JP3128562B2 - 水中ラドン検出器 - Google Patents

水中ラドン検出器

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JP3128562B2
JP3128562B2 JP21638294A JP21638294A JP3128562B2 JP 3128562 B2 JP3128562 B2 JP 3128562B2 JP 21638294 A JP21638294 A JP 21638294A JP 21638294 A JP21638294 A JP 21638294A JP 3128562 B2 JP3128562 B2 JP 3128562B2
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茂樹 田阪
嘉三 佐々木
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雅人 中川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中のラドン(Rn)
量を連続的に測定するための装置に関し、特に装置全体
を水中に投入してするのみでRn量の測定を行うことの
できる水中ラドン連続測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水中のラドン量を測定することは、素粒
子物理学や宇宙物理学の発展に役立つことは勿論、例え
ば地震予知や地質構造の解析等においても応用の可能性
が高いと考えられている。何故なら、ラドンは地層のラ
ジウムの含有量を反映しているからであり、また、αあ
るいはβ崩壊して放射線を出すため、ニュートリノある
いは荷電粒子の測定に対するノイズ発生源となっている
からである。
【0003】天文学や素粒子物理学では、超新星や太陽
から地球に向けて飛来してくるニュートリノを観測する
ことによって、星の中心部の光では観測不可能な研究や
宇宙の起源を探ったり、あるいは素粒子そのものの研究
がなされているのであるが、その場合に利用されている
のがニュートリノ反応によって発生した電子によるチェ
レンコフ光の観測である。
【0004】チェレンコフ光は、電子やパイ中間子等の
荷電粒子が水中を高速で走る際に生ずるものであり、例
えば、岐阜県の神岡の地下1000mにある東京大学宇
宙線研究所神岡地下観測所では、直径15.6m、高さ
16mの水槽(カミオカンデ)に純水3000トンを満
たして、この水槽の内壁に約1mの間隔で1000個配
置した光電子増倍管(直径約50cm)によって観測さ
れているものである。
【0005】このような神岡地下観測所の水槽中には、
外部からラドンの侵入が僅かにあって、このラドンがチ
ェレンコフ光観測の所謂「バックグラウンドノイズ」の
発生源となっている。従って、ラドンそのものの除去、
あるいはこの「バックグラウンドノイズ」の発生源を明
確にすることにより、「バックグラウンドノイズ」を限
りなく0に近づけて、正しい観測結果を得るような努力
がなされているのである。そのために、上記水槽中等に
おけるラドンの定量化が望まれているのである。
【0006】ところで、ラドン(Rn)は、不活性ガス
であるが、次の順でαあるいはβ崩壊することが知られ
ている。 ここで、RaA=218Po RaD=210Pb RaB=214Pb RaE=210Bi RaC=214Bi RaF=210Po RaC’=214Po RaG=206Pb である。
【0007】このため、本発明では、ラドンの量を検出
するには、現在確立されているラドン娘核の静電捕集法
を採用することとしたのであるが、水中のラドン測定装
置としては、例えば特公昭55−710号公報、特公昭
55−10872号公報、あるいは特公昭63−190
15号公報にて提案されているものがある。
【0008】特に、特公昭63−19015号公報にて
提案されている「水中ラドン分離装置」は、その公報の
特許請求の範囲の記載からすると、「井戸内に垂下され
井戸水を取込む分離筒と、分離筒下部に接続された所定
深かさの井戸水を採取する採水パイプと、採水パイプに
設けられた逆流防止弁と、分離筒下部に接続され分離筒
内に空気を導入する空気流入パイプと、空気流入パイプ
を介して分離筒内に空気を供給する空気ポンプと、分離
筒下部に設けられラドンガス分離後の排出を排出する排
水弁と、分離筒上部に接続され井戸水中を通ったラドン
含有空気をラドンガス濃度検出器に導く送気パイプと、
送気パイプの途中に設けられたバルブとを有し、分離筒
内に採水された井戸水中に空気を導入し該導入された空
気の空気圧にて排出をしながら井戸水からラドンガスを
分離することを特徴とする水中ラドンガス分離装置」で
あるが、この装置は、基本的には、資料となる水をポン
プによって汲み上げて、この汲み上げた水中のラドンを
検出して、排水を行うものである。
【0009】このような従来のラドン検出装置は、ポン
プ及び配管等の関連機器を必要とすることから、その全
