JP3133512U - 植物栽培用プランター - Google Patents

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Abstract

【課題】使用する用土の量を減少させ、水の供給回数を低減化することが可能とし、かつ水の供給タイミングを適宜認識することの可能な植物栽培用プランターの提供を課題とする。
【解決手段】プランター1は、塩化ビニル樹脂によって成型されたプランター本体2と、プランター本体2の上方から被せるようにして装着される塩化ビニル樹脂によって成型された減容トレー3と、減容トレー3の一部から垂下するように接続され、プランター本体2の貯水空間4に貯水された水5を毛細管現象を利用して上方に吸上可能な給水部6と、プランター本体2の貯水空間4に貯水された水5の水位を外部から視認するための水位ゲージ7とを具備する。
【選択図】図4

Description

本考案は、植物栽培用プランターに関するものであり、特に、従来から家庭菜園等において使用されている標準的なサイズのプランターに比べ、使用する用土の量を減容化し、かつ潅水回数を低減することの可能な植物栽培用プランターに関するものである。
従来から、野菜、果実、或いは観賞用の草花等の植物を室内等のおいて手軽に栽培するために、プラスチック製の栽培容器である所謂「プランター」が用いられることがある。すなわち、係るプランターは、植物を栽培する敷地がない場合、或いは敷地における土壌が植物を栽培するのに適さない場合であっても、人工的に植物栽培用の土壌を構築することができるものである。
そのため、植物を栽培する十分な敷地(庭等)を有しないアパートやマンション等の住人であっても室内やベランダ、或いは廊下等にこれらプランターを設置し、種々の植物の栽培を行うことができる。
しかしながら、上述した標準的なプランターは、下記に掲げるような問題があった。すなわち、一般的に利用される標準サイズのプランターは、用土を充填する空間が、比較的多く必要であった(例えば、約14リットル)。また、さらに大きなサイズのプランターも市販されていることがあり、これらのプランターを用いて植物の栽培をしようとする場合、それに応じた量の用土(土壌)が必要であった。
すなわち、マンション等の高層階で係るプランターを利用して植物を栽培する場合、プランターの搬送とともに、それに応じた量の用土を一緒に高層階まで搬送する必要があった。このとき、塩化ビニル等の合成樹脂で形成されたプランターは、比較的軽量なものであり、搬送に特に労力を要するものではなかった。しかしながら、用土は重量物であるため、当該用土(上記のプランターの場合、約15kg)の搬送は作業者に多大な負担を強いるケースもあった。
さらに、充填する用土の量が多いと、この用土全体に十分に水を行き渡らせることが植物の成長を安定させるために不可欠である。そのため、植物の生長のためには、十分な量の水を継続的に供給する必要があり、用土の量が多い場合には水の供給の頻度が多くなる傾向があり、一日に何回も水やりを行うこともあった。
また、用土の量が多い場合、用土表面は蒸発によって乾燥し、水分がほとんどない状態に見えても、その内部には十分な水分が蓄えられており、水を供給する必要がない場合と、或いは、内部にも水分がほとんど存在せず、植物を安定的に成長させるために速やかに水の供給が必要な場合とを外部から直接視認することは全くできなかった。そのため、水やりのタイミングを失し、植物が枯れたりするケースもあった。
そこで、上記実情に鑑み、使用する用土の量を減容化し、さらに水やりの回数を減らすことを可能とするとともに、水の供給(水やり)のタイミングを外部から視認することお可能な植物栽培用プランターの提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するために、本考案の植物栽培用プランターは、「略筐体状を呈し、上方に開口した開口部、及び、栽培する植物に供給する水を貯水する貯水空間を内部に有するプランター本体と、前記プランター本体の前記開口部に装着され、前記プランター本体の本体内底面から所定の高さ離間して前記本体内底面と略平行を保って支持され、トレー上面及びトレー下面の間で通気性及び透水性を有するトレー本体、及び前記トレー本体と接続し、前記開口部に前記トレー本体を懸架して支持するための鍔部を備え、前記トレー上面及び前記プランター本体のプランター側面に囲まれた充填空間に前記植物を栽培するための用土としてのピートモスを充填可能な減容トレーと、一端が前記トレー本体の一部と連結され、前記トレー下面から垂下されるとともに、他端が前記プランター本体の前記貯水空間に貯水された前記水に浸漬されることにより、毛細管現象を利用して前記水を上方に吸い上げ、前記ピートモスを介して前記水を前記植物に供給可能な吸水性素材で形成された略紐状の給水部と、略L字形状を呈し、一端が前記プランター本体の前記貯水空間に貫通するように取付けられ、前記プランタ本体に貯水された前記水の水位を外部から視認可能な透明素材で形成された管状の水位ゲージと」を主に具備して構成されている。
