JP3127996B2 - 合成老化細胞抗原 - Google Patents

合成老化細胞抗原

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、自然状態で存在する抗原に対する抗体に対
して免疫反応性を有する精製されたペプチドからなる合
成老化細胞抗原に関する。この抗原及びペプチドは、組
成物、診断用キット、老化細胞抗原に対する抗体の検出
及び測定、細胞の老化や自己免疫機構の研究、気体また
は液体からの陰イオンの分離、または特定の疾患の治療
に用いることができる。従って、本発明は、学術、診断
及び臨床上、様々な応用範囲を有することが期待され
る。
参考資料 いくつかの公表された論文が、本明細書中に括弧に入
れたアラビア数字で引用されている。これらの参考資料
に関する完全な引用は、本明細書の終わりの請求の範囲
の直前に示した。これらの公表された論文の開示内容
は、ただし書きがないかぎり、本明細書中で参照される
ことによって本願の内容に含まれる。
背景技術 老化細胞抗原(SCA)は、一つの老化抗原であり、老
化した細胞上に出現する蛋白質であって、その細胞を、
IgG自己抗体の結合及びそれに続く食作用(ファゴサイ
トシス)の開始によって除去するための特異的シグナル
として働く(1−14)。このことは、哺乳動物及びその
他の脊椎動物における老化した細胞や損傷をうけた細胞
を除去するための一般的な生理的プロセスの一つである
らしい(4)。当初ヒトの赤血球をモデルとして研究が
行なわれたが、老化細胞抗原は、検討した全ての細胞上
に現われた(4)。老化細胞抗原は、老化及び損傷した
細胞の除去における役割の他に、(臨床的な)溶血性貧
血(7)及び鎌状赤血球貧血(8)における赤血球の除
去にも関与するらしい。また、マラリアに感染した細胞
の除去にも関与するらしい(15)。in situでは、酸化
によって老化細胞抗原が発生する(6)。
老化細胞抗原は、老化した細胞から溶出したIgGを用
いて調製したアフィニティカラムで、シリアグロコプロ
テイン混合物から既に単離されている(4)。上記抗原
が溶出された物質のゲルに糖蛋白質染色及び蛋白質染色
の両方を行なうことにより、成分4.5部位内に相対分子
量62,000の位置に泳動するバンドが存在することが明ら
かになった。これらの実験から、分子量62,000の糖蛋白
質が、新鮮な状態で単離された老化細胞から得られたIg
Gによって認識される抗原決定基を持つことが示唆され
た。この分子量62,000の蛋白質は、同じ起源から単離さ
れるシアログリコプロテイン混合物の中に含まれる他の
シアログリコプロテインと違って、赤血球食作用アッセ
イにおいて、老化RBC(赤血球)から溶出されたIgGの食
作用誘導能を完全に消失させた。このことから、この分
子量62,000の蛋白質は、細胞が老化した時に細胞の膜状
に出現する抗原であることが確認された。
この老化抗原は、蛋白質バンド3から得られる。バン
ド3は形態形成及び膜輸送を担う重要な分子である
(5)。バンド3は、体内の随所に存在する蛋白質であ
る(16−20)。これは赤血球の他に、肝細胞(16)、扁
平上皮細胞(16)、肺細胞(16)、リンパ球(16)、腎
臓(21)、ニューロン(16、17)及び線維芽細胞(16、
20)を含む多くの細胞中に見つかっている。バンド3
は、細胞膜のみならず、核(16)、ゴルジ(18)、及び
ミトコンドリア膜中にも存在する。有核細胞中のバンド
3様蛋白質は、バンド3蛋白質に誘導された細胞表面の
パッチ形成やキャップ形成に関与する(16)。バンド3
は、陰イオン(たとえば塩化物イオン、重炭酸イオン)
の交換を仲介することによって酸−塩基のバランスを維
持する(22−24)。バンド3は二酸化炭素代謝において
中心的な役割を果たすために、脊椎動物において最も激
しく使われるイオン輸送系である。バンド3は、バンド
2.1(アンキリン)への結合によって内部細胞骨格に細
胞膜を接着させる(26)主要な膜貫通型の構造蛋白質
(25)である。この輸送及び細胞骨格ドメインは、トリ
プシンを用いた蛋白質分解によって分割することができ
る。トリプシンによる消化によって、52,000ダルトンの
膜結合性輸送ドメイン及び、細胞骨格蛋白質に結合する
40,000ダルトンの水溶性の細胞質ドメインが得られる。
バンド3な輸送ドメインは進化の過程で高度に保存され
ており、また、バンド3の多型は発見されていない。老
化細胞抗原(SCA)は、この輸送ドメイン上に発生する
(5)。
タナーら(Biochem.J.256:703−712(1988)、本明細
書中に参考資料として含まれている)は、ヒト赤血球の
バンド3蛋白質に対応するcDNAクローンを単離し、推定
されるアミノ酸配列を決定した。その論文では、この蛋
白質の特定の細胞内領域及び細胞外領域について考察し
ている。
本発明者らは、バンド3蛋白質の別々の部分に対応す
る2個のペプチド断片の配置及び配列を決定した。これ
らの断片のそれぞれはIgG自己抗体との免疫反応性を有
し、この抗体が自然状態で存在するSCAに結合するのを
部分的に阻害する。驚くべきことに、本発明者らは、こ
れらのペプチド断片のそれぞれが協調的に働いて、自然
状態で存在するSCAに対する自己抗体の結合を実質的に
阻害し、2個のペプチドが結合した合成老化細胞抗原を
構成していることを発見した。この合成SCA及びペプチ
ド成分は、学術、診断、臨床上様々な応用範囲を有する
ことが期待される。
発明の開示 本発明の目的は、SCAに対する自己抗体に対して免疫
反応性を有する精製ペプチドを供給することである。
本発明の更なる目的は、このようなペプチドの混合物
を含有するか、このようなペプチドが共有結合で架橋さ
れている構造体を含有する合成SCAを供給することであ
る。
本発明の別の目的は、試料中のSCAに対する自己抗体
の存在を検出または測定するための手段及びキットを供
給することである。
本発明のさらに別の目的は、老化細胞IgGの老化細胞
に対する結合を阻害する手段を供給することである。
本発明のさらに別の目的は、気体または液体から陰イ
オンを分離または保持するための手段及び装置を供給す
ることである。
本発明の更なる目的は、本発明に記載されている合成
抗原及びペプチドを含有する医薬品または化粧品を供給
することである。
本発明の更なる目的は、細胞の老化に影響を与える方
法、自己免疫疾患の治療を行う方法、または動物におけ
る免疫反応を増強する方法を供給することである。
これに加えて、本発明の目的と効果は、以下の記載部
分の中で示され、一部はその記載から明らかであるか、
または本発明の実施によって知ることができる。本発明
の目的及び効果は、特に、添付の請求の範囲中に指摘さ
れる手段及び組合せによって達成される。
この目的を達成するため、及び本発明の目的に従っ
て、ここに具体化し、広範にわたって記載したように、
本発明は、合成SCAを供給する。一つの形態において
は、この合成SCAは、SCAに対する抗体に対して免疫反応
性を有するペプチドの混合物を含む。別の形態において
は、これらの免疫反応性ペプチドは化学的に架橋されて
いる。この合成ペプチドは、それぞれSKLIKIFQDHPLQKTY
N及びLFKPPKYHPDVPYVERのアミノ酸配列を有する2つの
ペプチドからなることが好ましい。
別の形態において、本発明は、試料中のSCAに対する
抗体を検出または測定する手段及びキットを含む。この
手段は:(1)上記の抗体が含まれていることが推定さ
れている試料と、合成SCAまたは本発明中の成分ペプチ
ドとを、この抗原またはペプチドとその抗体の間に免疫
学的な反応が起こるに十分な時間及び条件下で接触させ
ること;及び(2)反応が起こった場合にそれを測定す
ることからなる。上記のキットは、合成SCAまたはペプ
チドが入れられた容器、及び上記の免疫学的反応を検出
し測定する手段を含む。後者は、そのような抗体が検出
できるように標識された抗−抗体、または、SCA若しく
はペプチドが検出できるように標識された抗体であるこ
とが好ましい。
本発明はさらに、in vivo及びin vitroにおいて、
十分な量の合成SCAまたは成分ペプチドを投与または添
加することによって、当該in vivo及びin vitroの系
において、老化細胞に対する老化細胞IgGの結合を阻害
する手段を供給する。
本発明は、また、気体または液体から陰イオンを分
離、または保持するための手段及び装置を供給する。十
分量の合成SCAまたは成分ペプチドの中の一つは、この
抗原またはペプチドと陰イオンとの間で複合体を形成す
るために必要な十分な時間、上記の気体または液体と接
触させられる。その後、この複合体は、上記の気体また
は液体から分離される。上記の合成抗原またはペプチド
は、アフィニティカラム中で、不溶性の基質に結合して
いることが望ましい。別の望ましい形態は、上記の合成
抗原またはペプチドが膜に結合しているものである。
最後に本発明は、細胞の老化に影響を与え、あるい
は、抗SCAIgGがなんらかの役割を果たしているような、
ヒト、哺乳動物またはその他の脊椎動物の疾患を治療す
るための手段及び医薬品若しくは化粧品を含む。医薬品
または化粧品として有効な量の上記合成SCAまたは成分
ペプチドの中の一つが、上記抗体の活性を部分的または
完全に阻害するために宿主に投与される。この医薬品若
しくは化粧品、医薬品若しくは化粧品として許容されて
いる担体中に含まれた有効量の上記合成SCAまたは成分
ペプチドからなる。別の方法においては、上記合成SCA
または成分ペプチドは、宿主の免疫反応を増強させるよ
うな経路で投与することも可能である。この投与は、SC
Aまたはペプチドを、特定のタイプの細胞に標的を絞っ
て行なわれることが好ましい。
添付の図は、本明細書に含まれその一部を構成してお
り、本発明の一つの形態を説明し、本明細書記載内容と
共に本発明の原理を説明するために役に立つ。
図面の簡単な説明 図1は、ヒト赤血球膜陰イオン輸送蛋白質(バンド
3)のcDNA配列及び推定されらアミノ酸配列を示してい
る。
図2は、赤血球に対する老化細胞IgG結合の合成ペプ
チドまたは合成ペプチド混合物による阻害を示してい
る。拮抗阻害の研究は、実施例1に記載された方法で、
グラフ中に示された濃度で行なわれた。ペプチド混合物
については、用いられた全ペプチド量は、総量の半分を
構成するそれぞれのペプチドについて示された量の合計
である。図2A.(▲)CYTO(R139−159);(●)ANION
1(R538−554);(○)COOH(R812−827);(×)
ANION 1及びCOOHの混合物。図2B.(●)COOHのアミノ
末端の6個のアミノ酸からなるCOOHの6量体(N6);
(×)COOH6量体(N6)及びANION 1の混合物;(○)
GLYCOS(R630−648);(▲)ANION 2(R588−60
2)。ANION 1、COOH、及びそれらの混合物に関するデ
ータは、個々に繰り返し測定を行なった3回の独立した
阻害実験の平均値である。グラフの直線は、最小二乗法
によって決定した。ANION 1及びCOOHのデータは、図2
Aにおいては1本の直線で決定することができた。その
他のCOOHサブペプチドは、以下に示す阻害率を示した:R
818−827(17M、12.7μg)、54±7%;R818−823(17
M、6.9μg)、27±4%;R822−827(70.6M、30μ
g)、30±2%。
図3は、陰イオン輸送蛋白質バンド3の結合膜内領域
及び外部領域のモデルである。
図4は、活性老化抗原部位が局在化している場所を知
るために、合成ペプチドに対するSCIgGの結合を用い
て、電気泳動ブロットを免疫標識して決定されたバンド
3分子の泳動位置を示している。図4Aは、クマシーブル
−R染色に続いて銀染色したペプチドのポリアクリルア
ミドゲルを示している。図4Bは老化した赤血球から得ら
れたIgG自己抗体とインキュベートして得られたイムノ
ブロットのオートラジオグラムを示している。
ペプチド及びそれらの残基番号は:A.CYTC、129−14
4、AGVANQLLDRFIFEDQ;B.426−440、LLGEKTRNQMGVSEL;C.
