JP3131633U - 木造軸組用木枠体 - Google Patents

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辰信 佐藤
田中  慎二
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Abstract

【課題】工場生産が可能で、木造建築物の工期短縮が可能な木造軸組用木枠体を提供する。
【解決手段】必要な住宅強度が確保された木造軸組用木枠体10をあらかじめ工場で生産するので、従来の職人による現場加工に頼らず、購入者自らによる木造建築物の建築を可能とし、木造建築物の工期短縮も可能になる。これにより、木造建築物の建築コストの低下が図れる。しかも、購入者が希望するパネルの現場施工が、このパネルを木造軸組用木枠体10に張り付けることで可能となる。
【選択図】図1

Description

この考案は木造軸組用木枠体、詳しくは工場生産が可能で、木造建築物の工期短縮が可能な耐力壁枠体、天井下地枠体、軒天下地枠体などの木造軸組用木枠体に関する。
我が国では、木造住宅の多くが在来軸組工法により建てられている。在来軸組工法とは、コンクリート製の布基礎の上に土台を設置し、土台の上に多数本の柱を立設し、各柱に梁、桁などの横架材を架け渡すとともに柱間に斜めに筋違いを設け、そして柱間に壁を張り、各柱の上部に屋根を造るとともに各柱の下部に床を設けるという家屋の建築工法である。
このように、在来軸組工法では、木材を準備、加工して組み立てるという作業を建築現場で行っていた。そのため、現場での木材の加工に作業時間の大半を費やし、工期が長くなっていた。しかも、建築に従事する者は、ほとんどが大工や左官などの賃金が高い専門の職人であった。そのため、工期の延長は人件費の増大を招き、最終的には住宅の建築コストの高騰に繋がっていた。
これを解消する従来工法として、例えば特許文献1のツーバイフォー工法(枠組壁工法)が知られている。ツーバイフォー工法では、あらかじめ工場で矩形枠状に組み立てられた木製枠組に構造用合板を打ち付けて壁パネルや床パネルを作製し、これらを作業現場へ運搬して木造建築物を組み立てることで、現場での材料の調達や材料の加工を容易にし、工期の短縮と建築コストの低減を図ったものである。
特開平10−12303号公報
しかしながら、特許文献1のツーバイフォー工法では、在来軸組工法のように通し柱や筋違いが軸組に組み込まれていない。そのため、高い住宅強度を確保するには、壁パネルや床パネルの厚さを増大せざるを得ず、結果的に壁パネルや床パネルの重量が嵩み、しかも材料価格の高騰を招くとともに、空間構成の自由度も在来軸組工法には及ばなかった。
さらに、社会的状況の変化、住宅購入者(消費者)の住宅への好みの多様化、生活様式の多様化、インターネットの普及による住宅情報の著しい増加など、住宅建築を取り巻く環境は大きく変化している。また、消費者の住宅の選択肢についても高価格住宅と低価格住宅との2極分化があり、その中でデザイナーズ住宅、注文住宅、有名建築家住宅、分離発注住宅およびフランチャイズ住宅などの多様化がみられる。このような現状にあって、在来軸組工法、ツーバイフォー工法ともに技術改良がなされてきたが、何れの工法も住宅提供サイドであるメーカーや工務店などの建築の専門知識を有した技術者(職人)に都合の良い技術ばかりであった。
そこで、考案者は鋭意研究の結果、消費者に対する住宅建築の新たな選択肢の一つとして、施工の容易さ、施工精度の高さおよび必要な住宅強度が確保された木造軸組用木枠体をあらかじめ工場で生産することにより、従来の職人による現場加工に頼らず、消費者自らの手による住宅の建築を可能とし、さらには既存のツーバイフォー工法では実現不可能であった消費者の好みのパネル(化粧板)を木造軸組用木枠体に後付けすることが可能な新規な建築技術を完成させた。すなわち、この考案は、消費者に対して住宅建築は自らの手でも可能であるという意識改革を促し、住宅建築の新たな領域を切り開くものである。
この考案は、工場生産が可能で、木造建築物の工期を短縮することができ、これにより木造建築物の建築コストも低下させることが可能で、また在来軸組工法の特徴の1つである木造建築物の購入者が希望したパネルを現場で木造軸組用木枠体に張り付けることができる木造軸組用木枠体を提供することを目的としている。
請求項1に記載の考案は、工場内で作製され、かつ木造建築物の軸組の一部を構成する木造軸組用木枠体であって、平行に離間した同じ長さの一対の木製縦枠材と、該両木製縦枠材の一端部に、この両木製縦枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて両端部が連結される一方の木製横枠材と、前記両木製縦枠材の他端部に、この両木製縦枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて両端部が連結され、かつ前記一方の木製横枠材と同じ長さの他方の木製横枠材と、前記木製縦枠材と前記木製横枠材とを連結する4つの連結部分のうち、対角配置されたもの同士を斜めに連結する筋違いとを備えた木造軸組用木枠体である。
