JP3110548U

JP3110548U - 誤刺防止キット

Info

Publication number: JP3110548U
Application number: JP2004005081U
Authority: JP
Inventors: 卓友岡; 真樹山下
Original assignee: Kawasumi Laboratories Inc
Current assignee: Kawasumi Laboratories Inc
Priority date: 2004-08-25
Filing date: 2004-08-25
Publication date: 2005-06-30
Anticipated expiration: 2010-08-25

Abstract

【課題】安全確実に、しかも誰でも容易に、誤刺事故に遭遇することなく廃棄することができるとともに、洗浄することで清潔さを保ち、何度でも繰り返しての使用が可能である誤刺防止キットを提供すること。
【解決手段】針刺用部材（２）と、当該針刺用部材（２）を着脱できるように形成した固定台（３）とから構成され、前記針刺用部材（２）は、上部（５）に弾性体（４）を装着し、胴部（６）及び下部（７）は、液密性を有する密閉構造に形成し、前記固定台（３）は、上部から下部に向けて、前記針刺用部材（２）を、着脱できる孔（８）を形成した、誤刺防止キット（１）。
【選択図】図３

Description

本考案は、弾性体部品に使用済みの針を穿刺し、そのまま廃棄することにより安全確実である誤刺防止キットに関するものである。
例えば公知の薬液（生理食塩液）容器（例えば人工透析のプライミングに使用する容器）の口部（ポート部分）を応用して製造した針刺用部材（弾性体部品を含む）を固定台に装着して、例えば人工透析治療に使用した金属針を、針刺用部材に安全確実に穿刺することにより、針刺事故防止に寄与できる誤刺防止キットに関するものである。

現在、人工透析等の治療において金属針（ＡＶＦ針）が使用されているが、その針の誤刺等による医療事故が以前からたびたび危惧されている。針を廃棄する際、使用時に外したキャップに再び戻す場合なども、事故が起こりやすい。

そこで、針刺事故を誰にでも容易に防止できる方法として、特許文献１や特許文献２に記載されたような発明が開示されている。

例えば特許文献１には、発泡プラスチックで作った台の孔に円柱状の発泡プラスチックを差し込んでおき、使用後の点滴用注射針を刺したまま抜いて廃棄する点滴専用の針刺台が記載されている。
針を刺す円柱状部材及び台の材質が発泡プラスチックなので、針を刺しやすい反面、針をまっすぐ刺せなかった場合、円柱の側面などから針の先端が飛び出たり、また台も発泡プラスチックのため、まっすぐ刺せなかった場合、円柱状の発泡プラスチックから突き抜けて台に刺さったりする。その際、針の先端が出た状態のままうっかり円柱状の発泡プラスチックを引き抜いたり、または針を刺し直したりする必要があり、安全上、衛生上に問題がある。

また、特許文献２には、針の突き通らない硬質材料（金属、硬質プラスチック）からなる容器に、複数の弾性体を組み込んだ、携帯や設置可能な針刺事故防止用具が記載されている。しかし多くの弾性体を用いることから、本来の廃棄物（例えば針等）以外の廃棄物が増え、ゴミが増加することになる。また、容器の組み立てに使用する接着剤の粘着力や使用量などの規定があいまいで、実用化に際しては疑問である。
特開平１１−４８５７号公報実用新案登録第３０６９６８号公報

解決しようとする問題点は、簡易な構造で、針を穿刺するときに安全であり、さらに廃棄物の量が増えないように創作した誤刺防止キットがない点である。

［１］本考案は、針刺用部材（２）と、当該針刺用部材（２）を着脱できるように形成した固定台（３）とから構成され、
前記針刺用部材（２）は、上部（５）に弾性体（４）を装着し、胴部（６）及び下部（７）は、液密性を有する密閉構造に形成し、
前記固定台（３）は、上部から下部に向けて、前記針刺用部材（２）を、着脱できる孔（８）を形成した、誤刺防止キット（１）を提供する。
［２］本考案は、前記針刺用部材（２）は、硬質部材により形成され、上部（５）開放端に弾性体（４）を装着し、下部（７）を閉塞端に形成した［１］に記載の誤刺防止キット（１）を提供する。
［３］本考案は、前記固定台（２）は、金属により形成され、正面と背面に窪み（１０）を形成した［１］に記載の誤刺防止キット（１）を提供する。

本考案によれば、（１）誤刺事故の起きやすい使用済みの針を、安全確実に、しかも誰でも容易に、誤刺事故に遭遇することなく廃棄することができる。
（２）また固定台３は、使用済みの針の廃棄に際し、洗浄することで清潔さを保ち、何度でも繰り返しての使用が可能である。（３）針刺用部材２は、従来の生理食塩水等の容器の製造ラインを利用して製造できるので、合理的である。

図１は本考案の誤刺防止キット１を構成する針刺用部材２の概略図で、（Ａ）は外観図、（Ｂ）は（Ａ）の縦断面図である。また図２は本考案誤刺防止キット１を構成する固定台３の概略図で、（Ａ）は外観図、（Ｂ）は（Ａ）の孔８付近の縦断面図である。図３は本考案の誤刺防止キット１の使用状態図である。

