JP3115781U - 灸具 - Google Patents
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Abstract
【課題】何度でも繰り返し使用することができ、また、皮膚上の筒が施灸中に容易に倒れることなく、安全性の極めて高い灸具を、しかも安価に提供する。
【解決手段】もぐさ4を詰めるセラミック筒2と、このセラミック筒2を嵌め込んだ状態で人体の皮膚S上に接着可能な環状の台座3とからなる灸具とする。環状の台座3の下面に粘着剤層6を設けるとともに、粘着剤層6の下面に剥離可能なシールを装着する。また、剥離可能なシールの替わりに、剥離可能な台紙の上に粘着剤層6を介して多数個の環状の台座3を貼付ける。
【選択図】図2
【解決手段】もぐさ4を詰めるセラミック筒2と、このセラミック筒2を嵌め込んだ状態で人体の皮膚S上に接着可能な環状の台座3とからなる灸具とする。環状の台座3の下面に粘着剤層6を設けるとともに、粘着剤層6の下面に剥離可能なシールを装着する。また、剥離可能なシールの替わりに、剥離可能な台紙の上に粘着剤層6を介して多数個の環状の台座3を貼付ける。
【選択図】図2
Description
本考案は、施灸に際して用いる灸具に関するものである。
施灸に用いる灸具として、使い捨てタイプの紙筒が知られている。これは、もぐさを紙筒に詰め、もぐさと皮膚との間に紙筒で空間を作り、もぐさの熱を紙筒で緩和し皮膚に温熱を与えるものである。紙筒の下端面には糊が付いており、湿らせて皮膚に密着させるようにしている。この状態で、もぐさに点火し、点火後5〜6分くらいで紙筒ごと皮膚から取り外す。使用後の紙筒はもぐさの灰の処理後、廃棄するようにしている。
従来より、紙筒製の灸具の提案が多数なされている(特許文献1、特許文献2等参照)。
しかしながら、紙筒製の灸具は、使い捨て専用であり、一日に数十人に施灸する場合には数百個から約千個という多量の紙筒を廃棄する事態を招く。また、紙筒は、下端面に付けた糊だけで皮膚に張り付かせているだけであり、安定性が悪く、張り付き状態が悪いと、施灸中に手や体の僅かな動きによって倒れてしまうという問題があった。
本考案は前記の課題に鑑みてなされたもので、セラミック筒を用いることで何度でも繰り返し使用することができ、また、皮膚上のセラミック筒が施灸中に容易に倒れることなく、安全性の極めて高い灸具を、しかも安価に提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案に係る請求項1記載の灸具は、もぐさを詰めるセラミック筒と、このセラミック筒を嵌め込んだ状態で人体の皮膚上に接着可能な環状の台座とからなることを特徴とする。
セラミック筒を用いることで、もぐさを詰め替えて、何度でも繰り返し使用することができ、従来の多量の紙筒を廃棄するという問題を解消することができる。セラミック筒は、もぐさの灰の処理後に多数個まとめて洗浄し乾燥させればよい。
セラミック筒を用いることで、点火したもぐさからの受熱によりセラミック筒が遠赤外線を皮膚に対し放射し、施灸中に遠赤効果を皮膚に同時に与えることができる。
セラミック筒を嵌め込む環状の台座を用いることで、皮膚上のセラミック筒が施灸中に容易に倒れることがない。つまり、皮膚上で安定姿勢を取る台座を皮膚の上に接着し、この台座に先にあるいは後からセラミック筒を嵌め込むことにより、施灸中、皮膚上のセラミック筒の安定姿勢を保持できる。セラミック筒は繰り返し使用することができ、また、台座は例えば紙製で安価に作ることで、結果として安全性の極めて高い灸具を安価に提供することができる。
本考案に係る請求項2の灸具は、セラミック筒の外径が8mm〜10mmであり、台座の外径が16mm〜20mmであることを特徴とする。
セラミック筒の外径に対し、台座の外径を約2倍の長さとすることにより、皮膚上のセラミック筒の姿勢がより安定する。また、台座の外径が16mm〜20mmであることにより、皮膚に対する台座の接着面積が大き過ぎず、また、小さ過ぎず、台座を安定して皮膚に接着させることができる。