体の構造が複雑なものになるだけでなく、持ち運びする
ことができないものである。特に前述した神岡地下観測
所の水槽のラドン観測についてこの装置を適用しようと
しても、次のような理由によって非常に困難となるもの
である。 ラドンの濃度は連続的に測定しなければならないが、
そのために、槽中の純水を連続的、つまり大量に汲み出
すことは非常に無駄が多い。 採水パイプ等を固定化しなければならないから、大き
な水槽の定点観測しかできないことになる。 ラドン濃度は、資料である水の温度や槽内に混入する
空気によっても変化するものであるため、槽中の水を汲
み上げる方式・装置では誤差が生じ易く、その誤差の測
定ができない。
【0010】また、ラドンのα崩壊は、前述したように
種々な段階の娘核になる場合において生ずるものである
が、1つのラドン原子について、RaA→RaBの段階
(RaAの半減期は約3分)、RaC’→RaDの段階
(RaC’の半減期はゼロに近い)及びRaF→RaG
の段階(RaDの半減期は約20年であるから、この段
階にくるまでには相当の時間を要する)の三つの段階で
のα崩壊をすることが分かっているが、もしα線の全体
量の検出のみでラドンの量を測定するとすれば、上記三
つの段階のα崩壊を含めて測定していることになり、言
わば雑音の多い検出を行っていることになる。できれ
ば、RaA→RaBの段階のα崩壊のみを検出すれば、
ラドンの量の正確な検出が行えることになるのである。
つまり、従来のα崩壊の一括測定では、 ラドンのα崩壊の全ての量を同時に測定することにな
って、正確なラドン量の検出ができない。ということに
なるのである。
【0011】そこで、本発明者等は、ラドン濃度を測定
すべき水中に投入することにより、その水中のラドン濃
度を正確に測定することができるようにするにはどうし
たらよいかについて検討を重ねてきた結果、本発明を完
成したのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の実状
に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題
は、水中のラドン濃度を測定する装置の簡略化である。
【0013】そして、本発明の目的とするところは、静
電捕集法を採用することにより、構造を簡略化して水中
に投入することができ、しかもラドン濃度の測定をリア
ルタイムで正確に行うことのできる装置を簡単な構成に
よって提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、実施
例において使用する符号を付して説明すると、「一つの
開口11を除いて液密的に密閉された容器本体10と、
この容器本体10内に収納した検出部20と、開口11
を覆蓋すべく容器本体10に液密的に取付けた機能性分
離膜30とを備えた水中ラドン検出器100であって、
検出部20を、機能性分離膜30に対向するPINフォ
トダイオード21と、このPINフォトダイオード21
からの信号を増幅するアンプ22と、このPINフォト
ダイオード21のためのバイアス電池23とにより構成
して、検出部20側からの信号線24を容器本体10外
に液密的に導出したことを特徴とする水中ラドン検出器
100」である。
【0015】すなわち、この水中ラドン検出器100
は、一つの開口11に機能性分離膜30を液密的に取付
けることにより、容器本体10内に一つの液密化された
空間を形成しておき、この空間内にラドン検出用の検出
部20を配置したものであり、この検出部20からの信
号を容器本体10から液密的に延出させた信号線24に
よって外部に取り出し得るようにしたものである。そし
て、検出部20としてアンプ22やバイアス電池23を
も含むものとすることにより、水中ラドン検出器100
全体の構造としては、例えばひもやチェーン等によって
吊下げ自在にできるものとしてあるのである。
【0016】換言すれば、この水中ラドン検出器100
は、ラドンの量を検出したい水中に投下して得るものと
してあるものであり、かつ持ち運びは勿論、移動も自在
に行えるようにしたものである。
【0017】また、請求項2に係る発明の採った手段
は、上記請求項1に係る水中ラドン検出器100につい
て、その検出部20を構成しているPINフォトダイオ
ード21を、その表面のpn接合部及びその周辺部を電
気絶縁材料によって被覆するパッシベーション処理を施
したことである。
【0018】
【発明の作用】以上のように構成した各請求項に係る水
中ラドン検出器100の作用について、項を分けて説明
すると、次の通りである。
【0019】[請求項1の水中ラドン検出器100につ
いて]まず、この水中ラドン検出器100の外見的な形
状から考察してみると、この水中ラドン検出器100
は、機能性分離膜30によって開口11が液密的に覆わ
れた容器本体10から信号線24を延出させたものとな
っており、しかもバイアス電池23やアンプ22を内蔵
しているものであるから、一つの独立した検出機器とな