515−531、FISRYTQEIFSFLISLI;D.526−541、FLISLIFIYE
TFSKLI;E.ANION 1、538−554、SKLIKIFQDHPLQKTYN;F.
549−566、LQKTYNYNVLMVPKPQGP;G.561−578、PKPQGPLPN
TALLSLVLM;H.573−591、LSLVLMAGTFFFAMMLRKF;I.ANION
2、588−602、LRKFKNSSYFPGKLR;J.597−614、FPGKLR
VIGDFGVPISI;K.609−626、GVPISILIMVLVDFFIQD;L.620−
636、VDFFIQDTYTQKLSVPD;M.GLYCOS、630−648、QKLSVPD
GFKVSNSSARGW;N.645−659、ARGWVIHPLGLRSEF.O.776−79
3、MEPILSRIPLAVLFGIFL;P.789−805、FGIFLYMGVTSLSGIQ
L;Q.800−818、LSGIQLFDRILLLFKPPKY;R.COOH、818−82
7、LFKPPKYHPDVPYVKR;及び、S.822−839、VPYVKRVKTWRM
HLFTGIである。
図5は、バンド3の合成ペプチドCOOH、または、リジ
ンをグリシン(COOH−G)若しくはアルギニン(COOH−
R)で置換したCOOHによる赤血球に対する老化細胞IgG
結合能を阻害を示している。
図6は、陰イオン輸送のバンド3合成ペプチドによる
阻害を示している。等モル量の硫酸イオン及びバンド3
ペプチドが使用された。*P≦0.05;**0≦0.001;*
**P≦0.001は、ペプチドを含まない対照と比較した
際の値である。
COOHの“ウォーキング”のために使用されたペプチド
は;789−805、FGIFLYMGVTSLSGIQL;804−811、QLFDRILL;
COOH、812−827、LFKPPKYHPDVPYVKR;813−818、FKPPKY;
818−823、YHPDVP;818−827、YHPDVPYVKR;822−837、VP
YVKR;822−839、VPYVKRVKTWRMHLFTGI;828−834、YKTWRN
H;R830−835、TWRMHL;及び、832−837、RMHLFT、であっ
た。
図7は、赤血球の陰イオン輸送を行うバンド3の合成
ペプチドCOOH、または、リジンをグリシン(COOH−G)
若しくはアルギニン(COOH−R)で置換したCOOHによる
阻害を示している。
発明を実施するための最良の形態 本発明の現在における好ましい形態はここで詳細にわ
たって述べられ、その記載内容は、その後に続くいくつ
かの実施例と共に本発明の原理を説明するために役立
つ。
本発明は合成老化細胞抗原(SCA)及びこれを有する
ペプチドに関する。この抗原は主としては、自然状態で
存在し老化した細胞に結合するSCA(IgG自在抗体)に対
する抗体に対して免疫反応性を有する2個のペプチドか
らなる。ここで用いられている。“ペプチド”という用
語は、ペプチド結合によって結合されている40個以下の
アミノ酸からなる分子を意味する。
私達がANION 1と呼ぶ、これらのペプチドの中の一
つは、ヒトのバンド3のヌクレオチド配列及びそれから
派生するアミノ酸配列を示している図1に示されるよう
に、ヌクレオチド配列1612−1662にコードされている。
これは、アミノ酸残基の538−554番目に対応する。従っ
て、ANIO 1のアミノ酸配列は、SKLIKIFQDHPLQKTYN(S
er−Lys−Leu−Ile−Lys−Ile−Phe−Gln−Asp−His−P
ro−Leu−Gln−Lys−Thr−Tyr−Asn)である。
2番目のCOOHと呼ばれる主要なペプチドは、図1の中
に示されたように、ヌクレオチド配列の2434番目から24
81番目の残基にコードされ、これは、アミノ酸配列の81
2番目から827番目の残基に対応する。従って、COOHのア
ミノ酸配列は、LFKPPKYHPDVPYVER(Ser−Phe−Lya−Pro
−Pro−Lys−Tyr−His−Pro−Asp−Val−Pro−Tyr−Val
−Lys−Arg)である。
本発明のペプチドは、少なくとも実質的に純粋であ
り、より好ましくは純粋である。ここで使用される場合
は、“実質的に純粋”という用語及びこれと同等の用語
は、そのペプチドが重量で、少なくとも90%の純度を有
することを意味する。これは、そのペプチドが、重量で
10%を越える、そのペプチドとは異なる化学物質を含有
しない、ということである。ここで使用される場合、
“純粋”という用語及びこれと関連する用語は、そのペ
プチドが、重量で、少なくとも95%の純度であり、ま
た、重量で少なくとも99%の純度であることが望まし
い、という事を意味する。
本発明のペプチドは、自然状態で存在するSCAの効果
を模倣するように、共に協調的に働く。従って、本発明
の合成SCAは純粋若しくは実質的に純粋なペプチドの混
合物であり、それぞれSCAに対する抗体に対して免疫反
応性を有している。これらのペプチドは、ANION 1とC
OOHとの比率が、約90%対10%から、約10%対90%の間
にあることが好ましく、50%対50%であればより好まし
く、ANION 1:COOHが、重量比でおよそ40%対60%であ
ることが、最も好ましい。
本発明のペプチド、化学的に架橋して合成SCAを形成
する。幾つかの方法により、ANION 1とCOOHとを混合
したときに生ずる強力な集合体に類似する、共有結合し
た集合体が形成される。一つのアプローチは、C末端に
CYSを付加することによって修飾したANION1を合成し、
N末端にCYSを付加することによって修飾したCOOHを合
成することである。ANION−1−S−S−COOHの形から
なるジスルフィド結合したペプチドは、続いて行われる
混合及び高速液体クロマトグラフィーにより得られる。
抗SCAIgG自己抗体に結合し協調能力を示すANION 1及
びCOOH(例えばペプチドN6)のより短い(6−10アミノ
酸)内部配列を同定するために、別なアプローチとして
ここに記載された“ウォーキング”の手法が用いられ
る。正確な順序でこれらの部分を含むように、6−20ア
ミノ酸残基の単一のペプチドを合成することができる。
必要ならば、正確な折りたたみを確認するように、グリ
シンのようなスペーサーをこれらの2個のペプチドの間
に挿入することが可能である。
ANION 1及びCOONについては、特にそのアミノ酸配
列及びヒトのバンド3上の位置に言及してそれぞれ記載
されている。ここに記載された内容を知ることで、本技
術に熟練した者は他の動物のSCAから、類似したペプチ
ドを得ることができる。そのような者は、また、特定の
アミノ酸を修飾したり、ANION 1やCOOHと比較してタ
イプやアミノ酸配列に若干の違いがあり、しかもその機
能はそれらに類似しているようなペプチドを修飾したり
構築するような官能基特異的な試薬を用いるような既知
の技術を行使することもできる。このような技術は、ニ
ューヨークのアカデミック出版から1990年に出されたM.
P.ドイチャーの編集によるGuide to Protein Purifi
cation(Methods in Enzymology、182巻の別冊)に開
示されており、参考資料として本明細書中に含まれてい
る。さらに、当業者は、ここに開示されているペプチド
をそれらの活性を増強するように修飾する目的で使用す
ることができる。従って、本技術分野の当業者は、共通
の構造要素及び作用機構を有し、2〜3個のアミノ酸残
基が異なるだけの1群の合成SCA及び成分のペプチドを
想到し、得ることができる。また、そのような群の主要
な要素であるANION 1やCOOH、及びANION 1とCOOHと
からなる合成SCAは、本発明の技術によって同定でき
る。従って、そのような修飾された、あるいは類似し
た、あるいは活性の増強したペプチド及び合成SCAは、
それらが自然発生するSCAに対する抗体に対して免疫反
応性を有する限りにおいて、本発明の範囲に含まれる。
本発明のペプチドは、約16−17個のアミノ酸鎖長のペ
プチドを合成するために用いることのできるいかなる技
術によっても合成することができる。現在採用されてい
る方法は、メリフィールドの固相合成法(リウ、T.シュ
クター、A.ヘインリクソン、R.及び、コンドリフェ、P.
