JP3130221U - 成形エラストマー - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラジャー等に用いられる熱可塑性弾性繊維からなる弾性繊維フォームを含んでなる成形エラストマーを提供する。
【解決手段】成形エラストマーは、本質的に熱可塑性弾性繊維からなる弾性繊維フォーム100を含んでなり、前記弾性繊維フォームが90°の垂直積層状態の繊維ネット層を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本考案は、成形エラストマーに関するものであり、詳細には弾性繊維フォームから製造される成形エラストマーに関する。
テキスタイル産業で使用される弾性繊維フォームは通常、高弾性という長所があることからポリウレタン製である。しかしながら、ポリウレタン製弾性繊維フォームの経年劣化による黄変、低通気性およびリサイクルの複雑さという欠点は克服するのが非常に困難である。そこで近年では、ポリウレタン製弾性繊維フォームに代わるものとしてポリエステルなどの新たな種類の弾性繊維フォームが開発されている。
ポリエステル製弾性繊維フォームをブラジャーカップ、インソールまたはマットレスなどの成形エラストマーに変形するには、成形プレスが一般的に用いられる。成形プレスには代表的には、高温に加熱されることで、ポリエステル製弾性繊維フォームをプレスして成形エラストマーとすることができる金型がある。しかしながら、そのような従来法による成形エラストマーは通常、寸法的に不安定であるために顧客のニーズを満足しない。すなわち、得られる成形物は形状をあまり長時間持続できない。従って、ポリエステル弾性繊維フォームの成形におけるその問題を解決する新規な方法および装置を工夫することが望ましいものと考えられる。
上記課題を解決するために、本考案の1態様は、成形エラストマーを提供する。該成形エラストマーは、本質的に熱可塑性弾性繊維からなる弾性繊維フォームを含んでなり、前記弾性繊維フォームが90°の垂直積層状態の繊維ネット層を含むことを特徴とする。
本考案の成形エラストマーは、前記熱可塑性弾性繊維が低融点PET弾性繊維および自己捲縮PET弾性繊維を含むことを特徴としていてもよい。
また、本考案の成形エラストマーは、前記低融点PET弾性繊維の重量%が、低融点PET弾性繊維と自己捲縮PET弾性繊維との総重量の30%〜70%であることを特徴としていてもよい。
また、本考案の成形エラストマーは、ブラジャーパッド用に使用されることを特徴としていてもよい。
また、本考案の成形エラストマーは、第1の上側鋳型および第1の下側鋳型を用いて前記弾性繊維フォームをプレスし、室温より高い温度の第1の空気流を前記弾性繊維フォームに送ることにより製造されることを特徴としていてもよい。
また、本考案の成形エラストマーは、前記第1の空気流より低い温度の第2の空気流を前記弾性繊維フォームにさらに送ることにより製造されることを特徴としていてもよい。
また、本考案の成形エラストマーは、前記弾性繊維フォームを、第1の上側鋳型および第1の下側鋳型を用いてプレスした後で第2の上側鋳型および第2の下側鋳型を用いてさらにプレスすることにより製造されることを特徴としていてもよい。
図1には、本考案の原料として使用される弾性繊維フォーム100を示してある。弾性
繊維フォーム100は本質的に、熱可塑性弾性繊維からなる。弾性繊維フォーム100は、ポリエステルなど(これに限定されるものではない)のあらゆる種類の熱可塑性弾性繊維で製造することができる。具体的には、本考案の好ましい実施形態では、弾性繊維フォーム100は、本質的に低融点PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維および自己捲縮PET繊維を含むポリエステル弾性繊維で構成されており、低融点PET繊維の重量%は低融点PET弾性繊維と自己捲縮PET弾性繊維の総重量の30%〜70%である。自己捲縮PET繊維は、弾性繊維フォーム100の弾力性、堅固さおよび厚さに影響を与える上で重要な役割を果たす。強度補強、細菌耐性または水分吸収などの他の所望の特性に関係して、弾性繊維フォーム100は、熱可塑性弾性繊維以外に、少量の非弾性繊維を含んでいても良い。弾性繊維フォーム100の製造方法は代表的には、全ての繊維を混合する工程;その繊維を開繊機によって開繊する工程;前記開繊した繊維を梳綿機に送って、前記繊維を梳くことで連続かつ均一な繊維ネット層とする工程;前記繊維ネット層を折り畳み機によって折り畳んで90°の垂直積層状態とする工程;前記繊維ネット層をオーブンに送り、150℃〜200℃で圧縮熱風によって前記繊維ネット層を加熱することで、前記自己捲縮PET繊維が捻れて、低融点PET繊維と一体となって、前記弾性繊維フォーム100を形成するようにする工程を有する。弾性繊維フォーム100に関する他の詳細な組成および特性については、台湾特許第567046号(参照によって全内容が本明細書に組み込まれるものとする)に記載されている。さらに、弾性繊維フォーム100をファブリック110、120と組み合わせても良い。図1に示したように、ファブリック110または120は、任意の種類のニットファブリックでよい。留意すべき点として、弾性繊維フォーム100の弾力特性はファブリック110または120との組合せによってはあまり影響を受けない。
