JP3108255B2 - インク再充填方法およびインク充填装置 - Google Patents

インク再充填方法およびインク充填装置

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JP3108255B2 JP21863693A JP21863693A JP3108255B2 JP 3108255 B2 JP3108255 B2 JP 3108255B2 JP 21863693 A JP21863693 A JP 21863693A JP 21863693 A JP21863693 A JP 21863693A JP 3108255 B2 JP3108255 B2 JP 3108255B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体状のインクを保有
するインクジェット用カートリッジおよびインクを再充
填する構成と方法、更にはこのカートリッジを用いたイ
ンクジェットヘッドとプリンタに関し、複写機,ファク
シミリ等の記録機器,事務機,複合機器,プリンタ等に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来インクジェット用のインクカートリ
ッジはインク吐出しなくなるまでインクを使用するとカ
ートリッジそのものを廃棄していた。
【0003】特に、負圧発生部材を収容すると共に大気
との連通を得るための大気連通部を備えた第一収納室
と、該大気連通部から離れた位置に設けられた微少連通
部のみを介して該第一収納室に対して連通するが実質的
に密閉状態で、第一収納室へ供給するための第二収納室
と、を備えたインクジェットカートリッジの構成の場合
はインクがからの状態になってからインクを再充填しよ
うとするインク洩れを起こすなど再利用が難しいためカ
ートリッジそのものを廃棄していた。
【0004】図4で示すのは、上記インクカートリッジ
にインクを再充填した場合である。インクカートリッジ
本体1はプリント時の設置と上下逆にしてインク充填タ
ンク14を用いインク再充填しようとしている。インク
をヘッドに供給する開口部2にインク供給ジョイント2
0を当て、インク充填タンク14の蛇腹を圧縮変形して
カートリッジに加圧注入すると、はじめ図4(a)で示
すように負圧発生部材4にインク浸透部21が拡がる。
更にインクを注入するとインク浸透部21は負圧発生部
材4全体に拡がり間隙部3を塞いでしまう。インク収納
部6にインクを満たすためには、インクが入ると同時に
エアーが大気連通口10より排出しなければならない
が、インクが間隙部3全体を塞いでいるためインク収納
部6にはインクは入らず最終的にインクは大気連通口1
0から洩れインク21となって排出される。このよう
に、インクを再充填しようとしてもインク洩れを起こす
など再利用が難しいためカートリッジそのものを廃棄し
ていた。
【0005】しかしながら上記方式ではカートリッジを
構成する部材、すなわちインク容器、インク吸収体、イ
ンク充填口封止部材などを同時に廃棄してしまうため、
インクジェットヘッドを使用する際にその分のコストも
負担することになり、更には資源をより多く使用する事
で環境上も好ましくなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者たちは、イン
クジェットプリントのインク容器にインクを充填する方
法としては、インク充填時において充填口からのインク
漏れなどの不都合がないこと、充填した後プリント時に
記録ヘッドから吐出されるインク量に見合ったインクを
供給できるか、をそれぞれ検討した。
【0007】負圧発生部材を収容すると共に大気との連
通を得るための大気連通部を備えた第一収納室と、該大
気連通部から離れた位置に設けられた微少連通部のみを
介して該第一収納室に対して連通するが実質的に密閉状
態で、第一収納室へ供給するための第2収納室と、を備
えたインクジェットカートリッジの構成の場合次のよう
な背景問題があった。
【0008】第一収納室内のインクがからになってか
ら、インクを第一収納室の微小連通部に対向したヘッド
へのインク供給口から再充填しようとすると、第一収納
室負圧発生部材がわずかにインクを供給するのみでそれ
以上注入しようとしてもインク供給口や大気連通部から
インクが漏れてしまう。これは、第二収納部内にたまっ
たエアーや第一収納室の負圧発生部材内部に入り込んだ
エアーが速やかに排出されないためである。そのため、
再度インクを充填するためにはタンク内を一度真空状態
にしてエアーを完全に排除してからインクを注入するこ
とでインク漏れなどの不都合がなく、プリント時に記録
ヘッドから吐出されるインク量に見合ったインクを供給
できるインクカートリッジとして再利用できるようにな
る。
【0009】しかし、そもそもこの方式のインクカート
リッジは非常に安価に製造できる上、インクの使用効率
が高いので上記のような方法でカートリッジを再利用し
ようとしても廃インクカートリッジの回収などにかかる
コストなどを考えると、新品のカートリッジを製造する
方が安価になってしまう。
【0010】本発明は、上記背景技術に鑑み上記インク
ジェット用インクカートリッジ充填方法として、非常に
安価な装置できわめて簡単にインク充填ができ、しかも
インク漏れなどの不都合がなく、プリント時に記録ヘッ
ドから吐出されるインク量に見合ったインクを供給でき
るインクカートリッジとして再利用できるようになり、
ランニングコストを下げ環境上も好ましいカートリッジ
を実現することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】本発明に係るイン
ク再充填方法は、負圧発生部材を収納し大気と連通する
大気連通部を備えた第一収納室と、該大気連通部から離
れた位置に設けられた微少連通部のみを介して該第一収
納室に連通するが実質的に密閉状態で、第一収納室へ供
給するインクを収納する第二収納室とを備えたインクジ
ェットカートリッジに対して、上記第一収納室と第二収
納室を区分する仕切り壁に対向する上記第一収納室の面
にあるインク供給用の開口より細管を用いて第二収納室
に直接インクを充填することを特徴とする構成によっ
て、前記の目的を達成しようとするものである。
【0012】負圧発生部材を収納すると共に大気との連
通を得るための大気連通部を備えた第一収納室と、該大
気連通部から離れた位置に設けられた微少連通部のみを
介して該第一収納室に対して連通するが実質的に密閉状
態で、第一収納室へ供給するための第二収納室と、を備
えたインクジェットカートリッジのインクを使用した
後、インクを第二収納室に再充填する際第一収納室の負
圧発生部材を介さねばならない。また、インクが第二収
納室に再充填される際、第二収納室は気密状態であるた
め第二収納室にあるエアーを排気しつつインクを入れな
ければならない。このため、細管を上記インク供給口か
ら挿入し負圧発生部材を貫通し直接第二収納室に到達さ
せれば、第一収納室の負圧発生部材の影響を受けずに安
定的にインク充填できる。
【0013】さらに、インク充填用の細管とは別に第二
収納室にあるエアーの排気をより速やかにするためエア
ー排気用細管を同時に挿入することで、インク充填時の
インク漏れがない安定充填が可能となる。
【0014】また、第一収納室の負圧発生部材には第一
収納室の微小連通部とそれに対向した側のヘッドへのイ
ンク供給口との間には、インクが供給される際のインク
が流れやすくインクが満たされている領域があるが、イ
ンクカートリッジのインクを使い切る際、その領域のイ
ンクをも使い切ってしまうためインクの流れやすい領域
がなくなってしまう。インク充填細管の途中にいくつか
の穴を開けておくことで、インクを充填すると同時にそ
の穴からでるインクが上記領域にインクを充填させイン
クが流れやすくインクが満たされている領域を再生する
ことになる。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0016】図1から図3は本発明の基本的な構成であ
る。
【0017】図4は本発明に用いるカートリッジの通常
使用するときの設置方向で、これを用いてカートリッジ
の説明をする。インクカートリッジ本体1はインクジェ
ット記録ヘッドと連結するための開口部2を微小連結部
として間隙部8側に変位させた位置に有し、負圧発生部
材3を収容した負圧発生部材4と該負圧発生部材収容部
に仕切り壁5を介して隣接し、インクカートリッジ底部
11で貫通したインクのみを収容するインク収容部6と
からなる。
【0018】この構成により、大気は上記開口部2から
供給されることになるが、重要なことは、大気連通部の
構成よりも、インク収容部6内のインクが間隙部8を介
してのみ、インクカートリッジ底部11に沿って開口部
2側へ確実に供給されることである。このとき、間隙部
8から開口部2の間はインクが十分満たされていること
が、この供給がスムーズに行われるために重要である。
このインク供給に伴って大気は、インク収容部6内のイ
ンクと入れ替わり捕集されていく。
【0019】インク収容部6内のインクが全てなくなる
とインク供給がストップしカートリッジは使用出来なく
なる。そのようになった状態のカートリッジにインクを
充填して再度使用出来るようにする方法が本発明であ
る。これを図1から図3を用いて説明する。
【0020】インク収容部6内のインクが全てまたは一
部なくなったカートリッジを間隙部8側を上になるよう
に置き、インク充填細管15を開口部2から差し込み間
隙部8付近に到達または貫通させる。つぎに、インク再
充填タンク14を用いてインクをインク収容部6に直接
注入する。インク再充填タンク8にはインクを加圧注入
できるようにポンプ機能を持たせている。図1ではタン
ク自体が蛇腹となっておりタンク自体を圧縮変形させる
ことでインクを加圧注入できる。
【0021】インク収容部6に入っていたエアーはイン
クが入ってくるに従って外に排気されなくてはならない
が、通常はインクを使用する時と逆の流れで間隙部3か
ら負圧発生部材4を介して大気連通口10より排出され
る。このさい負圧発生部材4内にインクが多量に吸収さ
れている場合インク収容部6内のエアーの排気がスムー
ズに行われない場合がある。このため、図2に示すよう
にインク充填細管15とともに排気細管16を負圧発生
部材4に挿入し、インク充填と共に排気がスムーズに行
われるようにする。図2矢印Aはインクの注入方向で矢
印Bはインク収容部6内のエアーの排気方向を示す。
【0022】また逆に、負圧発生部材4内のインクをほ
とんど使い切ってしまった場合、インク収容部6にイン
クを十分充填しても開口部2と間隙部3の間にエアーが
満たされ、開口部2側からインクを吸引しようとしても
インク収納部6のインクを吸引できない。このような場
合開口部2から間隙部3の間にインクを再度満たせばよ
いが、インク充填細管15の途中部に図3に示すような
微小穴18を少なくとも1つ以上あけておきインク充填
の際に開口部2から間隙部3の間の負圧発生部材4にイ
ンクを満たすことができる。さらに、インクを満たす際
に開口部2付近のインクが溢れないように開口部キャッ
プ19で開口部2を塞ぎインク充填を行う。
【0023】これらの排気細管16、微小穴18や開口
部キャップ19はそれぞ組み合わせ使うことでより簡単
にインク充填作業を行うことも可能である。
【0024】ここで、負圧発生部材収容部4の開口部近
傍の供給管によって圧縮変形可能な領域にある負圧発生
部材を、供給管によって圧縮変形せしめた状態について
説明する。図7は、本発明に使用する交換型インクカー
トリッジにインクジェット記録ヘッドへインクを供給す
る供給管としてのジョイント部材7が挿入され、負圧発
生部材に圧接してインクジェット記録装置が稼動可能な