の編集で、アムステルダムのエルセビア/ノールトホラ
ントより出されたメリフィールド、R.B.の(1981年)、
Chemical Synthesis and Sequencing of Peptides
and Proteinsの中の“固相ペプチド合成法における
最新の方法”、pp.41−52)(ここに参考資料として含
まれる)に基づいており、通常は自動固相ペプチドシン
セサイザーを用いて行なわれる。
上記の合成SCA及び成分ペプチドは、多様な適用法及
び多様な分野で有用である。これらには、科学的な研
究、臨床診断、疾患の治療及び空気や水の精製が含まれ
る。
上記の合成SCA及びペプチドは、多様な化学実験及び
科学的な研究に使用することができる。基本的には、そ
れらは、in vivo及びiv vitroで、老化した細胞に対
する老化細胞IgGの結合の阻害に関連しあるいは当該阻
害が必要とされる全ての手法または技術に用いることが
できる。老化細胞IgGの結合を阻害するのに十分な量の
合成SCAまたは上記ペプチドの中の一つが、in vivoま
たはiv vitroの系に投与される。投与の量と条件は、
ここに示された技術に熟練した者によって通常の実験か
ら決定することができる。
本発明による生成物は、ヒト及びその他の動物におけ
る多様な生理学的、生化学的及び免疫学的機構を研究す
るために使用することができる。具体的には、いかに示
すような事項に使用できる。
1.細胞の老化、退化、及び寿命 2.老化細胞の除去 3.細胞膜を透過する陰イオン輸送 4.増加した老化細胞が何らかの役割を果たしている、溶
血性貧血、鎌状赤血球貧血及び特発性血小板減少性紫斑
症のような疾患の機構 5.リウマチ関節炎や全身性エリテマトーデスのような、
その他の自己免疫疾患の機構 6.マラリア及び癌に関与するような、その他の疾患の機
構、である。
本発明で扱う組成物は、抗SCA抗体を含むin vitro及
びin vivoの系で使用した場合に、情報やデータを供給
するのに十分な量の本発明の合成SCAまたはペプチドを
含有する研究用試薬として有用である。特定の研究目的
を達成するために必要なSCAまたはペプチドの量の決定
は、関与する研究に特異的なタイプによって異なり、そ
のような研究を行なう者の技術の中では容易なことであ
る。
上記の抗原及びペプチドは、ヒト及びその他の動物か
ら得られた組織及び血液のような生体試料中のSCAに対
する抗体を検出または測定するための診断用アッセイに
おいて使用できる。そのような抗体を含有する可能性が
ある試料は、免疫学的な反応を起こし、それによって抗
原が抗体に結合させるために、当業者に知られた適切な
条件及び十分な時間で、上記のペプチドまたは合成SCA
と接触させられる。その後、上記の免疫学的反応が起こ
っているかどうかが、当業者に知られた方法及び技術を
用いて測定される。試料中の抗体の測定ができれば、上
記反応の程度もまた、測定できる。上記のペプチド及び
抗原は、それらが液体相または固相の担体に結合されて
利用できる場合には、多様なイムノアッセイで使用でき
る。さらに、それらは、そのようなイムノアッセイで使
用するために、検出できるように様々な方法で標識する
ことが可能である。これらのイムノアッセイには、これ
らに限定されるわけではないが、ラジオイムノアッセ
イ、ウエスタンブロット、エンザイムリンクドイムノソ
ルベントアッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ、化学
発光アッセイ、または生体発光アッセイを含む。本発明
のペプチド及び抗原を標識するために使用することので
きる様々な検出可能な部分、標識するための技術、そし
て、様々な特異的アッセイ及びそれらを使用するための
諸条件は、当業者にはよく知られたことである。たとえ
ば、1984年12月4日に発行されたデビッドらによる米国
特許番号4,486,530、1987年11月24日に発行されたモン
タニエらによる米国特許番号4,708,818、及び、1988年
6月28日に発行されたベルツらによる米国特許番号4,75
3,873を参照されたい。これらは全て本明細書中に参考
資料として含まれている。
本発明は、科学的な研究または臨床診断用のキットも
含んでいる。このキットは、本発明のペプチド若しくは
合成抗原を保持する容器と、上記のペプチド若しくは抗
原とSCAに対する抗体との免疫学的反応を検出または測
定するための手段と、からなる。このような手段は、そ
の抗体(パーオキシダーゼで標識したヤギ抗IgGのよう
に)に対する検出可能な標識をした抗体を含むか、また
は、上記の抗原またはペプチドに対して検出できるよう
に標識した抗体を含むことが好ましい。
本発明は、また、イムノアブソーバント(免疫吸収
剤)として働く合成SCAまたは成分ペプチドを固相基質
に結合させたアフィニティカラムに溶液を通過させるこ
とによって、その溶液から抗SCA抗体を除去するような
方法も含んでいる。シュルターとマルカロニスによっ
て、Proc.Natl.Acad.Sci.USAの83巻1872−1876(1986)
(本明細書中に参考資料として含まれている)に記載さ
れたように、上記のペプチドは、抗原性の安定した形
で、エポキシ活性が付されセファロース(セファロース
−4B、ファルマシア社)に共有結合により結合させられ
る。
本発明の抗原及びペプチドの別の適用は、陰イオンを
移送または保持するような、方法及び装置に関する。CO
OH、別のペプチド(これも実施例1の中で記載した如く
合成された)及びANION 2は、実際にいかなる陰イオ
ンとも結合する。従って、これらは様々な気体、溶液
や、その他の系から陰イオンを除去する目的で使用する
ことができ、また、そのような陰イオンの分別輸送に使
用できる。たとえば、これらは、天然または合成膜、バ
リア、または合成陰イオンポンプの中に組み込むことが
できる。合成膜中への取り込み過程は、リポソームの調
製で用いられると同様な原理で起こり、これは1981年
に、アムステルダムのエルセビア/ノールトホラントよ
り出されたLiposomes:From Physical Structure to
Therapeutic Applications、ナイト、C.G.ら編集)
のpp.55−82に、スゾカ、F.とパパハジョポロス、D.に
よって、“リポソーム:その調製及び特性”として開示
されている(本明細書中に参考資料として含まれてい
る)。上記の抗原及びペプチドは、様々な媒体から陰イ
オンを分離するように使用することができる。たとえ
ば、それらは単独で、または可溶性あるいは不溶性のマ
トリックスに結合させて、溶液中の陰イオンを分離する
ように使用することができる。このことは、たとえば、
海水の精製に適用する。さらに、本発明の生成物は、空
気からの陰イオンの除去または陰イオンの交換に使用す
ることができる。このような空気の清浄化に関する適用
例は、スペースシャトルのような閉鎖系の中に見いだす
事ができる。
具体化例において、流動性の媒体中で使用する場合に
は、ペプチドは、セファロース(特に調製されたアガロ
ース)のような不溶性の基質に共有結合していることが
好ましく、空気中で使用する場合には、ポリスチレンま
たはポリカーボネートのような固相基質に共有結合して
いることが好ましい。上記の不溶性基質は、アフィニテ
ィカラム中に充填されていることが好ましい。ここに参
考資料として含まれている、ロス、C.R.、ヒューバー
ド、R.A.、シュルター、S.F.、ディアマンジュラス、
A.、ワング、A.C.及びマーカロニス、J.J.がImmunologi
c Researchの8巻:81−97に記載した方法に従って、ペ
プチドを流動性の媒体中に添加し、その後37℃での温和
な加熱によってその溶液を乾固することにより、当該ペ
プチドは安定な可溶性基質に固く結合させることができ
る。陰イオンのトラップとして使用する場合には、表面
積の大きいペプチドで誘導体化した基質が必要とされる
ため、繊維または粉末が使用される。
従って、本発明は、十分量の本発明のペプチドまたは
合成抗原を気体または液体に接触させることによってそ
の抗原またはペプチドと陰イオンの間で複合体を形成さ
せ、陰イオンを含有する気体または液体(すなわち溶
液)から陰イオンを分離する手段を含む。上記の複合体
は、その後技術上周知の方法によって上記の気体または
液体から分離される。上記の抗原またはペプチドは、ア
フィニティカラム中のように、不溶性の基質に結合して
いることが好ましい。また、これらは、気体または液体
に接触する膜に結合していることが好ましい。
本発明の生成物の別の応用は、血液の貯蔵耐用期間を
変化または延長させることである。SCAは、貯蔵された
赤血球の除去を誘発する。有効量の上記抗原またはペプ
チドは、抗SCAIgGの結合を阻害するように貯蔵血液に添
加されうる。または、実質的に全ての自己抗体を除去す
るに十分な時間、血液を不溶性の基質に付着させた合成
SCAまたは成分ペプチドに接触させることができる。血
液はその後回収される。
本発明の抗原及びペプチドはまた、医薬品及び化粧品
としての有用性を有することが期待される。合成老化細
胞抗原は、in vitroで老化細胞の除去を開始する、生
理学的な自己抗体の生物学的活性を阻害する。私達は、
この抗原が細胞の崩壊及び疾患を防ぐために使用でき、
そして、in situでの細胞の寿命を操作するために使用
できる、という仮説を立てた。後者の仮説は、老化抗原
性部位の部位特異的変異原性によって試験することがで
きる。従って、これらの生成物をヒト及びその他の動物
の体内または体外に使用することは、細胞の老化、退
化、及び寿命に影響を及ぼす事が期待される。これらは
また、自己免疫反応に影響することが期待され、従っ
て、SCAや抗SCAIgGがなんらかの役割を果たしているよ
うな疾患の治療に有用性を見いだされることが期待され
る。合成老化細胞抗原または、自己免疫溶血性貧血や特
発性血小板減少性紫斑症のような、正常量を越える抗SC
A IgGがあることによって引き起こされる疾患におい
て、iv vivoにおける赤血球及び血小板の崩壊の防止ま
たは阻害する効果を有するであろう。従ってい、本発明
は、本発明の上記抗原及びペプチドの使用によって、老
化細胞の除去を開始させる自己抗体の生物学的活性を阻
害し、細胞の老化及び退化に影響を与え、自己免疫反応
に影響を与え、そして、ヒト及びその他の動物、特に哺
乳動物における抗SCA IgGレベルの増加によって引き起
こされる疾患を治療する方法を含む。薬剤として効果の
ある量のこれらの物質は、治療の必要のある宿主動物に
投与される。
SCAに対する抗体を除去するように、ペプチドまたは
合成SCA抗原を可溶性の剤形で上記の各個体に注射する
ことができる。または、血漿分離交換法の方式も使用す
ることができ、そこでは、SCAに対する抗体を除去する
ために、上記の人の血漿を上記ペプチドまたは合成SCA
を含有する不溶性の基質を通して循環させる。この不溶
性基質はアフィニティカラム中に充填されていることが
好ましい。この方法は、SCAに対する抗体を除去するの
が望ましいような自己免疫疾患において有用である。
癌のような免疫反応を増強させることが望ましいよう
な疾患に関しては、可溶性の剤形の合成SCAを単独で、
あるいはこれらの免疫原性を増すために担体と共に注射
することができる。注射は、たとえば、多回投与プロト
コルで、皮内または皮下に行なわれる。上記合成SCA
は、技術上周知の技術によって特定の型の細胞に標的を
絞ることができる。たとえば、これをその特定の細胞に
対して特異的なモノクローナル抗体と結合させることが
できる。または、これを細胞膜に結合することが知られ
ているポリ−L−リジンと結合させることができる。
不溶性マトリックスに結合させたSCAは、ヒトまたは
自己由来の血漿からSCAに対する抗体を吸収するために
使用できる。これは、細胞の除去を増加させるため、あ
るいは、細胞上の抗原に結合するFabフラグメントを調
製しそれによって疾患の除去を行なう(たとえば、貯
蔵)ために注入することができる。
一般に、これらの物質は、薬剤学的に、混合しても反
応しない担体を用いて投与される。従って、本発明は、
動物、特に哺乳動物、さらに特にヒトにおいて、抗SCA
IgGレベルの上昇によって引き起こされる疾患を治療
または改善させるような医薬品を含み、この医薬品は、
本発明による、治療または症状の改善をおこすような、
薬剤または許容される担体中に含まれた有効量の抗原ま
たはペプチドからなる。
合成SCAを含有する医薬品を静脈内、経口、皮内、皮
下、眼内、関節下、筋肉内及び包膜内といった局所に、
注射または局所適用することが考えられる。投与の様式
は、関与する疾患に必然的に依存する。
投与すべき抗原またはペプチドの量は、治療する個々
の疾患に依存して変化する。そのような投与は、治療用
量を決定する当業者によって通常通りに決定され、これ
は、過度な実験をすることなしに、日常行なわれる業務
の範囲内で行なわれる。
本発明による物質は、その抗老化活性のために、化粧
品にも有用である。従って本発明は、化粧用に許容され
る担体中に化粧用として有効な量の本発明の合成SCA若
しくはペプチドを含む化粧用組成物を含む。
医薬用及び化粧用の組成物は上記技術の中では周囲の
技術によって調製され、この中に示される方法でも得ら
れる。上記のペプチドまたはSCAは、この目的に通常使
用される。溶媒、安定化剤、可溶化剤、不活性な薄め液
のような添加剤と混合され、通常の方法によって、錠
剤、カプセル、溶液、懸濁液及びエマルジョンのよう
な、適切な投与剤形に変化させられる。
特別の問題又は状況に対して本発明を適用すること
は、本明細書に示される記載を参照すれば当業者の能力
の範囲内にあることが理解されるべきである。本発明の
製品の例及び使用方法は、以下の実施例の中に記載され
ている。
実施例1 老化細胞抗原の局在及び一次構造 合成ペプチドを作成し、老化した細胞上の老化抗原に
対するIgGの拮抗阻害アッセイ及びイムノブロット法を
用いて、バンド3上の老化抗原性部位を同定した。その
結果:a)老化抗原の活性のある抗原性部位は、膜蛋白質
バンド3の陰イオン輸送に関与する細胞外領域残基(53
8−554及び788−827番残基)に存在すること;b)推定上
のアンキリン結合領域のペプチドは老化細胞抗原活性に
関与していないこと;そして、c)合成ペプチド単独で
老化細胞IgGの赤血球に対する結合を消失させることか
ら、炭水化物部分は、老化細胞抗原の抗原性にも認識に
も必要とされないこと、が判明した。これらの老化抗原
となる推定の輸送部位の中の一つは、そのカルボキシル
末端に位置していた。バンド3のモデルが示された。バ
ンド3分子上の活性のある抗原性部位の分布を測定する
ことにより、加齢に伴って起こる細胞レベルのみならず
分子レベルでの変性をひきおこす分子変化を同定するこ
とが容易になる。
実験材料及び実験方法 ペプチドの硫酸ドデシルナトリウム(NaDodSO4)ポリア
クリルアミドゲル電気泳動及び免疫染色 ペプチドは6
−25%または12−25%のリニアゲル上で分析する(6、
7、27−29)。イムノオートラジオグラフィーは、前記
記載(7、7、28−30)の通りに、イムノブロット法で
行った。イムノブロットは、通常の手順(30、45)を用
いて、コダックオルトG(OG−1)フィルムに−70℃で
露光させた。
IgG結合及び阻害アッセイ IgGは、50リットルの血液か
ら得られら老化赤血球から単離し、前記記載(2、4)
の通りにプロテインAセファロースを用いて精製した。
正常な血清は、スペクトリン、アクチン、2.1、その他
に対する抗体を含有している(28)ため、血清IgGより
もむしろ、溶出された老化細胞からIgG(SCIgG)が使用
された。拮抗阻害は、老化赤血球から単離されたIgGを
吸収させるため、合成ペプチドを用いて実施された。Fc
部分を含む、完全な二量体老化細胞IgGは、in situで
老化細胞に結合し、それらの除去を開始する(1−7、
30)。生理学的な状態をシミュレーションするため、Fa
bフラグメントは使用しなかった。老化赤血球から単離
されたIgGは、老化細胞に特異的に結合する。例えば、
若齢の対照赤血球から溶出されたIgGは老化細胞には結
合しない(2、30)。さらに、この自己抗体の特異的結
合能は、精製した老化細胞抗原(SCA;7)に吸収される
ことによって除去される。SCIgGは、示された濃度の合
成ペプチドによって、また、対照として、精製SCAによ
って室温で60分間吸収され、そして貯蔵された赤血球と
60分間、室温でインキュベートされた(1、2、4、3
0)。貯蔵条件は、in situの正常な老化を、免疫学的
及び生物学的に模倣したものである(1−7、30)。赤
血球に結合したIgG分子の数は、平衡結合速度論を用い
て、吸収の前後に定量した(7、30、31)。この方法の
詳細は別に記載されている(27)。阻害割合は、以下の
式により算出された:100[1−(x−b/T−b)]、こ
こで、x=1個の細胞あたりに結合するIgG自己抗体分
子数;T=阻害剤非存在下で結合するIgG抗体分子総数;b
=バックグラウンドのプロテインA結合。
ペプチド ペプチドは、アプライドバイオシステムズ43
0A自動ペプチド合成機を用いて、固相合成によって合成
された。これらはアミノ酸分析、HPLC、配列決定によっ
て分析され、また、純度測定のためにFABS分析された。
アミノ酸は、標準単一文字コードで示される。リン酸緩
衝化生理食塩水に可溶でないペプチドは、1〜2%のNa
DodSO4に溶解させた。その他は、酢酸またはトリフルオ
ロ酢酸中で可溶化したのち、硫酸ドデシルナトリウム
(1〜2%)が添加された。いったん溶液にされたこれ
らのペプチドは、卵白アルブミン(5回結晶化)または
BSAとグルタルアルデヒドを用いて結合された(32)。
この反応は30−60分行われ、エタノールアミンで阻害さ
れ、化合物は、分子量1000以下の分子を除去するよう
に、チューブに入れてPBSで透析した。NaDodSO4はグル
タルアルデヒドとの結合反応を妨害しなかった。当アッ
セイは、ウシ血清アルブミン(BSA)を含んでいるた
め、アルブミンの含有はアッセイの結果を変化させなか
った。
コンピューター分析 配列及び蛋白構造分析は、ウイス
コンシン大学、ジェネティックコンピューターグループ
(GCG)の、配列分析ソフトウエアパッケージ(33)の
プログラムを用いて実施した。
結果及び考察 (複数の)老化抗原部位の同定 以前の研究からみて、
老化細胞抗原は、35,000タルトンまでのカルボキシル末
端部分及び17,000ダルトンまでの陰イオン輸送領域の大
部分を含むバンド3の分解生成物であると結論した
(5)。老化細胞から単離されたIgGを用いたイムノブ
ロット法及び老化細胞抗原のペプチドマッピングの結果
はいずれも、老化細胞抗原が40,000ダルトンまでの分子
量の、アミノ末端を含む細胞質側の領域を欠き、なおか
つ、バンド3のその他のペプチドも欠いている可能性が
あることを示した(5−7)。ペプチドマッピング及び
陰イオン輸送の研究は、バンド3の開裂が細胞質領域で
起こることを示唆した(5)。さらに、最も老化した細
胞画分中にはバンド3の崩壊産物が観察されるが、若齢
及び中程度に老化した細胞画分には観察されず、陰イオ
ン輸送は、老化細胞中で損なわれている(5−7、3
0)。
老化したバンド3の開裂が、カルボキシ末端から膜を
貫通する陰イオン輸送領域へ向かうおよそ3分の1の位
置で起こると推定した。そして、陰イオン輸送活性を有
すると推測した赤血球バンド3のペプチドを合成した。
ペプチドは、タナーらによる文献(34)からのヒトの配
列データに基づいて合成された。細胞の外側に露出して
いると考えられる1個の陰イオン輸送部分と、その分子
に沿ってアミノ末端へむかい、私達が老化細胞抗原中に
含まれると推定した(5)領域の外側にあたる1個の陰
イオン輸送部分とを選択した。1番目のペプチド(ANIO
N 1、配列位置538−554:SKLIKIFQDHPLQKTYN)は、2
個の重要なアミノ酸を含んでいた。539番目のリジン
は、陰イオン輸送阻害剤ジイソチオシアノジヒドロスチ
ルベンジルスルフォネート(DIDS)の共有結合部位であ
り、553残基目のチロシンは、細胞外ラクトパーオキシ
ダーゼにより放射性ヨウ素で標識される(34)。2番目
のペプチド(ANION 2、588−602:LRKFKNSSFPGKLR)
は、潜在的なN−グリコシレーション部位であるASN−5
93のがグリコシル化されない(34)ことから、末端領域
に近い位置にあり、おそらく細胞内に存在する。完全な
バンド3において抗原として呈示されないことから、こ
のペプチドは阻害活性を欠くと推測した。最後のペプチ
ドは、カルボキシ末端領域から得られたもの(COOH、81
2−827:LKFPPKYHPDVPYVKR)で、疎水領域と親水領域の
両方を含む。この領域に見つかったリジンは、もうひと
つのDIDS結合部位をなしている可能性がある(35)。対
照として、バンド3の細胞質部分から得られた推定上の
アンキリン結合部位(36)中にあるペプチド(CYTO、12
9−144:AGVANQLLDRFIFEDQ)を使用した。さらに別の対
照として、グリコシル化されるN−グリコシレーション
部位を含むペプチド(GLYCOS、630−648:QKLSVPDGFKVSN
SSARGW)を、これが細胞外部分であるという理由で含め
た。
拮抗阻害の研究は、老化細胞から得られた上記IgGを
吸収させるために合成ペプチドを使用して実施された。
IgG結合及び阻害は、プロテインA結合アッセイで測定
された。この生物学的アッセイは、in vitro及びin v
ivoにおける赤血球の生存を測定する(1、2、4)。
これらの実験の結果、老化細胞IgGが推定上の陰イオ
ン輸送領域538−554及びカルボキシ末端付近のリジンの
集団を含む輸送部位、812−827の中にある抗原決定基を
認識することが示唆された(表1)。ANION 2は弱い
阻害しか示さず、CYTOは阻害を起こさない。図2にて説
明されている上記の拮抗阻害データは、ANION 1及びC
OOHペプチドは3〜100μgの範囲にわたって阻害的であ
り(図2A)、一方、陰イオン輸送領域から得られた細胞
内ペプチド(ANION 2)及び細胞外グリコシル化部位
から得られたペプチド(GLYCOS)は、弱い阻害を示すの
みであり(図2B)、さらに、推定上のアンキリン結合ペ
プチドは、上記抗体と反応しない(図2A)。
私達は、二つの理由から、ペプチドが協調的に作用す
るかどうかを測定するために、2種の阻害ペプチドを混
合することを決定した。一番目の理由は、これらのペプ
チドはいずれも阻害的であるが、その阻害は300μgで
も完全ではないことである。2番目の理由は、我々のバ
ンド3の中の形態が決定された部分の初期におけるペプ
チドマッピングの研究結果は、老化細胞抗原が陰イオン
輸送膜貫通領域及び35,000〜38,000ダルトンのカルボキ
シル末端部分の両方からなることを示唆していたからで
あ(5)。これらの2つの領域の混合により、老化細胞
抗原よりも多いペプチドを含んでいるものの、それとよ
く類似したペプチドマップが作成された。これら2つの
ペプチドの混合物は、0.1μg(すなわち個々のペプチ
ドの0.05μgずつ)で50%までの阻害を起こし、この事
は、ANION 1及びCOOHは相互作用して、老化抗原とし
て機能するための3次元構造を形成することを示した
(図2A)。アミノ末端側の6個のアミノ酸からなるCOOH
の6量体(N6)は、有意な阻害を起こす(10μgで50%
まで)が、COOHそのものほどはANION 1との協調作用
はなく(1μgで50%までの阻害;図2B)、阻害効果を
得ために10倍量までのペプチドが必要である。COOHのカ
ルボキシル末端側の10個のアミノ酸からなるCOOH10量体
(C10)は、30μgで54±3%の阻害を起こした。ANION
2とCOOHは、協調作用を示さなかった(阻害:30μg
で18±4%)。
短いペプチド部分が911個のアミノ酸からなるバンド
3分子と同じ3次元構造を呈することはないため、合成
ペプチドは完全なバンド3分子そのものと同様に有効で
あるとは予想されていなかった。合成ペプチドANION
1とCOOHの協調作用は、互いに相互作用するこれら2つ
のペプチドの抗原決定基のコンホメーションが、未変化
の老化抗原と同様であることを示唆する。これらの結果
は、DIDSがこれらの2つの領域を架橋することを示すデ
ータ(35)と共に、これらのペプチドが未変化の老化し
たバンド3中において空間的に近接して存在することを
示唆する。このことは、これらの2つの部位が未変化の
バンド3中で近接していることを示す他のデータ(24、
36、37)とも一致する。
バンド3のカルボキシ末端付近に起こる老化細胞IgG
のANION 1及びCOOHに対する結合は、これらの部分が
細胞外にあることを示唆する。なぜなら、このIgG分子
は分子量150,000であり、細胞中に入るには大きすぎる
からである。このことは、これらの領域が細胞外に存在
し、一つの含分にはリジン743のトリプシン開裂部位入
にカルボキシル基があり、C−末端から7000ダルトン以
下のS−シアニル化開裂部位は細胞外DIDSで架橋される
(35)ことを示したジェニングス(35)のデータと一致
している。
