JP3119429U - 排出水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種産業廃液を凝集沈澱分離処理及び微生物処理して下水道排水基準値以下の浄水として放流する排出水処理装置に関する。
【解決手段】原水は複数の浄化剤混合槽2と可変速式撹拌機(シックナ)3を介して浄化処理された後、水により希釈されながら複数のバイオ処理槽5によってバイオ処理されて放流される。これにより、BOD値やNO3値が大幅に基準値以下となり、下水放流が可能になる。
【選択図】 図1

Description

本考案は、例えば、回収された各種の産業廃液を混合処理してなる排水のBOD値やNO3値を下水道排水基準以下に浄水して放流処理するために使用される処理装置に係り、特に、特殊浄化剤やバイオチップを用いた微生物処理技術により浄水処置する排出水処理装置に関する。
各種の産業廃液(原水)を下水道により排水し浄化処理するような原水浄化処理装置としては従来より各種型式のものが採用されており、夫々、効果を上げている。例えば、「特許文献1」がその一例として挙げられる。
特開平11−128992号(図1)
前記の「特許文献1」の特開平11−128992号の「畜舎排水浄化処理装置」は一般に言われている産業廃液ではないが、畜舎から排出される家畜尿汚水(原水)を浄化処理する装置であり、この原水を籾殻を用いた濾過装置と瀑気槽と再瀑気槽と沈澱槽とを用い、更に機能膜処理をして浄水として一般河川に放流可能な排水とするものであり、原水内の残在窒素等を除去する機能を有するものである。
以上の「特許文献1」に示した「排水浄化処理装置」は前記のような効果及び機能を有するものであるが、原水中に含まれる重金属等の有害物質の基準値以下の除去機能やBODやNO3の大幅な浄化処理やホウ素の除去等についての処理能力については説明が不十分であり、これ等の除去効果に関する処理能力について不明である。また、その他の従来の「浄化処理装置」も本考案の装置に較べて構成が複雑なものが多く、その浄化機能についても十分に開示されてるいものが少ない。
本考案は、以上の事情に鑑みて考案されたものであり、装置の構成が比較的簡単で整然としており、かつBODやNO3の浄化処理が大幅にでき、重金属やホウ素の除去も可能な排出水処理装置を提供することを目的とする。
本考案は、以上の目的を達成するために、請求項1の考案は、混合処理された各種産業廃液を凝集沈澱分離処理及び微生物処理して浄化し、下水道排水基準以下の処理液とする排出水処理装置であって、該装置は、原水を蓄溜する原水槽と、この原水に複数種類の浄化剤を混合させる浄化剤混合槽と、該浄化剤混合槽からの混合液を可変速で撹拌して汚泥を沈澱分離排出させる変速式撹拌機(シックナー)と、前記浄化剤混合槽及び可変速度式撹拌機(シックナー)を複数台配設して処理された一次処理液を希釈しながらバイオ処理するバイオ処理槽と、空気を供給しながら複数の前記バイオ処理槽を通過した二次処理水を放流するための放流槽とを有することを特徴とする。
また、請求項2の考案は、前記原水槽には、既設原水槽からの原水が混入されることを特徴とする。
また、請求項3の考案は、前記各可変速式撹拌槽(シックナー)から排出される沈澱汚泥は、汚泥受け槽に排出された後、汚泥貯溜槽に蓄溜されて処理されることを特徴とする。
本考案の請求項1の排出水処理装置によれば、各種産業廃液等の原水が、複数種類の特殊浄化剤の複数回の浄化処理によりほぼ浄化され、混在している汚泥を沈澱排出し、一次処理液を希釈しながらバイオ処理し、これを複数回行うことにより放流可能な浄水とすることができる。なお、使用される特殊浄化剤やバイオ処理に用いるバイオタクトについてはノウハウ的なものであり、その内容については開示することは出来ないが、処理結果については後記するように開示することが出来、本考案の排出水処理装置の機能について十分に実証することは可能である。
また、本考案の請求項2の排出水処理装置によれば、原水としては新しく流出水される原水のみならず、既設原水についても同時に浄化処理することができ大量の原水の処理が可能となる。
また、本考案の請求項3の排出水処理装置によれば、浄化処理時に沈澱された汚泥は汚泥受け槽に排出されて蓄溜されるため、原水の浄化処理と汚泥の処理が同時に行われる効果が上げられる。
以下、本考案の排出水処理装置の実施の形態を図面を参照して詳述する。
