しかし、商品を販売するに際して、販売する商品の見本を陳列しつつ、実際に販売する商品は別途保管しておくのが防犯上は好ましいといえる。
すると、上記特許文献1の陳列ケースにおいては、収納ケースが上下方向に配設されているのみであるので、商品の見本を陳列ケースに陳列する場合には、実際に販売する商品は別途保管しなければならず、保管用のケース等が別途必要になり、保管スペースも別途必要になる。
また、特許文献2の陳列棚においては、商品を載置する棚以外にトレーが設けられているが、トレーが設けられた最下段の棚板を手前に引くと、トレーが手前側に露出してしまい、仮に、トレーに商品を保管したとしても、防犯上十分であるといえない。特に、コンビニエンスストアのカウンタ等に特許文献2のような陳列棚を設置した場合には、陳列棚の手前側から商品を取り出すことが可能であるので、防犯上十分であるといえない。
また、上記従来の年賀状用はがきを袋詰めしたいわゆる年賀状パックの販売方法においては、販売する年賀状パックを陳列棚に陳列しておくので、年賀状パックの盗難が後をたたないという問題がある。
そこで、本考案は、物品、特に、年賀状用はがきに関する陳列具で、物品を別途保管する必要がなく、かつ、防犯機能にも優れている陳列具を提供することを目的とするものである。
本考案は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、販売対象の物品のサンプル又は該物品を陳列するとともに、該物品を保管するための陳列保管具(「陳列具」、「陳列・保管具」としてもよい。他においても同じ)で、販売対象の物品のサンプル又は該物品を陳列するための陳列部と、該物品を保管する保管部と、該保管部に保管された物品を該保管部から取り出すのを規制する規制手段と、
を有することを特徴とする。
この第1の構成の陳列保管具においては、陳列部と保管部とが設けられているので、該陳列部に、販売対象の物品のサンプル又は該物品を陳列するとともに、該保管部に販売対象の物品を保管することができる。よって、物品を別途保管する必要がない。また、該規制手段が設けられているので、防犯機能にも優れている。
また、第2には、販売対象の物品のサンプル又は該物品を陳列するとともに、該物品を保管するための陳列保管具で、板状の背面部と、該背面部の両側の端部から正面側に向けて設けられた板状の側面部と、を有する立設部と、該立設部における一対の側面部間に支持された陳列部で、販売対象の物品のサンプル又は該物品を陳列することができる陳列部と、を有する本体部と、販売対象の物品を保管するための保管部で、該本体部内に収納可能な保管部と、を有し、該本体部の背面側には切欠部又は開口部が設けられているとともに、該切欠部又は開口部を開閉する開閉手段が設けられており、該切欠部又は開口部を介して、該保管部を本体部内に収納するとともに本体部から取り出し可能であることを特徴とする。
この第2の構成の陳列保管具は、店頭等に設置して使用する。この陳列保管具においては、本体部に陳列部が設けられているので、該陳列部に、販売対象の物品のサンプル又は販売対象の物品を陳列し、また、保管部が設けられているので、販売対象の物品を保管部に保管しておく。店頭等において、顧客が購入したい物品のサンプルを陳列部から取り出して提示した場合や購入したい物品を特定するための情報を店員に告げた場合には、店員は、対応する物品を保管部から取り出して顧客に渡す。なお、物品を保管部から取り出す場合以外は、保管部を本体部内に収納しておき、開閉手段を閉じた状態としておく。
本考案の陳列保管具においては、保管部が設けられているので、別途保管する必要がない。また、該保管部は、本体部内に収納することができ、また、保管部には開閉手段が設けられているので、保管部を本体部内に収納し、かつ、開閉手段を閉じた状態としておくことにより、盗難を防止することができ、防犯機能に優れた構成とすることができる。
また、第3には、販売対象の物品のサンプル又は該物品を陳列するとともに、該物品を保管するための陳列保管具で、板状の背面部と、該背面部の両側の端部から正面側に向けて設けられた板状の側面部と、を有する立設部と、該立設部における一対の側面部間に支持された陳列部で、販売対象の物品のサンプル又は該物品を陳列することができる陳列部と、該立設部の背面側に設けられた収納部で、切欠部又は開口部が設けられているとともに、該切欠部又は開口部を開閉する開閉手段が設けられている収納部と、を有する本体部と、販売対象の物品を保管するための保管部で、該収納部内に収納可能な保管部と、を有することを特徴とする。
この第3の構成の陳列保管具は、店頭等に設置して使用する。この陳列保管具においては、本体部に陳列部が設けられているので、該陳列部に、販売対象の物品のサンプル又は販売対象の物品を陳列し、また、保管部が設けられているので、販売対象の物品を保管部に保管しておく。店頭等において、顧客が購入したい物品のサンプルを陳列部から取り出して提示した場合や購入したい物品を特定するための情報を店員に告げた場合には、店員は、対応する物品を保管部から取り出して顧客に渡す。なお、物品を保管部から取り出す場合以外は、保管部を収納部内に収納しておき、開閉手段を閉じた状態としておく。
本考案の陳列保管具においては、保管部が設けられているので、別途保管する必要がない。また、該保管部は、収納部内に収納することができ、また、収納部には開閉手段が設けられているので、保管部を本体部内に収納し、かつ、開閉手段を閉じた状態としておくことにより、盗難を防止することができ、防犯機能に優れた構成とすることができる。
また、第4には、上記第2又は第3の構成において、上記立設部の側面部における正面側の辺部が傾斜して形成され、該辺部には所定の間隔を介して複数の溝部が形成されており、また、上記陳列部は、複数の個別陳列棚部からなる陳列棚部を有し、該個別陳列棚部が、板状の正面板部で、その両側に立設部の側面部に設けられた溝部に嵌合するための第1溝部が設けられている正面板部と、該正面板部の下端から奥側に形成された底面板部で、帯状の板状を呈する底面板部と、該底面板部の奥側の端部から上方に向けて設けられた、板状の背面板部で、その両側に立設部の側面部に設けられた溝部に嵌合するための第1溝部が設けられ、その高さ方向の幅が該正面板部の高さ方向の幅よりも大きく形成された背面板部と、を有し、正面板部の両側の溝部と背面板部の両側の溝部が側面部の溝部に嵌合することにより、個別陳列棚部が立設部に支持されていることを特徴とする。これにより、少ない種類の部品点数で陳列部を構成することが可能となる。
また、第5には、上記第4の構成において、上記個別陳列棚部における正面板部と背面板部には、上辺から下方に伸びた第2溝部が1又は複数設けられ、さらに、陳列部には、帯状の板状を呈し、個別陳列棚部における正面板部の第2溝部と背面板部の第2溝部に嵌合するための溝部を有する仕切り部が設けられ、該仕切り部が、該個別陳列棚部における正面板部と底面板部と背面板部とで囲まれた収納空間を仕切るように構成されていることを特徴とする。この仕切り部により、個別陳列棚部における正面板部と底面板部と背面板部とで囲まれた収納空間を仕切ることができ、複数の個別収納部を構成することができる。
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上記販売対象の物品が、宛名を記載する面の反対側の面が印刷済みのはがきであることを特徴とする。