これらの合成ペプチドを用いた実験結果は、老化した
赤血球は陰イオン輸送に障害があることを証明した生理
学的なデータ(6、7、30)、バンド3は老化過程にお
いて細胞質側の部分を失い分解を受ける(5−7、30)
という生物学的及び免疫学的データ、及び、バンド3の
様々な変化及び突然変異から得られた老化の加速に関係
する変化は、バンド3の陰イオン輸送領域の変化に関与
するということを示すデータ(7、38、39)、と一致す
る。
ヒトバンド3の膜結合領域のモデル 上記の結果及びそ
の他の事項を考慮して、ヒトバンド3蛋白質のおよそ40
0−870番残基の膜結合領域のフーキングモデルを作っ
た。このモデルは、膜貫通性の非極性ヘリックス(40)
及びそれらの間にある親和性のループ(41)を同定する
ようなGCGパッケージのプログラムPEPPLOTを用いて構築
された。上記の親和性ループが細胞外に存在するか細胞
内に存在するかは、確立された化学的または生物学的マ
ーカーに基づいて予想される。例えば、残基814−829が
DIDS結合部位を含むという証明又は細胞外放射コード化
のためのY553の利用(34)等である。これらの領域は、
図3に一つのモデルとしてまとめられている。配列の中
での同定を容易にするために、重要な残基が同定されて
いる。これは二次元の表現であり、三次元の残基間の結
合を反映しておらず、これらは配列が長く広がっている
ために離れて表示されている。しかし、ここに示す結果
は、細胞外ループ02及び04によって近接した立体的な結
合が維持されているに違いないことを示している。これ
らの領域が同一のバンド3単量体上へ結合しているなら
ば、バンド3のこれらのループはそれ自身のところへ戻
り、従ってこれらの領域は近接している。そうでない場
合は、機能を持つ集合体は、別々の分子の02及び04間で
近接した結合が形成されるような2量体である可能性も
ある。我々の最近のヒトのデータ(34)をここに示され
た抗原性の結果とあわせると、ペプチドCOOH及びその成
分であって老化赤血球に対する自己抗体の結合の強い阻
害剤であるN6を含む04をバンド3内に示すことによっ
て、モデルを改善し、改良することができる。これら全
てのデータはこの領域は細胞外に呈示されていることを
支持している。短い二重膜と接触する部分はその二重膜
に入って、ループを形成してそれ自身のところへ戻り、
再びそこから出る部分からなり、二重膜を横切って反対
側へ出ることはない。これらは、疎水性プロット法に基
づいて、膜中に存在するかどうかを予測したものであ
る。
外側に露出されているアミノ酸は、膜孔内の疎水性の
ヘリックス上に存在することが可能であり、これらが最
も外側の膜上にない場合にも外部と接することができ
る。上記のモデルには反映されていないが、外側の部位
として示されたバンド3の部位に、このことを当てはめ
ることができる。バンド3の三次元構造は、最終的に
は、環状であることが判明するのではないかと考えられ
る。
バンド3内の、内部相同性のある領域のコンピュータ
ーサーチが、30残基の枠で、COMPARE及びOTPLOTプログ
ラムを用いて10.0(低い)及び15.0(高い)の精度で実
施された。膜内の非極性のらせん状領域間で、相同性が
明らかになった。たとえば、細胞外ループ02に近接した
二重膜内のヘリックス部分は、内部ループ2及び3の対
応する部分と40%までの相同性を有する。すなわち: このような関係は、親水性の領域では明らかではなく、
例えば、外部親水性ループ02及び04は有意な配列相同性
を示さなかった。
a)私達が描いたようなモデルは現実的には正確な表
現ではなく、そして、b)バンド3分子の機能の所在に
関する情報の全てではなくても、大部分は状況及び間接
の証拠に基づいていることは留意すべきである。
抗原性部位を決定するようなバンド3の分子“ウォーキ
ング” 前記実験は、老化細胞抗原の活性抗原性部位
は、ANION 1及びCOOHと命名された上記ペプチド上に
存在することを示唆する。以下の一連の実験において、
抗原性決定基を含むことが示されたバンド3分子の陰イ
オン輸送ドメインを“ウォーキング”することによっ
て、活性抗原性部位を確認、決定することを試みた。
“ウォーキング”という言葉は、同定された活性部位
に隣接するポリペプチド鎖全体をカバーし、バンド3の
予測された全ての細胞外部位を含む重複した合成ペプチ
ド群の抗原性の分析を意味する。上記の合成ペプチドは
17−19量体であり、合成のできるものを最大限に利用し
個々の抗原性部位の妥当な分析結果が期待できるよう
に、隣接するペプチドと、6残基までの重複がある。
分子を“ウォーキング”するために使用されたペプチ
ドは:515−531、FISRYTQEIFSFLISLI;526−541、FLISLIF
IYETFSKLI;ANION 1、538−554、SKLIKIFQDHPLQKTYN;5
49−566、LQKTYNYNVLMVPKPQGP;561−578、PKPQGPLPNTAL
LSLVLM;573−591、LSLVLMAGTFFFAMMLRKF;ANION 2、58
8−602、LRKFKNSSYFPGKLR;597−614、FPGKLRRVIGDFGVPI
SI;609−626、GVPISILIMVLVDFFIQD;620−636、VDFFIQDT
YTQKLSVPD;GLYCOS、630−648、QKLSVPDGFKVSNSSARGW;77
6−793、MEPILSRIPLAVLFGOFL;789−805、FGIFLYMGVTSLS
GIQL;800−818、LSGIQLFDRILLLFKPPKY;COOH、812−82
7、LFKPPKYHPDVPYVKR;822−839、VPYVKRVKTWRMHLFTGIで
あった。さらに、私達は、2つの予測された外部配列し
た。すなわちR 426−440、LLGEKTRNQMGVSEL;及び645
−659、ARGWVIHPLGLRSEFを合成した。前者の配列は、推
定上の輸送領域には存在しない。というのは、分子量15
0,000IgC分子が接近するためには、抗原決定部位は細胞
外に存在しなければならないからである。老化細胞抗原
に細胞外配列のテストを完全にするために行なわれた。
老化細胞抗原部位の位置決定のために、上記のペプチ
ドのイムノブロット法に続いて、老人赤血球から溶出さ
れたIgG(SCIgG)との反応を行なった(図4A及び図4
B)。また、単一濃度のペプチドでのIgG結合及び阻害ア
ッセイを用いて、スキャッチャード分析を実施した(表
2)この“単一濃度”アッセイに30μを選択した。2つ
の合成ペプチドANION 1及びCOOHが95%以上[≧95
%]の阻害を起こし、“阻害的でない”ペプチドは20%
以下[≦20%]の阻害しか起こさない濃度であるからで
ある。イムノブロット法で陰性を示すペプチドは、阻害
アッセイにおいても陰性を示した(図4及び表2)。生
理的な条件下では完全には溶解しないペプチドに関して
は、老化細胞IgGとのイムノブロット法によった(図
4)。
老化細胞IgGを用いたイムノブロット試験法により、C
OOH(R812−827)に加えて、R788−805、800−818との
結合が示された。R788−805、800−818ペプチドは、COO
Hのアミノ末端にあたる。R822−839は標識されておら
ず、カルボキシ末端側に存在する。R800−817及び822−
839は、COOHと共通する6残基のアミノ酸を有する。R63
0−648に対する抗体の結合、及びR645−659に対する抗
体の痕跡量の結合が観察された。
しかし、拮抗阻害アッセイにより、COOHのカルボキシ
ル末端側に存在し、COOHの6残基のアミノ酸を含むペプ
チドR822−839でのみ老人細胞IgG結合の有意な阻害が得
られることに示された。従って、その阻害効果は上記の
6残基の共通したアミノ酸によるものと考えられる。ペ
プチド776−793、78−805及び800−839は、完全には溶
液とならず、細胞結合アッセイでは試験されなかった。
ANION 1及びANION 2ペプチドシリーズでは、ANIO
N 1(R538−554)、及びこのペプチドと6残基のアミ
ノ酸の重複があるアミノ末端側部位(R526−541)及び
カルボキシル末端側部位(R549−566)とのイムノブロ
ット法で、痕跡量の結合が観察された。老化合細胞IgG
は、ANION 2(R588−602)及び、6アミノ酸残基が重
複するそのカルボキシル末端側部位(R597−614)のペ
プチドとわずかに結合した。
上記の拮抗阻害アッセイから、R597−614を用いて52
±4%の阻害が得られることが判明した。R526−543及
びR549−566は、溶解性が不足しているために試験でき
なかった。細胞外ループから得られたペプチドR426−44
0は陰性であった。
老化細胞抗原が反応する自己抗体ペプチドを決定する
ために、2つの方法を用いた。ウエスタンブロット分析
法で直接結合させることにより、上記の抗体が、細胞を
用いた阻害アッセイでは阻害活性を有さなかった多くの
ペプチドと結合することが判明した。このことは、おそ
らく、自己抗体に結合する老化した赤血球はマクロファ
ージに貧食され、抗原性ペプチドはT細胞に対して停止
されるように産生されるという事実によるものである。
しかし、これらのペプチドは、バンド3の正常な呈示及
び赤血球上の老化細胞抗原においては表面に露出されて
いない。私達の拮抗阻害試験は、完全な抗原決定基は、
ANION 1及びCOOHからなる2つの表面に露出されたペ
プチド領域の相互作用によって形成されることを示し
た。
このようにして、位置の判明した老化細胞抗原は、53
8−554及び788−827番残基中の領域に局在している。抗
原結合部位の大きさはたった6アミノ酸残基であるが、
これらのアミノ酸は、おそらく一次構造上では近接して
いない。アミノ酸の最低数は、おそらく、活性のある3
次元構造に必須なねじれ及び折れ曲がりを形成するため
に必要とされるのだろう。ANION 1及びCOOH間の協調
作用は、このことを支持する。COOHのN末端の6アミノ
酸残基から得られたデータ(6量体のペプチドでも有意
な阻害を得ることができるが、より多くの量のペプチド
が必要とされ、100μgまでの濃度では95%以上[≧95
%]の阻害が得られなかった)は、協調作用が欠損して
いることを示す。これとは対照的に、ANION 1とCOOH
との混合物10μgで95%以上[≧95%]の阻害が得ら
れ、何回かの実験では3μgで同じ阻害が得られた。
研究により、バンド3の輸送領域が様々な組織、個体
及び種にわたって高度に保存されていることが判明して
いる(21、27、34、42、43)。老化細胞抗原は、検討し
た全ての細胞壁、組織、及び種で産生され(4)、老化
細胞抗原を構成する領域は、進化上及び多様な組織中で
高度に保存されているに違いない。本研究において、老
化細胞抗原の活性抗原性部位が、538−554及び788−827
番残基中のANION 1及びCOOHに存在することが示され
た。これらのペプチドは高度に保存された領域中に存在
する(34、43)。
我々は、老化[加齢]抗原である老化細胞抗原の所在
を1次構造で明らかにした。老化細胞抗原の上記活性抗
原部位の位置を決定することは、次の演繹的なステッ
プ、すなわち、分子と同様に細胞の退化を開始させ、細
胞の寿命を調節するような、老化の過程で生じる分子変
化の決定を容易にする。これは、部位指向性の突然変異
を通じた細胞寿命の操作を容易にする。
表 1 合成ペプチドまたは老化細胞抗原による老化細胞IgG結
合の阻害 試料 阻害(%) バンド3ペプチド、CYTO 0 バンド3ペプチド、ANION 1 88± 7 バンド3ペプチド、ANION 2 30±12 バンド3ペプチド、COOH 99± 1 老化細胞抗原 54± 7 a.データは4連の試料の平均±標準偏差で表している;
*P≦0.001は、対照との比較による。老化細胞IgG(3
μg)は、ペプチド(300μg)または緩衝液と室温で9
0分間インキュベートされた。IgG及び試料中に添加され
た赤血球は、室温で90分インキュベートされた。細胞上
のIgGは、125Iで標識したプロテインAを用いて定量し
た。
表 2 抗原性部材を決定するためのバンド3蛋白質の“ウォー
キング":バンド3の合成ペプチドによる赤血球に対する
老化細胞IgG結合の阻害 合成ペプチド 阻害(%) 残基(#) 426−440 11± 1 515−531 15± 1 526−541 NT 549−566 NT 561−578 0 573−591 NT 597−614 52± 4 609−626 12± 1 620−637 NT 630−648 9± 0 645−659 NT 776−793 NT 788−805 NT 800−818 NT 822−839 35± 2 a.データは、ヒト自己抗体の老化細胞抗原に対する結合