図2Aには、本考案による成形エラストマー製造のための装置200を示してある。図2Aに示したように、装置200はプラテン210、プラテン210の上方にある第1の上側鋳型220、およびプラテン210の下方にある第1の下側鋳型230を備える。プラテン210はギャップ212を形成しており、それによって第1の下側鋳型230は定期的に上下動しながらギャップ内へ出入りすることができる。第1の上側鋳型220および第1の下側鋳型230は、第1のスペース240を形成している。弾性繊維フォーム100がプラテン210上に配置され、弾性繊維フォーム100の一部がギャップ212を覆っており、第1のスペース240内に位置している。第1の下側鋳型230を上方に移動させることで、第1の下側鋳型230がギャップ212を通過し、弾性繊維フォーム100に接触する。この行程が終了するとき、第1の下側鋳型230が第1の上側鋳型220とともに成形を施し、その間に弾性繊維フォーム100が変形する。
図2Aに示したように、装置200はさらに、第1の空気流251を発生させるための第1の送風装置250を有する。弾性繊維フォーム100を第1の上側鋳型220および第1の下側鋳型230によってプレスする場合、第1の空気流251を弾性繊維フォーム100に送って、弾性繊維フォーム100の成形を促進する。その上、装置200は、第1の送風装置250に接続された、弾性繊維フォーム100に送る前に第1の空気流251を加熱するための加熱装置260も有する。
図2Aに示したように、第1の送風装置250および加熱装置260以外に、装置200はさらに、弾性繊維フォーム100に送風するための第2の送風装置270および弾性繊維フォーム100に送る前に第2の空気流271を冷却するための冷却装置280を有していても良い。第2の空気流271を用いて、第1の空気流251によって加熱された弾性繊維フォーム100を急速に冷却する。
図2Aについてさらに説明すると、第1の下側鋳型230は、弾性繊維フォーム100と接触する表面233上に第1の開口231および第2の開口232を形成している。第
1の空気流251は第1の開口231から送られ、第2の空気流271は第2の開口232から送られる。第1の開口231および第2の開口232は第1の上側鋳型220に設けられてもよいし、あるいは装置200における他のいずれか好適な装置に設けられてもよいことは、当業者には明らかなはずである。
図2Aおよび2Bには、本考案による成形弾性エラストマーの製造方法を示してある。図1に示したように、その方法には、弾性繊維フォーム100を提供する工程;弾性繊維フォーム100を第1の上側鋳型220と第1の下側鋳型230との間に配置する工程;第1の上側鋳型220および第1の下側鋳型230によって弾性繊維フォーム100をプレスする工程;ならびに第1の空気流251を弾性繊維フォーム100に送る工程がある。弾性繊維フォーム100に送られる第1の空気流251の温度は、操作時の室温よりかなり高い。第1の空気流251の好ましい温度は、100℃〜250℃の範囲である。しかしながら、第1の空気流251の具体的な温度は、弾性繊維フォーム100の性質によって決まる。さらに、弾性繊維フォーム100をプレスする時間および第1の空気流251を送る時間も、選択される弾性繊維フォーム100の特定の性質の関数である。本考案のある種の実施形態によれば、好ましい時間は1秒〜60秒の範囲である。
第1の空気流251を送った後、第2の空気流271を用いて、弾性繊維フォーム100を急速に冷却することができる。第2の空気流271の温度を冷却装置280によって制御して、第2の空気流271の温度を第1の空気流251の温度より低く維持するようにするが、本考案の実施形態による好ましい範囲は10℃〜35℃である。同様に、実行時の第2の空気流271の具体的な温度は、選択される弾性繊維フォーム100に応じて変動し得るものである。さらに、第2の空気流271を送る好ましい時間は、本考案の実施形態によれば1秒〜60秒の範囲であり、実行時の具体的な温度は選択される弾性繊維フォーム100によって変動し得る。留意すべき点としては、この冷却工程は任意選択である。一部の他の実施形態では、加熱された弾性繊維フォーム100を自然に冷却させることができる。