また、第7には、販売対象のはがきのサンプル又は該はがきを陳列するとともに、該はがきを保管するための陳列保管具で、1枚の段ボール材等の紙材により形成された立設部で、板状の背面部で、その下端部から上方に伸びた一対の切込み部と、該一対の切込み部の上端間に設けられた折れ線とにより囲まれた蓋部が開閉可能に形成されている背面部と、該背面部の両側の端部から正面側に向けて設けられた板状の側面部で、正面側の辺部が傾斜して形成され、該辺部には所定の間隔を介して複数の溝部が形成された側面部と、を有する立設部と、該立設部における一対の側面部間に支持された陳列部で、陳列棚部と、仕切り部とを有する陳列部で、該陳列棚部が、複数の個別陳列棚部を有し、各個別陳列棚部が、1枚の段ボール材等の紙材により形成されているとともに、各個別陳列棚部が、板状の正面板部で、その両側に、立設部の側面部に設けられた溝部に嵌合するための第1溝部が設けられているとともに、その上辺から下方に伸びた第2溝部が1又は複数設けられた正面板部と、該正面板部の下端から背面側に形成された底面板部で、帯状の板状を呈する底面板部と、該底面板部の背面側の端部から上方に向けて設けられた、板状の背面板部で、その両側に立設部の側面部に設けられた溝部に嵌合するための第1溝部が設けられているとともに、その上辺から下方に伸びた第2溝部が1又は複数設けられた背面板部で、その高さ方向の幅が該正面板部の高さ方向の幅よりも大きく形成された背面板部と、を有し、正面板部の両側の溝部と背面板部の両側の溝部が側面部の溝部に嵌合することにより、個別陳列棚部が立設部に支持されており、該仕切り部が、1枚の段ボール材等の紙材により形成され、帯状の板状を呈し、個別陳列棚部における正面板部の第2溝部と背面板部の第2溝部に嵌合するための溝部を有し、該陳列棚部を構成する個別陳列棚部における正面板部と底面板部と背面板部とで囲まれた収納空間を仕切るように構成された陳列部と、を有する本体部と、該本体部における立設部の背面部に設けられた蓋部から本体部内に収納可能な保管部で、販売対象のはがきを保管するための保管部と、を有することを特徴とする。
この第7の構成の陳列保管具は、店頭等に設置して使用する。この陳列保管具においては、本体部に陳列部が設けられているので、該陳列部に、販売対象の物品のサンプル又は販売対象の物品を陳列し、また、保管部が設けられているので、販売対象の物品を保管部に保管しておく。店頭等において、顧客が購入したい物品のサンプルを陳列部から取り出して提示した場合や購入したい物品を特定するための情報を店員に告げた場合には、店員は、対応する物品を保管部から取り出して顧客に渡す。なお、物品を保管部から取り出す場合以外は、保管部を本体部内に収納しておき、開閉手段を閉じた状態としておく。
本考案の陳列保管具においては、保管部が設けられているので、別途保管する必要がない。また、該保管部は、本体部内に収納することができ、また、保管部には開閉手段が設けられているので、保管部を本体部内に収納し、かつ、開閉手段を閉じた状態としておくことにより、盗難を防止することができ、防犯機能に優れた構成とすることができる。また、立設部や個別陳列棚部や仕切り部は、1枚の段ボール材等の紙材により形成されているので、低コストに形成することができ、また、各部に分解することによりコンパクトにすることができて、省スペースで運搬等を行うことができる。
また、第8には、販売対象のはがきのサンプル又は該はがきを陳列するとともに、該はがきを保管するための陳列保管具で、1枚の段ボール材等の紙材により形成された立設部で、板状の背面部で、その下端部から上方に伸びた一対の切込み部と、該一対の切込み部の上端間に設けられた折れ線とにより囲まれた蓋部が開閉可能に形成されている背面部と、該背面部の両側の端部から正面側に向けて設けられた板状の側面部で、正面側の辺部が傾斜して形成され、該辺部には所定の間隔を介して複数の溝部が形成された側面部と、を有する立設部と、該立設部における一対の側面部間に支持された陳列部で、陳列棚部と、仕切り部とを有する陳列部で、該陳列棚部が、複数の個別陳列棚部を有し、各個別陳列棚部が、1枚の段ボール材等の紙材により形成されているとともに、各個別陳列棚部が、板状の正面板部で、その両側に、立設部の側面部に設けられた溝部に嵌合するための第1溝部が設けられているとともに、その上辺から下方に伸びた第2溝部が1又は複数設けられた正面板部と、該正面板部の下端から背面側に形成された底面板部で、帯状の板状を呈する底面板部と、該底面板部の背面側の端部から上方に向けて設けられた、板状の背面板部で、その両側に立設部の側面部に設けられた溝部に嵌合するための第1溝部が設けられているとともに、その上辺から下方に伸びた第2溝部が1又は複数設けられた背面板部で、その高さ方向の幅が該正面板部の高さ方向の幅よりも大きく形成された背面板部と、を有し、正面板部の両側の溝部と背面板部の両側の溝部が側面部の溝部に嵌合することにより、個別陳列棚部が立設部に支持されており、該仕切り部が、1枚の段ボール材等の紙材により形成され、帯状の板状を呈し、個別陳列棚部における正面板部の第2溝部と背面板部の第2溝部に嵌合するための溝部を有し、該陳列棚部を構成する個別陳列棚部における正面板部と底面板部と背面板部とで囲まれた収納空間を仕切るように構成された陳列部と、該立設部の背面部に固定して設けられた収納部で、板状の底面部と、該底面部の両端から立設して設けられた一対の側面部と、該一対の側面部の上端間に設けられた上面部とを有するスリーブ状部と、該スリーブ状部の一対の側面部における各側面部に設けられた扉部で、側面部に対して回動可能に設けられた扉部と、を有する収納部と、を有する本体部と、該収納部内に収納可能な保管部で、販売対象のはがきを保管するための保管部と、を有することを特徴とする。
この第8の構成の陳列保管具は、店頭等に設置して使用する。この陳列保管具においては、本体部に陳列部が設けられているので、該陳列部に、販売対象の物品のサンプル又は販売対象の物品を陳列し、また、保管部が設けられているので、販売対象の物品を保管部に保管しておく。店頭等において、顧客が購入したい物品のサンプルを陳列部から取り出して提示した場合や購入したい物品を特定するための情報を店員に告げた場合には、店員は、対応する物品を保管部から取り出して顧客に渡す。なお、物品を保管部から取り出す場合以外は、保管部を収納部内に収納しておき、開閉手段を閉じた状態としておく。
本考案の陳列保管具においては、保管部が設けられているので、別途保管する必要がない。また、該保管部は、収納部内に収納することができ、また、収納部には開閉手段が設けられているので、保管部を本体部内に収納し、かつ、開閉手段を閉じた状態としておくことにより、盗難を防止することができ、防犯機能に優れた構成とすることができる。また、立設部や個別陳列棚部や仕切り部は、1枚の段ボール材等の紙材により形成されているので、低コストに形成することができ、また、各部に分解することによりコンパクトにすることができて、省スペースで運搬等を行うことができる。
また、第9には、上記第1から第8までのいずれかの構成において、上記保管部が、箱状を呈することを特徴とする。この箱状としては、方形状の底面部と該底面部の端部から立設した二対の側面部とを有する構成とするのが好ましく、さらに、蓋部を有する構成とすることが好ましい。
また、第10には、上記第1から第8までのいずれかの構成において、上記保管部が、板状の背面部と、該背面部の両側の端部から正面側に向けて設けられた板状の側面部と、を有する立設部と、該立設部における一対の側面部間に支持された陳列部と、を有し、該陳列部に物品を陳列することができることを特徴とする。これにより、物品を陳列した状態で保管できるので、所望の物品を即座に取り出すことが可能となる。
なお、第10の構成を以下のようにしてもよい。すなわち、「上記保管部が、1枚の段ボール材等の紙材により形成された立設部で、板状の背面部で、その下端部から上方に伸びた一対の切込み部と、該一対の切込み部の上端間に設けられた折れ線とにより囲まれた蓋部が開閉可能に形成されている背面部と、該背面部の両側の端部から正面側に向けて設けられた板状の側面部で、正面側の辺部が傾斜して形成され、該辺部には所定の間隔を介して複数の溝部が形成された側面部と、を有する立設部と、該立設部における一対の側面部間に支持された陳列部で、陳列棚部と、仕切り部とを有する陳列部で、該陳列棚部が、複数の個別陳列棚部を有し、各個別陳列棚部が、1枚の段ボール材等の紙材により形成されているとともに、各個別陳列棚部が、板状の正面板部で、その両側に立設部の側面部に設けられた溝部に嵌合するための第1溝部が設けられているとともに、その上辺から下方に伸びた第2溝部が1又は複数設けられた正面板部と、該正面板部の下端から背面側に形成された底面板部で、帯状の板状を呈する底面板部と、該底面板部の背面側の端部から上方に向けて設けられた、板状の背面板部で、その両側に立設部の側面部に設けられた溝部に嵌合するための第1溝部が設けられているとともに、その上辺から下方に伸びた第2溝部が1又は複数設けられた背面板部で、その高さ方向の幅が該正面板部の高さ方向の幅よりも大きく形成された背面板部と、を有し、正面板部の両側の溝部と背面板部の両側の溝部が側面部の溝部に嵌合することにより、個別陳列棚部が立設部に支持されており、該仕切り部が、1枚の段ボール材等の紙材により形成され、帯状の板状を呈し、個別陳列棚部における正面板部の第2溝部と背面板部の第2溝部に嵌合するための溝部を有し、該陳列棚部を構成する個別陳列棚部における正面板部と底面板部と背面板部とで囲まれた収納空間を仕切るように構成された陳列部と、を有し、該陳列部に物品を陳列することができることを特徴とする。」ものとしてもよい。
