JP3122160B2 - 画像入力装置におけるジター評価方法 - Google Patents
画像入力装置におけるジター評価方法Info
- Publication number
- JP3122160B2 JP3122160B2 JP03098074A JP9807491A JP3122160B2 JP 3122160 B2 JP3122160 B2 JP 3122160B2 JP 03098074 A JP03098074 A JP 03098074A JP 9807491 A JP9807491 A JP 9807491A JP 3122160 B2 JP3122160 B2 JP 3122160B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- image
- jitter
- input device
- image input
- spatial frequency
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
- Facsimiles In General (AREA)
- Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、画像入力装置におけるジター評
価方法に関し、画像入力装置のジターをその空間的な分
布まで含めて測定するための測定方法及び信号処理方法
に関する。例えば、画像入力装置の評価方法や画像信号
計測に適用されるものである。
価方法に関し、画像入力装置のジターをその空間的な分
布まで含めて測定するための測定方法及び信号処理方法
に関する。例えば、画像入力装置の評価方法や画像信号
計測に適用されるものである。
【0002】
【従来技術】一般にディジタル複写機、イメージスキャ
ナ等の画像入力装置では、例えば、図9に示すように、
縮小型と呼ばれるタイプでは、第1走行体11と第2走
行体12と呼ばれる2つのミラーをともなった走行体が
画像原稿13をスキャンし、結像レンズ14によって受
光素子15に結像される。また、図10に示すように、
等倍結像型では等倍結像素子22、等倍受光素子23を
ともなった1つの走行体21が画像原稿24をスキャン
する。通常これら走行体はワイヤーによってモーター駆
動される。これらが走行するときにワイヤー、モータ
ー、軸受け等の機械的な相互作用で走行のブレを発生す
る。これがジターである。このジターは読み取り画像に
直接的な影響を与える。
ナ等の画像入力装置では、例えば、図9に示すように、
縮小型と呼ばれるタイプでは、第1走行体11と第2走
行体12と呼ばれる2つのミラーをともなった走行体が
画像原稿13をスキャンし、結像レンズ14によって受
光素子15に結像される。また、図10に示すように、
等倍結像型では等倍結像素子22、等倍受光素子23を
ともなった1つの走行体21が画像原稿24をスキャン
する。通常これら走行体はワイヤーによってモーター駆
動される。これらが走行するときにワイヤー、モータ
ー、軸受け等の機械的な相互作用で走行のブレを発生す
る。これがジターである。このジターは読み取り画像に
直接的な影響を与える。
【0003】例えば、図11(a),(b)に示すよう
に、斜めエッジを読み込んだときにエッジが波打つ現象
などが、ジターの顕著に現れる代表的な例である。これ
らの現象を解析するために、磁気テープによる走行速度
変動や、レーザードップラー振動計、レーザー干渉計、
光学式、磁気式リニアエンコーダなどを用いた測定が行
われていた。この点については、例えば、特開平1−1
62114号公報や特開平1−161114号公報に記
載されている。レーザー干渉計ではHP社のシステムが
代表的である。
に、斜めエッジを読み込んだときにエッジが波打つ現象
などが、ジターの顕著に現れる代表的な例である。これ
らの現象を解析するために、磁気テープによる走行速度
変動や、レーザードップラー振動計、レーザー干渉計、
光学式、磁気式リニアエンコーダなどを用いた測定が行
われていた。この点については、例えば、特開平1−1
62114号公報や特開平1−161114号公報に記
載されている。レーザー干渉計ではHP社のシステムが
代表的である。
【0004】磁気テープによる方法を図12で簡単に説
明する。これは走行体31に磁気テープの一端32を固
定し、他方33を磁気ヘッド34に通し、走行体の走行
と共に磁気テープ端にパルスを書き込み速度を測定する
というものである。この測定法は磁気テープ32を固定
した位置の1次元測定である。すなわち、走行体のある
1点の速度を測定しているにすぎない。またレーザー干
渉計を使ったシステムでは測定精度は向上するが本質的
には磁気テープと同じ1次元測定であり、またシステム
自体が非常に高価である。また両方法とも振動の間接的
