JP3134973B2 - 鉄イオンの価数別分析方法 - Google Patents

鉄イオンの価数別分析方法

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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄イオンの価数別分析
方法に関するもので、詳細には、例えばメッキ液中の第
1鉄イオン、第2鉄イオンの分析方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばメッキ液使用前後の鉄
イオンの価数変化を把握し、コントロ−ルすることは、
良好なメッキ状態を得るための重要な課題であり、鉄イ
オンの価数別分析方法として、滴定法や吸光光度法が知
られている。具体的には、第1の方法として対象とする
溶液を過マンガン酸カリウム溶液で滴定すると、第1鉄
イオンは第2鉄イオンに酸化される。この時消費した過
マンガン酸カリウム溶液の量から第1鉄イオンの量を求
めることができる。また、第2鉄イオンを求める場合、
対象とする溶液を過マンガン酸カリウム溶液で滴定し、
第一鉄イオン量を求める。滴定後、対象溶液中の鉄イオ
ンは全て第2鉄イオンになる。次に再び前記溶液中の第
2鉄イオンを完全に第1鉄イオンにするため、過剰の還
元剤を加える。その後、過剰分の還元剤を過マンガン酸
カリウム溶液で滴定し、添加した還元剤の量から過剰分
の還元剤の量を引くと溶液中の全鉄量に相当し、計算に
より全鉄量が求められる。第2鉄イオン量は、全鉄イオ
ン量から第1鉄イオン量を引いた量として得られる。第
2の方法としてJIS H 1353(アルミニウムお
よびアルミニウム合金中の鉄定量方法)、R3105
(ほうけい酸ガラスの分析方法)にあるような吸光光度
法がある。これは対象とする溶液に1.10フェナント
ロリンを加えpHを調節して呈色させ、吸光度または透
過率を測定する。この吸光度または透過率から全鉄イオ
ン量のみを求めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に化学分析では、
共存する元素およびイオンの妨害を受けやすいことが知
られている。そのため、分析方法を検討するときには共
存元素およびイオンの妨害には細心の注意がはらわれ
る。第1の方法である前記滴定法では、対象溶液中に第
1鉄イオン、第2鉄イオンのほかに、Cr3+、Mn2+
の遷移金属やメッキ光沢剤、内部応力緩和剤等の有機物
等を含有する場合、真の分析値よりも高い値になり、か
つバラツキが大きく実用できない。さらに、過マンガン
酸カリウム溶液を用いる前記滴定法は、分析操作が煩雑
なうえ、滴定終了点である過マンガン酸カリウム溶液の
変色が微妙な変化であるため、変色を見極め正確な滴定
をするには分析者の経験に頼らなければならない。第2
の方法である吸光光度法は、還元剤を添加しなければ、
第1鉄イオンの定量の可能性があるが共存する遷移金属
および第2鉄イオンの影響で安定な呈色が妨げられるた
め、バラツキ、経時変化がともに大きく実用できない。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、簡便な分析操
作で、かつ遷移金属イオンや有機物が共存する場合にお
いても分析可能な鉄イオンの価数別分析方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明による溶液中の鉄イオンの価数別分析方法は、
遷移金属イオンの少なくとも1種類以上が共存し、第1
鉄イオン及び第2鉄イオンを含むニッケルメッキ液中の
第1鉄イオン分析においては、遷移金属イオンが第1鉄
イオンの発色を妨げるとき、EDTA(エチレンジアミ
ン4酢酸2ナトリウム)又はCyDTA(シクロヘキサ
ンジアミン4酢酸)で遷移金属イオンをマスキングした
後、発色剤を加えることを特徴とする。価数別鉄イオン
の測定は吸光光度法による。共存する遷移金属イオン
は、好ましくはNi、Co、Zn、Cu、Mn、Crの
イオンであり、その量は全鉄イオン量の10倍〜100
倍の範囲である。
【0006】
【発明の作用および効果】本発明による溶液中の価数別
鉄イオン分析方法によると、遷移金属イオン、有機物が
共存のまま鉄イオンの価数別の定量ができる。また、そ
の操作は簡便であるとともに、溶液中の価数別鉄イオン
量を正確かつ迅速に求められるという優れた効果があ
