JP3138550B2 - 投射スクリーン - Google Patents

投射スクリーン

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JP3138550B2
JP3138550B2 JP04282558A JP28255892A JP3138550B2 JP 3138550 B2 JP3138550 B2 JP 3138550B2 JP 04282558 A JP04282558 A JP 04282558A JP 28255892 A JP28255892 A JP 28255892A JP 3138550 B2 JP3138550 B2 JP 3138550B2
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projector
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幾雄 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビ電話やテレビ会
議等で使用される投射スクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビ電話やテレビ会議等の画像
通信装置においては、相互に相手の顔を見ながら、すな
わち視線を一致させて会話等を行うための視線一致技術
がヒューマンインタフェースの観点から重要視されてい
る。例えば、カメラの前に45度傾けた半透明鏡を配置
し、カメラとモニタとの光軸を一致させることで実現す
るものがある。しかしながら、この方法には鏡を使用す
ることから大きな空間が必要とされ、大画面表示には適
さない等のいくつかの欠点があった。また、大画面表示
に適した視線一致方法として投影型表示方法と時分割撮
像方法を組み合わせたものが提案されている。これは、
表示スクリーンの背後にカメラを設置して、スクリーン
動作と撮影動作とを同期させる時分割方式である。この
装置の動作シーケンスは、まずビデオカメラで周期的に
シャッタ撮影を行い、次に撮影周期の周期信号に基づい
てスクリーンを駆動し、一定時間スクリーンを透明状態
にする。ここでスクリーンが透明状態にあるときに同期
してシャッタ撮影すれば、観察者から見たときはスクリ
ーンは不透明であるにも拘らず、ビデオカメラから見る
とスクリーンが常に透明で有るように見える。
【0003】この透過型投射スクリーンで代表的なのは
フレネルレンズとレンチキュラレンズとを組み合わせた
もので、簡単な構造のものは透過型投影スクリーン(特
願平3-60104 号公報)が知られる。また、レンチキュラ
レンズを2枚、垂直に交差させて用いるもの(特願平3-
42432 号公報)、拡散透過板を用いるものがある。ま
た、反射型投射スクリーンで代表的なのは拡散反射板を
用いるものであるが、他にも指向性を持たせた反射を行
い、法線方向を中心に利得を上げたものも知られる。さ
らに、投射スクリーンを拡散板と透過板の2つの状態に
切り替えるものに、視線一致型表示装置用の投射スクリ
ーンがある(テレビジョン学会技術報告、Vol.16,No.1
0,p.37,)。これは、この投射スクリーンを用いて、投
射型(投影型)表示と時分割撮像とを組み合わせてテレ
ビ電話を製作したときに、投射スクリーン上の相手の視
線を一致させることができるものである。
【0004】この従来の視線一致型表示装置は、時分割
で投射スクリーンを透明状態と不透明状態とに切り替え
ており、透明状態のときにはスクリーン前面の観察者を
含む画像情報を後面(裏面)に配置したカメラで撮影
し、不透明状態のときには透過型拡散板として作用させ
ることにより、後面に配置したプロジェクタから投射し
た投射光を前面にいる観察者が広い視界領域を有して観
察することが出来る。この透明状態と不透明状態をフリ
ッカを余り感じない周波数で繰り返すことにより、観察
者にとっては単なる透過型拡散板投射スクリーンとして
作用する不透明板であり、連続してプロジェクタからの
投射光を観察することが出来る。
【0005】以下、図8及び図9を参照して、この方式
について説明する。図8(a)において、投射スクリー
ンが拡散板の状態にある場合、プロジェクタ101から
の投射光L101 は、投射スクリーン105aで拡散透過
されて、矢印L101Dになり、この内の一部が観測者13
の目に入射し、観測者13は投射光による画像情報を観
測することができる。また、ハロゲンランプ111によ
る投射スクリーン105aへの室内照明光L102 は、投
射スクリーン105aで拡散反射されて矢印L102Rにな
り、このうちの一部が観測者13の目に入射し、観測者
13は室内照明による投射スクリーン105aのバック
グラウンド光を観察する。このため観測者13は、バッ
クライト光を伴ったコントラストの悪い画像情報を観察
しなければならない。そのため、一般に画像情報の観察
には暗い部屋、すなわち室内照明光による照度の小さい
部屋で行われている。また、ハロゲンランプ111によ
る物体115への室内照明光L103 は物体115に反射
しその反射光L103Rが観測者13の目に入射し、観測者
13は室内の物体115を観察することができる。
【0006】図8(b)において、投射スクリーン10
5bが透明板の状態のときは、室内照明光L104 は、そ
のほとんどが投射スクリーン105bを透過し、これは
筐体の内部でほとんどが吸収され、一部反射した反射光
