JP3136293B2 - 高圧水銀ランプ、高圧放電ランプ、高圧放電ランプ用電極、高圧放電ランプ用電極の製造方法、並びに高圧放電ランプを用いた - Google Patents

高圧水銀ランプ、高圧放電ランプ、高圧放電ランプ用電極、高圧放電ランプ用電極の製造方法、並びに高圧放電ランプを用いた

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般照明や光学機
器等に用いられる高圧放電ランプ、高圧放電ランプ用電
極、高圧放電ランプ用電極の製造方法、並びに高圧放電
ランプを用いた照明光学装置及び画像表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、液晶プロジェクタ等の画像表
示装置に組み込まれる照明光学装置として、光源と凹面
反射鏡とが一体化されたものが多く用いられている。そ
して、その光源としては、発光効率が良く、高輝度であ
り、放射光における赤、青、緑のバランスが良く、長寿
命である等の点から、点光源に近いショートアークの高
圧水銀ランプが用いられている。以下、高圧放電ランプ
の一例として、従来の高圧水銀ランプについて説明す
る。
【0003】一般的に、高圧水銀ランプは、発光部と封
止部とを有する発光管を備えている。発光部は、その内
部に一対の電極を有し、また発光金属としての水銀、始
動ガスとしてのアルゴン等の希ガス、および動作時にハ
ロゲンサイクルを促進するための遊離ハロゲンが封入さ
れている。従来の高圧水銀ランプに用いられていた電極
の一例を図15に示す。同図に示されるように、従来の
電極901としては、タングステンから成る電極軸90
2の先端部分に、同じくタングステンから成るコイル9
03を巻回したものが用いられていた。このコイル90
3は2層密巻構造となっており、1層目903aが15
ターン、2層目903bが8ターンとなっている。
【0004】さて、上記のような高圧水銀ランプを点灯
すると、電極先端部の温度は非常に高くなる。その結
果、従来のものでは、遊離ハロゲンを封入していたとし
ても、電極に用いられているタングステンが気化して飛
散し、これが発光管ガラスの内面で凝結して付着するこ
とにより、発光管が黒化して、ランプ寿命が短くなると
いう問題があった。
【0005】この発光管の黒化現象を防止しようとする
技術として、米国特許第5,357,167号として開
示されたものや、特開平10−92377号公報に開示
されているものがある。図16に、米国特許第5,35
7,167号に開示された電極を示す。同図に示される
ように、電極911は、タングステン、モリブデンな
ど、高融点の難溶性金属から成る電極軸912に同じく
高融点の難溶性金属から成るスリーブ913を配置し、
当該電極軸912及びスリーブ913に由来する金属を
加熱溶融させることにより電極軸912及びスリーブ9
13に一体結合された半球状の電極端部914を設けて
いる。このような構造によって、電極端部の熱容量が大
きく保たれ、電極端部の過剰な加熱を抑制してタングス
テン等の高融点金属の飛散による黒化現象を防止すると
ともに、電極軸912は細くすることで、電極軸912
の熱伝導を制御し、電極端部の温度が放電に必要とされ
る温度より下がることを防止できる旨の記載がある。
【0006】また、特開平10−92377号公報に
は、図17に示すような電極921及びその製造方法が
開示されている。具体的には、タングステンの電極軸9
22に、当該電極軸922を放電側に突出させた状態で
被覆部材923を被せ、電極軸922の先端部分と、同
図には不図示の放電電極との間において、不活性ガス雰
囲気下を保って放電させる。当該放電により、電極軸9
22の突出部分が溶融するので、その後、例えば略球形
又は水滴形状に凝固した溶融部分を研磨あるいは研削加
工することにより電極先端部924の形状を整形して、
図17の電極921を製造している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本願発
明者は鋭意検討した結果、上記各公報に開示されている
ような電極の製造方法にて実際に電極を製造した場合、
種々の問題点が発生する場合があるという知見を得、ま
た、更なる検討により、係る問題点を解決する手段とし
て本願発明に到達するに至った。以下、上記検討により
得られた知見、及び本願発明者が本願発明に到達した経
緯等について詳細に説明する。
【0008】まず、本願発明者は、上記各公報に記載さ
れているように、電極軸をスリーブやコイルなどで被覆
し、その先端部を溶融させる方法をとった場合、凝固し
た後の電極先端部分の形状が安定せず、研磨、研削等の
機械的加工を行う必要がある場合が多いことの他、実際
の使用に際して黒化現象が十分に防止できない場合があ
ることを見出した。
【0009】即ち、電極軸を、被覆部材としてのスリー
ブ若しくはコイルの放電側末端より大きく突出させた状
態で溶融させた場合、凝固後の電極先端部分の形状は、
そのままで実際の使用に供することができるような形状
とはならず、例えば上記特開平10−92377号公報
に記載があるように、溶融部分を凝固後に研磨あるいは
研削するといった機械的加工を行うことにより、適切な
形状に整形する必要がある場合が多い。
【0010】一方、逆に、電極軸を被覆するコイルの方
を、電極軸の先端より突出させた状態で電極先端部分を
