JP3107139U - 開閉戸用暗証番号錠及び防犯戸システム - Google Patents

開閉戸用暗証番号錠及び防犯戸システム Download PDF

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Abstract

【課題】 防犯性に優れるとともに適用範囲の広い、安価な開閉戸用暗証番号錠及び開閉戸用暗証番号錠を用いた防犯戸システムを提供すること。
【解決手段】 暗証番号錠10は、外枠19の内側に配列された複数のスライド板と、スライド板に対してほぼ直角方向に移動可能であり、少なくとも一端が外枠19から突出しているロック用部材16とを含み、スライド板が、等間隔に設けられた複数の番号に対応する位置のいずれかの箇所に、ロック用部材16が通る大きさの解錠用開口部を備え、前面パネル18、又は前面パネル18及び後面パネルにスリット18aを備え、スライド板に設けられた位置合わせ用ノブ15がスリット18aから突出し、ノブ15を操作することにより、スリット18aに沿ってスライド板を移動させることが可能であり、暗証番号に対応していない位置のスライド板によって、ロック用部材16の移動が阻止されるように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本考案は開閉戸用暗証番号錠及び防犯戸システムに関し、より詳細には、防犯性に優れるとともに適用範囲の広い、安価な開閉戸用暗証番号錠及びこの開閉戸用暗証番号錠を用いた防犯戸システムに関する。
最近、空き巣等の犯罪が増加してきており、住宅などの施錠されている窓の引き違い戸、玄関などの扉を開けて建物内に侵入する手口が使われることが少なくない。例えば、引き違い戸の場合は、クレセント錠などで施錠されている錠の近くのガラス板を割って、手が入る程度の開口部を作り、そこから内側へ手を入れてクレセント錠などを解錠するという方法が使われることが多い。また、玄関などのシリンダケースロック錠の場合は、キーによる施錠部は比較的簡単に開けられてしまい、サムターンでロックされている場合でも、サムターン回しという手口で開けられることが少なくない。
このように、たとえ施錠されていたとしても、外部から屋内へ比較的簡単に侵入されてしまうというのが実態である。
上記のような方法を含む様々な手口を使って建物内に侵入されることを防止するために、多くの防犯グッズが提案され、また市販されている。そのような防犯グッズのひとつに暗証番号錠がある。扉の施錠に使われる暗証番号錠には、電気的手段を利用するものが多く、例えば、暗証番号の記憶手段と、電子キーと、電子キーから送られてくる信号を受信する受信手段とを用いる「電子錠および電子キー」(特許文献1)、デッドボルトなどの施錠手段をキーによって動かす機械式錠前装置と、暗証番号、指紋等の個人情報を照合する照合手段と、機械的錠前装置の施錠手段の駆動を制止する制止手段とを備えた「複合錠前装置」(特許文献2)などが提案されている。また、テンキーから暗証番号を入力するもので、補助錠として利用することができるディジタルロックなどと呼ばれる暗証番号錠も市販されている。このような従来の暗証番号錠は、主として玄関などの主要な開閉戸を対象に設計されているものなど、その他のタイプのものでも比較的高価である。
空き巣は、上記のように、引き違い戸のガラス板の一部を割ってクレセント錠を解錠したり、サムターンを外部から回したりすることによって、建物内に侵入することが多い。ガラスの一部が割られてもクレセント錠が解錠できないようにしたり、サムターンが外部から操作しされても回らないようにしたりするために、それらのノブの部分を内側から暗証番号錠でロックしておくことは、有効な防犯手段である。しかし、現在市販されている暗証番号錠は比較的高価であり、一般の家庭で外部に面するすべての戸に暗証番号錠を取り付けることは経済的な負担が大き過ぎるので、より安価な暗証番号錠が求められている。
また、本本件出願人は、先に防犯性を具備しながら審美性にも優れた防犯意匠戸システムを提案した(特許文献3及び特許文献4参照)。特許文献3及び4に開示されている意匠戸は、意匠戸の内側にあるガラス戸が解放されていて屋外の新鮮な空気を屋内に取り入れている状態でも、高い防犯性を備えた一種の格子戸である。この意匠戸は、外部から内側へ少しは手を入れることができるので、例え手を入れても、意匠戸が開かないようにするために、外部からでは解錠することが難しい施錠手段を備えているものである。特許文献4には、その施錠手段として、屋外からでは操作できない暗証番号錠を用いたる例がを示されているした。特許文献4には、暗証番号錠としては、市販されているタイプのものを例として示したが、この防犯意匠戸システムの場合にも、高い防犯性を維持しつつ、安価な暗証番号錠を利用可能なことがより望ましい。
上記のように、窓の引き違い戸、玄関などの扉、防犯意匠戸など多くの開閉戸の施錠装置として利用可能であり、防犯性に優れ、安価な暗証番号錠が求められている。
特開平8−184233号公報 特開平8−60914号公報 実用新案登録第3092254号 実用新案登録第3099803号
課題を解決するための手段及びその効果
本考案は上記課題に鑑みなされたものであって、防犯性に優れるとともに適用範囲の広い、安価な開閉戸用暗証番号錠及びこの開閉戸用暗証番号錠を用いた防犯戸システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(1)は、手動で暗証番号の位置合わせがを行われるう暗証番号錠であって、外枠と、該外枠の内側にほぼ平行に配置列された複数のスライド板と、複数の前記スライド板が暗証番号通りに並べられた時に、前記スライド板に対してほぼ直角方向に移動可能であり、少なくとも一端が前記外枠から突出している棒状又は板状のロック用部材とを含んで構成され、それぞれの前記スライド板が、等間隔に設けられた複数の番号に対応する位置のいずれかの箇所に、前記ロック用部材が通る大きさの解錠用開口部を備え、前記外枠の前面に位置する前面パネル、又は該前面パネル及び前記外枠の後面に位置する後面パネルにおける前記スライド板の端面に対応する位置にスリットが設けられ、前記スライド板に設けられた位置合わせ用ノブが前記スリットから突出し、前記位置合わせ用ノブを操作することにより、前記スリットに沿って前記スライド板を移動させることが可能であり、複数の前記スライド板のうち、暗証番号に対応する位置に並べられていないスライド板によって、前記ロック用部材の移動が阻止されるように構成されていることを特徴としている。
上記開閉戸用暗証番号錠(1)によれば、構造が極めて簡素であるので、安価な暗証番号錠を得ることができる。また、開閉戸用暗証番号錠(1)は、引き違い戸、ドア等の主要な錠及び錠の解錠を防止するための補助錠として利用することができるので、適用範囲が広い。このように、安価であり、適用範囲が広という利点を有しているので、様々な箇所に設置することができ、住宅等における防犯性をより向上させることができる。
また、本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(2)は、上記開閉戸用暗証番号錠(1)において、前記前面パネル、前記後面パネル又は前記外枠の側面部を取り外し、複数の前記スライド板の順序を並べ替えることにより、暗証番号を変更することができるように構成されていることを特徴としている。