が再び投射スクリーン105bを透過して観測者13の
目に入射する。また、最初に投射スクリーンで一部反射
された矢印L104Rも観測者13の目に入射する。しかし
ながら、これら矢印L104S、L104Rによる光の輝度は、
図8(a)における矢印L101D、102Rと比べて非常に小
さく、実際に、これらを観察者13が注目して観察する
ことはあまりない。
【0007】上述した、これらの状態の時間変化を示し
たものが図9である。例えば、図8(a)、図8(b)
は図9(a)におけるt軸上の(a)、(b)の時刻の
状態に相当する。具体的には、0〜1/2t1 の間が図
8(b)の透明状態に対応し、1/2t1 〜t1 の間が
図8(a)の拡散状態に対応する。またさらに、図9
は、室内照明光による投射スクリーンの照度、投射スク
リーンの透明状態、拡散状態、プロジェクタ光の照度、
観測者がスクリーンを観察する輝度の時間的な変化を示
したものである。図9(a)に示すライン25は、ハロ
ゲンランプ111による室内照明光の照度であり、照度
Mave は一定であって、任意単位で1.5の大きさとす
る。図9(b)に示す、領域26a、26b、26cは
投射スクリーンの透明状態を任意単位で示し、1のとき
に完全に透明であり、0のときに完全拡散されているも
のとする。図9(c)に示す領域27a、27b、27
cは、投射スクリーンの拡散状態を任意単位で示し、1
のときに完全拡散し、0のときに全く拡散していないも
のとする。投射スクリーンは、周期t1で拡散板と透明
板とを交互に同じ時間で変化させているとする。図9
(d)に示す領域28a、28b、28cは、プロジェ
クタによる投射光の照度であり、照度Mpで、任意単位
で2の大きさとする。投射光は、周期t1で(1/2)
t1の時間、投射スクリーンが拡散板のときに投射する
ものとする。図9(e)に示す領域29a、29b、2
9cは、投射スクリーンの輝度Lsを示す。
【0008】一般に照度Mの光をある物質に入射した場
合の透過光または反射光の輝度Lは、L=k×Mで示さ
れ、投射スクリーンが完全拡散反射面または完全拡散透
過面であると、L=(1/π)×Mである。後面からの
投射の場合、投射スクリーンに完全拡散透過面に近いも
のを用いれば問題ないが実際には、完全拡散面であって
分光透過率が1に近いものはなく、一般に透過光に対し
て完全拡散面に近いほど、透過率は減少し、同時に反射
面に対しても完全拡散面に近付く。次に、従来の投射ス
クリーンにおけるコントラストについて説明する。説明
の簡単化のため、投射スクリーンの分光透過率と分光透
過率をそれぞれ50%とし、完全拡散させるものとする
として考える。投射光の透過光による照度をMp、室内
照明光の反射光による照度をMave として、またそれぞ
れの光による輝度30aをLp、30bをLave とする
と、それぞれの光の入射時間が等しいとして、 Lave =k1×Mave Lp=k2×Mp とすると、 k1=k2=1/2π であり、 Ls=Lave +Lp =k1×Mave +k2×Mp =(1/2π)(Mave +Mp) で与えられるとする。
【0009】このため、投射スクリーンに対する投射光
と室内光の照度の比がそのまま投射スクリーン上の輝度
になり、この場合、プロジェクタのコントラストK2
は、 1:K1=Lave:Ls=Mave:(Mave+M
p)=1.5:(1.5+2)=1:2.33 である。ただし、もとのプロジェクタからの投射光によ
る画像のコントラストを0:1とした。また、筐体内部
からの反射光とや、透明板の状態のときの投射スクリー
ンでの反射光を0とした。
【0010】上述した投射スクリーンには、高分子液晶
をガラス板で挟んだ調光ガラスを用いることができる。
これには例えば株式会社シャープの“液晶ミラクルスク
リーン”があり、100Hz程度の駆動が可能である。
これは液晶による光散乱を利用して拡散板として作用さ
せているため。拡散率を大きくするほど散乱光が光の入
射方向側と反対側との両方に同程度に生じてしまい、こ
のため光の利用効率も低いものとなる欠点がある。ま
た、最近の50インチ程度の裏面投射型プロジェクタに
用いられるレンチキュラレンズは、上記高分子液晶を用
いたものとは異なり、レンズによる光拡散なので、入射
と反対方向に反射される光は少なく、また光の利用効率
も高く、またブラックストライプを設けることにより通
常の室内光のもとでも観察できる。
【0011】上述してきたように、散乱を利用した透過
型拡散板投射スクリーンを用いた場合、観察者は投射光
を観察すると同時に前面と後面から投射スクリーンに入
射する光の拡散光を観察しなければならない。この拡散
光がバックグラウンド光となり、通常の室内で観察する
には非常に明るい輝度を与える投射光を用いなければ、
投射光による画像情報のコントラストが低下し、一般に
は観察が困難となる。また、後面にプロジェクタを配置
した裏面投射型プロジェクタでは、プロジェクタと投射
スクリーンを一体の筐体に納めることにより、後面から
の光を少なくすることができるが、前面からの室内照明
光の影響を防ぐのは難しい。さらに、前面にプロジェク
タを配置した前面投射型プロジェクタではプロジェクタ
の投射光と室内の照明が投射スクリーンに入射する方向
が一致しているため、基本的に室内照明光の影響を防ぐ
のは難しい。このため、普通は散乱を利用した拡散透過
板または拡散反射板を用いたプロジェクタは、暗くした