っているのである。従って、この水中ラドン検出器10
0の容器本体10に対してひもやチェーン等の索条を連
結すれば、測定したいラドンを含む水中に直接投下し得
るものとなっているのである。換言すれば、この水中ラ
ドン検出器100は、容器本体10全体を水中に入れる
ことにより、その水中のラドン量を測定し得るものなの
であり、従来のように、ポンプやこれに付随するパイプ
・配管を全く必要としないものとなっているのである。
【0020】勿論、この水中ラドン検出器100は、そ
の容器本体10内が約1気圧となっているため、もし水
中深く沈み込ませれば、開口11を覆っている機能性分
離膜30に大きな水圧が掛ることになるのであるが、以
下の実施例では、この機能性分離膜30の内側にバック
アッププレート31が配置してあるので、ある程度(少
なくとも100m)の深さまでは十分耐えられる構造の
ものとなっているのである。
【0021】さて、この水中ラドン検出器100を、ラ
ドンの混入している水中に入れると、水中に溶け込んで
いるラドン原子が機能性分離膜30を通して容器本体1
0内に入るのである。機能性分離膜30は、疎水性の材
料によって形成されていて、しかも孔径が0.05〜
0.125μmの細孔を多数有しているものであって、
その臨界表面張力が35ダイン/cmと、水の表面張力
の72.8ダイン/cmより小さいため、水中のラドン
原子のみを容器本体10内に通すからである。なお、水
中ラドン検出器100を水中深く沈み込ませていく、す
なわち機能性分離膜30に加わる水圧を高くしていく
と、この機能性分離膜30の水をはじく性質がなくなり
(その時の圧力をwater initiation値
という)、水を透過するようになるが、実施例の機能性
分離膜30はwater initiation値が4
0kgf/cm2 であるから、この水中ラドン検出器1
00は、水深400mまでは使用可能で十分なものであ
る。
【0022】以上のように、水中ラドン検出器100を
水中に沈めていくと機能性分離膜30に加わる水圧が高
くなり、機能性分離膜30を隔てて容器本体10内の気
体圧と外部の水圧との間に(原子)は、機能性分離膜3
0を透過して容器本体10内に入り込み平衡を保つため
に必要なある時間(約10時間)の経過後、機能性分離
膜30を隔てた内外の圧力が等しくなる。つまり、水中
において気相と液相との平衡状態が成立するのである。
一定の圧力において、水中に溶解しているラドンの量
と、容器本体10内に気体として存在しているラドンの
量との比は一定であるから、これにより水中のラドン濃
度の変化に応じた測定が行えることになるのである。
【0023】容器本体10中に入ったラドンガスは、前
述したような段階を経てα崩壊しているものであるが、
このときのα線をPINフォトダイオード21が検出し
ている。勿論、この検出は常時なされているのであり、
PINフォトダイオード21が検出したα線による電気
信号は、アンプ電源線25からの電力により常時作動状
態にあるアンプ22によって増幅されて、信号線24を
介して外部の数値処理システムに常時送られているので
ある。なお、本実施例では、水に接触する容器本体10
それ自体が、アンプ電源線25に対するグランドとなっ
ているものである。
【0024】以上の測定を行った結果、PINフォトダ
イオード21から得られた信号パルスの電圧値には、図
4に示したように、三つのピークが観測された。これら
のピークは222Rnの三つの娘核種、RaA、Ra
C’、及びRaFの放出するα線のものと一致した。こ
のことから、本発明の水中ラドン検出器100は、Ra
Aの全量を計算することにより、水中の222Rnの量を
測定・検出できるものであることが確認されたのであ
る。
【0025】この水中ラドン検出器100を、実際にカ
ミオカンデ(前述の岐阜県神岡の神岡地下観測所にある
水槽実験装置)の3000トンの水槽の純水中に投入し
てラドン濃度を測定した。1992年12月3日に検出
器2台(DetectorNo.1,No.2)をカミ
オカンデの水槽上部から深さ約50cmの水中に沈め
て、10分ごとのRaA、RaC’のそれぞれのカウン
ト数の測定を開始した。
【0026】次に、これらのカウントデータから実際の
水中ラドン濃度を求めるために、濃度較正を行なうこと
が必要である。今回は、鉱山内の坑道の側溝を流れる原
水を用いて、1986年8月から1987年1月までの
期間に測定された液体シンチレーション法での水中ラド
ン濃度データと比較することとした。そのために、19
92年12月19日に新たに前の2台と同一の3台目の
水中ラドン検出器(Detector No.3)を神
岡鉱山内の坑道の側溝の深さ約50cmに設置して、測
定を開始した。この側溝を流れる水は坑道の奥数100
mにある数か所の断層から噴き出したものである。
【0027】現在神岡鉱山のラドン観測システムは3台
のZ80マイコンシステム(最大24台のラドン検出器
が接続可能)とワークステーションより構成され、これ