な測定であり、ジターによって劣化した画像を直接、測
定評価するものではない。実際ジターの影響を受ける画
像信号は2次元信号であり、ジター発生箇所の2次元的
な解析が望まれている。
明する。これは走行体31に磁気テープの一端32を固
定し、他方33を磁気ヘッド34に通し、走行体の走行
と共に磁気テープ端にパルスを書き込み速度を測定する
というものである。この測定法は磁気テープ32を固定
した位置の1次元測定である。すなわち、走行体のある
1点の速度を測定しているにすぎない。またレーザー干
渉計を使ったシステムでは測定精度は向上するが本質的
には磁気テープと同じ1次元測定であり、またシステム
自体が非常に高価である。また両方法とも振動の間接的
な測定であり、ジターによって劣化した画像を直接、測
定評価するものではない。実際ジターの影響を受ける画
像信号は2次元信号であり、ジター発生箇所の2次元的
な解析が望まれている。
【0005】
【目的】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされた
もので、読み取り装置によって読み取られた劣化画像を
直接評価し、またジター成分の画像内での2次元的な分
布の把握を実現するようにした画像入力装置におけるジ
ター評価方法を提供することを目的としてなされたもの
である。
もので、読み取り装置によって読み取られた劣化画像を
直接評価し、またジター成分の画像内での2次元的な分
布の把握を実現するようにした画像入力装置におけるジ
ター評価方法を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0006】
【構成】本発明は、基準画像をディジタル画像データと
して読み込み、該入力する基準画像に対して演算処理を
行うことにより、画像入力装置のジターを評価する評価
方法において、前記入力する基準画像として単一周波数
の正弦波基準格子状画像を用いて演算処理を行う方法で
あって、入力された基準画像に対して基準格子の空間周
波数分布方向にフーリエ変換を求め、該基準格子の空間
周波数に中心周波数を有し、前記基準格子の空間周波数
相当の帯域幅をもつフィルタ関数で切り出し、切り出さ
れて発生する線スペクトルを該線スペクトルの広がりを
ふくめ、周波数領域で基準格子の空間周波数相当だけ直
流方向に推移させ、さらにフーリエ逆変換して位相変調
成分を抽出し、画像入力装置のジターを算出することを
特徴とすることを特徴としたものである。以下、本発明
の実施例に基づいて説明する。
して読み込み、該入力する基準画像に対して演算処理を
行うことにより、画像入力装置のジターを評価する評価
方法において、前記入力する基準画像として単一周波数
の正弦波基準格子状画像を用いて演算処理を行う方法で
あって、入力された基準画像に対して基準格子の空間周
波数分布方向にフーリエ変換を求め、該基準格子の空間
周波数に中心周波数を有し、前記基準格子の空間周波数
相当の帯域幅をもつフィルタ関数で切り出し、切り出さ
れて発生する線スペクトルを該線スペクトルの広がりを
ふくめ、周波数領域で基準格子の空間周波数相当だけ直
流方向に推移させ、さらにフーリエ逆変換して位相変調
成分を抽出し、画像入力装置のジターを算出することを
特徴とすることを特徴としたものである。以下、本発明
の実施例に基づいて説明する。
【0007】まず、図1に、基準に用いる入力基準画像
を示す。これに示すように基準画像は単一方向に一定の
空間周波数分布をもっている。記録されている画像信号
は正弦波信号とする。評価の対象となる画像入力装置
は、例えばイメージスキャナやディジタル複写機では、
図2に示すように画像2を主走査方向(x方向)に走査
しながら走行体1が副走査方向(y方向)に移動するも
のである。基準格子画像を図2に示すように、その基準
格子が、画像入力装置の主走査方向と直角になるように
設置して画像を読み取る。ここで画像入力装置の走行体
ジターに主走査方向(x方向)成分がある場合、入力画
像は図3に示すように、ジターの発生箇所A,Bで基準
格子の位相に歪み、すなわち基準格子の位相ずれを検出
することによってジターの振幅が計算できる。
を示す。これに示すように基準画像は単一方向に一定の
空間周波数分布をもっている。記録されている画像信号
は正弦波信号とする。評価の対象となる画像入力装置
は、例えばイメージスキャナやディジタル複写機では、
図2に示すように画像2を主走査方向(x方向)に走査
しながら走行体1が副走査方向(y方向)に移動するも
のである。基準格子画像を図2に示すように、その基準
格子が、画像入力装置の主走査方向と直角になるように
設置して画像を読み取る。ここで画像入力装置の走行体
ジターに主走査方向(x方向)成分がある場合、入力画
像は図3に示すように、ジターの発生箇所A,Bで基準
格子の位相に歪み、すなわち基準格子の位相ずれを検出
