JP3123059B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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JP3123059B2 JP14070690A JP14070690A JP3123059B2 JP 3123059 B2 JP3123059 B2 JP 3123059B2 JP 14070690 A JP14070690 A JP 14070690A JP 14070690 A JP14070690 A JP 14070690A JP 3123059 B2 JP3123059 B2 JP 3123059B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プラズマディスプレイパネル、特に、プラ
ズマディスプレイパネルの動作電圧マージンを改善する
ための絶縁体隔壁の構造に関する。
〔従来の技術〕
従来よりACリフレッシュ形プラズマディスプレイパネ
ルにおいては、絶縁体隔壁の構造に独自のものがあり、
この絶縁体隔壁は隣接セル間のクロストークを防止する
のと同時に、放電ギャップを一定に保つためのスペーサ
として利用されている。従来のプラズマディスプレイパ
ネルの絶縁体隔壁について第4図を用いて簡単に説明す
る。
第4図は従来のプラズマディスプレイパネルの断面図
であり、1は前面基板,2は後面基板,3は前面基板1の内
面上に形成されたSnO2等の透明電極(第1の電極)、4
は後面基板2の内面上に形成された例えば銀電極(第2
の電極)である。透明電極3は第1の誘電体膜5によっ
て被覆され、銀電極4は第2の誘電体膜6によって被覆
されている。さらに第1の誘電体膜5の上には、透明電
極3と直交するように第1の絶縁体隔壁7が形成され、
第2の誘電体膜6の上には、銀電極4と直交するように
第2の絶縁体隔壁8が形成されている。第1の絶縁体隔
壁7が銀電極4の間隙に位置し、第2の絶縁体隔壁8が
透明電極3の間隙に位置するように、前面基板1と後面
基板2とを相対向させ、封止材9によって気密封止し、
パネル内部を真空に排気した上でNe等の希ガスが封入さ
れている。絶縁体隔壁7と8とは、ほぼ同じ厚さ、例え
ば50μmの厚さで形成されている。
次に絶縁体隔壁7と8とが同じ層厚で形成される理由
について述べる。第5図はプラズマディスプレイパネル
の電極を模式的に示した図であり、第6図は電極に印加
される電圧波形を示した図である。第5図における3−
1〜3−3,4−1〜4−3は第4図に於ける透明電極3
および銀電極4に番号1〜3を付したものである。また
第6図は電極3−1〜3−3および4−1〜4−3に印
加される電圧波形例を示すものである。第6図に於い
て、4−1〜4−3は走査用電圧波形であり、3−1〜
3−3は走査電圧波形に対応して印加されるデータ電圧
波形である。選択時には、V0なる波高値を有する走査電
圧パルスと逆位相のやはりV0なる波高値を有する電圧パ
ルスがデータ電圧として印加される。V0は通常150Vに設
定されている。今Tなるタイミングで考えると、第5図
に示す電極4−2と電極3−2との交点の放電セル(4
−2,3−2)が選択され放電発光する。ところで、放電
セル(4−1,3−2),(4−2,3−2),(4−2,3−
1),(4−2,3−3)および(4−3,3−2)は半選択
状態にあり、かつ放電状態にある隣接セルには150V+15
0V=300Vに相当する電位の変化が与えられている為、隣
接セル間のクロストークが大きな問題となる。従ってこ
のセル間のクロストークを防止する為に絶縁体隔壁が必
要となり、しかもx方向およびy方向に対して等しくク
ロストークを遮断するため絶縁体隔壁7および8を等し
い障壁の高さに形成する必要がある。
しかるに最近、プラズマディスプレイは、高精細でCR
Tに匹敵する大表示容量を有する製品の需要が急増して
おり、かかるプラズマディスプレイの消費電力を軽減
し、かつ発光輝度を上げるために、一走査時間をアドレ
ス期間と表示のホールド期間とに分割する新しい駆動方
式が実用化されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、かかる新駆動方式においては第4図に示す
従来のプラズマディスプレイパネルの絶縁体隔壁構造が
必ずしも適切でないことが明らかになってきた。即ち、
新駆動方式においては、走査方向のクロストークに体
し、走査電極に沿った方向のクロストークがはるかに生
じ易く、従って、正常動作電圧の上限は、走査電極に沿
った方向のクロストーク発生電圧によって決ってしまっ
ていた。
本発明は、従来のプラズマディスプレイパネルの絶縁
体隔壁の構造を変えることにより、新駆動方式による走