の、阻害%±標準偏差で表してある。全てのペプチドは
30μgで試験された。NT、BSAと結合させた場合にも生
理的溶液中に完全には溶解しないため、これらのペプチ
ドは拮抗阻害アッセイでは試験されなかった。
実施例2 抗原性及び陰イオン輸送に関するリジンの関与 実施例1に示されたように、合成ペプチドの使用によ
れば、老化細胞抗原の活性部位は、バンド3膜蛋白質上
の残基番号538−554及び812−827に位置している。試験
されたバンド3ペプチドは、CYTO、129−144:AGVANQLLD
RFIFEDQ;426−439、LLGEKTRNQMGVSEL;515−531、FISRYT
QEIFSFLISLI;526−541、FLISLIFIYETFSKLI;ANION 1、
538−554、SKLIKIFQDHPLQKTYN;549−566、LQKTYNYNVLMV
PKPQGP;561−578、PKPQGPLPNTALLSLVLM;573−591、LSLV
LMAGTFFFAMMLRKF;ANION 2、588−602、LRKFKNSSYFPGK
LR;597−614、FPGKLRRVIGDFGVPISI;609−626、GVPISILI
MVLVDFFIQD;620−636、VDFFIQDTYTQKLSVPD;GLYCOS、630
−648、QKLSVPDGFKVSNSSARGW;645−659、ARGWVLHPLGLRS
EF;776−793、MEPILSRIPLAVLFGIFL;789−805、FGIFLYMG
VTSLSGIQL;800−817、LSGIQLFDRILLLFKPPKY;COOH、812
−827、LFKPPKYHPDVPYVKR;822−839、VPYVKRVKTWRMHLFT
GIであった。これらのペプチドは、老化赤血球から得ら
れたIgG自己抗体(“老化細胞IgG")を用いたイムノブ
ロット法及び老化細胞IgGを用いた拮抗阻害アッセイの
両方で試験された。
その研究の結果は、老化抗原の活性部位が、膜蛋白質
バンド3の、細胞外のバンド3の推定上の陰イオン輸送
領域にあたる538−554及び778−827残基目に存在するこ
とを示している。これらのペプチドの中で、ANION 1
(SKLIKIFQDHPLQKTYN)及びCOOH(LFKPPKYHPDVPYVKR)
は協調的に相互作用して3μgで老化細胞IgGの結合の9
8%阻害を起こし、0.1μgで50%阻害を起こすような合
成老化抗原を生成する。これらのペプチドはいずれも、
単独では100μgという高濃度でも50%よりも高い阻害
率を示さなかった。さらに、合成ペプチド試験により、
推定上のアンキリン結合ペプチド(CYTO、129−144残基
目)が老化細胞抗原の結合に関与していないこと及び、
合成ペプチドだけで老化細胞IgGの赤血球に対する結合
を消失させることから、カルボキシル末端部分が老化細
胞抗原に抗原性にも認識にも必要とされないことが示さ
れた。老化抗原に関与する推定上の輸送部位は、カルボ
キシ末端付近に位置する。老化細胞抗原の活性抗原性決
定基は、バンド3の高度に保存された領域に存在する。
ANION 1及びCOOHペプチドはバンド3の細胞外領域
に対応し、陰イオン輸送に関与するリジン残基を含んで
いる。本実験において、リジンを抗原性に関する決定的
なアミノ酸として同定し、老化抗原性部位を決定した。
老化抗原の抗原性及び陰イオン輸送に対するリジンの関
与は、合成ペプチド及び細胞全体の両方においてリジン
を化学的に修飾することによって、また、リジンをグリ
シンまたはアルギニンで置換されたペプチドを合成する
ことによって検討された。陰イオン輸送部位は、16−18
量体と、その後6−8量体のペプチドを用いて、存在位
置が決定された。ペプチドCOOH及びANION 1を用いた
機能の実験により、これらが老化抗原決定基を担うのに
加えて、硫酸塩結合部位を含み、硫酸塩輸送阻害を起こ
すことが示された。COOHにおけるリジンをアルギニンに
置換すると、このペプチドの硫酸塩結合性は維持される
が;一方、リジンをグリシンで置換した場合は維持され
ない。812−827番目(COOH)及び813−818番目(N6、CO
OHのアミノ末端側にある6個のアミノ酸)の残基は、硫
酸イオンと等モルで用いた場合には陰イオン輸送の強力
な阻害であったことから、これらの領域はin situで輸
送領域であるかもしれない。
この実験によって、(a)リジンは老化抗原部位が完
全に機能するために必要であること、(b)COOH(812
−827番残基)は老化細胞抗原の一部であり、陰イオン
結合部位であること、(c)バンド3の輸送部分である
と報告されていたANION 1(538−544)は、硫酸イオ
ンと結合しないこと、そして(d)リジンは陰イオン結
合に関与するが、リジンは陰イオン結合に、すなわち、
陰イオン輸送に必要とされる唯一のアミノ酸というわけ
ではないこと、が示された。
実験材料及び実験方法 細胞分離 赤血球は、公知の方法(3)に従って、パー
コール密度勾配法で加齢時期の異なる集団に分離され
た。中程度に加齢した細胞はアルサーバー液中に4℃下
で5週間保存された。
分析用老化細胞IgG(SCIgG)の精製 IgGは、公知の方
法に従って(2、4、7、29)、50リットルの血液から
得られた老化赤血球から単離された。正常な血清はスペ
クトリン、アクチン、2.1などに対する抗体を含有して
いる(6)ため、血清IgGではなくて、老化細胞から溶
出されたIgGを使用した。赤血球は、50−100倍量のpH7.
4のダルベッコのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で3回
洗浄された。IgGは、ジギントニンリシスによって調製
された赤血球膜(ゴースト)から溶出され、PBSで3回
洗浄され、そしてIgGは、pH2.3のグリシン塩酸緩衝液で
溶出された(2、4、7、29)。溶出物は、1規定のNa
OHで中和にし、濃縮して、0.02%のNaDodSO4及び0.05%
のツイーン(Tween)20が添加された。試料は、プロテ
インAセファロース4Bと共に終夜インキュベートされ、
広範囲の高塩濃度/低塩濃度洗浄の後、IgGは2倍量のp
H2.3のグリシン緩衝液で溶出された。溶出されたIgG
は、1規定のNaOHで中性にされ、PBSで透析された。
IgGB結合及び阻害アッセイ 競合阻害試験は、老化赤血
球から単離されたIgGを吸収するために合成ペプチドを
用いて実施された。これは、in situで食作用を開始す
るのと同一のIgGである。IgGのFc部分はマクロファージ
による細胞の結合及び食作用に必要とされる(3、2、
4、7、29)。生理学的な状態をシミュレートしていた
ため、Fabフラグメントは使用しなかった。Fc部分を含
む完全な2量体老化細胞IgGは、in situで老化細胞に
結合し、それらの除去を開始する(3、32、2、4、
6、17、7)。老化した赤血球から単離したIgGだけが
特異的に老化した細胞に結合する。たとえば、若齢の対
照赤血球から溶出された老化細胞には結合しない(2、
4、6、17、7)。更に。上記自己抗体の特異的結合能
力は、精製した老化細胞抗原による吸収によって失われ
た(39)。SCIgG(3μg)は、示された濃度の合成ペ
プチド、または対照としての精製SCAと60分室温で混合
され、更に貯蔵された赤血球と60分室温でインキュベー
トされた(2、4、6、17、7)。貯蔵することにより
in situにおける免疫学的及び生物学的に正常な加齢を
模倣している(32、2、4、6、29、7)。吸収された
IgGとインキュベートした後、細胞は0.2%のウシ血清ア
ルブミン(BSA、フラクションV、シグマ社、ミズーリ
州セントルイス)及び0.5%のグルコースを含有する40
−50倍量のリン酸緩衝化生理食塩水で4回洗浄された。
洗浄された細胞は、BSAでコートされた試験管に移され
(5×107細胞/50μl)、37℃で30分、125I標識プロテ
インA(アマシャム社、アーリントンハイツ、IL30−38
mCi/mg、10−15ng/試験管)と共にインキュベートされ
た。その後細胞は4回洗浄され、ガンマシンチレーショ
ンカウンター(ベックマン、ガンマ5,500)で測定され
る前に新しい試験管に移された。赤血球に結合したIgGB
分子の数は、平衡結合速度論(7)を用いて吸収の前後
に定量された。スキャッチャード分析が実施された。ス
キャッチャードによるNY Acad.Sci.51巻:660−672(19
49)は、ここに参考資料として含まれている。阻害率は
以下の式に従って算出された:100[1−(x−b/T−
b)](ここではそれぞれ、x=細胞あたりに結合した
IgG自己抗体の数;T=阻害剤非存在下で結合するIgG抗体
分子の数;b=BバックグラウンドのプロテインA結合を
表している。) ペプチド ペプチドはアプライドバイオシステムズ430A
自動ペプチドシンセサイザーによって固相合成法を用い
て調製され、純度が分析され、上記の実施例1に記載さ
れたように処理された。この試験では、老化抗原性決定
基を有するANION 1及びCOOHの2つのペプチドを使用
した。ANION 1(538−554:SKLIKIFQDHLQKTYN)は、2
個の重要なアミノ酸を含む推定上の輸送ペプチドであ
る。538番残基(マウスでは558番残基)のリジンは、陰
イオン輸送阻害剤のジイソチオシアノジヒドロスチルベ
ンジルスルフォネート(DIDS)の共有結合部位であり、
そして、553番残基のチロシンは細胞外ラクトパーオキ
シダーゼによって放射性ヨウ素標識される(34)。COOH
はカルボキシル末端領域から得られたペプチドであり
(COOH、812−827:KLFPPKYHPDVPYVKR)、疎水性及び親
水性領域の両方を含んでいる。この領域内に見つかった
リジンは、DIDSの別の結合部位を構成している可能性が
ある(35)。2番目の陰イオン輸送領域は、ASN−593の
潜在性のN−グリコシレーション部位がグリコシル化さ
れない(44)ことから、この領域内の末端付近に位置し
ており、細胞内に存在する可能性がある(ANION 2、5
88−602:LRKFKNSSYFPGKLR)。このペプチドは実施例1
に示されたようにわずかに阻害的であるにすぎない。ペ
プチドはタナーらによる文献(35)から得られた配列デ
ータに基づいて合成された。
ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)修飾のために、ペ
プチドはDNFB(イーストマンコダック社)と共に終夜、
ホウ酸緩衝化生理食塩水中で、室温でインキュベートさ
れ、その後DNFBを除去するために、常法に従って透析さ
れた(43)。修飾化合物は、スペクトル吸収によって測
定された。修飾されないペプチドは280nmの波長を吸収
する。DNP修飾されたペプチドは360nmの波長を吸収す
る。修飾されないペプチド及びDNFBは無色である。反応
が起こる時、溶液は鮮やかな黄色に変化し、結合した蛋
白質も黄色を保持する。DIDS修飾は同様の方法で実施さ
れた。
陰イオン輸送及びDIDS阻害測定 硫酸交換は4、4′−
ジイソチアシアノ−2,2′−ジスルフォン酸によって阻
害される。DIDSのようなスチルベンジスルフォネート誘
導体は、バンド3の膜を渡る領域の中の少なくとも2個
のリジン残基に結合することによって、陰イオン輸送を
阻害する(45、23、35)。
硫酸塩“流入”のペプチド阻害実験は、基本的にジェ
ニングスの方法(46)に従って、300mMショ糖、pH7.0の
10mMトリス−HEPESを“流入”緩衝液として用いて実施
された(47)。洗浄された細胞は、細胞内の塩化物を置
換するために、20−30倍量の110mMのK2SO4中で10分間、
37℃でインキュベートされた。上記の細胞は遠心分離さ
れ、上清は除去されて110mMのK2SO4に置換された。この
操作は3回繰り返された。最後の遠心分離後、細胞は30
0mMショ糖、pH7.0の10mMトリス−HEPESに再懸濁され、
1回洗浄された。細胞は、37℃で、2mlの流入緩衝液中
に2×108細胞/mlの濃度で懸濁された。放射性硫酸塩
(0.01mM)は、適当な時間の間隔で添加された(582mCi
/mM)。試料は採取され、18倍量の氷冷した1.15%KCl
(154mM KCl)(“洗浄用緩衝液”)が添加され、MOPS
でpH7.4に緩衝化された。高い塩化物イオン濃度、温度
及びpHは、硫酸塩の輸送を阻害する。細胞は、外部の硫
酸塩を除去するために、洗浄用緩衝液により0℃で2回
洗浄された。全ての試料はトリクロロ酢酸(最終濃度6.