また、上記の各構成において、「はがき」は、宛名を記載する面の反対側の面が印刷済みのはがきとするのが好ましく、特に、年賀状用はがきであることが好ましい。
本考案に基づく陳列保管具によれば、物品、特に、年賀状用はがきのサンプル又は該物品を陳列するとともに、該物品を保管することができるので、物品を別途保管する必要がない。また、規制手段が設けられている場合や、保管部を本体部内に収納でき、かつ、開閉手段(又は蓋部)が設けられている場合や、保管部を収納部内に収納でき、かつ、開閉手段(又は扉部)が設けられている場合等により、物品の盗難を防止することができ、防犯機能に優れた構成とすることができる。
本考案に基づく陳列保管具A1は、図1〜図8に示されるように構成され、本体部1と、箱部(保管部)80とを有している。
なお、各図において、一点鎖線は山折りを示し、二点鎖線は谷折りを示す。なお、図面において、Y1−Y2方向は、X1−X2方向に直角な方向であり、Z1−Z2方向は、X1−X2方向及びY1−Y2方向に直角な方向である。
ここで、本体部1は、立設部10と、陳列部40とを有している。この立設部10は、平面視においては略コ字状を呈し、その展開状態は、図5に示すように形成され、背面部12と、側面部14と、側面部24とを有している。立設部10は、1枚の板状部材(具体的には、段ボール材等の紙材)から形成されている。
この背面部12は、板状を呈し、背面本体部12aと、蓋部12bとを有している。この背面本体部12aは、略方形状の上側部12a−1と該上側部12a−1の下端の両側から下方に伸びた縦長略方形状の下側部12a−2とを合わせた形状を呈していて、略方形状の形状の下端の中央部分に切欠部を設けた形状を呈している。この背面本体部12aの上側の中央付近には開口部12cが設けられている。この開口部12cは、略長方形状の横方向に幅狭の開口部12c−1と該開口部12c−1の下端から連設された開口部12c−2で、横方向に幅広の開口部12c−2とを有し、全体に扁平な凸状を呈している。
また、蓋部12bは、背面本体部12aに設けられた切欠部を開閉するように設けられ、蓋部本体12b−1と、係止部12b−2とを有している。この蓋部本体12b−1は、上側部12a−1の下端から折れ線を介して連設され、両側の下側部12a−2とは波状の切込み線を介して隣接している。つまり、蓋部本体12b−1は、平行な直線状の辺部と波状の辺部とで囲まれた形状となっている。また、係止部12b−2は、蓋部本体12b−1の下端から突出して折れ線を介して連設されている。この係止部12b−2は、蓋部本体12b−1側の幅狭部と、先端側の幅広部とで形成され、この幅広部は、開口部12c−2は挿通するが、開口部12c−1は挿通できない幅(図5における横方向の幅)に形成されていて、また、幅狭部は、開口部12c−1を挿通する幅に形成されている。なお、蓋部12bは、上記規制手段や上記開閉手段(つまり、本体部の背面側に設けられた切欠部を開閉する開閉手段)として機能する。なお、背面本体部12aは、略方形状の形状の下端の中央部分に切欠部を設けた形状を呈しているとして説明したが、切欠部の代わりに開口部としてもよい。つまり、背面部12の下端を枠状に残して開口部とし、該開口部を蓋部により開閉するようにしてもよい。
また、側面部14は、側面本体部16と、突状部18a〜18fとを有している。この側面本体部16は、背面本体部12aの側部から折れ線を介して連設されていて、水平方向の直線状の一対の辺部と、背面本体部12aとの境界と、斜めに傾斜した直線状の辺部とで囲まれた台形形状を呈している。
また、突状部18a〜18fは、側面本体部16における該斜めに傾斜した直線状の辺部から斜め上方に突出して形成されている。突状部18a〜18fは、上側から順に下方に形成されている。突状部18aは、側面本体部16の上端部との間に溝部20を介して形成され、突状部18bは、突状部18aとの間に溝部20を介して形成され、突状部18cは、突状部18bとの間に溝部20を介して形成され、突状部18dは、突状部18cとの間に溝部20を介して形成され、突状部18eは、突状部18dとの間に溝部20を介して形成され、突状部18fは、突状部18eとの間に溝部20を介して形成されている。この側面部14における溝部20は、個別陳列棚部42における溝部47a、57aと嵌合し合うことにより、個別陳列棚部42が側面部14に係止する。つまり、溝部20が、側面部14における傾斜した側部に沿って所定の間隔を介して複数設けられているといえる。
また、側面部24は、背面部12における縦方向の中心線を介して線対称に形成されている。すなわち、側面部24は、側面本体部26と、突状部28a〜28fとを有している。この側面本体部26は、背面本体部12aの側部から折れ線を介して連設されていて、水平方向の直線状の一対の辺部と、背面本体部12aとの境界と、斜めに傾斜した直線状の辺部とで囲まれた台形形状を呈している。
また、突状部28a〜28fは、側面本体部26における該斜めに傾斜した直線状の辺部から斜め上方に突出して形成されている。突状部28a〜28fは、上側から順に下方に形成されている。突状部28aは、側面本体部26の上端部との間に溝部30を介して形成され、突状部28bは、突状部28aとの間に溝部30を介して形成され、突状部28cは、突状部28bとの間に溝部30を介して形成され、突状部28dは、突状部28cとの間に溝部30を介して形成され、突状部28eは、突状部28dとの間に溝部30を介して形成され、突状部28fは、突状部28eとの間に溝部30を介して形成されている。この側面部24における溝部30は、個別陳列棚部42における溝部47b、57bと嵌合し合うことにより、個別陳列棚部42が側面部24に係止する。つまり、溝部30が、側面部24における傾斜した側部に沿って所定の間隔を介して複数設けられているといえる。
次に、陳列部40は、複数の個別陳列棚部42からなる陳列棚部41と、仕切り部70とを有している。
ここで、個別陳列棚部42は、側面視において略コ字状を呈し、その展開状態は、図6に示すように形成され、正面部(正面板部)44と、底面部(底面板部)52と、背面部(背面板部)54とを有している。個別陳列棚部42は、1枚の板状部材(具体的には、段ボール材等の紙材)から形成されている。
この正面部44は、正面部本体45と、突状部46a、46bを有していて、正面部本体45は、略方形状(横方向に細長い略方形状)の下辺(略コ字状に組み立てた状態では上辺)に沿って、所定の間隔に溝部(第2溝部)48a〜48cが設けられ、また、所定の間隔に切欠部50a〜50dが設けられている。溝部48a〜48cは、帯状を呈し、また、切欠部50a〜50dは、円弧状を呈している。溝部48a〜48cと切欠部50a〜50dとは該下辺に沿って交互に設けられている。溝部48a〜48cは縦方向(Y1−Y2方向(図6参照))に設けられている。
また、正面部本体45の両側には、突状部46aと突状部46bとが設けられ、突状部46a、46bとはともに上側に屈曲した略L字状に形成されている(略コ字状に組み立てた状態では下側に屈曲した略L字状となる)。これにより、突状部46aと正面部本体45の一方の側辺との間には溝部(第1溝部)47aが形成され、また、突状部46bと正面部本体45の他方の側辺との間には溝部(第1溝部)47bが形成されている。
また、底面部52は、正面部本体45の上辺から折れ線を介して連設され、帯状に形成されている。
また、背面部54は、背面部本体55と、突状部56a、56bを有していて、背面部本体55は、底面部52の上辺から折れ線を介して連設され、略方形状(横方向に細長い略方形状)の上辺(略コ字状に組み立てた状態でも上辺)に沿って、所定の間隔に溝部(第2溝部)58a〜58cが設けられ、また、所定の間隔に切欠部60a〜60dが設けられている。溝部58a〜58cは、帯状を呈し、また、切欠部60a〜60dは、円弧状を呈している。溝部58a〜58cと切欠部60a〜60dは該上辺に沿って交互に設けられている。溝部58a〜58cは縦方向(Y1−Y2方向(図6参照))に設けられている。なお、背面部本体55の高さ方向の幅(つまり、背面部本体55の高さ方向の最大幅)は、正面部本体45の高さ方向の幅(つまり、正面部本体45の高さ方向の最大幅)よりも大きく形成されている。つまり、背面部54の高さ方向の幅が、正面部44の高さ方向の幅よりも大きく形成されている。