本考案に係る請求項3の灸具は、セラミック筒の高さが10mm〜14mmであり、台座の厚さが2mm〜4mmであることを特徴とする。
セラミック筒の嵌め込み厚さを2mm〜4mm確保することにより、セラミック筒をより倒れにくくすることができる。
本考案に係る請求項4の灸具は、セラミック筒の内部が上側の大径筒部と下側の小径筒部に区画されていることを特徴とする。
セラミック筒に上から詰めたもぐさを大径筒部内にとどめ、小径筒部内に施灸に必要な空間を作ることができる。押し棒などでもぐさをセラミック筒の下端から押し上げる作業が不要となる。
本考案に係る請求項5の灸具は、セラミック筒の内部が貫通穴を備える板により上下に区画されていることを特徴とする。
セラミック筒に上から詰めたもぐさを貫通穴を備える板の上にとどめ、その下に施灸に必要な空間を作ることができる。押し棒などでもぐさをセラミック筒の下端から押し上げる作業が不要となる。
本考案に係る請求項6の灸具は、環状の台座の下面に粘着剤層が設けられるとともに、粘着剤層の下面に剥離可能なシールが装着されていることを特徴とする。
粘着剤層により環状の台座を確実に人体の皮膚上に接着することができ、剥離可能なシールを装着することで、環状の台座を多数個準備しておくことができ、シールを剥がすことで直ちに使用に供することができる。
本考案に係る請求項7の灸具は、剥離可能なシールの替わりに、剥離可能な台紙の上に粘着剤層を介して多数個の環状の台座を貼付けてなることを特徴とする。
一枚の台紙上に多数個の台座を貼付たものを多数枚準備しておくことができ、これに繰り返し使用できるセラミック筒を組合わせることで、台座とセラミック筒からなる灸具を安価に製作し、供給することができる。
台紙上の台座にセラミック筒を嵌め込んだ後、台座をその下層の粘着剤層と一緒に台紙から剥がすようにする。粘着剤層は台座の下面の範囲で存在すれば足りる。また、台紙から台座を剥がした後に、台座にセラミック筒を嵌め込むようにしてもよい。後者の場合、台紙から剥がした台座を必要数だけ先に皮膚の施灸点に貼付けておき、後からもぐさを詰めたセラミック筒を台座に嵌め込んでいくことで、効率的に施灸の作業を進めることもできる。
本考案に係る請求項8の灸具は、剥離可能なシールの替わりに、剥離可能な台紙の上に粘着剤層、保護紙層を介して多数個の環状の台座を貼付けてなり、各台座の内周および外周に沿って保護紙層からその下層の粘着剤層に達する環状の2列の切取線を設け、各環状の台座が、2列の切取線に沿って切り取られる保護紙層、粘着剤層と一緒に台紙から剥がされる構成であることを特徴とする。
前記と同じく、一枚の台紙上に多数個の台座を貼付たものを多数枚準備しておくことができ、これに繰り返し使用できるセラミック筒を組合わせることで、台座とセラミック筒からなる灸具を安価に製作し、供給することができる。
以上説明したように、本考案に係る灸具によると、セラミック筒を用いることでこれを何度でも繰り返し使用することにより、従来多量の紙筒を廃棄していた問題を解消することができる。また、セラミック筒を環状の台座に嵌めこむことで、セラミック筒が皮膚の上で倒れることなく安定して施灸を行うことができ、安全性の極めて高い灸具を提供することができる効果を奏する。さらに安全性の極めて高い灸具を安価に提供することができる。
本考案を実施するための第1の形態を図1ないし図8を参照して説明する。これらの図において、符号1は本考案に係る灸具を示している。
灸具1は、図1ないし図3に示すように、セラミック筒2と、環状の台座3とから構成されている。
セラミック筒2は、もぐさ4を詰める円筒体で、材質はセラミック材料からなる。例えば、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)などのセラミックス粉末原料を、円筒形に成形し、焼結して得ることができる。セラミック筒2のサイズは、例えば、高さ12mm、筒厚0.5mm、内径8.0mmとすることができる。