図3に示したように、任意選択で、本考案の方法はさらに、第1もしくは第2の空気流251/271の送風とともに第1の上側鋳型220および第1の下側鋳型230によってすでにプレスされて得られた弾性繊維フォームを従来の成形プレス300によって後プレスして寸法安定性を高める工程も提供する。この工程は、弾性繊維フォーム100の性質に応じて任意選択される。
図3に示したように、成形プレス300は第2の上側鋳型320および第2の下側鋳型330を備え、該鋳型はいずれも金属製であって加熱可能である。第2の上側鋳型320および第2の下側鋳型330が、第1の上側鋳型220および第1の下側鋳型230のプレス操作による製造物である弾性繊維フォーム100を収容するための第2のスペース340を形成している。成形プレス300には、第1の送風装置250も第2の送風装置270もない。前述のように、選択される弾性繊維フォーム100の具体的な性質に応じて、プレス鋳型300を用いて弾性繊維フォーム100の後プレスを行う。従って、プレス鋳型300は、選択的に装置200に装備することができる。成形プレス300の詳細な構造および機能については、本考案の出願人が出願した台湾特許出願第094122835号(参照によって全体が本明細書に組み込まれるものとする)に開示されている。
本考案のある種の好ましい実施形態によれば、上記方法によって得られる成形エラストマーは、耐黄変性、通気性、超軽量かつ非常に柔軟、高吸収性、高度の寸法および形状安定性、防皺性ならびに環境に優しいという機能を提供する。図4には、上記の方法によって弾性繊維フォーム100から転写成形された成形エラストマーを示してある。成形エラストマー410は、アームストロング(Armstrong )による米国特許出願公開第2005
/0164602号(参照によって本明細書に組み込まれる)に開示のプッシュアップ式パッドなどのブラジャーパッド用である。成形エラストマー420は肩パッド用であり、成形エラストマー430は滑り止めパッド用である。図4における点線は、続いて行われる裁断手順用の線を示したものである。
以上、好ましい実施形態を参照しながら本考案についての説明を行った。しかしながら、当業者であれば、本考案の範囲が開示の好ましい実施形態に限定される必要のないものであることは理解できるものである。逆に、本考案は、添付の実用新案登録請求の範囲で定義の範囲内であれば、各種の修正および均等な構成を包含するものである。本願の実用新案登録請求の範囲は、そのような修正および均等構成が全て包含されるように最も広く解釈すべきである。
本考案の原料となる弾性繊維フォームを示す図。 本考案による成形エラストマー製造装置を示す図。 本考案による成形エラストマー製造装置を示す図。 従来の成形プレスを示す図。 本考案の方法によって製造されるいくつかの成形エラストマーを示す図。
符号の説明
100 弾性繊維フォーム
110 ファブリック
120 ファブリック
200 装置
210 プラテン
212 ギャップ
220 上側鋳型
230 下側鋳型
231 開口
232 開口
233 表面
240 スペース
250 送風装置
251 空気流
260 加熱装置
270 送風装置
271 空気流
280 冷却装置
300 成形プレス
320 上側鋳型
330 下側鋳型
340 スペース
410 成形エラストマー
420 成形エラストマー
430 成形エラストマー

Claims (7)

  1. 本質的に熱可塑性弾性繊維からなる弾性繊維フォームを含んでなる成形エラストマーであって、前記弾性繊維フォームが90°の垂直積層状態の繊維ネット層を含むことを特徴とする成形エラストマー。
    ({)
  2. 前記熱可塑性弾性繊維が低融点PET弾性繊維および自己捲縮PET弾性繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の成形エラストマー。
  3. 前記低融点PET弾性繊維の重量%が、低融点PET弾性繊維と自己捲縮PET弾性繊維との総重量の30%〜70%であることを特徴とする請求項2に記載の成形エラストマー。
  4. ブラジャーパッド用に使用されることを特徴とする請求項1に記載の成形エラストマー。
  5. 第1の上側鋳型および第1の下側鋳型を用いて前記弾性繊維フォームをプレスし、室温より高い温度の第1の空気流を前記弾性繊維フォームに送ることにより製造されることを特徴とする、請求項1に記載の成形エラストマー。
  6. 前記第1の空気流より低い温度の第2の空気流を前記弾性繊維フォームにさらに送ることにより製造されることを特徴とする、請求項5に記載の成形エラストマー。
  7. 前記弾性繊維フォームを、第1の上側鋳型および第1の下側鋳型を用いてプレスした後で第2の上側鋳型および第2の下側鋳型を用いてさらにプレスすることにより製造されることを特徴とする、請求項5に記載の成形エラストマー。
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