らの装置はARCNET、Ether−net、ISD
N、internetの通信ネットワークを用いてお
り、オンラインでラドンのデータ解折が可能となってい
る。
【0028】次に、カミオカンデ水槽に投入した2台の
水中ラドン検出器から得られたデータについて解折を行
なう。正確にラドンを検出しているかどうかを確認する
ために、検出器No.1の1992年12月4日から1
993年6月6日までのAD変換器からのデータを重ね
合わせた。使用しているラドン観測用高速AD変換ボー
ドは、入力電圧範囲は0Vから1Vで分解能は8ビット
仕様で、入力信号トリガー電圧値は約100mVにセッ
トされている。図4に検出器No.1のα線スペクトル
を示す。この図4の三つのピークは左からそれぞれRa
F、RaA、RaC’の放出するα線に対応するもので
ある。一番左のRaFのピークは岐阜大学での1か月間
の動作テストによって、PINフォトダイオード21の
表面に付着したRaD(半減期20年)によるものであ
る。次に、RaAとRaC’の1日当りのカウント数の
和を求めるために、この図4の横軸に相当してAD変換
器の出力値が120から180までの面積を1日ごとに
計算した。
【0029】検出器No.1によるRaAとRaC’の
1日当りのカウント数の和の日変動を図6に示す。検出
器No.2についても同様な処理を行い、図7にカウン
ト数の日変動を示す。これらの二つの図では、測定の開
始から1か月は同じようなカウント数の減衰が観測され
ている。神岡鉱山に検出器を搬入して、水中に投入する
までの数時間の間に、鉱山内の高濃度(約3000Bq
/m3 )のラドンを含む空気が機能性分離膜30を通し
て水中ラドン検出器100へ入り込んだためであろうと
考えられる。ラドン濃度の非常に低いカミオカンデの純
水中へこの水中ラドン検出器100を投入すると、侵入
した空気中のラドンは崩壊しながら、やがて新たに水中
から入ってくるラドンと平衡状態に達する。このとき、
カウント数の減衰曲線よりこの放射性元素の半減期を求
めてみると、約4日となった。結果として、この崩壊曲
線の半減期がウラン系列での222Rnの半減期3.8日
と誤差の範囲で一致することから、水中ラドン検出器1
00が確かにラドンを捕らえていることを確かめること
ができた。
【0030】図6および図7からわかるように、2台の
水中ラドン検出器100のカウント数は1月10日頃か
らほとんど平衡状態に達し、5月になって少し増加して
いるように思えるが、6月の始めまでの期間ほぼ一定の
値を示している。
【0031】(坑道の側溝水中のラドン測定)1992
年12月19日から1993年6月6日の期間のデータ
を前述と同じ方法の処理を行い、水中ラドン検出器10
0No.3によるカウント数の日変動を図8に示す。カ
ウント数は約2日間で急激に増加して最大値に達し、そ
の後少し減少して1月5日頃にはほぼ平衡状態となって
いると考えられる。全体的には1月から5月にかけて徐
々に増加して、5月から6月の間は一定値になってい
る。これは季節変化の影響であろうと解釈される。
【0032】(純水中のラドン濃度)地下1000mに
ある観測所では年間を通してほぼ一定の気温・水温の値
を保ち、また過去3年間の坑道内の空気中のラドン濃度
は毎年同じような変動を繰り返していることから、側溝
水中のラドン濃度も1987年と1993年の両年で同
じ値を保っていると仮定すると、カミオカンデの純水中
の設置した水中ラドン検出器100No.1とNo.2
のカウント数からラドン濃度を求めることができる。 表1 ──────────────────────────────────── Day Month Radon concentration Count(day-1) Calibration factor (Bq/m3) in 1987;注 in 1993 by ours (Bq/m3 day) ──────────────────────────────────── 20 Jan. 8 250 500 721 0.0165 15 Apr. 11 500 678 760 0.0169 15 May. 13 400 806 081 0.0166 5 Jun. 12 250 803 456 0.0152 ──────────────────────────────────── Average 11 350 697 255 0.0163 ──────────────────────────────────── 注;金沢大学の山本政儀と坂上正信によって測定された。
【0033】表1のラドン濃度(Bq/m3 )とカウン
ト数(day-1 )の1月から5月までの増加の様子が
たいへんよく対応しており、この二つの測定値から較正
ファクターを計算して表1の右端に示した。濃度が変化
しているにもかかわらず4日間のそれぞれの較正ファク
ター値は一定の値を示しており、4日間の値を平均した
較正ファクターFは、 F=1.63×10-2 (Bq/m3 day) となった。
【0034】水中ラドン検出器100No.1とNo.
2による1日当りのカウント数をそれぞれC1 、C2
して、これらの値を平均して平均カウント数Cを、 C=(C1 +C2 )/2 で求めた。
【0035】平均カウント数Cと較正ファクターFか
ら、カミオカンデの純水中のラドン濃度Qを次式 Q=C×F によって求めることができる。
【0036】カミオカンデの純水中のラドン濃度Qを上
記の手続で計算し、1993年1月10日から6月6日
までの期間におけるラドン濃度Qの日変動を図9に示
す。
【0037】1993年1月10日から6月6日までの
全期間にわたって、カミオカンデ純水中の平均ラドン濃
度は水中ラドン検出器100No.1による濃度を<Q
1 >、水中ラドン検出器100No.2による濃度を<
2 >とすると、それぞれ <Q1 >=0.43±0.13(Bq/m3 ) <Q2 >=0.58±0.13(Bq/m3 ) となる。
【0038】2台の検出器の平均を求めると、カミオカ
ンデ純粋中のラドン濃度<Q>は <Q>=0.51±0.11(Bq/m3 ) という値が得られた。
【0039】以上の通り、本発明の水中ラドン検出器1
00は、これによって得られたデータをリアルタイムで
解折して、カミオカンデの純水中のラドン濃度の変動を
連続測定することが可能となった。1993年1月10
日から6月6日までの全期間にわたってのカミオカンデ
純粋中の平均ラドン濃度は0.51±0.11(Bq/
3 )という結果が得られた。
【0040】これによって、現在バックグラウンドノイ
ズであると考えられているラドンの侵入経路を推定する
ことができるようになり、ラドン除去に重要な役割を果
たすこととなるであろう。
【0041】今回の観測では水中ラドン検出器100を
水槽上部から深さ50cmの水中に沈めたにとどまっ
た。今後は水中ラドン検出器100を増設して、 (1)水槽のさまざまな深さに水中ラドン検出器100
を沈めてそれぞれのラドン濃度とその変動を調べる。 (2)水槽中のラドン濃度と、水槽内上部および水槽外
部の空気中のラドン濃度の変動を比較する。 (3)水槽内の純水の巡回経路中のさまざまな場所での
ラドン濃度とその変動を調べる。 等の測定・検討が必要となるであろう。
【0042】今回の実験では3台の水中ラドン検出器よ
り得られたカウント数を側溝水中のラドン濃度と比較し
て、カミオカンデ内のラドン濃度を推定した。しかし、
ラドン濃度の比較データは1987年1月から1987
年6月のものであったため、われわれが側溝の水のラド
ンを測定した1992年1月10日から1993年6月
の濃度がこれと等しいと仮定している。ラドン濃度は一
年を通じて±20%変化しており、測定値の信頼度をあ
げるためには、水槽中のラドンの測定とともに、比較対
象となる側溝のラドン濃度を液体シンチレーション法な
どによって同時に測定する必要があり、こうすることに
より測定値はより確かなものとなる。
【0043】もしカミオカンデ水槽内のラドン濃度を下
げることができれば、RaCからのβ線の「バックグラ
ウンドノイズ」が減少してやがて完成するスパーカミオ
カンデの信号とノイズの比を上げることに役立つように
なるのであろう。さらにその結果として、ニュートリノ
観測の精度が上がり、素粒子物理学、宇宙物理学の発展
に対してより一層寄与することになるであろう。
【0044】[請求項2に係る水中ラドン検出器100
について]この水中ラドン検出器100では、上記請求
項1の水中ラドン検出器100について、そのPINフ
ォトダイオード21としてパッシベイション処理を施し
たものを採用したから、上記請求項1の水中ラドン検出
器100についての作用と同じ作用をなす他、次のよう
な作用をもなすものである。
【0045】すなわち、このPINフォトダイオード2
1のpn接合部及びその周辺部に、もしパッシベーショ
ン処理が施していないとすると、水中ラドン検出器10
0の組立て時あるいは使用途中に容器本体10内に侵入
するゴミや水分によって、PINフォトダイオード21
のp層とn層との間に絶縁不良を起こすことになるので
あるが、本発明の水中ラドン検出器100におけるPI
Nフォトダイオード21ではそのような絶縁不良は絶縁
樹脂によって生ずることはないのである。
【0046】従って、この水中ラドン検出器100は、
過酷な使用条件に十分耐えるものとなっているだけでな
く、耐久性にも優れたものとなっているのである。
【0047】
【実施例】次に、各請求項に係る発明を、図面に示した
実施例に従って説明するが、実施例に係る水中ラドン検
出器100は、請求項1の水中ラドン検出器100及び
請求項2の水中ラドン検出器100のの両方共を実質的
に含むものであるから、以下では、この実施例に係る水
中ラドン検出器100について説明する。
【0048】図1には、本発明に係る水中ラドン検出器
100の概略断面図が示してあり、この水中ラドン検出
器100は、一つの開口11を除いて液密的に密閉され
た容器本体10と、この容器本体10内に収納した検出
部20と、開口11を覆蓋すべく容器本体10に液密的
に取付けた機能性分離膜30とを備えた水中ラドン検出
器100であって、検出部20を、機能性分離膜30に
対向するPINフォトダイオード21と、このPINフ
ォトダイオード21からの信号を増幅するアンプ22
と、このPINフォトダイオード21のためのバイアス
電池23とにより構成して、検出部20側からの信号線
24とアンプ電源線25を容器本体10外に液密的に導
出したものである。
【0049】容器本体10は、中を1気圧に保持させた
まま水深50mより深い中に沈めても、十分な剛性及び
水密性を有したものとするために、ステンレスあるいは
