JP3114918U - Dnaブロック模型 - Google Patents

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Abstract

【課題】 DNAの二重らせん構造、複製、組換え、修復等を、手にとって視覚的に理解できるように、初心者であっても分解/組立が容易にでき、かつ安価に製造することができるDNAブロック模型を提供する。
【解決手段】 アデニン、グアニン、シトシン、およびチミンを模擬した4種の塩基部12A,12G,12C,12Tと、リン酸及び糖を模擬したリン酸部14及び糖部16がそれぞれ一体に連結されたAブロック10A、Gブロック10G、Cブロック10C、およびTブロック10Tからなる。Aブロック10AはTブロック10Tとのみ、Gブロック10GはCブロック10cとのみ、それぞれの塩基部で着脱可能である。また、各ブロックは、隣接するブロックの糖部16がリン酸部14を介して同一方向にねじれた位置でのみ着脱可能であり、これにより連結して二重らせんを構築する。
【選択図】 図4

Description

本考案は、DNAの二重らせん構造、DNAの複製、組換え、修復等を、分解・組立を通して視覚的に理解するためのDNAブロック模型に関する。
James Watson と Francis CrickがDNAの二重らせん構造を解明して以来、生命科学は飛躍的な発展を遂げ、既にヒトゲノムの解読まで一気に進んでいる。このため21世紀にはDNAから生命が解明されるといわれている。
しかし、DNAの二重らせん構造、DNAの複製、組換え、修復等の理解は、高校や大学の学生にとって依然として困難であり、不十分な状態にある。
DNAのような分子構造の理解のために、従来から種々の分子模型が用いられている(例えば特許文献1)。
特許文献1の分子模型は、図10に示すように、分子を構成する原子の結合状態を、原子模型要素52と、弾性部材を含んだ結合軌道模型要素53とを組み合わせることによって、視覚的あるいは象徴的に再現することにより分子構造を知覚できるようにした視覚器具において、前記結合軌道模型要素53と原子模型要素52とは着脱自在に圧嵌めされることを特徴とするものである。
また、DNA分子モデルとして、各原子を大小の球体で表現し、これを一体的に結合したモデルも既に一部で市販されている。
特開2000−321972号公報、「分子運動を視覚認識できる分子模型」
分子模型は、初心者(例えば大学や高校の学生)にとっても、最先端の研究をする研究者にとっても、それを手にとって視覚的に理解できる点で、極めて有用である。
しかし、特許文献1の分子模型の場合、簡単な構造式(例えばエチレンやベンゼン環)を忠実に再現することはできるが、必要となる部品数が多く、かつ構造が複雑である欠点がある。また、この分子模型を用いて、仮にDNA分子モデルを構築できたとしても、原子数が膨大となり非常に複雑になり、二重らせんの構造外観はある程度眺めて実感することはできるものの、それぞれのパーツを取り外したり、また、元に戻したり、というような触りながらパーツごとの役割を実感しながら理解することはできなかったし、ましてや、DNAの複製、組換え、修復などの理解にはほとんど役に立たなかった。
また、二重らせん構造そのものを再現した市販のDNA分子モデルも、各原子を大小の球体で表現しているため、原子数に比例して多数の部品を必要とし、構造が複雑であり、かつ高価であった。
例えば市販のDNA分子モデルは、DNA二重らせん一回転分の構成で、安価なものでも10万円前後、精密なものでは100万円に近いものもある。
さらに、このような従来のDNA分子モデルは、原子レベルから精密に再現する点では優れてはいるが、複雑すぎるため、DNAの構造を十分理解している専門家以外は分解/組立は実質的に不可能であり、初心者(例えば大学や高校の学生)が、分解/組立を通してDNAの二重らせん構造のなかでの糖、リン酸、塩基の相互関係を直感的に理解したり、実際の動態(複製、組換え、修復等)を理解するのにはほとんど役立たなかった。
