JP3105681B2 - 色変換回路 - Google Patents

色変換回路

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JP3105681B2
JP3105681B2 JP05009409A JP940993A JP3105681B2 JP 3105681 B2 JP3105681 B2 JP 3105681B2 JP 05009409 A JP05009409 A JP 05009409A JP 940993 A JP940993 A JP 940993A JP 3105681 B2 JP3105681 B2 JP 3105681B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光源の色を補正して好
みの色調の画像を実時間で得る色変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、写真カメラでは、各種のフィルタ
の装着により、光源の色の補正が行われている。ここ
で、フィルタとは光の波長によって透過特性が異なるも
のであり、適切なフィルタを選択することにより、好み
の色調の写真が得られる。しかしながら、電子カメラに
おいては、これに相当するような手軽でかつ自然な色変
換回路はなかった。
【0003】特に、デジタル電子スチルカメラの画像の
ように、高精細かつ変換処理の容易な画像データを取り
扱うには、いかにスチル画像をきれいに再現するかが重
要な問題になってくる。すなわち、フィルムを用いるカ
メラと同等あるいはそれ以上の忠実さや表現力が必要で
ある。
【0004】従来の色変換回路としては、次に述べるホ
ワイトバランス回路とマスキング演算回路の例があるの
でこれを説明する。
【0005】電子カメラを用いて撮影を行った場合、そ
の時に撮影者が感じる色と撮影された実際の画像の色と
がしばしば異なることがある。例えば、撮影時の光源が
白熱電灯であったとすると、再生した画像の色は赤くな
り過ぎて不自然だったり、また、蛍光灯下で撮影した画
像では、緑の波長帯にある輝線スペクトルの作用により
緑が強すぎて不自然に見えたりする。
【0006】このため、従来の電子カメラには、ホワイ
トバランス回路が設けられていた。すなわち、この回路
は、R(赤)、G(緑)、B(青)のバランスをとる機
能を有し、白い物体が白く再生できるように、画像デー
タの補正を行うものである。具体的には、ホワイトバラ
ンス回路は、出力信号のうちG信号を基準レベルとし
て、他のR信号及びB信号のレベルがG信号のレベルに
ほぼ等しくなるように補正する(特開昭63−1213
83号公報の第4図(従来例)参照)。
【0007】また、画像伝送装置あるいは、ハードコピ
ーの出力装置には従来マスキング演算回路が備えられ、
色の補正に用いられてきた。これは、色をC(シア
ン)、M(マゼンタ)、Y(黄)の成分に分解し、これ
に補正のための行列をかけることで、色変換を行うもの
である(特開昭62−262575号公報参照)。
【0008】また、本発明者は、特願平4−95335
号で、CIE(1931)xy色度図上で色変換を行う
方法を提案した。これは、色度図上において、スペクト
ル軌跡又は純紫軌跡と、与えられた色の座標と光源の色
の座標を結ぶ直線と、の交点を求めることにより主波長
を表す色度点を求め、これに基づき色変換を行うことを
原理としていた。
【0009】この方法は、xy色度図を原理としている
ため一般性があり、また、理論にも忠実である。
【0010】なお、本出願の関連出願として、特願平4
−163044号がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のホワイト
バランス回路によれば白の補正は可能であるが、画像全
体の色調の調整は写真カメラにおけるフィルタ効果の様
にはできないという問題があった。また、従来のマスキ
ング回路においても同様で、自由な色調に変換すること
はできなかった。
【0012】この理由は、色変換の後述するような特徴
によるものであり、本発明による方法を採用することに
より、自由に画像の色調の変換が可能になる。
【0013】一方、本発明者による上記発明(特願平4
−95335号)においては、この色変換の原理的な機
能を実現しているものの、この処理過程は単純な色変換
を行うだけであるのに非常に大きな回路規模を要すると
いう問題を有していた。
【0014】すなわち、スペクトル軌跡を3個の2次曲
線と1個の直線で表し、純紫軌跡を1個の直線で表して
いた。このため一画素の色変換を行うのに最大3回直線
と2次曲線との交点を求め、2回直線と直線の交点を求
め、それらの交点の内有効な点の判定を行い、色変換を
行い、さらに、色変換後のデータがRGB8ビットで表
せるかどうかを判定して、処理をする必要があった。
【0015】これを改善すべく簡単な回路でかつ少ない
処理時間で色変換を行うことのできる回路が切望されて
いた。
【0016】ここで、デジタル画像を扱う上では、輝度
と色差の信号を用いれば、色差のデータ量を削減するこ
とができるため画像情報圧縮に有利であること、また、
CCDで撮像するに際して光量が大きくとれるため高精
細化に適していること、等の理由から、RGBの信号よ
りも、輝度と色差の信号を用いることのほうが多い。ゆ
えに、この信号の特性を利用した、色変換回路が切望さ
れていた。
【0017】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、輝度と色差の信号に対して、簡易かつ自由
に色変換を行うことのできる色変換回路を提供すること
にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、カラー画像を構成する各画
の輝度信号及び2つの色差信号を入力とし、これ
色変換して出力する色変換回路において、前記入力され
た当該画素の輝度信号及び2つの色差信号から、当該画
