後退時の入出力節点間を伝搬させ、第一の
    制御状態と第二の制御状態がともに反転した第三の制御
    状態のとき信号の伝搬を停止する複数の遅延素子を、相
    隣る素子間において対応する出力節点と入力節点とを順
    次接続することによって、直列に接続してなる2n列の
    遅延回路列と、 前記遅延回路列の各遅延素子に対応する複数の短絡素子
    を有し、該遅延回路列2列ごとに、該2列の遅延回路列
    の中間に介在して、短絡制御信号に応じて、該2列の遅
    延回路列の各遅延素子の対応する前進時の入力節点間と
    後退時の出力節点間とを対応する短絡素子によって短絡
    するn列の短絡回路列と、 外部クロック信号の入力ごとにその1サイクル時間だけ
    有意になる2n相の極性制御信号を発生するとともに、
    1相おきの各相の極性制御信号の中間のサイクルにおい
    て前記短絡制御信号を発生する極性制御手段と、 各相の極性制御信号に応じて、順次、対応する遅延回路
    列を前記第一の制御状態にし、前記2列の遅延回路列の
    うちの一方に対して、該制御状態の立ち上がりから第一
    の所定時間遅延させるとともに、他方に対して、該制御
    状態の立ち上がりから第二の所定時間遅延させて、前記
    各遅延回路列の先頭の遅延素子の前進時の入力節点に入
    力信号を与え、2n−1サイクル後の前記極性制御信号
    に応じて前記各遅延回路列を前記第二の制御状態にする
    ことによって、順次、各遅延回路列の先頭の遅延素子の
    後退時の出力節点から出力信号を取り出すように制御す
    る複数の制御手段と、 前記各遅延回路列の出力信号を第三の所定時間遅延させ
    る複数の遅延手段と、 該各遅延出力の論理和をとって内部クロック信号を生成
    する論理和手段とを備えてなることを特徴とする半導体
    集積回路。
  5. 【請求項5】 前記第一の所定時間が、外部クロック信
    号の入力から前記第一の制御状態の立ち上がりまでの時
    間と、前記出力信号の発生から内部クロック信号の出力
    までの時間との和の時間であり、前記第二の所定時間
    が、前記第一の所定時間と、前記遅延素子1段あたりの
    伝搬遅延時間の1/2の時間との和の時間であり、前記
    第三の所定時間が、前記遅延素子1段あたりの伝搬遅延
    時間の1/4の時間であることを特徴とする請求項4記
    載の半導体集積回路。
  6. 【請求項6】 信号前進時の入力節点、出力節点及び信
    号後退時の入力節点、出力節点を有し、第一の制御状態
    のとき、信号を一定の遅延時間で信号前進時の入出力節
    点間を伝搬させ、第二の制御状態のとき、信号を前記遅
    延時間で信号後退時の入出力節点間を伝搬させ、第一の
    制御状態と第二の制御状態がともに反転した第三の制御
    状態のとき信号の伝搬を停止する複数の遅延素子を、相
    隣る素子間において対応する出力節点と入力節点とを順
    次接続することによって、直列に接続してなるn列の遅
    延回路列と、 前記遅延回路列の各遅延素子に対応する複数の短絡素子
    を有し、該遅延回路列1列ごとに、順次、前後に相隣る
    遅延回路列の中間に介在して、短絡制御信号に応じて、
    該前後の2列の遅延回路列の各遅延素子の対応する前進
    時の入力節点間と後退時の出力節点間とを対応する短絡
    素子によって短絡するn列の短絡回路列と、 外部クロック信号の入力ごとにその1サイクル時間だけ
    有意になるn相の極性制御信号を発生するとともに、各
    相の極性制御信号の中間のサイクルにおいて前記短絡制
    御信号を発生する極性制御手段と、 各相の極性制御信号に応じて、順次、対応する遅延回路
    列を前記第一の制御状態にし、前記n列の遅延回路列か
    ら交互に選択した一方の遅延回路列に対して、該制御状