本考案はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本考案の目的は、DNAの二重らせん構造、複製、組換え、修復等を、手にとって視覚的に理解できるように、初心者であっても分解/組立が容易にでき、かつ安価に製造することができるDNAブロック模型を提供することにある。
本考案によれば、アデニン、グアニン、シトシン、およびチミンを模擬した4種の塩基部と、リン酸及び糖を模擬したリン酸部及び糖部がそれぞれ一体に連結されたAブロック、Gブロック、Cブロック、およびTブロックからなり、
AブロックはTブロックとのみ、GブロックはCブロックとのみ、それぞれの塩基部で着脱可能であり、
前記各ブロックは、隣接するブロックの糖部がリン酸部を介して同一方向にねじれた位置でのみ着脱可能であり、これにより連結して二重らせんを構築する、ことを特徴とするDNAブロック模型が提供される。
本考案の好ましい実施形態によれば、前記各ブロックの糖部は平板部材であり、 各ブロックのリン酸部は、上下に隣接するブロックを同一方向に一定の角度ねじれた位置で連結する連結部材であり、
これにより、上下に隣接するブロックが同一方向に一定の角度で順次ねじれた一重らせんを構築し、
該一重らせんは、各ブロックの塩基部と着脱可能な別の一重らせんとの連結により、二重らせんを構築する。
また、前記AブロックとTブロックの塩基部は、第1の平板部材を任意の切断線で2分割した切断片の一方と他方であり、その切断線で互いに着脱可能な着脱部材を有し、
前記GブロックとCブロックの塩基部は、第2の平板部材を第1平板部材と異なる任意の切断線で2分割した切断片の一方と他方であり、その切断線で互いに着脱可能な着脱部材を有する。
また、前記着脱部材は、水素結合を模擬したピンと孔の嵌合具、凸部と凹部の嵌合具、マグネット、マッジックテープ、又は粘着テープである、ことが好ましい。
上記本考案の構成によれば、DNAブロック模型が、それぞれ一体に連結されたAブロック、Gブロック、Cブロック、Tブロックの4つの部品からなるので、各ブロックを発泡材、プラスチック、ゴム、厚紙等で大量生産することにより安価に製造することができる。
また、AブロックはTブロックとのみ、GブロックはCブロックとのみ、それぞれの塩基部で着脱可能に構成されているので、塩基対形成がアデニンとチミンとの間と、シトシンとグアニンとの間でしか形成されないDNAの特性を再現することができる。
また、この組み合わせ以外では、着脱ができないので、初心者であっても分解/組立が容易にできる。
また、各ブロックは、隣接するブロックの糖部がリン酸部を介して同一方向にねじれた位置でのみ着脱可能に構成されているので、5つの炭素原子からなる糖の5’から3’の方向への合成しかできないDNAの特性を再現できる。
また、同一方向にねじれた位置以外では、着脱ができないので、初心者であっても分解/組立が容易にできる。
さらに、全体を連結して組立てることにより二重らせんを構築するので、初心者であっても分解/組立によりDNAの二重らせん構造を、手にとって視覚的に理解できる。
さらに、この分解/組立の過程で、DNAの複製、組換え、修復等を視覚的、直感的に理解することが容易となる。
以下、本考案の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
DNAは、直鎖状で分岐のない多量体(ポリマー)であり、これを構成する単位となる単量体(モノマー)は、化学的に異なる4種のヌクレオチドである。
図1(A)は、1つのヌクレオチドの化学構造式である。この図に示すように、各ヌクレオチドは、糖、塩基、リン酸基の3つの部分からなっている。なお、糖と塩基のみからなる分子をヌクレオシド、これにリン酸が加わるとヌクレオチドになる。
図1(B)は、DNAの4つの塩基の化学構造式である。この図に示すように、4つの塩基は、アデニン、グアニン、シトシン、およびチミンである。
従って、DNAを構成する4種のヌクレオチドは、塩基がそれぞれアデニン、グアニン、シトシン、およびチミンであり、これに糖とリン酸基が結合したものである。以下、この4種のヌクレオチドを、順にヌクレオチドA,ヌクレオチドG,ヌクレオチドC,ヌクレオチドTと呼ぶ。