素についての3刺激値の和である刺激値和を演算する手
段と、撮影時から再生時への前記カラー画像の色変換の
程度を表す値として、輝度及び2つの色差のそれぞれに
ついて単位刺激値和あたりの色変更量を設定する手
と、前記刺激値和で規格化された2つの色差を表す色度
上において、スペクトル軌跡及び純紫軌跡を近似する
少なくとも2次以下の複数の近似曲線方程式撮影時
光源の色度値及び当該画素の色度値による主波長を持
つ直線の方程式と、に基づく交点演算を行うことによ
り、当該画素の色の純粋さを表す刺激純度を求める手段
と、前記刺激値和と前記刺激純度とから、当該画素につ
いて色変更の大きさを求める手段と、前記色変更の大き
さと前記輝度及び2つの色差のそれぞれについての単位
刺激値和あたりの色変更量との積を求め、それ前記
入力された輝度信号及び2つの色差信号に加算する手段
と、を備えることを特徴とする。
【0019】また、請求項2記載の発明は、カラー画像
を構成する各画素の輝度信号及び2つの色差信号を入力
とし、これを色変換して出力する色変換回路におい
て、前記入力された当該画素の輝度信号及び2つの色差
信号から、当該画素についての3刺激値の和である刺激
値和Lを演算する手段と、撮影時から再生時への前記カ
ラー画像の色変換の程度を表す値として、輝度及び2つ
の色差のそれぞれについて単位刺激値和あたりの色変更
量を設定する手段と、前記2つの色差を表す色度図上に
おいて、スペクトル軌跡及び純紫軌跡を近似する複数の
近似直線方程式と、撮影時の光源の色度値及び当該画素
の色度値による主波長を持つ直線の方程式と、に基づく
交点演算を行うことによって、当該画素の色の純粋さを
表す刺激純度pを求め、これにより当該画素についての
色変更の大きさL*(1−p)を求める手段と、前記色
変更の大きさL*(1−p)と前記輝度及び2つの色差
のそれぞれについての単位刺激値和あたりの色変更量と
の積を求め、それ前記入力された輝度信号及び2つ
色差信号に加算する手段と、を備えることを特徴とす
る。
【0020】また、請求項3記載の発明は、カラー画像
を構成する各画素の輝度信号及び2つの色差信号を入力
とし、これを色変換して出力する色変換回路におい
て、前記入力された当該画素の輝度信号及び2つの色差
信号から、当該画素についての3刺激値の和である刺激
値和Lを演算する手段と、撮影時から再生時への前記カ
ラー画像の色変換の程度を表す値として、輝度及び2つ
の色差のそれぞれについて単位刺激値和あたりの色変更
量を設定する手段と、前記2つの色差を表す色度図上に
おいて、スペクトル軌跡及び純紫軌跡を近似する複数の
近似直線方程式と、撮影時の光源の色度値に相当する原
点及び当該画素の色度値による主波長を持つ直線の方程
式と、に基づく交点演算を行うことにより、当該画素の
色の純粋さに関わる値Pを求め、これにより当該画素に
ついての色変更の大きさL−Pを求める手段と、前記色
変更の大きさL−Pと前記輝度及び2つの色差のそれぞ
れについての単位刺激値和あたりの色変更量との積を求
め、それ前記入力された輝度信号及び2つの色差
に加算する手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
【作用】上記請求項1記載の構成によれば、単位刺激値
和あたりの色変更量を任意に設定して、その設定に基づ
いて、画素毎に色変換が行われる。その色変換では、ス
ペクトル軌跡及び純紫軌跡が少なくとも2次以下の方程
式で近似されて演算が実行されるので、回路構成の簡易
化及び迅速処理を行い得る。
【0022】本発明に係る色変換では、例えば、画素の
刺激値和を保ったまま、画素の輝度色差信号を変更する
ことができる。また、刺激値和が強いほど、色の変更量
が大きくなり、かつ与えられた画素の色が無彩色に近い
ほど、色の変更量が、設定された単位刺激値和あたりの
色変更量を忠実に受け、画素の色の刺激純度が高いほど
色が変更されないという特徴がある。
【0023】また、請求項2記載の発明によれば、色変
更の大きさを求めるにあたって、複数の近似直線と主波
長を持つ直線とに基づく交点演算が行われ、例えば、そ
の演算結果の最大値がpとされ、1からpを減じ、これ
に刺激値和Lを乗算し、これをもって色変更の大きさが
求められる。これにより、回路を単純化して、回路規模
を小さくできかつ消費電流も少なくて済むという特徴を
有している。
【0024】また、請求項3記載の発明によれば、色変
更の大きさを求めるにあたって、複数の近似直線と主波
長を持つ直線とに基づく交点演算が行われ、例えば、そ
の演算結果の最大値がPとされ、刺激値和からPを減
じ、これをもって色変更の大きさを求めるため、回路を
単純化して、回路規模を小さくできかつ消費電流も少な
くて済むという特徴を有している。
【0025】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。
【0026】なお、「色度図」や「スペクトル軌跡」等
の用語は、一般的には、CIE(1931)xy色度図
あるいはCIE(1931)rg色度図等において使わ
れるものであるが、本明細書においても、その概念を維
持し、何らかの3刺激値を強度情報で正規化した値を
「色度値」と称し、この2つの「色度値」からなる平面
を「色度図」と称し、更に、この色度図上に描かれる純
粋な色を表す曲線を「スペクトル軌跡」及び「純紫軌
跡」と称することにする。
【0027】[色度図を用いた色変換の説明]まず、本
発明の説明の前提として、本発明者が特願平4−953
35号公報で先に提案した上記色変換方法の原理につい
て説明する。
【0028】この色変換方法は、CIE(1931)X
YZ表色系におけるxy色度図が原理上用いられ、これ
に併せてスペクトル軌跡のデータが利用される。なお、
以後に登場する刺激値和Lは、各刺激値の合計値であ
り、L=X+Y+Zで表される。
【0029】国際照明委員会(CIE)は,CIE(1
931)XYZ表色系とxy色度図を定めている。
