JP3108036B2 - 熱分解装置 - Google Patents

熱分解装置

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JP3108036B2
JP3108036B2 JP09155806A JP15580697A JP3108036B2 JP 3108036 B2 JP3108036 B2 JP 3108036B2 JP 09155806 A JP09155806 A JP 09155806A JP 15580697 A JP15580697 A JP 15580697A JP 3108036 B2 JP3108036 B2 JP 3108036B2
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正幸 小野
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九築工業株式会社
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/141Feedstock
    • Y02P20/143Feedstock the feedstock being recycled material, e.g. plastics

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  • Coke Industry (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀した後の籾
殻、オガクズ、木材チップ、芝生の刈り芝、熱分解可能
な高分子素材及び難燃性粒状有機廃棄物等からなる各種
原料チップを熱分解することができる熱分解装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上記した熱分解装置の一例として
図12に示す形態の炭化装置Bがある。図示するよう
に、炭化装置Bは、炭化装置本体80と、炭化装置本体
80の入口側に配設された原料サイロ81と、炭化装置
本体80の出口側に配設された製品サイロ82とから構
成される。また、炭化装置本体80は、バーナ83を具
備する加熱炉84と、加熱炉84内の燃焼室に貫通状態
に設けられる横長筒状の炭化処理炉85と、炭化処理炉
85内に回転自在に配設されるスクリュフィーダ86
と、炭化処理炉85の入口側に接続された原料供給ホッ
パー87と、炭化処理炉85の出口側に設けられた製品
取出口88とから構成される。さらに、炭化処理炉85
の下流側部分にはガス排出管89の一側が取付けられて
おり、ガス排出管89の他端は木酢液回収装置90に接
続されている。
【0003】かかる構成によって、原料サイロ81から
ベルトコンベア91及び原料供給ホッパー87を通して
炭化処理炉85内に原料を供給すると共に、原料をスク
リュフィーダ86によって炭化処理炉85内を入口側か
ら出口側に移送し、かつ、バーナ83を作動して加熱炉
84内の燃焼室で燃料を燃焼して炭化処理炉85内を移
送される原料を間接的に加熱して炭化を行い、炭化され
た後の製品は製品取出口88より取出すと共に、ベルト
コンベア92によって製品サイロ82中に送給されるこ
とになる。また、上記した炭化工程において生じた排ガ
スがガス排出管89を通して木酢液回収装置90に連通
連結されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した炭化
装置Bは、未だ、以下の解決すべき課題を有していた。
即ち、図12に示すように、原料は、ベルトコンベア9
1によって原料サイロ81から炭化処理炉85内にその
まま供給されていて、例えば、多量の水分を含む籾殻等
の原料を乾留して炭化するに際しては、十分な加熱を行
う必要がある。しかし、原料の適正加熱温度には限界が
あるので、いきおい、時間をかけて加熱する必要があ
り、そのため、炭化処理炉85の全長が長くなり、炭化
装置Bが大型化し、広い設置スペースを必要とする。
【0005】また、炭化処理炉85内に配設されている
スクリュフィーダ86は、両端が軸受93、94によっ
て支持される回転軸95に螺旋羽根96を取付けて構成
されているものであるため、移送能力は高いが攪拌が十
分に行われないので、完全に乾留するためには炭化処理
炉85の全長を長くする必要があり、この面からも、炭
化装置Bが大型化し、広い設置スペースを必要とするこ
とになっていた。さらに、多量の水分を含む籾殻等の原
料を乾留して炭化するに際しては、炭化後の排ガスは水
蒸気を多量に含むので低発熱量であり、燃料として用い
ることはできず、専ら、その用途は、木酢液としての使
用に限定されていた。本発明は、このような事情に鑑み
なされたものであり、熱分解処理炉における乾留を効果
的に行うことによって熱分解時間の短縮を図ることがで
きると共に、熱分解処理炉の全長を短くして熱分解装置
