JP3117268B2 - 内視鏡洗浄消毒装置 - Google Patents

内視鏡洗浄消毒装置

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JP3117268B2
JP3117268B2 JP04030627A JP3062792A JP3117268B2 JP 3117268 B2 JP3117268 B2 JP 3117268B2 JP 04030627 A JP04030627 A JP 04030627A JP 3062792 A JP3062792 A JP 3062792A JP 3117268 B2 JP3117268 B2 JP 3117268B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内視鏡を洗浄消毒する内
視鏡洗浄消毒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、防水型内視鏡を洗浄消毒する
際、内視鏡外皮の破れやピンホール、或いは接続部の緩
み等が発生していた場合、そのままの状態でこの内視鏡
を洗浄消毒すると、上記の欠陥部分から内視鏡の内部に
水滴が侵入(漏水)して内視鏡内の光ファイバやCCD
等の電気系統等の故障の原因となる。そのため、内視鏡
洗浄消毒装置では漏水検知機能を付加し、内視鏡を洗浄
消毒する前に故障原因となる上記の欠陥部分のチェック
を行なうようになっている。
【0003】この内視鏡洗浄衝動装置で一般に採用され
ている漏水検知方法としては、内視鏡内部から外気への
エアーの漏れを検出し、これを内視鏡内部への水滴の侵
入(漏水)と判断するようにしている。その方法として
は、例えば、内視鏡内部にエアーを送り込んで一定の圧
力を加えた状態で、一定時間放置後の圧力の変化を測定
する。
【0004】ここで、内視鏡内部の減圧が著しい場合に
は漏水あり(N.G.) と判定し、内視鏡内部の減圧が小さ
い場合には漏水なし(O.K.) と判定する。そして、N.G.
と判定された場合には洗浄消毒工程に進めることなくユ
ーザーに内視鏡を修理するよう警告している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法では
内視鏡の軟性部の圧力膨脹や環境温度の変化による測定
物の体積変化、気体と液体の浸透率の違い等の誤差から
誤った漏水検知判定を行なう虞があった。すなわち、漏
水のある内視鏡(N.G.) と漏水のない内視鏡(O.K.) と
の間に確実なボーダーラインを引くことができなかっ
た。その結果、漏水がある内視鏡を漏水なしと判定して
洗浄消毒し、多額な修理が必要となったり、漏水のない
内視鏡が修理に出されたりしていた。
【0006】また、このような問題を解決するため、O.
K.と判定した全ての内視鏡内部を加圧しながら洗浄消毒
し、内視鏡に欠陥部分が発生している場合であってもこ
の欠陥部分から内視鏡内に水滴が侵入することを内視鏡
の内圧によって防ぐようにすることが考えられるが、漏
水のない内視鏡も常時加圧されることとなるため、内視
鏡の耐性が脅かされることになる。
【0007】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、内視鏡の洗浄消毒動
作時における内視鏡内部への漏水を確実に防止すること
ができる内視鏡洗浄消毒装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、内視鏡内部にエアーを送るとともに、前
記内視鏡内部の圧力変化を測定し、前記内視鏡内部から
の空気漏れを検出して前記内視鏡内部の漏水を検知する
漏水検知機能を備えた内視鏡洗浄消毒装置において、前
記内視鏡の洗浄消毒動作の前に、該内視鏡の内部の圧力
が第1の圧力になるまで、エアーを送り込む供給手段
と、前記内視鏡を所定時間放置し、該内視鏡内部の減圧
状態を前記第1の圧力より低い第2の圧力までの第1の
範囲と、前記第2の圧力から、該第2の圧力より低い第
3の圧力までの第2の範囲と、前記第3の圧力より低い
第3の範囲との少なくとも3つに区分して検知する判断
手段と、前記第1の範囲の場合には内視鏡の洗浄消毒を
行ない、前記第2の範囲の場合には内視鏡の洗浄消毒を
行なわず、より詳細な漏水検査を行ない、前記第3の
囲である場合には内視鏡の洗浄消毒を行なわない洗浄消
毒動作制御手段とを具備したものである。
【0009】
【作用】エアーが一定量送り込まれた内視鏡内部の所定
時間後の圧力変化を、エアー漏れ測定量に幅を持たせた
少なくとも3つに場合分けすることにより、エアーの漏
れを液体の漏れに換算する際の誤差が補正される。ま
た、漏水のある内視鏡(N.G.) と漏水のない内視鏡(O.