【0030】図1には、そのxy色度図が示されてお
り、これによれば、色度値の基本的な性質は次のように
説明される。
【0031】物の色を測色した場合には、物に固有な色
と光源の色との混色した色情報が得られる。よって、測
色した3刺激値から定まる色度値は、光源の色度値と、
その物の示す色度値のうちの最も純粋な色度値と、の混
色によって表すことができる。
【0032】ここで、この最も純粋な色度値を連ねた曲
線は“スペクトル軌跡”100及び“純紫軌跡”102
と称され、これら曲線100、102上に定めた画素の
色度値Fに対応する点は,“主波長”S(又は“補色主
波長”)と呼ばれる。
【0033】よって、撮影時の光源の色度値Wを用い
て、画素の色を光源の色度点と主波長を表す色度点とに
分解し、その後、光源の色度値Wを再生時の光源の色度
点W´まで変更し、これを用いて再びその画素の色を混
色により求めれば、当該画素の新しい色度値F´が得ら
れる。これによって、色度図上の色変換が実現される。 [光源のxy色度値を求める方法(参考)]ここで、色
温度の補正のための光源の色度の変化量の求め方を述べ
る。
【0034】CIE(1931)xy色度図上で、光源
の色温度は、黒体輻射軌跡もしくはCIE昼光軌跡とし
て表される。
【0035】物体の色は、光源の色温度によって変わる
ため、上述の方法に基づき、基準となる白の点(W点、
図1参照)を実際の光源の色温度にあわせて移動させれ
ば、光源に左右されずに、実際の色に近い刺激値が求め
られる。
【0036】例えば、夕日の中の色温度の低い条件での
撮影による画像データは、白色点Wを3500゜K付近
に設定する。これを再生する時には、基準白色Wを60
00゜Kで再生すれば赤味を補正することができる。ま
た適当にWをシフトすれば任意の色温度での再生が可能
になる。このように、撮影条件の補正と再生時の色の調
整がより自然な色によって実行できる。
【0037】周知のように、CIE昼光の相関色温度T
cpとxy色度図の色度座標(xD ,yD )の関係は、J
IS Z8720によると、次のように求められる。
【0038】(4000゜K≦Tcp≦7000゜K)の
範囲で、 xD =-4.6070(103 /Tcp )3 +2.9678(103 /Tcp )2 +0.09911 (103 /Tcp)+0.244063 …(1) (7000゜K≦Tcp≦25000゜K)の範囲で、 xD =-2.0064(103 /Tcp )3 +1.9018(103 /Tcp )2 +0.24748( 103 /Tcp)+0.237040 …(2) yD =-3.000xD2 +2.870xD-0.275 …(3) 4000゜K以下の色温度については黒体輻射軌跡を用
いればよい。AmericanInstitute of Physics 3rd. edit
ion (McGRAW HILL)には1000゜Kまでの色温度にお
ける黒体の色度が記載されておりこれをもとに近似式を
もとめると次のようになる。
【0039】 (1000゜K≦Tcp<4000゜K) x=0.222782( 103 /Tcp )3 -0.834781(103 /Tcp )2 +1.114627(103 /Tcp)+0.149920 …(4) y=-1.235009 x3 -0.992589 x2 +1.918509 x-0.141562 …(5) これにより、1000゜Kから25000゜Kまでの色
温度の光源の色度座標が得られることになる。
【0040】これを用いて、任意の色温度でその光源の
色度座標を求めることができる。また、代表的な色温度
に対して色度座標をテーブルにして記憶しておいても好
適である。
【0041】[本発明に係る色変換の原理] 本発明は、上記色変換を、輝度色差へ拡張適用するに当
たって、自然な色変換を実現できかつ回路構成を簡易化
できることを目的とするものである。
【0042】図2には、横軸をCb/Lとし、縦軸をC
r/Lとした色度図が示されている。但し、Lは、刺激
値和(L=X+Y+Z)であり、色度図上には、スペク
トル軌跡100、純紫軌跡102、及び色温度軌跡10
4が示されている。
【0043】本発明は、原理的には、この色度図上で、
図1に示した色変換と同様の色変換を実現するものであ
る。しかし、図2のスペクトル軌跡100及び純紫軌跡
102のデータをそのまま用いると、記憶容量が増大
し、また、演算が煩雑になってしまう。
【0044】そこで、本発明では、色変換を行うに当た
って、図2のスペクトル軌跡100及び純紫軌跡102
を簡易な図形で近似するとともに、演算自体を簡略的に
行っている。
【0045】図3には、上記スペクトル軌跡100及び
純紫軌跡102を2つの2次方程式及び2つの直線で近
似した例が示されている。また、図4には、上記同様
に、4つの直線で近似した例が示されている。
【0046】ここで、本発明に係る実施例の色変換装置
の概要について説明すると、まず、再生時の光源の(単
位刺激値和あたりの)輝度色差と撮影時の光源の(単位
刺激値和あたりの)輝度色差との差により、「単位刺激
値和あたりの色変更量」が求められる。次に、これに対
し、画素の刺激値和がかけられ、さらに(1−刺激純
度)がかけられ、これによって「画素の色変更量」が求
められる。そして、これをその画素の輝度色差信号に加
えれば、新しい色差信号が得られる。
【0047】この色変換では、上記色変換同様、与えら
れた色が光源の色に近いほど(刺激純度が低いほど)光
源のシフトの影響を受け、また、刺激純度が高いほど
(すなわちその色が純粋であるほど)光源のシフトの影
響を受けにくいという性質を有している。
【0048】[光源のY、Cb、Crの3刺激値の求め
方]上記「単位刺激値和あたりの色変更量」を設定する
ための演算につき、説明する。
【0049】xyで光源の色の座標が与えられる場合、
まず、撮影時の光源の色の座標(x1 、y1 )と再生時
の光源の色の座標(x2 、y2 )との差分を求め
(xd 、yd )=(x2 −x1 、y2 −y1 )、これを
