JP3125060U - キャスター固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャスターの転動を防止し、且つキャスター自体を床面に対して水平方向にも垂直方向にも移動不可能に固定でき、筺体部分とベース部分が一体化されており、キャスターを転動して収納しやすい構成、及び固定と解除を簡便にこれを行える構成のキャスター固定具を開発する。
【解決手段】キャスターを収納する筺体と、キャスターを転動させつつ円滑に筺体内に収納できる誘導手段と、キャスターの水平及び垂直の動きを防止してキャスターを筺体に固定するためのキャスター固定手段と、筺体を床面に固定する全体固定手段と、から構成されているキャスター固定具を提供する。
【選択図】 図7

Description

本考案は、キャスター固定具であって、キャスターを収納する筺体と、キャスターを転動させつつ円滑に筺体内に収納できる誘導手段と、キャスターの水平及び垂直の動きを防止してキャスターを筺体に固定するためのキャスター固定手段と、筺体を床面に固定する全体固定手段と、から構成されていることを特徴とするキャスター固定具に関するものである。
近年、防災意識が高まるにつれ、地震対策として、一般家庭にてもオフィスにても、家具や備品の転倒防止技術の開発が盛んになってきた。このうち、床面に据え置きで移動させることが余り考えられない家具や備品の転倒防止技術は既に万全に近いものがあるが、脚部や底面にキャスターを有し、簡単に移動可能な家具や備品の転倒防止技術の開発は一歩遅れている感は否めない。
すなわち、脚部や底面にキャスターを設ける理由は、移動に便ならしむるためにほかならないが、これは又、地震の際にも、これらの家具や備品が簡単に動いてしまうということを意味するものである。したがって、望まない動きを防止するためにストッパー付のキャスターや、キャスターの受け皿が開発された。
確かに、ストッパー付のキャスターや、キャスターの受け皿を用いることにより、地震の揺れなどによるキャスターの勝手な転動はある程度防止される。しかしながら、この場合には、キャスターの動きは抑えられても、家具や備品自体が転倒することまでは防止できない。すなわち、ストッパー付のキャスターの場合には、キャスターの転動が起こらないのでキャスター自体が脚部や底面の一部となり、縦揺れや強い横揺れによって家具や備品が転倒する。また、受け皿を設けた場合にも、縦揺れや強い横揺れによってキャスターが受け皿を外れて転動したり、あるいは家具や備品自体の転倒が起こる。したがって、このような事態まで防止するためには、キャスターの転動を防止するだけではなく、キャスター自体が床面に対して水平方向にも垂直方向にも移動不可能に固定されている必要がある。
本発明は、上記のような特徴を有するキャスター固定具を開発することを目的とする。ただし、キャスターにはいろいろな種類があるので、対象とするキャスターとして、現在最も多く市販されていると考えられる平板状の座金付のキャスターを主体とし、必要に応じて他の形式のキャスターにも応用可能なものとすることとした。従来技術においては、まず座金付のキャスターを、床面に対して水平方向にも垂直方向にも移動不可能に固定する器具を検索したが、当てはまるものは見出せなかったので、次に、座金のないキャスターを床面に対して固定状態とする技術内容を開示している特許文献を検索した。その結果は下記のとおりである。
特許第3019989号公報 特開2005‐99491号公報 実用新案登録第3060982号公報
上記特許文献1の発明は、主として病院のベッドを床に固定するために開発されたものであって、キャスターの受け皿(基板)を床に粘着性振動吸収板材にて固定し、さらに、ベッドの脚部を係止ベルトにて受け皿(基板)に固定するものである。しかしながら、この方法では、強い揺れで係止ベルトが切断される惧れもあり、さらにキャスターそのものは受け皿(基板)に固定されていないので、縦揺れや強い横揺れにより、受け皿(基板)から外れてしまう危険もある。特に急激な縦揺れに襲われた場合に、キャスターが受け皿(基板)から飛び上がり、ショックで係止ベルトが切断される可能性は充分に考えられる。また、受け皿(基板)を外してキャスターを転動させ、ベッドを移動したい場合に、このような形式であると固定解除に多くの手間がかかるので実用的ではない。家庭やオフィスにて、キャスター付の家具や備品の利点は、簡単に移動できるので掃除や部屋の模様替えの際に極めて楽であるという点にあるが、特許文献1のような固定方法を用いると、移動の度に多くの手間をかけて固定解除を施し、さらにまた再び固定せねばならない。この点の改善は、実用性という観点からきわめて大事なことになってくる。
また、上記特許文献2の考案は、主としてピアノの脚部のキャスターを床面に固定する技術として開示されているもので、キャスターを収納するシャフトホルダーがまず板状のベースに固定され、さらにベースは板状の密着固定材によって床面に固定される。さらに、キャスターは、シャフトホルダーに渡設された2本の保持シャフト(ボルトの軸)に挟着される形で固定されるが、2本の保持シャフトには夫々円筒形状のスリーブが着脱自在に嵌められていて、このスリーブの着脱により、一定範囲のキャスターサイズの変化に対応できるとある。
特許文献2の装置は、シャフトホルダーに渡設された2本の保持シャフト(ボルトの軸)にてキャスターを固定するものであるが、キャスターの水平方向と垂直方向のいずれの方向に対する動きも完全に封じるためには、この形式の場合、最低3本のシャフトが必要となる。特許文献2の図2〜図5に示される実施例の場合には、垂直方向と図面右方向のキャスターの移動はほぼ完全に制限されるが、図面左方向に強い力が働いた場合には、ホルダー53が保持シャフト37に衝突し、保持シャフト37が破壊される惧れもある。このように、シャフトによってキャスターを固定せんとする場合には、強い縦揺れ、横揺れを考えると、シャフトが最低3点でキャスターに当接してキャスターそのものが動く余地のないように固定するという構成をとらなければ安心できない。また、特許文献2の装置においては、シャフトホルダー15が一旦取付部材7に螺着され、さらに取付部材7がベース3に固着され、さらにベース3が密着固定材5によって床面に固定されるという構成を採るが、このように固定段階が多段階に渡ると、各部材の夫々の連結部分において、衝撃の際に連結部分が破壊される惧れがあるので、部品点数はできるだけ少なく、連結部分数も最小としたい。特許文献2の装置でいうなら、シャフトホルダー15と取付部材7の螺着部分、及び取付部材7とベース3の固着部分が衝撃による破壊の対象となるので、この部分は同一部材で一体として構成した方がより衝撃に強い装置となるのは明らかである。