室内で使用される。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上記課題に鑑みてなされたも
ので、簡単に室内照明光の影響を低減し、明るい室内で
利用することのできる投射スクリーンを提供することを
目的とする。
【0013】
【発明の構成】上記目的を達成するため本願第1の発明
は、照度が周期的に変化する照明環境下にある投射スク
リーンにおいて、プロジェクタからの投射光を拡散する
拡散状態と照明光を透過する透明状態とを取り得る拡散
板と、該拡散板の状態を照度が低いときに拡散状態と
し、照度が高いときに透明状態とする制御手段とを具備
することを特徴とする。また、本願第2の発明は、パル
ス光を放出する照明手段と、画像情報に係る投射光を投
射するプロジェクタと、該プロジェクタからの投射光を
拡散する拡散状態と前記照明手段からの照明光を透過す
る透明状態とを取り得る拡散板と、該拡散板の状態を前
記照明手段がパルス光を放出しているときのみ透明状態
とする制御手段とを具備することを特徴とする。
【0014】また、本願第3の発明は、短残光性の蛍光
体を用いかつ照度が周期的に変化する照明手段と、画像
情報に係る投射光を投射するプロジェクタと、該プロジ
ェクタからの投射光を拡散する拡散状態と照明光を透過
する透明状態とを取り得る拡散板と、該拡散板の状態を
照度が低いときに拡散状態とし、照度が高いときに透明
状態とする制御手段とを具備することを特徴とする。さ
らに、本願第4の発明は、照度が周期的に変化する照明
環境下にある投射スクリーンにおいて、画像情報に係る
投射光を投射するプロジェクタと、プロジェクタからの
投射光を拡散する拡散状態と照明光を透過する透明状態
とを取り得る拡散板と、該拡散板に対し前記プロジェク
タ側に設けられる撮像手段と、前記拡散板の状態を照度
が低いときに拡散状態とし、照度が高いときに透明状態
とすると共に該拡散板が透明状態のときに前記撮像手段
によって被写体の撮像を行う制御手段とを具備すること
を特徴とする。
【0015】上記の構成を備えた本発明は次の如き作用
を奏する。本願第1の発明の投射スクリーンは、拡散板
の状態を照度が低いときにプロジェクタからの投射光を
拡散する拡散状態とし、照度が高いときに照明光を透過
する透明状態とするようにしたので、室内照明光の拡散
板での反射が低減されることから室内照明光の影響が低
減され、明るい室内で利用することができる。本願第2
の発明の投射スクリーンは、室内照明光としてパルス光
を放出する照明手段を用いて、本願第1の発明と同様の
作用を得るものである。本願第3の発明の投射スクリー
ンは、室内照明光として短残光性の蛍光体を用いかつ照
度が周期的に変化する照明手段を用いて、本願第1の発
明と同様の作用を得るものである。本願第4の発明の投
射スクリーンは、拡散板に対しプロジェクタ側に撮像手
段を設け、拡散板が透明状態のときに前記撮像手段によ
って被写体の撮像を行うようにしたものである。
【0016】以下、図面を参照して本発明に係る一実施
例を説明する。図1は、本発明に係る投射スクリーンの
構成説明図であり、図1(a)は投射スクリーンが拡散
板の状態にあるときであり、(b)は投射スクリーンが
透明板の状態にあるときである。図1(a)において、
プロジェクタ1は拡散板の状態にある投射スクリーン5
aの裏面側に配置され、プロジェクタ1及び投射スクリ
ーン5aは内部を黒つや消し塗装をしてある筐体3内に
収容される。観測者13、蛍光ランプ11、観測者側に
ある物体15、室内照明光の照度検知手段7は、投射ス
クリーン5aの前面側に配置される。プロジェクタ1と
投射スクリーン5は制御手段9により制御される。ま
た、プロジェクタ1から投射スクリーン5aへの投射光
L1 とその透過光L1D、蛍光ランプ11から投射スクリ
ーン5aへの室内照明光L2 とその反射光L2R、蛍光ラ
ンプ11から物体15への室内照明光L3 とその反射光
L3Rが、それぞれ示される。図1(b)において、投射
スクリーン5bは透明板の状態にあり、また蛍光ランプ
11から投射スクリーン5bへの室内照明光L4 とその
透過光L4Tおよび反射光L4R、蛍光ランプ11から物体
15への室内照明光L5 とその反射光L5Rが示される。
尚、観測者13と物体15と筐体3と蛍光ランプ11は
同一の外部から光が入射しない室内にあるものとする。
【0017】図1(a)と図1(b)の状態を、照度検
知手段7で検知した情報に基づいて、制御手段9によ
り、フリッカをあまり感じない周波数で繰り返すことに
より、観察者は、投射スクリーンを単なる拡散板として
利用することができる。図1(a)において、室内照明
光による照度が比較的小さいときを検知して投射スクリ
ーン5aが拡散板の状態となり、このときプロジェクタ
1からの投射光L1 は、投射スクリーンで拡散透過され
て透過光L1Dになり、この内の一部の透過光L1Dが観測
者13の目に入射し、観測者13は投射光L1 による画
像情報を観測することができる。また、蛍光ハロゲンラ
ンプ11による投射スクリーン5bへの室内照明光L4
は、投射スクリーン5bで拡散反射されて拡散反射光L
4Rになり、このうちの一部が観測者13の目に入射し、
観測者13は室内照明による投射スクリーン5bのバッ
クグラウンド光を観察する。
【0018】このため、観測者13は、バックライト光
を伴ったコントラストの悪い画像情報を観察しなければ
ならない。しかし、予め、室内照明光11による照度が