状態になったときの模式断面図である。尚、ジョイント
部材の端部にはインクカートリッジ内のごみを排除する
ためにフィルターが設置されている場合もある。
【0025】インクジェット記録装置が稼動するとイン
クジェット記録ヘッドのオリフィスからインクが吐出さ
れ交換型インクカートリッジにインク吸引力が発生す
る。インク9はこの吸引力によりインク収容部6から仕
切り壁端部とインクカートリッジ底部11との間隙部8
を通り、負圧発生部材収容部4へ、負圧発生部材3を通
ってジョイント部材7内に引き込まれインクジェット記
録ヘッドへ供給される。これにより間隙部8以外は密閉
しているインク収容部6の内部の圧力が低下し、インク
収容部6と負圧発生部材収容部4との間に圧力差を生じ
る。記録が継続するとその圧力差は上昇を続けるが、負
圧発生部材部はジョイント部材部とジョイント開放部と
の間に間隙12により大気に開放されているため、空気
は負圧発生部材を通って仕切り壁端部8とインクカート
リッジ底部11との間隙部8からインク収容部4に入
る。この時点でインク収容部6と負圧発生部材収容部4
との間の圧力差が解消される。インクジェット記録中は
この動作が繰り返され、ある一定の負圧がインクカート
リッジ内に得られる。また、インク収容部内のインク
は、インク収容部内の壁面に付着するインク以外はほぼ
全て使用できるためインク使用効率が向上する。
【0026】非記録時においては、負圧発生部材自身の
毛細管力(あるいはインク−負圧発生部材界面でのメニ
スカス力)などが発生され、特に、インク収容部内のイ
ンクのインクが消費され始めると、負圧発生部材収容部
内のインク保持状態はほぼ一定となり、インク収容部内
に回収された気体が実質的に負圧状態になっているため
に、カートリッジ内の圧力バランスが極めて安定し、イ
ンクジェット記録ヘッドからインクが漏れることを抑制
する。
【0027】よって、ジョイントするインクジェット記
録ヘッドに応じた負圧発生部材の選択及び負圧発生部材
収容部とインク収容部の割合設計をすれば図8に示した
構成なども可能となる。
【0028】尚、図23(A)(B)の様に、本発明の
交換型インクカートリッジをカラーインクジェット記録
装置に対応するために各色(例えばブラック、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの4色)のインクをそれぞれ個別
の交換型インクカートリッジに収容して使用することが
できる。また、図23(A)のように個別のインクカー
トリッジを1体化させて交換型インクカートリッジとし
てもよく、あるいは、図23(B)のように使用頻度の
高いブラックインク用の交換型インクカートリッジと他
のカラーインク1体化交換カートリッジを分離した交換
型インクカートリッジとしてもよい。これらの組み合わ
せはインクジェット装置に合わせて任意である。
【0029】本発明の交換型インクカートリッジにおい
て、インクジェット記録ヘッドにおける負圧を制御する
ためには、負圧発生部材3の選定、形状、寸法はもとよ
り、仕切り壁端部8の形状、寸法、仕切り壁端部8とイ
ンクカートリッジ底部11との間隙8の形状、寸法、負
圧発生部材収容部4とインク収容部6の容積割合、ジョ
イント部材7の交換型インクカートリッジへの挿入量、
形状、寸法、フィルター12の形状、寸法、目の荒さ及
びインクの表面張力などを使用する条件に応じて最適化
することはより好ましい。
【0030】使用する負圧発生部材は、それ自身、液体
(インク)の自重及びわずかな振動に対してもインクを
保持する能力を有するものであれば従来公知の部材が使
用できる。例えば、繊維を網状に網込んだ綿状体や連通
孔を有する多孔質体などが上げられる。インク保持力及
び負圧発生などが調整容易なポリウレタンフォームなど
のスポンジが好ましい。特に、フォームの場合には、フ
ォーム製造時に所望の多孔密度となるように調整できる
ので好ましい。尚、フォームを熱圧縮処理をして更に多
孔密度を調整した場合には、加熱による分解物が発生
し、インク物性を変化させ記録品位に悪影響を及ぼす場
合があるので洗浄などの処理が必要となる。また、各種
インクジェット記録装置に対応した交換型インクカート
リッジを製造するためそれに応じた多孔密度のフォーム
が要求されるが、熱圧縮を施していない特定のセル数
(1インチ当りの空孔の数)を持つフォーム材を所望の
寸法にカットし、負圧発生部材収容部に圧縮挿入し、多
孔密度、毛管力を調整することが好ましい。
【0031】上記例においては、ジョイント部材7とジ
ョイント開口部2とに間隙を設けてインクカートリッジ
外部から大気を取り入れる構成がなされているが、本構
成を限定するものではなくジョイント部材及びジョイン
ト開放部の構造、形状はいかなるものであってもよい。
負圧発生部材がスポンジのような多孔質部材の場合には
図7(a)、(b)のようにジョイント部材の挿入に対
して多孔質部材のインクカートリッジ底部からの逃げを
抑制し、且つ、フィルター部と負圧発生部材との圧接面
を維持、確保するためにジョイント部材7の端部はジョ
イント部材挿入方向に対して任意の角度(テーパー)を
有することが好ましい。あまりジョイント部材の挿入量
を大きく取る場合は、この先端のテーパ部が負圧発生部
材に亀裂を招じさせる場合があるので、図7(c)の如
く面構造とすることも良い。
【0032】また、大気の取入れ口とするためにジョイ
ント部材の外壁に大気導入用の凹凸を設けることも考え
られるが、図9のように開口部2の形状も所望の形状即
ち、図9(b)が長方形、図9(c)が3角形といった
ように選定することが可能である。開口部2の形状は、
好ましくは、ジョイント部材と開口部を密閉しない程度
の間隙を開けるか、開口部の下部(インクカートリッジ
底部側)では、ジョイント部材外周に近接し、開口部上
部で開口しているような形状である。
【0033】このように本発明に使用する交換型インク
カートリッジはジョイント開口部と大気を取り入れる部
分とを兼ねることが可能となっており、より単純な構成
とできる。また、ジョイント部材7の交換型インクカー
トリッジへの挿入量は、上記ジョイント部材形状、負圧
発生部材、インクカートリッジの形状などを考慮して挿
入時にインク洩れなどを起こさず、記録時には途中でイ
ンク切れなどを起こさないように負圧発生部材の圧縮領
域を設定することは好ましい。
【0034】以上の実施例に対して、ジョイント開口部
とは別に大気との連通孔を負圧発生部材収容部側に設け
ることは、本発明のインクを保持していない負圧発生部
材領域を大気連通部近傍に設ける構成を採用するために
も有効であり、後述するインクジェット記録装置内での
環境変化に対する信頼性向上に好適な手段となる。
【0035】仕切り壁端部とインクカートリッジ底部と
の間隙8の形状、寸法についても任意であるが、あおま
りにも狭いとインクとのメニスカス力が強くなり、ジョ
イント開口部からのインク洩れは抑制できるが、負圧発
生部材収容部へのインク供給に力を要し、使用時にイン
ク切れを発生する可能性がある。また、あまりにも広い
と逆の現象が発生する可能性があるため、微小連通部の
仕切り壁までの高さは、負圧発生部材の平均孔径(好ま
しくは微小連通部近傍の平均孔径)より大きく(実用上
は0.1mm以上)、5mm以下が適している。より安
定化を期待するのであれば、3mm以下が好ましい。図
11は、間隙8の形状の例を示している。図11(a)
は、先の実施例で使用され、本発明にとって最も安定し
た構成形状であり、一定高さで、カートリッジ全幅にわ
たって設けられたものである。図11(b)(c)は、
カートリッジ全幅の一部のみで連通部を形成し、かつ蛇
行したものである。この構成は、カートリッジ全体の容
積が大きい場合に有効ではあるが通常プリンタでは低い
使用のものである。図11(d)は、トンネル状の連通
部を複数有するもので、インクがカートリッジ内面側に
移動しやすく、気体ーインク交換用の気体導入を集中化
できる。図11(e)(f)は、図11(a)の構成に
加えて、インク収納室側の仕切り壁に上下方向にわたっ
て凹部を形成したものである。そのため、仕切り壁下端
に至った気体は相対的にその凹部で効果的にインク収納
室内に導入され、気体の回収効率を向上できる。
【0036】尚、この間隙8もまた、ジョイント開口部
の位置を考慮して決定することがより好ましい条件とな
る。図14(a)及び(b)によって説明すると、
(a)は、ジョイント開口部下端より仕切り壁端部の方
が低い位置にあり、負圧発生部材中に保持されたインク
はジョイント開口部下端より下であるためインク洩れに
対して抑制効果があり好ましい。一方、(b)は、ジョ
イント開口部下端より仕切り壁端部の方が高い位置にあ
り、負圧発生部材中に保持されたインクはジョイント開
口部下端より上であるためインク洩れに対して抑制効果
が少なく好ましくない。したがって、仕切り壁端部の位
置をジョイント開口部下端と同じか、低い位置として間
隙8の寸法を設計することは本発明の効果をより安定化
できる利点がある。交換インクカートリッジの形状、寸
法にもよるが、最大範囲で0.1mm以上20mm以下
の高さの範囲内から間隙8の高さを選定することで実用
化でき、より好ましくは0.5から5mm程度である。
また、仕切り壁端部の形状は、上述のジョイント開口部
との位置を考慮していればいかなる形状をしていてもよ
いが、例示すれば、説明を省くが図12(a)〜(h)
に示したとおりである。
【0037】さらに、仕切り壁5の端部と負圧発生部材
3との境界部も種々の構造関係が考えられる。これを表
示したものが、図13である。図13(a)から図13
(d)は、仕切り壁端部により負圧発生部材が圧縮され
ておらず、負圧発生部材の密度を局部的に高めることが
ないので、インクの流通及び空気の流通が比較的速やか
となり、高速記録やカラー記録の場合に好ましい。一
方、図13(e)、(f)は、仕切り壁端部により負圧
発生部材3が圧縮されおり、部材の密度が高くなるため
インクの流通及び空気の流通に抵抗を生じるものの、わ
ずかな環境変動に対してはインク洩れなどの障害を抑制
できる。よって、これらの選択は、インクジェット記録
装置の種類や使用する環境条件を考慮して設計すればよ
い。
【0038】負圧発生部材収容部4とインク収容部6の
容積割合は、インクジェット記録装置の種類や使用され
る環境条件などを考慮して決定する必要がある。また、
使用する負圧発生部材との関連も重要となる。インクの
使用効率を向上するためには、インク収容部の容積を増
やすことが好ましく、その際には、負圧発生力の高い
(スポンジでいえば圧縮率の高い)負圧発生部材を使用
することが有効となる。したがって、インク収容部の容
積割合を増加するに伴って負圧発生部材の負圧発生力を
増加させることを注意すれば、負圧発生部材の収納室の
容積とインクのみの収容室の容積の比は、1:1以上
1:3以下の範囲内が実用上の最適範囲として挙げるこ
とができる。
【0039】フィルター11の形状、寸法、目の荒さ
は、インクジェット記録装置の種類によって任意に設定
できるが、インクカートリッジからのごみの混入を防止
し記録ヘッドのノズルを詰まらせないためにもオリフィ
スの径よりも小さい目の荒さにすることが好ましい。
【0040】本発明に使用する交換型インクカートリッ
ジへの初期インク充填量は、インクカートリッジ内容積
を限度として任意であるが、交換型インクカートリッジ
開封直後の負圧を維持するためにインク収容部へは容積
限度迄充填してもよいが、負圧発生部材部へのインク充
填量は負圧発生部材のインク保持力の限界以下で設定す
ることが好ましい。尚、ここでインク保持力とは、負圧
発生部材にインクを含浸させた際の部材単独でインクを
保持できる能力をさすものである。