台座3は、セラミック筒2の下端部を嵌め込むための貫通穴5を中央に有し、所定の厚みを持つ円環体で、セラミック筒2の下端部を保持する役割をする。台座3の下面には粘着剤層6が貼り付けられ、粘着剤層6を介して人体の皮膚に密着状態に貼付けるようになっている。貫通穴5の内径D1はセラミック筒2の外径D2と同一であり、台座3の外径D3はセラミック筒2の外径D2よりも大きく、約2倍である。台座3の厚さH1はセラミック筒2の高さH2の約1/5〜1/3倍程度である。
台座3は、その素材が紙・パルプであり、例えば、所定の厚さの紙板を打抜き加工して得ることができる。例えば、前記したセラミック筒2のサイズの場合、厚さ3.0mmの紙板を、内径8.5mm、外径18mmとなるように、打抜き加工する。
図4および図5は、台紙7上に格子状に多数個の台座3を配置準備してなる台座シート8を示している。この台座シート8は、剥離可能な台紙7の上に粘着剤層6を積層し、粘着剤層6の上に保護紙層9を積層し、保護紙層9の上に縦横格子状に多数個の台座3を貼付している。保護紙層9には、台座3の内周および外周に位置し、粘着剤層6まで達する切取線10が設けられている。切取線10の一部には、切取線10に囲まれた部分の台座3、保護紙層9、粘着剤層6を台紙7から剥離させる際に摘む摘み片11が設けられている。
次ぎに、前記構成の灸具1を用いた施灸方法を説明する。
図6および図7に示すように、台座シート8の台座3にセラミック筒2を嵌め込み、図8に示すように、台座3を台紙7から剥がす。台座3の下面には粘着剤層6が貼付されている。図1に示すように、もぐさ4をセラミック筒2に詰め、下から押し棒でもぐさ4を所定高さまで押し上げる。図2に示すように、施灸を行う皮膚の上に台座3を接着させ、セラミック筒2のもぐさ4に点火する。約5〜6分経過したら、台座3ごとセラミック筒2を皮膚から取り上げる。施灸点が複数箇所あるときは、それぞれ前記した手順で、灸具1を準備し、各施灸点に台座3を順次接着させ、もぐさ4に点火し、施灸を行う。
施灸後は各セラミック筒2からもぐさの灰を処理し、使用後の各セラミック筒2を洗浄および乾燥し、次の使用に備える。
セラミック筒2は後から台座3に嵌め込んでもよい。すなわち、台座シート8の台座3を台紙7から順次剥がし、各施灸点に必要数の台座3を先に接着させておく。セラミック筒2にもぐさ4を詰め、先に接着しておいた台座3に嵌め込み、もぐさ4に点火する。これを各施灸点に接着した全ての台座3に対し順次行う。施灸点を確認し、先に台座3をすべて設置しておくから、施灸の作業効率がよい。
図9は、本考案の灸具の第2の実施形態を示すものであり、セラミック筒2の内部が、上側の大径筒部2a、下側の小径筒部2bに分かれている構造をしている。小径筒部2bの高さH3は、セラミック筒2の高さH2が12mmの場合、セラミック筒2の下端から約8.0mm〜9.0mm程度とする。セラミック筒2に上から詰めたもぐさ4を大径筒部2a内にとどめ、押し棒などでもぐさ4をセラミック筒2の下端から押し上げることなく、小径筒部2b内に施灸時に必要な空間を作ることができる。
図10は、本考案の灸具の第3の実施形態を示すものであり、セラミック筒2の内部に、多数の貫通孔を備える不燃性の中板12を取り付けている。中板12はセラミック製でよい。中板12の高さH4は、図9と同じく、セラミック筒2の下端から約8.0mm〜9.0mm程度とすればよい。
図11は、本考案の灸具の第4の実施形態を示すものであり、本実施形態の台座シート8は、剥離可能な台紙7上に環状の粘着剤層6を介して台座3が多数個貼付けられた構成をしている。粘着剤層6は台座3の下面の形状に合致する環状形状をしている。粘着剤層6から台紙7を剥がして台座3を使用する。
図12は、本考案の灸具の第5の実施形態を示すものであり、台座3の下面に粘着剤層6を設け、粘着剤層6の下面に剥離可能な円形のシール12が装着された構成をしている。この円形のシール12の一部には掴み片11が形成され、掴み片11を摘んでシール11を容易に剥離できるようになっている。このような台座3は、たとえば、多数個を袋に収容した状態で準備し、1個または複数個づつ取り出してシール13を剥がして使用に供することができるものである。
以上の実施形態では、セラミック筒2が円筒体である例を説明したが、筒体であればよく、円筒に限る必要はない。
本考案に係る灸具は、筒にもぐさを詰め、筒の下端面を人体の皮膚に密着させて灸を行う器具として利用することができる。
1 灸具
2 セラミック筒
3 台座
4 もぐさ
5 貫通穴
6 粘着剤層
7 台紙
8 台座シート
9 保護紙層
10 切取線
11 掴み片
12 中板
13 シール
D1 貫通穴の内径
D2 セラミック筒の外径
D3 台座の外径
H1 台座の厚さ
H2 セラミック筒の高さ
H3 小径筒部の高さ
H4 中板の高さ
2 セラミック筒
3 台座
4 もぐさ
5 貫通穴
6 粘着剤層
7 台紙
8 台座シート
9 保護紙層
10 切取線
11 掴み片
12 中板
13 シール
D1 貫通穴の内径
D2 セラミック筒の外径
D3 台座の外径
H1 台座の厚さ
H2 セラミック筒の高さ
H3 小径筒部の高さ
H4 中板の高さ
Claims (8)
- もぐさを詰めるセラミック筒と、このセラミック筒を嵌め込んだ状態で人体の皮膚の上に接着可能な環状の台座とからなることを特徴とする灸具。
- セラミック筒の外径が8mm〜10mmであり、台座の外径が16mm〜20mmであることを特徴とする請求項1記載の灸具。
- セラミック筒の高さが10mm〜14mmであり、台座の厚さが2mm〜4mmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の灸具。
- セラミック筒の内部が上側の大径筒部と下側の小径筒部に区画されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項に記載の灸具。
- セラミック筒の内部が貫通穴を備える板により上下に区画されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の灸具。
- 環状の台座の下面に粘着剤層が設けられるとともに、粘着剤層の下面に剥離可能なシールが装着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1項に記載の灸具。
- 剥離可能なシールの替わりに、剥離可能な台紙の上に粘着剤層を介して多数個の環状の台座を貼付けてなることを特徴とする請求項6に記載の灸具。
- 剥離可能なシールの替わりに、剥離可能な台紙の上に粘着剤層、保護紙層を介して多数個の環状の台座を貼付けてなり、各台座の内周および外周に沿って保護紙層からその下層の粘着剤層に達する環状の2列の切取線が設けられ、各環状の台座は、2列の切取線に沿って切り取られる保護紙層、粘着剤層と一緒に台紙から剥がされる構成であることを特徴とする請求項6に記載の灸具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005006575U JP3115781U (ja) | 2005-08-12 | 2005-08-12 | 灸具 |
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JP2005006575U JP3115781U (ja) | 2005-08-12 | 2005-08-12 | 灸具 |
Publications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013505102A (ja) * | 2010-08-20 | 2013-02-14 | ウォン チョン ボク | 腫瘍露出用施術装置 |
CN107714448A (zh) * | 2017-10-16 | 2018-02-23 | 孙灿光 | 一种艾灸器 |
-
2005
- 2005-08-12 JP JP2005006575U patent/JP3115781U/ja not_active Expired - Fee Related
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