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。遷移金属
含有液中の第1鉄イオン、第2鉄イオンを価数別に定量
分析する例を詳述する。 実験例1 実験例1は、ニッケルメッキ液中の第1鉄イオンのみ定
量分析する場合の分析条件を調べた実験例である。分析
操作を図1(1) 〜(6) に示す。図1の操作の概要は、ニ
ッケルメッキ液(6) の一部を採取し、酸(5) を添加し溶
液を酸性溶液とする。次に、ニッケルイオン、第2鉄イ
オンのマスキング剤(4) を加えた後、発色剤(3) として
1.10フェナントロリンを加える。さらに、pH調整
剤(2) を加え100mlに定容とした後、波長510n
mにおいて吸光光度法により(1)第1鉄イオン量のみを
定量する。本発明の分析方法における分析条件の検討を
(1) から(6) の順にすすめる。
【0008】(1) 吸光度測定、(2) pH調整剤 本発明の分析方法では、発色剤として1.10フェナン
トロリンを使用する。1.10フェナントロリンは、p
H3〜8で第1鉄イオンときわめて特異的に反応し、濃
紅色の水溶性錯イオンを形成し、このときの吸光光度法
における吸収波長ピークは510nm付近に存在する。
以上の条件から吸光光度法による第1鉄イオンの測定で
は、510nmにおける吸光度または透過率を測定す
る。また、発色条件として、溶液をpH3〜8に調整す
る必要があり、溶液のpHを一定に保つことができる緩
衝溶液を添加する。ここでは、pH5〜6に保つことが
できる酢酸アンモニウムをpH調整剤として使用する。
【0009】(3) 発色剤 発色剤は、1.10フェナントロリンを使用するが、従
来の技術に記載した第2の方法の発色条件(以下従来法
という)は、0.01g添加している。しかし、前記発
色剤添加量では図2に示すように、第1鉄イオンの発色
を抑え、かつ退色を促進することがわかった。そこで、
第1鉄イオン量を一定として、ニッケルイオン量を段階
的に変化させ発色剤を加えた後、吸光光度法で測定し
た。発色後の経過時間と吸光度の関係を図3に示す。こ
の結果から、第1鉄イオンの発色を抑え、かつ退色を促
進する大きな原因は、ニッケルイオンの影響であり、従
来法では、ニッケルメッキ液中の第1鉄イオンの直接定
量が困難であることが判る。
【0010】次に、発色剤の添加量を段階的に変化さ
せ、発色後の経過時間と吸光度との関係を調べた。結果
を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1の結果から、従来法の発色剤添加量で
は、発色剤添加直後から吸光度は減少する。これに対
し、発色剤の量が0.03g以上、好ましくは0.2g
以上、さらに好ましくは、0.3gでは、吸光度の顕著
な減少はみられない。以上の結果から、本発明の第1鉄
イオンの測定方法では、発色剤、1.10フェナントロ
リンの添加量は0.03g以上、好ましくは0.2g以
上、さらに好ましくは、0.3gとする。
【0013】(4) マスキング剤 第1鉄イオンと第2鉄イオンが共存する場合の空試験値
におよぼす影響を調べた。結果を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】表2の結果から第1鉄イオンと第2鉄イオ
ンが共存するとき、第2鉄イオンは空試験値を上昇させ
第1鉄イオンの定量を妨害することが判る。そこで、第
2鉄イオンをマスキングするマスキング剤の検討を行な
った。マスキング剤をEDTA(エチレンジアミン4酢
酸2ナトリウム)、酒石酸、クエン酸、CyDTA(シ
クロヘキサンジアミン4酢酸)、シュウ酸の5種類とし
て、ニッケルイオン、第1鉄イオン、第2鉄イオンを表
3に示す条件で添加し、発色剤添加後の吸光度を測定し
た。結果を表3に示す。なお、表3中において、〇:適
用可能、△:第1鉄イオンによる発色がやや抑えられる
が、時間の変化に注意すれば適用可能、×:適用不可能
として表わす。
【0016】
【表3】
【0017】表3の結果から、マスキング剤としてED
TA、CyDTA、好ましくはEDTAを用いると第2
鉄イオンをマスキングできる。そこで、EDTAの添加
量を段階的に変化させ、第2鉄イオンのマスキング効果
について調べた。結果を表4に示す。表4中において、
〇:適用可能、×:適用不可能として表わす。
【0018】
【表4】
【0019】表4の結果から、マスキング剤として0.