次の式によりRec.601のY信号・Cb信号・Cr
信号に変換する。
【0050】 zd =1−xd −yd …(6) R= 1.9106 xd −0.5326 yd −0.2883 zd G=−0.9843 xd +1.9984 yd −0.0283 zd B= 0.0584 xd −0.1185 yd +0.8985 zd …(7) (これはCIE(1931)XYZ表色系をNTSC信
号規格におけるRGB刺激値に変換する式である。) Y=0.299 R+0.587 G+0.114 B …(8) Cb=(B−Y)/2.03 =−0.147 R−0.289 G+0.436 B …(9) Cr=(R−Y)/1.14 =0.615 R−0.514 G−0.101 B …(10) (これは、NTSC規格に定めるRGB刺激値をCCI
R Rec.601へ変換する式である。)さらに、色
変更量を単位刺激値和あたりに正規化し「単位刺激値和
当たりの色変更量」を求めるために、色変更量をLで割
るのだが上記の式では,既にL=1の値が求められてい
るから、この演算は必要ない。
【0051】 △y=Y △u=Cb △v=Cr …(11) この単位刺激値和あたりの輝度色差変更量(△y、△
u、△v)を用いて、画素の輝度色差信号(Y、Cb、
Cr)に対する色変換が実行される。
【0052】[刺激純度の計算方法]先に提案した発
明、及び本発明のいずれにおいても、光源の色度変更に
よる画像の色変換にあたっては、上述のように、光源の
色度値、純粋な色を定義したスペクトル軌跡、及び、そ
れをもとに求められる刺激純度が必要である。
【0053】ここで、刺激純度は、画素の色度、光源の
色度、純粋な色の色度、が相互にどの程度の類似性があ
るかという割合を示すものであり、当該色変換では、刺
激純度が小さい画素ほど光源の色度の変更をそのまま受
け、刺激純度が大きい画素ほど変更を受けないという性
質がある。
【0054】本発明の望ましい一態様では、刺激純度を
求めるために、YCbCr信号から刺激値和Lを求め、
各信号をLで規格化し(L規格化)、これにより得られ
るCb/L、Cr/Lで“色度図”を構成し、これをも
とに刺激純度を求めている。
【0055】すなわち、Lにより輝度色差信号を規格化
することにより、入力信号が一般によく使われる輝度色
差の信号形式でありながら、簡単な演算で刺激純度を充
分な精度で求めることができる。これは本発明の望まし
い一態様の重要な特徴である。
【0056】このように、上述のように刺激値和Lによ
って規格化が行われているが、輝度Yと刺激値和Lは、
両者とも光の強さを表しているため、色刺激の強度によ
らない値としての“色度値”を求めるに際して、Yで規
格化することも考えられる(Y規格化)。しかし、Yで
規格化すると“刺激純度”は正確に求められず、Lで規
格化すべきことが判明している。なお、その理由は、次
に詳述されている。
【0057】[L規格化とY規格化の対比]図5は、参
考として、RGB座標空間上に、スペクトル軌跡を曲面
として示したものである。この空間で、色度図上で1点
で表される純粋色が、一本の直線として表されている。
但し、座標軸は回転されてある。図2の(A),
(B),(C)は、それぞれ直交する方向から空間を見
た図であり、同時にX,Y,Z,L,Cb,Crなどの
各軸が描かれ、各軸とスペクトル軌跡との位置関係が分
かるようになっている。
【0058】なお、CIE(1931)xy色度図は、
刺激値和Lによる規格化の上で作成されるため、図2の
錘状の曲面をL軸に垂直な平面で切断した断面に相当す
る。また、xy色度図上のスペクトル軌跡は、任意の色
空間(RGB、XYZなど)において表された(刺激の
強さによらない)純粋な色を表す直線群がなす錘状の曲
面をL=1の平面で切った断面を、色度図を構成する2
つの座標軸上へ射影したものになる。
【0059】この図5の色空間内(RGBもしくはそれ
に相当する3刺激値が作る3次元の立方体の表す空間)
において、LとYはそれぞれの方向を示す軸であり、L
もYもいわば測定軸であって、色空間内の色は、その点
を位置ベクトルと見なして、測定軸と内積を作ることに
より(必要ならばその内積に係数をかけることによ
り)、その強度(YやLなど)が測定される。
【0060】ここで、刺激値和Lと輝度Yは、互いに若
干色が異なる。すなわち、Lはやや青みがかった色であ
りYはやや黄みのかかった色である。これは、Y軸は、
白黒テレビで復調した場合にコントラストがちょうど自
然に見えるように、周知の標準の光Cをもとに定められ
たことに基づいている。また、L軸はXYZ表色系にお
ける刺激値和で定義されることから、XYZの各刺激値
の軸の中央を指していることに基づいている。
【0061】さて、Yを1に規格化したCbCr色度図
(Y規格化色度図)と、Lを1に規格化したCbCr色
度図(L規格化色度図)と、では、どちらも二つの色の
混色が二つの色度点の内分点になる。これは、YやLに
限らず、任意の方向の軸を強度情報を測るための測定軸
とした場合でも成り立つ。
【0062】このため、いずれの規格化手法でも、色度
図上のスペクトル軌跡と、光源の色度点と、対象として
いる画素の色度点と、から、主波長を表す色度点をスペ
クトル軌跡上に求めることはできる。すなわち、Yある
いはLのどちらで規格化した場合でも、主波長(および
主波長を表すスペクトル軌跡上の色度点)は正しく求め
られる。
【0063】しかしながら、刺激純度に関しては、測定
軸をどの方向にとるかによって、正しい値が得られなく
なる。
【0064】これを説明すると、刺激純度は、CIE
(1931)xy色度図上では、光源Wと対象画素の色
度点Fとの長さWFと、光源Wと主波長を表す色度点S
との長さWSと、の比で定義される。すなわち、その比
は、画素の刺激値が与えられると、まず強度情報で規格
化した色度値を求め、次に、これと光源の色度値とから
スペクトル軌跡上に主波長を表す色度点Sを定めること
によって定義される。