【0041】密閉系のインク収容部を持つインクカート
リッジにおいては、インクジェット記録装置内に装填さ
れた状態での外部環境変化(温度上昇、或は気圧低下)
に対しては、インク収容部の空気膨張により(インクの
膨張もある)インク収容部に残存しているインクをイン
クカートリッジ外へ押し出し、インク漏れ発生の可能性
がある。しかしながら、本発明に使用する交換型インク
カートリッジにおいては、最悪想定される環境状態に応
じた密閉系インク収容部の空気膨張体積(僅かではある
がインク膨張分も含む)を予想し、それにともなうイン
ク収容部からのインク移動量分を負圧発生部材収容部に
あらかじめ持たせることが好ましい。この際、ジョイン
ト開口部以外に大気連通孔を負圧発生部材収容部側に設
けることは図14(c)(d)に示すように、インク収
容室内の空気の膨張によってインク室内から負圧発生部
材内に移動したインクを大気連通側へ案内することがで
きるので、非常に有効である。尚、大気連通孔の設置位
置は、負圧発生部材収容部側のジョイント開口部より上
部ならば特に指定はないが、環境変化時の負圧発生部材
中のインクの流れをジョイント開口部から離すために、
ジョイント開口部から遠い位置にあるのが好ましい。ま
た、大気連通孔の数及び形状、大きさなどはインクの蒸
発を考慮して任意に設定することができる。
【0042】インクカートリッジ単独の物流時において
は、ジョイント開口部及び又は、大気連通孔をシール材
などで密閉してインクの蒸発やインクカートリッジ内の
空気膨張に備えることが好ましい。シール材としては、
包装分野においてバリヤー材と称される単体層のバリヤ
ー及び数層のプラスチックフィルムの複合化及びこれら
と紙、布などの補強材またアルミニウム箔などを複合化
した複合化バリヤー材を使用することが好ましい。イン
クカートリッジ本体材質と同様な材質をバリヤー材の接
着層とし、熱などで溶着することによって密閉性を上げ
ることがより好ましい。
【0043】また、インクカートリッジからのインクの
蒸発或は外部大気からの空気の流入を抑制するために
は、インクカートリッジを挿入後は包材内の空気を脱気
してから密閉する包装形態をとれば効果的である。包材
としては、気体透過度及び液体透過度を考慮し、上記シ
ール材同様バリヤー材から選択することが好ましい。
【0044】上述のような包装形態を選択することによ
ってインクカートリッジ単独の物流は、インク洩れなど
もなく非常に信頼性の高いものとなる。
【0045】インクカートリッジ本体材料は従来成形品
に用いられるいかなる材料であってもよいが、インクジ
ェット用インクへの影響がないような材料或は影響がな
いように処理された部材から選択する必要がある。ま
た、インクカートリッジの生産性を考慮することも必要
となる。例えば、図1,図11に示すインクカートリッ
ジ本体をインクカートリッジ底部11部分とその上部部
分とに分割して樹脂材料にてそれぞれを一体成形し、負
圧発生部材を挿入後、インクカートリッジ底部11部分
とその上部部分を溶着してインクカートリッジ本体を製
造することができる。樹脂材料に透明或は半透明なもの
を選択すればインク収容部のインクはインクカートリッ
ジ外部から視認することができるのでインクカートリッ
ジの取り替え時期を目視にて判断することができる。ま
た、上記シール材などの溶着を容易にするために図のよ
うな凸部を設けることが好ましい。更に、インクカート
リッジ本体外面にシボなどの加工を施すこともデザイン
上好ましい。
【0046】インクの初期充填には加圧法及び減圧法い
ずれもが使用できる。尚、インクの充填にタンク本体の
いずれかにインク充填口21を設けることは他のインク
カートリッジ開口部を汚すことがないので好ましい。イ
ンク充填後のインク充填口21は、プラスチック或は金
属材料にて栓22することが好ましい。
【0047】交換型インクカートリッジの構成は及び形
状は本発明の範囲から逸脱することなく各種の変形を行
うことができる。
【0048】以上の説明のように、本発明の交換型イン
クカートリッジは、単独の物流時にも高い信頼性を維持
し、簡易な構造でインクの残量検知可能なインク使用効
率の高い交換型インクカートリッジとなる。
【0049】また、記録時及び非記録時においても適度
の負圧を使用初期から使用終了までの間維持して高速記
録に対応し、インクジェット記録装置の使用環境条件に
おいてもインク漏れの無い交換型インクカートリッジと
なる。
【0050】更に、交換型インクカートリッジの取り扱
い性が良好で、インクジェット記録装置への脱着時にお
いてもインク漏れなどがなく、インクジェット記録装置
への装着誤動作のない交換型インクカートリッジとな
る。
【0051】上述した、本発明充填用インクが充填され
るか或は、充填されているインクジェット用カートリッ
ジは、上述した構成による各構成の利点があるものであ
る。本発明は、これらの利点を、一層確実にして、効果
を発揮できる条件の許容範囲を広げたり、新たなインク
漏れの現象(上記カートリッジに初期充填する際や再充
填を行う際において見られ、インク収納室内においては
問題のないインクが、負圧発生部材を収納する収納室内
に至ると、負圧発生部材内部に一時的に保持されるもの
よりも、負圧発生部材とカートリッジ内壁との間を進行
して大気連通口やインク供給口等の開口部或は、シール
されている領域を破って漏れる傾向が大となることが原
因と考えられるものや、衝撃によるもの)を防止するた
めに、上記インクジェット用カートリッジに初期充填さ
れるか或は再充填される充填インク及び充填されている
インクは、表面張力が20dyn/cm以上55dyn
/cm以下である。これによって、上記実施例で説明し
た構成に対して、この新たなインク漏れの現象を解決す
るばかりでなく、上記構成自体の作用を気液界面の滑ら
かさを向上でき、全体的に変動する度合いを最小化する
ことができる等の作用によって、一層安定化できるもの
である。
【0052】図15は、は本発明のカートリッジとして
のインクタンク製造方法を示すもので、後述する仕切り
板61と仕切り壁5を介して2つの収納室用凹部をなす
壁部とを備えたカートリッジ本体(断面斜線:左斜め下
向)に対して、負圧発生部材としての吸収体3を開口部
2側の凹部内に挿入した後、蓋部材としての底部材11
で一体化処理した構成を示している。この図15ではさ
らに、インクタンク1に記録ヘッドHDを装着した状態
を示す一部破断概略図である。インクタンクは、仕切り
壁5によって2つの部屋に区切られた容器に対してイン
クタンクの底部を構成する平板の底部材11で蓋をする
ことで構成される。このように蓋をするという簡単な構
成で容器の仕切り壁5の先端との同じ微少連通路8を形
成できる。尚、大気連通部10は、上記開口部2が設け
られた面と同一面で、上方部位に位置している。
【0053】一方、ヘッドは、供給管としてのジョイン
ト部7がインクタンクの開口部に挿入されてとりつけら
れ、ジョイント部7は図中上方部分が下方部より前方に
出た斜め構造をしている。そして、さらにジョイント内
部のインク流路は上方に向って開いたホーン構造をして
いる。このような構造とすることで、吸収体からのイン
クを良好にヘッド側に導入することができる。
【0054】インクジェット記録装置は、ノズル73の
吐出口71からインクの吐出を行わせるために利用され
るエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段として
の発熱素子72を備え、前記熱エネルギーによりインク
の状態変化を生起させる方式の記録ヘッドHDを有する
記録装置で、上記インク供給性の安定化効果によって、
一層、特にカラー記録にとって、記録高密度化、高精細
化が達成できる。
【0055】以上説明したように、本発明の交換型イン
クカートリッジは、単独の物流時にも高い信頼性を維持
し、簡易な構造でインクの残量検知可能なインク使用効
率の高い交換型インクカートリッジとなる。
【0056】また、記録時及び非記録時においても適度
の負圧を使用初期から使用終了までの間維持して高速記
録に対応し、インクジェット記録装置の使用環境条件に
おいてもインク漏れのない交換型インクカートリッジと
なる。
【0057】更に、交換型インクカートリッジの取り扱
い性が良好で、インクジェット記録装置への着脱時にお
いてもインク漏れなどがなく、インクジェット記録装置
への装着誤差動作のない交換型インクカートリッジとな
る。
【0058】補足して、インクカートリッジの製造方法
について説明する。上述した吸収体を内蔵した負圧発生
部材収納室と微小連通部としての連通部8を有するが、
気体と液体の交換によって初めてインクを放出する意味
での実質的な密閉構造のインク収納室とが一体成形化さ
れると、蓋部材11のインク収納室側の開口13からイ
ンクが充填される。これにより、インク収納室内にイン
クが充填されると、負圧発生部材4自体にも微小連通部
からインクが与えられかなりの範囲にインクが与えられ
る。
【0059】ここで、大気連通部近傍の負圧発生部材
は、インクが与えられず、インクを保持しない領域とし
て存在させる。この後、開口13は、ボール14でシー
ルされ開口部2と大気連通部は、同一のシール部材S
(異なっていても良い)でシールされる。
【0060】この状態の使用前インクジェット用カート
リッジを示したものが、図16に示されている。この図
でインク収納室6内には、インクが充填されているもの
とする。
【0061】図16は、この密閉状態のインクジェット
用カートリッジ1を示すと共に、これを使用するプリン
タの概略図を示している。このインクジェット用カート
リッジ1には、大気連通部10の近傍に位置する負圧発
生体領域3Aが、インクを保持していない領域としてカ
ートリッジ上方角部に設けられている。該領域3Aの下
方に位置する負圧発生体領域3Bは、インク供給管(不
図示)の挿入により圧縮変形される圧縮可能領域であ
る。これらの領域3A,3B以外の負圧発生体は、他の
外的影響がなく充填されたインクを保持する。無論、領
域3Bは、大気連通部10の下方で同一面に設けられて
いるインク供給管装着用の開口部2に対向する領域であ
る。また、開口部2は、微小連通部8よりも上方に位置
しており、本発明の上述した特徴構成の夫々をすべて有
している。
【0062】図16のカートリッジ1は、前述したシー
ル部材Sを除去することで、使用可能になるが、上記領
域3Aがインクを保持していないために、シール除去時
の振動や圧力変化があってもインクを漏らすことがな
い。
【0063】本実施例は、インクカートリッジの保存状
態や使用状態に関わらず、従来の技術水準を一掃する技
術観点として、負圧発生部材の該大気連通部近傍領域を
インクを保持していない領域とすることで、環境条件の
変動に対して、インクカートリッジ内のインクが大気連
通部から漏れることを防止できる。特に、シール部材が
大気連通部を密閉している場合に対しては、シール部材
のはがれ防止効果もある。また、使用状態にあっては、
この領域は、大気がカートリッジ内に必要に応じた量が
効率よく供給でき、インクジェットカートリッジ内の負
圧変化を抑制する効果もある。この大気連通部近傍領域
は、全くインクによる濡れがないものであると、インク
自体の浸透速度をより減速させることができるので好ま
しいが、インクにより予め濡らした後にそのインクを除
去した領域としても良い。
【0064】また、本実施例は、上記微小連通部を形成
する仕切り壁に対向する側に、インク供給用開口或は、
供給管による負圧発生体の圧縮(又は圧縮可能)領域を
存在させる構成とすることで、第2収納室のインクが負
圧発生体内に安定した実質的なインク供給路を確保で
き、これをより安定させる構成として、インクカートリ
ッジの下面に関して上記インク供給用開口が上記微小連