したがって、本考案の植物栽培用プランターによれば、プランター本体に装着される減容トレーによって、用土として使用するピートモスがトレー本体の上面及びプランター本体のプランター側面に囲まれた充填空間に限定して充填することができる。すなわち、植物の栽培に必要最小限量の用土のみで植物を栽培することができる。なお、この場合であっても、植物は、ピートモスの間を縦横無尽に根部を張ることができるため、植物の成長を阻害することがない。
なお、前述したように、標準的なサイズのプランターが約14リットルの容量の用土を必要とするのに対し、本考案の植物栽培用プランターの場合、充填空間に充填する用土(ピートモス)を約2リットル、すなわち、1/7に減容化することができる。そのため、マンションの高層階等に係る用土を搬送する作業が簡易となり、手軽に室内等で野菜等の栽培を行うことが可能となる。
ここで、嵩上げ(底上げ)して充填されたピートモスは、植物の栽培において利用される一般的な用土の一つである。また、減容トレーのトレー本体は、トレー上面及びトレー下面との間で透水性を有している。そのため、本考案の植物栽培用プランターを室外に設置し、雨が降った場合でも、係る雨水はピートモスの中を通ってトレー上面に到達し、さらに、トレー下面に到達し、下方の貯水空間に落下することとなる。その結果、トレー上面に過剰な水が溜まることがない。すなわち、良好な排水性を備えていることになる。
また、係る減容トレーは、通気性及び透水性の双方を備えている。すなわち、トレー本体のトレー下面と貯水空間に貯水された水の水面との間には、空気層が形成されている。そのため、空気層にある空気(酸素)は減容トレーを介してピートモス或いはピートモスに張った植物の根部と接することができる。そのため、水の給排水性とともに、植物の成長に不可欠な空気(酸素)の供給も十分行うことができる。その結果、ピートモスに植栽された植物はより安定して成長することが可能となる。
さらに、不織布等の吸水性素材によって形成された略紐状の給水部を有することから、植物の上方から直接水をかけないで、貯水空間に貯水された水が毛細管現象によって吸い上げられ、ピートモス全体に係る水を行き渡らせることが可能となる。そのため、貯水空間に予め十分な量の水を貯めておけば、数日から数週間程度の期間、水の供給をする必要がない。なお、係る給水部は、例えば、本考案の植物栽培用プランターの大きさや使用する季節、或いは栽培する植物の種類に応じて適宜変更することが可能である。例えば、気温の低い冬期には、減容トレーに対して一つ略中央付近に取付けたり、或いは、気温の高い夏期には、減容トレーに対して二つ取付けるようにするものであってもよい。係る給水部によってピートモスに常に一定量の水が含まれるように調整することが可能となる。
なお、本考案の植物栽培用プランターに利用されるプランター本体は、標準的サイズのプランターをそのまま使用することが可能である。このとき、係るプランターは一般に白色を呈する塩化ビニル等の合成樹脂で形成されていることが多い。そのため、内部の貯水空間に貯水された水の水位を直接視認することは困難である。そこで、本考案の植物栽培用プランターは、透明素材からなるL字状の水位ゲージ(例えば、ガラス管或いは透明性を有する合成樹脂管等)がプランター本体に取付けられ、貯水空間の水位を直接視認することができるようになっている。そのため、貯水空間に残存する水の量を逐次確認することが可能となる。その結果、水の供給不足によって植物の成長が阻害されることがない。なお、前述したように、雨水等がピートモスを介して貯水空間に落下し、貯水空間の水位が上昇した場合であっても、水位ゲージの先端部から当該水位を超える水を排出させることが可能である。そのため、貯水空間の水がトレー下面やピートモスに直接接触することがない。すなわち、本考案の植物栽培用プランターにおける水位ゲージは、水位の確認とともに、水量の調整機能を有している。
また、貯水空間に貯水された水に栄養剤、肥料等の成長促進剤を添加するものであってもよい。これにより、給水部によって上方に吸い上げられた水に肥料が含まれているため、ピートモス全体に肥料を行き渡らせることが容易に行われる。これにより、肥料の供給を簡易に行うことができる。
さらに、本考案にかかる植物栽培用プランターは、上記構成に加え、「前記トレー本体は、網目構造を呈して構成されている」ものであっても構わない。