請求項1に記載の考案によれば、このように、木造軸組用木枠体をあらかじめ工場で生産するようにしたので、在来軸組工法で必要とされる一定サイズ(寸法精度)および一定強度の木造軸組用木枠体を確保することができ、しかも簡易な作業で木造軸組を組み立てることができる。これにより、従来の職人による現場加工に頼らず、消費者自らによる住宅の建築を可能とし、木造住宅の工期短縮を可能にすることができる。その結果、木造住宅の建築コストも低下させることができる。しかも、ツーバイフォー工法では得られない在来軸組工法の特徴の1つである建物購入者の好みのパネルの現場施工が、このパネルを木造軸組用木枠体に張り付けることで可能となる。
木造軸組用木枠体は、木造建築物の骨組の一部を構成する木造軸組用の木枠体で 木製縦枠材、木製横枠材および筋違いの素材は任意である。例えば、杉、檜、松、桜、楓、楠などを採用することができる。使用される木材は、自然木の方が好ましい。
木造軸組用木枠体を正面視(枠内空間との正対方向からの視線)したときの形状は、横長または縦長な矩形枠状、縦の長さと横の長さとが同じ正方形枠である。
筋違いを有する木造軸組用木枠体は、木造軸組の外部に組み込まれてもよいし、木造軸組の内部に組み込まれてもよい。筋違いを有する木造軸組用木枠体としては、例えば木造軸組用耐力筋違い壁枠体(シングル、ダブル)などが挙げられる。
筋違いの使用本数は1本でもよいし、2本でもよい。
請求項2に記載の考案は、工場内で作製され、かつ木造建築物の軸組の一部を構成する木造軸組用木枠体であって、平行に離間した同じ長さの一対の木製縦枠材と、該両木製縦枠材の一端部に、この両木製縦枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて両端部が連結される一方の木製横枠材と、前記両木製縦枠材の他端部に、この両木製縦枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて両端部が連結され、かつ前記一方の木製横枠材と同じ長さの他方の木製横枠材とを備え、前記両木製縦枠材の両端部を除く対峙部分に、両木製縦枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて木製中間横枠材が架け渡されているか、前記両木製横枠材の両端部を除く対峙部分に、両木製横枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて木製中間縦枠材が架け渡されているか、これらの木製中間横枠材と木製中間縦枠材とが、前記対応する位置にそれぞれ架け渡された木造軸組用木枠体である。
木製中間横枠材および木製中間縦枠材の素材は任意である。例えば、前記木製縦枠材などと同様に杉、檜、松、桜、楓、楠などを採用することができる。
両木製縦枠材の両端部を除く対峙部分には、木製中間横枠材を架け渡してもよい。また、両木製横枠材の両端部を除く対峙部分に、木製中間縦枠材を架け渡してもよい。さらに、木製中間横枠材と木製中間縦枠材とを、それぞれの適宜位置に架け渡してもよい。
木製縦枠材の使用本数は1本でもよいし、2本または3本以上でもよい。また、木製横枠材の使用本数は1本でもよいし、2本または3本以上でもよい。
木製中間横枠材のみ、木製中間縦枠材のみまたはこれらの両方を有する木造軸組用木枠体は、木造軸組の外部に組み込まれてもよいし、木造軸組の内部に組み込まれてもよい。木製中間横枠材のみ、木製中間縦枠材のみまたはこれらの両方を有する木造軸組用木枠体としては、例えば木造軸組用耐力壁枠体(シングル、ダブル)、まぐさ枠体、下がり壁枠体、窓台枠体、軒天下地枠体、天井下地枠体などが挙げられる。
この考案によれば、必要な住宅強度が確保された木造軸組用木枠体をあらかじめ工場で生産するので、従来の職人による現場加工に頼らず、購入者自らによる木造建築物の建築を可能とし、木造建築物の工期短縮を可能にすることができる。これにより、木造建築物の建築コストの低下を図ることができる。しかも、ツーバイフォー工法では得られない在来軸組工法の特徴の1つである購入者が希望するパネルの現場施工が、このパネルを木造軸組用木枠体に現場で張り付けることで可能となる。
以下、この考案の実施例を具体的に説明する。
図1において、10〜10Fはこの考案の実施例1に係る木造軸組用木枠体で、この木造軸組用木枠体10〜10Fは、あらかじめ工場内で作製され、かつ在来軸組工法による木造住宅の骨組の一部を構成するものである。
以下、あらかじめ工場内で作製(プレ製造)される木造軸組用木枠体10〜10Fをそれぞれ具体的に説明する。
図2に示すように、木造軸組用木枠体10は耐力壁のベースとなる杉製の枠体で、平行に離間した同じ長さの左右一対の木製縦枠材18,19と、平行に離間した同じ長さの上下一対の木製横枠材20,21と、隣り合う木製縦枠材18,19と木製横枠材20,21とを連結する4つの連結部分のうち、一方の対角配置されたもの同士を、鋼板製の一対の筋違いブレード22を介して斜めに連結する1本の筋違い23とを備えている。両木製縦枠材18,19は、両木製横枠材20,21より長い。両木製縦枠材18,19と両木製横枠材20,21とは、工場内で縦長な矩形枠状に連結される。