小さいときに投射スクリーン5aを拡散板にしているの
で、本実施例では、このバックライト光を従来より減少
させ、コントラストを向上することができる。また、蛍
光ランプによる物体15への室内照明光L3 は物体15
に反射しその反射光L3Rが観測者13の目に入射し、観
測者13は室内の物体15を観察することができる。図
1(b)において、室内照明光による照度が比較的大き
いときを検知して投射スクリーンを透明板の状態にし、
このときは図3(b)と同様で、室内照明光L4 は、そ
のほとんどが投射スクリーンを透過して透過光L4Tとな
り、これは、筐体3の内部でつや消し塗装のためほとん
どが吸収され、一部反射した反射光L4sが再び投射スク
リーン5bを透過して観測者13の目に入射する。ま
た、最初に投射スクリーンで一部反射された反射光L4R
も観測者13の目に入射する。しかしながら、これら反
射光L4s、反射光L4Rによる光の輝度は、図3(a)に
おける透過光L1Dと比べて非常に小さく、実際にこれら
を観察者13が注目して観察することはあまりない。ま
た、蛍光ランプによる物体15への室内照明光L5 は物
体15に反射しその反射光L5Rが観測者13の目に入射
し、観測者13は室内の物体15を観測することができ
る。
【0019】これらの状態の時間変化を示したものが図
2であり、例えば図1(a)、(b)は図2(a)にお
けるt軸上の(a)、(b)の時刻の状態に相当する。
図2は、室内照明光による投射スクリーンの照度、投射
スクリーンの透明状態、拡散状態、プロジェクタ光の照
度、観測者13がスクリーンを観察する輝度の時間的な
変化を示したものである。図2(a)に示す波形15
は、蛍光ランプ11による室内照明光の照度であり、照
度Mは周期t1で変化する。一般に蛍光ランプは、通常
の商用交流電源では、100Hzまたは120Hz(そ
れぞれ50Hzまたは60Hzの2倍)の周期変化を持
ち、この変化の状態は蛍光ランプの電極の構造や蛍光体
の種類によって大きく変化する。一般に、蛍光管中央部
では、きれいな100Hzまたは120Hzの周期変化
であるが、蛍光管端部では電極構造の違いにもよるが一
般的に歪んだ光の変化になる。これは、陰極負グロー光
と陽極光とで、光の広がりや強さの差異があることによ
り、ときとして50Hzまたは60Hzの光の変化にな
る。この周波自体が照明光としてフリッカを感じやすく
するため、このような現象を生じる蛍光ランプを製造し
ないように努力が払われている。
【0020】また蛍光管中央部付近を用いれば容易に、
100Hzまたは120Hzで周期変化する室内照明光
が得られるので、本実施例では、説明の簡単化のために
100Hzの周波数による周期変化、つまり周期t1=
10msとする。このとき、室内照明光による照度は、
任意単位で、最大値Mmax=2、最小値Mmin=
1、平均値Mave=1.5で変化しているとする。図
2(b)に示す方形波16a、16b、16cは、投射
スクリーンの透明状態を任意単位で示し、1のときに完
全に透明であり、0のときに完全拡散されているものと
する。図2(c)に示す方形波17a、17b、17c
は、投射スクリーンの拡散状態を任意単位で示し、1の
ときに完全拡散し、0の時に全く拡散していないものと
する。投射スクリーンは、周期t1で拡散板と透明板と
を交互に変化させているとする。このとき、透明板の状
態にある時間を(3/4)t1とし、拡散板の状態にあ
る時間を(1/4)t1とし、拡散板にある状態は室内
照明光による照度が最小付近とし、ここでは、時刻(5
/8)t1から(7/8)t1であるものとする。図2
(d)に示す方形波18a、18b、18cは、プロジ
ェクタによる投射光の照度であり、照度Mpで、任意単
位で2の大きさとする。投射光は、周期t1 で(1/
4)t1の時間、投射スクリーンが拡散板のときに投射
するものとする。図2(e)に示す方形波19a、19
b、19cは投射スクリーンの輝度Lsを示す。
【0021】この場合、図9(a)に示す照度変化を説
明の簡単化のため、 M=0.5×sin(2π×t/t1 )+1.5 とし、図2(e)における投射スクリーンに対する投射
光と室内照明光の照度がそのまま投射スクリーン上の輝
度20a、20bに比例するとして、プロジェクタのコ
ントラストK2は、t=(5/8)t1 から(7/8)
t1まで積分して考えて、 1:K2={(3/8)−(2/4π)}t1 : [{(3/8)−(2/4π)}t1 +(1/2)t1 ] =2.91 である。このため、従来例のコントラストK1 と比べ
て、コントラストを25%改善することができる。ま
た、投射スクリーンが拡散板である状態の時間と、これ
と同期して投射光を投射する時間とを周期に対して短く
すればするほど、コントラストを向上することができ
る。この場合、t=(3/4)t1 付近の非常に短い時
間に投射光を投射すれば、 1:K3=Mmin :(Mmi
n +Mp)=1:3.0 まで大きくすることができる。
【0022】ただし、投射スクリーンが拡散板である状
態の時間とこれと同期して投射光を投射する時間を周期
に対して短くするほど、投射光の照度が一定であれば、
観察者が観察する実質的な輝度が低下するため、投射光
の照度を予め大きくしておくように注意する必要があ
る。また、蛍光ランプのような周期的な照度変化を与え
る室内照明を用いていなくても、従来例のような投射ス
クリーンでも投射光の照度を大きくできる場合は、非常
