JP3117214U

JP3117214U - 眼科医療用抗菌性不織布

Info

Publication number: JP3117214U
Application number: JP2005008230U
Authority: JP
Inventors: 利美牧野
Original assignee: 株式会社眼科器械のマキノ
Priority date: 2005-09-05
Filing date: 2005-09-05
Publication date: 2006-01-05
Anticipated expiration: 2015-09-05

Abstract

【課題】医療用の各種材料として持続性に優れた抗菌性不織布の提供。
【解決手段】繊維素材に無機系抗菌剤を０．１〜１０重量％含有せしめた抗菌繊維を水編み又は融着加工してなる眼科医療用抗菌性不織布を特徴とする。前記の無機系抗菌剤が亜鉛化合物及び亜鉛化合物とアルミニウム硫酸塩の混合物から選ばれた抗菌剤の一種または二種以上であることを特徴とし、亜鉛化合物が酸化亜鉛、炭酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛及びフマル酸亜鉛から選ばれた一種または二種以上であることを特徴とし、且つ、前記のアルミニウムの硫酸塩が硫酸アルミニウムまたは硫酸アルミニウムカリウムであることを特徴とするものであり、眼科医療以外の医療用縫製品にも応用できるものである。
【選択図】図１

Description

本考案は、眼科医療用抗菌性不織布に関する。さらに詳しくは、眼科医療に於いて、患者や医師、看護士や看護助手、検査技師等に対して皮膚刺激がなく、雑菌の繁殖防止に有用な眼科医療用抗菌性不織布に関する。

近年、抗菌性をもった衣料品としては、靴下、肌着およびオムツ等があり、その進歩はめざましい。一方、医療関係をみると病院で使用されるパジャマ、シーツ、枕カバー、白衣等さまざまな用途に抗菌性衣料材料が展開されている。
不織布の利用についてみれば、例えば、無機系抗菌剤として広く使われている銀系抗菌剤を繊維の中に練り込んだ繊維を熱加工した抗菌不織布が特許文献１に開示されている。
上記の銀系抗菌剤は、有機系の抗菌剤と比べて皮膚等への影響は少ないものの、尿に含まれる硫黄化合物と反応し、急激に抗菌効果が失われる問題があった。
最近では病院におけるＭＲＳＡ（メシチリン耐性黄色ブドウ状球菌）による院内感染がしばしば発生しており、医療用の各種材料として持続性に優れた抗菌性不織布の要望が高まってきている。

実公昭６４−９２５号公報

そこで、本考案は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、皮膚への影響がなく、雑菌の繁殖を有効に防止できる眼科医療用抗菌性不織布を提供することにある。

上述した目的を達成するため、本考案は、請求項１において、繊維素材に無機系抗菌剤を０．１〜１０重量％含有せしめた抗菌繊維を水編み又は融着加工してなる眼科医療用抗菌性不織布を特徴とするものである。

請求項２において前記の無機系抗菌剤が亜鉛化合物及び亜鉛化合物とアルミニウム硫酸塩の混合物から選ばれた抗菌剤の一種または二種以上であることを特徴としている。

請求項３において前記の亜鉛化合物が酸化亜鉛、炭酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛及びフマル酸亜鉛から選ばれた一種または二種以上であることを特徴としている。

請求項４において前記のアルミニウムの硫酸塩が硫酸アルミニウムまたは硫酸アルミニウムカリウムであることを特徴としている。

以上のごとき本考案によれば、抗菌性不織布を構成する繊維素材に、少なくとも亜鉛化合物及び亜鉛化合物とアルミニウム硫酸塩の混合物から選ばれた抗菌剤を包含させることによって、長期にわたり抗菌力を持続することができる。

本考案に用いられる不織布を構成する繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート或いはこれらの組み合わせによる混繊または複合繊維のいずれでもよく、その単糸デニールは０．２〜１０デニールが好ましい。

本考案で抗菌剤として使用する亜鉛化合物としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛、リン酸亜鉛等の無機亜鉛化合物、クエン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛及びフマル酸亜鉛等の有機亜鉛塩が挙げられるが特に好ましいものは、酸化亜鉛及び炭酸亜鉛である。
更に、本考案で上記亜鉛化合物に併用されるアルミニウムの硫酸塩は、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウムであり、特に好適なものは硫酸アルミニウムカリウムである。

上記抗菌剤は、不織布構成繊維内で０．１〜１０重量％を占める割合が好適で、抗菌剤の含有量が少なさすぎると雑菌の繁殖防止効果が充分でなく、また、抗菌剤の量が多すぎると繊維の物性が低下するので好ましくない。

本考案の眼科医療用抗菌性不織布は、眼科医療用縫製品に利用されるのみではなく、病院の白衣、シーツ、枕カバー、トイレタリー用品、眼科用ウエットティシュ、オムツ、オムツカバー、生理用品等の広い範囲での抗菌製品に応用することができる。

ポリプロピレン樹脂１００重量部に抗菌剤として酸化亜鉛及び硫酸アルミニウムカリウムからなる（重量比８：２）の混合物５重量部を配合し、押出成型機で混練、押出して、ペレットを作成した。
次にこのペレットを通常の紡糸機で紡糸し、抗菌剤含有ポリプロピレン繊維を得た。
この繊維を熱融着させる所定の方法で、抗菌性スパンボンド不織布を作製した。
上記の抗菌性不織布を用いて抗菌性試験を行なった結果を表１に示されている。

比較例１

実施例１の酸化亜鉛及び硫酸アルミニウムカリウムを除き、その他は実施例１と同様にして抗菌性スパンボンド不織布を作製し、抗菌性試験を行なった結果も表１に示されている。

（抗菌性試験方法）
（１）供試菌株として大腸菌（Ｂ、ｃｏｌｉＩＡＭ１２６８）を培養した。
（２）試験用不織布：実施例１および比較例１で得た不織布をオートクレーブに入れ１２０℃１．２気圧で１５分間滅菌処理する。
（３）培養：滅菌処理した不織布上に上記の培養液１ｍｌを滴下する。この不織布をガラス容器に入れ３５℃で２４時間保持する。
（４）測定：上記培養液を生理食塩水で洗い出してＢＢＬ培地で３５℃、２４時間培養し、菌数を測定する。

図１は本考案に係る眼科医療用抗菌性不織布の断面図である。

符号の説明

１．抗菌性不織布
２．抗菌繊維

Claims

繊維素材に無機系抗菌剤を０．１〜１０重量％含有せしめた抗菌繊維を水編み又は融着加工してなることを特徴とする眼科医療用抗菌性不織布。
前記の無機系抗菌剤が亜鉛化合物及び亜鉛化合物とアルミニウム硫酸塩の混合物から選ばれた抗菌剤の一種または二種以上である請求項１記載の眼科医療用抗菌性不織布。
亜鉛化合物が酸化亜鉛、炭酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛及びフマル酸亜鉛から選ばれた一種または二種以上である請求項１乃至２記載の眼科医療用抗菌性不織布。
アルミニウムの硫酸塩が硫酸アルミニウムまたは硫酸アルミニウムカリウムである請求項１乃至２記載の眼科医療用抗菌性不織布。