なお、特許文献2の装置にては、保持シャフト37を羅脱すればキャスターの固定は解除できるので、特許文献1の装置に比較すれば、キャスターを移動可能状態とするのははるかに楽である。ただ、蝶ナットが固く締まりすぎている場合など、女性やお年寄りにとっては解除が容易でないケースも考えられるので、この点に対する配慮は必要と思われる。また、固定を解除してキャスターを図3〜図5の左方向に転動させ、キャスターをベース3から床面に降ろす際に、ベース3と床面の間に段差があるので、ここで衝撃が発生する。段差は僅かであるが、衝撃は操作者にとっては不快であるばかりではなく、キャスターで支えられている物品の種類によっては悪影響がある場合も考えられるので、なるべくこの部分での衝撃を小さくしたい。また、キャスターをシャフトホルダー15内に再収納する場合にも、ベース3と床面の間の段差を登らねばならないが、操作者が女性やお年寄りであったり、あるいは物品が極めて重いものであったりすると、この僅かの段差が障害となってキャスターの再収納が不能となる場合も考えられる。また、なんとかベース3に載上できたとしても、次にキャスターをシャフトホルダー15内にうまく収めなければならない。シャフトホルダー15の対向片19、21の間隔は、キャスターの横幅ぎりぎりに構成されているので(そうしないと横ずれを誘発する)、進行方向が一定しないキャスター(取付軸に対して回転自在である点がキャスターの特色)をうまく対向片19、21の間に収めるのは、慣れない人や力の弱い人には労苦を強いる作業とならざるを得ない。したがって、この点の改善も望まれる。
上記特許文献3の器具は、衝撃吸収材の性能に重点を置いた考案であり、この点が前記特許文献1、2とは大きく異なる点といえる。特許文献1の粘着性衝撃吸収板材50はウレタンゴム製で91〜96%の衝撃吸収率を有すると記載されているが、特許文献2の密着固定材5については、詳細は開示されていない。この点については、ある程度の詳細は開示されるべきと考える。なお、特許文献3の器具においては、キャスターをキャスター収納ボックス3に固定する機構としてキャスター上部に嵌着されるカバー部材4を用いているが、このカバー部材4は、キャスターを上から押さえる構造であるため、垂直方向の振動に対してキャスターの動きを抑制する効果はあるものと思われる。しかし、図5から見る限り、前方向には抑止する構成がなにもないので、水平方向の揺れに弱く、とくに前後方向に強い揺れが働いた場合、簡単にキャスターが滑り出てしまうものと考えられる。また、固定解除のためにはキャスター収容ボックス3とカバー部材4を連結している2箇所の取り付けねじ5a、5bをプラスドライバーにて緩めなければならず、この操作は少々面倒である。また固定する際にはこの逆の操作が必要となり、やはり面倒である。また、特許文献3には、キャスターを転動させて収容ボックス3に収容できることが開示されているが、特許文献2と同様、床面と板状体2(ベース部材)との間に段差があり、かつキャスター収容ボックス3の両翼間に円滑にキャスターを導き入れる構成がないという特許文献2と同様の問題がある。
上記より、本考案の課題を、以下のように設定した。
<課題1>
キャスターの転動を防止するだけではなく、キャスター自体を床面に対して水平方向にも垂直方向にも移動不可能に固定することができるキャスター固定具を開発する。なお、対象とするキャスターは、最も多く市販されていると考えられる平板状の座金付のものを主体とするが、必要に応じて、他の形式のキャスターにも応用可能なものとする。
<課題2>
キャスターを収納する筺体部分とキャスターを載上するベース部分を別構造とすると、その連結部分が衝撃で破壊あるいは損傷される可能性もあるので、筺体部分とベース部分を一体として構成する。すなわち、部品点数を最小限に抑えて、衝撃に対して弱い部分をできるだけ減らした構成とする。
<課題3>
キャスターを収納する筺体部分を、できるだけキャスターを転動して収納しやすい構成とする。具体的には、キャスターが載上される筺体底面と床面との段差の解消を図り、さらに筺体の両側面にも、自在に回転するキャスターを収納しやすいようにガイド部分を設ける。
<課題4>
キャスターの固定手段は、課題1にあるように水平方向の力に対しても垂直方向の力に対してもキャスターの動きを確実に抑制できる構成としつつ、その固定及び解除に際しては、できるだけ簡便かつ無用な力を要せずにこれを行える構成とする。
<課題5>
キャスター固定具全体を床面に固定するための全体固定手段については、ある程度その構成を開示する。
本考案は、上記課題を解決するためになされたものであって、下記の解決手段を提供するものである。
<解決手段1>
キャスター固定具であって、キャスターを収納する筺体と、キャスターを転動させつつ円滑に筺体内に収納できる誘導手段と、キャスターの水平及び垂直の動きを防止してキャスターを筺体に固定するためのキャスター固定手段と、筺体を床面に固定する全体固定手段と、から構成されていることを特徴とするキャスター固定具。
<解決手段2>
キャスターを収納する筺体が底面と両側面から構成され前部と後部は開放状態であり、上記誘導手段として、筺体の前部あるいは後部のどちらか一方又は両方において、筺体の底面の開放端の端部に斜路が形成されていることを特徴とする解決手段1に記載のキャスター固定具。
<解決手段3>