    態の立ち上がりから第一の所定時間遅延させるととも
    に、他方の遅延回路列に対して、該制御状態の立ち上が
    りから第二の所定時間遅延させて、前記各遅延回路列の
    先頭の遅延素子の前進時の入力節点に入力信号を与え、
    n−1サイクル後の前記極性制御信号に応じて前記各遅
    延回路列を前記第二の制御状態にすることによって、順
    次、各遅延回路列の先頭の遅延素子の後退時の出力節点
    から出力信号を取り出すように制御する複数の制御手段
    と、 前記各遅延回路列の出力信号を第三の所定時間遅延させ
    る複数の遅延手段と、 該各遅延出力の論理和をとって内部クロック信号を生成
    する論理和手段とを備えてなることを特徴とする半導体
    集積回路。
  7. 【請求項7】 前記第一の所定時間が、外部クロック信
    号の入力から前記第一の制御状態の立ち上がりまでの時
    間と、前記出力信号の発生から内部クロック信号の出力
    までの時間との和の時間であり、前記第二の所定時間
    が、前記第一の所定時間と、第四の所定時間との和の時
    間であり、前記第三の所定時間が、前記第四の所定時間
    の1/2の時間であることを特徴とする請求項6記載の
    半導体集積回路。
  8. 【請求項8】 前記第一の制御状態が、極性制御信号に
    よって定まる極性を有し、外部クロック信号に応じてト
    グルする第一の制御信号と、該第一の制御信号と逆極性
    の第二の制御信号とによって定まり、前記第二の制御状
    態が、次の前記第一の制御状態の直前のサイクルにおい
    て外部クロック信号に応じてトグルする第三の制御信号
    と、該第三の制御信号と逆極性の第四の制御信号とによ
    って定まることを特徴とする請求項1乃至7記載の半導
    体集積回路。
  9. 【請求項9】 前記各遅延素子が、ゲートを前記信号前
    進方向の入力節点に接続された第一のNチャネルトラン
    ジスタと、ゲートに前記第一の制御信号を接続された第
    二のNチャネルトランジスタとを、前記信号後退方向の
    出力節点と第二の電源間に直列に接続した第一の枝路
    と、ゲートに前記第四の制御信号を接続された第一のP
    チャネルトランジスタと、ゲートを前記信号前進方向の
    出力節点に接続された第二のPチャネルトランジスタと
    を、第一の電源と前記信号後退方向の出力節点間に直列
    に接続した第二の枝路と、ゲートを前記信号後退方向の
    入力節点に接続された第三のNチャネルトランジスタ
    と、ゲートに前記第三の制御信号を接続された第四のN
    チャネルトランジスタとを、前記信号前進方向の出力節
    点と前記第二の電源間に直列に接続した第三の枝路と、
    ゲートに前記第二の制御信号を接続された第三のPチャ
    ネルトランジスタと、ゲートを前記信号後退方向の出力
    節点に接続された第四のPチャネルトランジスタとを前
    記第一の電源と前記信号前進方向の出力節点間に直列に
    接続した第四の枝路とからなることを特徴とする請求項
    8記載の半導体集積回路。
  10. 【請求項10】 前記各短絡素子が、前記短絡制御信号
    によってオンになる第一のPチャネルトランジスタ及び
    第一のNチャネルトランジスタからなるトランスファゲ
    ートを前記2列の遅延回路列の対応する信号後退時の入
    力節点間に接続した第一の枝路と、前記短絡制御信号に
    よってオンになる第二のPチャネルトランジスタ及び第
    二のNチャネルトランジスタからなるトランスファゲー
    トを前記2列の遅延回路列の対応する信号前進時の出力
    節点間に接続した第二の枝路とからなることを特徴とす
    る請求項1乃至9記載の半導体集積回路。
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