合成樹脂を材料として形成したものであり、本実施例で
は、図1の上から順に第1本体11a、第2本体11
b、及び第3本体11cの三つの同径筒状体のものを連
結することにより構成したものである。そして、図示上
端になる第1本体11aは、蓋体13によって気密的に
覆蓋してあり、下端の第3本体11cの下端を開口11
としたものである。そして、この実施例の容器本体10
においては、第1本体11aと第2本体11bとの間に
支持板12が液密的に配置してあり、この支持板12に
後述する検出部20が取付けてあって、第2本体11b
と第3本体11cとの間には、後述する機能性分離膜3
0が液密的に取付けてあるのである。
【0050】以上のような容器本体10の第1本体11
a内には検出部20が収納してあるが、検出部20は、
前述した支持板12の図示下面に露出すべく設けたPI
Nフォトダイオード21と、このPINフォトダイオー
ド21からの信号を受けて外部に伝送するアンプ22
と、このPINフォトダイオード21のためのバイアス
電池23とを備えたものである。勿論、アンプ22には
信号を外部へ伝送するための信号線24とアンプ電源線
25が接続してあり、この信号線24とアンプ電源線2
5は容器本体10を構成している蓋体13から各防水コ
ネクタ14を介して容器本体10の外部に導出させてあ
る。なお、このアンプ電源線25に対するグランドは、
本実施例では容器本体10それ自体がなっている。
【0051】PINフォトダイオード21は、図2に示
したように、セラミックケース211内に、n層21
2、空乏層213及び酸化シリコン絶縁層219を積層
して構成したものであり、空乏層213内にはnチャン
ネルストッパ215が形成してあるものである。また、
n層212の一部には、正電極として外部電極217が
接続してあり、この外部電極217の一端は、他の負電
極としての外部電極217とともに、セラミックケース
211の外部に導出してあるものである。
【0052】実施例で採用しているPINフォトダイオ
ード21は、浜松フォトニクス株式会社製の型番S35
90−06のものに、ラドン測定のために、パッシベー
ション処理を施したものである。パッシベーション処理
とは、図2に示した各層間に湿気や塵等が侵入して絶縁
不良を起こさないようにするためのものであり、具体的
には、図2中の酸化シリコン絶縁層219の周辺部の空
乏層213、nチャンネルストッパ215、アルミ電極
216及びp層214を、電気絶縁材料であるポリイミ
ド樹脂218によって被覆することである。また、この
実施例のPINフォトダイオード21は、検出面積が1
0×10mm、厚さ500μmのものであり、両外部電
極217間にバイアス電圧100ボルトをかけたとき、
暗電流が8nA、接合容量21pFとなるものである。
【0053】最初の段階で、このPINフォトダイオー
ド21の窓に取付けてあったガラス製カバーを取り外し
て、神岡地下観測所の坑道内の空気中のラドン濃度測定
の実験を行ったところ、PINフォトダイオード21の
周辺電極部のnチャンネルストッパ215とアルミ電極
216の間に空気中のイオン性の塵が付着して、約1か
月で暗電極が約2μAとなり、測定不可能となった。そ
こで、前述したようなパッシベーション処理を施して、
暗電流増加のバイパス経路を遮断し、素子の耐塵性、耐
湿性を向上させるようにしたのである。このパッシベー
ション処理を施して神岡地下観測所で実用試験した結
果、1年以上のラドン測定に十分耐えることが確認され
たのである。
【0054】以上のようなPINフォトダイオード21
から得られた信号は、アンプ22によって増幅されて、
各信号線24を介して外部に送られるのであるが、この
アンプ22は、図3に示したような回路構成のアンプモ
ジュールを備えているものである。すなわち、このアン
プ22のアンプモジュールは、大きさが2×5cmで、
ハイブリッドタイプのものとして、ラドン測定用のもの
に特別に製作したものである。
【0055】アンプ22を構成しているアンプモジュー
ルは、図3に示したように、プリアンプ、リニアアン
プ、ケーブルドライバーより構成されている。ここでプ
リアンプの入力FET(2SK508)の相互コンダク
タンス(gm値)は定格で26mS(ミリモー)でゲー
トソース間容量を小さくするためにFETはチップ型
で、モジュールにPINフォトダイオード21を直接取
り付けられるように工夫されている。プリアンプの出力
パルスの立上がり時間は30nsである。また、リニア
アンプの時定数は1μsである。
【0056】図3のRR1に抵抗とコンデンサーを外付
して倍率を調整することができて、実際には12kΩと
70pFを外付けした場合にRaAのα線(7.69M
eV)の出力パルスの電圧は約750mVとなった。図
3のJPIの2−3と4−5をビットセッター(電子回
路の接続を変更するための部品)で接続すると非反転出
力となり、3−4と1−2を接続すると反転出力とな
る。またコネクターのCNIの7−8番を使用してPI
Nフォトダイオード21に対する逆バイアス電源として
−120Vをかけており、これは静電捕集電圧にもなっ
ている。この回路の全消費電流は+12Vが21mA、
−12Vが14mAである。カウント率は最大で20カ
ウント/秒と低いため、モジュールにはポールゼロキャ
ンセル回路は含まれていない。
【0057】等価雑音電荷を測定するために、PINフ
ォトダイオード21に241 Amのγ線を照射してルクロ
イ製マルチチャンネルアナライザ3001型(電荷モー
ド)で測定した。図5が測定結果である。右端が59.