【0065】このため、画素の強度情報は、測定軸への
射影の長さであり、測定軸の方向に応じて変化する。す
なわち、測定軸に近い色は強度情報が大きいが、測定軸
に直交する方向の色は、強度情報が0となる。よって、
測定軸を変えると、刺激純度もそれに応じて変化してし
まう。
【0066】例示すれば、一方の色度図上で、二つの色
度点を所定の内分比(例えば1:1)で混色した色の色
度点は、強度情報の測定軸の異なる他の色度図において
は、1:1の混色ではなくなる。
【0067】図6は、測定軸に応じて刺激純度が変化す
ることを示す図である。この図は、図2に示す空間の一
部を表している。なお、θ1は、刺激値和の軸Lに直交
する面内の1つの直線を示し、θ2は、輝度の軸Yに直
交する面内の1つの直線を示している。
【0068】図6において、上述したように、XYZ刺
激値和の軸Lは、無彩色ではなくややB(青)側よりに
傾いており、輝度の軸Yは、やや黄側の方に傾いてい
る。またY軸は、青軸Bに対して90度に近い角度をも
っており、青Bの輝度は小さく測定され、黄色の輝度は
大きく測定される。
【0069】このため、光源の色度点を無彩色W付近に
設定するとすると、測定軸がLのときには、画素の色度
点がWとBのほぼ中点で表され、一方、測定軸をYにす
ると、画素の色度点が移動し、Bの腕が長くまたWの腕
が短くなるため、Wの輝度が大きく、純粋色Bの輝度が
小さい混色となる。
【0070】すなわち、Y規格化による刺激純度は、L
規格化の場合の刺激純度より低くなってしまう。
【0071】従って、測定軸に直交する方向に軸を持つ
スペクトル軌跡上の色は、強度情報が小さく測定され、
このため強度情報を1に規格化した色度図上のスペクト
ル軌跡は、強度が1では重過ぎるため、そちら側に腕が
引き延ばされたような形になる。そちら側の色の刺激純
度は低めになり、反対に測定軸の近くにスペクトル軌跡
がある色の刺激純度は高めになる。
【0072】このように、測定軸とスペクトル軌跡を表
す錘状の曲面との相対的な位置関係が異なれば、刺激純
度は正しく求めることができなくなる。
【0073】結論として、CIE(1931)xy色度
図上で定義されたスペクトル軌跡を利用して、CbCr
平面上で刺激純度を正しく求めるためには、測定軸はL
=X+Y+Zの軸(L規格化)でなければならない。
【0074】ここで、スペクトル軌跡は、任意の色空間
(RGB、XYZなど)において表された、(刺激の強
さによらない)純粋な色を表す直線群がなす錘状の曲面
をL=1の平面で切った断面を、色度図を構成する2つ
の座標軸上へ射影したものである。
【0075】通常はxy色度図を用いるから、この2つ
の座標軸はX軸とY軸であるが、本発明では、この2つ
の軸をCb軸とCr軸にとっている。
【0076】2つの軸へは射影を行うのであるから、L
=1の平面上にある線分間の比は、xyであろうと、C
bCrであろうと(色度座標としての射影軸がL軸でな
ければ)任意の2次元色度図に射影しても保たれるた
め、刺激純度が正しく求められる。
【0077】以上のように、輝度色差から刺激値和Lで
規格化した色差信号(色度値に相当する)を求め、これ
から刺激純度を求め、Lで規格化した輝度色差信号に色
変換を実行し、その結果を再び輝度色差に戻して出力と
するのが、本発明の望ましい一態様における色度図によ
る色変換の考え方である。
【0078】なお、輝度色差を定める信号規格について
は、本発明ではCCIR(国際無線通信諮問委員会)が
勧告したRec.601のYCbCrを用いるが、実際
には、YUV、YIQなど種々の信号規格が使用されて
いる。これらを含め、いかなる信号規格であっても、C
IE(1931)XYZ表色系との座標変換式が定義さ
れれば、Lを求め各信号をLで規格化すれば、色度図を
構成することができ、この色度図上で刺激純度を求める
ことにより、本発明を適用できる。
【0079】[第1実施例]図7には、本発明に係る色
変換回路の第1実施例が示されている。
【0080】図7において、10は、入力レジスタであ
り、その入力レジスタ10から画素のYCbCr信号が
出力される。なお、処理時間調整のためシフトレジスタ
12が適宜設けられている(各図において同様であ
る)
【0081】演算部14は、YCbCr信号から、後述
する色変更の大きさを計算する。この色変更の大きさ
は、積和演算器18の乗算器の一方のレジスタにセット
される。
【0082】色変更量設定部16は、設定される光源の
色度値から、色変換の程度を表す値としての単位刺激値
和あたりの輝度色差変更量(Δy,Δu,Δv)を算出
し、それを積和演算回路18の乗算器のもう一方のレジ
スタに設定する。
【0083】積和演算器18は、両者の積を求め、次に
YCbCrとの和を求める。これにより色変換がなされ
る。なお、20は、出力レジスタである。
【0084】なお、図示されてはいないが、色修正部に
おいて色変換後の色度値がその値が8ビットで表現でき
るか否かを判定し、もし8ビットデータに変換すること
ができない場合には、強制的に色を修正して出力しても
よい。
【0085】以下、演算部14につき、具体的に説明す
る。
【0086】刺激値和演算器21において、画素の輝度
色差信号(YF 、CbF 、CrF )には、それぞれ係数
a1,a2,a3が乗算されて、刺激値和LF が求めら
れる。
【0087】 LF =3.1615YF +2.2492CrF +0.7741CbF …(12) そして、刺激純度pを求めるために、2つの除算器22
において刺激の強度によらない色を表す値として、 uF =CbF /LF F =CrF /LF …(13) が計算される。これらは、図4に示した色度図の2つの
座標(色度値)に相当する。
【0088】このuF F の値から、刺激純度を計算す
るためには、スペクトル軌跡(及び純紫軌跡)が必要で
ある。
【0089】それには、周知のCIE(1931)XY
Z表色系においてスペクトル軌跡及び純紫軌跡の座標値
が定められているため、これを次に示すNTSC規格の