また、背面部本体55の両側には、突状部56aと突状部56bとが設けられ、突状部56a、56bとはともに下側に屈曲した略L字状に形成されている。これにより、突状部56aと背面部本体55の一方の側辺との間には溝部(第1溝部)57aが形成され、また、突状部56bと背面部本体55の他方の側辺との間には溝部(第1溝部)57bが形成されている。
なお、図6において、正面部44と底面部52間の境界や底面部52と背面部54間の境界は、X1−X2方向を向いている。また、正面部44、底面部52、背面部54の両側(X1側とX2側)の辺部は、Y1−Y2方向を向いている。
各個別陳列棚部42は、立設部10に対して嵌合させることにより設けられている。つまり、個別陳列棚部42の溝部46a、56aを側面部14の溝部20に嵌合し合うようにするとともに、溝部46b、56bを側面部24の溝部30に嵌合し合うようにすることにより、個別陳列棚部42が立設部10に係止されて設けられている。なお、最下端の個別陳列棚部42は、下から1番目と2番目の溝部20、30に係止され、また、下から2番目の個別陳列棚部42は、下から2番目と3番目の溝部20、30に係止され、また、下から3番目の個別陳列棚部42は、下から3番目と4番目の溝部20、30に係止され、また、下から4番目の個別陳列棚部42は、下から4番目と5番目の溝部20、30に係止され、また、下から5番目(つまり、上から1番目)の個別陳列棚部42は、下から5番目と6番目の溝部20、30に係止されている(下から6番目の溝部20、30は、上から1番目の溝部20、30となる)。よって、溝部20のうち、最も下位置の溝部と最も上位置の溝部以外の各溝部20には、1つの個別陳列棚部42における溝部47aと他の個別陳列棚部42における溝部57aの2つの溝部が嵌合し、また、同じく、溝部30のうち、最も下位置の溝部と最も上位置の溝部以外の各溝部30には、1つの個別陳列棚部42における溝部47bと他の個別陳列棚部42における溝部57bの2つの溝部が嵌合することになる。これにより、隣接する個別陳列棚部42は、互いに接した状態で設けられている。
なお、背面部12は、図1、図2に示すように、最上位置の個別陳列棚部42の上端よりも突出した状態となっており、この突出した領域に、広告等を表示することが可能となる。なお、図2は、本体部1の後方斜視図であるが、陳列保管具A1として使用する場合には、箱部80が内部に収納されることになる。
また、仕切り部70は、図7に示すように形成され、本体部72と、突状部74a〜74gとを有している。ここで、本体部72は、細長の平行四辺形(帯状としてもよい)を呈し、本体部72の長辺は垂直方向(Y1−Y2方向)に対して斜めに設けられている。また、突状部74aは、本体部72の側方の上端位置に設けられ、三角形状と略方形状とを合わせた形状を呈している。また、突状部74bは、本体部72の側方の突状部74aの位置よりも下側に設けられ、下方(Y1方向(垂直方向))に突出した形状を呈しており、具体的には、三角形状と方形状を合わせた形状を呈している。この突状部74bの図7における右側の辺部は垂直方向を向いており、また、下側の辺部は水平方向を向いている。また、突状部74cは、本体部72の側方の突状部74bの位置よりも下側に設けられ、また、突状部74dは、本体部72の側方の突状部74cの位置よりも下側に設けられ、また、突状部74eは、本体部72の側方の突状部74dの位置よりも下側に設けられ、また、突状部74fは、本体部72の側方の突状部74eの位置よりも下側に設けられている。突状部74c、74d、74e、74fの形状は、上記突状部74bと同様であるので、詳しい説明を省略する。また、突状部74gは、本体部72の下側の端部から下方(Y1方向(垂直方向))に突出した形状を呈しており、具体的には、方形状(厳密には台形形状)を呈している。
また、突状部74a〜74gにおける互いに隣接し合う突状部間には、溝部76が形成されている。この溝部76は、縦長の長方形状を呈し、垂直方向(Y1−Y2方向)を向いている。なお、仕切り部70は、1枚の板状部材(具体的には、段ボール材等の紙材)から形成されている。
仕切り部70は、陳列棚部41に嵌合して設けられている。つまり、陳列棚部41には、図1に示すように、計3つの仕切り部70が設けられていて、正面視における右側の仕切り部70は、仕切り部70における各溝部が、個別陳列棚部42における溝部48a、58aに嵌合している。なお、仕切り部70における最上位置の溝部76(突状部74aと突状部74b間の溝部76)は、最上位置の個別陳列棚部42における溝部58aと嵌合し合い、仕切り部70における最下位置の溝部76(突状部74fと突状部74g間の溝部76)は、最下位置の個別陳列棚部42における溝部48aと嵌合し合っているが、正面視における右側の仕切り部70における他の溝部76については、各溝部76が、溝部48a及び溝部58aと嵌合し合っている。
また、同様に、正面視における中央の仕切り部70は、仕切り部70における各溝部が、個別陳列棚部42における溝部48b、58bに嵌合している。なお、仕切り部70における最上位置の溝部76(突状部74aと突状部74b間の溝部76)は、最上位置の個別陳列棚部42における溝部58bと嵌合し合い、仕切り部70における最下位置の溝部76(突状部74fと突状部74g間の溝部76)は、最下位置の個別陳列棚部42における溝部48bと嵌合し合っているが、正面視における中央の仕切り部70における他の溝部76については、各溝部76が、溝部48b及び溝部58bと嵌合し合っている。
また、同様に、正面視における左側の仕切り部70は、仕切り部70における各溝部が、個別陳列棚部42における溝部48c、58cに嵌合している。なお、仕切り部70における最上位置の溝部76(突状部74aと突状部74b間の溝部76)は、最上位置の個別陳列棚部42における溝部58cと嵌合し合い、仕切り部70における最下位置の溝部76(突状部74fと突状部74g間の溝部76)は、最下位置の個別陳列棚部42における溝部48cと嵌合し合っているが、正面視における左側の仕切り部70における他の溝部76については、各溝部76が、溝部48c及び溝部58cと嵌合し合っている。
この仕切り部70は、図1に示すように陳列棚部41に係止した状態では、個別陳列棚部42において正面部44と底面部52と背面部54とで囲まれる収納空間を仕切るように構成される。
以上のように陳列部40は、該立設部10における一対の側面部14、24間に支持されていて、販売対象の物品のサンプル又は該物品を陳列することができるものである。
次に、箱部80は、図4に示すように箱状を呈し、底面部82(図4では図示せず)と、側面部84a〜84dと、蓋部86と、突出片部90、92とを有している。
この箱部80の展開状態を示すと図8に示すように構成され、箱部80は1枚の板状部材(具体的には、段ボール材等の紙材)から形成されている。この箱部80は、底面部82は、片部82aと片部82bと片部82cと片部82dを組み合わせることにより構成され、B式底組みと呼ばれる構成となっている。なお、このB式底組みは、アメリカンロックや地獄底とも呼ばれている。
また、側面部84a〜84dは、ともに方形状を呈し、互いに平行な二対の側面部を形成している。なお、箱部80の組立て状態では、側面部84aと側面部84cとが互いに平行となり、側面部84bと側面部84dとが互いに平行となっているが、側面部84cの高さ方向の幅は、側面部84aの高さ方向の幅よりも小さく形成されている。これにより、箱部80の手前側が開口した構成となり、箱部80に収納された物品を取り出しやすくなる。なお、側面部84cには、略コ字状の切込み部94aと、略半円形状の開口部94bが設けられていて、開口部94bの直線状の辺部は、切込み部94aにおける真ん中の切込みと共有している。