4keVのγ線による光電ピークである。このピークの
半値幅より等価雑音電荷は530個電子(FWHM)相
当となる。この結果は、上で述べたgm値などの値を雑
音特性の理論式に代入して得られた期待値とよく一致し
た。
【0058】以上のように構成した検出部20は、前述
した容器本体10内に収納してあるものであるが、容器
本体10内は、前述した通り、蓋体13や機能性分離膜
30によって液密性が保たれているものである。実施例
で採用している機能性分離膜30は、ダイセル化学工業
株式会社製の、商品名「セルガード」というポリプロピ
レン製のマイクロポーラスフィルムである。この機能性
分離膜30は、疎水性のもので、厚さ25μmで最大孔
径0.125〜0.05μmとなっていることは前述し
た通りである。本実施例では、この機能性分離膜30の
縦方向の引張強度を大きくするために、表面に厚さ15
0μmのポリプロピレン不織布をラミネートしたものを
採用し、使用時にはこのラミネート不織布が水に接触し
ないように内側になるようにして使用した。
【0059】また、本実施例では、図1に示したよう
に、機能性分離膜30の内側にバックアッププレート3
1を配置して、このバックアッププレート31により、
機能性分離膜30に加わる水圧に十分耐えるようにして
いる。このバックアッププレート31は、塩化ビニル製
の板に、直径10mmの穴を、56個/123cm2
割合で開けたものである。このようなバックアッププレ
ート31によって、第2本体11bと第3本体11c間
に液密的に挟み込むようにした機能性分離膜30を文字
通りバックアップさせるものであり、機能性分離膜30
の挟み込んだ部分等から裂けるのを防止しているのであ
る。
【0060】そして、本実施例では、図1に示したよう
に、以上のような特性を有した機能性分離膜30及びバ
ックアッププレート31を、容器本体10を構成してい
る第2本体11bと第3本体11c間に挟み込んである
のであるが、第3本体11cそのものが機能性分離膜3
0の物理的衝撃に対する保護を十分なものとしている。
つまり、本発明の水中ラドン検出器100は、これを種
々な場所に持ち運んで、しかも何度も繰り返えし長期間
使用するものであるから、第3本体11cを利用するこ
とにより、機能性分離膜30に損傷を与えないで当該水
中ラドン検出器100を例えば机上にそのまま載置でき
るものなのである。
【0061】
【発明の効果】以上、詳述した通り、請求項1に係る発
明においては、上記実施例にて例示した如く、「一つの
開口11を除いて液密的に密閉された容器本体10と、
この容器本体10内に収納した検出部20と、開口11
を覆蓋すべく容器本体10に液密的に取付けた機能性分
離膜30とを備えた水中ラドン検出器100であって、
検出部20を、機能性分離膜30に対向するPINフォ
トダイオード21と、このPINフォトダイオード21
からの信号を増幅するアンプ22と、このPINフォト
ダイオード21のためのバイアス電池23とにより構成
して、検出部20側からの信号線24を容器本体10外
に液密的に導出したこと」に構成上の特徴があり、これ
により、構造を簡略化して水中に投入することができ、
しかもラドン濃度の測定をリアルタイムで正確に行うこ
とのできる装置を簡単な構成によって提供することがで
きるのである。
【0062】すなわち、この請求項1に係る水中ラドン
検出器100によれば、 ラドンの濃度は連続的に測定しなければならないが、
そのために、槽中の純水を連続的、つまり大量に汲み出
す必要が全くない。 採水パイプ等を固定化する必要がないから、大きな水
槽での垂直分布等のあらゆる場所での観測を行なうこと
ができる。 ラドン濃度は、資料である水の温度や槽内に混入する
空気によっても変化するものであるが、これによる誤差
を生じさせないで測定することができる。 といった優れた効果を発揮することができるのである。
【0063】また、請求項2に係る発明においては、上
記請求項1に係る水中ラドン検出器100を構成してい
るPINフォトダイオード21について、PINフォト
ダイオード21は、その表面のpn接合部及びその周辺
部を電気絶縁材料によって被覆するパッシベーション処
理したことにその構成上の特徴があり、これにより、請
求項1の水中ラドン検出器100と同様な効果を発揮す
ることができる他、 ラドンのα崩壊の必要な部分のみを測定するできて、
正確なラドン量の検出を行うことができる。 という効果をも発揮することができるのである。
【0064】そして、以上のような本発明に係る水中ラ
ドン検出器100は、ラドンの水中での検出を確実に行
えるものである特性を生かすことにより、地震や火山噴
火予知における利用や、地下水、河川、湖沼などの水文
学への利用も十分可能である。具体的利用分野として
