JP3115126B2 - 流動床式焼却炉の燃焼制御装置 - Google Patents

流動床式焼却炉の燃焼制御装置

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JP3115126B2
JP3115126B2 JP04291544A JP29154492A JP3115126B2 JP 3115126 B2 JP3115126 B2 JP 3115126B2 JP 04291544 A JP04291544 A JP 04291544A JP 29154492 A JP29154492 A JP 29154492A JP 3115126 B2 JP3115126 B2 JP 3115126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ごみ、汚泥、産業
廃棄物等の廃棄物を連続的に焼却処理するのに好適な流
動床式焼却炉における燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物等の廃棄物を焼却処理するこ
の種の流動床式焼却炉において、燃焼ガスを完全燃焼さ
せるため、燃焼室のフリーボード部に二次空気を供給す
ることが広く行われるが、従来の流動床式焼却炉の内
で、図8及び図9に示されるように、二次空気供給手段
として炉の側壁面に接続したノズル13より中心部に向
かって二次空気を吹き込む縦形の燃焼室を持つ焼却炉の
場合は、フリーボード部5の高さ方向に複数段、たとえ
ば2〜3段、また、円周方向にも複数本/各段、たとえ
ば4〜8本/1段に、二次空気供給ノズル13が設けら
れる。この他にも、図10及び図11に示すように、旋
回羽根17を持つ二次空気供給ノズル13を設ける場合
もあり、これは二次空気を旋回流動することによって、
炉内での混合効果を高めることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述する従来の装置
は、二次空気が、共通のヘッダから各二次空気供給ノズ
ルに対して、常温、低圧(例400mmAq)で供給さ
れており、空気の粘性が低く、また、旋回力、貫通力も
弱いため、高温、高粘性の一次燃焼ガスとは混合し難
く、燃焼に十分寄与していない。さらに、二次空気を多
量に吹き込んだ場合は、燃焼ガスを冷却し過ぎて、燃焼
ガスに対する高温部での二次燃焼を阻害することにな
る。また、側壁だけからの二次空気供給では、炉内に均
一に分散し得なくて、空気が供給されない部分を生じる
こととなって、一次燃焼ガス中の未燃ガスや、未燃固形
分がそのままで炉外に排出され完全燃焼が出来なくな
る。
【0004】本発明は、このような問題点の解消を図る
ために成されたものであり、本発明の目的は、二次空気
の均一な混合を簡易な構造によって高効率の下で行わせ
得ることによって、完全燃焼を図らせる流動床式焼却炉
における燃焼制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明は、一次空気によって流動床の流動媒体を流
動させ、該流動媒体に被焼却物を連続的に切り出し投入
してガス化・燃焼させ、これにより生じた未燃ガスを炉
内の燃焼室で二次空気と混合して完全燃焼させる流動床
式焼却炉において、二次空気供給ノズルを燃焼室の炉頂
のみに下方かつ炉中心方向に向けて固定するととも
に、ノズル内にスワーラを配設して、予め高温、高圧と
した二次空気を、旋回噴流し、かつ一次燃焼ガス流れに
向流して、炉頂部から燃焼室内に供給する二次空気供給
系を形成したことを特徴とする流動床式焼却炉の燃焼制
御装置であり、また、前記二次空気供給ノズル内のスワ
ーラを、スワール数が0.6以上となる構成としたもの
が良く、さらに、前記二次空気供給ノズルを、少なくと
も炉の水平断面積5.0m2 当たりに1本の割合の数で
設けることが好適である。また、前記二次空気供給ノズ
ルから前記燃焼室の炉周壁に対し接線方向の斜め向きに
前記二次空気が吹き出されるように構成してなるものが
良く、さらに、前記二次空気供給ノズルが二重管で構成
され、その内側管と外側管との間に前記スワーラを備え
る構成としたものが好適である。
【0006】
【作用】本発明によれば、炉頂部のみに下方かつ炉中心
方向に向けて固定してなる二次空気供給ノズルから供給
する二次空気はスワーラによって旋回噴流される。従っ
て、二次空気を炉水平断面の広い範囲に分散させること
が可能である。また、炉下部(砂層部)より上昇する未
燃ガスを含む一次燃焼ガスに対し、二次空気が向流で吹
き込まれるので、効率の良い混合が成される。この場
合、二次空気を予熱することにより、粘性が高くなって
燃焼ガスとの混合は一層良くなるし、未燃分の燃焼が容
易になる。このようにして、完全燃焼が図れて、排ガス
中のCO濃度を大幅に低減できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照しながら説明する。図1及び図2は、本発明の実施例
に係る各縦形流動床式焼却炉の断面図である。両焼却炉
について、同一機能を有するものを同一符号を付して説
明する。焼却炉1は、下部から風箱部2、燃焼室3を備
え、一次空気供給口9によって風箱部2内に供給された
一次空気(燃焼空気)は、多数の孔が明けられている分
散板6を通過して燃焼室3内に送り込まれる。
【0008】燃焼室3内は、分散板6の直上部が砂層部
4に、その上部がフリーボード部5にそれぞれ形成され