RGB刺激値に変換し、さらに、上に示したようにRe
c.601のY、Cb、Cr、値に変換すればよい。
【0090】 R= 1.9106 x −0.5326 y −0.2883 z G=−0.9843 x −1.9984 y −0.0283 z B= 0.0584 x −0.1185 y +0.8985 z …(14) L= x+y+z …(15) Y= 0.299 R+0.587 G+0.114 B Cb=(B−Y)*0.564 =−0.1686R−0.3311G+0.4997B Cr=(R−Y)*0.713 = 0.4998R−0.4185G−0.0812B …(16) u=Cb/L …(17) v=Cr/L このようにしてCbCr平面上にスペクトル軌跡を射影
して定義できる。
【0091】一般に各画素ごとに、その主波長を表す点
をスペクトル軌跡上に求める。
【0092】しかし、色変換の度に以上の計算を行うと
その計算が極めて繁雑となる。また、以上の計算結果を
テーブル化しておいても、膨大なテーブル容量が必要と
なる。
【0093】そこで、本発明においては、刺激純度を求
める演算を簡易化するため、この(u、v)がなす曲線
を次のように少なくとも2次以下の方程式で表される複
数の図形により近似している。
【0094】第1実施例では、図3に示したように、ス
ペクトル軌跡と純紫軌跡とを結んだループ曲線が、2つ
の放物線と2つの直線で近似されている。
【0095】具体的に説明すると、まず、近似しやすい
ようにuv座標系を回転して、次のu’、v’座標に変
換される。なお、回転変換は、1次変換であるから、方
程式の次数は2より増えない。
【0096】 u’=(√3*u−v)/2 v’=(u+√3*v)/2 …(18) この座標系上で「スペクトル軌跡」は、最小2乗近似に
より次の様に近似される。
【0097】[放物線1] u’=−0.393405v’2 −0.002532v’+0.362880 …(19) (380nmから495nmまで) [放物線2] v’= 8.091997u’2 −0.636572u’−0.943744 …(20) (495nmから560nmまで) [直線1] u’=−0.267353v’−0.334080 …(22) (560nmから780nmまで)また、純紫軌跡は、
次の様に近似される。
【0098】[直線2] v’=−0.351109*u’+0.380375 …(23) このような近似の下、主波長の演算が行われる。
【0099】すなわち、画素の色度を表す(u’、
v’)の点と、原点(0、0)を結ぶ直線を(u’、
v’)方向に延長して、前記の軌跡と交わる点(主波
長)が求められる。
【0100】この点をパラメータtにより(tu’、t
v’)と表現すると、この画素の色の純粋さを表す値
は、“p=1/t”により定義できる。このpが刺激純
度である。
【0101】このような理論の下、変換に先立って、光
源の色度値を回路23に設定する。撮影時の光源の色度
値をCIE(1931)xy色度値で(x、y)とした
場合、これをRec.601のYCbCr値に変換し、
さらに上記の30゜回転変換を施して、(uT 、vT
とする。
【0102】一方、刺激純度を求める回路24について
説明すると、次のようになる。
【0103】与えられた画素(u’F 、v’F )と同じ
「主波長を持つ直線の方程式」は、パラメータtを用い
て次のように表される。
【0104】 u’=gradu*t+uT v’=gradv*t+vT …(25) 但し、 gradu=u’F −uT gradv=v’F −vT 主波長の演算では、この直線の方程式とスペクトル軌跡
(又は純紫軌跡)との交点を演算する必要があり、それ
が回路24において行われる。
【0105】(1)[放物線1]との交点を定めるt
は、At2 +Bt+C=0の根の一方であり、次式で得
られる。
【0106】 t1=(−B−√D)/(2*A) …(26) ここで、 D=B2 −4A*C A=a*gradv*gradv B=2*a*gradv*vT + b*gradv−gradu C=a*vT *vT + b*vT +c−uT 但し、[放物線1]を u=a*v2 +b*v+c …(27) と表したときの係数が上式のa、b、cである。
【0107】(2)[放物線2]との交点を定めるt
は、At2 +Bt+C=0の根の一方であり、次式で得
られる。
【0108】 t2=(−B+ D)/(2*A) …(28) ここで、 D=B2 −4A*C A=a*gradu*gradu B=2*a*gradu*uT +b*gradu−gradv C=a*uT *uT +b*uT +c−vT 但し、[放物線2]を v=a*u2 +b*u+c …(29) と表したときの係数が上式のa、b、cである。
【0109】(3)[直線1]との交点を定めるtは次
式で定められる。
【0110】 t3=−(c+a*uT +b*vT ) /(gradu *a+gradv*b) …(30) 但し、直線1をa*u+b*v+c=0と表したときの
係数がa、b、cである。つまり、a=1、b=0.2673
53、c=0.334080 (4)[直線2]との交点を定めるtは次式で定められ
る。
【0111】 t4=−(c+a*uT +b*vT ) /(gradu*a+gradv*b) …(31) 但し、直線1をa*u+b*v+c=0と表したときの
係数がa、b、cである。つまり、a=0.351109、b=
1、c=−0.380375 そして、演算部24は、これらのt1、t2、t3、t
4のうち一つだけ正しい値を選び“t”とする。
【0112】このために、各tに対して、(u’F
v’F )の値を求め、スペクトル軌跡の近似として妥当
な値かどうかを判定する。すなわち、[放物線1]との
交点については、以下を満たしているかを判定すればよ
い。 (v’F >−0.27)かつ(v’F <0.27) …(32) [放物線2]との交点については、以下を満たしている