図1(A)において、各ヌクレオチドの糖は、五炭糖(2’−デオキシリボース)であり、5つの炭素原子を有する。この5つの炭素原子は、塩基の位置から順に1’,2’,3’,4’,5’と番号付けされている。各ヌクレオチドが直鎖状に結合する場合、図2に示すように、各ヌクレオチドは、5’と3’との間のホスホジエステル結合によって連結される。
また、自然界に存在するDNAはすべて5’→3’の方向へ合成することが知られている。
図3は、本考案のDNAブロック模型を構成する4つの部品を示している。この4つの部品は、Aブロック10A、Gブロック10G、Cブロック10C、およびTブロック10Tであり、それぞれアデニン、グアニン、シトシン、およびチミンを模擬した4種の塩基部12A,12G,12C,12Tと、リン酸及び糖を模擬したリン酸部14及び糖部16がそれぞれ一体に連結されたものである。リン酸部14及び糖部16は、4つの部品で共通である。
この図において、各ブロックの糖部16は矩形の平板部材である。しかし、糖部16の形状はこの例に限定されず、五炭糖を模擬した5角形の平板部材でもよく、その他の任意の形状でもよい。
各ブロックのリン酸部14は、上下に隣接するブロックを同一方向に一定の角度ねじれた位置で連結する連結部材である。この例において、リン酸部14は、一端が糖部16の位置16aに固定され、その平面から垂直に延びる円筒形部材である。
また、各ブロックの糖部16はこの円筒形部材の端部が嵌合する円形孔16bを有する。リン酸部14の一端が固定される位置16aは、図2の5’の位置を模擬し、円形孔16bは、3’の位置を模擬している。
図4は、Aブロック10AとTブロック10T、及び、Gブロック10GとCブロック10Cを組み合わせた状態を示している。
この図に示すように、Aブロック10AはTブロック10Tとのみ、Gブロック10GはCブロック10Cとのみ、それぞれの塩基部12A,12G,12C,12Tで着脱可能に構成されている。なおこの連結は、リン酸部14が、Aブロック10AとTブロック10T、Gブロック10GとCブロック10Cで、上下が逆になっている。
すなわちこの例では、Aブロック10AとTブロック10Tの塩基部12A,12Tは、第1平板部材11を任意の切断線13Aで2分割した切断片の一方と他方である。また、その切断線13Aで互いに着脱可能な第1着脱部材18Aを有する。
第1平板部材11は、この例では矩形の平板部材であるが、任意の形状であってもよい。切断線13Aは、この例では斜めの直線であるが、リン酸部14が上下逆の場合のみ着脱可能であるかぎりで、折れ線でも、曲線でもよい。
同様に、Gブロック10GとCブロック10Cの塩基部12G,12Cは、第2平板部材15を第1平板部材と異なる任意の切断線13Bで2分割した切断片の一方と他方であり、その切断線13Bで互いに着脱可能な第2着脱部材18Bを有する。
第2平板部材15は、この例では矩形の平板部材であるが、任意の形状であってもよい。切断線13Bは、この例では斜めの直線であるが、リン酸部14が上下逆の場合のみ着脱可能であるかぎりで、折れ線でも、曲線でもよい。
なお、切断線13Aと切断線13Bは、誤った組み合わせができないように、勾配、形状等が異なっている。
第1着脱部材18Aと第2着脱部材18Bは、この例では、水素結合を模擬したピンと孔の嵌合具である。しかし本考案は、これに限定されず、凸部と凹部の嵌合具、マグネット、マッジックテープ、又は粘着テープであってもよい。
図5は、DNAの二重らせんを、糖とリン酸をリボンで、各塩基をA,G,C,Tの文字で示した模式図である。また図6は、DNAの二重らせんを、3つの塩基対の化学構造式で示した図である。
図5、6からわかるように、DNAの二重らせん構造は、以下の重要な特徴を有している。
(1)2本のDNA鎖間での塩基対形成