通部よりも上方に位置させることを挙げることができ
る。この配置関係の作用は、実質的なインク移動方向を
一定化でき、第2収納室のインクがすべて消費でき、こ
の消費後は、第2収納室内の空気が対向する開口側に移
動するように介在することで、結果的に、負圧発生体内
のインクを消費可能にして、残存インクを減少できるこ
とにある。
【0065】特に、上記微小連通部を形成する仕切り壁
からこの壁に対向する側に向かって、負圧発生体の供給
管によって圧縮されない領域、負圧発生体の供給管によ
って圧縮される領域を、この順に有することで、圧縮さ
れない領域には前述した1方向のインク供給路が形成で
き同様の効果が得られ、更に圧縮領域のインク確保能力
によって一層インク残量を減少できる。
【0066】本実施例のインクジェットプリンタは、上
記カートリッジ1を装着したことに応じて、自動的或は
手動的にカートリッジ内からのインク排出をヘッドを介
して吸引手段による吸引或は吐出によって実行するヘッ
ド回復手段HRを有している。これにより負圧発生体内
のインク状態をプリント前に修正できるので、カートリ
ッジの放置状態に左右されずに、カートリッジ本来の上
記機能を利用することができる。
【0067】図16で、走査型のキャリッジCRに保持
されたインクジェットヘッドHBに対して装着されるタ
ンク1は、先に説明した図16のカートリッジ1のシー
ルテープを除いたものである。キャリッジ上に装着され
たタンク1はヘッドのインク供給管が上記開口部2を通
って、負圧発生部材3の圧縮可能領域3Bを圧縮変形さ
せる。本例では、負圧発生部材3を微小連通部8側へ変
形させる。この時、タンクの着脱検知手段(機械的又は
電気的な公知の検知手段によって代用されるので不図示
とした)によって装着信号LPがプリンタ制御手段CC
に入力される。これに応じて、記録開始前にヘッド回復
手段HRが作動してタンク1内のインクを排出して、タ
ンク内インクの状態を改善する。
【0068】図17(A)は、図16のインクジェット
カートリッジのインク収納室の内面を変更し、その容量
分だけ上方に凸の空間形状22としたものである。この
内面20は、微小連通口8から遠ざかる程上昇している
曲面となっている。内面20の構造は、インクの表面張
力による微小残滴も負圧発生部材3側へ供給すると共
に、上方に突出した部分21が操作者にとっての挟持部
になり、操作時に生じるタンクの変形を防止する。図1
7(B)は、同等の容量タンクを、インク収納室が大で
負圧発生部3収納室側を小にするための仕切り壁51の
斜め配置を示す。
【0069】図17(C)は、先の製造方法で示した、
仕切り壁5に対して間隙8を形成する蓋部材11を、カ
ートリッジ本体の側板101,100の間に挿入して固
定する例である。SEは蓋部材11の端部を示してい
る。この図17(C)の場合、接着固定にバラツキが生
じると、間隙8の距離SPは一定化しない。そのため、
図17(D)のように、仕切り壁の端部SEに接するス
ペーサ110を両側に位置させることも好ましい。スペ
ーサ110は、蓋部材11に設けることが良い。さら
に、間隙8の距離SP内に位置する凸部30を蓋部材に
設けることで、インク収納部内への空気の回収性を高め
るようにしても良い。
【0070】図18(A),(B)は、それぞれ本発明
実施例のプリント或いはインク供給状態の可能な状態傾
斜範囲を示すもので、図中の40は水平面を示してい
る。本発明にとってより好ましい状態は、微小連通部が
下方側に位置していることで、理想的には水平面40に
対してカートリッジ下面で平行となることが良い。しか
し、実用上は、本例の如く、2室構成の場合、(A),
(B)の図の如き角度θは夫々0≦θ≦15度の範囲ま
で使用上の不都合がない。走査型キャリッジ上に載置し
て移動させる場合は0≦θ≦5度の範囲が好ましい。
【0071】上述した本発明の実施例の負圧発生部材
は、複数の部材構成でも良いが、互いの間の界面(部材
間界面)が生じると大気の移動がそこに生じるため不都
合が生じ易い場合があるので、より好ましくは、負圧発
生部材は単一の多孔室体であることが良い。
【0072】又、インク収容室は、相対的に負圧発生部
材収納室よりもインクを多量に含むものであれば、実質
的にインクを収納する室として含めることもできる。
【0073】ここで、先の実施例でも開示されているイ
ンク収納室内の仕切り板61について説明すると共に、
ユーザーが手で握ったときの荷重や、物流中の環境条件
でカートリッジの外壁面が変形して、インクジェット記
録ヘッドのオリフィスからインクが漏れたり、カートリ
ッジの一部に設けられているカートリッジ内の圧力を大
気と同じにする大気連通口からインクが漏れるといった
問題を解決できる実施例について説明する。
【0074】以下の例は、上記各種のインクタンクタン
ク形態における技術課題を解消するためになされたもの
で、ハンドリング時や搬送中の外力、そして温度や気圧
等環境変化によるインク漏れが発生することはなく、し
かもインク使用効率の高いインクジェット記録用インク
カートリッジである。
【0075】図19(A)は、側壁面を省いて示した一
実施例の斜視断面図、図19(B)は同実施例の横断面
図、図20は同実施例のインク供給動作の説明図、図2
1は同実施例の側壁に荷重が掛かったときの側壁の歪み
を説明する断面図である。
【0076】図19(A),(B)に示すように、イン
クカートリッジ本体1は、インクジェット記録ヘッドと
連結するための開口部2および開口部2より上方に設け
た大気を取り入れる大気連通部10を有し記録用のイン
クを吸収保持する負圧発生部材3を収容した負圧発生部
材収容部4と、負圧発生部材収容部4にリブ5を介して
隣接しインクを収容するインク収容部6とからなってい
る。なおインク収容部6と負圧発生部材収容部4とはリ
ブ5と底面の間に設けた隙間部8で連通し、インク収容
部6には仕切り板61が前記隙間8以上の隙間を下部に
残して両側に側壁を連結している。
【0077】図20(a)は、インクジェット記録ヘッ
ドへインクを供給するジョイント部材7を実施例のイン
クカートリッジ本体1の開口部2に挿入して負圧発生部
材3に圧接し、インクジェット記録装置が稼動可能にな
った状態を示す模式断面図である。なおジョイント部材
7の端部開口部にはインクカートリッジ内のゴミを排除
するためにフィルターが設置されていることもある。
【0078】インクジェット記録装置が稼動するとイン
クジェット記録ヘッドのオリフィスからインクが吐出さ
れ、インクタンクにインク吸引力が発生する。インク9
はこの吸引力によりインク収容部6からリブ5の端部と
インクカートリッジ底部11との隙間部8を通り負圧発
生部材収容部4へ、そして負圧発生部材3を通ってジョ
イント部材7内に引き込まれインクジェット記録ヘッド
へ供給される。これにより隙間部8以外は密閉している
インク収容部6の内部の圧力が低下し、インク収容部6
と負圧発生部材収容部4との間に圧力差を生ずる。記録
が継続すると、その圧力差は上昇を続けるが、負圧発生
部材収容部4は大気連通孔10により大気に開放されて
いるため、図20(b)に示すように空気は負圧発生部
材3を通ってリブ5とインクカートリッジ底部11との
隙間部8からインク収容部6に入る。この時点で、イン
ク収容部6と負圧発生部材収容部4との間の圧力差が解
消される。インクジェット記録中はこの動作が繰り返さ
れ、ある一定の負圧がインクカートリッジ内に得られ
る。また、インク収容部6内のインクは、インク収容部
6内の壁面に付着するインク以外は、ほぼ全て使用でき
るためインク使用効率が向上する(図20(c))。
【0079】非記録時は、負圧発生部材3自身の毛細管
力(あるいはインク−負圧発生部材界面でのメニスカス
力)などが発揮され、インクジェット記録ヘッドからイ
ンクが漏れることを抑制する。
【0080】上記の機能から、ジョイントするインクジ
ェット記録ヘッドに応じた負圧発生部材3の選択および
負圧発生部材収容部4とインク収容部6の容積割合によ
り、他の実施例として図22の断面図に示すように、イ
ンク収容部6に複数の仕切板61を備えた構成とするこ
ともできる。
【0081】以下、側壁の強度向上対策として効果があ
る構成について説明する。
【0082】インクカートリッジにおいて、ハンドリン
ク時の外力や、物流中の環境変化に耐え、そしてインク
の使用効率を高めた構造を採ることが重要である。
【0083】実施例では、負圧発生部材収容部4および
インク収容部6の各側壁12a,12b,12cの外力
に対する変位量を同等にするように構成してある。
【0084】例えば、カートリッジ材質は通常プラスチ
ックモールドであるが、図19(B)および図21に示
すように、負圧発生部材収容部4の側壁面12aの厚さ
をインク収容部6の側壁面12b,12cの厚さよりも
厚くするとともに、インク収容部6の容積を等分割する
ような位置に、下部に隙間を残して両側壁内面間に前記
仕切板(リブ)61を配設し、単位面積当たり同等な荷
重に対する壁面の変形量Δt6を小さくし、しかも61
の両側の側壁面12b,12cの変化が同等となるよう
にする。また、負圧発生部材収容部4の変形量Δt4と
もほぼ同等にすることによって壁面に変形によるインク
の漏れを防止する目的が達成される。
【0085】図19(B),図21に示す実施例のイン
クカートリッジにおいて、材質はポリプロピレン(P
P)、外径寸法は長さ48m/m×高さ35m×厚さ1
1m/mの場合、長さ48m/mのほぼ中央で、負圧発
生部材収容部4の側壁面12aの熱さを1.5mm、イン
ク収容部6の側壁面12b,12cの熱さを1mm、イン
ク収容部6のリブ61を各壁面より約10mmの位置に配
設することにより、ハンドリング時の荷重(約2Kg)に
対して、2倍以上のマージンを確保した構造を得ること
ができた。また、同時に、物流中の気圧変化や、温度変
化に対しても、十分な強度を得ることが可能となった。
【0086】上記実施例では、タンクのサイズの関係か
らインク収容部6のリブ61は、1カ所であるが、1カ
所に限定するものでなく、インクカートリッジのサイズ
に合わせ、図22に示すようにリブ61を2カ所に設け
る等、リブの本数,位置,壁面の厚さを変えることによ
って対応することができる。
【0087】図24は、負圧発生部材収容部4の壁面厚
さと、インク収容部6の壁面厚さを決定するために調査
した各壁面の厚さと、ハンドリング及び物流環境でのイ
ンク漏れの関係を示すデータである。
【0088】各壁面とも厚さを増せば、インクもれに対
し強度は増すが、目的である小型化と高いインク使用効
率を満足するためには、少しでも壁を薄くして、その分
だけ内容積を増やす必要があり、図24に示すデータか
ら、負圧発生部材収容部4の側壁面厚さ1.5mm、イン
ク収容部6の側壁厚さ1.0mmを採用した。
【0089】インクカートリッジの大きさにより、上記
寸法は図24を参照して決定でき、負圧発生部材収容部
4の外壁肉厚をインク収容部6の外壁肉圧の1.2倍な
いし3倍の範囲内で構成することが好ましい。
【0090】本発明は、上述したように、インクジェッ
ト用インクカートリッジとして、従来にはない逆転の発
想から、合理的且つ効果的なカートリッジをインクジェ
ットプリントの分野に提供することができたもので、単
色はもとより、複数のカラーインクを必要とするカラー
プリンタ自体の小型化を実現可能にする利点は注目すべ
きものがある。さらに、インクカートリッジの交換期間
を長くすることができ、操作性にも優れたものである。
【0091】図37は、交換インクタンクと記録ヘッド
とを十分に結合させた上で交換インクタンクを付勢する
ことで、キャリッジと記録ヘッドと位置決めを簡単な構
成で確実に行うとともに、記録ヘッドと交換インクタン
クとを本体外で簡単に結合した上でキャリッジに装着す