することによってジターの振幅が計算できる。
【0008】次に基準格子の位相ずれの計算方法につい
て述べる。例えば 400 dpi A3 の画像入力装置の場合、
図3のx方向をA3短手、y方向をA3長手方向にとる
と、画素数 Nx Ny は約4600×6600程度となる。ここ
でx方向に沿った画素の並びを主走査ラインとする。基
準格子画像は格子の空間周波数分布方向がx軸に沿うよ
うに配置されている。ここで基準格子の空間周波数を d
( line pare/inch )とする。空間周波数1周期分を構
成する画素数Mは M=400/d …(1) となる。
て述べる。例えば 400 dpi A3 の画像入力装置の場合、
図3のx方向をA3短手、y方向をA3長手方向にとる
と、画素数 Nx Ny は約4600×6600程度となる。ここ
でx方向に沿った画素の並びを主走査ラインとする。基
準格子画像は格子の空間周波数分布方向がx軸に沿うよ
うに配置されている。ここで基準格子の空間周波数を d
( line pare/inch )とする。空間周波数1周期分を構
成する画素数Mは M=400/d …(1) となる。
【0009】ところで基準格子をx方向に分布をもつ正
規化された正弦波とすると、基準格子画像の画像濃度分
布 Iref(x,y) は Iref(x,y)=1+cos (2πdx) …(2) と表される。また点x,yにおけるx方向ジター成分を
J(x,y)とすると、被評価画像入力装置によって読み込
まれた画像濃度分布 I(x,y) は I(x,y)=a(x,y)+b(x,y)cos (2πdx+φ(x,y)) …(3) ただしφ(x,y)=2πdJ(x,y) ここでa(x,y),b(x,y)は画像入力装置のx方向ジ
ター成分以外の外乱によるファクターである。例えばa
(x,y)は照明ムラ、b(x,y)は受光素子の感度ばらつ
きなどである。これらはいずれもジターを評価するには
不要な成分であり、かつ未知の関数である。前記(3)
式からa(x,y),b(x,y)の影響を除去し、φ(x,
y)の情報のみを抽出することが本発明の本質である。
規化された正弦波とすると、基準格子画像の画像濃度分
布 Iref(x,y) は Iref(x,y)=1+cos (2πdx) …(2) と表される。また点x,yにおけるx方向ジター成分を
J(x,y)とすると、被評価画像入力装置によって読み込
まれた画像濃度分布 I(x,y) は I(x,y)=a(x,y)+b(x,y)cos (2πdx+φ(x,y)) …(3) ただしφ(x,y)=2πdJ(x,y) ここでa(x,y),b(x,y)は画像入力装置のx方向ジ
ター成分以外の外乱によるファクターである。例えばa
(x,y)は照明ムラ、b(x,y)は受光素子の感度ばらつ
きなどである。これらはいずれもジターを評価するには
不要な成分であり、かつ未知の関数である。前記(3)
式からa(x,y),b(x,y)の影響を除去し、φ(x,
y)の情報のみを抽出することが本発明の本質である。
【0010】次に(3)式で表される読み込み画像濃度
分布I(x,y)から所望の信号成分φ(x,y)を抽出す
る手順について説明する。(3)式を次のように複素表
示する。
分布I(x,y)から所望の信号成分φ(x,y)を抽出す
る手順について説明する。(3)式を次のように複素表
示する。
【0011】
【数1】 ただしc(x,y)=(1/2)b(x,y)exp(jφ(x,y))*
は複素共役、jは虚数単位(4)式の変数xに対する1
次元のフーリエ変換I(fx,y)を考える。すなわち
は複素共役、jは虚数単位(4)式の変数xに対する1
次元のフーリエ変換I(fx,y)を考える。すなわち
【0012】
【数2】
【0013】ここでA,Cはa(x,y),c(x,y)のx
方向に関する1次元フーリエ変換である。第1項Aは照
明ムラや受光素子の感度ばらつきによる信号成分に、起
因するスペクトルであり直流成分を中心に分布する。ま
た第2,第3項は基準格子空間周波数の線スペクトルに
起因するものであり、それはジター成分J(x,y)によ
り位相変調を受けdを中心に有限の広がりを持つ。これ
ら3項は基準格子の空間周波数dが充分高い場合、空間
周波数スペクトル領域で完全に分離される。
方向に関する1次元フーリエ変換である。第1項Aは照
明ムラや受光素子の感度ばらつきによる信号成分に、起
因するスペクトルであり直流成分を中心に分布する。ま
た第2,第3項は基準格子空間周波数の線スペクトルに
起因するものであり、それはジター成分J(x,y)によ
り位相変調を受けdを中心に有限の広がりを持つ。これ
ら3項は基準格子の空間周波数dが充分高い場合、空間
周波数スペクトル領域で完全に分離される。
【0014】ジターにより基準格子読み取り画像がゆが
んだ例を図4に示す。図中、がジターによる歪みのあ