塩基対形成には、一方のDNA鎖のアデニンともう一方のDNA鎖のチミンとの間、あるいは、シトシンとグアニンとの間での水素結合の形成がかかわっている。この2つの塩基対の組み合わせ(AがTと、GがCと塩基対を形成する)は、DNAにおいて許される唯一の組み合わせである。
上述した本考案の構成により、Aブロック10AはTブロック10Tとのみ、Gブロック10GはCブロック10Cとのみ、それぞれの塩基部12A,12G,12C,12Tで着脱可能に構成されており、DNAのこの特性を再現することができる。
(2)塩基のスタッキング
隣り合う塩基対間の疎水的相互作用がかかわっており、図6に示すように、各糖は5’から3’の方向へ必ず合成され、この結果、二重らせんを構築する。
図3、4において、各ブロック10A,10C,10G,10Tは、隣接するブロックの糖部16がリン酸部14を介して同一方向にねじれた位置でのみ着脱可能に構成されている。
すなわち、リン酸部14の一端が固定される位置16aと、これから離れた位置の円形孔16bは、上下に隣接するブロック10A,10C,10G,10Tを同一方向に一定の角度ねじれた位置で連結するように位置が決められている。
この位置は、後述する実施例の図8に示すように2組の位置16a,16bが同一の円上に位置し、かつ位置16a,16bの円周角を同一(好ましくは36°)に設定するのがよい。
この構成により、図7に示すように、本考案のAブロック10A、Gブロック10G、Cブロック10C、およびTブロック10Tを連結して二重らせんを構築することができる。
また、上述した本考案のDNAブロック模型は、AブロックはTブロックとのみ、GブロックはCブロックとのみ、それぞれの塩基部で着脱可能になっているので、DNA複製における鋳型依存性DNA合成をこの模型を用いて、視覚的に理解できる。
以下、本考案の実施例を説明する。
図8は、本考案のDNAブロック模型の各ブロックを製作するための素材図である。
(A)において、糖部16は、厚さ7mm、70mm×30mmの発泡スチロールの矩形の平板部材である。直径10mmの2つの孔を図のように設ける。2つの孔は、上述した位置16a,16bに対応している。この位置16a,16bが同一の円上に位置し、かつ位置16a,16bの円周角を好ましくは36°に設定する。
(B)において、リン酸部14は直径7mm、長さ41mmの円柱発泡スチロール材である。
(C)において、着脱部材18A、18Bは、水素結合を模擬した厚さ0.5〜0.7mm、長さ40mmのアクリル板である。この例では一方を斜め45°に、他方を山型に形成している。
(D)において、アデニンとチミンを模擬した2種の塩基部12Aと12Tは、厚さ5mm、50mm×1100mmの両面に紙を貼った発泡スチロール板を図のように斜めに切断したものである。この図において、アデニンとチミンを模擬した2種の塩基部12Aと12Tの表面にはA,Tの大文字、裏面にはa,tの小文字を付す。
(E)において、グアニンとシトシンを模擬した2種の塩基部12Gと12Cは、厚さ5mm、60mm×1100mmの両面に紙を貼った発泡スチロール板を図のように斜めに切断したものである。この図において、グアニンとシトシンを模擬した2種の塩基部12Gと12Cの表面にはG,Cの大文字、裏面にはg,cの小文字を付す。
図9は、図8の素材を用いて本考案のDNAブロック模型を構成する4つの部品を製作する説明図である。
(A)〜(D)において、糖部16の右下の孔にリン酸部14の一端を嵌合させて接着する。
また、4種の塩基部12A,12G,12C,12Tを糖部16の図の上面に接合して、Aブロック10A、Gブロック10G、Cブロック10C、およびTブロック10Tを製作する。
2本の第1着脱部材18Aを、Aブロック10Aの塩基部端面に平行に埋め込み、対応するTブロック10Tの端面にこれと嵌合する差込み溝を設ける。
3本の第2着脱部材18Bを、Gブロック10Gの塩基部端面に平行に埋め込み、対応するCブロック10Cの端面にこれと嵌合する差込み溝を設ける。
(DNAブロック模型の組立とモデル化)
1.Aブロック10AとTブロック10Tは片方を上下反転させ、第1着脱部材18Aをこれと嵌合する差込み溝にさし込むことで安定して組み合わさる。また、簡単にはずすことができる。