るようにしたので交換操作を容易にすることかできるも
のを挙げた。また、キャリッジ(記録装置置本体)と記
録ヘッドとの電気的接続も同時に行うように構成したの
で、記録ヘッド・交換インクタンクの交換時の操作性も
良好であるが、電気的接続を別途コネクタ接続方式など
にして、記録ヘッドの位置決めと交換インクタンクとの
結合をより確実なものとするための構成自由度を高くす
るのも良い。
【0092】ここで、図37におけるインクジェット記
録装置における記録ヘッドの配置及び動作を説明する。
図37で、記録媒体Pをプランテンローラ5000を用
いて水平方向に案内し、紙押さえ板5002でキャリッ
ジ移動方向にわたってプランテン5000に対して押圧
する。キャリッジHCは、キャリッジ移動ピンをそのら
せん溝5004にはめ込んで、それ自身が回転すること
で駆動源として動作するリードスクリュー5005とリ
ードスクリューに平行に配置されたスライダ5003と
に支持係合されてプランテンローラ5000上に案内さ
れた記録媒体Pの記録面に沿って前後に往復動する。リ
ードスクリュー5005は駆動伝達ギアを介して駆動モ
ータの正逆回転に連動して回転駆動制御される。
【0093】画像記録信号は、記録ヘッドを搭載するキ
ャリッジの移動にタイミングを計って記録ヘッドに送ら
れ、所定の位置でインク滴を吐出させて記録を行う。
【0094】本発明のインクタンク及びインクは、特
に、図37に示すように、縦置き印字姿勢において特に
有効である。縦置き印字姿勢では記録ヘッド2010の
下面に記録媒体Pを対向させて記録走査を行うように構
成されており、プラテンローラ5000に巻きつけずに
記録媒体Pをほぼ同一平面内にで給紙・印字・排紙を行
うことが可能であるのではがきやOHP用紙などの厚手
の剛性の高い記録媒体にも印字することができる。縦置
き印字姿勢では記録媒体Pに対向する記録ヘッド201
0の吐出部よりも交換インクタンク2001の方が上部
に配置されるので、その分のインクの水頭圧を支えたう
えで吐出部におけるインク内圧を若干の正圧、好ましく
は若干の負圧に維持して吐出部のインクのメニスカスを
安定化することが必要となる。
【0095】尚、図37の記録装置は下述する各実施例
において適用できるものである。
【0096】図25は、本発明の他の実施例のインクジ
ェット用インクカートリッジ本体の縦断面図、図26は
同横断面図、図23はリブの表面を示す断面図である。
【0097】インクジェット用インクカートリッジ本体
1001には、インク収容部1006と負圧発生部材収
容部1004との隔壁であるリブ1005の一部に大気
導入溝1031と負圧発生部材調整室1032とが形成
してある。
【0098】大気導入溝1031は、リブ1005の中
間部分からリブ1005の端部、即ちインクカートリッ
ジ底部1011との間隙部1008まで、負圧発生部材
収容部1004側に形成されている。そしてリブ100
5の大気導入溝1031の近辺に接する負圧発生部材1
003との間に、えぐられたような形状の負圧発生部材
調整室1032が形成されている。
【0099】負圧発生部材1003は負圧発生部材収容
部1004の内面に当接されることから、例えば負圧発
生部材1003が不均一に挿入されていたとしても図2
5及び図26に示すように、負圧発生部材1003の当
接(圧縮)力が部分的に緩和されることになる。このた
め、ヘッドからインクを消費し始めると、負圧発生部材
1003に含浸されているインクが消費され負圧発生部
材調整室1032まで達する。その後もインクが消費し
続けると負圧発生部材調整室1032により負圧発生部
材1003の当接力が緩和されている部分から大気がイ
ンクメニスカスを破りやすくなっており、速やかに大気
導入溝1031に大気が導入され負圧のコントロールが
容易になる。
【0100】本実施例は、特に負圧発生部材1003と
して弾性のある多孔質体を使用することが望ましい。
【0101】非記録時は、負圧発生部材1003自身の
毛細管力(あるいはインク−負圧発生部材海面でのメニ
スカス力)などが発揮され、インクジェット記録ヘッド
からインクが漏れることを抑制する。
【0102】比較例として負圧発生部材調整室がないイ
ンクカートリッジの一例を図33〜図35に示す。
【0103】図示の比較例のインクカートリッジの構成
であっても前記の動作原理に基づき、理想的な状態であ
れば何ら問題なく動作する。説明するまでもなく大気導
入溝がない場合よりも安定した動作をする。
【0104】しかしながら、工業的により安定した動作
を実現するために、あるいは負圧発生部材として連通孔
を有する樹脂多孔質体を使用する場合にはより安定した
制御が必要となる。
【0105】図36の拡大断面図に示すように、負圧発
生部材1003がリブ1005に当接して大気導入溝1
031に食い込む状態となる。これにより当接部Aでは
負圧発生部材1003の圧接力(圧縮力)が緩和され
ず、大気がその部分のインクメニスカスを破って大気導
入溝1031に入りずらくなる。このことによりインク
が消費され続けても気液交換が行われず、大気導入溝1
031の効果が発揮できず、インク吸収部1006のイ
ンクが使われることなく動作不能となる懸念がある。
【0106】比較例と異なり、実施例は前記説明の通
り、優れた効果を発揮する構成となっている。
【0107】図28は他の実施例に備えたリブ1005
の異なる断面形状2種類を示す縦断面図であり、図25
はリブの断面形状を示す拡大横断面図である。
【0108】図示のように大気導入溝1031と負圧発
生部材調整室1032の形状が、前記第8実施例と異な
っている。
【0109】即ち、負圧発生部材1003に当接するリ
ブ1005の段差部分を、より圧接・圧縮緩和の効果が
発揮できるように面取りR付けが実施してある。
【0110】この面取りR付けが施された負圧発生部材
収納部1004側のリブ1005の近傍において空気が
負圧発生部材1003に含浸されているインク中に取り
込まれる。そして取り込まれた空気はインク収容部10
06へ移動する。この空気の移動に伴ってインク収容部
1006のインクは負圧発生部材収容部1004へ供給
される。そして空気が負圧発生部材1003に含浸され
ているインクに取り込まれる領域が気液交換領域とな
る。
【0111】上述した気液交換をよりスムーズに行うた
めには気液交換領域上側より気液交換領域下側において
負圧発生部材収容部1004に対する負圧発生部材10
03の当接力を緩和することが好ましい。これは当接力
が緩和される負圧発生部材1003の毛細管内を空気が
よりスムーズに気相からインク相へ移動できるからであ
る。
【0112】例えば図30〜図32に示すようなリブ1
005の中央部(大気導入溝の端部)に部分的な負圧発
生部材調整室1032を形成する構成によって効果発揮
することも可能である。
【0113】なお、実施例の負圧発生部材調整室103
2と同等の機能を持たせるために、負圧発生部材100
3の形状を変えて対応することも可能であり、上記要件
を満たしていればいかなる形状,寸法であってもよい。
【0114】以上説明してきたように、本発明では、イ
ンク供給時にインク収容部中のインクと大気とが、安定
かつ、すみやかに気液交換されることが可能となり、そ
の結果、インク供給部における内圧を安定して制御する
ことが可能となり、記録ヘッドにおける吐出安定性の良
い、しかも、高速印字が可能となった。
【0115】また、外部環境の変化に対する、インクタ
ンク内の圧力変化に対しても、インク漏れが発生するこ
とのない、インクタンクを提供することが可能となっ
た。
【0116】他の本実施例のインクタンク2001は、
内面を2つのインク室(a,b)に仕切るとともに底部
で連通させ、インク供給部のインク室aに毛細管力を調
整したインク吸収体2002をほぼ隙間なく詰め込むと
ともに大気連通部2003を設けた吸収体併用区分イン
ク室方式である。
【0117】図38は圧縮吸収体のバッファ吸収体とし
ての機能を説明するもので、図14の状態から大気圧の
減圧ないしは気温の上昇などによるインク室b2006
内の空気の膨張などでインク室b2006のインクがイ
ンク室a2004の方へ流出した様子を示している。本
実施例ではインク室a2004に流出したインクは圧縮
吸収体2003で保持されるようにしている。圧縮吸収
体のインク吸収量とインク室との関係については、前述
の減圧ないしは温度変化時のインクの漏れを防止すると
いう観点から、インク室b2006からの最悪条件下で
のインク流出量と、インク室b2006からのインク供
給時にインク室a2004に保持させるインク量とを考
慮してインク室a2004の最大インク吸収量を決め、
少なくともその分の圧縮吸収体を収納するだけの容積を
インク室aに持たせれば良い。
【0118】逆に、大気圧が上昇すると、インク室b2
006の上部のインク水頭圧分だけ元々減圧されている
空気と上昇した大気圧との差が大きくなり過ぎるのでイ
ンクないしは大気をインク室b2006に引き込んで所
定の圧力差に戻ろうとするが、そうした場合には、イン
ク室b2006からのインク供給時と同様に、インク室
壁2005下端部近傍の圧縮インク吸収体2003のメ
ニスカスが破断して主に空気がインク室b2006に導
入されて圧力平衡となるので、インク供給部のインク内
圧はほとんど変化せず、記録特性に対する影響はほとん
どない。上記の例で大気圧が元に戻った場合はインク室
b2006に導入された空気の分だけインク室b200
6からインク室a2004にインクが流出するので、前
記例と同様にインク室a2004のインク量が一時的に
増加して気液界面が上昇するので、使用初期と同様にイ
ンク内圧の安定期より一時的にやや正側の内圧になるが
記録ヘッドの吐出特性への影響は小さく実使用上の問題
はない。上記の問題は、例えば高地の減圧下で使用され
ていた記録装置を標準大気圧の低地に移動して使用する
場合などに生ずるが、その場合でもインク室b2006
への空気導入が生ずるだけで、また、再び高地へ移動し
て使用する際にややインク供給部のインク内圧が若干上
昇するだけであり、さらに、標準大気圧よりも著しく高
い状態での使用はあまり考えられないので、上述のごと
く実使用上大きな問題とはならない。
【0119】また、インクタンク使用初期から交換直前
まで、インク室a2004の圧縮インク吸収体2003
によってインク室a2004内のインクは確実に保持さ
れており、また、インク室b2006は閉塞されている
ので開口部(大気連通部及びインク供給部)からのイン
クの漏出はなく、取り扱い性に優れる。
【0120】次に、本実施例の吸収体併用区分インク室
方式における圧縮インク吸収体及びインク室構成の必要
条件について詳細に説明する。
【0121】まずインク室の構成としては、圧縮インク
吸収体2003のインク吸収容量とインク室の容積との
関係については、前述の減圧時ないしは温度変化時のイ
ンクの漏出を防止するという観点から、インク室b20
06からの最悪条件下でのインク漏出量とインク室b2
006からのインク供給時にインク室a2004に保持
させるインク量とを考慮してインク室a2004の最大
インク吸収容量を決めて、圧縮インク吸収体2003の
インク吸収率を考慮して少なくともその分の圧縮インク
吸収体2003を収納するだけの容積をインク室a20
04に持たせれば良い。
【0122】次にインク室壁2005下端部に形成され
るインク室間の連通部の大きさは、上部が閉塞されてい
るインク室b2006内のインクが連通部でメニスカス
を形成できない程度の大きさ以上であることが第1条件
であり、さらにインク供給部からの最大インク供給速度
(記録装置本体での吸引時やベタ印字時のインク供給速
度)に応じて、インクの粘度などの特性を考慮して円滑