両木製横枠材20の長さ方向の中間位置には、長さ方向の対応する端部がそれぞれ直角に連結された1本の木製中間縦枠材24が架け渡され、木造軸組用木枠体10の補強がなされている。なお、木造軸組用木枠体10のさらなる強度アップのため、他方の対角配置された前記連結部分同士を、別の一対の筋違いブレード22を介して、別の筋違い25により斜めに連結してもよい(図2の二点鎖線)。その場合、2本の筋違い23,25の交差部分には、対応する筋違い23,25の長さ方向の中間部に形成され、互いに嵌合される両しゃくり溝23a,25aからなる嵌合構造部26を設けた方が木造軸組用木枠体10の省スペース化および両筋違い23,25の一体化のためには好適である(図3)。
また、図4に示すように、木造軸組用木枠体10A〜10Fは、平行に離間した同じ長さの左右一対の木製縦枠材18,19と、平行に離間した同じ長さの上下一対の木製横枠材20,21とを備えたものである。両木製縦枠材18,19は両木製横枠材20,21より長い。これらは、工場内で横長な矩形枠状に連結される。
さらに、両木製横枠材20,21には、その両端部を除く対峙部分、具体的には両木製横枠材20,21の長さ方向のうち、その内側空間を横方向へ4等分する位置に、長さ方向の各端部がそれぞれ直角に連結された3本の木製中間縦枠材27が配設されている。なお、両木製縦枠材18,19の両端部を除く対峙部分、例えば両木製縦枠材18,19の長さ方向の中間部位置に、長さ方向の各端部をそれぞれ直角に連結した木製中間横枠材28を横架してもよい(図4の二点鎖線)。
木造軸組用木枠体10A〜10Fのうち、木造軸組用木枠体10A、10Bは1階の天井下地用の木造軸組用木枠体であり、木造軸組用木枠体10C、10Dは2階の軒天下地用の木造軸組用木枠体である。また、木造軸組用木枠体10E、10Fは2階の天井下地用の木造軸組用木枠体である。これらの木造軸組用木枠体10A〜10Fは、対応する階の間取りに合わせた所定の大きさを有している(図1)。
次に、図1,図2および図4を参照して、実施例1に係る木造軸組用木枠体10〜10Fを用いた木造軸組の組立方法を説明する。
図1および図2に示す木造軸組用木枠体10の作製にあっては、あらかじめ工場内において、両木製縦枠材18,19の両端部と両木製横枠材20の両端部とを、これら4本の枠材18〜21が縦長な矩形枠状を象るようにビス止めにより連結する。その後、両木製横枠材20の長さ方向の中間位置に1本の木製中間縦枠材24を、上下の木製横枠材20,21と平行に架け渡し、これらをビス止めする。それから、木製縦枠材18,19と木製横枠材20とを連結する4つの連結部分のうち、一方の対角配置されたもの同士を、一対の筋違いブレード22を介して1本の筋違い23により斜めに連結(ビス止め)する。こうして、木造軸組用木枠体10が作製される。
また、図4に示す木造軸組用木枠体10A〜10Fの作製にあっては、あらかじめ工場内において、両木製縦枠材18,19と、両木製横枠材20,21とを横長な矩形枠状にビス止めにより連結する。その後、両木製横枠材20,21の長さ方向のうち、その内側空間を横方向へ4等分する位置に、両木製横枠材20,21に対して、その長さ方向の両端部がそれぞれ直角になるように、3本の木製中間縦枠材27を連結(ビス止め)する。こうして、各木造軸組用木枠体10A〜10Fが作製される。
次に、図1を参照して、これらの木造軸組用木枠体10〜10Fを使用した木造軸組の組立て方法を説明する。
まず、コンクリート製の布基礎11の上に土台12を設置する。それから、土台12の所定位置上に多数本の通し柱13および管柱14をそれぞれ立設する。各柱13,14に梁、桁といった横架材15を架け渡す。次いで、各柱13,14の上部に屋根16を造り込み、さらに各柱13,14の下部に床17を造り込む。その際、木造軸組用木枠体10〜10Fは、隣接する一対の柱13,14と、その上下に配置された一対の横架材15とで区切られた所定の空間にそれぞれ組み込まれる。
このように、木造軸組用木枠体10〜10Fをあらかじめ工場内で生産するようにしたので、在来軸組工法で必要とされる寸法精度(木造軸組用木枠体10〜10Fのサイズが一定)および建物強度(木造軸組用木枠体10〜10Fの強度が一定)を確保することができ、しかもツーバイフォー工法に近い簡易な作業で木造軸組を組み立てることができる。これにより、それまでの職人による現場加工に頼らず、消費者自らによる住宅の建築を可能とし、木造住宅の工期短縮を可能にすることができる。その結果、木造住宅の建築コストも低下させることができる。しかも、ツーバイフォー工法では得られない在来軸組工法の特徴の1つである建物購入者の好みのパネルの現場施工が、このパネルを木造軸組用木枠体に張り付けることで可能となる。
この考案の実施例1に係る木造軸組用木枠体が組み込まれた木造住宅の木造軸組を示す正面図である。 この考案の実施例1に係る木造軸組用木枠体の正面図である。 この考案の実施例1に係る木造軸組用木枠体の要部拡大斜視図である。 この考案の実施例1に係る別の木造軸組用木枠体の正面図である。
符号の説明
10〜10F 木造軸組用木枠体、
18,19 木製縦枠材、
20,21 木製横枠材、
23,25 筋違い、
24,27 木製中間縦枠材、
28 木製中間横枠材。