上記開閉戸用暗証番号錠(2)によれば、簡単な構造でありながら、暗証番号を必要に応じて変更することができるので、第三者に暗証番号が知られる可能性が低く、暗証番号錠を使用する上での安全性をより向上させることができる。
また、本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(3)は、上記開閉戸用暗証番号錠(1)又は(2)において、前記スライド板に設けられた前記解錠用開口部が、前記ロック用部材が通る大きさの貫通孔であることを特徴としている。
上記開閉戸用暗証番号錠(3)によれば、スライド板にロック用部材が通る大きさの解錠用開口部が設けられているので、構造が簡素であり、堅牢な暗証番号錠とすることができる。
また、本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(4)は、上記開閉戸用暗証番号錠(1)又は(2)において、前記スライド板に設けられた前記解錠用開口部が、前記ロック用部材側に開口するコの字形であり、前記ロック用部材の側面に、前記コの字形の開口部を通る大きさの突起が設けられていることを特徴としている。
上記開閉戸用暗証番号錠(4)によれば、スライド板に形成される解錠用開口部の幅を、ロック用部材の突起が通る大きさとすることができるので、各スライド板に形成される解錠用開口部間の間隔、すなわち各スライド板における暗証番号の間隔を狭くすることができる。そのために、スライド板の幅を狭くすることができるので、暗証番号錠の幅が狭くなり、よりコンパクトな暗証番号錠を得ることができる。また、スライド板に弾性部材を設け、位置決め板に溝を設けることにより、弾性部材と溝とが嵌め合わさった位置で、ディジタル的に番号合わせを行うことができるので、小型であっても容易に、正確に番号合わせを行うことができる。また、このような嵌め合わせとした場合には、暗証番号錠(4)を横向きにしても、スライド板の位置がずれることがない。したがって、暗証番号錠を縦にも横にも、上下逆にも使用することができるという利点がある。
また、本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(5)は、上記開閉戸用暗証番号錠(1)〜(4)のいずれかにおいて、2枚の引き違い戸を閉めた時に、前記引き違い戸が重なる位置の室内側の枠部に取り付けられる開閉戸用暗証番号錠であって、前記ロック用部材が、その先端部に、前記2枚の引き違い戸を施錠するクレセント錠が施錠された状態で、該クレセント錠の操作用レバーの回転を阻止する回転阻止部を備えていることを特徴としている。
上記開閉戸用暗証番号錠(5)によれば、クレセント錠が配設された近傍のガラスを割る等の行為によって、クレセント錠に手が届いたとしても、暗証番号錠が設置されている場合には、暗証番号錠によってクレセント錠の回転を阻止することができるので、引き違い戸が開かれる可能性を大幅に低くすることができる。
また、本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(6)は、上記開閉戸用暗証番号錠(1)〜(4)のいずれかにおいて、2枚の引き違い戸を閉めた時に、前記引き違い戸が重なる位置の室内側の枠部に取り付けられる開閉戸用暗証番号錠であって、前記ロック用部材が、その先端部に、前記2枚の引き違い戸が重なる位置の枠部を貫通して引き違い戸相互の動きを止めるためのサブロック錠の引き出しを阻止する引き出し阻止部を備えていることを特徴としている。
上記開閉戸用暗証番号錠(6)によれば、クレセント錠が解錠されるような事態が生じたとしても、暗証番号錠によってサブロックが解錠されないようにすることができるので、引き違い戸が開かれる可能性を大幅に低くすることができる。
また、本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(7)は、上記開閉戸用暗証番号錠(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記スライド板が2つのグループに分割され、各グループが複数のスライド板を備え、それぞれの前記グループに対応して前記ロック用部材が設けられ、前記ロック用部材が、それぞれの前記グループ側の外枠から突出し、前記ロック用部材の移動が、それぞれの前記グループの複数のスライド板のうち、暗証番号に対応する位置に並べられていないスライド板によって阻止されるように構成されていることを特徴としている。
上記開閉戸用暗証番号錠(7)によれば、1つの暗証番号錠が2組の暗証番号錠で構成されているので、1つの暗証番号錠を解錠するのに2種類の暗証番号を必要とする。したがって、一方の暗証番号が解読されたとしてももう一方の暗証番号が解読されなければ暗証番号錠を解錠することができないので、防犯性を著しく向上させることができる。
また、本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(8)は、上記開閉戸用暗証番号錠(3)において、前記スリットが、前記前面パネル及び前記後面パネルに設けられ、前記スライド板の位置合わせ用ノブが前記前面パネル及び前記後面パネルのスリットに対応する位置に設けられ、前記スライド板が前面側及び後面側の両面から操作可能に構成されていることを特徴とている。
上記開閉戸用暗証番号錠(8)によれば、暗証番号錠の前面側及び後面側からスライド板を操作することができるので、玄関ドア等の施錠用に利用することができる。すなわち、外出時には外側から暗証番号錠を操作して施錠し、内側から施錠するときには内側から暗証番号錠を操作することにより、表側からでも内側からでも施錠・解錠を行うことができる。
また、本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(9)は、上記開閉戸用暗証番号錠(3)において、前記スリットが、前記前面パネル及び前記後面パネルに設けられ、前記スライド板の位置合わせ用ノブが前記前面パネル及び前記後面パネルのスリットに対応する位置に設けられ、前記スライド板が前面パネル側及び後面パネル側の両面から操作可能に構成され、複数の前記スライド板が2つのグループに分割され、各グループが複数のスライド板を備え、それぞれの前記グループに対応して前記ロック用部材が設けられ、前記ロック用部材が、それぞれの前記グループ側の外枠から突出し、前記ロック用部材の移動が、対応するそれぞれの前記グループの複数のスライド板のうち、暗証番号に対応する位置に並べられていないスライド板によって阻止されるように構成されていることを特徴としている。
上記開閉戸用暗証番号錠(9)によれば、上記暗証番号錠(7)と暗証番号錠(8)の両者の特長を有しているので、防犯性に極めて優れるとともに、内側からも外側からも操作できるので、玄関ドア等の主要なドア用の錠として有効である。
また、本考案に係る防犯戸システム(1)は、引き違い戸と、前記引き違い戸の周縁枠を支持する枠体と、該枠体に取り付けられた上記本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(1)〜(4)のいずれかと、前記引き違い戸が閉められた状態で、前記ロック用部材が、前記枠体に固定されたロック用部材受け部及び前記引き違い戸の枠部に固定されたロック用部材受け部の両者に挿入されることにより、前記引き違い戸が施錠されるように構成されていることを特徴としている。