01M−EDTAで1ml以上の添加が必要であること
が判る。次に、発色剤とマスキング剤を併用した場合の
添加量と吸光度の関係を調べた。結果を表5に示す。表
5中において、〇:適用可能、△:時間の変化に注意す
れば適用可能、×:適用不可能として表わす。
【0020】
【表5】
【0021】表5の結果から、発色剤とマスキング剤を
併用すると両者の添加量により相乗効果があることが判
る。したがって、実際試料を分析する場合には、表5の
結果を参考に発色剤量、マスキング剤量を決定する必要
がある。 (5) 酸 採取したニッケルメッキ液試料が、アルカリ溶液である
場合は、酸溶液、好ましくは塩酸を加え溶液のpHを下
げ、大量のpH調整剤の消費を防止する。採取した試料
溶液のpHが、pH調整剤により容易に調整できる場合
には、添加する必要はない。酸添加量は、試料のpHを
測定しながら加え、pH調整剤により容易にpH調整が
できる量まで加える。
【0022】(6) 試料採取量 試料採取量は、検量線直線領域において特に制限はない
が、好ましくは0.1mlである。以上の結果からニッ
ケルメッキ液中の第1鉄イオンの分析方法は、例えばメ
ッキ液試料0.1mlを採取し、18重量%塩酸2ml
を添加して酸性溶液とする。次に、0.01M−EDT
A溶液10mlを添加し、ニッケルイオンと第2鉄イオ
ンをマスキングする。さらに、10重量%の1.10フ
ェナントロリン3mlと20重量%の酢酸アンモニウム
10mlを加え100mlに定容する。次に、測定波長
510nmとして吸光光度法で第1鉄イオンの定量をす
る。なお、本分析方法では、採取試料溶液のpHによっ
ては、塩酸の添加は不要である。また、マスキング剤、
発色剤およびpH調整剤の添加順序の制限はない。
【0023】実験例2 実験例2は、Cu、Zn、Cr、Co、Mn各単独液中
の第1鉄イオンのみ定量分析する場合の分析条件を調べ
た実験例である。分析操作は前記実験例1と同様であ
る。 (3) 発色剤 Cu、Zn、Cr、Co、Mnの各10mgに第1鉄イ
オンを添加して発色剤の添加量を変化させ、発色後の経
過時間と吸光度との関係を調べた。結果を表6に示す。
【0024】
【表6】
【0025】表6の結果から、Cu、Zn、Coについ
ては、実験例1の場合と同様に従来法の発色剤添加量で
は吸光度が著しく低値を示す。これに対し、発色剤量が
0.2g以上、さらに好ましくは、0.3gでは、吸光
度の顕著な減少はない。以上の結果から、発色剤の添加
量は好ましくは0.2g以上、さらに好ましくは0.3
gとする。Cr、Mnについては、従来法で良いことが
判った。
【0026】(4) マスキング剤 第1鉄イオンと第2鉄イオンが共存する場合の空試験値
に及ぼす影響を調べた。結果を表7に示す。
【0027】
【表7】
【0028】表7の結果から第2鉄イオンは空試験値を
上昇させ、第1鉄イオンの定量を妨害する。Coについ
ては、第2鉄イオンを還元して第1鉄イオンとして測定
を妨害することが判った。そこで第2鉄イオンおよび共
存する遷移金属イオンをマスキングするマスキング剤の
検討を行った。マスキング剤種類は実験例1と同様5種
類について行った。結果を表8に示す。なお表8中にお
いて、○:適用可能、×:適用不可能として表す。
【0029】
【表8】
【0030】表8の結果から、Cu、Zn、Cr、Mn
についてマスキング剤としてEDTA、CyDTAを用
いるとマスキングできる。Coについてはマスキング不
可能であった。以上の結果からCu、Zn、Cr、Mn
を含む液中の第1鉄イオンの分析方法は実験例1の場合
と同様に操作することで分析できる。
【0031】実験例3 実験例3は、ニッケルメッキ液中の第2鉄イオンを定量
分析する場合の分析条件を調べた実験例である。第2鉄