Claims (2)

  1. 工場内で作製され、かつ木造建築物の軸組の一部を構成する木造軸組用木枠体であって、
    平行に離間した同じ長さの一対の木製縦枠材と、
    該両木製縦枠材の一端部に、この両木製縦枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて両端部が連結される一方の木製横枠材と、
    前記両木製縦枠材の他端部に、この両木製縦枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて両端部が連結され、かつ前記一方の木製横枠材と同じ長さの他方の木製横枠材と、
    前記木製縦枠材と前記木製横枠材とを連結する4つの連結部分のうち、対角配置されたもの同士を斜めに連結する筋違いとを備えた木造軸組用木枠体。
  2. 工場内で作製され、かつ木造建築物の軸組の一部を構成する木造軸組用木枠体であって、
    平行に離間した同じ長さの一対の木製縦枠材と、
    該両木製縦枠材の一端部に、この両木製縦枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて両端部が連結される一方の木製横枠材と、
    前記両木製縦枠材の他端部に、この両木製縦枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて両端部が連結され、かつ前記一方の木製横枠材と同じ長さの他方の木製横枠材とを備え、
    前記両木製縦枠材の両端部を除く対峙部分に、両木製縦枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて木製中間横枠材が架け渡されているか、
    前記両木製横枠材の両端部を除く対峙部分に、両木製横枠材の長さ方向に対して長さ方向を直交させて木製中間縦枠材が架け渡されているか、
    これらの木製中間横枠材と木製中間縦枠材とが、前記対応する位置にそれぞれ架け渡された木造軸組用木枠体。
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CN113882573A (zh) * 2021-09-30 2022-01-04 上海宝冶集团有限公司 一种仿古建筑grc构件的安装施工工艺

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