る主走査ラインで、が歪みのない主走査ラインであ
る。図5(a),(b)は歪みのある位置と、歪みのな
い位置における主走査方向の基準格子読み取り画像信号
を示すもので、図5(a)は図4のの主走査ラインに
よる画像信号であり、すなわち、ジターにより位相変調
を受けた信号部分が示されている。図5(b)は図4の
の主走査ラインによる画像信号であり、すなわち、歪
みのない場合の画像信号である。
んだ例を図4に示す。図中、がジターによる歪みのあ
る主走査ラインで、が歪みのない主走査ラインであ
る。図5(a),(b)は歪みのある位置と、歪みのな
い位置における主走査方向の基準格子読み取り画像信号
を示すもので、図5(a)は図4のの主走査ラインに
よる画像信号であり、すなわち、ジターにより位相変調
を受けた信号部分が示されている。図5(b)は図4の
の主走査ラインによる画像信号であり、すなわち、歪
みのない場合の画像信号である。
【0015】図6(a),(b)は、スペクトルの広が
りがジター成分の空間的な分布情報を示す図で、ジター
のある場合とジターのない場合の画像信号のフーリエ変
換スペクトルを示す図である。図6(a)は図4のの
場合のジターのある場合のフーリエ変換スペクトルであ
り、図6(b)は図4のの場合のジターのない場合の
フーリエ変換スペクトルを示す図である。図6(a)に
おいては線スペクトルの拡がりを有しているのに対し、
図6(b)においては拡がりを持たない。
りがジター成分の空間的な分布情報を示す図で、ジター
のある場合とジターのない場合の画像信号のフーリエ変
換スペクトルを示す図である。図6(a)は図4のの
場合のジターのある場合のフーリエ変換スペクトルであ
り、図6(b)は図4のの場合のジターのない場合の
フーリエ変換スペクトルを示す図である。図6(a)に
おいては線スペクトルの拡がりを有しているのに対し、
図6(b)においては拡がりを持たない。
【0016】次にI(x,y)(4)式のフーリエ変換ス
ペクトルに図7(a)に示すバンドパスフィルタをかけ
る。これはI(x,y)(4)式のフーリエ変換スペクト
ルの、周波数dを中心に、位相変調による線スペクトル
の有限な広がりを含めて適当な幅にわたって切り出すも
のである(図7(b))。図7(a)には単純な矩形の
フィルタ関数を示した。この操作で矩形関数が空間周波
数領域で乗算されるため、実空間では画像信号はsinc関
数とのコンボリューション演算を受けることになる。一
般にsinc関数は広いサイドローブをもつため、実空間で
のコンボリューションによって平滑化されてしまう。デ
ィジタル信号処理分野において一般に、実空間でサイド
ローブが狭い形状の関数が多く提案され、Hanning関
数、Hamming関数、blackman関数などが知られている。
上記説明では、説明を簡単にするため矩形関数をフィル
タ関数として述べたが、実際は実空間に戻した場合の空
間分解能を考慮すると、先に述べたサイドローブの狭い
関数を使うことが有効である。
ペクトルに図7(a)に示すバンドパスフィルタをかけ
る。これはI(x,y)(4)式のフーリエ変換スペクト
ルの、周波数dを中心に、位相変調による線スペクトル
の有限な広がりを含めて適当な幅にわたって切り出すも
のである(図7(b))。図7(a)には単純な矩形の
フィルタ関数を示した。この操作で矩形関数が空間周波
数領域で乗算されるため、実空間では画像信号はsinc関
数とのコンボリューション演算を受けることになる。一
般にsinc関数は広いサイドローブをもつため、実空間で
のコンボリューションによって平滑化されてしまう。デ
ィジタル信号処理分野において一般に、実空間でサイド
ローブが狭い形状の関数が多く提案され、Hanning関
数、Hamming関数、blackman関数などが知られている。
上記説明では、説明を簡単にするため矩形関数をフィル
タ関数として述べたが、実際は実空間に戻した場合の空
間分解能を考慮すると、先に述べたサイドローブの狭い
関数を使うことが有効である。
【0017】これにより(5)式の第2項のみが抽出さ
れる。この段階で(5)式の第1項Aに含まれる照明む
ら、受光素子の感度ばらつき等の低周波成分が除去され
る。この空間周波数フィルタリング操作は、例えば基準
格子が完全な正弦格子でない場合、また画像読み取り時
に、ほこりや電気的なスパイクなどによりノイズがのっ
た場合に非常に有効に作用する。すなわち、これらノイ
ズによる画像信号の劣化は、基準高周波数に比べ、高周
波領域で起こるためd付近のスペクトル形状に影響を与
えない。また基準格子が例えば、矩形格子であっても、
その影響は高域にスペクトルが広がるだけであるため、
同様のフィルタリング操作で除去されてしまう。すなわ
ち、本願発明はこの種のノイズにも強い性質が付加的に
備わっている画期的な方法である。