K.) との間に確実なボーダーラインを引くことができな
い曖昧な場合すなわち漏水の有無を判定できない場合に
は、内視鏡の洗浄消毒を行なわずに2次的な対策が施さ
れる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の一実施例を
説明する。図1は本実施例の内視鏡洗浄消毒装置1内に
設けられた漏水検知部2の概略的な構成を示すものであ
る。この漏洩検知部2にはエアー供給用のポンプ18が
設けられている。
【0011】このポンプ18にはエアー供給管23の基
端部が接続されている。このエアー供給管23の先端部
は漏洩検査用のエアー通路20の基端部に接続されてい
る。このエアー通路20の先端には図示しない洗浄槽内
に収容された洗浄消毒対象となる防水型内視鏡12が漏
洩検査用の接続口金を介して接続されている。
【0012】また、エアー通路20には第1の電磁開閉
弁14が介設されている。第1の電磁開閉弁14より下
流側のエアー通路20には第1〜第3の圧力スイッチ
6,8,10がそれぞれ接続されている。この場合、第
1の圧力スイッチ6の動作圧力は内視鏡12自体の耐圧
に左右される値である例えば0.3kg/cm2 (第1の圧
力)、第2の圧力スイッチ8の動作圧力は内視鏡12の
漏水なしを保証できなくなる限界値である例えば0.29kg
/cm2 (第2の圧力)、第3の圧力スイッチ10の動作圧
力は内視鏡12が確実に漏水を起こす境界値である例え
ば0.28kg/cm2 (第3の圧力)にそれぞれ設定されてお
り、後述するように内視鏡12の内圧が0.3kg/cm2に達
した時のみ第1の圧力スイッチ6がオン操作され、ま
た、内視鏡12の内圧が0.29kg/cm2以上の時に第2の圧
力スイッチ8がオン操作され、0.28kg/cm2以上の時に第
3の圧力スイッチ10がオン操作されるようになってい
る。
【0013】さらに、エアー供給管23には排気管21
が接続されている。この排気管21に排気弁である第2
の電磁開閉弁16が介設されている。この第2の電磁開
閉弁16は第1の電磁開閉弁14とともに例えばマイク
ロコンピュータおよびその周辺回路によって形成される
コントローラ4に接続されている。
【0014】このコントローラ4にはポンプ18、第1
〜第3の圧力スイッチ6,8,10、内視鏡洗浄消毒装
置1の操作部および表示部等がそれぞれ接続されてい
る。そして、このコントローラ4によって前記洗浄槽内
に収容された洗浄消毒対象の内視鏡12内への送気制
御、内視鏡12の減圧状態の判別およびその減圧状態に
対する警告等に関する表示手段の制御、洗浄消毒動作の
制御等が行なわれるようになっている。つまり、内視鏡
12の漏洩検査時には後述するようにポンプ18から内
視鏡12内部へのエアーの供給を電磁開閉弁14,16
の開閉によって制御するとともに、第1〜第3の圧力ス
イッチ6,8,10からの圧力信号によって内視鏡12
の内部の圧力変化を測定し、内視鏡12の内部からの空
気洩れを検出して内視鏡12の漏水を検知するようにな
っている。さらに具体的には、内視鏡12の内部の減圧
状態を第1〜第3の圧力スイッチ6,8,10からの信
号によって検知してこれを3つのランク、すなわち、内
視鏡12の内圧が漏水がないと判断できる0.29kg/cm2
上のランク(第1の範囲)、漏水の有無を判断できない
0.29kg/cm2〜0.28kg/cm2のランク(第2の範囲)、確実
に漏水を引き起こす0.28kg/cm2以下のランク(第3の範
囲)に区分して後述するようにそのランクに適した処置
を行なうことができるようになっている。
【0015】次に、上記構成の内視鏡用洗浄消毒装置1
の動作について説明する。まず、内視鏡洗浄消毒装置1
の使用時には洗浄槽の内部に内視鏡12を設置し、内視
鏡12に漏洩検査用の接続口金を介してエアー通路20
を接続した状態にセットする。なお、内視鏡洗浄消毒装
置1が動作していない場合にはポンプ18はオフ状態、
第1〜第3の電磁開閉弁6,8,10は閉状態でそれぞ
れ保持される。
【0016】洗浄槽内における内視鏡12の前記セット
状態が完了すると、内視鏡12の漏洩検査が行なわれ
る。この漏洩検査時には、コントローラ4からの制御信
号に基づいて第1の電磁開閉弁14が開操作されるとと
もに、ポンプ18がオン操作される。そのため、このポ