かを判定すればよい。 (u’F >−0.24)かつ(u’F <0.3353) …(33) [直線1]との交点については、以下を満たしているか
を判定すればよい。
【0113】 (v’F >−0.34)かつ(v’F <0.55) …(34) [直線2]との交点については、以下を満たしているか
を判定すればよい。
【0114】 (u’F >−0.482)かつ(u’F <0.333) …(35) これらのどれかの判定条件を満たしている解が見つかれ
ば、その他の判定条件を試す必要はない。
【0115】以上によって、1つのtが判定されると、
p=1/tにより、刺激純度pが演算される。なお、図
8は、刺激純度を求める回路24の詳細な回路図であ
り、セレクタによって、t1〜t4のうち1つが判定さ
れ、その逆数をとることにより、刺激純度pが演算され
ている。
【0116】このようにして、刺激純度pが求められた
後、回路26、28によって、刺激純度pから色変更の
大きさLF *(1−p)が求められ、積和演算器18へ
供給される。
【0117】すると、積和演算器18では、その刺激純
度pを用いて、次の式に基づき、画素の色変換を実行す
る。
【0118】 Y’ =YF +△y*LF *(1−p) Cb’=CbF +△u*LF *(1−p) Cr’=CrF +△v*LF *(1−p) …(24) これは、刺激純度が低い色ほど光源の色変化を忠実に受
けるという原理を模擬した式である。また、輝度YF
も変更を加えているが、本発明の色変換は刺激値和LF
を一定にして、色を変更するという特徴を有するため、
輝度YF も変更されている。
【0119】[第2実施例]図9には、第2実施例の構
成が示されている。なお、第1実施例と同様の構成には
同一符号を付けその説明を省略する。
【0120】この実施例では、図4に示したように、ス
ペクトル軌跡及び純紫軌跡が4つの直線で近似し、それ
から主波長が求められている。但し、図9を用いて後に
説明するように、この実施例では、画素の2つの色差C
b,Crに対する刺激値和Lによる規格化はなされてお
らず、一方、光源の色度値u T ,v T に対して刺激値和L
が乗算されている。つまり、刺激純度を求める回路32
においては、2つの色差を両座標軸とする色度図(座標
系)上で、刺激純度が演算されている。この点において
図4に示すものと異なる。図4の色度図は、図3の色度
図と対比しながら4直線近似を説明するためのものであ
る。
【0121】ここで、スペクトル軌跡を近似する直線
は、次の3つである。
【0122】[直線1] v=1.123860*u−0.564306 …(36) [直線2] v=−0.870820*u−1.24440 …(37) [直線3] v=3.723759*u+1.244407 …(38) また、純紫軌跡を近似する直線は、 [直線4] v=−1.164524*u+0.550892 …(39) そして、与えられた画素(uF 、vF )と同じ主波長を
持つ直線の方程式はパラメータtを用いて次のようにな
る。
【0123】 u=gradu*t+uT v=gradv*t+vT …(40) 但し、 gradu=uF −uT gradv=vF −vT この座標系は、回転をする必要がないため、撮影時の光
源の色度値は、 uT =Cb/L vT =Cr/L …(41) でよく、回転の一次変換を行う必要はない。
【0124】そこで、前記の4本の直線との交点を求め
ることにより、主波長を表す色度点の近似点を求める。
すなわち、(u、v)を4本の直線に代入して、tにつ
いて解くと次式のようになる。
【0125】[直線1] t=(−vT +1.123860*uT −0.564306) /(gradv−1.123860*gradu)…(42) [直線2] v=−0.870820*u−1.24440 t=(−vT −0.870820*uT −1.24440 )/(gradv
+0.870820*gradu ) …(43) [直線3] v=3.723759*u+1.244407 t=(−vT +3.723759*uT +1.244407)/(gradv
−3.723759*gradu) …(44) [直線4] v=−1.164524*u+0.550892 t=(−vT −1.164524*uT +0.550892)/(gradv
+1.164524*gradu) …(45) これらのうちで正の数で最小のものを選ぶと、これが求
める、t=1/pである。
【0126】実際には、tではなく刺激純度p=1/t
が必要であるから、これを次式の計算をして、これらの
うち正の数で最大のものを選択する。
【0127】[直線1] p=(gradv−1.123860*gradu) /(−vT +1.123860*uT −0.564306) …(46) [直線2] p=(gradv+0.870820*gradu) /(−vT −0.870820*uT −1.24440 ) …(47) [直線3] p=(gradv−3.723759*gradu) /(−vT +3.723759*uT +1.244407) …(48) [直線4] p=(gradv+1.164524*gradu) /(−vT −1.164524*uT +0.550892) …(49) 以上の計算式46〜49に、式40及び41を代入して
構成される計算式を表したのが、図9における乗算器3
0及び回路32、その詳細な図が図10である。
【0128】すなわち、乗算器23にて、uT 及びvT
と刺激値和Lとの積が求められ、それらの積L*uT
びL*vT が、刺激純度を求める回路32に入力され
る。
【0129】刺激純度を求める回路32は、それらとC
b,Crとから、図10に示すように、各直線を利用し
て求められた4つのpの内、最大値を判断し、それを刺
激純度pとしている。
【0130】[第3実施例]図11には、第3実施例の
構成が図示されている。
【0131】この第3実施例では、さらに回路を簡単に
するために、撮影時の光源の色度点(uT 、vT )を
(0、0)に近似している。