な気液交換がなされるだけの開口を持たせれば良い。た
だし、前述のごとくインク室b2006の残余インクの
インク上面がインク室壁2005下端部よりも下がった
場合は、インク供給部のインク内圧がその分一時的に正
方向に変化するので、その際の記録ヘッドのインク吐出
特性への影響が少なくなるように設定すれば良い。
【0123】インクタンクの動作説明で述べたように、
本吸収体併用区分インク室方式では、インク室壁近傍の
圧縮インク吸収体2003でインク供給部のインク内圧
を保持しているので、インク室b2006からのインク
供給時に所望の内圧を維持するためには、インク室壁2
005下端部近傍の圧縮インク吸収体2003の毛細管
力の調整が必要である。すなわち、インク室壁2005
下端部近傍の圧縮インク吸収体2003の毛細管力は記
録時に必要なインク内圧を発生できるように圧縮率ない
しは初期ポアサイズを設定すれば良い。例えば、インク
供給部で必要とされるインク内圧がマイナスh(mma
q)、インク室壁2005下端部近傍の圧縮インク吸収
体2003はインクhmm引き上げられる毛細管力を有
していれば良く、圧縮インク吸収体2003の構成を簡
略化して考えれば、インクの密度をρ、インクの表面張
力をγ、インク吸収体とインクの接触角をθ、重力加速
度をgとすれば、圧縮インク吸収体2003の細孔部半
径P1は、 P1=2γcosθ/ρgh であれば良い。
【0124】インク室b2006からインクを供給して
いる間、インク室a2004内でのインクの気液界面が
インク供給部で、インク供給部の上端よりも低くなると
記録ヘッド側へ大気が供給されるので、インク供給部近
傍の気液界面は少なくともインク供給部上端よりも高い
位置に維持されていなければならない。すなわち、イン
ク供給部上部の圧縮インク吸収体2003は、インク供
給部で必要とされるインク内圧に相当するhmmに加え
てインクタンク下面からインク供給部上端よりも高い気
液界面設定位置(imm)の高さ、すなわち、(h+
i)mmの高さまでインクを引き上げる毛細管力を持た
せれば良い。上記と同様に圧縮インク吸収体の構成を簡
略化して考えられは、インク供給部上部の圧縮インク吸
収体の細孔部半径P2は、 P2=2γcosθ/ρg(h+i) であれば良い。上式でインク供給部直上の気液界面の高
さ(imm)はインク供給部上端よりも高い位置であれ
ば良く、インク室a2004の更に内側の圧縮インク吸
収体2003ではインク室壁に向かって徐々に低く気液
界面が設定されるように、インクの引き上げ力(毛細管
力)を徐々に小さく(同一の吸収体であれば、細孔部半
径P3を徐々に大きく)するか(図39)、インク室壁
2005近傍のみで圧縮インク吸収体2003の毛細管
力を小さくして(図40)、インク室壁2005下端部
の毛細管力(同一の吸収体であればP1)につなげれば
良い。
【0125】インク室b2006からの安定したインク
供給がなされている場合の圧縮インク吸収体2003内
の気液界面より下側になる部分の圧縮インク吸収体20
03の毛細管力は、インクタンクに衝撃や傾斜、あるい
は急激な温度変化など特別な外力が作用しなければどの
ように毛細管力が調整されていても良いが、そうした外
力やインク室b2006のインクがすべて消費された後
もインク室a2004の残余インクを供給するために
は、インク室壁2005下端部の毛細管力(細孔部半径
P1)よりもインク供給部に向かって徐々に毛細管力を
大きく(細孔部半径P4)なるように設定し、インク供
給部の毛細管力を最も大きく(細孔部半径P5)すれば
良い(図41)。すなわち、毛細管力の調整は、少なく
とも (インク室壁下端部)<(インク供給部直上部) であれば良く、更に好ましくは、 (インク室壁下端部)<(インク室中間下部)<(イン
ク室中間上部)<(インク供給部直上部)<(インク供
給部) であれば良い。
【0126】また、同一の圧縮インク吸収体2003を
用いて簡略化して考えると細孔部半径は少なくとも、 P1>P2 であれば良く、更に好ましくは、 P1>(P3,P4)>(P2,P5) であれば良い。P3とP4、P2とP5の関係は圧縮率
の分布設定に応じてP3>P4、ないしはP2>P5と
しても、また、P3=P4、P2=P5としても良い。
【0127】図39〜図41に、上述の関係を同一の圧
縮インク吸収体2003で圧縮率の調整により実現する
ための例として、本実施例で好ましい圧縮率分布を示
す。A351 ,A361 ,A371 は気液界面を示し、矢印A
352 ,A362 ,A372 は圧縮インク吸収体の圧縮率が小
さい方から大きい方へ変化している様子を示す。
【0128】比較例3として、インク供給部側の圧縮イ
ンク吸収体2003の毛細管力をインク室壁近傍よりも
強くしない場合には、インク室a2004からインクを
ある程度消費させた状態では、インク室壁2005下端
部近傍に気液界面A381 が形成され、インク室a200
4とインク室b2006との連通部が気相側に位置す
る。この場合、インク室b2006のインクを供給でき
ず、大気連通部2013から導入された大気A382 が直
接インク供給部から記録ヘッドへ供給されてしまい、そ
の時点でインクタンクは使用不能となる。
【0129】次に本発明者らは上述した各実施例のイン
クタンクに対して好ましく用いられるインクに求められ
る物性について検討した。
【0130】好ましいインクとは負圧発生部材中におけ
る界面A351 がインクタンクの振動に対しても安定であ
り、また環境変化に対して気液界面が安定な挙動を示し
ことが望ましい。
【0131】以下に上述した各実施例のインクタンクに
好ましく用いられるインクについて説明する。
【0132】インクの基本構成としては、少なくとも水
と着色剤と水溶性有機溶剤とからなる。
【0133】水溶性有機溶剤としては水との相溶性が高
く低揮発性、低粘度のもので人体に対する安全性の高い
ものが望ましいが極少量で用いるのであればこの限りで
はない。以下具体的に例示する。ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等の
ケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、プチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコール等のアルキレングリコール類、エチレン
グリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエ
ーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、
エタノール、イソプロピルアルコール等の1価アルコー
ル類、その他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエ
タノールアミン、スルホラン、ジメチルスルフォキサイ
ド、シクロヘキサノール等が用いられる、該水溶性有機
溶剤の含有量について、特に制限はないが1〜80重量
%が好ましい範囲である。本発明に用いられる着色剤と
しては染料,顔料いずれでも良い。染料としては水溶性
の酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料等が好
ましく用いられる。該染料の含有量について特に制限は
ないがインク全量に対して0.1重量%〜20重量%の
範囲が好ましい。
【0134】更に表面張力調製剤として界面活性剤を含
むことが望ましい。該界面活性剤としては脂肪酸塩類、
高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩類、高級アルコールリン酸エステル塩等のアニ
オン界面活性剤、脂肪族アミン塩類、第4級アンモニウ
ム塩類等のカチオン界面活性剤、高級アルコールエチレ
ンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキ
サイド付加物、脂肪族エチレンオキサイド付加物、多価
アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、
高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸
アミドエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリ
コールエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの脂
肪酸エステル、アルカノールアミンの脂肪酸アミド類等
の非イオン性界面活性剤、アミノ酸型、ベタイン型両性
界面活性剤等が用いられる。
【0135】より好ましくは、アセチレングリコールの
エチレンオキサイド付加物が用いられる。
【0136】更に、前記エチレンオキサイド付加物の付
加モル数は4〜20の範囲が特に好ましい。
【0137】界面活性剤の添加量に特に制限はないが、
0.01〜10重量%の範囲が好ましい。表面張力をコ
ントロールする手段としては前記した水溶性有機溶媒で
も行えることはいうまでもない。
【0138】その他必要に応じて、粘度調整剤、PH調
整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を配合しても構わ
ない。
【0139】インクの粘度として1〜20cpが好まし
く用いられる。インクの表面張力は20dyne/cm
〜55dyne/cmでなければならず、より好ましく
は25dyne/cm〜50dyne/cmである。イ
ンクの表面張力がこの範囲にある場合には、ヘッドオリ
フィス部のメニスカスが破れ非印字時にヘッドオリフィ
ス部からインクがあふれるといった現象は生じない。
【0140】また、インクのインクカートリッジへの充
填量は、インクカートリッジ内容積を限度として任意で
あるが、インクカートリッジ開封直後の負圧を維持する
ためにインク収容部への容積限度まで充填してもよい
が、負圧発生部材へのインク充填量は負圧発生部材のイ
ンク保持力の限界以下で設定することが好ましい。尚、
本発明でいうインク保持力とは、負圧発生部材にインク
を含浸させた際の部材単位でインクを保持できる能力を
さすものである。
【0141】次に本実施例の試料及び比較用試料を説明
する。
【0142】水と水溶性有機溶剤の混合物に染料を攪拌
しながら混合し、4時間攪拌した後界面活性剤を所定量
加えフィルターに漉過し塵を取り除いた。
【0143】その後、図11に示されるインクカートリ
ッジにそれぞれのインクを充填し図12に示した装置を
用いて記録を行った。
【0144】以下に各インクの処方及び物性、記録結果
を示す。
【0145】
【表1】
【0146】
【表2】
【0147】次に代表的な水溶性有機溶剤の20〜30
℃の表面張力を示す。
【0148】エタノール(22dyne/cm),イソ
プロパノール(22dyne/cm),シクロヘキサノ
ール(34dyne/cm),グリセリン(63dyn
e/cm),ジエチレングリコール(49dyne/c
m),ジエチレングリコールモノメチルエーテル(35
dyne/cm),トリエチレングリコール(35dy
ne/cm),2−ピロリドン(47dyne/c
m),N−メチルピロリドン(41dyne/cm) これらの溶剤と水を混合して所望の表面張力を得る。
【0149】次に界面活性剤を用いてインクの表面張力
をコントロールする方法を説明する。
【0150】例えば、ソルビタンモノラウリン酸エステ
ルでは水に対して1%の添加で28dyne/cmが得
られ、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エ
ステルでは水に対して1%の添加で35dyne/cm
が得られる。またアセチレノールEH(アセチレングリ