7%)で除蛋白され、リディーソルブHP/6(ベックマン
社、カリフォルニア州フラートン)を用いて、液体シチ
レーションカウンターで測定された。硫酸塩輸送のペプ
チドによる阻害には、洗浄用緩衝液に懸濁された細胞の
添加に先立って、放射性硫酸塩に0.01mMのペプチドが添
加された。
実験結果及び考察 老化抗原性部位中の活性アミノ酸としてのリジン残基の
同定 バンド3分子に沿って老化抗原性部位を決定し、
活性抗原性残基を決定するために、DIDSに結合すること
が知られているリジン残基を、これら陽性に荷電したア
ミノ酸から、酸性または中性のアミノ酸残基に交換し
た。このことにより、老化IgG結合阻害によって測定さ
れる抗原性を消失した。
始めに、2つの活性ペプチドANION 1及びCOOHを、
ペプチドまたは蛋白質のaアミノ質及びeアミノ質を置
換するジニトロフルオロベンゼン(DNFB)で修飾した。
ANION 1の場合は、2、5及び14番残基の位置のリジ
ン、16番残基のチロシン、及びアミノ末端のセリンが全
て、DNP基によって修飾された。ペプチドCOOHの場合
は、3、6及び15番残基のリジン、7及び13番残基のチ
ロシン、そしてアミノ末端のロイシンがDNPの付加によ
って修飾された。DNPの付加は、付加前には陽性に荷電
していたリジンまたは電荷を有していなかったチロシン
の位置に、2個の負電荷を与える。ANION 1及びCOOH
に対するDNP基の付加は、これらのペプチドがIgGB結合
を阻害する能力を消失させた(表3)。従って、DNPの
a及びeアミノ基への添加によって、ANION 1及びCOO
Hの協調作用を有する混合物である合成老化細胞抗原の
抗原性が失われた。DNP修飾されたANION 1またはCOOH
は、単独で修飾されていない相手のペプチドと混合され
た場合、16%のIgG阻害を起こすのみであった。
DNFBはaアミノ基と同様にeアミノ基も修飾するた
め、2つの活性ペプチドを修飾するために、リジンだけ
を修飾するH2DIDS(4、4′−ジイソチオシアノジヒド
ロスチルベン−2、2′−ジスルフォネート)を使用し
た。DIDSは、陰イオン輸送の特異的、不可逆的な阻害剤
の一つである。これは、共有結合を形成する。ジェニン
グスらは、細胞外のH2DIDSによって架橋するバンド3の
中の部位の一つは、814及び829番残基の間に位置するリ
ジンであるという証拠を発表した(35)が、他の科学者
達はこれに異論を唱えている。前者の我々のペプチドCO
OHに含まれでいる。DIDSと反応するもう一つの共有結合
部位は、部位指向性の突然変異を用いてリジン539であ
るとされてきた(48)。このリジンはペプチドANION
1に含まれている。ANION 1及びCOOHへのDIDS基の付
加は、これらのペプチドがIgG結合阻害において協調す
る能力を消失させる(表4)。
このように、リジンへのDIDS付加により協調作用する
ANION 1及びCOOHの混合物の抗原性が消失した。DIDS
修飾されたANION 1は、COOHと協調する能力が消失し
ており、一方、COOHのDIDS修飾はその抗原性を消失させ
るように考えられた(表4)。DIDS修飾されたANION
1は、ANION 1単独と比較して比較的影響は少ない
が、一方、DIDS修飾したCOOH単独ではIgG阻害が全く起
こらない。これらの結果に基づくと、(a)COOH上の活
性な抗原性アミノ酸はDIDSが結合しうるリジンを含んで
いるか、またはリジンが、結合部位を変化させるような
修飾によって、立体的なひずみを生起するに十分なほど
活性の抗原性アミノ酸に近接しており、そして(b)AN
ION 1上のリジンはおそらく、協調作用のために必要
とされるらしい。抗体結合部位は6アミノ酸残基の大き
さであることから、老化細胞IgGの抗体結合部位は、個
々のペプチドに沿って3個のリジンが配置されているCO
OHが関与するような、aリジンを含んでいると考えられ
る。ANION 1上にある特定のリジンは、イソロイシン
のような疎水性アミノ酸によって阻害され、そのためDI
DSと接触できない。この結果は、更にCOOHが抗原性決定
基の体部分に寄与している可能性を示唆している。
ANION 1及びCOOHをDNP及びDIDSで修飾するとこれら
のペプチドによる老化細胞IgGB阻害が消失することは、
これらのIgG結合アッセイにおける阻害の特異性の更な
る証拠となる。このように、修飾されたANION 1及びC
OOHは、未修飾のペプチドの対照として有用である。
ANION 1及びCOOHをDNP及びDIDSで修飾することによ
り老化細胞IgG結合の阻害能が消失することから、細胞
全体において、バンド3のリジンに対するDIDSの結合が
老化細胞IgG結合を妨害すると推論した。貯蔵された細
胞は、老化細胞IgGとのインキュベーションに先立っ
て、25μMのDIDSと90分間室温でインキュベートされ
た。これによって54±3%の結合阻害が起こった。この
データは、少なくとも1個のリジンが老化細胞自己抗体
の結合部位の中あるいは近くに存在することを示唆して
いる。もう一つの可能性は、DIDSの結合が上記分子の立
体配座を不安定にし、それによって結合部位が変化して
いることである。しかし、我々は、実際の抗原性決定基
はANION 1及びCOOHに存在することを示しているの
で、DIDSの結合により抗原性部位が遠くから不安定にさ
れるということが原因とは考えにくい。それよりもDIDS
反応性のリジンが、抗原性部位の中または立体障害を起
こすに十分なほど近くに存在する確率が高い。
そこで、COOHペプチド(LKFPPKYHPDVPYVKR)中で陽性
に荷電したリジンを、中性または陽性に荷電したアミノ
酸に置換することを試みた。中性のグリシン(COOH−G:
LFGPPGYHPDVPYVGR)または陽性に荷電したアルギニン
(COOH−R:LFRPPRYHPDVPYVRR)をCOOHのリジンと置換す
ることにより、老化細胞IgGとの競合阻害アッセイにお
ける活性が減少した(図5)。このことは、(a)電荷
だけでは抗原性の重要な決定基とならないこと、そして
(b)リジンが上記の老化抗原の抗原性に関与するこ
と、を示唆する。合成ペプチドCOOHの3個のリジン全て
を変化させたので、全てのリジンが重要なのか、それと
も抗原性は1個の特異的なリジンに依存しているのかを
決めることはできなかった。
COOHは陰イオン結合部位の一部である 幾人かの研究者
による間接的な証拠に基づき、陰イオン輸送はANION
1及びCOOHの全体にわたる領域が関与するものとされて
きた(35、46、34)。ペプチドマッピングの研究及び陰
イオン輸送の研究により、バンド3の開裂は陰イオン輸
送領域で起こるということが示唆されるので(5)、老
化細胞抗原が陰イオン輸送部位に関連しているのではな
いかと推測した。さらに、バンド3の分解産物は最も加
齢の進行した細胞中に観察されるが、若齢及び中程度に
加齢した細胞画分には観察されず(5)、バンド3の細
胞質側部分は老化赤血球及び、老化を加速させるように
バンド3が変化した赤血球の細胞質中にあり(実施例
1)、陰イオン輸送は老化細胞内では損なわれており
(30、6、17)、そして、膜透過性の輸送領域に障害を
きたすようなバンド3の突然変異及び変化は、IgG結合
を増加させ、老化を加速する結果となる(7、17)。そ
こで、COOH及びそれに関連するペプチドで、等モル量の
ペプチドと硫酸塩を用いて阻害試験を実施した。(図
6)。
前記COOH及びANION 1のDIDS修飾試験により、COOH
が老化抗原の抗原性決定基の大部分に寄与していること
が示唆されたことから、COOHに焦点を絞った。さらにAN
ION 1ペプチドは我々のアッセイ系において陰イオン
輸送を阻害しない(8±7%)。Xenopus Laevis(ア
フリカツメガエル)の卵母細胞で発見させたマウスのバ
ンド3を用いた研究結果(49)は、マウスの配列におけ
るリジン58(ヒト配列におけるANION 1の539番残基)
は、DIDS結合には関与するが陰イオン輸送には関与しな
いこと(48)を示している。ANION 1には、他に2個
のリジンがある。しかし、我々の実験では、ANION 1
は陰イオン輸送を阻害しない(我々のアッセイで8±7
%阻害)ことが示された。従って、ANION 1上の他の
2個のリジン残基は、陰イオン結合部位としては機能し
ていない。ANION 1は3個のリジン残基を有するにも
かかわらず陰イオン輸送を阻害しないことから、陰イオ
ン輸送結合は単なる陽性荷電を越えるものに関与するに
違いない。上記ペプチドの立体配座が、おそらく重要で
あろう。この結果は、突然変異原性に注目して得られた
バーテルら(48)、及びロディッシュの結果(50)と一
致している。彼らの研究は、ヒトの539番残基及びマウ
スの配列の558番目にあるリジンは陰イオン輸送に関与
しない事を示している。我々の実験は、リジン539及び
その他の2個のリジンを含む合成ペプチドANION 1
が、陰イオン輸送を阻害しないことを示している。
812−827番残基(COOH)及び813−818番残基(N6、CO
OHのアミノ末端側の6個のアミノ酸)が陰イオン輸送の
阻害剤であることは、これらの領域がin situで輸送領
域であることを示唆している。COOHとANION 1との混
合物もまた陰イオン輸送を阻害する。COOH(812−827番
残基)は、老化細胞抗原の一部であり、陰イオン結合部
位でもある。
813−818番残基(N6、COOHのアミノ末端側の6個のア
ミノ酸)は、たった6残基のアミノ酸の長さしかないに
もかからず、陰イオン輸送と老化細胞IgG結合の両方の
阻害剤である(IgG結合阻害:10μgで48±1%)。しか
し、N6(FKPPKY)は、陰イオンポケット形成に寄与でき
るプロリン−プロリン間の折れ曲がり構造を確実に含ん
でいる。これはおそらく、膜中でループを形成してい
る。これらの実験は、少なくとも輸送部位の一部は、老
化細胞抗原を発生するバンド3の同一の領域に位置して
いるということを示唆する。
リジンが陰イオン結合に必要とされるかどうかを決定
するために、リジンをアルギニンまたはグリシンで置換
したCOOHペプチドを試験した。COOHは5分で陰イオン輸
送を52±3%阻害した(ペプチドを含まない対照と比較
してP≦0.001;図7参照)。リジンのアルギニンによる
置換では、陰イオン輸送阻害でCOOHと同等の結果を得た
(46±4%阻害;ペプチドを添加しない対照と比較し
て、P≦0.001)。リジンのグリシンによる置換では、2
7±6%の阻害を得た(ペプチドを添加しない対照と比
較して、P≦0.01)。このように、リジンをグリシンや
アルギニンで置換するとCOOHペプチドによる陰イオンの
結合が減少するが、消失はさせない。上記データは、リ
ジンは陰イオン結合に寄与するが、必要とはされないこ
と、そして、COOHペプチド中に存在する他のアミノ酸
が、おそらく、陰イオン結合/輸送に関与すること(た
とえば、ヒスチジン、グルタミン及びアルギニン)を示
唆する。ANION 2のDNP抱合がその輸送阻害能を変化さ
せないこと(阻害:ANION 2、38±4%、DNP−ANION