に短い時間に投射光を投射スクリーンと同期して投射す
ることは、コントラストを大きくさせるのに有効であ
る。また、これらの方法は、投射スクリーンを透過型で
はなく反射型で用いる場合も、同様に有効であり、コン
トラストが大きくなる。また、周期的な照度変化を与え
る照明を透過スクリーンの後面に設け、これと投射スク
リーンの変化を同期させた場合、後面にある物体を、投
射光によるが像情報と重像して観察する場合のコントラ
ストも大きくできる。
【0023】また、照度検知手段7を設けなくても、予
め制御手段9により蛍光ランプ11を投射スクリーン5
の変化に同期させて制御できるようにしておくことによ
り、同様の効果を与えられる。
【0024】また、蛍光ランプ11には、規則的な大き
い照度変化をもつものを利用するのが好ましい。また、
複数の蛍光ランプを用いる場合、これらの位相をある程
度そろえておくことが望ましい。もちろん、この周期的
な照度変化を与える照明手段は蛍光ランプでなくてもよ
く、例えば、ハロゲンランプをシャッタ素子で制御して
もよいし、レーザ光を変調させてもよい。また、この投
射スクリーンには、高分子液晶を利用したもの以外でも
よく、透明板と拡散板を変化できるものであればよく、
例えば、液晶のマイクロレンズのアレイを用いたものも
有効である。図3は、図2と少し異なる室内照明光と投
射スクリーンの同期を行っている場合の実施例である。
図5は、室内照明光による投射スクリーンの照度、投射
スクリーンの透明状態、拡散状態、プロジェクタ光の照
度、観測者がスクリーンを観察する輝度の時間的な変化
を示したものである。例えば、図1(a)、(b)は、
図3(a)におけるt軸上の5/8t1 〜7/8t1 の
間の(a)、0〜5/8t1 の間の(b)の時刻の状態
に相当する。
【0025】図3(a)に示す波形31は、蛍光ランプ
11による室内照明光の照度であり、照度Mは周期t1
で変化し、室内照明光による照度は、任意単位で、最大
値Mmax=2、最小値Mmin=1、平均値Mave
=1.5で変化しているものとする。図3(b)に示す
方形波32a、32b、32cは、投射スクリーンの透
明状態を任意単位で示し1のときに完全に透明であり、
0のときに完全拡散されているものとする。図3(c)
に示す方形波33a、33b、33cは、投射スクリー
ンの拡散状態を任意単位で示し、1のときに完全拡散
し、0のときに全く拡散していないものとする。投射ス
クリーンは、周期t1 で拡散板と透明板とを交互に変化
させているものとする。このとき、室内照明光の照度変
化の周期t1 の2倍の周期t2に対して、透明板の状態
にある時間を(5/8)t2 とし、拡散板の状態にある
時間を(1/8)t2 とし、拡散板にある状態は室内照
明光による照度が最小のうちの1つの付近とし、ここで
は、時刻(5/16)t2 =(5/8)t1 から(7/
16)t2 =(7/8)t1 である。
【0026】図3(d)に示す方形波34a、34b、
34cはプロジェクタによる投射光の照度であり、照度
Mpで、任意単位で2の大きさとする。投射光の周期
は、周期t1 で(1/8)t2 の時間、投射スクリーン
が拡散板のときに投射するものとする。図3(e)に示
す領域35a、35bは、投射スクリーンの輝度Lp を
示す。これは、室内照明光の周期変動の周波数が大き
く、フリッカの生じない周波数を考えた場合、室内照明
光の変動周波数と投射スクリーンやプロジェクタの投射
光の周波数を一致させる必要がない場合に有効である。
また、例えば300Hzの室内照明光の変動周波数を与
えておき、垂直走査波数がNTSC方式の60HzとP
AL方式の50Hzの両方に対応することもできる。
【0027】以下、第2の実施例を詳細に説明する。図
4は、室内照明光を与える照明装置に、パルス光を放出
する照明を用いた場合の実施例であり、図4は、室内照
明光による投射スクリーンの照度、投射スクリーンの透
明状態、拡散状態、プロジェクタ光の照度、観測者がス
クリーンを観察する輝度の時間的な変化を示したもので
ある。例えば、図1(a)、(b)は図4(a)におけ
るt軸上の(a)、(b)の時刻の状態に相当する。図
4(a)に示す方形波36a、36b、36c、36d
は、パルス光を与える照明装置の室内照明光による投射
スクリーンの照度であり、照度を与える間隔は(1/
4)t1 で、周期t1 で変化する。室内照明光による照
度は、任意単位で、最大値Mmax =2とする。図4
(b)に示す方形波37a、37b、37c、37d
は、投射スクリーンの透明状態を任意単位で示し、1の
ときに完全に透明であり、0のときに完全拡散されてい
るものとする。
【0028】図4(c)に示す方形波38a、38b、
38cは、投射スクリーンの拡散状態を任意単位で示
し、1のときに完全拡散し、0のときに全く拡散してい
ないものとする。投射スクリーンは、周期t1 で拡散板
と透明板とを交互に変化させているとする。このとき、
照度変化の周期t1 に対して、透明板の状態にある時間
を(1/2)t1 とし、拡散板の状態にある時間を(1
/2)t1 とし、拡散板にある状態は室内照明光が放出
されていないときを中心付近にし、ここでは、時刻(1
/2)t1 からt1 である。図4(d)に示す方形波3
9a、39b、39cは、プロジェクタによる投射光の
照度であり、照度Mpで、任意単位で2の大きさとす
る。投射光は、周期t1 で(1/4)t1 の時間投射ス
クリーンが拡散板のときに投射するものとする。図4