コールのEO付加物)では1%以上の添加で28dyn
e/cmが得られる。更に低表面張力が必要な場合には
フッソ系界面活性剤例えばサーフロンS−145(旭ガ
ラス社製 パーフロロアルキルEO付加物)では水に対
して0.1%で17dyne/cmが得られる。但しそ
の他の添加物により多少表面張力は変化するので適宜調
整する。
【0151】更に上述説明したように最大漏出インク量
を考慮してインクバッファの設計を行えば良いと考えら
れるが、このインクバッファの効果はその容量だけでな
くインクの界面における表面張力に大きく左右されるこ
とが鋭意検討の結果得られた。
【0152】インクジェット記録装置用のインクの中に
は、界面活性剤を添加したものが提案されている。この
種のインクはコピー紙やボンド紙といった普通紙に対し
ても非常に定着が速く、カラー記録では異なる色のイン
ク記録領域が隣接した場合にでも不当な色の混じり合い
(境界にじみ又はブリード)がなく、均一な着色(色ム
ラが少ない)という特徴をもっている。その一組成例を
以下に示す。
【0153】
【表3】
【0154】この種のインクを用いた場合は図34に示
すように大気圧の減圧ないしは気温の上昇などによるイ
ンク室b2006内の空気の膨張などでインク室b20
06のインクがインク室a2004の方へ押し出された
時にはインク室a2004の吸収体2003にインクが
吸収されてインクカートリッジ外に漏れ出すということ
はなかった。
【0155】前述したように、インク室b2006から
インクが供給されている時のインク室a2004にある
インクの気液界面は、記録ヘッドの吐出部からの水頭圧
とインク室b2006内の減圧とその圧縮インク吸収体
の毛細管力とが釣りあった高さで維持されている。この
時のインク室a2004の気液界面の平均インク高さを
仮にHとすると、大気圧の減圧ないしは気温の上昇など
によるインク室b2006からのインクの流出があった
場合にはインク室a2004の気液界面のインクの高さ
はさらにh分高く吸収保持できなければならない。
【0156】本実施例における一例を示すと、インク室
内の全高さ3cmとし、インク室a2004およびb20
06の体積を6ccとした。インク室b2006の初期
は、6ccすべてインクで満たされている状態にし、イ
ンク室a2004には圧縮吸収体2003(ポリウレタ
ンフォーム)を内包させ、初期には4ccのインクを充
填させた(インク総量10cc)。吸収体の空隙率は9
5%以上であり、吸収体の空隙すべてにインクが充填さ
れるとするとインク室a2004には6cc近くのイン
クが充填可能である。先ずこのインクタンクにおいては
インク室a2004インクからの消費されはじめ、暫く
してインク室b2006のインクが消費されるようにな
り、インク室a2004の気液界面は記録ヘッドの吐出
部からの水頭圧とインク室b2006の減圧とその圧縮
インク吸収体の毛細管力とが釣りあった高さで維持され
る。この時の気液界面の高さは平均的に約1.5cmであ
ったため、ほぼ吸収体の空隙すべてにインクが充填され
ているとすればインク室a2004のインク量は約3c
cとなっていると考えられる。ここで大気圧の最大減圧
条件0.7気圧とした場合、インク室b2006の体積
の約30%である1.8ccが流出してくる場合がある
ため、インク室a2004では約3cc+1.8cc
(インク液面高さ約2.4cm)吸収保持できなければな
らない。また、最大減圧条件を0.5気圧とした場合
は、インク室b2006の体積の約50%である3cc
が流出してくる場合があるためインク室a2004では
約3cc+3cc(インク液面高さ約3cm)吸収保持で
きなければならない。即ち、インク室a2004は吸収
体自身の容積とインク室aに元々あるインク量とインク
室b2006から流出してくるインク量が最低でも充填
可能であることが必要である。したがって、インク室b
2006からのインク流出量の見積もりによってインク
室a2004の内容積は大きく変化する。
【0157】多孔質吸収体のインク保持高さHは、一般
に毛細管力の式で表されると考えられ、インクの表面張
力をγ,インクとインク吸収体との接触管をθ,インク
の密度をρ,重量加速度をg,インク吸収体の平均気孔
半径をrとすれば、 H=2γcosθ/ρgr となる。
【0158】これより、インク保持高さHを高くしてよ
り多くのインクが吸収保持できるようにするためには、
インクの表面張力を大きくするか、またはインクとイン
ク吸収体の接触角θを小さく(cos θを大きく)す
れば良いと考えられる。
【0159】インクとインク吸収体との接触角θを小さ
くするのは、インクが吸収体に非常に漏れ易くするとい
うことであり、一般に浸透剤として界面活性剤が使用さ
れる。
【0160】実施組成のインクの場合は、界面活性剤
が添加されているために表面張力は約30dyn/cmと
小さいが、吸収体とインクの漏れ性が良くなり浸透性が
非常に良くなったと考えられる。これにより表面張力よ
りもインクの漏れ性の方を良くする効果があるといえ
る。
【0161】浸透剤としてはエアロゾルOT型、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸エステ
ルナトリウムなどのアニオン系の界面活性剤や下記一般
式〔1〕で表される高級アルコールのエチレンエキサイ
ド付加物、下記一般式〔2〕で表されるアルキルフェネ
ールのエチレンオキサイド付加物、下記一般式〔3〕で
表されるエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共
重合体、下記一般式〔4〕で表されるアセチレングリコ
ールのエチレンオキサイド付加物などの非イオン性界面
活性剤が優れている。
【0162】但し、上記アニオン系の界面活性剤は起泡
力が大きくて取扱いが不便であるこや境界にじみ(ブリ
ード)や色の均一性やフェザリングなどの画像特性がア
ニオン系界面活性剤よりも非イオン性界面活性剤の方が
より良好であったため、本実施例においては下記一般式
に示したような非イオン性界面活性剤を用いた。
【0163】ここでnは一般式〔1〕,〔2〕において
は6〜14が好ましい、またRは炭素数が5〜26のも
のが好ましい。一般式〔3〕,〔4〕においてはm+n
は6〜14であることが望ましい。
【0164】
【化1】
【0165】
【化2】
【0166】
【化3】
【0167】
【化4】
【0168】これまであげたエチレンオキサイド型非イ
オン界面活性剤の中でもアセチレングリコールのエチレ
ンオキサイド付加物がインク吸収体への吸収性、記録媒
体上での画像特性、記録ヘッドからの吐出特性などにお
いて非常にバランスが良好であり、好ましい。さらにこ
の化合物は付加するエチレンエオキサイドの数m+nに
よって親水性および浸透性がコントロールされる。m+
nが6より小さい場合には、浸透性は良好であるが、水
溶性が乏しくなりインクへの溶解性が良くない。又、逆
にエチレンエオキサイドの付加数が多すぎると親水性が
大きくなりすぎて浸透力は小さくなる。m+nが14よ
り大きくなった場合は浸透性は低下し、添加量が多くな
るだけで効果的とは言えず、むしろ吐出特性に弊害をも
たらす。このようにこの化合物はエチレンオキサイドの
付加数が6〜14の間にあることが好ましい。
【0169】これらの非イオン性界面活性剤の添加量は
0.1〜20重量%であることが好ましい。0.1%以
下では画像特性および浸透性が十分ではなく、20%以
上ではもはやそれ以上の効果がでず、かえってコスト,
インクとして信頼性などに対して不利になってしまうた
めである。
【0170】又、これらの非イオン性界面活性剤はひと
つないしは複数組み合わせても良いものとする。
【0171】この他、インク成分には一般的に記録剤と
しての染料、目詰まり防止を目的とした多価アルコール
等の低揮発性有機溶剤や、発泡安定性・記録媒体上での
定着性を目的としたアルコール類等の有機溶剤が必要に
応じて添加される。
【0172】実施例のインクを形成する水溶性有機溶媒
としては、例えば、ポリエチレングルコール,ポリプロ
ピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;
エチレングリコール,プロピレングリコール,プチレン
グリコール,トリエチレングリコール,1・2・6 - ヘキサ
ントリオール,ヘキシレングリコール,ジエチレングリ
コール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むア
ルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコー
ルメチルエーテル,ジエチレングリコールメチル(また
はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチ
ル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級
アルキルエーテル類;メチルアルコール,エチルアルコ
ール,n−プロピルアルコール,イソプロピルアルコー
ル,n−プチルアルコール,sec-プチルアルコール,te
rt- プチルアルコール,イソプチルアルコール,ベンジ
ンアルコール,シクロヘキサノール等のアルコール類;
ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミ
ド類;アセトン,ジアセトンアルコール等のケトンまた
はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン,ジオキサ
ン等のエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン,2−
ピロリトン、1・3 −ジメチル−2−イミダゾリジノン等
の含窒素環状化合物等をあげることができる。これらの
水溶性有機溶剤は画像特性や吐出信頼性を悪化させない
量で含有することができる。好ましくは多価アルコール
類や多価アルコール類のアルキルエーテル類であり、そ
の含有量は、1〜30重量%であることが望ましい。
【0173】この時、本実施例で使用されるインク中の
純粋の量については50〜90%の間にあることが好ま
しい。
【0174】本実施例において使用する染料は直接染
料,酸性染料,塩基性染料,反応性染料,分散染料,建
染料等があげられる。これらの染料の含有量は液媒体成
分の種類、インクに要求される特性、記録ヘッドの吐出
量などに依存して決定されるが、一般的にはインクの全
重量に対して0.5〜15重量%、好ましくは1〜7重
量%の範囲とされる。
【0175】この他のチオジグリコールや尿素(または
その誘導体)をインク中に添加することにより吐出特性
や目づまり(固着)防止効果が飛躍的に向上することが
わかった。これらの添加により染料のインク中への溶解
性が良化するためと考える。チオジグリコールや尿素
(またはその誘導体)の含有量は好ましくは1〜30重
量%であり、必要に応じて添加することができる。
【0176】本実施例のインクの主成分はこれまでの通
りであるが、その他にポリビニルアルコール,セルロー
ス類,水溶性樹脂等の粘度調整剤;ジエタノールアミ
ン,トリエタノールアミン,緩衝液などのpH調整剤、
防カビ剤などを本発明の目的を妨げない範囲において必
要に応じて添加することができる。
【0177】又、インクを帯電させるタイプのインクジ
ェット記録装置に使用されるインクを調合するために
は、塩化リチウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム
等の無機塩などの比抵抗調整剤が添加される。