キャスターを収納固定する筺体が底面と両側面から構成され前部と後部は開放状態であり、上記誘導手段として、筺体の前部あるいは後部のどちらか一方又は両方において、筺体の両側面の端部が外側に開かれたガイドとして構成されていることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2に記載のキャスター固定具。
<解決手段4>
上記キャスター固定手段として、キャスターの座金が固定される連結部材を有し、該連結部材がボルトと蝶ナットにより筺体に固定されていることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3に記載のキャスター固定具。
<解決手段5>
上記キャスター固定手段として、軸がキャスターのカバー部材の上面に当接し一端が筺体の左側面に挿通固定され他端が筺体の右側面に挿通固定されたボルトと、軸がキャスターの車輪の前面に当接し一端が筺体の左側面に挿通固定され他端が筺体の右側面に挿通固定されたボルトと、軸がキャスターの車輪の後面に当接し一端が筺体の左側面に挿通固定され他端が筺体の右側面に挿通固定されたボルトを有し、軸がキャスターの車輪の前面に当接するボルトあるいは軸がキャスターの車輪の後面に当接するボルトの少なくとも一方を締結するナットが蝶ナットであることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3あるいは解決手段4に記載のキャスター固定具。
<解決手段6>
筺体を床面に固定するための全体固定手段が、100Hz以下の低周波帯に振動特性を有しないスチレン系ポリマー製の板材であることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3あるいは解決手段4あるいは解決手段5に記載のキャスター固定具。
本考案の、解決手段1の考案によれば、キャスターを収納する筺体と、キャスターを転動させつつ円滑に筺体内に収納できる誘導手段と、キャスターの水平及び垂直の動きを防止してキャスターを筺体に固定するためのキャスター固定手段と、筺体を床面に固定する全体固定手段と、から構成されているので、上記筺体によりキャスターの収納部分とキャスターを載置するベース部分が一体化されているから振動や衝撃に弱い部材の連結部分が極力削減されており、全体として振動により強い構成となっている。また、上記誘導手段により、キャスターを転動させつつキャスター固定具内に収納する際も、キャスター固定具内から離脱させる場合も極めて円滑にこれを行うことができる。また、上記キャスター固定手段によりキャスターの転動はもとより、キャスターの水平方向及び垂直方向の動きが防止されるから、地震の際の強い縦揺れ、横揺れに対してもキャスターが動き出すことがない。また、上記全体固定手段により、キャスターとキャスター固定具の全体が確実に床面に対して固定される。
本考案の解決手段2の考案によれば、キャスターを収納する筺体が底面と両側面から構成され前部と後部は開放状態であり、上記誘導手段として、筺体の前部あるいは後部のどちらか一方又は両方において、筺体の底面の開放端の端部に斜路が形成されているので、キャスターを転動させてキャスター固定具に収納、あるいは離脱させる場合に、筺体の底面から床面に(あるいは逆に)キャスターが極めて円滑に転動し、従来のように段差部分にて衝撃があったり、あるいは段差部分にてキャスターが付属する物品全体を持ち上げなければならなかったりということが起こらない。したがって、女性やお年寄りや力の弱い人においても、非常に楽にキャスターの収納、あるいは離脱を行うことができるようになった。また、物品に衝撃がないので、衝撃や振動に弱い物品に対しても、安心してキャスター固定具への収納、また離脱を行えるようになった。
本考案の解決手段3の考案によれば、キャスターを収納固定する筺体が底面と両側面から構成され前部と後部は開放状態であり、上記誘導手段として、筺体の前部あるいは後部のどちらか一方又は両方において、筺体の両側面の端部が外側に開かれたガイドとして構成されているので、キャスターを転動させてキャスター固定具に収納させる場合に、これまでのようにキャスターの位置と方向を正確に揃えてから収納させるという手間がかからなくなった。すなわち、両側面の端部がガイドとして外側に開かれているので、キャスターの側面がガイドの内側に当接すれば、あとはガイドがキャスターを誘導して、円滑に収納作業が行える。キャスターは、周知のように取付軸に対して360°回転自在であるところにその特徴があり、この特徴がまた逆に働いてキャスター固定具への収納を難しくしていた側面は否めないが、両側板の端部をガイドとすることにより、ある程度キャスターの進入方向がずれていても、どちらかのガイドの内側に当接しさえすれば、あとはガイドが誘導して適性位置に導きいれてくれるので、操作する人間の方の負担は格段に軽くなるものである。
本考案の解決手段4の考案によれば、上記キャスター固定手段として、座金付キャスターの座金が固定される連結部材を有し、該連結部材がボルトと蝶ナットにより筺体に固定されているので、キャスターは、連結部材を介してキャスター固定具に確実に固定され、キャスターの転動はもとより、水平方向の移動も、垂直方向の移動も完全に防止される。また、連結部材がボルトと蝶ナットにより筺体に固定されていることから、ドライバー等の道具を用いることなくこの蝶ナットを緩めるだけで、簡単に固定状態を解除でき、さらに固定状態とする際にも簡単である。さらに、ボルトの頭部と筺体の間に軟質材製のワッシャーが嵌装すれば、ボルトの頭部を指で押さえながら蝶ナットを回すだけで簡単にボルトの螺着、螺脱を行うことが可能となる。すなわち、軟質材製のワッシャーを用いない場合には、ボルトの頭部の回転を抑えるために、場合によってはドライバーなどの工具を用いなければならないケースもあるが(締結状態が強固な場合)、軟質材製のワッシャーを用いることにより、ボルトの頭部と軟質材製のワッシャーの摩擦力によってボルトの頭部の回転が抑制されるので、ボルトの頭部を軽く指で押さえて蝶ナットを手で回転させることにより、簡単にボルトの螺着、螺脱が行える。この、解決手段4の考案にては、キャスターをキャスター固定具に固定する固定手段が1箇所のボルトナットのみであって、しかもこの1箇所の固定によってキャスターの水平方向及び垂直方向への運動が確実に防止されるので、座金付のキャスターの固定方法としては、固定の確実性と固定操作・解除操作の簡便性からいってこれ以上の固定方法はまず考えられない、いわば究極的な固定方法とも言い得るものである。