また、蓋部86は、側面部84aの上端から折れ線を介して連設されていて、本体部88と、先端片部89とを有している。また、この先端片部89は、略長方形状の先端片部本体89aと、その先端に設けられた先端部89bとを有している。この先端部89bは、切込み部94aに挿入するためのものである。先端部89bを切込み部94aに挿通して蓋部86を閉じた状態では、本体部88は底面部82と略平行となり、また、先端片部89は垂直方向となる。また、突出片部90は、側面部84bの上端から折れ線を介して連設され、また、突出片部92は、側面部84dの上端から折れ線を介して連設されてる。
なお、箱部80における側面部84aは、立設部10の背面部12の下側に設けられた切欠部よりも小さく形成されていて、蓋部12bを開けた状態で、箱部80を本体部1の内部に収納できるようになっている。なお、本体部1内の収納空間は、箱部80を収納可能な大きさに形成されていて、その奥行方向(Y1−Y2)方向においても、箱部80を収納するのに十分な大きさを有している。つまり、本体部1内の収納空間の下部における奥行方向の長さは、箱部80の奥行方向の長さ(つまり、側面部84b、84dの横方向の幅)よりも大きく形成されている。
上記構成の陳列保管具A1の使用状態について説明する。この陳列保管具A1は、年賀状用はがき(以下単に「はがき」とする場合もある)(物品)について使用するものである。つまり、宛名を記載する面の反対側の面が印刷済みの年賀状用はがきについて使用する。なお、年賀状用はがき以外のはがき(例えば、暑中見舞いはがき)について使用してもよく、また、はがき以外の物品に使用してもよい。
陳列保管具A1における陳列部40には、各個別陳列棚部42において仕切り部70により仕切られた個別収納部Sが複数(図1の例では、20個の個別収納部)設けられる(各個別収納部Sの大きさは同じ大きさである)ので、各個別収納部Sに年賀状用はがきのサンプルTを収納して陳列する。複数種類のサンプルがある場合には、各種類ごとにサンプルを個別収納部Sに収納する。なお、年賀状用はがきのサンプルではなく、実際に販売する年賀状用はがきの実物を陳列してもよい。
また、箱部80には、陳列するサンプルに対応する年賀状用はがきUを収納しておく。この箱部80に収納される年賀状用はがきが実際に販売するはがきとなる。年賀状用はがきとしては、例えば、複数枚でセットにしてパック封入されたものとする。
なお、陳列部40に陳列するサンプルに番号を付しておき、箱部80には、各番号を付したインデックスDとともに、販売する年賀状用はがきを保管しておくことが好ましい。このようにすることにより、サンプルに対応するはがきを即座に取り出すことが可能となる。
陳列保管具A1は、例えば、コンビニエンスストア等のレジのカウンタ等に設置しておく。そして、本体部1における陳列部40側(Y1側)を顧客側とし、本体部1における背面部12側をレジ内の店員側として設置する。そして、通常は、箱部80は本体部1内に収納して、蓋部12bを閉じた状態としておく。なお、その際、箱部80の蓋部86は、上方を向いた状態で本体部1内に収納しておくことが好ましい。このようにすることにより、箱部80からはがきを取り出す場合に、箱部80の蓋部86を一々開ける必要がない。そして、顧客が購入しようとするサンプルを陳列部40から取り出してレジ内の店員に提示した場合には、店員は、蓋部12bを開けて、蓋部12bの係止部12b−2を開口部12cに係止させて蓋部12bが開いた状態を維持させて、箱部80を本体部1内から引き出す。そして、提示されたサンプルに対応するはがきを取り出して顧客に渡して代金を受け取る。はがきの取り出しが完了したら、再び箱部80を本体部1内に収納して、蓋部12bの係止部12b−2が開口部12cに係止している状態を解除して、蓋部12bを閉めた状態とする。なお、蓋部12bの両側は、波状の切込みによって下側部12a−2と接しているので、蓋部12bが下側部12a−2と係止しやすく、蓋部12bが閉じた状態を容易に維持しておくことができる。なお、箱部80の蓋部86を閉じた状態で本体部1内に収納しておき、箱部80からはがきを取り出す場合には、蓋部12bを開けて、箱部80を本体部1から引き出し、箱部80の蓋部86を開けてはがきを取り出す。そして、箱部80の蓋部86を閉じて本体部1内に収納して、蓋部12bを閉める。
また、コンビニエンスストアを閉店する際には、箱部80を本体部1内から取り出して、別の場所(金庫等)に保管しておくことが好ましい。その際、箱部80には蓋部86が設けられているので、容易に保管しておくことが可能となる。
以上のように、本実施例の陳列保管具A1においては、はがきを保管する箱部80を本体部1内に収納することができるので、はがきを別途保管する必要がない。すなわち、別途保管する場合には、はがきを取り出すのに時間が掛かり、レジにおける対応に時間が掛かるが、本実施例の場合には、はがきを即座に取り出すことができ、レジにおける対応を迅速に行うことができる。また、本実施例の陳列保管具A1においては、はがきを取り出す場合以外は、箱部80を本体部1内に収納して蓋部12bを閉じた状態としておくことができるので、盗難を防止することができ、防犯に優れている。つまり、例えば、箱部80が本体部1の背面側に単に置かれている場合には、顧客が本体部1の後ろに手を伸ばすことによりはがきを盗難することが可能となってしまうが、本実施例の場合には、箱部80を本体部1内に収納して蓋部12bを閉めた状態にしておくことができるので、顧客が本体部1の後ろに手を伸ばしたのみでは盗難を行うことができず、盗難を十分防止することができる。
なお、上記実施例1の陳列保管具A1において、蓋部12bが上下方向に回動して開閉するものであるとして説明したが、これには限られず、背面部12に設けられた開口部又は切欠部を開閉するものであれば、他の構成であってもよい。例えば、横方向に回動して開閉するものであってもよく、また、実施例2のように、観音開き状に開閉するものでもよい。また、蓋部12bの代わりに、背面部12の切欠部を覆うようにシート状部材を設けるようにしてもよい。
また、上記の説明では、本体部1内に箱部80を収納するものとしたが、はがきを保管できるものであれば、他の構成であってもよい。例えば、実施例2に示す保管棚部205のような構成のものでもよい。
また、箱部80は、図4等に示すように、蓋部86が設けられたものであるとしたが、蓋部が設けられておらず、底面部と4つの側面部とからなる箱部(第1箱部)としてもよい。なお、その際には、該箱部を収納する別の箱部で蓋部が設けられた箱部(第2箱部)を用意しておき、閉店時には、第1箱部を第2箱部内に収納して保管するようにしてもよい。
次に、第2実施例について説明する。本考案に基づく陳列保管具A2は、図9〜図16に示されるように構成され、本体部101と、保管棚部(保管部)205とを有している。
なお、各図において、一点鎖線は山折りを示し、二点鎖線は谷折りを示す。なお、図面において、Y1−Y2方向は、X1−X2方向に直角な方向であり、Z1−Z2方向は、X1−X2方向及びY1−Y2方向に直角な方向である。
ここで、本体部101は、立設部110と、陳列部140と、収納部180とを有している。この立設部110は、平面視においては略コ字状を呈し、その展開状態は、図12に示すように形成され、背面部112と、側面部114と、側面部124とを有している。立設部110は、1枚の板状部材(具体的には、段ボール材等の紙材)から形成されている。この立設部110は、上記実施例1における立設部10と略同様の構成であるが、立設部10とは異なり、蓋部は設けられていない。
すなわち、背面部112は、方形状の板状を呈している。実施例1の立設部10とは異なり、背面部112には、蓋部は設けられていない。
また、側面部114は、側面本体部116と、突状部118a〜118fとを有している。この側面本体部116は、背面部112の側部から折れ線を介して連設されていて、略三角形状を呈している。つまり、背面部112との境界と、該境界に対して直角な底辺と、斜めに傾斜した直線状の辺部とで囲まれた略三角形状を呈している。