2、39±5%;これら2つの間の差に関して、P≦0.0
1)という発見は、このことを支持する。
研究者達はリジンはそれ自身が輸送機構の一部をなす
わけではないが、輸送部位に近接していること、そし
て、アルギニンが陰イオン輸送に必要とされることを示
唆してきた(24、26)。COOH−Gはその中に1個のアル
ギニンを有する。ヒスチジン及びグルタミンもまた、陰
イオン輸送に関与するとされてきた(51、52、53)。我
々の実験結果は数個のアミノ酸が陰イオン結合/輸送に
関与していること、そして、アルギニンはこれらの中の
一つである可能性があることを示唆する。転送部位の三
次元構造は実際のアミノ酸よりも重要である。アミノ酸
の多くの組合せが、三次元的に同様な部位を形成させる
ことができる。更に、我々は特に、陰イオン輸送と老化
細胞抗原の間の関係に注目した。従って、今回の実験で
は、陰イオン結合/輸送部位の全てを同定するためにバ
ンド3分子を“ウォーキング”することはなかった。82
2−837番残基を含むカルボキシル末端付近に、陰イオン
の輸送に関与するバンド3の他の部分がある(図6)。
しかし、ここに提示したデータは、ANION 1は陰イオ
ン結合/輸送に関与せず、COOHが関与しているというこ
とを示している。
我々の実験結果は、バンド3のペプチドCOOHは老化細
胞抗原性部位を有し、バンド3の中で陰イオン輸送に関
与する唯一部分ではないが、陰イオン輸送に関与するこ
とを示唆する。本実験の結果は、(a)老化抗原性部位
が完全に機能するためにリジンが必要とされること、
(b)DIDS反応性部位は、未変化の赤血球で抗原性部位
の中または近くに存在すること、(c)COOH(812−827
番残基)は老化細胞抗原の一部であり、最も活性な813
−818番残基を伴う、陰イオン結合部位であること、
(d)バンド3の輸送部分であると報告されてきたANIO
N 1(538−554番残基)は、陰イオンと結合しないこ
と、そして、(e)リジンそのものは陰イオン結合に必
要とされず、従って、陰イオン輸送に必要とされるこ
と、を示している。COOHペプチドの中で、アルギニンは
陰イオン結合能を変化させることなくリジンを置換する
ことができる。812−827番残基(COOH)及び813−818番
残基(N6、COOHのアミノ末端側の6個のアミノ酸)を硫
酸塩と等モルで用いた場合には陰イオン輸送の阻害剤と
なるということは、これらの領域はin situでの輸送領
域に相当することを示唆する。我々は、バンド3の三次
元構造は、ANION 1及びCOOHの位置する2つの細胞外
ループを含む環状であり、これらのループは空間的に近
接しており、細胞が加齢するにつれて老化細胞抗原を形
成すると推定している。我々は、バンド3分子において
アミノ酸の直線配列が三次元の立体配座ほど有効である
とは期待せず、また、我々は、6−8量体のペプチドが
より長いペプチドと同様に有効な阻害剤であると考えて
いる。
表 3 DNP修飾前後における合成ペプチドANION 1及びCOOHの
混合物による、老化細胞IgGの赤血球に対する結合の阻
合成ペプチド混合物 阻害(%) ANION 1 + COOH MX 95± 1 DNP−ANION 1 ± DNP−COOH MX 0 DNP−ANION 1 + COOH MX 16± 1 ANION 1 ± DNP−COOH MX 16± 1 1 Mx.混合物。データは、3連または4連の試料の、
阻害率[%]±標準偏差で表した。30μgのペプチド混
合物が、貯蔵赤血球上の老化細胞抗原の対する、ヒト自
己抗体の結合阻害を試験するために使用された。
表 4 DIDS修飾前後におけるバンド3蛋白質の合成ペプチドに
よる、赤血球に対する老化細胞IgG結合の阻害 合成ペプチド混合物 阻害(%) ANION 1 + COOH MX 95± 1 DIDS−ANION 1 ± DIDS−COOH MX 0 DIDS−ANION 1 + COOH MX 25± 7 ANION 1 ± DIDS−COOH MX 12± 3 DIDS−ANION 1 34± 3 DIDS−COOH 0 ANION 1 32± 2 COOH 20± 1 MX、混合物。データは、3連または4連の試料の、阻害
率[%]±標準偏差で表した。30μgのペプチド混合物
が、貯蔵赤血球上の老化細胞抗原の対する、ヒト自己抗
体の結合阻害を試験するために使用された。修飾されて
いないANION 1及びCOOHの結果は、別の実験から得ら
れたものである。
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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 7/48 A61K 7/48 39/00 39/00 G H 39/395 39/395 D N (72)発明者 マーカロニス ジョン ジェイ アメリカ合衆国 アリゾナ州 85718 タクソン エヌ カミノ アートゥーロ 5661 (56)参考文献 Arch.Biochem.Biop hys.,Vol.274,No.1 (1989)p.130−137 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,Vol.81,No.18 (1984)p.5753−5757 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,Vol.86,No.23 (1989)p.9089−9093 Biochem.J.,Vol.256, No.3(1988)p.703−712 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 7/08 G01N 33/53 - 33/564 CA(STN) MEDLINE(STN) REGISTRY(STN)

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】老化細胞抗原に対する抗体に対して免疫反
    応性を有する単離精製されたペプチドであって、 前記ぺプチドが、前記抗体の前記老化細胞抗原に対する
    結合を阻害し、実質的にアミノ酸配列SKLIKIFQDHPLQKTY
    Nからなることを特徴とするペプチド。
  2. 【請求項2】老化細胞抗原に対する抗体に対して免疫反
    応性を有する単離精製されたペプチドであって、 前記ぺプチドが、前記抗体の前記老化細胞抗原に対する
    結合を阻害し、実質的にアミノ酸配列LFKPPKYHPDVPYVKR
    からなることを特徴とするペプチド。
  3. 【請求項3】請求の範囲1又は2記載のペプチドであっ
    て、少なくとも90重量%の純度において精製されている
    ことを特徴とするペプチド。
  4. 【請求項4】請求の範囲1又は3に記載されたペプチド
    であって、前記ペプチドが、ヌクレオチド配列TCCAAGCT
    GATCAAGATCTTCCAGGACCACCCACTACAGAAGACTTATAACによっ
    てコードされるペプチド。
  5. 【請求項5】請求の範囲2又は3に記載されたペプチド
    であって、前記ペプチドがヌクレオチド配列CTGTTCAAGC
    CACCCAAGTATCACCCAGATGTGCCCTACGTCAAGCGGによってコー
    ドされるペプチド。
  6. 【請求項6】請求の範囲1及び請求の範囲2に記載され
    たペプチドの混合物からなる、合成老化細胞抗原。
  7. 【請求項7】請求の範囲4及び請求の範囲5に記載され
    たペプチドの混合物からなる、合成老化細胞抗原。
  8. 【請求項8】請求の範囲6又は7に記載の合成老化細胞
    抗原において、 請求の範囲1に記載されたペプチドと請求の範囲2に記
    載されたペプチドとの混合比及び請求の範囲4に記載さ
    れたペプチドと請求の範囲5に記載されたペプチドとの
    混合比が、それぞれ重量比入として40%対60%であるこ
    とを特徴とする合成老化細胞抗原。
  9. 【請求項9】請求の範囲6又は7に記載された合成老化
    細胞抗原であって、 共有結合によって架橋されている合成老化細胞抗原。
  10. 【請求項10】請求の範囲6又は7に記載された合成老
    化細胞抗原であって、 個々のペプチドが、検出できる領域によって標識されて
    いる合成老化細胞抗原。
  11. 【請求項11】請求の範囲6又は7に記載された合成老
    化細胞抗原であって、 個々のペプチドが、水に不溶性の物質に結合している合
    成老化細胞抗原。
  12. 【請求項12】請求の範囲11に記載された合成老化細胞
    抗原であって、 上記物質が膜である合成老化細胞抗原。
  13. 【請求項13】請求の範囲6又は7に記載の合成老化細
    胞抗原であって、細胞の老化又は自己免疫疾患を分析す
    るために使用されることを特徴とする合成老化細胞抗
    原。
  14. 【請求項14】試料中の老化細胞抗原に対する抗体を検
    出または測定するキットであって、 請求の範囲6又は7に記載された合成老化細胞抗原と、 上記合成老化細胞抗原及び上記抗体間の免疫学的反応を
    検出または測定する手段を含むキット。
  15. 【請求項15】請求の範囲14のキットにおいて、 上記検出または測定する手段が、 検出可能に標識された、上記抗体に対する抗−抗体また
    は、 検出可能に標識された、上記合成老化細胞抗原に対する
    抗体を含むキット。
  16. 【請求項16】試料中の老化細胞抗原に対する抗体を検
    出または測定する方法であって、 上記抗体を含有する可能性がある試料及び請求の範囲6
    又は7に記載された合成老化細胞抗原を、上記合成老化
    細胞抗原及び上記抗体間に免疫学的反応を起こすに十分
    な反応条件及び反応時間で接触させる段階と、 上記反応が起こった場合にこれを測定するような段階
    と、からなる方法。
  17. 【請求項17】気体または液体から陰イオンを分離する
    方法であって、 十分量の、請求の範囲2又は5に記載されたペプチド
    を、上記気体または液体に、上記ぺプチドと上記陰イオ
    ンとが複合体を形成するに十分な時間接触させ、上記複
    合体を上記気体または液体から分離する方法。
  18. 【請求項18】請求の範囲17に記載された方法であっ
    て、 上記ペプチドが不溶性の基質に結合されている方法。
  19. 【請求項19】請求の範囲17に記載された方法であっ
    て、 上記ペプチドが膜に結合されており、その膜の反対側が
    上記気体または液体に接触している方法。
  20. 【請求項20】老化細胞IgGの老化細胞に対する結合をi
    n vitroで阻害する方法であって、 上記結合を阻害するに十分な量の請求の範囲6〜8のい
    ずれかに記載された合成老化細胞抗原を添加するステッ
    プを含む方法。
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