イオンを分析する場合は、還元剤、例えばアスコルビン
酸を用いて第2鉄イオンを還元し、第1鉄イオンとして
全鉄イオン量を測定する。この全鉄イオン量から前記実
験例1で求めた第1鉄イオン量を差し引くことにより第
2鉄イオン量を定量する。分析操作を図4(7) 〜(14)に
示す。図4の操作の概要は、ニッケルメッキ液(14)の一
部を採取し、酸(13)を添加し溶液を酸性溶液とする。次
に、還元剤(12)を加え第2鉄イオンを還元して第1鉄イ
オンとする。さらに、ニッケルイオン、第2鉄イオンの
マスキング剤(11)を加えた後、発色剤(10)として1.1
0フェナントロリンを加える。さらに、pH調整剤(9)
を加え100ml定容とした後、波長510nmにおい
て吸光光度法により全鉄イオン量(8) を定量する。全鉄
イオン量から前記実験例1で求めた第1鉄イオン量を差
し引いて、第2鉄イオン量(7) を求める。
【0032】第2鉄イオン分析方法における分析条件の
検討として、ニッケルイオン量と全鉄イオンの関係を調
べた。結果を表9に示す。
【0033】
【表9】
【0034】表9の結果から、ニッケルイオンは鉄イオ
ンの発色を抑え定量を妨害することが判る。そこで、発
色剤(10)の量とマスキング剤(11)量を段階的に変化さ
せ、両者の関係を調べた。結果を表10に示す。表10
中において、〇:適用可能、×:適用不可能として表わ
す。
【0035】
【表10】
【0036】表10の結果から、発色剤が0.03gで
は、0.01M−EDTA溶液20ml、発色剤が0.
05g以上では、0.01M−EDTA溶液20ml以
下でニッケルイオンの妨害をうけることなく全鉄イオン
量を定量することができる。また、還元剤(12)の添加量
では、第2鉄イオンを十分に第1鉄イオンに還元する量
であり、例えば5重量%アスコルビン酸2mlを添加す
る。
【0037】このほかの本発明の分析方法の分析条件に
おいて、吸光光度法測定(8) 、pH調整剤(9) 、酸添加
(13)、試料採取量(14)の添加理由および添加量は前記実
験例1と同様であるので省略する。以上の結果から、ニ
ッケルメッキ液中の第2鉄イオンの分析方法は、例えば
メッキ液試料0.1mlを採取し、18重量%塩酸2m
lを添加して酸性溶液とする。次に、5重量%アスコル
ビン酸2mlを加え、第2鉄イオンを還元する。そし
て、0.01M−EDTA溶液10mlを添加し、ニッ
ケルイオンと第2鉄イオンをマスキングする。さらに、
10重量%の1.10フェナントロリン3mlと20重
量%の酢酸アンモニウム10mlを加え100mlに定
容とする。次に、測定波長510nmとして吸光光度法
で全鉄イオンを定量する。得られた全鉄イオン量から前
記実験例1による分析方法で求めた第1鉄イオン量を差
し引いて第2鉄イオン量を求める。なお、本分析方法で
は、採取試料溶液のpHによっては、塩酸の添加は不要
である。また、マスキング剤、発色剤およびpH調整剤
の添加順序の制限はない。
【0038】実験例4 実験例4は、Cu、Zn、Cr、Co、Mn各単独液中
の第2鉄イオンのみ定量分析する場合の分析条件を調べ
た実験例である。分析操作は前記実験例3と同様であ
る。第2鉄イオン分析方法における分析条件の検討とし
て、全鉄イオン量とCu、Zn、Cr、Co、Mn各イ
オン量を一定として発色剤量とマスキング剤量を変化さ
せ、吸光度を測定した。結果を表11に示す。表11中
において、○:適用可能、×:適用不可能として表す。
【0039】
【表11】
【0040】表11の結果から、Cu、Zn、Coは発
色剤0.20gでマスキング剤0mlで妨害を受けるこ
となく全鉄イオン量を定量することができる。またC
r、Mnは従来法で定量できる。 実験例5 実験例1および実験例3で決定したニッケルメッキ溶液