上記防犯戸システム(1)によれば、引き違い戸とドアの枠体との間が上記開閉戸用暗証番号錠(1)〜(4)のいずれかによって施錠されるので、たとえ暗証番号錠に手が届いたとしても、暗証番号を解読されない限り、引き違い戸を開けることは困難である。暗証番号錠が室内側に面している場合には、暗証番号錠を解錠することは極めて難しい。したがって、引き違い戸はガラス戸のほかに、ガラスが用いられていない格子戸であってもよい。解放的でありながら、防犯性に優れた防犯戸システムとすることもできる。
また、本考案に係る防犯戸システム(2)は、引き違い戸と、前記引き違い戸が閉められた時に重なる位置の戸の枠部に取り付けられた上記本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(1)〜(4)のいずれかと、前記引き違い戸が重なる位置の戸の枠部を貫通して施錠するねじ込み式又は棒状部材を挿入する挿入式の錠とを含んで構成された防犯戸システムであって、前記錠が施錠された後、前記錠の操作部の回転又は引き出しを、前記ロック用部材によって阻止することができるように構成されていることを特徴としている。
上記防犯戸システム(2)によれば、引き違い戸の錠が、暗証番号錠(1)〜(4)のいずれかによって、回転又は引き出しが阻止されているので、引き違い戸の解錠を行うことは極めて難しい。したがって、安価な暗証番号錠(1)〜(4)のいずれかを補助錠として利用することによって、引き違い戸の防犯性を格段に向上させることができる。
また、本考案に係る防犯戸システム(3)は、上記防犯戸システム(1)又は(2)において、前記引き違い戸が意匠戸であり、前記暗証番号錠の操作面が室内側に面して取り付けられていることを特徴としている。
上記防犯戸システム(3)によれば、防犯戸システムが、本出願人が特許文献3で提案した意匠戸を用いた防犯戸システムにおける施錠手段が、上記暗証番号錠(1)〜(4)のいずれかによって構成されているので、安価であるとともに、優れた意匠性を備えた開放的な防犯戸システムを得ることができる。
また、本考案に係る防犯戸システム(4)は、ドア外枠に組み込まれた上記本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(8)又は(9)と、前記ドア外枠とドアとの間をロックするデッドボルトと受座とを含むロック部とを備えた施錠手段を含んで構成された防犯戸システムであって、前記デッドボルトが前記ドア側、前記受座が前記ドア外枠側、又は前記デッドボルトが前記ドア外枠側、前記受座が前記ドア側に固定され、前記開閉戸用暗証番号錠が、前記デッドボルトの上方及び/又は下方に位置するように配設され、ロック状態にセットされた前記デッドボルトの移動が、前記開閉戸用暗証番号錠のロック用部材によって阻止されるように構成されていることを特徴としている。
上記防犯戸システム(4)によれば、暗証番号錠を外部からも内部からも操作することができるので、表側からでも内側からでも施錠・解錠を行うことができる。したがって、玄関等の防犯戸システムとして特に好適である。
本考案に係る防犯戸システム(5)は、上記防犯戸システム(4)において、前記開閉戸用暗証番号錠が、上記本考案に係る開閉戸用暗証番号錠(9)であり、前記デッドボルトと受座とを含むロック部が、前記開閉戸用暗証番号錠の上方及び下方に設けられていることを特徴としている。
上記防犯戸システム(5)によれば、暗証番号錠が上記暗証番号錠(7)と暗証番号錠(8)の両者の特長を兼ね備えているので、防犯性に極めて優れた防犯戸システムとすることができるとともに、内側からも外側からも操作できるので、玄関ドア等の主要な防犯戸システムとしてより好適である。
本考案に係る防犯戸システム(6)は、ドアを組み込むドア外枠と、該ドア外枠に開閉自在に連結され、来訪者との対応が可能な開口部が形成された外側ドアと、前記ドア外枠に開閉自在に連結され、前記外側ドアと一体化された状態で前記ドア外枠に取り付けられた内側ドアと、前記外側ドアに配設された第1の施錠手段と、前記内側ドアに配設された第2の施錠手段とを含んで構成された防犯戸システムであって、少なくとも前記外側ドアの第1の施錠手段が、上記防犯戸システム(4)又は(5)に記載の施錠手段によって構成されていることを特徴としている。
上記防犯戸システム(6)によれば、防犯戸システムが、本出願人が特許文献4で提案した防犯戸システムにおける少なくとも第1の施錠手段が、上記防犯戸システム(4)又は(5)に用いられている施錠手段によって構成されているので、外側ドアと内側ドアとの間の施錠手段の出っ張りを低く抑えることができる。したがって、防犯性に優れるとともに、よりコンパクトな防犯戸システムを得ることができる。
なお、暗証番号に関しては、本明細書では、便宜的に「暗証番号」と記すが、数字の番号に限定されるものではなく、「暗証番号」には、「イ、ロ、ハ」、「A、B、C」などのスライド板の位置を特定することができる符号を含むものとする。
以下、本考案の実施の形態に係る開閉戸用暗証番号錠(以下、暗証番号錠と略記する)及びこの暗証番号錠を用いた防犯戸システムを図面に基づいて説明する。
図1は、実施の形態1に係る暗証番号錠10を示す斜視図であり、(a)は施錠状態、(b)は解錠状態を示している。また、図2は、暗証番号錠10の内部の構造を示す図であり、(a)は前面パネルを外した状態の正面図、(b)は(a)に示したIIb−IIb’切断線における断面図である。なお、図2は、図1(b)に示した解錠状態に対応する図である。また、図3は、スリット板を示す斜視図であり、(a)は番号3の位置に解錠用開口部、(b)は番号5の位置に解錠用開口部が設けられたスリット板を示している。
図1、2に示したように、暗証番号錠10は本体部11と施錠部材部12とを含んで構成されている。本体部11は、ケース13内に、複数のスライド板14a〜14eで構成されたスライド板14がほぼ平行に配置列されており、スライド板14の位置合わせ用ノブ15が、ケース13の前面パネル18に設けられたスリット18aから突出している。なお、前面パネル18は、ケース13の外枠19に、ねじ止めなどの手段により、着脱可能に取り付けられている。また、スリット18aは、スライド板14の位置合わせ用ノブ15が位置する端面に対応する位置に設けられており、位置合わせ用ノブ15を操作することによって、スリット18aに沿ってスライド板14を横方向に移動させ、スライド板14の位置合わせを行うことができるようになっている。
図2に示したように、スライド板14は、ケース13内にほぼ平行に設けられた複数の仕切板13aによって区切られた空間部に挿入されており、仕切板13aの上を移動することができるようになっている。また、仕切板13aのほぼ中央部には、後に説明する棒状又は細長い板状のロック用部材16が通る開口部(図示せず)が設けられている。