したがって、本考案の植物栽培用プランターによれば、減容トレーが網目構造を呈して構成されている。そのため、上述したように、用土としてのピートモスと空気層との流通がさらに容易となり、網目構造を微細なものとすることにより、ピートモスが貯水空間に落下することがない。
本考案の効果として、植物栽培用プランターに使用されるピートモスの量を減容トレーによって減容化することができる。そのため、例えば、標準的なサイズのプランターの約1/7の使用量に抑えることができる。さらに、ピートモスと貯水空間の水との間に形成された空気層によって、植物の下方から十分な酸素を供給することが可能となり、植物の成長をさらに進めることができる。
さらに、貯水空間に貯水された水が給水部によって吸い上げられ、用土に供給される。その結果、毛細管現象によって吸い上げられる水がピートモス全体に適度に行き渡ることとなり、過剰な水の供給或いは水の供給不足等の植物の成長に不可欠な水の供給(潅水)をある程度自動化することができる。そのため、栽培する人の労力の負担を軽減することができる。さらに、貯水空間に貯水される水の水位を水位ゲージによって視認することができるため、プランタートレーをプランター本体から取外すことなく、係る水位を確認できる。その結果、水の供給不足になる前に水を供給することができる。また、貯水量が多い場合には、係る水位ゲージから水を溢れさせることにより、貯水量を一定量に保持することができる。加えて、既存のプランターをプランター本体として流用することができるため、全体としての製造コストを低く抑えることができる。
以下、本考案の一実施形態である植物栽培用プランター1(以下、単に「プランター1」と称す)について、図1乃至図4に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態のプランター1の外観構成を示す斜視図であり、図2はプランター1の構成を示す断面図であり、図3はプランター1の使用状態の一例を示す斜視図であり、図4はプランター1の使用状態の一例を示す断面図である。
本実施形態のプランター1は、図1乃至図4に示すように、白色の塩化ビニル樹脂によって成型されたプランター本体2と、該プランター本体2の上方から被せるようにして装着される着色された塩化ビニル樹脂によって成型された減容トレー3と、減容トレー3の一部から垂下するように接続され、プランター本体2の貯水空間4に貯水された水5を毛細管現象を利用して上方に吸い上げ可能な不織布からなる紐状の給水部6と、プランター本体2の貯水空間4に貯水された水5の水位を外部から視認するための水位ゲージ7とを具備して主に構成されている。
さらに詳細に説明すると、プランター本体2は、断面略逆台形状を呈し、プランター本体2の本体内底面8に対して本体上面9の開口部10が拡開するように形成されている。ここで、本実施形態のプランター1において、係るプランター本体2は、既に市販されている標準的なプランターをそのまま流用することができる。そして、このプランター本体2の内部には、水5を貯水可能な貯水空間4を有している。さらに、該プランター本体2の底面8の近傍位置のプランター側面11は、該プランター側面11を貫通するように管状の水位ゲージ7が取付けられている。
ここで、水位ゲージ7は、全体が略L字形状を呈するように形成された透明性を有する合成樹脂によって形成された管状部材によって構成されている。さらに、詳細に説明すると、水位ゲージ7のゲージ一端7aが、プランター本体2のプランター側面11を貫通し、貯水空間4に到達するように取付けられている。一方、ゲージ一端7aに対してL字形状に曲折されたゲージ他端7bは、略鉛直上方に向かって伸びている。ここで、互いのゲージ一端7a及びゲージ他端7bは、水位ゲージ7が管状部材によって構成されているため、内部の内管部12によって連通している。そのため、貯水空間4の水5は、水位ゲージ7のゲージ一端7aから該内管部12へ浸入し、さらに、内管部12の水5と貯水空間4の水面19に係る大気圧(すなわち、一気圧)は一定である。そのため、水位ゲージ7によって示される水位は、プランター本体2の貯水空間4に貯水された水5の水位と同一になる。そのため、不透明の塩化ビニル樹脂によって内部の水5の水位を直接確認することができない場合であっても、この水位ゲージ7によって確認することができる。ここで水位ゲージ7のゲージ他端7bの高さは、後述する減容トレー3のトレー本体15のトレー下面14よりも低い位置に設定されている。