査電極に沿った方向のクロストークの問題を解決するも
のである。
[問題を解決する手段] 本発明のプラズマディスプレイパネルは、第1の誘電
体膜にて被覆された互いに平行な第1の電極群と、該第
1の電極群と直交するように第1の誘電体膜上に形成さ
れた第1の絶縁体隔壁群とを有する前面基板と、第2の
誘電体膜にて被覆された互いに平行な第2の電極群と、
該第2の電極群と直交するように第2の誘電体膜上に形
成された第2の絶縁体隔壁群とを有する後面基板とを、
前記第1の電極群と前記第2の電極群とが互いに直交
し、前記第1の絶縁体隔壁群が前記第2の電極群の各々
の間隔に位置し、前記第2の絶縁体隔壁群が前記第1の
電極群の各々の間隔に位置するように相対向して気密封
止し、内部に放電可能な希ガスを封入し、前記第2の電
極群に、一走査時間をアドレス期間と表示ホールド期間
とに分割された走査パルスを印加して駆動するプラズマ
ディスプレイパネルにおいて、前記第2の絶縁体隔壁群
の層厚を前記第1の絶縁体隔壁群の層厚よりも厚くする
ことを特徴とする。
〔実施例〕
次に、本発明について図面を参照して説明する。第1
図は本発明の第1の実施例を示すパネルの断面図であ
る。1〜6および9は第4図に示した従来のプラズマデ
ィスプレイパネルと同様であるので説明は省略し、第4
図と異なる絶縁体隔壁群7および8について説明する。
従来のプラズマディスプレイパネルを示す第4図におい
ては、絶縁体隔壁群7および8がほぼ同じ層厚(50μ
m)に互いに直交するようにx方向およびy方向に形成
されているのに対し、本発明の第1の実施例を示す第1
図においては、データに対応したパルス電圧を印加する
透明電極(第1の電極)群3と直交するように、第1の
誘電対膜5上に層厚が例えば25μmとなるよう第1の
絶縁体隔壁群7をスクリーン印刷によって形成する。一
方、走査用パルス電圧を印加する後面電極(第2の電
極)群4と直交するように、第2の誘電体膜6上に層厚
が例えば75μmとなるよう第2の絶縁体隔壁群8をス
クリーン印刷によって形成する。放電のギャップは従来
のプラズマディスプレイパネルと同様100μmに規定
される。
次に、第1図に示すプラズマディスプレイパネルの動
作を第2図に示す新駆動方式のパルス波形を用いて説明
する。新駆動方式の原理を第2図のTなるタイミングで
簡単に説明する。TなるタイミングにおけるTAは走査電
極(後面電極)4−3に対応た表示のアドレス期間であ
る。データ側電極(透明電極)3−1および3−3に
は、走査電極4−3と同位相の打消パルスが印加されて
いる為、放電セル(4−3,3−1)および(4−3,3−
3)には170−40=130(V)の電圧しか印加されず、従
って放電セル(4−3,3−1)および(4−3,3−3)は
放電しない。一方、放電セル(4−3,3−2)には170+
40=210(V)の電圧が印加される為、放電を生成す
る。アドレス期間TAにおいて、周波数の遅いパルスが印
加されているのは、アドレス動作を完全に行なうためで
ある。ホールド期間THにおいて、走査電極4−3には周
波数の高い170Vの波高値を有するパルス電圧が印加され
る。放電セル(4−3,3−1),(4−3,3−2)および
(4−3,3−3)には一様に170Vのパルス電圧が印加さ
れるが、アドレス期間TAでアドレスされた放電セル(4
−3,3−2)は、アドレス期間TAで生成した放電のプラ
イミング効果によって放電がホールドされるが、他の放
電セル(4−3,3−1)および(4−3,3−3)は放電し
ない。この新駆動方式においては、データ側電極に印加
されるパルス電圧がアドレス期間の遅いパルスに限られ
る為、従来のプラズマディスプレイに対して著しい消費
電力の削減を図ることができる。更に本駆動方式の重要
な特徴は、ある走査電極のホールド動作と他の走査電極
のアドレス動作およびホールド動作とが時間的に重なっ
ている事である。例えば第2図の走査電極4−2に印加
されるアドレスパレスとホールドパレスは、走査電極4
−5に印加されるホールドパルスと時間的に重なり合っ
ている。従って本駆動方式によれば、ホールドモードの
期間THを一走査時間内に限定することなく、ある程度任
意に延ばす事が可能であり、従って高輝度化を図ること
が可能となる。ところがこの時、通常の線順次走査を行
なうと、隣接した走査電極間での電荷結合(プライミン
グ効果)の為、著しいクロストーク(誤灯)が生ずる事
が明らかとなった。従って新駆動方式に於いては、第2
図に示すように線順次走査をしないで飛び越し走査を行
っている。第2図の場合には、走査電極2本おきに、パ
ルス電圧が重なるようにし(第2図,4−2と4−5の関
係)、絶対に隣接した走査電極同士でのパルス電圧の重
なり合いが生じないように工夫した。また奇数番目の走