溶融させる場合についても検討を行ったが、この場合に
は、黒化現象が十分防止できない場合があるという知見
を得た。本願発明者は、製造後の電極を調査等すること
により、この場合には、コイル(主として溶融する。)
と、電極軸(大部分が溶融せずに残留する。)との間に
空洞が生じていることを見出した。このように電極先端
部分に空洞が生じていると、電極先端部分の熱容量が小
さくなるため、実際の使用時に電極の先端温度が過剰に
上昇し、タングステンの飛散による黒化現象の発生が防
止できないことになる。
【0011】本発明は、以上のような知見に基づき、係
る問題を解決するためになされたもので、黒化現象を抑
制することができる高圧放電ランプ、電極先端部分の溶
融後に当該先端部分の形状の整形が不要である高圧放電
ランプ用電極、高圧放電ランプ用電極の製造方法、並び
に高圧放電ランプを用いた照明光学装置及び画像表示装
置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る高圧水銀ランプは、発光物質が封入さ
れた放電空間を有する放電管と、基端が前記放電管に支
持され、先端部同士が前記放電空間内で所定の距離を持
って対向する一対の電極とを備える高圧水銀ランプであ
って、前記各電極は、主にタングステンから成る電極軸
の先端外周部を、主にタングステンから成る被覆部材で
被覆し、当該被覆部材から、前記電極軸を他方の電極方
向に突出させたものであり、初期放電時の発熱により、
前記電極軸と前記被覆部材との放電側先端部が融着する
ように構成され、融着する前における前記電極軸の前記
被覆部材から突出させた長さをΔL、前記被覆部材の先
端部最大外径をR3とすると、前記ΔLは、1/50*
R3以上、1/5*R3以下であることを特徴としてい
る。
【0013】この高圧水銀ランプは、最初の使用時に発
生する電極間の放電によって、電極先端部が加熱される
ことにより、電極先端部において電極軸とコイルとが溶
融一体化するものである。なお、このように電極を発光
管に封入した後に電極先端部を加熱溶融する場合、加熱
溶融による電極間のアーク長の変化が問題となるが、係
る問題点が、下記の式(1)の関係を満たすものとする
ことにより解決されることが本願発明者の検討により明
らかとなったものである。
【0014】 1/50*R3≦ΔL≦1/5*R3 …(1) ここで、R3は、被覆部材の放電側先端部の最大外径
(mm)であり、ΔLは、電極軸の先端を例えばコイル
等の被覆部材の放電側先端から突出させる場合の、当該
突出部の長さ(mm)である。この知見は非常に興味深
いものであり、これに基づいて、本願発明者は、前記し
た従来技術の問題点を解決することができる高圧放電ラ
ンプ用電極の発明に到達した。前記式(1)の関係を満
たす構成とすることにより、電極先端部を溶融一体化し
てもアーク長が変化しないということは、式(1)の関
係を満たす状態で高圧放電ランプ用電極の先端部を加熱
溶融した場合に、電極軸先端の形状が不安定となったり
(この場合は、主に電極軸が溶融するためアーク長が長
くなる。)、被覆部材と電極軸との間に空洞が発生しな
いこと(空洞が生じると、主に溶融するコイルが盛り上
がり、アーク長が短くなる。)を示すものだからであ
る。
【0015】即ち、難溶性金属から成る棒状の電極軸
と、難溶性金属から成り、前記電極軸の先端外周部を被
覆し、その一端が前記電極軸の放電側先端部と溶融一体
化されるコイルとから成り、前記電極軸と前記コイルと
は、主に前記コイルが溶融し、初期的な形状を残した前
記電極軸の先端部分と密着して一体化されることを特徴
とする高圧放電ランプ用電極により、上記従来技術の問
題点は解決され、具体的には、電極先端部の溶融一体化
後、研磨、研削等の機械的加工による電極先端部の整形
を行う必要がない他、電極先端部の温度が過剰に上昇す
ることによる発光管の黒化現象を防止することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は、本実施の形態に係る高圧放電
ランプの例としての高圧水銀ランプ10の構成の一例を
示す正面図である。同図に示されるように、本実施の形
態の高圧水銀ランプ10は、石英ガラスからなる略回転
楕円体形状の発光管11を備えている。発光管11は、
発光部12と、当該発光部12の両端部に形成された封
止部13とを有しており、本実施の形態の発光部12の
中央部最大内径は7.0mm、内容積は0.24c
3、肉厚は2.5mmとしている。発光部12内に
は、一対の対向した電極14が設けられており、この一
対の電極14の放電側先端同士の長さ(以下、「アーク
長」という。)を1.55mmとしている。また、発光
部12内部には、発光金属として水銀が36mg(約
0.16mg/mm3)、ハロゲンとして臭素が9.0
×10-5μmol/mm3、および始動ガスとしてアル
ゴンガスが100mbarの封入圧で封入されている。
なお、電極14の放電側と逆側の端部は、封止部13に
封止されたモリブデン等の金属箔導体15を介して外部
リード線16に接続されている。
【0017】電極14は、図2に示すように、直径(R
2)0.4mmの棒状の電極軸141と、この電極軸1
41の先端部に設けられた線径(R1)0.25mmの
コイル142とからなる。コイル142は、1層目14
2aが15ターン、2層目142bが8ターンの2層密
巻構造となっており、本実施の形態では、電極14の先