本考案の解決手段5の考案によれば、上記キャスター固定手段として、軸がキャスターのカバー部材の上面に当接し一端が筺体の左側面に挿通固定され他端が筺体の右側面に挿通固定されたボルトと、軸がキャスターの車輪の前面に当接し一端が筺体の左側面に挿通固定され他端が筺体の右側面に挿通固定されたボルトと、軸がキャスターの車輪の後面に当接し一端が筺体の左側面に挿通固定され他端が筺体の右側面に挿通固定されたボルトを有し、軸がキャスターの車輪の前面に当接するボルトあるいは軸がキャスターの車輪の後面に当接するボルトの少なくとも一方を締結するナットが蝶ナットであるので、キャスターは、連結部材を介してキャスター固定具に確実に固定され、キャスターの転動はもとより、水平方向の移動も、垂直方向の移動も完全に防止される。また、連結部材がボルトと蝶ナットにより筺体に固定されていることから、ドライバー等の道具を用いることなくこの蝶ナットを緩めるだけで、簡単に固定状態を解除でき、さらに固定状態とする際にも簡単である。さらに、ボルトの頭部と筺体の間に軟質材製のワッシャーを嵌装すれば、ボルトの頭部を指で押さえながら蝶ナットを回すだけで簡単にボルトの螺着、螺脱を行うことが可能となる。
解決手段5の考案の固定手段は、3本のボルトをキャスターに当接させて3点でキャスターを固定する3点固定方式であり、これをもって、キャスターの水平方向、垂直方向の動きを完全に封じることができる。しかも、3点が固定されているにもかかわらず、ボルトを1本はずすだけで固定状態を解除できるので、利便性は解決手段4に記載の考案と変わらない。また、着脱対象となるボルトのナットには蝶ナットを用い、さらに場合によってはボルトの頭部と筺体の間に軟質材製のワッシャーを嵌装すれば、ドライバー等の工具が不要で、指で軽くボルトの頭部を押さえるだけでボルトの螺着、螺脱が行えるという点においても解決手段4の考案と同様の効果を奏するものである。ただ、解決手段4の考案は、キャスターの座金部分と筺体を固定するので、その固定状態は、解決手段5の考案より強固なものとなる。しかるに、解決手段5の考案の利点は、解決手段5の考案は、座金部分を有しないキャスターに対しても応用可能であるという点である。
本考案の解決手段6の考案によれば、筺体を床面に固定するための全体固定手段が、100Hz以下の低周波帯に振動特性を有しないスチレン系ポリマー製の板材であるので、地震の際の振動を効率的に吸収でき、かつ筺体の底面と床面に対して強力な粘着力を有し、さらに床面や巨体の底面から簡単に剥離することができる。地震は、周期的な加速度を与えられた100Hz以下の低周波の断続的な振動とされているが、本考案の解決手段6の考案における全体固定手段は、この100Hz以下の低周波帯に振動特性を有しない素材からなるために、地震の際の振動を効率的に熱エネルギーに変換することができ、キャスター固定具の振動を確実に抑制することが可能である。
本考案を実施するための最良の形態を、以下に、図面を参照しながら詳細に説明する。
<実施例1の構成>
図1〜図7は、本考案の実施例1のキャスター固定具F1で、キャスターCを収納した状態にて示している。実施例1のキャスター固定具F1は、図1〜図7に見るように、平板状の座金Z付のキャスターC用のキャスター固定具であって、キャスターCを収納する筺体11と、キャスターCを転動させつつ円滑に筺体内に収納できる誘導手段31と、キャスターCの水平及び垂直の動きを防止してキャスターCを筺体11に固定するためのキャスター固定手段41と、筺体を床面に固定する全体固定手段21とから構成されている。なお、C1はキャスターCの車輪、C2はキャスターCのカバー、C3はキャスターCの回転軸、ZはキャスターCの座金、CB1、CB2、CB3、CB4は座金Zを物品OBに固定するためのボルト、CN1、CN2、CN3、CN4はナットである。
筺体11は、キャスターCが載置される長方形状の底面11aと、底面11aと一体に垂設された台形状の左側面11bと、底面11aと一体に垂設された台形状の右側面11cから構成されており、筺体11の前部と後部は開放状態である。なお、筺体11の材質は、金属や硬質プラスティックを用いることができる。図9に示すように、筺体11の左側面11bの後部上端には円孔H1が穿設され、前部下端には円孔H2が穿設されている。また、筺体11の右側面11cの後部上端には円孔H3が穿設され、前部下端には円孔H4が穿設されている。
筺体11の底面11aの下面には、平面視で底面11aと同一形状の全体固定手段21が貼着されている。全体固定手段21は、100Hz以下の低周波帯に振動特性を有しないスチレン系ポリマー製の板材で、その厚さは後述の誘導手段31の斜路31aの高さh1に一致させてある。
筺体11の後部開放面には誘導手段31が筺体11と一体に設けられている。誘導手段31は、斜路31aとガイド31b、31cから構成されているが、斜路31aは筺体11の底面11aの後端部に、底面11aと一体に連接されており、斜路31aの前部は底面11aと同一の高さh1(図1〜図4参照)であるが、後部に至るに従い高さを減じ、斜路31aの後端は床面FLに接している。また、ガイド31bは縦長の台形の板状で、筺体11の左側面11bの後端部に左側面11bと一体に連接されており、ガイド31bの前部は左側面11bと同一の位置にあるが、後部に至るに従い左方に開き、ガイド31bの後端下部は左側面11bから距離d1だけ左方に位置している(図1、図2、図5、図6参照)。距離d1は、実施例1にては斜路31aの高さh1と略同一とされているが、適宜変更は可能である。例えば、キャスターCが付設される物品OBが軽量のものであれば距離d1は小さめでも良いが、物品OBが重くなれば、さらに大としても良い。さらに、ガイド31cは縦長の台形の板状で、筺体11の右側面11cの後端部に右側面11cと一体に連接されており、ガイド31cの前部は右側面11cと同一の位置にあるが、後部に至るに従い右方に開き、ガイド31cの後端下部は右側面11cから距離d2だけ右方に位置している(図1、図2、図5、図6参照)。距離d2は、実施例1にては距離d1と同一であり、距離d1と同様、物品OBが重くなれば、大とすることができる。