は、次のようにまとめることができる。
【0065】(1)地震や火山噴火予知における利用 ラドンは地殻に含まれるラジウムが発生源であるから、
地殻の変動、地震や火山噴火などと深い関係がある。地
下深部の地下水中のラドン濃度を測定することにより、
地震予知などの研究に利用される。
【0066】(2)地質構造の解折 井内のラドン濃度の垂直分布は、各地層中のラジウムの
含有量を反映しているから、井内のラドン濃度を測定す
ることにより、地質構造の解折を行うことができる。こ
の場合、単に水中に投下あるいは沈降させるだけでよい
本発明の水中ラドン検出器100は、特にラドン濃度の
垂直分布の測定には最適なものとなる。
【0067】(3)地表水と地下水との混合割合の解折 河川水中のラドン濃度は、ラドンが大気中に散逸してし
まうことから、低いものであるが、地下水中のラドン濃
度はその散逸が比較的少ないことから、河川水中のそれ
より100倍以上高い。この差を利用して、河川水中へ
の地下水の侵出や、2河川の合流水量比が分る。また、
ダム下流の湧水のラドン濃度から、ダムの漏水量が測定
できる。この場合、持ち運び自在な本発明の水中ラドン
検出器100は、非常に有効なものとなる。
【0068】(4)自然の地下水流の乱れの解折 停滞水と循環水とのラドン濃度差により、地盤沈下機構
の解折への利用や、地滑りとの関連の研究を行うことが
できる。この場合にも、本発明の水中ラドン検出器10
0は、非常に有効なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水中ラドン検出器の概略縦断面図
である。
【図2】同水中ラドン検出器を構成しているPINフォ
トダイオードの概略拡大断面図である。
【図3】同水中ラドン検出器を構成しているアンプのモ
ジュールの電気回路図である。
【図4】同水中ラドン検出器によって得られたα線のピ
ークを示すグラフである。
【図5】図3に示した電気回路での等価雑音電荷を測定
した結果を示すグラフである。
【図6】本発明に係る1台目の水中ラドン検出器による
RaAとRaC’の1日当りのカウント数の日変動を示
すグラフである。
【図7】2台目の水中ラドン検出器によるRaAとRa
C’の1日当りのカウント数の日変動を示すグラフであ
る。
【図8】3台目の水中ラドン検出器によるRaAとRa
C’の1日当りのカウント数の日変動を示すグラフであ
る。
【図9】ある期間でのラドン濃度Qの日変動を示すグラ
フである。
【符号の説明】
100 水中ラドン検出器 10 容器本体 11 開口 11a 第1本体 11b 第2本体 11c 第3本体 12 支持板 13 蓋体 14 防水コネクタ 20 検出部 21 PINフォトダイオード 211 セラミックケース 212 n層 213 空乏層 214 p層 215 nチャンネルストッパ 216 アルミ電極 217 外部電極 218 ポリイミド樹脂 219 酸化シリコン絶縁層 23 バイアス電池 24 信号線 25 アンプ電源線 30 機能性分離膜 31 バックアッププレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 雅人 岐阜県岐阜市柳戸1丁目1番地 岐阜大 学工学部内 (56)参考文献 特開 平6−235773(JP,A) 特開 昭56−6177(JP,A) 特開 昭54−53583(JP,A) 特開 昭53−23680(JP,A) 実開 昭57−64683(JP,U) 米国特許5457323(US,A) 米国特許4853536(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/167

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つの開口を除いて液密的に密閉された容
    器本体と、この容器本体内に収納した検出部と、前記開
    口を覆蓋すべく容器本体に液密的に取付けた機能性分離
    膜とを備えた水中ラドン検出器であって、 前記検出部を、前記機能性分離膜に対向するPINフォ
    トダイオードと、このPINフォトダイオードからの信
    号を増幅するアンプと、PINフォトダイオードのため
    のバイアス電池とにより構成して、 前記検出部側からの信号線を前記容器本体外に液密的に
    導出したことを特徴とする水中ラドン検出器。
  2. 【請求項2】前記PINフォトダイオードは、その表面
    のpn接合部及びその周辺部を電気絶縁材料によって被
    覆するパッシベーション処理を施したものであることを
    特徴とする請求項1に記載の水中ラドン検出器。
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