れる。この段階で(5)式の第1項Aに含まれる照明む
ら、受光素子の感度ばらつき等の低周波成分が除去され
る。この空間周波数フィルタリング操作は、例えば基準
格子が完全な正弦格子でない場合、また画像読み取り時
に、ほこりや電気的なスパイクなどによりノイズがのっ
た場合に非常に有効に作用する。すなわち、これらノイ
ズによる画像信号の劣化は、基準高周波数に比べ、高周
波領域で起こるためd付近のスペクトル形状に影響を与
えない。また基準格子が例えば、矩形格子であっても、
その影響は高域にスペクトルが広がるだけであるため、
同様のフィルタリング操作で除去されてしまう。すなわ
ち、本願発明はこの種のノイズにも強い性質が付加的に
備わっている画期的な方法である。
【0018】次に切り出されたフーリエ変換スペクトル
を、周波数軸に沿ってd左にシフトさせ、基準格子によ
る線スペクトルを直流位置に移動させる(図7
(c))。周波数面でのシフト(周波数推移)は実空間
では位相の回転に対応する。この操作で(3)式cosの
位相項第1項による位相の回転が、基に戻されたことに
なる。ここで(3)式は次のようにすなわち、ジター成
分J(x,y)を位相項に持つ関数に周波数dの位相キャ
リアをのせた信号と見なせる。(3)式cosの位相第1
項を除去することは、位相変調を受けた信号の位相キャ
リアを除去することに対応する。この操作によってI
(x,y)(4)式からC(fx,y)を抽出できた。
を、周波数軸に沿ってd左にシフトさせ、基準格子によ
る線スペクトルを直流位置に移動させる(図7
(c))。周波数面でのシフト(周波数推移)は実空間
では位相の回転に対応する。この操作で(3)式cosの
位相項第1項による位相の回転が、基に戻されたことに
なる。ここで(3)式は次のようにすなわち、ジター成
分J(x,y)を位相項に持つ関数に周波数dの位相キャ
リアをのせた信号と見なせる。(3)式cosの位相第1
項を除去することは、位相変調を受けた信号の位相キャ
リアを除去することに対応する。この操作によってI
(x,y)(4)式からC(fx,y)を抽出できた。
【0019】ここでC(fx,y)はc(x,y)のフーリエ
変換であった。そこでフーリエ逆変換演算子をF-1とす
れば、 F-1[C(fx,y)]=c(x,y) =(1/2)b(x,y)exp(jφ(x,y)) …(6) さらに複素数の実数部,虚数部をとる演算子をRe[],I
m[]とすれば(6)の右辺に対して
変換であった。そこでフーリエ逆変換演算子をF-1とす
れば、 F-1[C(fx,y)]=c(x,y) =(1/2)b(x,y)exp(jφ(x,y)) …(6) さらに複素数の実数部,虚数部をとる演算子をRe[],I
m[]とすれば(6)の右辺に対して
【0020】
【数3】
【0021】よって
【0022】
【数4】
【0023】によりジター成分のみが(3)からa(x,
y)b(x,y)の影響を受けずに抽出できる。以上の処理
のフローを図8に示す。以下、各ステップに従って順に
説明する。 step1 :画像入力を行う。step2 :次にn=1とする。step3 :第nラインについて1次元フーリエ変換(FF
T)を行う。step4 :周波数領域でフィルタリングする。step5 :線スペクトルを直流位置にシフトする。step6 :1次元の逆フーリエ変換を行う。step7 :n=Nであるかどうか調べる。step8 :n=Nでなければ、n=n+1として前記step
2に戻る。step9 :n=Nであれば、表示データとして蓄積させ
る。
y)b(x,y)の影響を受けずに抽出できる。以上の処理
のフローを図8に示す。以下、各ステップに従って順に
説明する。 step1 :画像入力を行う。step2 :次にn=1とする。step3 :第nラインについて1次元フーリエ変換(FF
T)を行う。step4 :周波数領域でフィルタリングする。step5 :線スペクトルを直流位置にシフトする。step6 :1次元の逆フーリエ変換を行う。step7 :n=Nであるかどうか調べる。step8 :n=Nでなければ、n=n+1として前記step
2に戻る。step9 :n=Nであれば、表示データとして蓄積させ
る。
【0024】
【効果】以上の説明から明らかなように、本発明による
と、以下のような効果がある。(1)請求項1に対応す
る効果;画像入力装置の走行体ジターの画像内での空間
的な分布を、各点で独立にかつ定量的に検出することが
可能となる。また基準格子画像の歪みが、基準格子周期
以下の歪みでも敏感に検出できる。さらに高価なレーザ
ー干渉計等のハードウェアを必要とせず、ソフトウェア
のみでの処理が可能である。
と、以下のような効果がある。(1)請求項1に対応す
る効果;画像入力装置の走行体ジターの画像内での空間
的な分布を、各点で独立にかつ定量的に検出することが