2.Gブロック10GとCブロック10Cも片方を上下反転させ、第2着脱部材18Bをこれと嵌合する差込み溝にさし込むことで安定して組み合わさる。また、簡単にはずすことができる。
3.上記1、2の組立が、DNAの塩基間の水素結合をモデル化している。
4.第1着脱部材18Aと第2着脱部材18Bの水素結合は、他にA、G側にS極(またはN極)、T、C側にN極(またはS極)の磁石をつけるなどして、何度も接着、着脱可能な粘着テープを用いるなど、容易に取り外しができる方法で置き換えることもできる。
5.各ブロックから突き出たリン酸部14は、別のブロックの円形孔16bに、リン酸部14が突き出ていない面の方から差込んで組み立てることができる。この接合が、1本のDNA鎖を5’から3’に結合していくリン酸エステル結合をモデル化している。
すでに差込まれて接着した方は、糖の5’側にすでにもともとヌクレオチドプール中の個別のヌクレオチドにリン酸エステル結合でついているリン酸を示す。
空いている円形孔16bは新しくDNA鎖が伸びていくときにもうひとつのリン酸結合を形成するための3’ の水酸基をモデル化している。さらに、精密なモデル化には、この5’側のリン酸に着脱の容易なリン酸をもう2個付けておき、新しく他のヌクレオチド(厳密には合成中のDNA鎖の3’末端)の3’水酸基に結合させるときに、その付加した2個のリン酸をとりのぞくようなモデルにすることもできる。
3’側水酸基を示す円形孔16bと、5’側のリン酸基を示す円柱を組み合わせたときには、しっかり安定し、構造が簡単には崩れない程度の固さの差し込みとし、取り外したいときには少し力を入れる程度で外すことができるようにしておく。
6.3の水素結合と、5のリン酸エステル結合を組み合わせることによって、図7に示したように、簡単にDNA二重らせん構造を構築できる。
7.この実施例では、直径約200mm、各塩基を組立てるときの回転角36°、各塩基対間の二重らせん方向での距離が34mmとなるよう組立てることができるので、10塩基対で340mmの長さで丁度二重らせん1ピッチとなる。すなわち、直径2nm、1ピッチ3.4nmの実物のDNAをそのまま1億倍に拡大したモデルとなっている。
8.この実施例では、水素結合させたとき、相補対となっている塩基対(AとT、もしくは、GとC)の片方のヌクレオチドを上下反転して対合するようになっており、これが、DNAの二重らせん構造の二本鎖の逆平行向き(アンチパラレル)な性質をモデル化している。
それを可視化しやすいように、図8で示した4種類のヌクレオチドの塩基部分に、見えている面には、大文字で、それぞれ、A、G、C、Tと記載し、上下を反転させた裏面には、小文字でa、g、c、tと記載している。
9.またDNA解析時に4種類の塩基を色分けする例にならって、それぞれの塩基の文字に色をつけることができる。例えば、A、aを緑、G、gを黒、C、cを青、T、tを赤で示すのがよい。
10.DNA合成時に重要な共有結合部位を担うリン酸部14も色(例えば、黄色)をつけて明示するのがよい。
11.DNA解析時には、通常、その合成の方向5’リン酸基から3’水酸基方向でDNA鎖を表現することが多いので、リン酸を色付けることで、端に黄色が飛び出ている部分がDNAの5’端となっていることを簡単に識別できる。
12.DNAは5’リン酸基から3’水酸基方向の鎖の文字配列でタンパク質をコードしている。このモデルでは、黄色が突き出ている5’リン酸を上にすると各塩基に大文字で記載された塩基を3’側に読んでいくことで、タンパクをコードしている可能性のある配列を知ることができる。
逆側の鎖にタンパクがコードされている場合には、上下を反転させ、そこで上に出て来たリン酸基の黄色から下に大文字を読んでいけば自動的に、逆側の鎖にタンパクをコードしている可能性のある塩基配列を読み取っていくことができる。
13.このモデルは拡大することによって、もっと大きな模型とすることも可能である。
14.このモデルは縮小することによって、もっと小さな模型とすることも可能である。