中の第1鉄イオン、全鉄イオンの分析方法にしたがって
検量線の作成を行なった。結果を図5、6に示す。
【0041】図5、6中の検量線は良好な直線であり、
本発明のニッケルメッキ液中の第1鉄イオン、第2鉄イ
オンの分析方法が実際試料の分析に十分適用できること
が判る。 実験例6 実験例6は、実験例1および実験例3で決定したニッケ
ルメッキ液中の第1鉄イオン、全鉄イオンの分析方法の
再現性を確認した。ニッケルメッキ液の試料群から6試
料を採取し、第1鉄イオン、第2鉄イオンの分析を行な
った。結果を表12に示す。
【0042】
【表12】
【0043】表12に示すように、ニッケルメッキ液中
の第1鉄イオン、第2鉄イオンの6回の繰り返し測定の
値は、相対標準偏差C.Vが6%以下と良好な再現性を
示している。これより、本発明の分析方法の精度が高い
ことが判明した。 実験例7 実験例7は、本発明の分析方法を用いて、実際試料の分
析を行なった。結果を表13に示す。
【0044】
【表13】
【0045】2回の分析結果は、十分ル−チン分析に適
用できる結果であった。なお、本発明による第1鉄イオ
ン、第2鉄イオンの分析の所要時間は、10試料で4時
間であったのに対し、熟練を要する第1の方法である滴
定法では、第2鉄イオン量が少量のため、バラツキが大
きく正確に分析できなかった。これより、第1鉄イオ
ン、第2鉄イオンの価数別定量操作が、迅速性の面でも
優れていることがわかる。また、第2の方法である吸光
光度法を用いる従来法では、ニッケルメッキ液中の鉄の
分析は、ニッケルイオンの妨害により分析不可能であっ
た。さらに、本発明を用いることで、鉄イオンの価数と
メッキ状態との関係が明確になり、磁性膜等の研究の促
進が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による第1鉄イオン分析方法の
手順を示すフロ−チャ−ト図である。
【図2】発色剤が0.01g/100mlのときの51
0nmにおける第1鉄イオンの吸光度が測定時間により
変化する関係を示す図である。
【図3】ニッケルイオン量が段階的に変化するときの5
10nmにおける第1鉄イオンの吸光度が測定時間によ
り変化する関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例による第2鉄イオン分析方法の
手順を示すフロ−チャ−ト図である。
【図5】本発明の実施例による第1鉄イオン分析方法に
したがって作成した第1鉄イオンと吸光度の関係を示す
図である。
【図6】本発明の実施例による第2鉄イオン分析方法に
したがって作成した全鉄イオン量と吸光度の関係を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/75 - 21/83 G01N 31/00 - 31/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移金属イオンの少なくとも1種類以上
    が共存し、第1鉄イオン及び第2鉄イオンを含むニッケ
    ルメッキ液中の第1鉄イオン分析において、遷移金属イ
    オンが第1鉄イオンの発色を妨げるとき、EDTA又は
    CyDTAで遷移金属イオンをマスキングした後、発色
    剤を加え吸光光度法で定量することを特徴とする鉄イオ
    ンの価数別分析方法。
  2. 【請求項2】 遷移金属イオンとしてニッケル、銅、亜
    鉛、クロム、マンガンのいずれか一種類以上が共存して
    いることを特徴とする請求項1記載の鉄イオンの価数別
    分析方法。
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