端部は、電極軸141の放電側先端が、コイル142の
放電側先端より0.10mm突出(ΔL)するように、
通常の方法にて電極軸141の先端部にコイル142を
巻回し、その状態で、コイル142を抵抗溶接により電
極軸141に固定して構成されている。
【0018】この電極14は、高圧水銀ランプ10の使
用開始時に発生する最初の放電により、電極軸141と
コイル142との放電側先端部が加熱溶融し、図3に示
すように、放電側先端部に塊状の部分143が形成され
る。この塊部分143が形成されることにより電極14
の放電側先端部の熱容量が適切な値まで大きくなり、こ
の熱容量の上昇により放電時においても電極先端部の温
度上昇が抑制されて、それ以上の電極先端部の溶融が停
止し、以後、図3に示したような形状を有する電極14
として機能するようになる。
【0019】上記のように、放電時の加熱により電極先
端部を溶融させて塊部分143を形成した場合には、電
極先端部の変形によるアーク長の変化が問題となる。特
に、電極先端部のコイルが溶融することによりアーク長
が短くなった場合に、電極間の電圧が低下し、多くの電
流を流さなければならないこととなって黒化現象の発生
を促進する結果となるからである。しかしながら、本願
発明者の検討により、図2に示したように、電極軸14
1の放電側先端をコイル142の放電側先端より少しだ
け突出させることで、一対の電極14間のアーク長の変
化を防止できることが明らかとなった。
【0020】以下に、電極軸141のコイル142に対
する突出部の長さ(図2におけるΔL)とアーク長の変
化との関係について検討を行った結果を示す。図4、図
5は、上記ΔLの長さを種々変更した場合のアーク長の
変化(ΔA)、及びそれに対する評価を示す図である。
同図において一番上の欄は上記ΔLの値(mm)を示し
ており、2段目はΔLをコイル142の放電側先端部の
最大外径(図2におけるR3、以下、単に「先端部最大
外径」ともいう。)で割った値である。図4の例では、
電極軸141として外径(R2)0.4mmのものを用
い、コイル142の線径(R1)は0.2mmのものを
用いた(従って、コイル142の先端部最大外径R3
は、0.4+0.2*4=1.2mmとなる。)。そし
て3段目の欄は、初期的なアーク長を1.5mmとした
場合のアーク長の変化ΔA(mm)であり、最下段の
「評価」としては、初期的なアーク長(1.5mm)に
対して±10%以内の変化であった場合に「○」、それ
以外の場合を「×」として評価している。また、図5の
例は、コイル142の線径(R1)が0.25mmのも
のを用いた以外は、図4と同様である。
【0021】両図に示されるように、いずれの場合も、
突出長ΔLの値とコイル142の先端部最大外径R3と
の比の値が1/50から1/5の場合にアーク長の変化
ΔAの値が許容範囲内であることを示している。即ち、
突出部の長さΔLの値が下記の式(1)に示される関係
を満たす場合に、放電時の加熱による電極先端部の溶融
一体化を行ってもアーク長の変化が許容範囲内であるこ
とが認められた。
【0022】 1/50*R3≦ΔL≦1/5*R3 …(1) このように、上記式(1)の関係を満たす場合にアーク
長の変化が抑制される理由について、以下に考察する。
まず、上記ΔLの長さがコイル142の先端部最大外径
(R3)の1/50未満の場合(ΔL<0の場合、即
ち、コイル142の放電側先端の方が、電極軸141の
放電側先端よりも突出している場合を含む。)、電極軸
141よりコイル142の方が先に溶融してしまう。こ
の場合、コイル142が電極軸141の外側から覆い被
さるようにして溶融するものと考えられ、従って、溶融
後に電極軸141とコイル142との間に空洞ができる
ため、コイルが電極軸141から盛り上がるようになっ
てアーク長が縮まることになる。一方、上記ΔLの長さ
がコイル142の先端部最大外径(R3)の1/5を超
える場合には、コイル142はほとんど溶融せず、電極
軸141の方が溶融して、電極軸141が短くなる結
果、アーク長が長くなるのではないかと考えられる。
【0023】以上の考察より、上記式(1)の関係を満
たす場合には、アーク長の変化が抑制できるだけでな
く、前記した従来技術の問題点も解決されるという期待
が生じる。従来技術の第1の問題点(黒化現象の発生)
は、電極軸141とコイル142の間に空洞が生じるこ
とにより、また第2の問題点(電極先端部形状の不安定
化)は、コイル142が溶融せずに、主に電極軸141
の方が溶融することにより発生するものだからである。
【0024】実際、本願発明者は、溶融一体化した後の
電極の形状を調査することにより、アーク長の変化が許
容範囲内である場合でも、溶融するのはほとんどがコイ
ル142の側であり、電極軸141の方は、ほとんど形
状が変化せずに残留していることを確認している。即
ち、突出部の長さΔLの値を規定することにより、溶融
するのはコイル142の方であっても、それが適切に電
極軸141と密着して溶融一体化するように制御するこ
とができ、もって空洞の発生を防止することができるの
だと考えられる。
【0025】以上の知見からも、本実施の形態の高圧水
銀ランプ10を用いることにより、電極軸141とコイ
ル142との間に空洞が生じることによる電極先端部の
熱容量の低下とそれに伴う黒化現象の発生が防止できる
上、電極先端部の形状の機械的加工を行う必要もなくな