15.材質は適宜替えることによって、模型の安定性を増したり、作製や分解をもっと容易にすることも可能である。
16.硬質ゴムや曲げることができるプラスチックなどの素材で、小型化し、リン酸結合部位を強くするか、場合によっては鎖のリン酸結合を部分的にのり付けするなどして固定してしまうことによって、二重らせんDNAを長く用意し、DNAの複製、組換え、修復等、さらには、PCR、DNAシーケンシングといったDNAの構造をもとに塩基レベルでの動きがわかってよく理解できるメカニズムなどのモデル化も可能である。
17.この実施例で示した素材は適宜他のものに変更できる。また、簡素化するために糖と塩基を最初からひとつのパーツで作るなど簡素化も可能である。
18.逆に、糖、リン酸、塩基をもっと分子構造に即した形にしたり、また、パーツにわけることでもっと精密なモデルに構築することも可能である。
19.例えば、糖に4’の水酸基を示す構造体を記載するか付加すれば、RNAを構成するリボヌクレオチドとすることができ、RNA模型ともなる。このとき、文字T、tのかわりに、文字U、uを用いて、RNAでは、チミンTのかわりにウラシルUが使われていることをモデル化できる。
20.例えば、塩基のGに8−oxoグアニンやo6メチルグアニンと記載し、Cだけでなく、それぞれ、A、Tとも水素結合できるよう配置すれば、酸化やメチル化によるDNA損傷および突然変異発生機構のモデル化が可能となる。
21. 例えば、塩基のCに5メチルシトシンも加え、DNAのメチル化やエピジェネティックなモデルおよび脱アミノ化に基づくDNA損傷、突然変異発生のメカニズムのモデル化もできる。
22.基本の組立は、すべての共通のリン酸エステル結合と、2対しかない塩基対合のための2種類の水素結合の合計3つだけなので、17に示したパーツの簡素化と、15や16で示した結合部位の組み合わせで、この3つしかない組み合わせでしか組み合わさらないよう、結合部位を設計することにより、幼児でも組立可能な「つみき」や「ブロックおもちゃ」として与えることも可能である。
23.以上を組み合わせ、年齢や専門度に応じたおもちゃ、学習用教材、さらには、専門的に研究に活用できる高度DNA二重鎖モデルとして個別に対応しながら活用できる。
上述したように、本考案のDNAブロック模型は、以下の特徴を有している。
(1)リン酸、糖、塩基が共通結合して構成されるヌクレオチドをひとつのパーツとした。塩基にはアデニン、グアニン、シトシン、チミンの4種類があるので、4種類のヌクレオチドをパーツとし多数揃える。例えば、ひとつのヌクレオチドパーツを5個ずつ、総数20個揃えるとDNA二重らせんが一回転分構築できる。
(2)ヌクレオチドパーツは、DNA二重らせん構造の直径、ピッチ、回転角といった物理化学的性質と、DNAの複製、組換え、修復など生体内におけるDNA反応時のパーツの挙動を再現するための分子生物学的性質だけを忠実に再現する設計とし、方形や円柱構造のみからなるよう単純化している。そのため厚紙や発泡スチロールなど安価で工作が容易な材料を無駄なく使いながら大量生産できる仕様となっている。また簡単なパーツなので、拡大縮小も自在に行え、目的にそった大きさのモデルとすることが可能である。いくつかパーツが壊れたり紛失することも気にならずにすむ。パーツの補充や追加も安価にできる。
(3)パーツ同士の「つなぎ方」は3種類しかなく、その組み合わせ同士しかつながらないように設計しているので専門の知識がなくともすぐに見よう見まねで、説明書もなしに構築できる。一回転分総数20個の組立には30分もかからず、慣れれば5分程度でできあがる。
(4)できあがった二重らせんの見た目が美しく「装飾オブジェ」となるよう、パーツの形や色合いを調整することも可能となっている。
(5)また、パーツをもっとも単純化して安価に多数提供し、こどもや初心者向けに設計することから、専門知識を組み入れて、パーツの形をもっと原子構造まで反映させたり、材質から、3つしかない結合箇所をさらに増やすなどの変更設計も容易であり、最先端研究のモデルとしても利用でき、応用範囲が広い。