る。燃焼室3は、ごみ供給口7及びバーナ取付口8が炉
側壁部にそれぞれ開口され、また、複数個の二次空気供
給口10及び一つの排ガス取出口11が炉頂壁部にそれ
ぞれ開口されて、ごみ供給口7からは都市ごみ等の廃棄
物が炉内に投入され、一方、バーナ取付口8には主バー
ナ12が取付けられる。また、各二次空気供給口10に
は、二次空気供給ノズル13がそれぞれ取付けられ、排
ガス取出口11には、排気ダクト(図示しない)または
図2の例に示される如きボイラ14が接続される。
【0009】ごみ供給口7から投入された廃棄物は、分
散板6を通過して燃焼室3内に送り込まれる一次空気と
混合して、砂層部4において流動層を形成しながら燃焼
され、未燃ガスを含む一次燃焼ガスが発生する。この一
次燃焼ガスは、さらに、フリーボード部5において二次
空気供給ノズル13から送り込まれる二次空気と混合し
ながら燃焼が成されることにより完全燃焼される。
【0010】二次空気供給ノズル13の構造が図3に示
される。該各ノズル13は、二次空気を斜め下向きにフ
リーボード部5内に吹き出し得るように、燃焼室の炉頂
のみに下方かつ炉中心方向に向けて固定される。さら
に、二次空気供給ノズル13は、先側にスワーラ15が
設けられる。図4及び図5にスワーラ15の正面図及び
中心軸周りの展開図が示される。スワーラ15は、前記
ノズル13の円筒状胴体内にその内側管と外側管との間
設けられ、円周を等分して3枚以上、例えば6枚の羽
根16を持ち、この羽根16の軸に対するねじり角度
は、45〜60°の範囲が適正であり、フリーボード部
5の径、二次空気供給ノズル13の個数及び配置態様に
基づいて、羽根枚数とねじり角度は適宜選定される。
【0011】二次空気供給ノズル13は、フリーボード
部5の炉頂部に設置するに際し、排ガス取出口11の近
部に重点的に配置するのが好ましく、一次燃焼ガスが二
次空気と充分に接触して、炉を出るようにすることが肝
要である。この混合が成される場合に重要な点は、二次
空気が下方に吹き出すことによって、上昇気流となる一
次燃焼ガスに対して向流関係を形成することであり、し
かも、スワーラ15が設けられているため、ノズル出口
の二次空気の流れが、周方向の速度成分を持つ旋回噴流
となって攪拌作用が高められる結果、一次燃焼ガスと二
次空気との混合が充分に行われる。
【0012】二次空気供給ノズル13に供給される二次
空気は、スワーラ15の分散効率を高める観点から比較
的高い圧力、例えば1000mmAq以上で、好適には
1500〜2000mmAqの圧力の空気であることが
必要である。この値は、スワーラ15で旋回を与え空気
を供給するのに不可欠な圧力(これだけの圧力損失を要
する速度で供給し、旋回を与えることができる)であ
り、分散効果を得る上で必要な条件であって、本発明者
等による各種実験の結果からこの必要条件が確認され
た。
【0013】さらに、二次空気は、その粘性を高め、か
つ一次燃焼ガスとの混合をより良くするため、150℃
以上に予熱した高温空気が使用される。この場合、温度
は高い程その効果が期待できるが、一般に排ガス熱利用
によって予熱(450℃以下)することが多い条件の下
で、排ガス温度が高くなると、ガス中の溶融塩類の伝熱
管への付着、腐食が進行することにより安定運転が阻害
されること、また、蒸気加熱による予熱(150〜20
0℃程度)では、排ガスの廃熱より取り出す蒸気の質か
ら限定されること、の制約を受けることになり、200
℃前後の温度が適当である。
【0014】また、各スワーラを、いくつかあるスワー
ラ数を求める一般式のうち〔数1〕に示す式下記の式で
表された場合のスワール数Sが0.6以上となる構成と
することが良く、さらに二次空気供給ノズル13を設け
るに当たって、少なくともフリーボード部5の炉の水平
断面積5.0m 2 当たりに1本の割合の数で設けること
が好適ある。
【0015】
【数1】 S= 2 /3 ・{[1-( Rh /R)3] / [1-( Rh /R)2] }tan α 但し、 Rh :スワーラのハブ半径、 R :ノズルの管半径、 α :スワーラの羽根角度(中心軸に対する)
【0016】上述するノズル配置本数及びスワール数S
の両条件が満足されることによって、フリーボード部5
の水平断面全域に亘って等圧で、かつ均一して旋回噴流
が分散することになり、混合効果がより奏されることが
明らかとなった。なお、本発明の実施例に係る燃焼制御
装置が設けられた焼却炉1から排出される煙道ガスと、
スワーラが設置されない従来の同構造の比較焼却炉の同
じ煙道ガスとを、ガス中に含まれるO2 ,CO各濃度の
経時変化についてそれぞれ測定したところ、図6に示す
通りであった。即ち、本発明に係る経時変化は、図6
(A)に、また、比較例に係る経時変化は、図6(B)
にそれぞれ表されるが、黒塗り部分で示されるCO濃度
変化を比較すれば明らかなように、従来方式では100
〜300ppm 程度であったのに対して、スワーラ15を
設けた本発明の方が、50ppm 迄大幅にCOが低減され
ており、焼却炉1内で完全燃焼が行われていてスワーラ
15の混合効果が極めて優れていることが立証される。
【0017】図7は、本発明の他の実施例に係る焼却炉
1のフリーボード部5炉頂部横断面図である。この例
は、二次空気供給ノズル13を、二次空気が炉周壁に対
し接線方向の斜め下向きに吹き出されるように、炉側
部に固定した構成であって、炉頂部からスワーラ15
より供給する二次空気の旋回をさらに強化することが可