また、突状部118a〜18fは、側面本体部116における該斜めに傾斜した直線状の辺部から斜め上方に突出して形成されている。突状部118a〜118fは、上側から順に下方に形成されている。突状部118aは、側面本体部116の上端部との間に溝部120を介して形成され、突状部118bは、突状部118aとの間に溝部120を介して形成され、突状部118cは、突状部118bとの間に溝部120を介して形成され、突状部118dは、突状部118cとの間に溝部120を介して形成され、突状部118eは、突状部118dとの間に溝部120を介して形成され、突状部118fは、突状部118eとの間に溝部120を介して形成されている。この側面部114における溝部120は、個別陳列棚部142における溝部147a、157aと嵌合し合うことにより、個別陳列棚部142が側面部114に係止する。つまり、溝部120が、側面部114における傾斜した側部に沿って所定の間隔を介して複数設けられているといえる。なお、図12に示すように、背面部112と突状部118aとの間には、背面部112から側方に突出した突状部112aが形成され、突状部112aと突状部118a間には、略L字状の切込みが形成されることにより、側面部114を背面部112に対して直角な方向とすることにより、溝部120が形成される。
また、側面部124は、背面部112における縦方向の中心線を介して線対称に形成されている。すなわち、側面部124は、側面本体部126と、突状部128a〜128fとを有している。この側面本体部126は、背面部112の側部から折れ線を介して連設されていて、略三角形状を呈している。つまり、背面部112との境界と、該境界に対して直角な底辺と、斜めに傾斜した直線状の辺部とで囲まれた略三角形状を呈している。
また、突状部128a〜128fは、側面本体部126における該斜めに傾斜した直線状の辺部から斜め上方に突出して形成されている。突状部128a〜128fは、上側から順に下方に形成されている。突状部128aは、側面本体部126の上端部との間に溝部130を介して形成され、突状部128bは、突状部128aとの間に溝部130を介して形成され、突状部128cは、突状部128bとの間に溝部130を介して形成され、突状部128dは、突状部128cとの間に溝部130を介して形成され、突状部128eは、突状部128dとの間に溝部130を介して形成され、突状部128fは、突状部128eとの間に溝部130を介して形成されている。この側面部124における溝部130は、個別陳列棚部142における溝部147b、157bと嵌合し合うことにより、個別陳列棚部142が側面部124に係止する。つまり、溝部130が、側面部124における傾斜した側部に沿って所定の間隔を介して複数設けられているといえる。なお、図12に示すように、背面部112と突状部128aとの間には、背面部112から側方に突出した突状部112bが形成され、突状部112bと突状部128a間には、略逆L字状の切込みが形成されることにより、側面部124を背面部112に対して直角な方向とすることにより、溝部130が形成される。
なお、この実施例2における立設部110の側面部114、124においては、背面部112との境界をなす側辺に対する底辺の長さが短く形成されていて、これに伴い、側面部114、124における傾斜辺部(図9におけるY1側の辺部)の底辺に対する角度は、側面部14、24の場合よりも大きくなっている。つまり、実施例2では、立設部110の内側に収納空間は必要ないため、傾斜辺部の底辺に対する角度は大きくなっていて、これにより、陳列部140の正面側も陳列部40よりも急斜となっている。
次に、陳列部140は、複数の個別陳列棚部142からなる陳列棚部141と、仕切り部170とを有している。この陳列部140の構成は上記陳列部40と同様の構成である。
ここで、個別陳列棚部142は、側面視において略コ字状を呈し、その展開状態は、図13に示すように形成され、正面部(正面板部)144と、底面部(底面板部)152と、背面部(背面板部)154とを有している。個別陳列棚部142は、1枚の板状部材(具体的には、段ボール材等の紙材)から形成されている。
この正面部144は、正面部本体145と、突状部146a、146bを有していて、正面部本体145は、略方形状(横方向に細長い略方形状)の下辺(略コ字状に組み立てた状態では上辺)に沿って、所定の間隔に溝部(第2溝部)148a〜148cが設けられ、また、所定の間隔に切欠部150a〜150dが設けられている。溝部148a〜148cは、帯状を呈し、また、切欠部150a〜150dは、円弧状を呈している。溝部148a〜148cと切欠部150a〜150dとは該下辺に沿って交互に設けられている。溝部148a〜148cは縦方向(Y1−Y2方向(図13参照))に設けられている。
また、正面部本体145の両側には、突状部146aと突状部146bとが設けられ、突状部146a、146bとはともに上側に屈曲した略L字状に形成されている(略コ字状に組み立てた状態では下側に屈曲した略L字状となる)。これにより、突状部146aと正面部本体145の一方の側辺との間には溝部(第1溝部)147aが形成され、また、突状部146bと正面部本体145の他方の側辺との間には溝部(第1溝部)147bが形成されている。
また、底面部152は、正面部本体145の上辺から折れ線を介して連設され、帯状に形成されている。
また、背面部154は、背面部本体155と、突状部156a、156bを有していて、背面部本体155は、底面部152の上辺から折れ線を介して連設され、略方形状(横方向に細長い略方形状)の上辺(略コ字状に組み立てた状態でも上辺)に沿って、所定の間隔に溝部(第2溝部)158a〜158cが設けられ、また、所定の間隔に切欠部160a〜160dが設けられている。溝部158a〜158cは、帯状を呈し、また、切欠部160a〜160dは、円弧状を呈している。溝部158a〜158cと切欠部160a〜160dは該上辺に沿って交互に設けられている。溝部158a〜158cは縦方向(Y1−Y2方向(図13参照))に設けられている。なお、背面部本体155の高さ方向の幅(つまり、背面部本体155の高さ方向の最大幅)は、正面部本体145の高さ方向の幅(つまり、正面部本体145の高さ方向の最大幅)よりも大きく形成されている。つまり、背面部154の高さ方向の幅が、正面部144の高さ方向の幅よりも大きく形成されている。
また、背面部本体155の両側には、突状部156aと突状部156bとが設けられ、突状部156a、156bとはともに下側に屈曲した略L字状に形成されている。これにより、突状部156aと背面部本体155の一方の側辺との間には溝部(第1溝部)157aが形成され、また、突状部156bと背面部本体155の他方の側辺との間には溝部(第1溝部)157bが形成されている。
なお、図13において、正面部144と底面部152間の境界や底面部152と背面部154間の境界は、X1−X2方向を向いている。また、正面部144、底面部152、背面部154の両側(X1側とX2側)の辺部は、Y1−Y2方向を向いている。
なお、個別陳列棚部142における、正面部144の高さ方向の幅に対する背面部154の高さ方向の幅の割合は、個別陳列棚部42と比べて大きくなっている。
各個別陳列棚部142は、立設部110に対して嵌合させることにより設けられている。つまり、個別陳列棚部142の溝部146a、156aを側面部114の溝部120に嵌合し合うようにするとともに、溝部146b、156bを側面部124の溝部130に嵌合し合うようにすることにより、個別陳列棚部142が立設部110に係止されて設けられている。なお、最下端の個別陳列棚部142は、下から1番目と2番目の溝部120、130に係止され、また、下から2番目の個別陳列棚部142は、下から2番目と3番目の溝部120、130に係止され、また、下から3番目の個別陳列棚部142は、下から3番目と4番目の溝部120、130に係止され、また、下から4番目の個別陳列棚部142は、下から4番目と5番目の溝部120、130に係止され、また、下から5番目(つまり、上から1番目)の個別陳列棚部142は、下から5番目と6番目の溝部120、130に係止されている(下から6番目の溝部120、130は、上から1番目の溝部120、130となる)。よって、溝部120のうち、最も下位置の溝部と最も上位置の溝部以外の各溝部120には、1つの個別陳列棚部142における溝部147aと他の個別陳列棚部142における溝部157aの2つの溝部が嵌合し、また、同じく、溝部130のうち、最も下位置の溝部と最も上位置の溝部以外の各溝部130には、1つの個別陳列棚部142における溝部147bと他の個別陳列棚部142における溝部157bの2つの溝部が嵌合することになる。これにより、隣接する個別陳列棚部142は、互いに接した状態で設けられている。
なお、背面部112は、図9〜図11に示すように、最上位置の個別陳列棚部142の上端よりも突出した状態となっており、この突出した領域に、広告等を表示することが可能となる。