［針刺用部材２の基本構造］
針刺用部材２は、公知の薬液（生理食塩液）容器などの口部（ポート部分）の形状を利用したものである。
すなわち図１の例示では、針刺用部材２は、上部５に弾性体４を装着し、胴部６及び下部７は、針１１に付着している体液等が外に漏れないように、一体成形等により液密性を有する密閉構造に形成している。さらに詳述すれば針刺用部材２は硬質部材により形成され、上部５開放端に弾性体４を装着し、下部７を閉塞端に形成している。
弾性体４には、廃棄する針１１を直接穿刺することができる。
弾性体４の材質は、針を簡単に刺すことができるとともに、刺した針が容易に抜けないように、ゴムなどの弾力のある軟質部材がよい。針を刺したあとは、針刺用部材２と刺したままの針１１を一緒に廃棄することで、使用済みの針１１に直接触れることなく、安全に処理できる。
また針刺用部材２は、公知の薬液（生理食塩液）容器などの口部（ポート部分）の製造ラインで、金型を換えるだけで容易に製造することができるので、手間やコストの面からも合理的である。

［固定台３の基本構造］
図２に例示するように固定台３は、上部から下部に向けて、前記針刺用部材２を、着脱できる孔８を形成している。孔８は、固定台３の上部から下部に亘って形成しても良いし、上部から中腹部に亘って形成しても良い。要するに前記針刺用部材２が安定して固定できれる程度の深さに形成すれば良い。
また孔８の径は、針刺用部材２が着脱でき、安定して固定できるように、針刺用部材２の胴部６の外径よりも若干大きく形成するのが良い。
固定台３の形状は、置いたときに安定する形状であれば何でも良く、後述するように固定台３自体に少し重みを持たせるために、移動させるときなどにしっかり掴めるような形状に形成するのが良い。
例えば、図２（Ａ）に例示する固定台３は、全体を略半円形に形成し、さらに作業者の指がかかりやすいように、正面と背面に窪み１０を形成している。窪み１０の形状は、固定台３を持ち上げたり掴んだりする際に、指が滑りにくく、掴みやすい形状であれば何でも良いが、例えば略中央部分を緩やかに窪ませただけの、段差等のない単純な形状の方が、再利用のための洗浄作業の際、窪み１０に水等の滞留や、ゴミ等の付着がなく、作業を容易に行うことができるので好ましい。

また、患者の腕から抜いたＡＶＦ等の針をすぐに刺せるように、患者の腕の傍に置いて使用するため、あまり大きすぎると邪魔になるので、サイズは小さい（おおむね人の腕程度の高さ）方がよいが、サイズが小さい場合、邪魔にはならない代わりに安定感がなくなる。したがって、小型であってもある程度の重さ（ベッドの上などに置いたとき、容易に転がることのない程度）がある方が使用に適するので、重さを確保するため、また加工の工程も考慮して、例えばステンレスのような金属等の重量感のある材質を用いるのが良く、洗浄を考慮すると錆びにくいステンレスが好ましい。

固定台３は針刺用部材２を取り替えることで、新たに針を刺すことができ、何度も使用することができる。
固定台３を再利用するに際しては、常に清潔に保つことが必要であり、使用後、固定台３の洗浄が必須となるが、固定台３の上部から下部にかけて孔８を貫通させているのは、使用後の洗浄をしやすくするためでもある。また、前述のように、材質にステンレス等を用いることで、繰り返しの洗浄にも耐え、衛生的にも好適である。

［本考案の使用方法の一例］
（１）固定台３の孔８に針刺用部材２を差し込む。
（２）患者の腕から抜いた、廃棄する使用済みの針１１を、針刺用部材２上部５の弾性体４の部分に、容易に抜けないようにしっかりと刺した後、固定台３から針刺用部材２ごと外して、針１１を刺したまま廃棄する。
（３）使用後、固定台３は洗浄することで清潔を保ちながら、何度でも繰り返し使用することができる。

本考案の誤刺防止キット１は、形状も比較的簡素であるため、設計及び成型・製造上の困難さが少なく、高いコストをかけずに、容易に製造することができる。また、従来の生理食塩水等のラインを応用して製造可能なことから、コストの抑制や製造の簡易化につながる。

本考案の誤刺防止キットを構成する針刺用部材２の概略図で（Ａ）は外観図、（Ｂ）は（Ａ）の縦断面図本考案の誤刺防止キットを構成する固定台３の概略図で（Ａ）は概略図、（Ｂ）は（Ａ）の孔８付近の縦断面図本考案の誤刺防止キット１の使用状態図

符号の説明

１誤刺防止キット
２針刺用部材（弾性体部品）
３固定台（針廃棄用補助具）
４弾性体
５上部
６（針刺用部材の）胴部
７下部
８孔
１０窪み
１１（使用済み）針

Claims

針刺用部材（２）と、当該針刺用部材（２）を着脱できるように形成した固定台（３）とから構成され、
前記針刺用部材（２）は、上部（５）に弾性体（４）を装着し、胴部（６）及び下部（７）は、液密性を有する密閉構造に形成し、
前記固定台（３）は、上部から下部に向けて、前記針刺用部材（２）を、着脱できる孔（８）を形成した、誤刺防止キット（１）。
前記針刺用部材（２）は、硬質部材により形成され、上部（５）開放端に弾性体（４）を装着し、下部（７）を閉塞端に形成した請求項１に記載の誤刺防止キット（１）。
前記固定台（２）は、金属により形成され、正面と背面に窪み（１０）を形成した請求項１に記載の誤刺防止キット（１）。