ンプ18からエアー供給管23および漏洩検査用エアー
通路20を通して内視鏡12の内部にエアーが供給され
る。
【0017】さらに、内視鏡12内へのエアーの供給動
作中、内視鏡12の内圧が0.3Kg/cm2 に達すると第1の
圧力スイッチ6がオン操作され、第1の電磁開閉弁14
が閉じられ、内視鏡12の漏洩検査が開始される。
【0018】この内視鏡12の漏洩検査では、第1の電
磁開閉弁14および第2の電磁開閉弁16が閉じられた
状態で所定時間、例えば60秒間放置される。そして、
60秒経過後の内視鏡12内の減圧状態が圧力スイッチ
6,8,10を通じて測定される。コントローラ4は圧
力スイッチ6,8,10の圧力信号に基づいて内視鏡1
2内の圧力状態が前述した3つのランクのいずれに該当
するかを判断し、それに応じた適切な処置を行なう。
【0019】すなわち、内視鏡12内の圧力が0.28Kg/c
m 2 以下に低下した場合には、第2、第3の圧力スイッ
チ8,10がオン操作され、これがコントローラ4によ
って検知される。そして、コントローラ4は、内視鏡1
2が確実に漏水を引き起こすランクに該当していること
を判別し、ポンプ18を停止させるとともに、第1の電
磁開閉弁14および第2の電磁開閉弁16を開放して内
視鏡12内のエアーを外部に放出させて装置1を停止さ
せる。この場合、使用者にはブザーおよび赤ランプにて
内視鏡12の修理を行なうよう警告する。
【0020】また、内視鏡12内の圧力が0.29〜0.28Kg
/cm 2 の範囲で保持されている場合には、第2の圧力ス
イッチ8がオン操作され、これがコントローラ4によっ
て検知される。そして、コントローラ4は、内視鏡12
が漏水の有無を判断できないランクに該当していること
を判別し、ポンプ18を停止させるとともに、第1の電
磁開閉弁14および第2の電磁開閉弁16を開放して内
視鏡12内のエアーを外部に放出させて装置1を停止さ
せる。この場合、使用者にはブザーおよび黄ランプにて
内視鏡12の詳細な漏水検査、例えば気泡目視確認によ
る漏水テストを行なうよう警告する。
【0021】なお、気泡目視確認による漏水テストと
は、内視鏡本体を水中に浸漬した状態で内視鏡本体内を
加圧し、内視鏡本体から空気漏れがある場合に水中に発
生する気泡を目視によって確認することである。
【0022】また、内視鏡12内の圧力が0.29Kg/cm 2
以上で保持されている場合には、いずれの圧力スイッチ
もオフ状態となり、れがコントローラ4によって検知さ
れる。そして、コントローラ4は、内視鏡12が漏水が
ないと判断できるランクに該当していることを判別し、
ポンプ18を停止させるとともに、第1の電磁開閉弁1
4および第2の電磁開閉弁16を開放して内視鏡12内
のエアーを外部に放出させ、内視鏡12の洗浄消毒工程
に進ませる。
【0023】なお、前述したように、内視鏡12内の圧
力が0.29〜0.28Kg/cm 2 の範囲で保持されている場合に
は、第2の圧力スイッチ8がオン操作され、これがコン
トローラ4によって検知されて、コントローラ4は内視
鏡12が漏水の有無を判断できないランクに該当してい
ることを判別するが、この場合、コントローラ4は、ポ
ンプ18をそのまま動作させ続け、内視鏡12の内圧が
常時0.3Kg/cm2 に保持されるように第1の電磁開閉弁1
4の開閉操作を制御しながら内視鏡12を洗浄消毒工程
に進ませてもよい。内視鏡12の内圧を常時0.3Kg/cm2
に保持することにより、内視鏡12に欠陥部分が発生し
ている場合であってもこの欠陥部分から内視鏡12内に
水滴が侵入することを内視鏡12の内圧によって防ぐこ
とができる。無論、このように内視鏡12の内圧を常時
0.3Kg/cm2 に保持する動作は、内視鏡12の漏水の有無
を判断できない0.29〜0.28Kg/cm 2 の範囲においてのみ
行なうものである。こうすることで、確実に漏水がない
と判断される正常な内視鏡を前記保持状態に加圧して、
内視鏡の寿命を縮めてしまうことを防止できる。
【0024】以上説明したように、本実施例の内視鏡洗
浄消毒装置1は、内視鏡12の減圧状態をエアー漏れ測
定量に幅を持たせた3つに場合分けしているため、エア
ーの漏れを液体の漏れに換算する際の誤差を補正するこ
とができ、正確な漏洩検査を行なうことができる。ま
た、漏水のある内視鏡(N.G.) と漏水のない内視鏡(O.