可能となる。また基準格子画像の歪みが、基準格子周期
以下の歪みでも敏感に検出できる。さらに高価なレーザ
ー干渉計等のハードウェアを必要とせず、ソフトウェア
のみでの処理が可能である。
【図1】 本発明による画像入力装置におけるジター評
価方法の一実施例を説明するための入力基準画像を示す
図である。
価方法の一実施例を説明するための入力基準画像を示す
図である。
【図2】 評価の対象となる画像入力装置を示す図であ
る。
る。
【図3】 ジターの発生を示す図である。
【図4】 ジターにより歪んだ基準格子画像を示す図で
ある。
ある。
【図5】 基準格子読み取り画像信号を示す図である。
【図6】 画像信号のフーリエ変換スペクトルを示す図
である。
である。
【図7】 切り出されたフーリエ変換スペクトルを直流
位置に移動させる様子を示す図である。
位置に移動させる様子を示す図である。
【図8】 本発明による画像入力装置におけるジター評
価方法を説明するためのフローチャートである。
価方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】 従来の画像入力装置を示す図である。
【図10】 従来の他の画像入力装置を示す図である。
【図11】 原画像とジターの影響を受けた画像を示す図
である。
である。
【図12】 ジター現象を解析するための磁気テープによ
る方法を用いた装置を示す図である。
る方法を用いた装置を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/00 - 1/00 108 H04N 1/04 - 1/207 H04N 1/40 - 1/409
Claims (1)
- 【請求項1】 基準画像をディジタル画像データとして
読み込み、該入力する基準画像に対して演算処理を行う
ことにより、画像入力装置のジターを評価する評価方法
において、前記入力する基準画像として単一周波数の正
弦波基準格子状画像を用いて演算処理を行う方法であっ
て、入力された基準画像に対して基準格子の空間周波数
分布方向にフーリエ変換を求め、該基準格子の空間周波
数に中心周波数を有し、前記基準格子の空間周波数相当
の帯域幅をもつフィルタ関数で切り出し、切り出されて
発生する線スペクトルを該線スペクトルの広がりをふく
め、周波数領域で基準格子の空間周波数相当だけ直流方
向に推移させ、さらにフーリエ逆変換して位相変調成分
を抽出し、画像入力装置のジターを算出することを特徴
とする画像入力装置におけるジター評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03098074A JP3122160B2 (ja) | 1991-04-02 | 1991-04-02 | 画像入力装置におけるジター評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03098074A JP3122160B2 (ja) | 1991-04-02 | 1991-04-02 | 画像入力装置におけるジター評価方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04306048A JPH04306048A (ja) | 1992-10-28 |
JP3122160B2 true JP3122160B2 (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=14210204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03098074A Expired - Fee Related JP3122160B2 (ja) | 1991-04-02 | 1991-04-02 | 画像入力装置におけるジター評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3122160B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6579936B1 (en) | 1998-07-30 | 2003-06-17 | Dainippon Ink And Chemicals, Inc. | Composition of polyarylenesulfide, epoxy resin and oxazoline polymer |
CN104156716A (zh) * | 2014-08-15 | 2014-11-19 | 山东大学 | 一种基于相位提取的无色差立体字符图像处理方法 |
-
1991