【0178】本発明は、特にインクジェット記録装置の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液的を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド記録装置にお
いて優れた効果をもたらすものである。
【0179】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや流路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくも一つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせ
て、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(イ
ンク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡
の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)
を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆
動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長、
収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0180】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第431324号明細書に記載されている条件を採用す
ると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0181】記録ヘッドの構成としては、前述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成としてもよい。
【0182】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
とすることもできる。
【0183】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0184】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0185】また、記録ヘッドに対しての回復手段、予
備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層
安定できるので好ましいものである。これらを具体的に
挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、加
圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別
の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱
手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うこ
とも安定した記録を行うために有効である。
【0186】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置とすることもで
きる。
【0187】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0188】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0189】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、前述のようなワードプロセッサやコンピュ
ータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または
別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複
写装置、さらに送受信機能を有するファクシミリ装置の
形態を取るものであってもよい。
【0190】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前提構成のカートリッジにインク充填細管を挿入するこ
とでインク充填が容易にでき、インク漏れを起こすこと
もない。しかも、装置はきわめて簡単なものですみ安価
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例のインクカートリッジにインク
充填細管を挿入した状態のインク再充填タンクの断面
図。
【図2】 図1実施例に排気細管をつけたもの。
【図3】 図1実施例に微細穴をつけたもの。
【図4】 (a),(b)各々は、従来例の説明図であ
る。
【図5】 本発明実施例のインク容器の一部を破断して
示した模式斜視図である。
【図6】 図5実施例の模式断面図である。
【図7】 (a),(b),(c)それぞれは、本発明
のカートリッジと供給管の結合例の説明図である。
【図8】 本発明のより好ましい条件を説明するための
比較例の説明図である。
【図9】 (a),(b),(c)それぞれは、本発明
のインク供給部の説明図である。
【図10】 (a),(b),(c)それぞれは、イン
ク供給部と微小連通部との位置関係を説明する説明図で
ある。
【図11】 (a)〜(f)各々は、微小連通部の構成
説明図である。
【図12】 (a)〜(h)各々は、仕切り壁の微小連
通部側端部の形状説明図である。
【図13】 (a)〜(f)各々は、仕切り壁近傍の吸
収体端部状態の説明図である。
【図14】 (a)〜(d)各々は、環境変化に対する
吸収体内部の状態説明図である。
【図15】 本発明に使用するインクカートリッジの製
造方法とインクジェットヘッドを説明するための概略図
である。
【図16】 本発明に使用するインクジェットカートリ
ッジとそれを用いたインクジェットプリンタの概略説明
図である。
【図17】 (A)〜(D)は、本発明に使用するイン
クカートリッジの要部変形例を説明する図である。
【図18】 (A)、(B)は、本発明に使用するイン
クカートリッジの使用状態の傾斜可能範囲を説明するた
めの断面図である。
【図19】 (A)、(B)は、本発明に使用するイン
クカートリッジの最適実施例の形状説明図である。
【図20】 (a)〜(c)は、各々本発明に使用する
インクカートリッジの記録状態における変化を順に示す
説明図である。
【図21】 本発明に使用するインクカートリッジの外
壁に対する圧力状態を説明する概念図である。
【図22】 本発明に使用するインクカートリッジの変
形例の断面図である。
【図23】 (A)、(B)は、本発明に使用するイン
クカートリッジのカラータンク構成を示す斜視図であ
る。
【図24】 本発明に使用するインクカートリッジの壁
面厚さと外圧変形に伴うインク漏れとの相関関係を示す
グラフである。
【図25】 更に他の実施例に使用するインクジェット
用インクカートリッジ本体の縦断面図である。
【図26】 図25のインクカートリッジ本体の縦断面
図である。
【図27】 図25のリブ表面を示すインクカートリッ
ジ本体の断面図である。
【図28】 他のリブ表面を示すインクカートリッジ本
体の断面図である。
【図29】 他のリブの断面形状を示す拡大横断面図で
ある。
【図30】 他の実施例の交換型インクカートリッジ本
体の縦断面図である。
【図31】 他の実施例の交換型インクカートリッジ本
体の横断面図である。
【図32】 他のリブ表面を示すインクカートリッジ本
体の断面図である。
【図33】 比較例のインクカートリッジ本体の縦断面
図である。
【図34】 比較例のインクカートリッジ本体の横断面
図である。
【図35】 比較例のリブ表面を示すインクカートリッ
ジ本体の断面図である。
【図36】 比較例のリブの断面形状を示す拡大横断面
図である。
【図37】 縦置き印字姿勢の説明図である。
【図38】 インク室aの圧縮インク吸収体の漏洩イン
クバッファ機能の説明図である。
【図39】 他の圧縮インク吸収体の圧縮率分布の例。
【図40】 図35の圧縮インク吸収体の圧縮率分布の
異なる例。
【図41】 図35の圧縮インク吸収体の圧縮分布の異
なる例。
【符号の説明】
2 インク供給口 3,1003 負圧発生部材 4,1004 第1収納室(負圧発生部材収容部) 10a 大気連通孔 21 インク再充填口 22 栓 1005 リブ 1006 第2収納室(インク収容部) 1008 隙間部 1013 大気連通部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫野 俊雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 但馬 裕基 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−197646(JP,A) 特開 平4−156339(JP,A) 特開 平6−40041(JP,A) 特開 平2−198866(JP,A) 特開 平5−16389(JP,A) 特開 昭58−163666(JP,A) 特開 平5−345422(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負圧発生部材を収納し大気と連通する大
    気連通部を備えた第一収納室と、該大気連通部から離れ
    た位置に設けられた微少連通部のみを介して該第一収納
    室に連通するが実質的に密閉状態で、第一収納室へ供給
    するインクを収納する第二収納室とを備えたインクジェ
    ットカートリッジに対して、上記第一収納室と第二収納
    室を区分する仕切り壁に対向する上記第一収納室の面に
    あるインク供給用の開口より細管を用いて第二収納室に
    直接インクを充填することを特徴とするインク再充填方
    法。
  2. 【請求項2】 上記細管が少なくとも2種類以上の系統
    を持つことを特徴とする請求項1記載のインク再充填方
    法。
  3. 【請求項3】 上記細管の開口が細管途中に少なくとも
    1つ以上あることを特徴とする請求項1記載のインク再
    充填方法。
  4. 【請求項4】 上記細管をインクカートリッジに挿入し
    た状態で、上記インク供給用の開口を塞ぐことができる
    蓋を有することを特徴とする請求項1記載のインク再充
    填方法。
  5. 【請求項5】 負圧発生部材を収納し大気と連通する大
    気連通部を備えた第一収納室と、該大気連通部から離れ
    た位置に設けられた微少連通部のみを介して該第一収納
    室に連通するが実質的に密閉状態で、第一収納室へ供給
    するインクを収納する第二収納室とを備えたインクジェ
    ットカートリッジに対して、上記第一収納室と第二収納
    室を区分する仕切り壁に対向する上記第一収納室の面に
    あるインク供給用の開口より第二収納室に直接インクを
    充填する細管を備えたことを特徴とするインク充填装
    置。
  6. 【請求項6】 上記細管が少なくとも2種類以上の系統
    を持つことを特徴とする請求項5記載のインク充填装
    置。
  7. 【請求項7】 上記細管の開口が細管途中に少なくとも
    1つ以上あることを特徴とする請求項5記載のインク充
    填装置。
  8. 【請求項8】 上記細管をインクカートリッジに挿入し
    た状態で、上記インク供給用の開口を塞ぐことができる
    蓋を有することを特徴とする請求項5記載のインク充填
    装置。
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