また、減容トレー3は、図2等に示すように、略矩形の平板状を呈し、通気性及び透水性を有するように、トレー上面13及びトレー下面14を貫通するような複数の孔部(図示しない)によって網目構造を有して形成されたトレー本体15と、該トレー本体15をプランター本体2の底面8から所定の高さだけ離間して支持するようにプランター本体2の開口部10の全周に亘って架渡すようにして支持する鍔部21とを具備して構成されている。なお、係る孔部は比較的孔径が小さく設定されてるため、トレー上面13に充填されたピートモス17はトレー本体15から落下することがない。また、鍔部21は、トレー本体15の短辺15aからプランター本体2のプランター側面11に沿うように曲折された側面当接部22と、側面当接部22からプランター本体2の上面9に沿うように曲折された上面当接部23とを備え、側方から見ると逆さL字状を呈している。そのため、プランター本体2に上方から被せるように装着した場合、係る減容トレー3が容易に動くことがない。さらに、具体的に説明すると、側面当接部22が互いに対向するプランター本体2のプランター側面11に密着するように接しているため、プランター本体2の前後方向(図2における紙面左右方向に相当)への動きが規制される。さらに、側面当接部22から曲折された上面当接部23が本体上面9と接するため、トレー本体15がさらに下方に落下することがない。そのため、トレー本体15がプランター本体2の本体内底面8から所定の高さだけ離間した状態で強いされることとなる。そして、プランター本体2の開口部10近傍の内面形状と、減容トレー3の鍔部21の外面形状とが略一致するように形成されるために、前後及び上下方向の動きが規制される。なお、本考案のプランター1では鍔部21の構成をトレー本体15の全周に亘って設けるものを示したが、これに限定されるものではなく、短辺15a側にのみに設ける、或いは長辺側15bのみに設けるものであっても構わない。しかしながら、充填されるピートモス17の重量によって、トレー本体15全体が下方に撓む可能性も有するため、本実施形態で示したように、鍔部21は全周に亘って設けられるものであることが好適と思われる。
さらに、給水部6とは、減容トレー3のトレー本体15に取付けられる紐状部材であり、給水部6の一部(一端)を貯水空間4の水5に浸漬することにより、水5を吸い上げることができるものである。なお、本実施形態においては、給水部6は吸水性を有する不織布によって構成されている。
次に、本実施形態のプランター1を利用した植物Pの栽培の一例について図3及び図4に基づいて説明する。始めに、プランター1のプランター本体2の貯水空間4に水5を貯める。このとき、貯水される水5の水量は、プランター本体2の側面側に取付けられた水位ゲージ7を確認することによって把握できる。なお、前述したように、水位ゲージ7の一端7bがトレー本体15のトレー下面14よりも下方に設けられているため、水5を過剰に投入した場合であっても該一端7bから水5が溢れ、水位ゲージ7のゲージ他端7bより、貯水空間4の水位が高くなることがない。すなわち、ゲージ他端7bの高さが貯水空間4における最大水位となる。そして、水5を貯めたプランター本体2の開口部10に減容トレー3を装着し、懸架する(図2または図4参照)。
次に、懸架された減容トレー3のトレー本体15のトレー上面13及びプランター本体2の開口部10近傍のプランター側面11で囲まれた略直方体形状の空間(充填空間16)に用土として使用するピートモス17を充填する。これにより、植物Pを栽培するための栽培地(培地)が形成される。そして、この培地に植物Pを植える。ここで、図2等に示すように、減容トレー3によって嵩上げされた充填空間16は、標準サイズのプランター(プランター本体2に相当)の内部空間よりもかなり狭くなっている。そのため、この充填空間16を満たすための用土(ピートモス17)の使用量を著しく減容化することができる。しかしながら、植物Pを植栽する面積は、従来と変化することがない。そのため、植栽する植物Pの数を減らすことなくピートモス17の使用量のみを減少させることができる。なお、栽培する植物Pの種類は特に限定されるものではなく、イチゴ等の果物類、サラダ菜等の野菜類、或いは観賞用の草花であっても構わない。しかしながら、上述したように、減容トレー3によって植物Pの根部の空間が必要最小限に抑えられているため、例えば、芋類等の収穫物が土壌(用土)中で成長するようなものは好ましくない。あくまでも、土壌(用土)から上方に収穫物が得られるものであることが望ましい。
これにより、本実施形態のプランター1を用いて各種多様な植物Pを栽培することができる。このとき、トレー本体15から垂下するように取付けられた紐状の給水部6によって貯水空間4から水5が吸い上げられ(図4矢印A参照)、ピートモス17を介して植物Pに供給されるようになっている。そのため、貯水空間4に予め水5を貯めておけば、従来のように頻繁に植物Pに対して水やりを行う必要がなくなる。特に、従来のように、一日一回或いは一日に数回程度の水やり作業を必要とすることがなくなり、栽培する人のこれらの作業負担を大幅に軽減することができる。