能である。なお、図示しないが、本発明の変形例とし
て、流動層を形成するための一次(流動)空気を分岐管
路によって分岐するとともに、所定温度に予熱した後、
二次空気として炉頂部からスワーラを用いて供給するよ
うにしても良い。さらに、他の変形例として、焼却すべ
き廃棄物の投入量を検出するごみ供給量センサを付設し
て、該センサの検出値が所定量よりも多い場合に、一次
空気の供給量を減少させ、替わって一次(流動)空気を
二次空気として炉頂部からスワーラを用いて供給するよ
うにすることも可能である。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、二次
空気をスワーラ15によって旋回させながら二次空気供
給ノズル13から噴流することにより、炉内燃焼室の断
面の広い範囲に二次空気を分散することが可能であり、
少ない二次空気供給ノズル13で断面全域を十分カバー
できる。また、炉下部(砂層部4)から上昇してく
燃ガスを含む一次燃焼ガスに対し、向流関係で二次空気
を吹き込むことにより、より効率の良い混合が行える。
【0019】更に、二次空気を高温に予熱することによ
り、二次空気自体の粘性が高くなり、一次燃焼ガスとの
混合が一層良くなるとともに、フリーボード部5をより
高温に保持できるため、未燃分の燃焼が容易、確実にな
る。従って、完全燃焼が促進されて、二次燃焼後の排ガ
スのCO濃度を大幅に減らすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る縦形流動床式焼却炉の例
の断面図である。
【図2】本発明の実施例に係る縦形流動床式焼却炉の例
の断面図である。
【図3】図1に示される二次空気供給ノズル13の断面
図である。
【図4】図3の二次空気供給ノズル13に設けられるス
ワーラ15の正面図である。
【図5】図4に示されるスワーラ15の中心軸周りの展
開図である。
【図6】本発明の実施例に係る焼却炉の煙道と、比較焼
却炉の煙道におけるO2 ,CO各濃度の経時変化線図で
ある。
【図7】本発明の他の実施例に係る焼却炉1の炉頂部横
断面図である。
【図8】従来の縦形流動床式焼却炉の例の断面図であ
る。
【図9】図8におけるA−A矢視線に沿う断面図であ
る。
【図10】従来の縦形流動床式焼却炉の例における二次
空気供給ノズルの断面図である。
【図11】従来の縦形流動床式焼却炉の例における二次
空気供給ノズルの断面図である。
【符号の説明】
1…焼却炉、 3…燃焼室、 5…フリーボード部、 7…ごみ供給口、 9…一次空気供給口、 10…二次空気供給口、 11…排ガス取出口、 13…二次空気供給ノズル、 15…スワーラ、 16…羽根。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−273910(JP,A) 特開 平6−123417(JP,A) 特公 昭64−2844(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/30 F23G 5/50 F23C 10/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次空気によって流動床の流動媒体を流
    動させ、該流動媒体に被焼却物を連続的に切り出し投入
    してガス化・燃焼させ、これにより生じた未燃ガスを炉
    内の燃焼室で二次空気と混合して完全燃焼させる流動床
    式焼却炉において、二次空気供給ノズルを燃焼室の炉頂
    のみに下方かつ炉中心方向に向けて固定するととも
    に、ノズル内にスワーラを配設して、予め高温、高圧と
    した二次空気を、旋回噴流し、かつ一次燃焼ガス流れに
    向流して、炉頂部から燃焼室内に供給する二次空気供給
    系を形成したことを特徴とする流動床式焼却炉の燃焼制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記二次空気供給ノズル内のスワーラ
    を、スワール数が0.6以上となる構成とすることを特
    徴とする請求項1に記載の流動床式焼却炉の燃焼制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記二次空気供給ノズルを、少なくとも
    炉の水平断面積5.0m2 当たりに1本の割合の数で設
    けたことを特徴とする請求項2に記載の流動床式焼却炉
    の燃焼制御装置。
  4. 【請求項4】 前記二次空気供給ノズルから前記燃焼室
    の炉周壁に対し接線方向の斜め向きに前記二次空気が吹
    き出されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の流動床式焼却炉の燃焼制御装置。
  5. 【請求項5】 前記二次空気供給ノズルが二重管で構成
    され、その内側管と外側管との間に前記スワーラを備え
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    流動床式焼却炉の燃焼制御装置。
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KR102243140B1 (ko) * 2020-07-09 2021-04-22 한솔이엠이(주) 머플 챔버 일체형 유동상 소각로

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