(e)に示す方形波40a、40b、40cは、投射ス
クリーンの輝度Lsを示す。
【0029】この場合、拡散板の状態にある投射スクリ
ーンに室内照明光が入射することはないので、室内照明
光が投射スクリーンに反射されて観測者の目に入射する
ことはなく、例えば、方形波49aには室内照明光によ
る輝度の影響がなく、バックグラウンド光がなくなりコ
ントラストは0:1となり、プロジェクタの投射光のコ
ントラストをそのままに観察することができる。実際に
は、少しの筐体内部からの反射光や、もとのプロジェク
タのコントラストであるが、普通に暗室で観察するのと
同じコントラストを確保できる。この室内照明光のパル
ス光と拡散板である状態とがある程度時間が重なって
も、コントラストがその分低下するだけなので、完全に
分離する必要はない。また、室内照明光のパルス光の与
える照度は、図4(a)のような完全な方形波である必
要はなく、図4(f)のように山形の波形でも構わない
し、またさらに複雑な形でもよいが、照度が0またはそ
れに近い状態がある程度の長さで1周期の中にあること
が必要である。また、このとき、観察者13が観察する
輝度は、投射光による輝度だけでなく、室内反射光によ
るものも連続的でないため大きく減少するため、投射ス
クリーン前面の物体15を観察するのに必要なだけの明
るいパルス光を放出する室内照明光を用意する必要があ
る。
【0030】以下、第3の実施例について、図面を参照
して説明する。図5は、周期的な照度変化をもつ室内照
明装置に、短残光性の蛍光体を利用した本実施例であ
る。これらの状態の時間変化を示したものが図5であ
り、例えば図1(a)、(b)は図5(a)におけるt
軸上の(a)、(b)の時刻の状態に相当する。図5
は、室内照明光による投射スクリーンの照度、投射スク
リーンの透明状態、拡散状態、プロジェクタ光の照度、
観察者がスクリーンを観察する輝度の時間的な変化を示
したものである。
【0031】図5(a)に示す波形42は、短残光性蛍
光体の蛍光ランプによる室内照明光の照度であり、照度
Mは周期t1 で変化する。従来は、フリッカを減少させ
るために比較的長残光性の蛍光体を用いている。このた
め、例えば、図2(a)に示すように交流電圧によって
も照度が0にならず、Mmin =1である。これは、人間
の目は輝度にもよるものの、一般に50Hzから60H
z以上ではフリッカを感じないが、素早く動く物体に対
して少しぼけた仮像を観察するストロボ効果が現れるの
を防ぐためである。このため、普通は100Hz以上で
あればフリッカを感じることが少ないことを利用して、
蛍光ランプに短残光性の蛍光体を用いることにより、図
5(a)に示す波形42のような照度を得ることができ
る。実際には、t=(3/4)t1点のように完全に照
度を得ることは難しく、また、立ち上がりと立ち下がり
の特性は違い、蛍光菅中央部と蛍光菅端部でも特性がち
がうが、ここでは、説明を簡単にするため、菅中央部を
用いて、100Hzの周波数による周期変化、つまり周
期t1 =10msとし、室内照明光による照度は、任意
単位で、最大値Mmax=3、最小値Mmin =1、平均値
Mave =1.5で変化し、 M=1.5×sin(2π×t/t1)+1.5 とする。
【0032】図5(b)に示す方形波43a、43b、
43cは、投射スクリーンの透明状態を任意単位で示
し、1のときに完全に透明であり、0のときに完全拡散
されているものとする。図5(c)に示す方形波44
a、44b、44cは、投射スクリーンの拡散状態を任
意単位で示し、1のときに完全拡散し、0のときに全く
拡散していないものとする。投射スクリーンは、周期t
1 で拡散板と透明板とを交互に変化させているとする。
このとき、透明板の状態にある時間を(3/4)t1 と
し、拡散板の状態にある時間を(1/4)t1 とし、拡
散板に状態は室内照明光による照度が最小付近とし、こ
こでは、時刻(5/8)t1 から(7/8)t1 であ
る。図5(d)に示す方形波45a、45b、45c
は、プロジェクタによる投射光の照度であり、照度Mp
で、任意単位で2の大きさとする。投射光は、周期t1
で(1/4)t1 の時間、投射スクリーンが拡散板のと
きに投射するものとする。
【0033】図5(e)に示す方形波46a、46b、
46cは、投射スクリーンの輝度Lsを示す。この図5
(e)における投射スクリーンに対する投射光と室内照
明光の照度がそのまま投射スクリーン上の輝度47a、
47bに比例するとして、プロジェクタのコントラスト
K4は、t=(5/8)t1 から(7/8)t1 間で積
分して考えて、 1:K4={(3/8)−(3 2/4π)}t1 : [{(3/8)−(3 2/4π)}t1 +(1/2)t1 ] =1:14.38 である。このため、第1の実施例のコントラスト比2と
比べて、コントラストを約4.9倍大きくできる。ま
た、このため投射スクリーンを拡散板の状態にしておく
時間を長くしても高いコントラスト比を得られるので、
観測者に対しての実質的な投射光の輝度を大きくするこ
とができる。また、必要なコントラストに下げる代わり
に蛍光体の残光特性を長くし、フリッカを目だたせなく
することも効果的である。また、通常の2倍の周波数の
交流電圧で蛍光ランプを駆動すれば、フリッカを目だた
せなくすることもできる。
【0034】次に第4の実施例を説明する。図6及び図
7において、図7は投射スクリーンの概要図であって、
図7(a)において領域(a)は投射スクリーンが拡散