ることとなる。次に、本実施の形態の電極14につい
て、電極軸141の外径(R2)とコイル142の線径
(R1)についての一般的な関係について説明すると、
両者は、下記の式(2)の関係を満足することが好まし
い。
【0026】 1/4≦R1/R2≦3/4 …(2) この理由について、以下に説明する。1/4>R1/R
2の関係にある場合には、電極軸141の外径(R2)
に対してコイル142の線径(R1)が細すぎる場合
と、コイル142の線径(R1)に対して電極軸141
の外径(R2)が太すぎる場合とがあるが、前者の場合
には、電極14の放電側先端部分の熱容量が十分に大き
くならず、使用時の電極先端部の温度が過剰に上昇する
ため、黒化現象の発生を招く一方、後者の場合は、電極
軸141の熱伝導が大きくなりすぎるため、電極14の
先端部温度が必要以上に低下し、熱電子を放出できなく
なり放電が維持できなくなるという問題が生じるからで
ある。
【0027】また、3/4<R1/R2の関係にある場
合には、電極軸141の外径(R2)に対してコイル1
42の線径(R1)が太すぎる場合と、コイル142の
線径(R1)に対して電極軸141の外径(R2)が細
すぎる場合とがあるが、前者の場合には、電極軸141
にコイル142を巻回することが現実的に困難となる一
方、後者の場合は、電極軸141の熱伝導が小さくなり
すぎて、使用時の電極先端部の温度が過剰に上昇し、黒
化現象が生じるからである。
【0028】なお、例えば定格電力100Wから200
Wの高圧放電ランプを製造する場合において、一般的に
コイル142の線径(R1)として最適な範囲は、0.
15mmから0.30mm、電極軸141の外径(R
2)の最適範囲は、0.3mmから0.5mmであり、
この範囲内において上記式(2)の関係を満足するよう
に、電極軸141及びコイル142として用いる部材を
選択することが好ましい。
【0029】また、電極軸141及びコイル142とし
ては、タングステンを主成分としたものを用いるが、タ
ングステン中の不純物を完全に除去することは困難であ
る。即ち、本実施の形態では、不純物としてのカリウ
ム、鉄、アルミニウム、カルシウム、クロム、モリブデ
ン、ニッケルおよびケイ素のそれぞれの含有量の総和が
20ppmで、かつカリウムの含有量が5ppm、鉄の
含有量が5ppmのものを用いているが、一般的にこれ
らの含有量は少ない程よいと言える。本発明の高圧放電
ランプにおける電極中の不純物含有量に関しては、後に
詳細に説明する。
【0030】以上に説明したように、本実施の形態の高
圧放電ランプを用いることにより、黒化現象の発生を抑
制できる他、電極先端部の形状を機械的加工などにより
整形する必要もなくなる。 (実施の形態2)第1の実施の形態では、まずコイルを
巻回した電極を発光管内に封入し、高圧水銀ランプの使
用時に発生する最初の放電により電極先端部を溶融一体
化させるようにした。しかしながら、第1の実施の形態
にて詳細に説明したように、電極軸のコイルからの突出
部の長さΔLを制御することによってアーク長の変化を
防止することができるということは、発光管内に封入す
ることなく高圧放電ランプ用電極を製造する場合におい
ても、同様に突出長を規定することで、前記した従来技
術の問題点を解決することが可能であることを意味する
ものである。
【0031】本実施の形態では、第1の実施の形態のよ
うに、最初に電極を発光管に封入して、発光管内におけ
る最初の放電時に電極先端部を溶融一体化させるのでは
なく、別個に電極を製造する場合について説明する。図
6は、本実施の形態における高圧水銀ランプ20の構成
を示す正面図である。本実施の形態の高圧水銀ランプ2
0は、電極24の形状以外は、図1に示した第1の実施
の形態のものと同様であるから、電極24以外の各部に
ついての説明は省略する。
【0032】本実施の形態の電極24の構造を図7に示
す。同図に示されるように、本実施の形態の電極24
は、第1の実施の形態において図3に示したもの、即
ち、第1の実施の形態の電極14の先端部分が、放電に
より加熱溶融した状態と略同一であり、直径0.4mm
の棒状の電極軸241に、線径0.25mmのコイル2
42を巻回した後、電極24先端部を溶融させることに
より、塊部分243を設けたものである。第1の実施の
形態と同様、コイル242は、1層目242aが15タ
ーン、2層目242bが8ターンの2層密巻構造となっ
ている。もっとも、本実施の形態では、電極軸241の
放電側先端が、コイル242の放電側先端より上記式
(1)の関係を満たす長さだけ突出するように、通常の
方法にて電極軸241の先端部にコイル242を巻回
し、コイル242を抵抗溶接により電極軸241に固定
した後、電極軸241の放電側先端から約0.73mm
までの部分と、コイル242の放電側先端から約0.6
3mm(2.5ターン分)までの部分とを同時に加熱溶
融することにより、発光管21への電極24への封入に
先立って、電極軸241とコイル242との放電側先端
部同士を溶融一体化させている。
【0033】電極軸241の突出部ΔLの長さとコイル
242の先端部最大外径との関係や、電極軸241の径
とコイル242の線径との関係など、いずれも第1の実
施の形態にて説明したものと同様に考えることができる
が、本実施の形態では、発光管への封入に先立って電極
24先端部分を加熱溶融させているので、ここで、当該
