JP3108319B2 - 耐熱高摩擦性組成物を用いたベルト蛇行検出部材 - Google Patents

耐熱高摩擦性組成物を用いたベルト蛇行検出部材

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JP3108319B2
JP3108319B2 JP07099064A JP9906495A JP3108319B2 JP 3108319 B2 JP3108319 B2 JP 3108319B2 JP 07099064 A JP07099064 A JP 07099064A JP 9906495 A JP9906495 A JP 9906495A JP 3108319 B2 JP3108319 B2 JP 3108319B2
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    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/00135Handling of parts of the apparatus
    • G03G2215/00139Belt
    • G03G2215/00143Meandering prevention
    • G03G2215/00156Meandering prevention by controlling drive mechanism

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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱高摩擦性組成物を
用いたベルト蛇行検出部材の改良に関し、特に蛇行の検
出精度を向上させる対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】OA機器分野の電子写真装置において感
光体として平ベルトを用いるタイプのものがある。この
タイプの電子写真装置では、平ベルトが蛇行すると画像
形成に悪影響を及ぼすことから、これを防止するために
平ベルトの蛇行を検出して修正する必要があり、本出願
人は、実開平4−60946号公報に開示されているよ
うな技術を既に出願している。
【0003】その内容を以下に簡単に述べるに、複数本
のローラのうち1本を蛇行調整用ローラとし、この蛇行
調整用ローラの片側の同軸上に該蛇行調整用ローラと独
立して回転自在なベルト蛇行検出部材を設け、平ベルト
を上記複数本のローラにベルト蛇行検出部材側に蛇行す
るように掛け渡しておく。そして、ベルト走行時に上記
平ベルトが蛇行してベルト蛇行検出部材に乗り上げる
と、この際に発生する摩擦抵抗により上記ベルト蛇行検
出部材が回転し、この回転力を蛇行調整用ローラの軸端
部を移動させる力に変換して平ベルトに上記蛇行とは逆
方向の偏動成分を与え、上記蛇行を修正するようにして
いる。
【0004】この場合、上記ベルト蛇行検出部材をニト
リルゴム(NBR)、ポリウレタン及び短繊維充填ゴム
(SFRR)等で製作し、ベルト蛇行検出部材と平ベル
トとの摩擦抵抗を高くして平ベルトの乗上げに即座に回
転反応するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如き
電子写真装置の感光体としての平ベルト等の蛇行を検出
するベルト蛇行検出部材は、平ベルトとの摩擦抵抗もさ
ることながら、高温雰囲気の下におかれるため耐熱性も
要求され、その条件として、耐熱性が150℃以上であ
ること、摩擦係数が1.20〜1.70の範囲にあるこ
とが必要とされる。また、ベルト蛇行検出部材を製造販
売する場合には、これに限ったことではないが、全ての
製品に共通する事項として量産性に優れ、かつ安価であ
ることが望まれる。
【0006】しかし、上記のNBRやポリウレタン製の
ベルト蛇行検出部材は、上記の条件を満たすにはその材
質に起因して耐熱性が十分であるとは言い難く、長期間
の強度保持に問題がある。一方、摩擦係数については、
NBRやポリウレタンは高過ぎる嫌いがあり、平ベルト
に皺が入るという問題がある。また、NBRやポリウレ
タン等は寸法精度についても十分であるとは言い難く、
後加工が必要となるため量産性に乏しく、高価となる。
SFRRについては、繊維充填量の変量により摩擦係数
の調整は可能であるが、耐熱性の面ではゴムベースとし
てシリコーンゴムやフッ素ゴム等の高価な材料が必要と
なり、しかも寸法精度についても十分であるとは言い難
いため、NBRやポリウレタンの場合と同様に量産性及
び価格面で問題がある。
【0007】一方、耐熱性、寸法安定性及び機械的強度
に優れた樹脂としてポリフェニレンサルファイド(PP
S)があり、このPPSは、例えば特開昭63−219
146号公報や特開平3−252455号公報等に開示
されているように、その優れた物性を有効利用すべく用
途目的に応じて熱可塑性エラストマー等の他の材料と併
用するなどエンジニアリングプラスチックとして高温雰
囲気下でさまざまな分野で用いられている。
【0008】そこで、このPPSをNBR、ポリウレタ
ン及びSFRRの代わりに採用することが考えられる
が、単に材質をPPSに代えるだけでは耐熱性、寸法安
定性及び機械的強度を改善することはできるものの、ベ
ルト蛇行検出部材に要求される摩擦係数については必ず
しも満足の行くものではなかった。