板の状態にあるときであり、領域(b)は投射スクリー
ンが透明板の状態にあるときである。図6(a)におい
て、投射スクリーン55aは拡散板の状態にあり、この
投射スクリーン55aの背面側にはカメラ51cが配置
される。室内照明装置61はパルス光を放出できるもの
であり、制御手段59はプロジェクタ51pとカメラ5
1cと投射スクリーンと室内照明装置61を制御し得る
ものである。矢印L6、L6Tは、それぞれプロジェクタ
51p から投射スクリーン55aへの投射光とその透過
光である。図6(b)において、投射スクリーン55b
は透明板の状態にあり、波線は透明板の状態の投射スク
リーンを通して入力する画像情報の視野である。図6
(a)と図6(b)の状態を、制御手段59により、そ
れぞれの動作を同期させながらフリッカをあまり感じな
い周波数で繰り返すことにより、観測者13は、投射ス
クリーン55を単なる拡散板として利用すると同時に、
カメラ51cは投射スクリーン55を単なる透明板とし
て筐体外の画像情報を入力することができる。
【0035】図6(a)において、室内照明装置61に
より照明光を放出させずに照度が0にし、これと同期さ
せて、投射スクリーン55aを拡散板の状態にし、この
ときプロジェクタ51pからの投射光を投射スクリーン
55aに投射し、この投射光L6 は、投射スクリーン5
5aで拡散透過されて、矢印L6Tになり、このうちの一
部が観測者13の目に入射し、観測者13は投射光によ
る画像情報を観測することができる。このとき、カメラ
51cはシャッタを閉じて画像情報を入力していない。
また、室内照明装置61が光を放出していないので、室
内の物体15を観測者13は観察することができない。
図6(b)において、室内照明装置61により照明光を
放出させこれと同期させて、投射スクリーン55bを透
明板の状態にし、これと同期させてカメラ51cのシャ
ッタを開け画像情報を入力する。このとき、図1(b)
と同様で、室内照明L9 、L13の光の輝度は、図1
(a)における矢印L3 と比べて非常に小さく、実際に
これらを観測者13が注目して観察することはあまりな
い。また、室内照明装置61による物体15への室内照
明光L13は物体15に反射しその反射光L13R が観測者
13の目に入射し、観測者13は室内の物体15を観測
することができるさらに、室内照明装置61から観測者
13へ室内照明L9 は、観測者13に反射しその反射光
L11はカメラ51cに画像情報として入力される。この
とき、カメラ51cは投射スクリーン2bを単なる透明
板として、例えば波線で示される視野の画像情報を、投
射スクリーン55を拡散板の透明板に変化させる周波数
でサンプリングして入力することができる。
【0036】この周波数は、投射スクリーン55また
は、そこに投射される画像情報に対してフリッカをあま
り感じない周波数であり、これは、画像情報を入力する
場合にも、これ出力して観察したときにフリッカをあま
り感じない周波数に一致しており都合が良い。このよう
にして、明るい室内で、投射スクリーン55にプロジェ
クタ51pにより投射した画像情報を観測すると同時
に、投射スクリーン55の後面にあるカメラ51cによ
り観測者周辺の画像情報を入力することができ、さらに
明るい室内のため室内の物体を観察することもできる。
従来は、画像入力のために必要な観測者13に入射させ
る室内照明光のため、これが投射スクリーン55にも入
射し、プロジェクタ51pの投射光による画像情報のコ
ントラストを低下させていた。
【0037】これらの状態の時間変化を示したものが図
7であり、例えば図6(a)、(b)は図7(a)にお
けるt軸上の領域(a)、(b)の時刻の状態に相当す
る。図7は、室内照明光を与える照明装置に、パルス光
を放出する照明を用いた場合の実施例であり、図7は、
室内照明光による投射スクリーンの照度、投射スクリー
ンの透明状態、拡散状態、プロジェクタ光の照度、観測
者がスクリーンを観察する輝度、カメラ51cのシャッ
タの開閉の時間的な変化を示したものである。例えば図
6(a)、(b)は図7におけるt軸上の(a)、
(b)の時刻の状態に相当する。図7(a)に示す方形
波53a、53b、53c、53dは、パルス光を与え
る照明装置の室内照明光による投射スクリーンの照度で
あり、照度を与える間隔は(1/4)t1で、周期t1
で変化する。室内照明光による照度は、任意単位で、最
大値Mmax=2とする。
【0038】図7(b)に示す方形波54a、54b、
54c、54dは投射スクリーンの透明状態を任意単位
で示し1の時に完全に透明であり、0のときに完全拡散
されているものとする。図7(c)に示す方形波55
a、55b、55cは投射スクリーンの拡散状態を任意
単位で示し1の時に完全拡散し、0のときに全く拡散し
ていないものとする。投射スクリーンは、周期t1で拡
散板と透明板とを交互に変化させているとする。このと
き、照度変化の周期t1に対して、透明板の状態にある
時間を(1/2)t1とし、拡散板の状態にある時間を
(1/2)t1とし、拡散板にある状態は室内照明光が
放出されていないときを中心付近にし、ここでは、時刻
(1/2)t1からt1の間である。図7(d)に示す
方形波56a、56b、56cはプロジェクタ51pに
よる投射光の照度であり、照度Mpで、任意単位で2の
大きさとする。投射光は、周期t1で(1/4)t1の
時間投射スクリーンが拡散板の時に投射するものとす