先端部分において加熱溶融させる部分の長さについて説
明する。
【0034】図8は、当該長さの好ましい範囲について
説明するための図である。コイル242の放電側先端か
らの溶融させる部分の長さL1(mm)は、コイル24
2の線径をR1(mm)、コイル242の最上層コイル
部(本実施の形態では第2層目)の長さをN1(mm)
とした場合、下記の式(3)の関係を満たすことが好ま
しい。
【0035】 R1≦L1≦0.5*N1 …(3) 以下、この関係を満たすことが好ましい理由について説
明する。溶融させる部分の長さL1が、R1>L1の関
係を満たす場合、即ち溶融させる部分の長さL1がコイ
ル242の線径R1より短い場合、長さL1の部分のみ
を溶融させることは製造上困難である他、電極24の放
電側先端部の熱容量をあまり大きくすることができない
ため、電極24の先端部温度は過剰に上昇してしまい、
従って黒化現象を防止できない場合が生じる。また、長
さL1が、L1>0.5*N1を満たす場合、即ちコイ
ル242の第2層242bの長さの半分を超えて溶融さ
せてしまうと、逆に電極24先端部の熱容量が大きくな
りすぎて、電極24の先端部温度が必要以上に低下し、
熱電子を放出できなくなり放電が維持できなくなるとい
う問題が生じる。
【0036】なお、電極先端部を溶融する方法として
は、例えばレーザ若しくはプラズマを用いることがで
き、例えばアルゴンプラズマにより放電加工する場合、
アルゴンプラズマの放電間隔や放電回数を制御すること
により、電極先端から溶融させる部分の長さを制御する
ことができる。即ち、上記L1を長くする場合には放電
回数を増やし、放電間隔を短くすればよい。
【0037】以上、本実施の形態の高圧放電ランプ用電
極24を用いることにより、電極先端部の機械的加工等
を行う必要がなくなり、また、当該電極を用いて高圧放
電ランプを製造すれば、電極先端部への空洞の発生に起
因する黒化現象の発生を抑制することができる。 (実施の形態3)次に、本発明の第3の実施の形態につ
いて説明する。本実施の形態では、タングステンを主成
分として成る電極中に含まれる不純物の含有量について
検討を行った結果について説明する。
【0038】一般に、タングステンを主成分とする電極
においては、カリウム、鉄、アルミニウム、カルシウ
ム、クロム、モリブデン、ニッケルおよびケイ素等の不
純物の含有量は少ない程好ましいとされているが、一
方、これらの不純物を完全に除去することは、現在の精
製法では困難である。そこで、本願発明者は、上記第2
の実施の形態にて説明した高圧放電ランプ用電極24に
ついて、電極中の不純物の含有量がどの程度の場合に、
黒化現象の発生をより効率的に抑制できるかについて検
討を行った。
【0039】なお、不純物の存在が黒化現象の発生とど
のように関係するかについて簡単に説明すると、以下の
如くである。即ち、電極24の材料のタングステンは、
電極24中に含まれる不純物であるカリウム、鉄、アル
ミニウム、カルシウム、クロム、モリブデン、ニッケル
およびケイ素のそれぞれと合金をつくりやすい。その結
果、この合金の融点、すなわち電極24の融点が低くな
って、電極24が飛散し、発光管21に黒化が発生しや
すくなるのである。
【0040】まず、上記不純物の含有量の総和に対する
黒化の程度を調べたところ、図9に示すような結果が得
られた。同図は、電極24中の不純物含有量を変化させ
て、それぞれ上記第2の実施の形態にて説明した方法に
て高圧水銀ランプを製造し、連続点灯して3時間を経過
した後、黒化の状態を目視にて確認した結果を示すもの
である。なお、「黒化の程度」としては、「◎」は黒化
無し、「○」は黒化ほぼ無し、「▲」は黒化少し有り、
「×」は黒化多しを示しており、不純物含有量は原子吸
光法により測定したものである(以後の各図についても
同様である。)。
【0041】図9に示すとおり、上記不純物の含有量の
総和が40ppm以下であれば、実用上問題なく、特に
25ppm以下であればより好ましいことがわかった。
次に、鉄(Fe)の含有量についても検討を行った。特
に鉄については、タングステンと合金をつくりやすいと
されているからである。電極24中の鉄の含有量を種々
変えて、黒化の程度を調べたところ、図10に示すとお
りの結果が得られた。
【0042】同図に示されるとおり、鉄の含有量が20
ppm以下であれば実用上特に問題なく使用することが
でき、特に10ppm以下であればより好ましいことが
わかった。さらに、カリウム(K)の含有量について検
討を行った。カリウムについては、ハロゲンサイクルを
阻害することが知られているからである。電極24中の
カリウムの含有量を種々変えて、黒化の程度を調べたと
ころ、図11に示すとおりの結果が得られた。
【0043】同図に示されるように、カリウムの含有量
が12ppm以下であれば、実用上特に問題なく使用す
ることができ、特に10ppm以下であることが好まし
いことがわかった。以上に説明したように、上記各不純
物のそれぞれの含有量の総和を40ppm以下とし、か
つカリウムの含有量を12ppm以下、鉄の含有量を2
0ppm以下と規定するのが好ましいことが明らかとな
った。なお、上記不純物はすべて少なければ少ない程よ
いことは既述の通りである。
【0044】(実施の形態4)次に、本発明に係る高圧
放電ランプを用いた照明光学装置及び画像表示装置につ
いて説明する。図12は、本実施の形態の高圧放電ラン
プを用いた照明光学装置40の構成の一例を示す一部切
り欠き斜視図である。同図に示されるように、高圧水銀
ランプ30の一方の外部リード線(図示せず)に口金3
7が接続され、同じく他方の外部リード線36に電力供
給線38が接続される。なお、本実施の形態における高
圧水銀ランプ30としては、第1の実施の形態で説明し
た高圧水銀ランプ10を用いてもよいし、第2の実施の
形態で説明した高圧放電ランプ用電極24を用いて構成
した高圧水銀ランプ20を用いてもよいことは言うまで
もない。
【0045】そして、高圧水銀ランプ30を反射鏡39
の内側に、高圧水銀ランプ30のアーク軸が反射鏡39
の光軸上に位置するよう、一体化して照明光学装置40
が構成される。なお、本実施の形態の反射鏡39はセラ
ミック製で漏斗形状であり、その内面に酸化チタン−酸
化シリコンの蒸着膜からなる反射面39aを有し、反射
鏡39の前面投光部、すなわち開口部39bはその直径
が70mm程度の大きさを有している。反射鏡39の半
開口部側には支持筒部39cを有しており、この支持筒
部39cには口金37が絶縁セメント41によって固着
されている。また、外部リード線36に接続された電力
供給線38は、反射鏡39を貫通し、反射面39aと反
対側に導出している。
【0046】次に、本発明の高圧放電ランプを用いた画
像表示装置について説明する。図13は、上記に説明し
たような、高圧水銀ランプ30を用いる照明光学装置4
0を光源とした画像表示装置50の概略構成について説
明するための図である。この画像表示装置50は、上記
照明光学装置40を含む光源部51と、ミラー52、光
源部51からの白色光を青、緑、赤の三原色に分離する
ダイクロイックミラー53、54、分離された光をそれ
ぞれ反射するミラー55、56、57、分離された三原
色について、それぞれ単色光画像を形成するための液晶
ライトバルブ58、59、60、フィールドレンズ6
1、62、63、リレーレンズ64、65、液晶ライト
バルブ58、59、60をそれぞれ透過した光を再度合
成するダイクロイックプリズム66、及び投射レンズ6
7を備えており、画像表示装置50からの画像はスクリ
ーン68上に投影されるようになっている。同図に示さ
れるような画像表示装置50は、光源部51において本
発明に係る高圧放電ランプを用いていることを除いて
は、いわゆる3板型の画像表示装置として、従来からよ
く知られたものであるから、その構成についての詳細な
説明は省略する。なお、同図では、UVフィルタなどの
他のいくつかの光学素子について図示を省略している。
【0047】次に、以上のような構成を有する本発明の
画像表示装置(以下、「本発明品」という)50と、光
源部51に用いるランプにおける電極軸の突出長が式
(1)の関係を満たしていない点を除いて本発明品50
と同一の構成を有する従来の画像表示装置(以下、「従
来品」という)とを比較した結果について説明する。本
発明品50及び従来品のそれぞれにおいて、ランプの口
金と電力供給線との間に交流電源を接続し、ランプ電圧
約75V、ランプ電流約2.3A、ランプ電力175W
で高圧水銀ランプを点灯させ、寿命試験を行ったとこ
ろ、図14に示すとおりの結果が得られた。
【0048】同図に示されるように、本発明品(線aで
示される)は、点灯開始後、3000時間を経過した後
でも、スクリーン照度維持率が94%であった一方、従
来品(線bで示される)は、3000時間を経過した後
では、スクリーン照度維持率が60%程度しかなく、実
用上支障をきたす結果となった。このような結果が得ら
れたのは、本発明品50では発光管の内面に黒化現象が
発生しなかったのに対して、従来品では発光管の内面に
黒化が多く発生したためである。つまり、上記各実施の
形態において詳細に説明したように、本発明に係る高圧
放電ランプを用いることによって、発光管の内面に黒化
が発生するのを防止することができ、従って照度維持率
を向上させた寿命の長い高圧放電ランプ、照明光学装
置、及び画像表示装置を提供することができることが明
らかとなった。
【0049】<変形例>以上、本発明を種々の実施の形
態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実
施の形態において詳細に説明した具体例に限定されない
ことは勿論であり、例えば、次のような変形例を考える
ことができる。即ち、上記実施の形態では、175Wの
高圧水銀ランプについて説明したが、200W等であっ
ても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0050】また、本発明の高圧放電ランプは、高圧水
銀ランプに限定されないのは勿論であり、発光物質とし
ての水銀や、アルゴンガス、ハロゲンサイクル促進のた
めの臭素などに替えて、他の種々の元素を用いることも
できる。具体的には、水銀の替わりに、一般にメタルハ
ライドランプに用いられる種々の金属ハロゲン化物を用
いることができるし、アルゴンガスに替えて、キセノン
ガスやネオンガスなど、種々の希ガスを用いることがで
きる。また、臭素に替えて、塩素やヨウ素などの遊離ハ
ロゲンを封入するようにしてもよい。また、電極軸及び
コイルの材料もタングステンに限定されるわけではな
く、モリブデン等の他の難溶性金属を主成分とする材料
を用いることが可能である。
【0051】
【発明の効果】以上に詳細に説明したように、本発明に
係る高圧放電ランプによれば、黒化現象を抑制すること
ができるという効果がある。また、本発明に係る高圧放
電ランプ用電極によれば、黒化現象を抑制できる他、電
極先端部分の溶融後に当該先端部分の形状の整形が不要
になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における高圧水銀ラ
ンプ10の正面図である。
【図2】第1の実施の形態における高圧水銀ランプ10
に用いられる電極14の拡大正面図である。
【図3】第1の実施の形態の高圧水銀ランプ10におい
て、電極先端部が溶融した後の電極14の形状の例を示
す図である。
【図4】第1の実施の形態の高圧水銀ランプ10におい
て、突出部の長さΔLとアーク長の変化ΔAとの関係に
ついて検討した結果を示す図である。
【図5】第1の実施の形態の高圧水銀ランプ10におい
て、突出部の長さΔLとアーク長の変化ΔAとの関係に
ついて検討した結果を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における高圧水銀ラ
ンプ20の正面図である。
【図7】第2の実施の形態における高圧水銀ランプ20
に用いられる電極24の拡大正面図である。
【図8】第2の実施の形態における高圧水銀ランプ20
に用いられる電極24の先端部を溶融する処理について
説明するための図である。
【図9】第3の実施の形態において、不純物含有量の総
和(ppm)と、黒化現象の発生の程度との関係につい
て検討した結果を示す図である。
【図10】第3の実施の形態において、Fe含有量(p
pm)と、黒化現象の発生の程度との関係について検討
した結果を示す図である。
【図11】第3の実施の形態において、K含有量(pp
m)と、黒化現象の発生の程度との関係について検討し
た結果を示す図である。
【図12】本発明の高圧水銀ランプを用いた照明光学装
置の構成の一例を示す模式図である。
【図13】本発明の高圧水銀ランプを用いた画像表示装
置の構成の一例を示す模式図である。
【図14】第4の実施の形態の画像表示装置における点
灯時間とスクリーン照度維持率との関係を示す図であ
る。
【図15】従来の高圧水銀ランプに用いられていた電極
の一例を示す図である。
【図16】米国特許第5,537,167号公報に開示
されている電極の構造を示す図である。
【図17】特開平10−92377号公報に開示されて
いる電極の構造を示す図である。
【符号の説明】 10、20 高圧水銀ランプ 11、21 発光管 12、22 発光部 13、23 封止部 14、24 電極 15、25 金属箔導体 16、26 外部リード線 141、241 電極軸 142、242 コイル 143、243 塊部分 39 反射鏡 40 照明光学装置 50 画像表示装置 58、59、60 液晶ライトバルブ 66 ダイクロイックプリズム 67 投射レンズ 68 スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/073 H01J 9/02 H01J 61/88

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光物質が封入された放電空間を有する
    放電管と、基端が前記放電管に支持され、先端部同士が
    前記放電空間内で所定の距離を持って対向する一対の電
    極とを備える高圧水銀ランプであって、 前記各電極は、主にタングステンから成る電極軸の先端
    外周部を、主にタングステンから成る被覆部材で被覆
    し、当該被覆部材から、前記電極軸を他方の電極方向に
    突出させたものであり、初期放電時の発熱により、前記
    電極軸と前記被覆部材との放電側先端部が融着するよう
    に構成され、 融着する前における前記電極軸の前記被覆部材から突出
    させた長さをΔL、前記被覆部材の先端部最大外径をR
    3とすると、前記ΔLは、1/50*R3以上、1/5
    *R3以下であることを特徴とする高圧水銀ランプ。
  2. 【請求項2】 前記被覆部材は、 前記電極軸に巻回されたコイルであることを特徴とする
    請求項1に記載の高圧水銀ランプ。
  3. 【請求項3】 前記電極軸の外径をR2、前記コイルの
    線径をR1とすると、R1/R2の値は、1/4以上、
    3/4以下であることを特徴とする請求項2に記載の高
    水銀ランプ。
  4. 【請求項4】 前記電極軸及び前記被覆部材に含まれる
    タングステン以外の不純物の含有量の総和は40ppm
    以下であり、そのうちカリウムの含有量は12ppm以
    下、鉄の含有量は20ppm以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の高圧水銀ランプ。
  5. 【請求項5】 難溶性金属から成る棒状の電極軸と、難
    溶性金属から成り、前記電極軸の先端外周部を被覆し、
    その一端が前記電極軸の放電側先端部と溶融一体化され
    るコイルとから成り、 前記電極軸と前記コイルとは、主に前記コイルが溶融
    し、初期的な形状を残した前記電極軸の先端部分と密着
    して一体化されることを特徴とする高圧放電ランプ用電
    極。
  6. 【請求項6】 前記電極軸及び前記コイルは、主にタン
    グステンからなることを特徴とする請求項5に記載の高