また、仕切り部170は、図14に示すように形成され、本体部172と、突状部174a〜174gとを有している。ここで、本体部172は、細長の平行四辺形(帯状としてもよい)を呈し、本体部172の長辺は垂直方向(Y1−Y2方向)に対して斜めに設けられている。また、突状部174aは、本体部172の側方の上端位置に設けられ、三角形状と略方形状とを合わせた形状を呈している。また、突状部174bは、本体部172の側方の突状部174aの位置よりも下側に設けられ、下方(Y1方向(垂直方向))に突出した形状を呈しており、具体的には、三角形状と方形状を合わせた形状を呈している。この突状部174bの図14における右側の辺部は垂直方向を向いており、また、下側の辺部は水平方向を向いている。また、突状部174cは、本体部172の側方の突状部174bの位置よりも下側に設けられ、また、突状部174dは、本体部172の側方の突状部174cの位置よりも下側に設けられ、また、突状部174eは、本体部172の側方の突状部174dの位置よりも下側に設けられ、また、突状部174fは、本体部172の側方の突状部174eの位置よりも下側に設けられている。突状部174c、174d、174e、174fの形状は、上記突状部174bと同様であるので、詳しい説明を省略する。また、突状部174gは、本体部172の下側の端部から下方(Y1方向(垂直方向))に突出した形状を呈しており、具体的には、方形状(厳密には台形形状)を呈している。
また、突状部174a〜174gにおける互いに隣接し合う突状部間には、溝部176が形成されている。この溝部176は、縦長の長方形状を呈し、垂直方向(Y1−Y2方向)を向いている。なお、仕切り部170は、1枚の板状部材(具体的には、段ボール材等の紙材)から形成されている。
仕切り部170は、陳列棚部141に嵌合して設けられている。つまり、陳列棚部141には、図9に示すように、計3つの仕切り部170が設けられていて、正面視における右側の仕切り部170は、仕切り部170における各溝部が、個別陳列棚部142における溝部148a、158aに嵌合している。なお、仕切り部170における最上位置の溝部176(突状部174aと突状部174b間の溝部176)は、最上位置の個別陳列棚部142における溝部158aと嵌合し合い、仕切り部170における最下位置の溝部176(突状部174fと突状部174g間の溝部176)は、最下位置の個別陳列棚部142における溝部148aと嵌合し合っているが、正面視における右側の仕切り部170における他の溝部176については、各溝部176が、溝部148a及び溝部158aと嵌合し合っている。
また、同様に、正面視における中央の仕切り部170は、仕切り部170における各溝部が、個別陳列棚部142における溝部148b、158bに嵌合している。なお、仕切り部170における最上位置の溝部176(突状部174aと突状部174b間の溝部176)は、最上位置の個別陳列棚部142における溝部158bと嵌合し合い、仕切り部170における最下位置の溝部176(突状部174fと突状部174g間の溝部176)は、最下位置の個別陳列棚部142における溝部148bと嵌合し合っているが、正面視における中央の仕切り部170における他の溝部176については、各溝部176が、溝部148b及び溝部158bと嵌合し合っている。
また、同様に、正面視における左側の仕切り部170は、仕切り部170における各溝部が、個別陳列棚部142における溝部148c、158cに嵌合している。なお、仕切り部170における最上位置の溝部176(突状部174aと突状部174b間の溝部176)は、最上位置の個別陳列棚部142における溝部158cと嵌合し合い、仕切り部170における最下位置の溝部176(突状部174fと突状部174g間の溝部176)は、最下位置の個別陳列棚部142における溝部148cと嵌合し合っているが、正面視における左側の仕切り部170における他の溝部176については、各溝部176が、溝部148c及び溝部158cと嵌合し合っている。
この仕切り部170は、図9に示すように陳列棚部141に係止した状態では、個別陳列棚部142において正面部144と底面部152と背面部154とで囲まれる収納空間を仕切るように構成される。
以上のように陳列部140は、該立設部110における一対の側面部114、124間に支持されていて、販売対象の物品のサンプル又は該物品を陳列することができるものである。
次に、収納部180は、図10、図11等に示すように、スリーブ状部181と、扉部190、200とを有している。
このスリーブ状部181は、底面部182と、側面部184と、上面部186と、側面部188とを有し、これらの各部によりスリーブ状に形成されている。
収納部180を構成する各部の展開状態を示すと、図15及び図16に示すように構成され、図15に示す収納部構成部180Aと、図16に示す収納部構成部180Bとを組み合わせることにより、収納部180が構成される。収納部構成部180Aと収納部構成部180Bは、ともに1枚の板状部材(具体的には、段ボール材等の紙材)から形成されている。
まず、収納部構成部180Aは、上面部186と、側面部188と、扉部190とを有している。つまり、上面部186は、長方形状の板状を呈していて、その長手方向の長さは、背面部112の横方向(つまり、図12におけるX1−X2方向)の長さと略同一に形成されている。また、上面部186の短手方向の長さは、保管棚部205を収納するのに十分な長さに形成されている。なお、上面部186における長手辺からは略台形形状の接続片部186aが折れ線を介して連設され、また、上面部186における短手辺からは略台形形状の糊代部186bが折れ線を介して連設されている。
また、側面部188は、上面部186における糊代部186bが連設された側とは反対側の短手辺から折れ線を介して連設されていて、台形形状と方形状とを合わせた形状を呈している。つまり、側面部188の上側が台形形状を呈し、下側が方形状を呈している。これにより、側面部188は、縦長長方形状の1つの角部を含む領域を斜めに欠切した形状を呈していて、側面部188の側方には傾斜辺が形成されている。また、側面部188の傾斜辺とは反対側の側辺には、接続片部188aが連設されている。この接続片部188aは、側面部188に1つ設けられているが、側面部188の側辺に沿って所定の間隔を介して2つの接続片部188aを設けるようにしてもよい。
また、側面部188の傾斜辺からは折れ線を介して扉部190が連設されている。この扉部190は、略方形状を呈し、略中央に開口部190aが形成されている。この開口部190aは、略方形状に形成されている。また、扉部190における傾斜辺側とは反対側の辺部からは係止部192が突出して形成されている。この係止部192は、係止部192側の幅狭部192aと、先端側の幅広部192bとで形成され、この幅広部192bは、開口部202bは挿通するが、開口部202aは挿通できない幅に形成されていて、また、幅狭部192aは、開口部202aを挿通する幅に形成されている。
また、収納部構成部180Bは、底面部182と、側面部184と、扉部200とを有している。つまり、底面部182は、長方形状の板状を呈していて、その長手方向の長さは、上面部186の長手方向の長さと略同一に形成されている。また、底面部182の短手方向の長さは、保管棚部205を収納するのに十分な長さに形成されている。なお、底面部182における長手辺からは略台形形状の接続片部182aが折れ線を介して連設され、また、底面部182における短手辺からは略台形形状の糊代部182bが折れ線を介して連設されている。
また、側面部184は、底面部182における糊代部182bが連設された側とは反対側の短手辺から折れ線を介して連設されていて、台形形状と方形状とを合わせた形状を呈している。つまり、側面部184の上側が台形形状を呈し、下側が方形状を呈している。これにより、側面部184は、縦長長方形状の1つの角部を含む領域を斜めに欠切した形状を呈していて、側面部184の側方には傾斜辺が形成されている。また、側面部184の傾斜辺とは反対側の側辺には、接続片部184aが連設されている。なお、この側面部184と接続片部184aとを合わせた形状は、側面部188と接続片部188aとを合わせた形状と対称の形状となっている。この接続片部184aは、側面部184に1つ設けられているが、側面部184の側辺に沿って所定の間隔を介して2つの接続片部184aを設けるようにしてもよい。