図1は本考案の排出水処理装置100の全体構成を示す構成図である。排出水処理装置100は大別すると原水槽1と、浄化剤混合槽2と、可変速式撹拌機(以下、シックナ)と称呼する)3と、希釈水槽4と、バイオ処理槽5と、放流槽6等とからなる。なお、本実施例では原水槽1には既設原水槽1aが連結され、浄化剤混合槽2とこれに隣接するシックナ3とは3組連結されるが、勿論これに限定するものではない。また、説明の都合上、3組の浄化剤混合槽2はNO1混合槽2a,NO2混合槽2b,NO3混合槽2cとし、これ等と隣接するシックナ3はNO1シックナ3a、NO2シックナ3b、NO3シックナ3cとする。また、バイオ処理槽5も本実施例ではNO1バイオ槽5a、NO2バイオ槽5b及びNO3バイオ槽5cとからなるが勿論これに限定するものではない。また、浄化剤混合槽2に投入される浄化剤7は本実施例では3種類のものからなり、説明の都合上NO1浄化剤7a、NO2混合剤7b及びNO3浄化剤7cとし、これ等は夫々独立したNO1乃至NO3浄化剤槽8a,8b,8cに保存されポンプ9により浄化剤混合槽2側に投入される。また、シックナ3から排出された沈澱汚泥は汚泥受け槽10に排出され、これに連結される汚泥貯溜槽11に蓄溜される。
NO1乃至NO3浄化槽2a,2b,2cは夫々2つの浄化槽体2a′,2a″、2b′,2b″及び2c′,2c″からなりNO1浄化槽2aには原水流量計12や電磁流量計13が設けられている。
シックナ3(3a,3b,3cとも同じ)は、下方に向かって縮径するテーパ管19を下方に配置する回転可能な円筒体からなり、その中心部には原水が流れるフィルタ14が配置される。シックナ3に投入された浄化剤を含む原水はシックナ3で可変速で撹拌され浄化されて放水堰15からオーバフローして隣りの浄水剤混合槽2側に送られる。
バイオ処理槽5のNO1バイオ槽5aはバイオチップであるバイオアクト16を充填した槽からなり、NO3シックナからの一次処理液が投入される。NO2バイオ槽5bはNO1バイオ槽5aにより処理されたバイオ処理液が投入される槽からなり、エアブロウ17からの空気が投入される。また、NO3バイオ槽5cは底面側にバイオアクト16を配設した槽からなり、エアブロウ17からの空気の供給が行われる。
汚泥受け槽10はNO1乃至NO3シックナ3a,3b,3cの前記テーパ管19の下方に設けられる排水管に連結され、NO1乃至NO3シックナ3a,3b,3cから沈澱された汚泥が排出される受け槽からなり、この汚泥はポンプ18により汚泥貯溜槽11に送出される。
次に、本考案の排出水処理装置100による原水の浄化処理作用について説明する。なお、全体のフローとしては図2に示す処理フローからなるが、以下ではその処理フローをやや詳細に説明する。
図2に示すように、既設設備からの各種改修廃液は個別に前処理され選別及び混合されて移送され原水槽1に貯溜される。この原水はまずNO1浄化槽2の浄化槽体2a′に導入される。浄化槽体2a′には予めNO1浄化剤槽8aからのNO1浄化剤7aとNO2浄化剤槽8bからのNO2浄化剤7bが投入されており、ここで原水はこれ等のNO1及びNO2浄化剤7a,7bと混合処理されて浄化槽体2a″に導入される。この浄化槽体2a″には予めNO3浄化剤槽8cからのNO3浄化剤7cが投入されており、ここで混合処理される。
NO1浄化槽2aの処理が終わった原水はNO1シックナ3aに投入されフィルタ14を介してNO1シックナ3aで可変速で撹拌処理される。NO1シックナ3aにより処理されて放水堰15を越えた原水はNO2浄化槽2bに導入されNO2シックナ3bにより前記と同様な処理が行われる。なお、NO2浄化槽2b及びNO3浄化槽2cにはNO1浄化槽2aと同様な浄化剤7が投入されているが重複説明を省略する。
NO3シックナ3cによる処理の終了した一次処理液はバイオ処理槽5のNO1バイオ槽5aに導入され、ここでバイオアクト16によるバイオ処理が行われる。なお、NO1バイオ槽5aには希釈水槽4からの希釈水が投入され、BOD値やNO3値を所望の値にする処理が行われる。このNO1バイオ槽5aは積極的なバイオ処理を行うための槽であり、これに隣接するNO2バイオ槽5bは主としてばつき処理を行うものであり、エアブロウ17からの空気が適量投入される。また、NO3バイオ槽5cは補助処理槽として機能し、底面側にあるバイオアクト16によるバイオ処理が行われる。
バイオ槽5によるバイオ処理が終了した処理液は放流槽6に送られ処理液として下流側に放流される。
以上の一連の浄化処理は、各段階においてここで開示していない詳細な処理が行われるが、ここではその内容はノウハウ的なものであり開示しない。以上の処理により、重金属等の有害物質が除去され、ホウ素もBODとの関係から希釈され放流可能な基準値以下になると共に、BOD値やNO3値が下水道排水基準以下に処理される。
「表1」は、本考案の排出水処理装置100によって処理された原水のBOD及びNO3値を示すものである。

Figure 0003119429
なお、「表1」のROD及びNO3の値はパステルUVによる分析値であり、下段の推定BODが以上のパステル分析値から推定した実際のBOD値であり、この値は下水道排水基準値を下回るものである。
産業上の利用分野
以上の説明では本考案は産業廃液の浄水処理について説明したが、処理対象の原水はこれに限定するものではなく、各種の原水に対しても適用可能であり、その利用範囲は広い。
本考案の排出水処理装置の全体構成を示す構成図。 本考案の排出水処理装置の処理フローを示すフローチャート。
符号の説明
1 原水槽
1a 既設原水槽
2 浄化剤混合槽
2a NO1浄化槽
2a′ 浄化槽体
2a″ 浄化槽体
2b NO2浄化槽
2b′ 浄化槽体
2b″ 浄化槽体
2c NO3浄化槽
2c′ 浄化槽体
2c″ 浄化槽体
3 シックナ(可変速式撹拌機)
3a NO1シックナ
3b NO2シックナ
3c NO3シックナ
4 希釈水槽
5 バイオ処理槽
5a NO1バイオ槽
5b NO2バイオ槽
5c NO3バイオ槽
6 放流槽
7 浄化剤
7a NO1浄化剤
7b NO2浄化剤
7c NO3浄化剤
8a NO1浄化槽
8b NO2浄化槽
8c NO3浄化槽
9 ポンプ
10 汚泥受け槽
11 汚泥貯溜槽
12 原水流量計
13 電磁流量計
14 フィルタ
15 放水堰
16 バイオアクト
17 エアブロウ
18 ポンプ
19 テーパ管
100 排出水処理装置

Claims (3)

  1. 混合処理された各種産業廃液を凝集沈澱分離処理及び微生物処理して浄化し、下水道排水基準以下の処理液とする排出水処理装置であって、該装置は、原水を蓄溜する原水槽と、この原水に複数種類の浄化剤を混合させる浄化剤混合槽と、該浄化剤混合槽からの混合液を可変速で撹拌して汚泥を沈澱分離排出させる変速式撹拌機(シックナー)と、前記浄化剤混合槽及び可変速度式撹拌機(シックナー)を複数台配設して処理された一次処理液を希釈しながらバイオ処理するバイオ処理槽と、空気を供給しながら複数の前記バイオ処理槽を通過した二次処理水を放流するための放流槽とを有することを特徴とする排出水処理装置。
  2. 前記原水槽には、既設原水槽からの原水が混入されることを特徴とする請求項1に記載の排出水処理装置。
  3. 前記各可変速式撹拌槽(シックナー)から排出される沈澱汚泥は、汚泥受け槽に排出された後、汚泥貯溜槽に蓄溜されて処理されることを特徴とする請求項1に記載の排出水処理装置。
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