    圧放電ランプ用電極。
  7. 【請求項7】 前記電極軸及び前記コイルに含まれるタ
    ングステン以外の不純物の含有量の総和は40ppm以
    下であり、そのうちカリウムの含有量は12ppm以
    下、鉄の含有量は20ppm以下であることを特徴とす
    る請求項6に記載の高圧放電ランプ用電極。
  8. 【請求項8】 前記コイルの放電側先端からの溶融させ
    る部分の長さをL1、前記コイルの最外層部の放電側先
    端からの長さをN1とすると、L1は0.5*N1以下
    であることを特徴とする請求項5に記載の高圧放電ラン
    プ用電極。
  9. 【請求項9】 前記コイルの線径をR1とすると、R1
    ≦L1の関係を満たすことを特徴とする請求項8に記載
    の高圧放電ランプ用電極。
  10. 【請求項10】 前記電極軸の先端外周部に前記コイル
    を被覆したものであって、当該コイルの放電側先端部最
    大外径をR3とした場合に、前記電極軸先端部が、前記
    コイルから、1/50*R3≦ΔL≦1/5*R3の関
    係を満たす長さΔLだけ突出するようにしたものの放電
    側先端部を、レーザ若しくはプラズマを用いて融解させ
    たものであることを特徴とする請求項5に記載の高圧放
    電ランプ用電極。
  11. 【請求項11】 発光物質が封入された放電空間を有す
    る放電管と、基端が前記放電管に支持され、先端部同士
    が前記放電空間内で所定の距離を持って対向する一対の
    電極とを備える高圧放電ランプであって、 前記各電極は、 難溶性金属から成る棒状の電極軸と、 難溶性金属から成り、前記電極軸の先端外周部を被覆
    し、その一端が前記電極軸の放電側先端部と溶融一体化
    されるコイルとを含み、 前記電極軸と前記コイルとは、主に前記コイルが溶融
    し、初期的な形状を残した前記電極軸の先端部分と密着
    して一体化されることを特徴とする高圧放電ランプ。
  12. 【請求項12】 前記電極軸及び前記コイルは、主にタ
    ングステンから成ることを特徴とする請求項11に記載
    の高圧放電ランプ。
  13. 【請求項13】 前記電極軸及び前記コイルに含まれる
    タングステン以外の不純物の含有量の総和は40ppm
    以下であり、そのうちカリウムの含有量は12ppm以
    下、鉄の含有量は20ppm以下であることを特徴とす
    る請求項12に記載の高圧放電ランプ。
  14. 【請求項14】 主にタングステンから成り、外径が
    0.3mmから0.5mmである電極軸の先端外周部
    に、主にタングステンから成り、線径が0.15mmか
    ら0.30mmであるコイルを巻回するステップであっ
    て、前記コイルが巻回された部分の先端部最大外径をR
    3、前記電極軸の放電側先端からコイルの放電側先端ま
    での長さをΔLとした場合に、1/50*R3≦ΔL≦
    1/5*R3の関係を満足するようにコイルを巻回する
    コイル巻回ステップと、 コイルの一端と電極軸の放電側先端を溶融一体化する先
    端部溶融ステップとを含むことを特徴とする高圧放電ラ
    ンプ用電極の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記先端部溶融ステップにおいては、
    レーザ若しくはプラズマを用いて先端部の溶融一体化を
    行うことを特徴とする請求項14に記載の高圧放電ラン
    プ用電極の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1から4のいずれかに記載の高
    圧放電ランプ、請求項5から10のいずれかに記載の高
    圧放電ランプ用電極を用いた高圧放電ランプ、請求項1
    1から13のいずれかに記載の高圧放電ランプ、請求項
    14又は15に記載の高圧放電ランプ用電極の製造方法
    により製造された高圧放電ランプ用電極を用いた高圧放
    電ランプのいずれかと、 当該高圧放電ランプからの光を、一定方向に照射させる
    反射鏡とを含むことを特徴とする照明光学装置。
  17. 【請求項17】 前記高圧放電ランプのアーク軸は、前
    記反射鏡の光軸上に位置するように、前記高圧放電ラン
    プと前記反射鏡とが一体化されていることを特徴とする
    請求項16に記載の照明光学装置。
  18. 【請求項18】 請求項1から4のいずれかに記載の高
    圧放電ランプ、請求項5から10のいずれかに記載の高
    圧放電ランプ用電極を用いた高圧放電ランプ、請求項1
    1から13のいずれかに記載の高圧放電ランプ、請求項
    14又は15に記載の高圧放電ランプ用電極の製造方法
    により製造された高圧放電ランプ用電極を用いた高圧放
    電ランプのいずれかと、 前記高圧放電ランプからの光を、一定方向に照射させる
    反射鏡と、 前記反射鏡からの光を集光する集光手段と、 前記集光部により集光された光について画像を形成する
    画像形成手段と、 前記画像形成部により形成された画像を、被投射部材に
    投射する投射手段とを含むことを特徴とする画像表示装
    置。
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