【0009】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、上述の如く耐熱性、寸法安定性及び機械的強度に
優れたPPSを組成物のべースとして用い、さらに耐熱
性に優れかつ摩擦係数を高め得るシリコーンゴムを併用
することにより、両者の特徴を兼ね備えたベルト蛇行検
出部材を提供しようとすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、耐熱高摩擦性組成物を用いたベルト蛇行
検出部材、すなわち従来の技術の項で説明した電子写真
装置の感光体として平ベルト等の蛇行を検出するベルト
蛇行検出部材に関するものである。つまり、平ベルトが
掛け渡される複数本のローラのうち少なくとも1本のロ
ーラの回転軸の軸端部に該ローラと独立して回転自在に
設けられ、ベルト走行中に蛇行する平ベルトの乗上げに
より発生する摩擦抵抗によって回転し、この回転によっ
て上記平ベルトが蛇行したことを検出するベルト蛇行検
出部材を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0011】すなわち、本発明の第1の解決手段は、少
なくとも表面部を、PPS40〜80重量%と、シリコ
ーンゴム粉末20〜60重量%とからなる耐熱高摩擦性
組成物で構成したことを特徴とする。
【0012】PPSは、下記の一般式で表される熱可塑
性樹脂であり、一般に市販されているものを用いればよ
い。
【0013】
【化1】 シリコーンゴム粉末は、ジメチル系、メチルビニル系、
メチルフェニルビニル系、メチルクロロアルキル系等の
いずれであってもよい。
【0014】PPSとシリコーンゴム粉末との混合割合
を上述の如く設定したのは、シリコーンゴム粉末が20
重量%未満になると摩擦係数の向上効果が得難くなる一
方、60重量%を超えると成形時に溶融粘度が高くなっ
て成形し難くなるからである。
【0015】本発明の第2の解決手段では、第1の解決
手段において、ベルト蛇行検出部材の耐熱高摩擦性組成
物で構成される少なくとも表面部の耐熱性を150℃以
上、摩擦係数を1.20〜1.70にしたことを特徴と
する。このように耐熱性及び摩擦係数を設定したのは、
高温雰囲気下で十分に使用に耐えかつ検出精度の良いベ
ルト蛇行検出部材を提供せんがためである。
【0016】このベルト蛇行検出部材を電子写真装置の
感光体としての平ベルトの蛇行検出用に適用した例を図
1〜3に基づいて説明する。
【0017】図1に示すように、表面に感光体層(図示
せず)が形成されたエンドレスのポリイミドフィルム等
からなる平ベルト1を、回転軸2a〜4aを回転中心と
して回転する3本のEPDM系架橋ゴム等からなる第1
〜3ローラ2〜4のローラ本体2b〜4bに掛け渡し、
そのうち駆動ローラとしての第1ローラ2をモータ5の
駆動により回転させて上記平ベルト1を走行させ、この
走行する過程で上記平ベルト1の感光体層に静電潜像を
形成した後、この静電潜像部分にトナーを付着させてト
ナー像を形成し、このトナー像をプリント用紙に転写定
着させる。
【0018】この場合、上記3本の第1〜3ローラ2〜
4の全てを互いに平行に配置するのではなく、第2ロー
ラ3の図1左端を上方に僅かに(例えば1mm)変位させ
て平ベルト1が常に図1左側に蛇行するようにする。そ
して、この蛇行する平ベルト1を上記第3ローラ4の回
転軸4aの軸端部(図1左端寄り)に設けたベルト蛇行
検出部材6で検出する。
【0019】すなわち、このベルト蛇行検出部材6は、
第3ローラ4の回転軸4aの軸端部に固定されているの
ではなく、該第3ローラ4と独立して回転自在に設けら
れており、テーパ形状の乗上げ部6aがローラ本体4b
側に形成されている。そして、ベルト走行中に平ベルト
1が蛇行して図2仮想線のようにベルト蛇行検出部材6
の乗上げ部6aに乗り上げると、この乗上げにより発生
する摩擦抵抗によって上記ベルト蛇行検出部材6が回転
し、この回転によって上記平ベルト1が蛇行したことを
検出するようになっている。
【0020】また、図3にも示すように、上記ベルト蛇
行検出部材6には線条7の一端が連結されているととも
に、上記第3ローラ4の回転軸4aの軸端部にはリング
8が回転自在に装着され、該リング8にコイルスプリン
グ9の一端が連結され、これら線条7及びコイルスプリ
ング9の他端は第3ローラ4を挟んで反対側にある固定
側10,11にそれぞれ連結されている。そして、上述
の如く平ベルト1の乗上げによってベルト蛇行検出部材
6が回転すると、上記線条7がコイルスプリング9のば
ね力に抗して巻き取られ、上記第3ローラ4のベルト蛇
行検出部材6側の回転軸4aが図3仮想線のように固定
側10に引き寄せられ、その変位によって平ベルト1が
上記蛇行する方向とは逆方向に巻回されながら走行する
ことになり、これにより上記平ベルト1がベルト蛇行検
出部材6の乗上げ部6aから脱して蛇行が修正される。
【0021】なお、図1〜3中、12,12は第3ロー
ラ4の回転軸4a両端を軸受13,13を介して吊下げ
支持するコイルスプリング、14はベルト蛇行検出部材
6の外方向への移動を規制するストッパーである。
【0022】
【作用】上記の構成により、本発明では、PPSにより
優れた耐熱性、寸法安定性及び機械的強度が得られ、シ
リコーンゴム粉末により優れた耐熱性及び高摩擦性が得
られる。また、PPSは熱可塑性樹脂で量産性に優れた
射出成形が可能であり、ベルト蛇行検出部材の多量生産