それぞれのスライド板14には、図3に示したように、等間隔に並んだ複数の番号(図3に示した例では1〜5)のうち、いずれかの番号に対応する位置に、ロック用部材16が通る大きさの解錠用開口部14fが設けられている。図3(a)に示したスリット板14aでは番号3の位置、(b)に示したスリット板14bでは番号54の位置に解錠用開口部14fが設けられている。これらの解錠用開口部14fが、ケース13の仕切板13aに設けられた開口部と重なる位置にセットされた場合に、ロック用部材16が解錠用開口部14fを通り抜けることができるようになっている。
上記の構成から明らかなように、スライド板14の長さは仕切板13aで仕切られた空間部の幅より狭く、スライド板14の番号1及び5のそれぞれが仕切板13aのほぼ中央部、すなわち解錠用開口部14fの位置に移動可能な長さに設定されていである。
施錠部材部12は本体部11の外枠19の底部19aに取り付けられており、ロック用部材16が外枠19の底部19aから下向きに突出している。このロック用部材16は、ガイド12aに案内されて、スライド板14に対してほぼ直角方向、すなわち上下方向に移動可能となっている。
図2(a)は、スライド板14の位置合わせ用ノブ15を操作することによって、各スライド板14a〜14eの位置を暗証番号に合致させ、ロック用部材16を上方に引き上げて解錠した状態を示している。各スライド板14a〜14eのうち、いずれかが暗証番号に合致しない位置にある場合には、そのスライド板の位置で、ロック用部材16の上方向の移動が阻止され、それより上方へは移動させることができないようになっている。なお、ロック用部材16には、側面に突起16aがを設けられておき、突起16aを持って上下動させられるようになっているしておくのがよい。また、ガイド12aには、突起16aが通る幅のスリット12cが形成されを設け、さらにスリット12cの上端近傍部に、スリット12cに対してほぼ直角方向に溝12dをが設けられているておくのがよい。それによって、ロック用部材16を引き上げた際に、突起16aを溝12dに掛け、ロック用部材16が下降しないように留めておくことができる。
図1、図2には、スライド板14の枚数が5枚、番号の数が5の場合を示した。これらはただし、特に限定されるものではないが、実用上、スライド板14の枚数は3〜10枚程度、番号の数は3〜10程度が好ましく、スライド板14の枚数は5〜7枚程度、番号の数は5〜8程度がより好ましい。
なお、図1及び図2には、ロック用部材16の一端が本体部11の外枠19の上部19cから突き抜けないタイプの暗証番号錠10の例を示したが、ロック用部材16の移動距離を長くする必要がある場合には、上部19cから突き抜けるように開口部を設けてもよい。また、施錠部材部12が本体部11の底部に設けられた例を示したが、施錠部材部12は本体部11の上部に設けられていてもよい。また、暗証番号錠10には、ガイド12aを備えた例を示したが、ガイド12aはロック用部材16の昇降をより安定させにするものであり、必要に応じて設けられるものである。
暗証番号錠10は、破壊されないように、強度の高い材料で構成することが好このましい。例えば、ケース13及びスライド板14は、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼などの金属材料やABS樹脂などの強度を有する合成樹脂などが適している。また、ロック用部材12aには、強度、意匠性などに優れたステンレス鋼などの金属材料が好適である。
暗証番号は、スリット板14が5枚で、番号が1〜5の場合には5の5乗通り、仮にスライド板が3枚であっても、125通りを選ぶことができる。しかし、暗証番号が第三者に分かってしまうと解錠される可能性が高い。そこで、別の実施の形態に係る暗証番号錠の場合には、ケース13の前面パネル18又は外枠19の側部19bを取り外し、スライド板14の順序を並べ替えることができるように構成されする。それによって、暗証番号を必要に応じて変更することができるので、防犯効果をより高めることができる。
図4は、実施の形態2に係る暗証番号錠20を分解して示す斜視図であり、(a)はロック用部材、(b)は前面パネルを外した状態の本体部、(c)は前面パネル、(d)はスライド板用位置決め板(以下、位置決め板と略記する)及びスライド板を示している。実施の形態2に係る暗証番号錠20は、小型化することが可能で、また、上下方向だけではなく横向きに使うこともできるタイプである。なお、組み立てた状態は、図1に示した実施の形態1に係る暗証番号錠10とほぼ同じである。ただし、ロック用部材が上部に突出していること、施錠部材部12のガイド12aを備えていない点が相違している。
暗証番号錠20は、前面パネル28を含むケース23、ロック用部材26、スライド板24及びスライド板24に対向してケース23に設けられた位置決め板27を含んで構成されている。
ケース23のうち前面パネル28を除く部分23aは、外枠29、仕切板23d及び位置決め板27を含んで構成されており、位置決め板27は、仕切板23dで区切られたスライド板24の挿入部23eの後側に固定されている。また、外枠29の上部29c及び下部29aには、それぞれ開口部23f、23gが設けられてたおり、これらの開口部23f、23gは、ロック用部材26が通る大きさとなっている。さらに、上部の開口部23fには、後に説明するロック用部材26の突起26aが通る大きさの溝23hが設けられている。
前面パネル28は、実施の形態1に係る暗証番号錠10の場合と同様なものであり、スライド板スリット24の位置合わせ用ノブ25が通る大きさのスリット28aを備えている。
ロック用部材26は、下端部に通り抜け防止部材26bを備え、側面部には突起26aを備えている。突起26aと通り抜け防止部材26bとの間隔は、ケース23aの高さ(外枠29aの下面29aと外枠29cの上面29cとの間の間隔高さ)よりやや長くなっている。通り抜け防止部材26bは、ねじ止め等により着脱可能であり、その大きさは、外枠29の下部29aの開口部23gより大きい。
位置決め板27には、図4(d)に示したように、スライド板24に対面する端面に、ロック用部材26が通る開口部27a及び複数の位置決め溝27bが設けられている。開口部27aは、位置決め板27の幅のほぼ中央部に位置し、スライド板24側に開口している。複数の位置決め溝27bは、スライド板24に等間隔に配列された番号(図示省略、図3参照)と同じ間隔の位置に設けられている。
スライド板24の位置決め板27に対面する端部側には、ロック用部材26の突起26aが通る大きさのコの字形の解錠用開口部24aが設けられている。この解錠用開口部24aは、スライド板24に設けられた複数の番号のいずれかに対応する位置に形成されており、解錠用開口部24aと位置決め板27の開口部27aとが対面するようにスライド板24が位置した場合に、ロック用部材26が通り抜けられるようになっている。また、スライド板24の位置決め板27に対面する端面には、少なくとも2つの突起状の弾性部材24bが固定されている。この弾性部材24bは、位置決め板27側の方が幅の狭いU字形、V字形などの板バネなどであり、位置決め板27の溝27bに嵌るようになっている。また、少なくとも2つの弾性部材24bの間隔は、位置決め板27の複数の溝27b間の間隔、すなわちスライド板24に付けられた番号の間隔と同じに設定されていである。
上記のように構成された位置決め板27とスライド板24とは、ケース23内では、スライド板24の弾性部材24bが、位置決め板27の溝27bに嵌り、かつスライド板24の位置合わせ用ノブ25によってスライド板24を移動させることができるように、前面パネル28によって軽く抑えられた状態で組み込まれている。