K.) との間に確実なボーダーラインを引くことができな
い曖昧な場合には、使用者にブザーおよび黄ランプにて
内視鏡12の詳細な漏水検査、例えば気泡目視確認によ
る漏水テストを行なうよう警告する2次的な対策を講じ
ているため、欠陥のある内視鏡12を誤ってそのまま洗
浄消毒してしまうことがない。すなわち、洗浄消毒動作
時における内視鏡12内部への漏水を確実に防止するこ
とができる。したがって、漏水がある内視鏡を漏水なし
と判定して洗浄消毒し、多額な修理が必要となったり、
漏水のない内視鏡を修理に出してしまうことがない。な
お、エアー漏れ測定量の幅をさらに細かくして内視鏡1
2の減圧状態を細かく場合分けすればなお一層正確な漏
洩検査を行なうことができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の内視鏡洗
浄消毒装置は、エアーが一定量送り込まれた内視鏡内部
の所定時間後の圧力変化を、エアー漏れ測定量に幅を持
たせた少なくとも3つに場合分けしているため、エアー
の漏れを液体の漏れに換算する際の誤差を補正すること
ができ、正確な漏洩検査を行なうことができる。
【0026】また、漏水のある内視鏡(N.G.) と漏水の
ない内視鏡(O.K.) との間に確実なボーダーラインを引
くことができない曖昧な場合すなわち漏水の有無を判定
できない場合には、内視鏡の洗浄消毒を行なわずに2次
的な対策が施されるため、欠陥のある内視鏡を誤ってそ
のまま洗浄消毒してしまうことがない。すなわち、洗浄
消毒動作時における内視鏡内部への漏水を確実に防止す
ることができる。したがって、漏水がある内視鏡を漏水
なしと判定して洗浄消毒し、多額な修理が必要となった
り、漏水のない内視鏡を修理に出してしまうことがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部構成を示す概略構成図
である。
【符号の説明】
1…内視鏡洗浄消毒装置、2…漏洩検知部、4…コント
ローラ、6,8,10…圧力スイッチ、18…ポンプ。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 1/12 A61L 2/00 - 2/26 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡内部にエアーを送るとともに、前
    記内視鏡内部の圧力変化を測定し、前記内視鏡内部から
    の空気漏れを検出して前記内視鏡内部の漏水を検知する
    漏水検知機能を備えた内視鏡洗浄消毒装置において、 前記内視鏡の洗浄消毒動作の前に、該内視鏡の内部の圧
    力が第1の圧力になるまで、エアーを送り込む供給手段
    と、 前記内視鏡を所定時間放置し、該内視鏡内部の減圧状態
    を前記第1の圧力より低い第2の圧力までの第1の範囲
    と、前記第2の圧力から、該第2の圧力より低い第3の
    圧力までの第2の範囲と、前記第3の圧力より低い第3
    の範囲との少なくとも3つに区分して検知する判断手段
    と、 前記第1の範囲の場合には内視鏡の洗浄消毒を行ない、
    前記第2の範囲の場合には内視鏡の洗浄消毒を行なわ
    ず、より詳細な漏水検査を行ない、前記第3の 範囲であ
    る場合には内視鏡の洗浄消毒を行なわない洗浄消毒動作
    制御手段とを具備したことを特徴とする内視鏡洗浄消毒
    装置。
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