(6)単純なパーツながら、4種類の塩基を現しており、新聞テレビなどを通して一般にもなじみのものとなりつつあるA、G、C、TというDNAを構成する「4文字」をパーツに記載することにより、DNA構造と分子生物学的知識を知らず知らずに体感しながら身につけることができる。またDNA鎖には向きがあることや、遺伝の仕組みまで、このモデルを通して実感できるような構造となっている。
(7)RNAも基本構造はDNAと極めて類似しており、さらには、20種類のアミノ酸からなるタンパク質へもこのモデルの基本構想は応用でき、発展性のあるモデルとなっている。DNA分子どうしの生体構造や反応だけでなく、RNAやタンパク質同士、さらには、DNA、RNA、タンパク質のあいだの相互作用など、現在、ゲノム研究の中心となっている研究のモデル系ともなりうる。
なお、本考案は、上述した実施形態に限定されず、本考案の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
ヌクレオチドとDNAの4つの塩基の化学構造式である。 DNAのホスホジエステル結合を示す化学構造式である。 本考案のDNAブロック模型を構成する部品図である。 本考案の各ブロックの組み合わせ図である。 DNAの二重らせんをリボンと塩基対の文字で示した模式図である。 DNAの二重らせんを塩基対の化学構造式で示した図である。 本考案のブロックを連結した二重らせんを示す図である。 DNAブロック模型の各ブロックを製作するための素材図である。 本考案のDNAブロック模型を構成する4つの部品を製作する説明図である。 特許文献1の分子模型の構成図である。
符号の説明
10A Aブロック、10G Gブロック、
10C Cブロック、10T Tブロック、
11 第1平板部材、12A,12G,12C,12T 塩基部、
13A,13B 切断線、14 リン酸部、
15 第2平板部材、16 糖部、
16a 固定位置、16b 円形孔、
18A 第1着脱部材、18B 第2着脱部材

Claims (4)

  1. アデニン、グアニン、シトシン、およびチミンを模擬した4種の塩基部と、リン酸及び糖を模擬したリン酸部及び糖部がそれぞれ一体に連結されたAブロック、Gブロック、Cブロック、およびTブロックからなり、
    AブロックはTブロックとのみ、GブロックはCブロックとのみ、それぞれの塩基部で着脱可能であり、
    前記各ブロックは、隣接するブロックの糖部がリン酸部を介して同一方向にねじれた位置でのみ着脱可能であり、これにより連結して二重らせんを構築する、ことを特徴とするDNAブロック模型。
  2. 前記各ブロックの糖部は平板部材であり、
    各ブロックのリン酸部は、上下に隣接するブロックを同一方向に一定の角度ねじれた位置で連結する連結部材であり、
    これにより、上下に隣接するブロックが同一方向に一定の角度で順次ねじれた一重らせんを構築し、
    該一重らせんは、各ブロックの塩基部と着脱可能な別の一重らせんとの連結により、二重らせんを構築する、ことを特徴とする請求項1に記載のDNAブロック模型。
  3. 前記AブロックとTブロックの塩基部は、第1の平板部材を任意の切断線で2分割した切断片の一方と他方であり、その切断線で互いに着脱可能な着脱部材を有し、
    前記GブロックとCブロックの塩基部は、第2の平板部材を第1平板部材と異なる任意の切断線で2分割した切断片の一方と他方であり、その切断線で互いに着脱可能な着脱部材を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のDNAブロック模型。
  4. 前記着脱部材は、水素結合を模擬したピンと孔の嵌合具、凸部と凹部の嵌合具、マグネット、マッジックテープ、又は粘着テープである、ことを特徴とする請求項3に記載のDNAブロック模型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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