キャスター固定手段41は、図1〜図8及び図10に見るように、板状部材を正面視及び背面視が門構え型になるように曲折させた連結部材で、金属製あるいは硬質プラスティック製とすることができる。上面41aの両端部に円孔H41、H42が穿設されており、左側面41b下部には円孔H43が、右側面41c下部には円孔H44が穿設されている。円孔H41はキャスターCのボルトCB3(図2参照)が挿嵌できる大きさで、ボルトCB3が挿嵌され、ナットCN3にて締結されている。また、円孔H42はキャスターCのボルトCH4(図2参照)が挿嵌できる大きさで、ボルトCB4が挿嵌され、ナットCN4にて締結されている。したがって、キャスター固定手段41(連結部材)は、ボルトCB3、CB4、ナットCN3、CN4により、キャスターCの座金Zに螺着固定されている。また、円孔H43は筺体11の左側面11bの円孔H1(図8、図9参照)と同一の大きさであり、円孔H44は筺体11の右側面11cの円孔H3(図8、図9参照)と同一の大きさである。円孔H43、H44にはボルトB1(図1〜図8参照)が挿嵌され、蝶ナットであるナットN1にて締結されている。したがって、キャスター固定手段41(連結部材)は、ボルトB1、ナットN1により、筺体11の左側面11bと右側面11cに螺着固定されている。以上より、キャスターCの座金Zと筺体11は、キャスター固定手段41(連結部材)により相互に固着状態とされている。
ボルトB1は、筺体11の左側面11bの後部上端と右側面11cの後部上端に螺着固定されることにより、図1〜図7に示すように、左側面11bと右側面11cの後部上端の間に渡設された状態にある。ボルトB1を左側面11b側にて締結するナットN1は前述のように蝶ナットであり、W1aはナットN1と左側面11bの間に挿嵌された金属製のワッシャーである。また、右側面11c側にてボルトB1の頭部B1aと右側面11cの間に挿嵌されたワッシャーW1bはゴムあるいは軟質プラスティック等の軟質材製で、ナットN1によりボルトB1が締結された状態で、ボルトB1の軸B1b方向に圧縮された状態にある。
ボルトB2は、筺体11の左側面11bの前部下端と右側面11cの前部下端に螺着固定されることにより、図1〜図7に示すように、左側面11bと右側面11cの前部下端の間に渡設された状態にある。ボルトB2を左側面11b側にて締結するナットN2は通常のナットであり、W2aはナットN2と左側面11bの間に挿嵌された金属製のワッシャーである。また、右側面11c側にてボルトB2の頭部B2aと右側面11cの間に挿嵌されたワッシャーW2bはゴムあるいは軟質プラスティック等の軟質材製で、ナットN2によりボルトB2が締結された状態で、ボルトB2の軸B2b方向に圧縮された状態にある。なお、ボルトB2は、軸B2bがキャスターCの車輪C1の前方下部に当接する状態に渡設されている。
<実施例1の作用>
まず、実施例1のキャスター固定具F1にキャスターCを収納固定する方法を説明する。まず、キャスターCは物品OBに付設された状態で、キャスターCの座金Zには、既に、連結部材であるキャスター固定手段41がボルトCB3、CB4により螺着された状態となっている。また、キャスター固定具F1は、図8に見るようにボルトB2が筺体11の左側面11bと右側面11cの前部下端の間に渡設され、ボルトB1は渡設されていない状態となっている。
この状態にて、筺体11の誘導手段31のある背面側からキャスターCを転動させながら筺体11内に収納する(方向α)。この際、筺体11の底面11aの後端部に一体に連接された斜路31aの作用により段差を生じることなく極めて円滑に転動しながら収納されるものである。また、筺体11の左側面11bの後端部に一体に連接されたガイド31bと筺体11の右側面11cの後端部に一体に連接されたガイド31cの作用により、進行方向が直進方向から多少ずれていたり車輪C1の向きが進行方向から多少ずれていても、キャスターCの前部がガイド31bとガイド31cの間に入っていれば、キャスターCの前部はガイド31b、31cの誘導作用により円滑に筺体11内に収納されるものである。
またさらに、筺体11の左側面11bと右側面11cの前部下端の間に渡設されたボルトB2の軸B2bがストッパーの役割を果たし、キャスターCの前部(車輪C1の前部)が軸B2bに当接したところでキャスターCの転動は停止されるが、この位置にて、キャスター固定手段41の円孔H43と筺体11の左側面の円孔H1が重なり、キャスター固定手段41の円孔H44と筺体11の左側面の円孔H2が重なるように構成されている。
この状態にて、ボルトB1の軸B1bに軟質材製のワッシャーW1bを挿嵌して円孔H3、H44、H43、H1に挿通し、左側面11b側に突出した軸B1bの端部にワッシャーW1aとナットN1を挿嵌し、ボルトB1の頭部B1aを指先で軽く押圧しながらナットN1を締結する。ナットN1は蝶ナットであるので、専用の工具は用いず、手で回転締結が可能である。また、ワッシャーW1bは軟質材製であるので、ボルトB1の頭部B1aを指先で軽く押圧するだけで頭部B1bとワッシャーW1bの間に、またワッシャーW1bと右側面11cの間に摩擦力が働き、特殊な工具を用いなくても締結固定が可能となる。
これにて、キャスターCの収納固定は完了する(図7参照)。キャスターCはその座金Zがキャスター固定手段41を介して筺体11に強固に固定されているので、水平方向の振動に対しても垂直方向の振動に対してもキャスターCは不動の状態であり、無論キャスターCの転動も生じない。また、キャスター固定具F1全体は、全体固定手段21により、床面FLに強固に固定されている。なお、キャスターCはキャスター固定手段41のみで完全にキャスター固定具F1中に収納固定されており、ボルトB2はキャスターCの固定に対しては補助的な役割しか果たしていない。ボルトB2の本来的な役割は、上述のようにキャスターCを転動させつつ筺体11内に収納する際のストッパーとしての役割である。
次に、キャスターCを固定解除して、キャスター固定具F1から脱出させる方法を説明する。図7の状態から、まず、ナットN1を手で緩める。この際、ボルトB1の頭部B1aを軽く指先で押圧するだけで、ワッシャーW1bの摩擦力により、ナットN1がよほど固く締結されていたとしても、専用の工具なしにナットN1の解除が可能となる。このようにして、軸B1bの端部からナットN1を螺脱したならば、ボルトB1の頭部B1aを持ってボルトB1を円孔H3、H44、H43、H1から引き抜く。これにより、キャスター固定手段41と筺体11の固定状態は解除されるので、後は、キャスターCを後方(図8のβ方向)に転動させ、キャスター固定具F1から脱出させれば良い。この際、斜路31aの作用により、キャスターCは極めて円滑に転動して筺体11からの脱出が行われるものである。このようにして図8に示す状態となり、キャスターCの脱出は完了する。
<実施例2の構成>
図11〜図16は、本考案の実施例2のキャスター固定具F2で、キャスターCを収納した状態にて示している。実施例2のキャスター固定具F2は、実施例1同様、平板状の座金Z付のキャスターC用のキャスター固定具であって、キャスターCを収納する筺体12と、キャスターCを転動させつつ円滑に筺体内に収納できる誘導手段32と、キャスターCの水平及び垂直の動きを防止してキャスターCを筺体12に固定するためのキャスター固定手段42と、筺体を床面に固定する全体固定手段22とから構成されている。
筺体12は、キャスターCが載置される長方形状の底面12aと、底面12aと一体に垂設された台形状の左側面12bと、底面12aと一体に垂設された台形状の右側面12cから構成されており、筺体12の前部と後部は開放状態である。なお、筺体12の材質は、金属や硬質プラスティックを用いることができる。図17の組付構成図に見るように、筺体12の左側面12bの前部上端には円孔H5が、前部下端には円孔H7が、後部下端には円孔H9が夫々穿設されている。また、筺体12の右側面12cの前部上端には円孔H6が、前部下端には円孔H8が、後部下端には円孔H10が夫々穿設されている。
筺体12の底面12aの下面には、平面視で底面12aと同一形状の全体固定手段22が貼着されている。全体固定手段22は、実施例1の全体固定手段12と同様、100Hz以下の低周波帯に振動特性を有しないスチレン系ポリマー製の板材で、その厚さは後述の誘導手段32の斜路32aの高さh2に一致させてある。
筺体12の後部開放面には誘導手段32が筺体12と一体に設けられている。誘導手段32は、斜路32aとガイド32b、32cから構成されており、その構成は実施例1の誘導手段31と略同一であるので、詳細な説明は省略する。斜路32aの高さh2(図11〜図14参照)は実施例1のキャスター固定具における高さh1(図1参照)と、ガイド32bの後端下部の開き具合を表す距離d3は実施例1の距離d1(図1参照)と、ガイド32cの後端下部の開き具合を表す距離d4は実施例1の距離d2(図1参照)と、夫々同一である。なお、実施例1と同様、距離d3、d4は、物品OBが重くなるにしたがい、大とすることができる。
キャスター固定手段42は、図11〜図17に見るように、3本のボルトB3、B4、B5より構成されている。ボルトB3は筺体12の左側面12bの円孔H5と右側面12cの円孔H6に挿嵌渡設されていて、左側面12b側にてナットN3により締結されている。B3aはボルトB3の頭部であり、B3bはボルトB3の軸である。なお、W3aはナットN3と左側面12bの間に挿嵌された金属製のワッシャーであり、W3bは頭部B3aと右側面12cの間に挿嵌されたゴムあるいは軟質プラスティック等の軟質材製のワッシャーである。
次に、ボルトB4は筺体12の左側面12bの円孔H7と右側面12cの円孔H8に挿嵌渡設されていて、左側面12b側にてナットN4により締結されている。B4aはボルトB4の頭部であり、B4bはボルトB4の軸である。なお、W4aはナットN4と左側面12bの間に挿嵌された金属製のワッシャーであり、W4bは頭部B4aと右側面12cの間に挿嵌されたゴムあるいは軟質プラスティック等の軟質材製のワッシャーである。
さらに、ボルトB5は筺体12の左側面12bの円孔H9と右側面12cの円孔H10に挿嵌渡設されていて、左側面12b側にてナットN5により締結されている。B5aはボルトB5の頭部であり、B5bはボルトB5の軸である。また、ナットN5は蝶ナットである。なお、W5aはナットN5と左側面12bの間に挿嵌された金属製のワッシャーであり、W5bは頭部B5aと右側面12cの間に挿嵌されたゴムあるいは軟質プラスティック等の軟質材製のワッシャーである。
図15に見るように、ボルトB3の軸B3bはキャスターCのカバーC2の上端部よりやや前方の部分に当接し、ボルトB4の軸B4bはキャスターCの車輪C1の前方下部に当接し、ボルトB5の軸B5bはキャスターCの車輪C1の後方下部に当接するように構成されている。したがって、キャスターCは、ボルトB3、B4、B5から構成されるキャスター固定手段42により、筺体12内に、水平方向にも垂直方向にも移動しないように、また車輪C1の転動も起こらないように収納固定されている。
<実施例1の作用>
まず、実施例2のキャスター固定具F2にキャスターCを収納固定する方法を説明する。まず、キャスターCは物品OBに付設された状態で、キャスター固定具F2は、図17に見るようにボルトB3、B4が筺体12の左側面12bと右側面12cの間に渡設され、ボルトB5のみが渡設されていない状態となっている。
この状態にて、筺体12の誘導手段32が設けられている背面側からキャスターCを転動させながら筺体12内に収納する(方向α)。この際、筺体12の底面12aの後端部に一体に連接された斜路32aの作用により段差を生じることなく極めて円滑に転動しながら収納される点は実施例1と同様である。また、ガイド32bとガイド32cの作用により、進行方向が直進方向から多少ずれていたり車輪C1の向きが進行方向から多少ずれていても、キャスターCの前部がガイド32bとガイド32cの間に入っていれば、キャスターCの前部はガイド32b、32cの誘導作用により円滑に筺体12内に収納される点も実施例1と同様である。
またさらに、筺体12の左側面12bと右側面12cの間に渡設されたボルトB3の軸B3bとボルトB4の軸B4bがストッパーの役割を果たし、キャスターCのカバーC2の上端部のやや前方が軸B3bに当接し、キャスターCの車輪C1の前部が軸B4bに当接したところでキャスターCの転動は停止される。この状態にて、ボルトB5の軸B5bにワッシャーW5bを挿嵌して円孔H9、H10、に挿通し、左側面12b側に突出した軸B5bの端部にワッシャーW5aとナットN5を挿嵌し、ボルトB5の頭部B5aを指先で軽く押圧しながらナットN5を締結する。ナットN5は蝶ナットであるので、専用の工具は用いず、手で回転締結が可能である。また、ワッシャーW5aは軟質材製であるので、ボルトB5の頭部B5aを指先で軽く押圧するだけで頭部B5aとワッシャーW5bの間に、またワッシャーW5bと右側面12cの間に摩擦力が働き、特殊な工具を用いなくても締結固定が可能となる。
これにて、キャスターCの収納固定は完了する(図16参照)。キャスターCは、ボルトB3、B4、B5からなるキャスター固定手段42を介して筺体12に強固に固定されているので、水平方向の振動に対しても垂直方向の振動に対してもキャスターCは不動の状態であり、無論キャスターCの転動も生じない。また、キャスター固定具F2全体は、全体固定手段22により、床面FLに強固に固定されている。
次に、キャスターCを固定解除して、キャスター固定具F2から脱出させる方法を説明する。図16の状態から、まず、ナットN5を手で緩める。この際、ボルトB5の頭部B5a(図12参照)を軽く指先で押圧するだけで、ワッシャーW5bの摩擦力により、ナットN5がよほど固く締結されていたとしても、専用の工具なしにナットN5の解除が可能となる。このようにして、軸B5bの端部からナットN5を螺脱したならば、ボルトB5の頭部B5aを持ってボルトB5を円孔H9、H10から引き抜く。これにより、キャスター固定手段42と筺体12の固定状態は解除されるので、後は、キャスターCを後方(図17のβ方向)に転動させ、キャスター固定具F2から脱出させれば良い。この際、斜路32aの作用により、キャスターCは極めて円滑に転動して筺体12からの脱出が行われるものである。このようにして図17に示す状態となり、キャスターCの脱出は完了する。
<実施例3の構成>
実施例3のキャスター固定具F3の構成を図18に示す。実施例3のキャスター固定具F3は、筺体13と全体固定手段23と誘導手段33とキャスター固定手段43の構成は、実施例2のキャスター固定具F2の筺体12と全体固定手段22と誘導手段32とキャスター固定手段42の構成と略同一であるが、キャスター固定手段44がこれに追加されるという点が、実施例2のキャスター固定具F2と異なっている。そして、このキャスター固定手段44は、実施例1のキャスター固定具F1のキャスター固定手段41と略同一の構成となっている。すなわち、実施例3のキャスター固定具F3は、キャスター固定手段において、実施例1のキャスター固定手段41の構成と実施例2のキャスター固定手段42の構成の両者を合わせた、キャスター固定手段43、44として構成されているものである。
従って、実施例3のキャスター固定具F3においては、キャスターCはキャスター固定手段43とキャスター固定手段44の両方の固定手段によって筺体13内に収納固定される。すなわち、キャスター固定手段43において、3本のボルトB6、B7、B8によりキャスターCの車輪C1とカバーC2が水平方向にも垂直方向にも動かないように固定された上に、キャスター固定手段44によりキャスターCの座金Zと筺体13が固着される。したがって、この実施例3のキャスター固定具F3は、実施例2のキャスター固定具F2、実施例1のキャスター固定具F1と比較すると、はるかに強固な固定状態を齎すものである。なお、ボルトB6はキャスター固定具F2のボルトB3と、ボルトB7はキャスター固定具F2のボルトB4と、ボルトB8はキャスター固定具F2のボルトB5と、そして、ボルトB9はキャスター固定具F1のボルトB1と、夫々同一の構成となっている。
<実施例3の作用>
実施例3のキャスター固定具F3は、作用、すなわち筺体13内へのキャスターCの進退の点においても、キャスター固定具F1(実施例1)、キャスター固定具F2(実施例2)の両者を合わせたような手順が必要となる。すなわち、キャスターCを筺体13内に進入させて収納固定するためには、筺体13の後部のボルトB8,B9の2本を予め筺体13から螺脱しておき、キャスターCを筺体13内に進入させたあと、ボルトB8,B9を締結して固定する。キャスターCを筺体13内から脱出させる場合にはこの逆の手順となる。したがって、キャスター固定具F1、F2に比較するとキャスターCを進入させる場合にも脱出させる場合にも1本余分にボルトの螺着・螺脱を行わねばならない。しかしその分、固定状態は強固となるので、実施例3のキャスター固定具F3は、物品OBの重量がより重い場合や、あるいは何らかの事情でキャスター固定具F1、F2よりさらに強固な固定性能が欲しい場合に用いることができるものである。
なお、ボルトB8,B9を専用の工具を用いることなく簡単に手で螺着・螺脱できる点や誘導手段33により円滑にキャスターCを筺体13内に収納できる点は、キャスター固定具F1、F2と同様である。
本考案のキャスター固定具は、平板状の座金付のキャスターを対象とするものであるが、前述のように実施例2の考案は、座金の無いキャスターにも応用可能である。すなわち、広範囲のキャスターの固定具として用いることができるものである。