のコンパクト化も図ることができる熱分解装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の熱分解装置は、一側に原料供給口を有すると共に
他側に製品取出口を有する横長筒体からなる熱分解処理
炉と、該熱分解処理炉の前記原料供給口に連設され、前
記熱分解処理炉に供給される原料を予熱する原料予熱装
置とを具備し、前記熱分解処理炉内にリボンコンベアか
らなるフィーダが配設され、該フィーダが所定の正転時
間と該正転時間より短い逆転時間とからなるサイクルで
正逆回転を繰り返しながら駆動するように制御する制御
装置を有すると共に、前記熱分解処理炉がバーナを具備
する加熱炉の燃焼室内に配設され、前記熱分解処理炉の
前記製品取出口側にガス排出口が設けられ、該ガス排出
口がガス排出管を介して前記加熱炉のバーナの燃料ガス
供給口に連通連結されている。なお、熱分解処理炉は加
熱炉の燃焼室内に、単数、又は、複数個配列することが
できる。
【0007】請求項2記載の熱分解装置は、請求項1記
載の熱分解装置において、前記加熱炉に設けられたガス
取出口から排出される排ガスを、該ガス取出口に連通連
結されたガス再利用管を介して前記原料予熱装置に供給
し、前記原料を前記排ガスにより予熱する。
【0008】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。
【0009】図1に本発明の一実施の形態に係る熱分解
装置Aの全体構成を示す。図示するように、本実施の形
態は、熱分解装置Aが炭化装置の場合であり、熱分解装
置Aは、熱分解装置本体10と、熱分解装置本体10の
入口側に配設された原料予熱装置11と、熱分解装置本
体10の出口に配設された製品サイロ12とから構成さ
れる。ここに、熱分解装置本体10は、脱穀した後の籾
殻、オガクズ、木材チップ、芝生の刈り芝、熱分解可能
な高分子素材及び難燃性粒状有機廃棄物等からなる各種
原料チップ原料を乾留して製品を製造する装置であり、
原料予熱装置11は、熱分解装置本体10による乾留に
先立って原料を予熱・乾燥する装置であり、製品サイロ
12は、熱分解装置本体10によって製造された製品を
貯蔵するための装置である。
【0010】次に、上記した全体構成を有する熱分解装
置Aにおける各部の構成を、図2〜6を参照して、以
下、詳細に説明する。まず、図1及び図2を参照して、
熱分解装置本体10の構成について説明する。図2に示
すように、床面10a上には、大径の横長缶体からなる
加熱炉13が、前、後支持脚15、14によって支持さ
れた状態で設置されている。
【0011】加熱炉13の後壁(上流側の壁)16には
バーナ17が取付けられており、バーナ17からの燃焼
ガスによって加熱炉13の燃焼室18内を高温に加熱す
ることができる。また、加熱炉13の上部にはガス取出
口19が設けられており、このガス取出口19は、図1
に示すように、ガス再利用管20を介して後述する原料
予熱装置11の予熱ガス流入口53に連通連結されてい
る。なお、図1に示すように、ガス再利用管20の中途
にブースター21が取付けられている。
【0012】加熱炉13内には小径の横長筒体からなる
単一の外熱式の熱分解処理炉22が配設されており(な
お、後述するよう熱分解処理炉22は加熱炉13内に複
数個数設けることもできる)、熱分解処理炉22の前、
後端部23、24は、それぞれ、加熱炉13の前壁(下
流側の壁)25と後壁16を貫通して前、後方向に伸延
している。なお、熱分解処理炉22の前、後端は、それ
ぞれ前、後端壁26、27によって気密状態に閉塞され
ている。
【0013】熱分解処理炉22内には、図2、図5及び
図6に示すように、小径の円形断面を有する長尺のコイ
ルスプリングを多数回にわたって巻回することによって
形成されるリボンコンベア28からなるフィーダ29が
回転自在に配設されている。リボンコンベア28の後端
は後端壁27の中央部に回転自在に枢支される回転軸3
0に連動連結されており、回転軸30の後端はモータ3
1の出力軸に継ぎ手を介して連動連結されている。モー
タ31は図示しない制御装置によって駆動制御され、後
述するように、所定の正転時間と正転時間より短い逆転
時間とからなるサイクルで正逆回転を繰り返しながら駆
動される。
【0014】熱分解処理炉22の後端部24の上面と前
端部23の下面には、筒状の原料供給口32と、同様に
筒状の製品取出口33とが、それぞれ、取付けられてい
る。また、熱分解処理炉22の前端部23の上面には、
上方に向けて伸延する筒状のガス排出口33aが取付け
られており、ガス排出口33aの上端には、ガス排出管
34の一端とフレアスタック35とが、流路切替弁36
によって切替自在に連通連結されている。そして、ガス
排出管34の他端は、図1に示すように、加熱炉13の
バーナ17の燃料ガス供給口37に連通連結されてい
る。また、図1に示すように、ガス排出管34の中途に
は、コンデンサ38とブースター39とが取付けられて
おり、コンデンサ38は木酢液等のガス液を貯留するた
めのガス液タンク40にガス液取出管41を介して連通
連結されている。
【0015】次に、図1〜図3を参照して、原料予熱装
置11の構成について具体的に説明する。図1及び図3
に示すように、原料予熱装置11は熱分解装置本体10
の後部に配置されている。図2に示すように、熱分解処
理炉22の後端部24に取付けられている筒状の原料供
給口32には、リボンコンベア43からなる切出フィー
ダ44を内蔵する横長筒体45の前端が連設されてお
り、横長筒体45の後端には切出フィーダ44を回転す
るためのモータ46が取付けられている。横長筒体45
の後部には連絡筒47を介して上部切出ホッパー48が
取付けられている。なお、原料予熱装置11は上記した
フィーダタイプのものに何ら限定されるものではなく、
原料を大量処理する場合や、高含水原料処理時には、キ
ルンタイプや、流動床タイプ等を用いることができる。
【0016】また、図1及び図3に示すように、原料予
熱装置11の後部の横側方にはスクリュフィーダ49が
配設されている。スクリュフィーダ49の下部には原料
受けホッパー50が取付けられると共に、スクリュフィ
ーダ49の上部は連絡筒51によって上部切出ホッパー
48に連通連結されている。図1及び図3に示すように
スクリュフィーダ49は、その全長にわたって、中空筒
状の加熱ジャケット52によって囲繞されており、加熱
ジャケット52に取付けられた予熱ガス流入口53は、
ガス再利用管20を介して加熱炉13のガス取出口19
に連通連結されている。
【0017】次に、図1及び図4を参照して製品サイロ
12及びその附帯設備について説明する。図示するよう
に、製品サイロ12は熱分解装置本体10の前部の一側
方に配設されており、その上部に設けられた筒状の製品
流入口54はスクリュフィーダからなる製品取出フィー
ダ55によって、熱分解装置本体10の製品取出口33
と連通連結されている。
【0018】図示の実施の形態に係る熱分解装置Aのそ
の他の構成について説明すると、図1に示すように、原
料受けホッパー50の上方には、破砕機56と、粒径選
別機57とが配設されている。従って、塊状の原料であ
っても、破砕機56と粒状選別機57を通して所定のサ
イズにした後、原料予熱装置11に供給することができ
る。また、図1に示すように、加熱ジャケット52の上
端部、上部切出ホッパー48及び加熱炉13の後部から
それぞれ原料予熱排ガス排出配管58及び初期ガス排出
管59、60を通して排ガスを取出し、サイクロン61
によって処理することもできる。
【0019】次に、上記した構成を有する熱分解装置A
による原料の熱分解方法について、特に、図1を参照し
て具体的に説明する。
【0020】破砕機56及び粒径選別機57を通して所
定の粒径にした原料を原料受けホッパー50に投入す
る。投入された原料はスクリュフィーダ49を作動する
ことによって上部切出ホッパー48に給送される。この
原料の給送に際して、スクリュフィーダ49は、加熱炉
13の燃焼室18からガス再利用管20を通して加熱ジ
ャケット52に供給される高温の燃焼排ガスによって加
熱されているので、スクリュフィーダ49内の原料を1
50℃〜230℃の温度で効果的に予熱・乾燥すること
ができ、この予熱乾燥によって原料中の水分が水蒸気と
して外部に取出されることになる。
【0021】このようにして水分が除去され、予熱・乾
燥された原料は、切出フィーダ44を通して熱分解処理
炉22に供給される。リボンコンベア28からなるフィ
ーダ29を回転することによって、予熱・乾燥された原
料は、熱分解処理炉22内を、製品取出口33に向けて
移送される。この原料の移送において、熱分解処理炉2
2内の雰囲気温度は加熱炉13の燃焼室18からの熱を
受けて500℃〜1000℃になり、原料は徐々に乾留
され、熱分解処理炉22の前端部23においては熱分解
されることになる。
【0022】かかる熱分解工程において、熱分解処理炉
22に供給される原料は、既に多量の水分が除去されて
いるので、しかも、水蒸気を含んだ空気や排ガスは初期
ガス排出管59、60を通して外部に排出することがで
きるので、熱分解処理炉22における熱分解処理を効果
的に行うことができる。
【0023】また、熱分解処理炉22内において、リボ
ンコンベア28からなるフィーダ29は、所定の正転時
間(例えば3秒)と、この正転時間より短い逆転時間
(例えば2秒)とからなるサイクルで正逆回転を繰り返
しながら駆動することができるので、熱分解処理炉22
内の原料の攪拌効率を高めることができ、この面からも
原料の熱分解処理を効果的に行うことができる。即ち、
両端が軸受によって支持される回転軸に螺旋羽根を取付
けることによって構成される従来のスクリュフィーダを
用いる場合は、スクリュフィーダの正転によって熱分解
処理炉の前部において原料が圧密されるので逆転はでき
ないが、本実施の形態では、フィーダ29はリボンコン
ベア28から形成されているので、上記した原料の圧密
現象が生じず、従って、フィーダ29を容易に逆転する
ことができる。また、従来のスクリュフィーダでは、螺
旋羽根の螺旋面で原料を移送するので原料の十分な攪拌
が生じないが、リボンコンベア28ではフィーダ29の
回転によって原料を安息角まで持ち上げた後ひっくり返
すことができるので、原料の攪拌を効果的に行うことが
できる。また、このフィーダ29の正逆回転によって、
熱分解処理炉22内の原料は前進と後退を繰り返しなが
らわずかずつ前進する。従って、熱分解処理炉22の全
長を従来のスクリュフィーダを具備する熱分解処理炉の
全長より相当短くしても、従来の熱分解処理炉における
原料の移送距離よりも長い移送距離を確保して原料の乾
留を図ることができる。従って、原料を効果的に乾留し
て製品を製造することができる一方で、フィーダ29の
長さ、即ち、熱分解処理炉22の長さを著しく短くし
て、熱分解装置Aの小型化を図ることができる。
【0024】また、ガス排出口33aは熱分解処理炉2
2の製品取出口33側に設けられているので、水蒸気を
含まない高発熱量の排ガスを取出すことができ、この排
ガスをガス排出管34を通して加熱炉13のバーナ17
の燃料ガス供給口37に供給することによって、排ガス
を燃料ガスとして有効に再利用することができる。その
後、熱分解処理炉22によって完全に熱分解された結果
物である製品は、製品取出フィーダ55の作動によっ
て、製品流入口54を通して、製品サイロ12に供給さ
れることになる。図7に本実施の形態の変形例に係る熱
分解装置A1の構造を概念的に示す。図示するように、
本変形例は、それぞれリボンコンベア63を具備する複
数の熱分解処理炉62を加熱炉64内に配設したことを
特徴とする。熱分解装置A1をこのような構成とするこ
とによって、設備費の増大を可及的に抑えながら、大量
の原料を同時に熱分解して製品を大量生産することがで
き、製品コストの低減化を図ることができる。
【0025】(実施例) 本発明に係る熱分解方法を用いて、原料が乾燥状態の籾
殻及びオガクズの場合について熱分解試験及び物性変化
を調べたので、その結果を、図8及び図9に示す。図8
から明らかなように、本発明では、原料予熱装置11に
よって予め籾殻及びオガクズ中の水分を水蒸気として除
去することができるので、熱分解処理炉22における熱
分解処理の開始からわずかな時間で炭化率が80パーセ
ントにもなり、熱分解処理を迅速に行えることを示して
いる。一方、図9は、原料予熱装置11によって籾殻及
びオガクズ中の殆どの水分を短時間で水蒸気として除去
することができることを示している。
【0026】原料が乾燥状態又は未乾燥状態の木屑(チ
ップ)の場合についても熱分解試験及び物性変化を調べ
たので、その結果を、図10及び図11に示す。図10
から明らかなように、本発明では、原料予熱装置11に
よって予め木屑(チップ)中の水分を水蒸気として除去
することができるので、熱分解処理炉22における熱分
解処理の開始からわずかな時間で炭化率が80パーセン
ト(乾燥状態の木屑(チップ))と50パーセント(未
乾燥状態の木屑(チップ))にもなり、熱分解処理を迅
速に行えることを示している。一方、図11は、原料予
熱装置11によって乾燥状態の木屑(チップ)中の殆ど
の水分を短時間で水蒸気として除去することができるこ
とを示している。
【0027】以上、本発明を、一実施の形態を参照して
説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記
載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に
記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施
の形態や変形例も含むものである。例えば、実施の形態
では、熱分解装置が炭化装置である場合について説明し
てきたが、炭素を含まない原料を熱分解して乾留製品を
製造する場合も本発明を適用できる。
【0028】
【発明の効果】請求項1及び2記載の熱分解装置におい
ては、熱分解処理炉に供給される原料が多量の水分を含
んでいる場合でも、熱分解処理に先んじて原料を予熱す
ることによって効果的に水分を除去できるので、熱分解
処理炉における熱分解処理を効果的に行うことができ
る。また、熱分解処理炉内において、リボンコンベアか
らなるフィーダは、所定の正転時間と、この正転時間よ
り短い逆転時間とからなるサイクルで正逆回転を繰り返
しながら駆動されるので、熱分解処理炉内の原料の攪拌
効率を高めることができ、この面からも原料の熱分解処
理を効果的に行うことができる。また、フィーダの正逆
回転によって、熱分解処理炉内の原料は前進と後退を繰
り返しながらわずかずつ前進する。従って、熱分解処理
炉の全長を従来のスクリュフィーダを具備する熱分解処
理炉の全長より相当短くしても、従来の熱分解処理炉に
おける原料の移送距離よりも長い移送距離を確保して原
料の乾留を図ることができる。従って、原料を効果的に
乾留して製品を製造することができる一方で、フィーダ
の長さ、即ち、熱分解処理炉の長さを著しく短くして、
熱分解装置の小型化を図ることができる。さらに、ガス
排出口が熱分解処理炉の製品取出口側に設けられている
ので、水蒸気を含まない高発熱量の排ガスを取出すこと
ができ、この排ガスをガス排出管を通して加熱炉のバー
ナの燃料ガス供給口に供給することによって、排ガスを
燃料ガスとして有効に再利用することができる。
【0029】請求項2記載の熱分解装置においては、加
熱炉のガス取出口から排出される排ガスを原料予熱装置
に供給し、この排ガスにより原料を予熱するようにして
いる。従って、熱分解装置において発生する熱量を有効
利用でき、省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る熱分解装置の概念
的構成説明図である。
【図2】同正面図である。
【図3】図2のI−I線による矢視図である。
【図4】図2のII−II線による矢視図である。
【図5】熱分解処理炉の要部拡大縦断面図である。
【図6】熱分解処理炉の要部拡大横断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態の変形例に係る熱分解装
置に係る概念的構成説明図である。
【図8】原料が籾殻及びオガクズの場合の熱分解装置に
よる炭化率の変化を示すグラフである。
【図9】原料が籾殻及びオガクズの場合の熱分解装置に
よる脱水率の変化を示すグラフである。
【図10】原料が木屑(チップ)の場合の熱分解装置に
よる炭化率の変化を示すグラフである。
【図11】原料が木屑(チップ)の場合の熱分解装置に
よる脱水率の変化を示すグラフである。
【図12】従来の熱分解装置の全体構成を示す正面図で
ある。
【符号の説明】
A:熱分解装置、A1:熱分解装置、10:熱分解装置
本体、10a:床面、11:原料予熱装置、12:製品
サイロ、13:加熱炉、14:後支持脚、15:前支持
脚、16:後壁、17:バーナ、18:燃焼室、19:
ガス取出口、20:ガス再利用管、21:ブースター、
22:熱分解処理炉、23:前端部、24:後端部、2
5:前壁、26:前端壁、27:後端壁、28:リボン
コンベア、29:フィーダ、30:回転軸、31:モー
タ、32:原料供給口、33:製品取出口、33a:ガ
ス排出口、34:ガス排出管、35:フレアスタック、
36:流路切替弁、37:燃料ガス供給口、38:コン
デンサ、39:ブースター、40:ガス液タンク、4
1:ガス液取出管、43:リボンコンベア、44:切出
フィーダ、45:横長筒体、46:モータ、47:連絡
筒、48:上部切出ホッパー、49:スクリュフィー
ダ、50:原料受けホッパー、51:連絡筒、52:加
熱ジャケット、53:予熱ガス流入口、54:製品流入
口、55:製品取出フィーダ、56:破砕機、57:粒
径選別機、58:原料予熱排ガス排出配管、59:初期
ガス排出管、60:初期ガス排出管、61:サイクロ
ン、62:熱分解処理炉、63:リボンコンベア、6
4:加熱炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−71503(JP,A) 登録実用新案3033020(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10B 53/00 C10L 5/44 C10C 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一側に原料供給口を有すると共に他側に
    製品取出口を有する横長筒体からなる熱分解処理炉と、
    該熱分解処理炉の前記原料供給口に連設され、前記熱分
    解処理炉に供給される原料を予熱する原料予熱装置とを
    具備し、前記熱分解処理炉内にリボンコンベアからなる
    フィーダが配設され、該フィーダが所定の正転時間と該
    正転時間より短い逆転時間とからなるサイクルで正逆回
    転を繰り返しながら駆動するように制御する制御装置を
    有すると共に、前記熱分解処理炉がバーナを具備する加
    熱炉の燃焼室内に配設され、前記熱分解処理炉の前記製
    品取出口側にガス排出口が設けられ、該ガス排出口がガ
    ス排出管を介して前記加熱炉のバーナの燃料ガス供給口
    に連通連結されていることを特徴とする熱分解装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱炉に設けられたガス取出口から
    排出される排ガスを、該ガス取出口に連通連結されたガ
    ス再利用管を介して前記原料予熱装置に供給し、前記原
    料を前記排ガスにより予熱するようにしたことを特徴と
    する請求項1記載の熱分解装置。
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