査電極,偶数番目の走査電極毎にそれぞれ線順次走査の
シーケンスを作っている為、従来の単純線順次走査に比
し、はるかに走査方向へのプライミング効果によるクロ
ストークを軽減することが可能となった。以上説明した
ように、新駆動方式においては走査のシーケンスを改善
することにより、時間的および空間的にプライミング効
果による走査方向のクロストークを軽減することが可能
となった。しかるにアドレスされた放電セル(4−3,3
−2)に隣接する放電セル(4−3,3−1)および(4
−3,3−3)に関しては、アドレスされた放電セル(4
−3,3−2)によるプライミング効果を直接受ける為、
ホールド期間THの時間が長くなるに従ってクロストーク
が大きな問題となる。従って、本発明によるプラズマデ
ィスプレイパネルにおいては、クルストークの弱い走査
方向に対する隔壁7の層厚とクロストークの強い走査電
極に沿ったセル間に対する隔壁8の層厚とを従来のバラ
ンス形(各々50μm)から、隔壁7の層厚を25μm,隔壁
8の層厚を75μmとしてアンバランス形にする事により
動作電圧範囲の広い安定したプラズマディスプレイパネ
ルを実現することができた。因みに従来のバランス形に
比して、本発明によるアンバランス形では15V〜20Vの動
作電圧マージンの改善を実現することができた。また本
発明の発明者の一人は、先に走査電極に沿った方向に対
してのみ絶縁体隔壁を設けたシングル隔壁構造のプラズ
マディスプレイパネルを提案したが(特開昭63−27404
5)、本発明によるアンバランス形の方がより優れた動
作安定性を示した。
第3図は本発明の第2の実施例の断面図である。1〜
9は第1図と全く同様である。マスキング層10は、パネ
ルのコントラストを向上する為に、透明電極3の電極間
隙に黒色の絶縁体材料を用いてスクリーン印刷によって
形成したものである。本実施例においては、第1の実施
例と同様の効果が得られる他、パネルのコントラストを
向上することができる利点を有する。
尚、第1および第2の実施例において、絶縁体隔壁7
の層厚を25μm,絶縁体隔壁8の層厚を75μmとしたが、
駆動波形の条件等によりこの比率をコントロールして最
適化を図ることができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は、クロストークの強い走
査電極に沿った方向に対する絶縁体隔壁の層厚を、クロ
ストークの弱い走査方向に対する絶縁体隔壁の層厚より
厚くすることにより、新駆動方式に適した動作電圧範囲
の広いプラズマディスプレイパネルを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例を示すパネルの断面図、
第2図は本発明によるプラズマディスプレイパネルを駆
動するための新駆動電圧波形図、第3図は本発明の第2
の実施例を示すパネルの断面図、第4図は従来のパネル
の断面図、第5図は電極構成およびセルを模式的に示し
た図、第6図は従来の駆動電圧波形図である。 1……前面基板、2……後面基板、3……透明電極群
(第1の電極群)、4……後面電極群(第2の電極
群)、5……第1の誘電体膜、6……第2の誘電体膜、
7……第1の絶縁体隔壁群、8……第2の絶縁体隔壁
群、9……封止材、10……マスキング層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 11/00 - 11/02 G09G 3/288

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の誘電体膜にて被覆された互いに平行
    な第1の電極群と、該第1の電極群と直交するように第
    1の誘電体膜上に形成された第1の絶縁体隔壁群とを有
    する前面基板と、第2の誘電体膜にて被覆された互いに
    平行な第2の電極群と、該第2の電極群と直交するよう
    に第2の誘電体膜上に形成された第2の絶縁体隔壁群と
    を有する後面基板とを、前記第1の電極群と前記第2の
    電極群とが互いに直交し、前記第1の絶縁体隔壁群が前
    記第2の電極群の各々の間隔に位置し、前記第2の絶縁
    体隔壁群が前記第1の電極群の各々の間隔に位置するよ
    うに相対向して気密封止し、内部に放電可能な希ガスを
    封入し、前記第2の電極群に、一走査時間をアドレス期
    間と表示ホールド期間とに分割された走査パルスを印加
    して駆動するプラズマディスプレイパネルにおいて、前
    記第2の絶縁体隔壁群の層厚を前記第1の絶縁体隔壁群
    の層厚よりも厚くすることを特徴とするプラズマディス
    プレイパネル。
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