また、側面部184の傾斜辺からは折れ線を介して扉部200が連設されている。この扉部200は、略方形状を呈し、略中央に開口部200aが形成されている。扉部200の外形は、扉部190の外形と略同一となっている。また、開口部200aは、略方形状に形成されている。また、扉部200の側面部184側とは反対側の辺部と開口部200aとの間には、開口部202が形成されている。この開口部202は、略長方形状の幅狭の開口部202aと該開口部202aから連設された開口部202bで、幅広の開口部202bとを有し、全体に扁平な凸状を呈している。
収納部180を組み立てるに当たっては、糊代部186bの表面側を側面部184の裏面側に接着させるとともに、糊代部182bの表面側を側面部188の裏面側に接着させて、底面部182と側面部184と上面部186と側面部188とによってスリーブ状に形成する。そして、接続片部186aと接続片部182aを内側に折り曲げて、立設部110の背面部112に接着させるとともに、接続片部188aを立設部110の側面部124に接着させ、また、接続片部184aを立設部110の側面部114に接着させる。なお、収納部180と立設部110の接着に当たっては、接着剤や両面接着テープ等を使用する。
この収納部180には、スリーブ状部181が設けられているので、スリーブ状部181の背面側に開口部が設けられているといえる。また、収納部180において、扉部190と扉部200は、上記規制手段や上記開閉手段として機能する。
また、保管棚部205は、大きさが異なるものの、立設部110と陳列部140とからなる構成と略同様の構成である。
すなわち、保管棚部205は、立設部210と、陳列部240とを有し、陳列部240は、複数の個別陳列棚部242からなる陳列棚部241と、仕切り部270とを有している。
すなわち、立設部210は、平面視においては略コ字状を呈し、背面部212と、側面部214と、側面部224とを有している。背面部212の構成は背面部112と略同様であるが、背面部212の上端が突出せず、最上位置の個別陳列棚部242の上端とほぼ同じ高さである点が異なる。また、側面部214は側面部114と同様の構成であり、側面部224は側面部124と同様の構成である。
また、陳列部240は、複数の個別陳列棚部242からなる陳列棚部241と、仕切り部270とを有しているが、個別陳列棚部242は、個別陳列棚部142と同様の構成であり、仕切り部270は、仕切り部170と同様の構成である。
なお、立設部210と陳列部240の大きさは、収納部180内に収納できるように、立設部110や陳列部140よりも小さく形成されている。
以上のように、保管棚部205の形状は、立設部110と陳列部140とからなる構成の形状と比べると、背面部212が上方に突出していない点が異なるのみであり、また、保管棚部205が収納部180内に収納可能な大きさに形成されている点が異なるといえる。
なお、個別陳列棚部242において仕切り部270によって仕切られた個別収納部S’
が複数設けられているが、各個別収納部S’は同じ大きさであり、はがきを収納できる大きさに形成されている。
上記構成の陳列保管具A2の使用状態について説明する。この陳列保管具A2は、年賀状用はがき(物品)について使用するものである。つまり、上記実施例1の陳列保管具A1と同様に、宛名を記載する面の反対側の面が印刷済みの年賀状用はがきについて使用する。なお、年賀状用はがき以外のはがき(例えば、暑中見舞いはがき)について使用してもよく、また、はがき以外の物品に使用してもよい。
陳列保管具A2における陳列部140には、各個別陳列棚部142において仕切り部170により仕切られた個別収納部Sが複数(図9の例では、20個の個別収納部)設けられる(各個別収納部Sの大きさは同じ大きさである)ので、各個別収納部Sに年賀状用はがきのサンプルを収納して陳列する。複数種類のサンプルがある場合には、各種類ごとにサンプルを個別収納部Sに収納する。なお、年賀状用はがきのサンプルではなく、実際に販売する年賀状用はがきの実物を陳列してもよい。
また、保管棚部205には、各個別陳列棚部242において仕切り部270により仕切られた個別収納部S’が複数(図11の例では、20個の個別収納部)設けられるので、各個別収納部S’に、陳列部140に陳列するサンプルに対応する年賀状用はがきを収納しておく。この保管棚部205に保管される年賀状用はがきが実際に販売するはがきとなる。年賀状用はがきとしては、例えば、複数枚でセットにしてパック封入されたものとする。なお、保管棚部205は、収納部180内に収納しておく。
なお、陳列部140に陳列するサンプルに番号を付しておき、保管棚部205における各個別収納部S’に対応する番号を付しておくことが好ましい。このようにすることにより、サンプルに対応するはがきを即座に取り出すことが可能となる。
陳列保管具A2は、実施例1の陳列保管具A1と同様に、例えば、コンビニエンスストア等のレジのカウンタ等に設置しておく。そして、本体部101における陳列部140側(Y1側)を顧客側とし、本体部101における背面部112側をレジ内の店員側として設置する。そして、通常は、扉部190、200は閉じた状態としておく。その際、扉部190の係止部192を扉部200の開口部202に係止させて、容易には扉部190、200が開かないようにしておくことが好ましい。
そして、顧客が購入しようとするサンプルを陳列部140から取り出してレジ内の店員に提示した場合には、店員は、扉部190、200を開けて、提示されたサンプルに対応するはがきを保管棚部205から取り出して顧客に渡して代金を受け取る。はがきの取り出しが完了したら、再び扉部190、200を閉じた状態とする。
また、コンビニエンスストアを閉店する際には、はがきが収納された保管棚部205を本体部101内から取り出して、別の場所(金庫等)に保管しておくことが好ましい。
以上のように、本実施例の陳列保管具A2においては、はがきを保管する保管棚部205を本体部101内に収納することができるので、はがきを別途保管する必要がない。すなわち、別途保管する場合には、はがきを取り出すのに時間が掛かり、レジにおける対応に時間が掛かるが、本実施例の場合には、はがきを即座に取り出すことができ、レジにおける対応を迅速に行うことができる。また、本実施例の陳列保管具A2においては、はがきを取り出す場合以外は、扉部190、200を閉じた状態としておくことができるので、盗難を防止することができ、防犯に優れている。つまり、例えば、保管棚部205が立設部110の背面側に単に置かれている場合には、顧客が立設部110の後ろに手を伸ばすことによりはがきを盗難することが可能となってしまうが、本実施例の場合には、保管棚部205が収納部180内に収納され、扉部190、200を閉じた状態としておくことができるので、顧客が立設部110の後ろに手を伸ばしたのみでは盗難を行うことができず、盗難を十分防止することができる。
なお、上記の実施例2において、収納部180においては、扉部190、200が観音開き状に開閉するとして説明したが、これには限られず、スリーブ状部181の背面側(Y2側)の開口部の全部又は一部を開閉する構成であればよい。例えば、上記の実施例2においては、1つの扉により構成されていてもよい。例えば、扉部190の横方向の長さを長くして1つの扉部でスリーブ状部181の開口部の全部又は一部を開閉するようにしてもよい。
また、上記収納部180は、スリーブ状部181と一対の扉部190、200を設ける構成としたが、スリーブ状部181の代わりに、以下のような構成としてもよい。すなわち、該スリーブ状部181の背面側にスリーブ状部181の背面側をカバーする板状の背面部を設け、該背面部に開口部又は切欠部を設けて、該開口部又は切欠部を開閉する開閉手段(例えば、図10、図11に示すような扉部)を設けるのである。
また、収納部180内に収納される保管棚部205については、はがきを保管できる部材であれば他の構成でもよく、例えば、実施例1における箱部80のような箱状の部材でもよい。
また、上記実施例1及び実施例2において、複数の個別陳列棚部42、142からなる陳列棚部41、141と仕切り部70、170とを有する陳列部40、140を立設部10、110に設けるものとして説明したが、陳列部の構成は、はがき又ははがきのサンプルを陳列できるものであれば他の構成でもよい。