さらに、プランター本体2に取付けられた水位ゲージ7によって、貯水空間4に貯水された水5の水量を外部から視認することができるため、該水位を確認することで、貯水空間4に水5を追加して投入するタイミングを計ることができる。また、例えば、本実施形態のプランター1を室外に設置して植物Pを栽培する場合、雨水がプランター1の内部に進入することがある。このとき、トレー本体3から貯水空間4に落下した雨水によって、貯水空間4の水位が徐々に上昇することがある。
一方、先の水位ゲージ7は、ゲージ一端7a及びゲージ他端7bがそれぞれ内部の内管部12と連通しているため、水位の上昇に応じて水位ゲージ7によって示される水位も同様に高くなる。そして、水位ゲージ7で示される水位がゲージ他端7bの位置よりも高くなった場合、このゲージ他端7bから余分な水(雨水)が溢れ出ることになる。その結果、大雨が降り続いたとしても、貯水空間4に貯水される水5の水位はゲージ他端7bの高さよりも高くなることがない。したがって、水5がトレー本体3のトレー下面14及びピートモス17に直に接することがない。その結果、過剰な水分による根腐れ等の不具合の発生を抑えることができる。
加えて、トレー本体15と水5の水面19との間に空気層20が介在するため、係る空気層20を流通する空気(特に、酸素)が植物Pの植栽された下方からピートモス17を介して接することが可能となる。そのため、植物Pの成長に不可欠な水5の適正量の安定供給とともに、呼吸のために必要な空気(酸素)の供給も従来のプランターを用いた栽培に比べて安定させることができる。
以上、本考案について好適な実施形態を挙げて説明したが、本考案はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨に逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態のプランター1において、貯水空間4に貯水するものとして、水5をそのまま利用するものを示したがこれに限定されるものではなく、トレー上面13で栽培する植物Pの成長を促進するような栄養分等の肥料や病害虫に対する予防のための植物用薬品等の各種添加剤を分散させるものであっても構わない。これにより、給水部6を通して伝達される水5の中に係る添加剤をピートモス17の中に均一に分散させて供給することができる。
また、栽培する植物Pの種類に応じて、例えば、プランター本体2の上面18或いは減容トレー3の一部から支柱を立設し、垂直方向に成長する傾向の強い、換言すれば、背の高い植物Pについての栽培することも容易に可能となる。
本実施形態の植物栽培用プランターの外観構成を示す斜視図である。 植物栽培用プランターの構成を示す断面図である。 植物栽培用プランターの使用状態の一例を示す斜視図である。 植物栽培用プランターの使用状態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 プランター(植物栽培用プランター)
2 プランター本体
3 減容トレー
4 貯水空間
5 水
6 給水部
7 水位ゲージ
10 開口部
11 プランター側面
13 トレー上面
14 トレー下面
15 トレー本体
16 充填空間
17 ピートモス
21 鍔部
P 植物

Claims (2)

  1. 略筐体状を呈し、上方に開口した開口部、及び、栽培する植物に供給する水を貯水する貯水空間を内部に有するプランター本体と、
    前記プランター本体の前記開口部に装着され、前記プランター本体の本体内底面から所定の高さ離間して前記本体内底面と略平行を保って支持され、トレー上面及びトレー下面の間で通気性及び透水性を有するトレー本体、及び前記トレー本体と接続し、前記開口部に前記トレー本体を懸架して支持するための鍔部を備え、前記トレー上面及び前記プランター本体のプランター側面に囲まれた充填空間に前記植物を栽培するための用土としてのピートモスを充填可能な減容トレーと、
    一端が前記トレー本体の一部と連結され、前記トレー下面から垂下されるとともに、他端が前記プランター本体の前記貯水空間に貯水された前記水に浸漬されることにより、毛細管現象を利用して前記水を上方に吸い上げ、前記ピートモスを介して前記水を前記植物に供給可能な吸水性素材で形成された略紐状の給水部と、
    略L字形状を呈し、一端が前記プランター本体の前記貯水空間に貫通するように取付けられ、前記プランタ本体に貯水された前記水の水位を外部から視認可能な透明素材で形成された管状の水位ゲージと
    を具備することを特徴とする植物栽培用プランター。
  2. 前記トレー本体は、
    網目構造を呈して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培用プランター。
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