暗証番号錠20の場合には、上記のように、スライド板24に形成される解錠用開口部24aの幅を、ロック用部材26の突起26aが通る大きさとすることができる。したがって、各スライド板24に形成される解錠用開口部24a間の間隔、すなわち各スライド板24における暗証番号の間隔を狭くすることができる。そのために、スライド板24の幅を狭くすることができるので、ケース23の幅がせまくなり、よりコンパクトな暗証番号錠20とすることができる。
また、スライド板24に設けられた弾性部材24bと位置決め板27に設けられた溝27bとが嵌め合わさった位置で、ディジタル的に番号合わせを行うことができるので、小型であっても容易に、正確に番号合わせを行うことができる。また、このような嵌め合わせとなっているので、暗証番号錠20を横向きにしても、スライド板24の位置がずれることがない。したがって、暗証番号錠20を縦にも横にも、上下逆にも使用することができるという利点がある。
ただし、縦向きに使うだけの場合には、必ずしも、スライド板24の弾性部材24b及び位置決め板27の溝27bを必要としない。したがって、用途に応じて、スライド板24の弾性部材24b及び位置決め板27の溝27bの要否を決めることが好ましい。
図5は、実施の形態3に係る暗証番号錠30を示す図であり、(a)は引き違い戸に取り付けた状態の側面図、(b)は同じく正面図である。なお、図5に示した暗証番号錠30は、引き違い戸のクレセント錠が施錠された状態で、クレセント錠が解錠されないように、暗証番号錠30によってロックされた状態を示している。
暗証番号錠30は、2枚の引き違い戸を閉めた時に、引き違い戸35と引き違い戸35Aとが重なる位置の室内側の枠部35aに、前面パネル38が室内側に面するように取り付けられている。ロック用部材36は板状であり、その先端部に、2枚の引き違い戸35、35Aを施錠するクレセント錠37が施錠された状態で、クレセント錠37の操作用レバー37aの回転を阻止する回転阻止部36aを備えている。この回転阻止部36aは、図5(b)に示したように、クレセント錠37の操作用レバー37a側に伸びており、さらに、図5(a)に示したように、操作用レバー37a側に曲がった曲がり部36b及び操作用レバー37aの押さえ部36cから構成さが設けられている。
図5に示したロック用部材36は板状となっている。これは、暗証番号錠30の厚みをできるだけ薄くするためである。ただし、必ずしも板状である必要はない。また、ロック用部材36とスライド板(図示省略)は、実施の形態2に係る暗証番号錠20と同じタイプが好ましい。前述のように、ロック用部材36に突起(図示省略)が形成されを設け、スライド板にその突起部が通る大きさの解錠用開口部が形成されたを設けるタイプの方が、暗証番号錠30を小型化することができるからである。
なお、図5には、暗証番号錠30の前面パネル38が室内側に面するように取り付けられた例を示したが、クレセント錠37が固定されている面と同じ面に取り付けられてもよい。ただし、外部から暗証番号錠30を操作しにくいように、室内側に面していることがより好ましい。
図6は、実施の形態4に係る暗証番号錠40を示す図であり、(a)は引き違い戸に取り付けられた状態の側面図、(b)は同じく正面図である。なお、図6に示した暗証番号錠40は、引き違い戸のサブロック錠が施錠された状態で、サブロック錠が引き出されないように、暗証番号錠40によってロックされた状態を示している。
暗証番号錠40は、2枚の引き違い戸を閉めた時に、引き違い戸35と引き違い戸35Aとが重なる位置の室内側の枠部35aに、前面パネル48が室内側に面するように取り付けられている。ロック用部材46は板状であり、その先端部に、2枚の引き違い戸35、35Aを貫通するサブロック錠47が押し込まれて施錠された状態で、サブロック錠47のノブ47aが引き出されるのを阻止する引き出し阻止部46aを備えている。この引き出し阻止部46aは、図6(a)に示したように、サブロック錠47のノブ47aを覆うように、室内側に曲がった形状となっている。
図6に示したロック用部材46は板状となっている。これは、暗証番号錠40の厚みをできるだけ薄くするためである。ただし、必ずしも板状である必要はない。また、ロック用部材46とスライド板(図示省略)は、実施の形態2に係る暗証番号錠20と同じタイプが好ましい。前述のように、ロック用部材46に突起(図示省略)が形成されを設け、スライド板にその突起部が通る大きさの解錠用開口部が形成されたを設けるタイプの方が、暗証番号錠40を小型化することができるからである。
図7は、実施の形態5に係る暗証番号錠50を示す正面図である。暗証番号錠50は、実施の形態1に係る暗証番号錠10が2つ、上下逆向きに合わされたのとほぼ同様な構造をしており、上部暗証番号錠50Aと下部暗証番号錠50Bとで構成されている。下部暗証番号錠50Bは、本体部51B、施錠部材部52Bが、図1及び図2に示した暗証番号錠10の本体部11、施錠部材部12に対応している。上部暗証番号錠50Aは、下部暗証番号錠を上下逆にしたものとほぼ同様であるが、施錠部材部52Aのスリット52Acに設けられている溝52Adの位置が、スリット52Acの上部側、すなわち本体部51Aに対して遠い側となっている点が相違している。
また、暗証番号錠50は、実施の形態2に係る暗証番号錠20を2つ逆向きに組み合わせた構造としてもよい(図示省略)。ただし、その場合には、図4に示したロック用部材26が外枠29の上部又は下部の一方側からのみ突出する形態となるので、図7に示したガイド52Aa、52Baと同様なガイドを設けることが好ましい。
暗証番号錠50の場合には、1セットの暗証番号錠50によって、異なる暗証番号によって上下2箇所の施錠を行うことができるので、より防犯性を高めることができる。
図8は、別の実施の形態に係る両面操作型の暗証番号錠に用いられるスライド板14Aを示す平面図である。両面操作型の暗証番号錠は、前面側及び後面側の両面から施錠及び解錠が可能なタイプである。すなわち、後面パネル(図示省略)が、図1に示した前面パネル18と同様な構成となっており、前面パネル18のスリット18aに対応するスリットが後面パネルにも設けられている。
スライド板14Aは、図8に示したように、前面パネル側の位置合わせ用ノブ15aと後面側の位置合わせ用ノブ15bとを備えており、それぞれ前面パネルのスリット、後面パネルのスリットから突出している。そのために、位置合わせ用ノブ15aと15bとにより、前面側からも後面側からもスライド板14Aを操作することができるようになっている。なお、スライド板14Aには、いずれかの番号に対応する位置にロック用部材(図示省略)が通る解錠用開口部14fが設けられている。また、スライド板14Aに示したように、前面パネルと後面パネルに表示する番号の並べ方は逆の順序とする。すなわち、前面パネルに番号を昇順で表示した場合には、後面パネルには降順で表示する。そのような番号の表示によって、前面と後面のいずれの側からでも、同じ暗証番号で解錠操作を行うことができる。
上記の両面操作型の暗証番号錠は、実施の形態5に係る上下ロック型の暗証番号錠50と同様に上下に組み合わせが可能であり、その場合には、上下ロック・両面操作型の暗証番号錠が得られる。なお、両面操作型の暗証番号錠の適用例は、後に実施の形態8で説明する。
図9は、実施の形態6に係る防犯戸システム60を示す斜視図であり、室内側から見た図である。また、図10は、防犯戸システム60の施錠部を拡大して示す部分拡大斜視図であり、(a)は施錠された状態、(b)は解錠された状態を示している。防犯戸システム60は、引き違い戸の戸61、62と、戸61、62の周縁枠63を支持する枠体64と、枠体64に取り付けられた暗証番号錠10と、戸61、62が閉められた状態で、暗証番号錠10のロック用部材16が、枠体64に固定されたロック用部材受け部68及び戸61、62の枠部61a、62aに固定されたロック用部材受け部69の両者に挿入されることにより、引き違い戸が施錠されるように構成されている。
図10(a)に示したように、戸61側に関しては、施錠された状態では、ロック用部材16が下降し、枠体64に固定されたロック用部材16の受け部68及び戸61の枠部61aに固定されたロック用部材16の受け部69の両方に挿入されて、戸61が開かないようになっている。戸62の場合も同様に施錠される。
なお、図9に示した戸61、62は、本件本出願人が特許文献4として示した実用新案登録第3099803号に開示されている格子戸である意匠戸の例であるが、戸61、62は意匠戸に限定されるものではなく、通常のガラス戸であってもよい。
防犯戸システム60の場合、暗証番号錠10の操作面が室内側に面している。したがって、格子戸の外側から格子の間から、又はガラス戸の場合、暗証番号錠10の周りのガラスを割って開けた隙間から室内側に手を入れて、暗証番号錠10を操作しようとしても番号合わせを行うことは難しく、まして暗証番号が分からない場合には、短時間で解錠することはほぼ不可能に近い。したがって、防犯性に極めて優れている。なお、暗証番号錠10は室内側に面して取り付けられていることが好ましいが、戸当たり面、すなわち戸の開閉方向に面する枠部に取り付けられていても解錠される可能性は低い。したがって、必ずしも室内側に面していなくてもよい。
上記の防犯戸システム60では、実施の形態1に係る暗証番号錠10を用いる例を示したが、別の実施の形態に係る防犯戸システムでは、暗証番号錠として、実施の形態2及び5に係る暗証番号錠20、50を用いるようにしてもよい。
図11は、実施の形態7に係る防犯戸システム70を示す斜視図であり、(a)は防犯戸システム70の全体構成、(b)は施錠部を拡大して示す斜視図である。防犯戸システム70は、引き違い戸の戸71、72と、戸71、72が閉められた時に重なる位置の戸71の枠部71aに取り付けられた暗証番号錠10Aと、戸71、72が重なる位置における室内側の戸71の枠部71aを貫通して戸72との間を施錠する施錠手段73とを含んで構成されている。なお、暗証番号錠10Aは、防犯戸システム70では、施錠手段73が施錠された後、施錠手段73の操作部73aの回転又は引き出しを、ロック用部材16Aによって阻止するための補助錠として機能するものである。なお、図11には、施錠手段73としてねじ込み式の錠の例を示しており、操作部73aはねじ込み式の錠を回転させるためのつまみ部となっている。
暗証番号錠10Aは、ロック用部材16Aの先端部に切り込み16Aaが設けられている。ねじ込み式の施錠手段73が施錠された後、操作部73aが回転しないように、施錠手段73の操作部73aが、切り込み16Aaによって挟まれると、暗証番号錠10Aが解錠されてロック用部材16Aが引き上げられない限り、施錠手段73が解錠されないようになっている。
図11には、施錠手段73としてねじ込み式の例を示したが、ねじ込み式の錠に限定されるものではなく、棒状部材を挿入する挿入式の錠であってもよい。この場合には、挿入式の錠の引き出しを阻止することができるように、暗証番号錠10Aのロック用部材が、例えば、図6に示した場合のように、操作部の引き出し方向に位置するようにすればよい。
上記の防犯戸システム70では、暗証番号錠として実施の形態1に係る暗証番号錠10のタイプで、ロック用部材16の形状が異なる暗証番号錠10Aを用いる例を示したが、暗証番号錠には、実施の形態2に係る暗証番号錠20のタイプを用いることもできる。
図12は、実施の形態8に係る防犯戸システム80の全体構成を示す斜視図である。防犯戸システム80は、ドア81と、ドア外枠82と、ドア外枠82の施錠側の枠82aに組み込まれた暗証番号錠50A及びドア外枠82とドア81との間をロックするデッドボルトと受座とを含む施錠部83とを備えた施錠手段とを含んで構成されている。
図13は、施錠手段、すなわち暗証番号錠50Aと施錠部83を構成する部材を分解して示す斜視図であり、暗証番号錠50Aと、施錠部83を構成するデッドボルト84、デッドボルトケース85、デッドボルト84の受座86を示している。これらの部材のうち、デッドボルトケース85は図12に示したドア81に組み込まれ、デッドボルト84はデッドボルトケース85の中に収められてデッドボルトケース85とともに、ドア81に固定されている。
暗証番号錠50Aは、実施の形態5に係る暗証番号錠50の上部側又は下部側の部分であり、表側からも室内側からも操作することができる両面操作型となっている。暗証番号錠50Aのロック用部材56Bは板状であり、その一端側には平型の歯56Baが形成されている。また、ロック用部材56Bは昇降装置87によって昇降することができるようになっており、昇降装置87は、ロック用部材の歯56Baと噛み合う平歯車87a、昇降用つまみ87c、87d及び昇降用つまみ87c、87dと平歯車87aとを接続する軸87bで構成されている。なお、昇降用つまみ87c、87dは、それぞれドア外枠82の施錠側の枠82aの外側、室内側で操作可能なようになっている。
受座86は、角形の筒状部86aと固定板86bとで構成されており、筒状部86abはデッドボルト84が入る大きさであり、筒状部86abの暗証番号錠50A側の面には、ロック用部材56Bが通る大きさの開口部86cが形成されている。なお、受座86の筒状部86aは必ずしも必要ではなく、受座は固定板86bのみで構成されていてもよい。
デッドボルト84は断面形状が角形で、受座86側に、ロック用部材56Bが入る大きさのロック用孔84aが形成されている。このロック用孔84aは貫通孔である必要はないが、暗証番号錠50Aとの高さ方向の位置調整の容易さなどの点から、貫通孔の方が好ましい。また、もう一方の側の両側の側面84c、84dには、デッドボルト84を操作するためのノブ84b(側面84d側のノブは図示されていない)が設けられている。なお、ノブ84b及びもう一方側のノブは、いずれもドア81の外側、室内側に突出する長さとなっている。デッドボルト84は、デッドボルトケース85内に収められる。
デッドボルトケース85は、両側の側面85c、85dにスリット85b(側面85d側のスリットは図示されていない)及び固定板85aを備えている。また、スリット85bには、デッドボルト84に設けられているノブ84bが入り、図示されていない側面85d側のスリットには、図示されていないデッドボルト84の側面84d側のノブが入るようになっている。
上記の各部材は、暗証番号錠50A及び受座86がドア外枠82の施錠側の枠82aに取り付けられ、デッドボルト84が挿入されたデッドボルトケース85がドア81に取り付けられる。また、それぞれの位置関係は、受座86は、ロック用部材56Bが下降した時に、ロック用部材56Bが開口部86cに入る位置であり、デッドボルトケース85は、デッドボルト84が受座86に挿入され、かつ施錠時に、ロック用部材56Bがデッドボルト84のロック用孔84aに嵌る位置である。
上記の位置関係とすることにより、施錠時には、デッドボルト84のロック用孔84aにロック用部材56Bが挿入されて、デッドボルト84の移動が阻止されるようになるので、暗証番号錠50Bが解錠されてロック用部材56Bがロック用孔84aから離脱しない限り、ドア81を開くことができないようになっている。
上記の防犯戸システム80の場合、外部からも室内側からも暗証番号錠50Aを操作することができるので、暗証番号錠は玄関ドアなどの出入口のドアに適用可能である。
別の実施の形態に係る防犯戸システムでは、暗証番号錠として実施の形態5に係る暗証番号錠50を適用してもよい。この防犯戸システムの場合には、暗証番号錠50が上下両用タイプであるので、上下の暗証番号錠50A、と50Bに合わせて、実施の形態8に示した受座86、デッドボルト84、デッドボルトケース85の各部材を、上下に配置する構成とすればよい。この場合には、2つの暗証番号錠50A、と50Bを解錠しなければ、ドアを開くことができないので、さらに防犯性を高めることができる。
なお、上記の防犯戸システム80では、ロック用部材56Bの昇降装置87として歯車を利用する方式を示したが、突起状のノブにより上下に移動させる単純な構造としてもよい。また、デッドボルト84の操作は、ノブ84bなどにより左右にスライドさせる方式を示したが、ロック用部材56Bの昇降装置87のように、歯車を利用する構造としてもよい。
図14は、実施の形態9に係る防犯戸システム90を示す正面図及び背面図であり、(a)が正面図、(b)が背面図である。防犯戸システム90は、本出願人が特許文献4に開示した防犯戸システムにおける外側ドアに、実施の形態8に係る防犯戸システム80に用いられている暗証番号錠50Aを含む施錠手段を適用した例である。
図14に示した防犯戸システム90は、ドアを組み込むドア外枠92と、ドア外枠92に開閉自在に連結され、来訪者との対応が可能な開口部が形成された外側ドア91と、ドア外枠92に開閉自在に連結され、外側ドア91と一体化された状態でドア外枠92に取り付けられた内側ドア101と、外側ドア91に配設された第1の施錠手段93と、内側ドア101に配設された第2の施錠手段103とを含んで構成されている。さらに、第1の施錠手段93としてが、実施の形態8に係る暗証番号錠50Aが採用されを備えている。また、外側ドア91には、開口部99が設けられており、この開口部99は、来訪者があった場合に、外側ドア91を閉めた状態で来訪者との対応が可能な程度の大きさとなっていである。
実施の形態9に係る防犯戸システム90は、外側ドア91に設けられた第1の施錠手段93に暗証番号錠50Aが用いられているので、外側ドア91を簡単には開けることはできない。万一何らかの手段により外側ドア91が開かれたとしても、内側ドア101
に第2の施錠手段103が設けられているので、短時間に防犯戸システム90を開けて内部に侵入することは難しい。したがって、防犯戸システム90は防犯性に極めて優れている。
外側ドア91に配設される第1の施錠手段93は、実施の形態8に係る防犯戸システム80に用いられている施錠手段83とほぼ同様の構成であるので、詳細な説明を省略する。また、内側ドア101に配設される第2の施錠手段は、内側のサムターンと外側の鍵によって解錠・施錠を行うシリンダーケースロック錠としてもよく、実施の形態1〜4に係る暗証番号錠10、20、30、40、又は上記第1の施錠手段と同じものであってもよい。
第1の施錠手段又は第1と第2の施錠手段を上記の構成とする場合には、外側ドア91と内側ドア101との間の施錠手段の出っ張りを低く抑えることができるので、防犯戸システム90をよりコンパクトにすることができる。
実施の形態1に係る暗証番号錠を示す斜視図であり、(a)は施錠状態、(b)は解錠状態を示している。 図1に示した暗証番号錠の内部の構造を示す図であり、(a)は前面パネルを外した状態の正面図、(b)は(a)に示したIIb−IIb’切断線における断面図である。 スリット板を示す斜視図であり、(a)は番号3の位置に解錠用開口部、(b)は番号5の位置に解錠用開口部が設けられスリット板を示している。 実施の形態2に係る暗証番号錠を分解して示す斜視図であり、(a)はロック用部材、(b)は前面パネルを外した状態の本体部、(c)は前面パネル、(d)はスライド板用位置決め板及びスライド板を示している。 実施の形態3に係る暗証番号錠を示す図であり、(a)は引き違い戸に取り付けた状態の側面図、(b)は同じく正面図である。 実施の形態4に係る暗証番号錠を示す図であり、(a)は引き違い戸に取り付けられた状態の側面図、(b)は同じく正面図である。 実施の形態5に係る暗証番号錠を示す正面図である。 別の実施の形態に係る両面操作型の暗証番号錠に用いられるスライド板を示す平面図である。 実施の形態6に係る防犯戸システムを室内側から見た斜視図である。 図9に示した防犯戸システムの施錠部を拡大して示す部分拡大斜視図であり、(a)は施錠された状態、(b)は解錠された状態を示している。 実施の形態7に係る防犯戸システムを示す斜視図であり、(a)は防犯戸システムの全体構成、(b)は施錠部を拡大して示す斜視図である。 実施の形態8に係る防犯戸システムの全体構成を示す斜視図である。 施錠手段を構成する部材を分解して示す斜視図であり、暗証番号錠及び施錠部を構成するデッドボルト、デッドボルトケース、デッドボルトの受座を示している。 実施の形態9に係る防犯戸システムを示す正面図及び背面図であり、(a)が正面図、(b)が背面図である。
符号の説明
10、20、30、40、50、60 暗証番号錠
11、51B 本体部
12、52B 施錠部材部
12a、52Aa、52Ba ガイド
12c スリット
13a、23a 仕切板
14、14a〜14e、14A、24、64 スライド板
15、15a、15b、25 位置合わせ用ノブ
16、16A、26、36、46、56B ロック用部材
16a、26a 突起
18、28、38、48 前面パネル
18a、28a スリット
19、29 外枠
24a 解錠用開口部
24b 弾性部材
27 位置決め板
27b 位置決め溝
35、35A 引き違い戸
50A 上部暗証番号錠
50B 下部暗証番号錠
52A 施錠部材部
60、70、80、90 防犯戸システム
61、62、71、72 戸
64 枠体
68、69 ロック用部材受部
73 施錠手段
73a 操作部
81 ドア
82 ドア外枠
84 デッドボルト
84b ノブ
86 受座
87 昇降装置
91 外側ドア
92 ドア外枠
93 第1の施錠手段
99 開口部
101 内側ドア
103 第2の施錠手段

Claims (15)

  1. 手動で暗証番号の位置合わせがを行われるう暗証番号錠であって、
    外枠と、該外枠の内側にほぼ平行に配置列された複数のスライド板と、複数の前記スライド板が暗証番号通りに並べられた時に、前記スライド板に対してほぼ直角方向に移動可能であり、少なくとも一端が前記外枠から突出している棒状又は板状のロック用部材とを含んで構成され、
    それぞれの前記スライド板が、等間隔に設けられた複数の番号に対応する位置のいずれかの箇所に、前記ロック用部材が通る大きさの解錠用開口部を備え、
    前記外枠の前面に位置する前面パネル、又は該前面パネル及び前記外枠の後面に位置する後面パネルにおける前記スライド板の端面に対応する位置にスリットが設けられ、
    前記スライド板に設けられた位置合わせ用ノブが前記スリットから突出し、前記位置合わせ用ノブを操作することにより、前記スリットに沿って前記スライド板を移動させることが可能であり、
    複数の前記スライド板のうち、暗証番号に対応する位置に並べられていないスライド板によって、前記ロック用部材の移動が阻止されるように構成されていることを特徴とする開閉戸用暗証番号錠。
  2. 前記前面パネル、前記後面パネル又は前記外枠の側面部を取り外し、複数の前記スライド板の順序を並べ替えることにより、暗証番号を変更することができるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の開閉戸用暗証番号錠。
  3. 前記スライド板に設けられた前記解錠用開口部が、前記ロック用部材が通る大きさの貫通孔であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の開閉戸用暗証番号錠。
  4. 前記スライド板に設けられた前記解錠用開口部が、前記ロック用部材側に開口するコの字形であり、前記ロック用部材の側面に、前記コの字形の開口部を通る大きさの突起が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の開閉戸用暗証番号錠。
  5. 2枚の引き違い戸を閉めた時に、前記引き違い戸が重なる位置の室内側の枠部に取り付けられる開閉戸用暗証番号錠であって、
    前記ロック用部材が、その先端部に、前記2枚の引き違い戸を施錠するクレセント錠が施錠された状態で、該クレセント錠の操作用レバーの回転を阻止する回転阻止部を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の開閉戸用暗証番号錠。
  6. 2枚の引き違い戸を閉めた時に、前記引き違い戸が重なる位置の室内側の枠部に取り付けられる開閉戸用暗証番号錠であって、
    前記ロック用部材が、その先端部に、
    前記2枚の引き違い戸が重なる位置の枠部を貫通して引き違い戸相互の動きを止めるためのサブロック錠の引き出しを阻止する引き出し阻止部を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の開閉戸用暗証番号錠。
  7. 前記スライド板が2つのグループに分割され、各グループが複数のスライド板を備え、
    それぞれの前記グループに対応して前記ロック用部材が設けられ、前記ロック用部材が、それぞれの前記グループ側の外枠から突出し、
    前記ロック用部材の移動が、それぞれの前記グループの複数のスライド板のうち、暗証番号に対応する位置に並べられていないスライド板によって阻止されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の開閉戸用暗証番号錠。
  8. 前記スリットが、前記前面パネル及び前記後面パネルに設けられ、
    前記スライド板の位置合わせ用ノブが前記前面パネル及び前記後面パネルのスリットに対応する位置に設けられ、
    前記スライド板が前面パネル側及び後面パネル側の両面から操作可能に構成されていることを特徴とする請求項3記載の開閉戸用暗証番号錠。
  9. 前記スリットが、前記前面パネル及び前記後面パネルに設けられ、
    前記スライド板の位置合わせ用ノブが前記前面パネル及び前記後面パネルのスリットに対応する位置に設けられ、
    前記スライド板が前面パネル側及び後面パネル側の両面から操作可能に構成され、
    前記スライド板が2つのグループに分割され、各グループが複数のスライド板を備え、
    それぞれの前記グループに対応して前記ロック用部材が設けられ、前記ロック用部材が、それぞれの前記グループ側の外枠から突出し、
    前記ロック用部材移動が、対応するそれぞれの前記グループの複数のスライド板のうち、暗証番号に対応する位置に並べられていないスライド板によって、阻止されるように構成されていることを特徴とする請求項3記載の開閉戸用暗証番号錠。
  10. 引き違い戸と、前記引き違い戸の周縁枠を支持する枠体と、該枠体に取り付けられた請求項1〜4のいずれかの項に記載の暗証番号錠と、前記引き違い戸が閉められた状態で、前記ロック用部材が、前記枠体に固定されたロック用部材受け部及び前記引き違い戸の枠部に固定されたロック用部材受け部の両者に挿入されることにより、前記引き違い戸が施錠されるように構成されていることを特徴とする防犯戸システム。
  11. 引き違い戸と、前記引き違い戸が閉められた時に重なる位置の戸の枠部に取り付けられた請求項1〜4のいずれかの項に記載の暗証番号錠と、前記引き違い戸が重なる位置の戸の枠部を貫通して施錠するねじ込み式又は棒状部材を挿入する挿入式の錠とを含んで構成された防犯戸システムであって、
    前記錠が施錠された後、前記錠の操作部の回転又は引き出しを、前記ロック用部材によって阻止することができるように構成されていることを特徴とする防犯戸システム。
  12. 前記引き違い戸が意匠戸であり、前記暗証番号錠の操作面が室内側に面して取り付けられていることを特徴とする請求項10又は請求項11記載の防犯戸システム。
  13. ドア外枠に組み込まれた請求項8又は請求項9記載の開閉戸用暗証番号錠と、前記ドア外枠とドアとの間をロックするデッドボルトと受座とを含むロック部とを備えた施錠手段を含んで構成された防犯戸システムであって、
    前記デッドボルトが前記ドア側、前記受座が前記ドア外枠側、又は前記デッドボルトが前記ドア外枠側、前記受座が前記ドア側に固定され、
    前記開閉戸用暗証番号錠が、前記デッドボルトの上方及び/又は下方に位置するように配設され、
    ロック状態にセットされた前記デッドボルトの移動が、前記開閉戸用暗証番号錠のロック用部材によって阻止されるように構成されていることを特徴とする防犯戸システム。
  14. 前記開閉戸用暗証番号錠が、請求項9記載の開閉戸用暗証番号錠であり、
    前記デッドボルトと受座とを含むロック部が、前記開閉戸用暗証番号錠の上方及び下方に設けられていることを特徴とする請求項13記載の防犯戸システム。
  15. ドアを組み込むドア外枠と、
    該ドア外枠に開閉自在に連結され、来訪者との対応が可能な開口部が形成された外側ドアと、
    前記ドア外枠に開閉自在に連結され、前記外側ドアと一体化された状態で前記ドア外枠に取り付けられた内側ドアと、
    前記外側ドアに配設された第1の施錠手段と、前記内側ドアに配設された第2の施錠手段とを含んで構成された防犯戸システムであって、
    少なくとも前記外側ドアの第1の施錠手段が、請求項13又は請求項14に記載の施錠手段によって構成されていることを特徴とする防犯戸システム。
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