- 1991-04-02 JP JP03098074A patent/JP3122160B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6579936B1 (en) | 1998-07-30 | 2003-06-17 | Dainippon Ink And Chemicals, Inc. | Composition of polyarylenesulfide, epoxy resin and oxazoline polymer |
CN104156716A (zh) * | 2014-08-15 | 2014-11-19 | 山东大学 | 一种基于相位提取的无色差立体字符图像处理方法 |
CN104156716B (zh) * | 2014-08-15 | 2017-10-17 | 山东大学 | 一种基于相位提取的无色差立体字符图像处理方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04306048A (ja) | 1992-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Shekarforoush et al. | Subpixel image registration by estimating the polyphase decomposition of cross power spectrum | |
JP6571266B2 (ja) | 撮像装置 | |
Miao et al. | Phase-based displacement measurement on a straight edge using an optimal complex Gabor filter | |
KR100971808B1 (ko) | 형상 콘텐츠에 의한 화상의 방사상 및 각도상 또는 회전상분석 및 매칭 장치 및 방법 | |
JP3122160B2 (ja) | 画像入力装置におけるジター評価方法 | |
Zhou et al. | A denoising scheme for DSPI fringes based on fast bi-dimensional ensemble empirical mode decomposition and BIMF energy estimation | |
JP3794738B2 (ja) | データ処理方法及びデジタル出力データ生成方法 | |
JP3161085B2 (ja) | トラック幅誤差検査装置 | |
US5450501A (en) | Apparatus for the point-by-point scanning of an object | |
US6768554B2 (en) | Fringe analysis method using fourier transform | |
JP3184283B2 (ja) | 画像評価方法 | |
JP2507659B2 (ja) | 放射線画像読取装置 | |
JP3364396B2 (ja) | 距離測定装置 | |
JP3364394B2 (ja) | 距離測定装置 | |
EP0440396B1 (en) | Method of measuring track displacement on a magnetic tape | |
Bailey | Super-resolution of bar codes | |
US20090167885A1 (en) | Image processor, image acquisition apparatus, and storage medium of image processing program | |
JP2000121335A (ja) | モアレ測定方法及びそれを用いたモアレ測定装置 | |
JP3632134B2 (ja) | 自動合焦装置 | |
JP3143155B2 (ja) | 画像入力装置におけるジター評価方法及びその装置 | |
Rhodes | The falling raster in optical signal processing | |
Patsias et al. | Image sequences and wavelets for vibration analysis: Part 1: Edge detection and extraction of natural frequencies | |
JPH04284771A (ja) | 画像入力装置におけるジター評価方法 | |
Wolberg et al. | Restoration of images scanned in the presence of vibrations | |
Selvam | Vision-based Sensor System for Vibration Measurement |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |