JP3117652B2 - 電子スピン共鳴装置 - Google Patents

電子スピン共鳴装置

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JP3117652B2 JP08330418A JP33041896A JP3117652B2 JP 3117652 B2 JP3117652 B2 JP 3117652B2 JP 08330418 A JP08330418 A JP 08330418A JP 33041896 A JP33041896 A JP 33041896A JP 3117652 B2 JP3117652 B2 JP 3117652B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子スピン共鳴
(以下ESRという)によって測定試料の共鳴信号を測
定し、その共鳴信号を標準試料のものと比較して測定試
料の分析を行う、特に測定試料のg−値の測定を行うE
SR装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ESRにおいて、測定結果のスペクトル
から得られるg−値は重要なパラメータの一つである。
g−値は自由電子の場合はge =2.002319とい
う2にほぼ近い数値の物性定数であるが、電子が不対電
子として分子内にある場合は、近傍の電子スピン、核ス
ピンによる局部磁場の影響をうけてge と異なる数値を
とる。この現象に基づき、対象試料の不対電子のg−値
を正確に求めれば、試料内の不対電子の存在形態が判明
し、試料の構造解析に有益な情報が得られる。g−値
は、次の式1で定義される。
【0003】 h・ν = g・β・H … 式1 ここでhはプランクの定数、νは試料に印加されたマイ
クロ波の周波数であり、βはBohrの磁子とよばれ、
電子の軌道運動によって生じる磁気モーメントの最小単
位となる物理定数で、9.274078×10-24 JT
-1の値を持っている。Hは試料に与えられている外部静
磁場の磁束密度であり、電子スピンにゼーマン分裂を誘
起する分極磁場である。
【0004】したがってg−値は周波数νと磁束密度H
を正確に知れば、次の式2によって求められる。
【0005】 g = h・ν/(β・H) … 式2 g−値を求める第1の方法は、周波数νと磁束密度Hと
を個別に正確に測定することである。例えば、マイクロ
波カウンタで周波数νを、NMRテスラメーター(核磁
気共鳴法による精密磁場測定器)で磁束密度Hを正確に
読みとれば、それぞれの精度に応じた正確さでg−値は
求められる。しかしこの方法は、マイクロ波カウンタ、
NMRテスラメーターともに高価である点、NMRテス
ラメーターのプローブを空胴共振器内に挿入しなければ
ならず、ESRとの同時測定ができない点等の欠点があ
る。
【0006】さらに、NMRテスラメーターのプローブ
を挿入する時にはESR試料を取り去ることになり、空
胴共振器の共振周波数は変移する。すなわち、ESR装
置では、通常、組込まれている自動周波数制御装置( A
utomatic Frequency Control:略称AFC)によって周
波数νは前記共振周波数に自動的に等しくなるように制
御されている。このために試料の挿入、抜き去りの度ご
とに試料または溶媒の誘電率の相違は空胴共振器の共振
周波数の変移を惹起する。これによって周波数νは、試
料が空胴共振器に挿入されているか、否かによって一般
的には相違する。そしてその程度は試料、および溶媒の
量と誘電率とに依存して変化する。NMRテスラメータ
ーによる磁束密度Hの測定時と試料挿入時とで周波数ν
は異なる値になっていて、式2の関係は保証されない。
【0007】第2の方法は、g−値既知の標準試料と対
象試料とを同時に測定することである。標準試料のg−
値をgr とし、通常の磁場掃引法で測定したスペクトル
ピークの磁束密度をHr とすると式1の関係は、 h・ν = gr・β・Hr … 式3 となる。これを式2に代人しg−値は、 g = (Hr/H)・gr … 式4 で求められる。この方法は、高価なNMRテスラメータ
ーも必要としないため、小型、低コストのESR装置に
適した測定方法である。
【0008】この場合磁束密度Hr は分極磁場に重畳さ
れる磁場掃引値を含む数値となる。この方法では、標準
試料は測定試料と異なる位置に配置されるので、両試料
にかかる分極磁場の均一度が非常に良いことが必要条件
である。g−値は有効数字5〜6桁で求めねばならず、
ESRに汎用されるXバンド装置(マイクロ波周波数9
〜10GHz仕様)では標準試料を測定試料と等しいマ
イクロ彼磁界に置くためには、円筒型TE011 モード、
直六面体型TE102 モードいずれの空胴共振器を用いて
も、両試料の間隔は20mm程度となる。磁極中心にお
いて半径20mmの空間に10-5〜10-6の磁場均一度
を保証する磁石は大型、高価にならざるを得ない。実際
に市販されるこの種ESR装置は(重量)≧1000k
gの磁石が用いられていることが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように小型、低コ
ストのESR装置には、標準試料を利用する方法が適し
ているのであるが、そのために磁場の均一度の優れた大
型の磁石を使用するとESR装置の小型化、低コスト化
を阻害することになり、ESR装置を十分に小型化、低
コスト化することはできなかった。このような事情は、
今なお、ESRの晋及が阻まれている原因の一つのでも
ある。
【0010】そこで、本発明は、大型の磁石を必要とせ
ずに分極用静磁場の均一性を向上させ、小型低価格であ
りながら高精度の測定精度を有するESR装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における電子スピン共鳴装置は、分極磁場内
に配置され、測定試料が内部の測定位置に導入できるよ
うに構成した空胴共振器と、前記空胴共振器に強度分布
が測定試料近傍で均一かつ強度が時間的に変化する掃引
磁場を印加する掃引磁場印加手段と、前記掃引磁場印加
手段による掃引磁場に重畳して変調磁場を印加する磁場
変調手段と、前記空胴共振器に所要のマイクロ波電力を
供給するマイクロ波供給手段と、前記空胴共振器におい
て得られる測定試料の電子スピン共鳴信号を検波して、
前記測定試料の電子スピン共鳴信号を検出する共鳴信号
検出手段とを有し、前記空胴共振器内に前記測定試料
と、前記測定試料にかかるマイクロ波磁界と実質的に等
しいマイクロ波磁界が分布する位置に標準試料を固定配
置し、両試料の電子スピン共鳴信号を掃引磁場の同一掃
引周期において測定するようにした電子スピン共鳴装置
において、実質的に前記標準試料にのみ局部的な磁場を
印加して、前記標準試料に印加される磁場を前記測定試
料に印加される磁場と等しくなるように補正する磁場補
正手段を設けたことを特徴とする。
【0012】また、上記電子スピン共鳴装置において、
前記磁場補正手段は、前記標準試料にのみ局部的な磁場
を印加できるよう配置された磁場補正コイルと、前記磁
場補正コイルに調整可能な直流電流を通じて、測定試料
と標準試料にかかる分極磁場の偏差を補正する補正電流
供給手段とを有するものであることが好ましい。
【0013】また、上記電子スピン共鳴装置において、
前記補正電流供給手段は、前記磁場補正コイルに供給す
る前記直流電流に、前記磁場変調手段の変調用電流の一
部を分流した分流電流を重畳するものであることが好ま
しい。
【0014】また、上記電子スピン共鳴装置において、
前記補正電流供給手段は、前記分流電流の位相を調整す
る位相調整手段を有し、前記位相調整手段の出力電流を
前記磁場補正コイルに重畳して供給するものであること
が好ましい。
【0015】また、上記電子スピン共鳴装置において、
前記補正電流供給手段は、前記磁場補正コイルに供給す
る前記直流電流に、前記掃引磁場の掃引変化分に比例す
る電流を重畳して供給するものであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。図1に第1の実施の形態の構成を
示す。図1は本発明を適用するESR装置の典型的な構
成を示している。空胴共振器1はXバンド直六面体TE
102 モードのものを例示している。空胴共振器本体に
は、例えば日本工業規格に規定される矩形断面の導波管
を用いることができる。空胴長さLはマイクロ波の管内
波長に等しく選ばれ、一端は、銅板をハンダ付けまたは
蝋付けによって閉じて端板11とし、他端はマイクロ波
回路に接続するためのフランジ12を備えている。フラ
ンジ部に設けられた結合孔13は、測定条件に適した反
射係数となるよう選ばれている。空胴共振器1の上面を
貫いて、測定用試料管14を挿入する孔が開けられてい
ることは通常のESR装置と同様である。この図1の紙
面に垂直な方向に、図示しない掃引磁場印加手段からの
掃引磁場が印加される。
【0017】本発明のESR装置では、図1に示される
ように端板11の中央に標準試料16を固定し、空胴共
振器1の側板面に、端板11を挟むように一対の磁場補
正コイル4を配置する。一対の磁場補正コイル4には磁
場補正直流電源41から、調整可能な直流電流を供給し
て磁場補正コイル4の中心に位置する標準試料16に小
さな直流磁場である補正磁場を印加することができる。
この補正磁場は、実質上標準試料16のみに印加され、
離れて配置された測定試料15にはほとんど影響しない
ようにすることができる。また、この補正磁場は、両試
料に印加されている分極磁場である掃引磁場に重畳さ
れ、さらに図1の可変抵抗VR1を調整し電流を加減す
ることによって両試料にかかる分極磁場の偏差を消去す
るよう設定できる。
【0018】補正磁場の設定は、測定試料15位置に別
の同種標準試料を挿入し、通常のESR測定を行う。標
準試料16のスペクトルはESR測定時に測定試料15
位置の標準試料のスペクトルと共に記録される。図2に
ESR測定のスペクトル波形を示す。測定試料15位置
の標準試料の共鳴信号をS15、標準試料16の共鳴信
号をS16で示す。共鳴信号S15と共鳴信号S16の
との変位をEで示す。磁場偏差があれば、両試料の共鳴
信号は、図2のようにスペクトル上変位Eだけ異なる位
置に記録される。したがって、それぞれの共鳴信号S1
5,S16が同一位置に記録され、変位Eが0になるよ
うに可変抵抗VR1を設定すれば良い。現在の技術で
は、かなり小型の磁石(10Kg前後〉でも、標準試料
16と測定試料15の位置間にわたる磁場偏差が10-3
〜10-4以内という磁場均一度に仕上げることが可能で
ある。このため補正磁場は分極磁場の僅か0.1〜0.
01%に過ぎず、磁場補正コイル4に流す補正電流は僅
かで足りる。
【0019】空胴共振器1の側板にはまた、測定試料1
5を中心位置とするように磁場変調コイル3が設けられ
ている。磁場変調コイル3には磁場変調電源31から変
調用電流を供給する。磁場変調コイル3による変調磁場
は掃引磁場に重畳され測定試料15および標準試料16
に印加される。変調用電流は100KHz程度の周波数
が使用される。変調磁場を重畳するのは、ESRの共鳴
信号を微分波形として検出し、マイクロ波キャリアのレ
ベル変動の影響を排除するためである。
【0020】ESR測定時には、測定試料15をセット
し、マイクロ波を導波管2から供給し、磁場変調コイル
3に変調用電流を供給し、磁場補正コイル4に補正電流
を供給し、分極磁場を図示しない磁場掃引手段により掃
引して測定する。分極磁場の下限値から上限値までの掃
引時間は1分から60分程度である。磁場補正コイル4
による補正磁場により、測定試料15と標準試料16の
両試料に印加される分極磁場が、極めて均一な大きさに
なるように補正されているため、測定試料15の共鳴信
号のスペクトル位置を正確に測定することができ、高精
度のESR測定が可能となる。
【0021】図3に第2の実施の形態の構成を示す。図
3は、磁場補正コイル4にさらに磁場変調電源31の出
力の一部を重畳させるようにしたものである。標準試料
16は固定されており、測定試料15の測定スペクトル
の振幅が大きい場合にはスペクトロメータ(図示せず)
の増幅度が下げられるため、標準試料16のスペクトル
振幅は減少する。標準試料16のスペクトル振幅が小さ
すぎると信号の判別が困難になり、測定精度低下の原因
となる。逆に測定試料15の測定スペクトル振幅が小さ
い場合には、スペクトロメータの増幅度が上げられるた
め、標準試料16のスペクトル振幅は過大になり、測定
スペクトルを歪ませる原因にもなる。
【0022】この問題を解決するために、図3に示すよ
うに磁場補正コイル4に磁場変調電源31の出力の一部
を重畳して供給する。標準試料16の共鳴信号強度は変
調磁場の強度に依存する。標準試料16にかかる変調磁
場を可変抵抗VR2を用いて加減することにより、スペ
クトロメータの増幅度にかかわらず、標準試料16のス
ペクトル振幅を概ね一定の適正な大きさに保つことがで
きる。標準試料16の共鳴信号はその共嶋位置が検知出
来る程度でよいから、標準試料16の量は僅かでよく、
磁場補正コイル4に供給する変調用電流も僅かでよい。
【0023】図4に第3の実施の形態の構成を示す。図
4は、磁場補正コイル4に重畳する磁場変調用電流の位
相を移相器42により調整可能としたものである。標準
試料16の共鳴信号を検知し、その標準試料16の共鳴
信号が測定試料15の測定スペクトルと重なる場合は、
スペクトル解析の障害になることも生じる。この場合に
は、図4に示すように移相器42を付加し、磁場補正コ
イル4に供給する磁場変調用電流の位相を調整する。標
準試料16にかかる変調磁場が、測定試料15にかかる
変調磁場と90°位相差になれば、スペクトロメータ
(図示せず)に設けられている位相検波器により、標準
試料16の共鳴信号を消去し、かつ測定信号の強度を最
大にすることができる。
【0024】すなわち位相検波器は、位相検彼器に供給
される基準信号(変調信号と同一周波数である)と共鳴
信号との位相差をθとすると、検波器の検波信号出力は
共鳴信号の振幅とcosθの積に比例する。もしθ=0
とすれば、検波信号出力は最大になり、θ=πならば検
波信号出力は逆符号で最大になる。θ=±π/2ならば
検波信号出力は0になる。このようにして、移相器42
によって磁場補正コイル4に重畳する磁場変調用電流の
位相を調整することで、標準試料16の共鳴信号の強度
調節および信号極性の正逆転ができる。強度調節によっ
て、標準試料16の共鳴信号が測定試料15の共鳴信号
に与える影響を加減でき、極性調整によって、標準試料
16と測定試料15の両共鳴信号が同時記録されたスペ
クトル上でも、信号極性の正逆により両信号を弁別する
ことができる。
【0025】図5に第4の実施の形態の構成を示す。こ
の実施の形態は、図1の第1の実施の形態において掃引
磁場の掃引変化分に比例した成分を補正磁場に重畳する
ようにしたものである。掃引磁場印加手段は、永久磁石
(図示せず)と、永久磁石に設けられた磁場掃引用コイ
ル(図示せず)と、磁場掃引用コイルに磁場掃引用の電
流を供給する磁場掃引用電源51とからなる。この磁場
掃引用電源51からの磁場掃引用の電流を、適切な割合
で磁場補正コイル4に重畳して供給する。
【0026】すなわち磁場補正コイル4には、可変抵抗
VR1により調整した磁場補正直流電源41からの直流
電流と、磁場掃引用電源51からの掃引磁場とともに変
化する電流を可変抵抗VR3により適切な値に調節した
電流とを加算回路により加算して供給する。これによ
り、掃引磁場の掃引範囲が広い場合でも、適切な強度の
補正磁場を重畳することができ、分極磁場の偏差を少な
くすることができる。なお、掃引磁場印加手段は、永久
磁石でなく電磁石を使用してもよく、電磁石の場合は駆
動電流により直接磁場掃引を行うので、電磁石の駆動電
流を適切な割合で磁場補正コイル4に重畳して供給すれ
ばよい。
【0027】以上の実施の形態は、直六面体TE102
ード空胴共振器を例示して説明したが、円筒型TE011
モード空胴共振器を使用することもできる。あるいは他
の任意の形式の空胴共振器でも、本発明の趣旨を損なう
ことなく使用することができる。磁場補正手段として
は、磁場補正コイルを使用したものを示したが、永久磁
石を位置調整可能に設けるもの等の他の構成でもよい。
また、標準試料を空胴共振器の端板に固定するようにし
たが、石英ガラス製の容器に入れて、測定試料と同様に
交換可能に挿入してセットするようにしてもよい。さら
に、諸電流および位相の調整も単なる一例につき説明し
たものであり、実施に際して本発明の趣旨の範囲内で種
々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下のような効果を奏する。
【0029】磁場補正手段による補正磁場を標準試料近
傍に印加することにより、分極磁場を均一性を著しく向
上させ、ESR測定精度を向上させることができる。こ
のことにより分極磁場用の磁石を小型のものとすること
ができ、ESR装置の小型軽量化および低価格化が可能
となる。
【0030】磁場補正手段を磁場補正コイルとすること
によって、磁場補正コイルに供給する直流電流を調整す
ることによって、容易に分極磁場の偏差を補正すること
ができる。
【0031】磁場補正コイルに磁場変調電流を重畳し、
その磁場変調電流の大きさを調整可能とすることによ
り、標準試料の共鳴信号の強度を常に適正な大きさに保
つことができ、適正なESR測定を行うことができる。
【0032】磁場補正コイルに磁場変調電流を重畳し、
その磁場変調電流の位相を調整可能とすることにより、
測定試料の広い範囲にわたる共鳴信号強度に対して、漂
準試料の共鳴信号強度を適切な大きさに容易に調節する
ことができる。さらに標準試料のスペクトルが被測定ス
ペクトルの障害になる場合はこれを容易に消去すること
もできる。また、標準試料の共鳴信号の極性を反転し
て、測定試料の共鳴信号との弁別を容易にすることがで
きる。
【0033】磁場補正コイルに磁場掃引用の電流を調整
可能に重畳することにより、掃引磁場の掃引範囲が広い
場合でも、適切な強度の補正磁場を発生することがで
き、分極磁場の偏差を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のESR装置の第1の実施の形
態の構成を示す図である。
【図2】図2は、ESR測定のスペクトル波形を示す図
である。
【図3】図3は、本発明のESR装置の第2の実施の形
態の構成を示す図である。
【図4】図4は、本発明のESR装置の第3の実施の形
態の構成を示す図である。
【図5】図5は、本発明のESR装置の第4の実施の形
態の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…空胴共振器 2…導波管 3…磁場変調コイル 4…磁場補正コイル 11…端板 12…フランジ 13…結合孔 14…測定用試料管 15…測定試料 16…標準試料 31…磁場変調電源 41…磁場補正直流電源 42…移相器 51…磁場掃引用電源

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分極磁場内に配置され、測定試料(15)
    が内部の測定位置に導入できるように構成した空胴共振
    器(1)と、 前記空胴共振器(1)に強度分布が測定試料(15)近
    傍で均一かつ強度が時間的に変化する掃引磁場を印加す
    る掃引磁場印加手段と、 前記掃引磁場印加手段による掃引磁場に重畳して変調磁
    場を印加する磁場変調手段(3,31)と、 前記空胴共振器(1)に所要のマイクロ波電力を供給す
    るマイクロ波供給手段と、 前記空胴共振器(1)において得られる測定試料(1
    5)の電子スピン共鳴信号を検波して、前記測定試料
    (15)の電子スピン共鳴信号を検出する共鳴信号検出
    手段とを有し、 前記空胴共振器(1)内に前記測定試料(15)と、前
    記測定試料(15)にかかるマイクロ波磁界と実質的に
    等しいマイクロ波磁界が分布する位置に標準試料(1
    6)を固定配置し、両試料の電子スピン共鳴信号を掃引
    磁場の同一掃引周期において測定するようにした電子ス
    ピン共鳴装置において、 実質的に前記標準試料(16)にのみ局部的な磁場を印
    加して、前記標準試料(16)に印加される磁場を前記
    測定試料(15)に印加される磁場と等しくなるように
    補正する磁場補正手段(4,41)を設けたことを特徴
    とする電子スピン共鳴装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した電子スピン共鳴装置に
    おいて、前記磁場補正手段は、 前記標準試料(16)にのみ局部的な磁場を印加できる
    よう配置された磁場補正コイル(4)と、 前記磁場補正コイル(4)に調整可能な直流電流を通じ
    て、前記測定試料(15)と前記標準試料(16)にか
    かる磁場の偏差を補正する補正電流供給手段(41,V
    R1)とを有するものである電子スピン共鳴装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載した電子スピン共鳴装置に
    おいて、 前記補正電流供給手段は、前記磁場補正コイル(4)に
    供給する前記直流電流に、前記磁場変調手段(3,3
    1)の変調用電流の一部を分流した分流電流を重畳する
    ものである電子スピン共鳴装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載した電子スピン共鳴装置に
    おいて、 前記補正電流供給手段は、前記分流電流の位相を調整す
    る位相調整手段(42)を有し、前記位相調整手段(4
    2)の出力電流を前記磁場補正コイル(4)に重畳して
    供給するものである電子スピン共鳴装置。
  5. 【請求項5】請求項2に記載した電子スピン共鳴装置に
    おいて、 前記補正電流供給手段は、前記磁場補正コイル(4)に
    供給する前記直流電流に、前記掃引磁場の掃引変化分に
    比例する電流を重畳して供給するようにした電子スピン
    共鳴装置。
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