る。図7(e)に示す方形波57a、57b、57c
は、投射スクリーンの輝度Lsを示す。図7(f)に示
す方形波58a、58b、58c、58dは、カメラ5
1cのシャッタの開閉を示し、1はシャッタを開けて画
像情報を入力しており、0はシャッタを閉じていること
を示す。
【0039】図7に示すような動作をすることで、投射
スクリーンの後面に設けたカメラ51cで観測者の画像
情報入力し、視線の一致したテレビ電話に利用すること
もできる。また、このときは、カメラ51cを、想定す
る相手の視線の位置付近に配置するのがよい。また、こ
れらの動作をする周期t1 は、再生する画像情報の伝達
方法に対応して決定すると効果的である。例えば、NT
SC方式の普通のテレビのプロジェクタを用いるなら、
垂直走査周波数である60Hzまたはその倍に当たる周
波数に対応した周期がよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明の投射スクリ
ーンは、拡散板の状態を照度が低いときにプロジェクタ
からの投射光を拡散する拡散状態とし、照度が高いとき
に照明光を透過する透明状態とするようにしたので、室
内照明光の影響を低減し、明るい室内で利用することが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明に係る一実施例の構
成を示す構成図。
【図2】(a)乃至(e)は図1に示した投射スクリー
ンの室内照明光による照度、透明状態、拡散状態、プロ
ジェクタ光の照度及び観測者がスクリーン観察する輝度
の時間的な変化を示す図。
【図3】室内照明光と投射スクリーンの同期を行ってい
る場合における、投射スクリーンの室内照明光による照
度、透明状態、拡散状態、プロジェクタ光の照度及び観
測者がスクリーン観察する輝度の時間的な変化を示す
図。
【図4】(a)乃至(f)は室内照明光にパルス光を放
出する照明を採用した場合における、投射スクリーンの
室内照明光による照度、透明状態、拡散状態、プロジェ
クタ光の照度及び観測者がスクリーン観察する輝度の時
間的な変化を示す図。
【図5】(a)乃至(e)は室内照明光に周期的な照度
変化を持つ照明に短残光性の蛍光体を利用した場合にお
ける、投射スクリーンの室内照明光による照度、透明状
態、拡散状態、プロジェクタ光の照度及び観測者がスク
リーン観察する輝度の時間的な変化を示す図。
【図6】(a)及び(b)は本発明に係る他の実施例の
構成を示す構成図。
【図7】(a)乃至(f)は図6に示した投射スクリー
ンにおける、投射スクリーンの室内照明光による照度、
透明状態、拡散状態、プロジェクタ光の照度及び観測者
がスクリーン観察する輝度の時間的な変化を示す図。従
来例の概略の構成を示すブロック図。
【図8】(a)及び(b)は従来例の構成を示す構成
図。
【図9】(a)乃至(e)は図8に示した従来の投射ス
クリーンにおける、投射スクリーンの室内照明光による
照度、透明状態、拡散状態、プロジェクタ光の照度及び
観測者がスクリーン観察する輝度の時間的な変化を示す
図。
【符号の説明】
1 プロジェクタ、 3 筐体、 5 投射スクリー
ン、 7 室内照度検知手段、 9 制御手段、 11
蛍光ランプ、 13 観測者、 15 観測者側物
体、

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照度が周期的に変化する照明環境下にあ
    る投射スクリーンにおいて、 プロジェクタからの投射光を拡散する拡散状態と照明光
    を透過する透明状態とを取り得る拡散板と、該拡散板の
    状態を照度が低いときに拡散状態とし、照度が高いとき
    に透明状態とする制御手段と、を具備することを特徴と
    する投射スクリーン。
  2. 【請求項2】 パルス光を放出する照明手段と、画像情
    報に係る投射光を投射するプロジェクタと、該プロジェ
    クタからの投射光を拡散する拡散状態と前記照明手段か
    らの照明光を透過する透明状態とを取り得る拡散板と、
    該拡散板の状態を前記照明手段がパルス光を放出してい
    るときのみ透明状態とする制御手段と、を具備すること
    を特徴とする投射スクリーン。
  3. 【請求項3】 短残光性の蛍光体を用いかつ照度が周期
    的に変化する照明手段と、画像情報に係る投射光を投射
    するプロジェクタと、該プロジェクタからの投射光を拡
    散する拡散状態と照明光を透過する透明状態とを取り得
    る拡散板と、該拡散板の状態を照度が低いときに拡散状
    態とし、照度が高いときに透明状態とする制御手段と、
    を具備することを特徴とする投射スクリーン。
  4. 【請求項4】 照度が周期的に変化する照明環境下にあ
    る投射スクリーンにおいて、画像情報に係る投射光を投
    射するプロジェクタと、該プロジェクタからの投射光を
    拡散する拡散状態と照明光を透過する透明状態とを取り
    得る拡散板と、該拡散板に対し前記プロジェクタ側に設
    けられる撮像手段と、前記拡散板の状態を照度が低いと
    きに拡散状態とし照度が高いときに透明状態とすると共
    に該拡散板が透明状態のときに前記撮像手段によって被
    写体の撮像を行う制御手段と、を具備することを特徴と
    する投射スクリーン。
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