本考案の実施例1のキャスター固定具の正面図である。 本考案の実施例1のキャスター固定具の背面図である。 本考案の実施例1のキャスター固定具の左側面図である。 本考案の実施例1のキャスター固定具の右側面図である。 本考案の実施例1のキャスター固定具の平面図である。 本考案の実施例1のキャスター固定具の底面図である。 本考案の実施例1のキャスター固定具の背面左上方から見た外観斜視図である。 本考案の実施例1のキャスター固定具の作用を説明する説明図である。 本考案の実施例1のキャスター固定具の筺体の背面左上方から見た外観斜視図である。 本考案の実施例1のキャスター固定具のキャスター固定手段の背面左上方から見た外観斜視図である。 本考案の実施例2のキャスター固定具の正面図である。 本考案の実施例2のキャスター固定具の背面図である。 本考案の実施例2のキャスター固定具の左側面図である。 本考案の実施例2のキャスター固定具の右側面図である。 図12のA−A線断面図である。 本考案の実施例2のキャスター固定具の背面左上方から見た外観斜視図である。 本考案の実施例2のキャスター固定具の作用を説明する説明図である。 本考案の実施例3のキャスター固定具の背面左上方から見た外観斜視図である。
符号の説明
11 筺体
11a 底面
11b 左側面
11c 右側面
12 筺体
12a 底面
12b 左側面
12c 右側面
13 筺体
21 全体固定手段
22 全体固定手段
23 全体固定手段
31 誘導手段
31a 斜路
31b ガイド
31c ガイド
32 誘導手段
32a 斜路
31b ガイド
31c ガイド
33 誘導手段
41 キャスター固定手段
41a 上面
41b 左側面
41c 右側面
42 キャスター固定手段
43 キャスター固定手段
44 キャスター固定手段
B1 ボルト
B1a 頭部
B1b 軸
B2 ボルト
B2a 頭部
B2b 軸
B3 ボルト
B3a 頭部
B3b 軸
B4 ボルト
B4a 頭部
B4b 軸
B5 ボルト
B5a 頭部
B5b 軸
B6 ボルト
B7 ボルト
B8 ボルト
B9 ボルト
C キャスター
C1 車輪
C2 カバー
C3 回転軸
CB1 ボルト
CB2 ボルト
CB3 ボルト
CB4 ボルト
CN1 ナット
CN2 ナット
CN3 ナット
CN4 ナット
F1 キャスター固定具
F2 キャスター固定具
F3 キャスター固定具
FL 床面
H1 円孔
H2 円孔
H3 円孔
H4 円孔
H41 円孔
H42 円孔
H43 円孔
H44 円孔
H5 円孔
H6 円孔
H7 円孔
H8 円孔
H9 円孔
H10 円孔
N1 ナット
N2 ナット
N3 ナット
N4 ナット
N5 ナット
OB 物品
W1a ワッシャー
W1b ワッシャー
W2a ワッシャー
W2b ワッシャー
W3a ワッシャー
W3b ワッシャー
W4a ワッシャー
W4b ワッシャー
W5a ワッシャー
W5b ワッシャー
Z 座金
h1 高さ
h2 高さ
d1 距離
d2 距離
d3 距離
d4 距離
α 方向
β 方向


















Claims (6)

  1. キャスター固定具であって、キャスターを収納する筺体と、キャスターを転動させつつ円滑に筺体内に収納できる誘導手段と、キャスターの水平及び垂直の動きを防止してキャスターを筺体に固定するためのキャスター固定手段と、筺体を床面に固定する全体固定手段と、から構成されていることを特徴とするキャスター固定具。
  2. キャスターを収納する筺体が底面と両側面から構成され前部と後部は開放状態であり、上記誘導手段として、筺体の前部あるいは後部のどちらか一方又は両方において、筺体の底面の開放端の端部に斜路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャスター固定具。
  3. キャスターを収納固定する筺体が底面と両側面から構成され前部と後部は開放状態であり、上記誘導手段として、筺体の前部あるいは後部のどちらか一方又は両方において、筺体の両側面の端部が外側に開かれたガイドとして構成されていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載のキャスター固定具。
  4. 上記キャスター固定手段として、平板状の座金付のキャスターの座金が固定される連結部材を有し、該連結部材がボルトと蝶ナットにより筺体に固定されていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3に記載のキャスター固定具。
  5. 上記固定手段として、軸がキャスターのカバー部材の上面に当接し一端が筺体の左側面に挿通固定され他端が筺体の右側面に挿通固定されたボルトと、軸がキャスターの車輪の前面に当接し一端が筺体の左側面に挿通固定され他端が筺体の右側面に挿通固定されたボルトと、軸がキャスターの車輪の後面に当接し一端が筺体の左側面に挿通固定され他端が筺体の右側面に挿通固定されたボルトを有し、軸がキャスターの車輪の前面に当接するボルトあるいは軸がキャスターの車輪の後面に当接するボルトの少なくとも一方を締結するナットが蝶ナットであることを特徴とする請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3あるいは請求項4に記載のキャスター固定具。
  6. 筺体を床面に固定するための全体固定手段が、100Hz以下の低周波帯に振動特性を有しないスチレン系ポリマー製の板材であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3あるいは請求項4あるいは請求項5に記載のキャスター固定具。






















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JP2016113037A (ja) * 2014-12-16 2016-06-23 株式会社マルイチ キャスターストッパ

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