が可能となる。また、高価なフッ素ゴム等を組成物のベ
ースに用いる場合に比べて廉価なベルト蛇行検出部材と
なる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に具体的
に説明する。
【0024】表1の組成欄に示す配合にて実施例1〜3
及び比較例1〜6の試供品を成形した。成形方法は、使
用する材料によって効率の良い方法を採用し、実施例1
〜3及び比較例1〜4では射出成形が、比較例5,6で
はトランスファー成形がそれぞれ一般に良く用いられて
いることからこれによった。得られた各試供品のテスト
結果を表1の物性欄に示す。成形性、コスト及び寸法精
度は、良いものから順に○、△、×で評価した。
【0025】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜3は比較例1〜6
と比較して次のような特徴を有している。
【0026】 実施例1〜3は、機械的強度面で比較
例1〜6のゴム弾性体よりも優れている。
【0027】 実施例1〜3は、摩擦特性面でフッ素
ゴム製の比較例6よりも高い摩擦係数を有しており、高
摩擦性を備えていると言える。一方、比較例1,2は摩
擦係数が1.20に足らず低過ぎ、一方、比較例3〜5
は摩擦係数が1.70を超えて逆に高過ぎる。
【0028】 実施例1〜3は、耐熱面でウレタン製
の比較例4やNBR製の比較例5よりも耐熱性に優れて
いる。
【0029】 量産面では、実施例1〜3は射出成形
であり、トランスファー成形である比較例5,6よりも
多量生産に適している。
【0030】 実施例1〜3は、シリコーンゴム粉末
の配合割合が多くて溶融粘度が高い比較例3よりも成形
性に優れている。
【0031】 実施例1〜3は、材料コスト面で高価
なフッ素ゴムを用いた比較例6よりも有利である。
【0032】 実施例1〜3は、寸法精度面でPPS
をベースとしているため、比較例4〜6よりも優れてい
る。
【0033】したがって、実施例1〜3の配合組成にて
成形されたベルト蛇行検出部材は、特に耐熱性及び高摩
擦性の両物性に優れていることから、図1〜3に示すよ
うな電子写真装置の感光体としての平ベルトの蛇行を検
出するベルト蛇行検出部材6として好適である。
【0034】なお、上記の耐熱高摩擦性組成物は、感光
体としての平ベルトが掛け渡されるローラ以外に、現像
部におけるベルト駆動タイプのローラや給紙ローラ等に
設置されるベルト蛇行検出部材にも適用できるものであ
る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
PPS40〜80重量%と、シリコーンゴム粉末20〜
60重量%とからなる耐熱高摩擦性組成物でベルト蛇行
検出部材の少なくとも表面部を構成したので、耐熱性及
び摩擦特性に優れたベルト蛇行検出部材を安価にしかも
寸法精度良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はベルト駆動装置の概略構成図である。
【図2】図2は第3ローラの蛇行検出部材設置箇所を示
す正面図である。
【図3】図3は図1のA矢視図である。
【符号の説明】
1 平ベルト 2 第1ローラ 3 第2ローラ 4 第3ローラ 4a 回転軸 6 ベルト蛇行検出部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−26143(JP,A) 特開 平3−137163(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/00 - 81/02 C08L 83/04 - 83/08 B65H 5/00 - 5/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平ベルトが掛け渡される複数本のローラ
    のうち少なくとも1本のローラの回転軸の軸端部に該ロ
    ーラと独立して回転自在に設けられ、ベルト走行中に蛇
    行する平ベルトの乗上げにより発生する摩擦抵抗によっ
    て回転し、この回転によって上記平ベルトが蛇行したこ
    とを検出するベルト蛇行検出部材であって、 少なくとも表面部が、ポリフェニレンサルファイド40
    〜80重量%と、シリコーンゴム粉末20〜60重量%
    とからなる耐熱高摩擦性組成物で構成されていることを
    特徴とする耐熱高摩擦性組成物を用いたベルト蛇行検出
    部材。
  2. 【請求項2】 耐熱高摩擦性組成物で構成される少なく
    とも表面部の耐熱性が150℃以上、摩擦係数が1.2
    0〜1.70であることを特徴とする請求項記載の耐
    熱高摩擦性組成物を用いたベルト蛇行検出部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6258638B1 (en) 1997-03-03 2001-07-10 Nec Corporation Method of manufacturing thin film transistor
US6444508B1 (en) 1997-03-03 2002-09-03 Nec Corporation Method of manufacturing thin film transistor
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