JP3116037U - ハトメ用座金 - Google Patents

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剛 野田
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東洋ハトメ工業株式会社
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Abstract

【課題】 メッキ不良の生ずることが少ないハトメ用座金を提供する。
【解決手段】 外面にメッキが施されたハトメ用座金において、内周縁部15に連続する中間隆起環状部16の内周端の前記内周縁部15となす角度が、90°〜120°の範囲にある起立壁16aに形成されている。
【選択図】 図1

Description

本考案はハトメ本体と共にハトメを構成するハトメ用座金に関するものである。
ハトメは図6に示すように、ハトメ本体1とハトメ用座金2とから構成され、布やレザーなどの基布3の開口4に、カシメ止めされて用いられている。
そしてハトメ用座金2は、鋼板などの金属板からプレス打抜き加工して、内周縁部5、中間隆起環状部6および外周縁部7を有する形状を有するように形成され、かつその外面にニッケルメッキ等のメッキが施されている。
従来のハトメ用座金2は、その中間隆起環状部6が、図6に示すように、断面円弧形状に形成されている。そのため、金属板からプレス打抜き加工してハトメ用座金2を得る際に、図7に示すように、複数のハトメ用座金2が上下に密着状態に重なって、固く結合してしまう場合があった。このような状態でメッキ槽内でメッキを行うと、上下のハトメ用座金2、2の密着面間にメッキ液が供給されず、メッキ不良のハトメ用座金2が生産されるという問題があった。
本考案は従来例の上記問題点を解消するため、内周縁部、中間隆起環状部および外周縁部からなり、外面にメッキが施されたハトメ用座金において、内周縁部に連続する中間隆起環状部の内周端の前記内周縁部となす角度、あるいは外周縁部に連続する中間隆起環状部の外周端の前記外周縁部となす角度が、90°〜120°の範囲にある起立壁に形成されていることを特徴とする。前記角度は90°〜105°の範囲とすると好適である。
本考案によれば、ハトメ用座金の中間隆起環状部の内周端(外周端)の内周縁部(外周縁部)となす角度が、90°〜120°の範囲にある起立壁に形成されているため、プレス打抜き加工時にハトメ用座金同士が密着状態で重なり合うことを防ぐことができ、メッキ不良のハトメ用座金が生産されることを極力防ぐことができる。
本考案の実施例に係るハトメ用座金12は、図1、図2に示すように構成されている。このハトメ用座金12は、銅板をプレス打抜き加工し、その外面にニッケルメッキを施したものである。そしてこのハトメ用座金12は、内周縁部15、中間隆起環状部16および外周縁部17を一体に有するように成形されている。内周縁部15は円形開口18の周囲に平面に形成され、外周縁部17は前記内周縁部15と同一高さ位置に平面に形成されている。中間隆起環状部16の頂点の前記内周縁部15からの高さHは、座金板厚の3〜10倍に形成されている。
前記中間隆起環状部16の内周端は、図1に示すように、前記内周縁部15に対しほぼ垂直な起立壁16aに形成されている。この起立壁16aは、金属板からプレス打抜き加工してハトメ用座金12を得る際に、複数のハトメ用座金12が上下に密着状態に重なって、固く結合してしまうという従来例の問題点を解消するためのものであって、図1に示すように、この起立壁16aと前記内周縁部15とのなす角度θが90°であることが理想的である。しかしプレス打抜き加工時の抜き勾配を配慮すると、前記角度θが90°より大とすることが必要である。一方、前記角度θが大きくなりすぎると、ハトメ用座金12間の隙間が十分確保されず、メッキ液供給という観点から本考案の作用が十分に営まれないことになる。図4は前記角度θ、ハトメ用座金間の隙間S、ハトメ用座金の板厚T、前記高さHを示すものであり、表1はθ、T、HとSとの関係を示している。
Figure 0003116037
表1に示すように前記角度θを120°とした場合には、前記隙間Sを前記板厚Tとほぼ同程度にとることができ、メッキ液供給という観点からの許容範囲の下限となる。従って、前記角度θを90°〜120°の範囲とすることにより、メッキ不良のハトメ用座金12が生産されることを防ぐことができる。なお、前記隙間Sを十分に確保するためには、前記角度θが90°〜105°の範囲にあることが好適である。
前記中間隆起環状部16の起立壁16aの頂部から降下して前記外周縁部17に至る部分16bは、図1に示すように、断面弧状または断面直線状に形成されている。
上記構成のハトメ用座金12は、プレス打抜き加工時、ひいてはメッキ工程時において、図3に示すように、互いに密着状態で重なり合うことがなく、従来例の問題点を解消して、メッキ不良のハトメ用座金12が生産されることを極力防ぐことができる。
本考案は、図5に示す実施例のように、外周縁部17に連続する中間隆起環状部16の外周端の外周縁部17となす角度αが、90°〜120°の範囲にある起立壁16cに形成されたものに適用することができる。この図5に示す実施例においても、中間隆起環状部16の頂点の前記外周縁部17からの高さhは、座金板厚の3〜10倍に形成され、かつ前記起立壁16cの頂部から降下して内周縁部15に至る部分16dは断面直線状または断面弧状に形成されており、また前記角度αは90°〜105°の範囲とすると好適である。
本考案の実施例を示す断面図。 本考案の実施例を示す平面図。 本考案の作用を示す断面図。 本考案の作用を示す断面図。 本考案の他の実施例を示す断面図。 従来例のハトメを示す端面図。 従来例のハトメ用座金の問題点を示す断面図。
符号の説明
15 内周縁部
16 中間隆起環状部
16a、16c 起立壁
17 外周縁部
θ 内周縁部と起立壁とのなす角度
α 外周縁部と起立壁とのなす角度

Claims (4)

  1. 内周縁部、中間隆起環状部および外周縁部からなり、外面にメッキが施されたハトメ用座金において、内周縁部に連続する中間隆起環状部の内周端の前記内周縁部となす角度が、90°〜120°の範囲にある起立壁に形成されていることを特徴とするハトメ用座金。
  2. 内周縁部と起立壁とのなす角度が90°〜105°の範囲である請求項1記載のハトメ用座金。
  3. 内周縁部、中間隆起環状部および外周縁部からなり、外面にメッキが施されたハトメ用座金において、外周縁部に連続する中間隆起環状部の外周端の前記外周縁部となす角度が、90°〜120°の範囲にある起立壁に形成されていることを特徴とするハトメ用座金。
  4. 外周縁部と起立壁とのなす角度が90°〜105°の範囲である請求項3記載のハトメ用座金。
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