【0132】なわち、この第3実施例では、画素のC
bCr値をLFで正規化して、pを求め、色変換後の色
度値にLFをかけてCbCr刺激値に戻すという冗長な
演算を省略できる。つまり、刺激値LFが含まれた状態
でpを求めるのである。この説明から明らかなように、
この実施例でも、4つの直線近似を前提として、色度図
(座標系)上で4つの交点演算が行われる点は上記各実
施例と同様である。
【0133】これをP=LF *pで定義すると、色変更
量を求める回路14は次のような計算を行う。
【0134】[直線1] P=(CrF −1.123860*CbF )/(−0.564306) …(50) [直線2] P=(CrF +0.870820*CbF )/(−1.24440 ) …(51) [直線3] P=(CrF −3.723759*CbF )/1.244407 …(52) [直線4] P=(CrF +1.164524*CbF )/0.550892 …(53) すなわち、回路34で、上記のCb、Crの1次式を4
通り計算し、そのうち正の数で最大のものを選択しPと
する。
【0135】そして、減算器36で、刺激値和LF
ら、この最大値Pを減じることにより、色変更の大きさ
が求められ、積和演算器の乗算器18のもう一方のレジ
スタにセットされる。
【0136】積和演算器18では、両者の積が求めら
れ、同時に入力であるCbF 、CrFとの和を求められ
る。
【0137】 Y’ = YF +△y*(LF −P) Cb’=CbF +△u*(LF −P) Cr’=CrF +△v*(LF −P) …(54) なお、図12には、Pを計算する回路34の具体的な構
成が示されている。
【0138】(d)色修正の方法 入力の3刺激値がYCbCrそれぞれ8ビットであると
しても、色変換を実行した後の3刺激値は8ビットで表
せないことがある。よって、最終出力を3刺激値に変換
する時に、値がもし、0より小さいならば、0を出力す
る、値がもし、255より大きいならば、255を出力
する、ようにすると、色修正が実行できる。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る色変
換回路によれば、次のような効果がある。
【0140】YCbCrなどの輝度色差のデータで表さ
れた画像について、光源の色度をシフトすることによ
り、再生画像の色を自然に補正することができる。また
再生するときに好みに応じて、光源の色度をより自然に
変えて表示することが可能になる。
【0141】また、本発明は、色度図やスペクトル軌跡
を直接利用せず、少なくとも2次以下の方程式の近似に
よって計算を簡単にできるため、色変換を小さな回路規
模で実現でき、消費電流が少なく、集積化に適してい
る。また、少ない演算で実行でき、一画面分の処理を行
っても短時間で実行できる。
【0142】また、全て1次以下の方程式で表される図
形で近似すれば色変更の大きさを求めるのにわり算器や
平方根を求める回路が必要なくなる。ゆえに少ない計算
で済み、非常に回路が単純化されかつ処理速度も向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】CIE(1931)xy色度図と色温度曲線を
説明する図である。
【図2】スペクトル軌跡をCb/L−Cr/L平面上に
示す図である
【図3】スペクトル軌跡の近似を示す図である。
【図4】スペクトル軌跡を直線のみで近似する場合の図
である。
【図5】RGB色空間にスペクトル軌跡の色の示す軸を
連ねて示した図である。
【図6】測定軸に応じて刺激純度が変化することを示す
図である。
【図7】第1実施例のブロック図である。
【図8】第1実施例の刺激純度演算回路の構成を示すブ
ロック図である。
【図9】第2実施例のブロック図である。
【図10】第2実施例の刺激純度演算回路の構成を示す
ブロック図である。
【図11】第3実施例のブロック図である。
【図12】第3実施例の最大値Pを求める回路を示すブ
ロック図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−262525(JP,A) 特開 平1−145535(JP,A) 特開 昭60−31143(JP,A) 特開 昭63−132592(JP,A) 特開 平5−276529(JP,A) 特開 昭57−103481(JP,A) 特開 平4−207784(JP,A) 特開 昭62−230159(JP,A) 特公 平5−88589(JP,B2) 特公 平4−44277(JP,B2) 英国特許出願公開2227899(GB,A) 英国特許出願公開2198008(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 9/73 H04N 1/46 H04N 1/60 H04N 9/74

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像を構成する各画素の輝度信号
    及び2つの色差信号を入力とし、これを色変換して出
    力する色変換回路において、前記入力された当該画素の輝度信号及び2つの色差信号
    から、当該画素についての3刺激値の和である 刺激値和
    を演算する手段と、撮影時から再生時への前記カラー画像の色変換の程度を
    表す値として、輝度及び2つの色差のそれぞれについて
    単位刺激値和あたりの色変更量を設定する手段と、 前記刺激値和で規格化された2つの色差を表す色度図
    おいて、スペクトル軌跡及び純紫軌跡を近似する少な
    くとも2次以下の複数の近似曲線方程式撮影時の
    源の色度値及び当該画素の色度値による主波長を持つ直
    線の方程式と、に基づく交点演算を行うことにより、当
    該画素の色の純粋さを表す刺激純度を求める手段と、 前記刺激値和と前記刺激純度とから、当該画素について
    色変更の大きさを求める手段と、 前記色変更の大きさと前記輝度及び2つの色差のそれぞ
    れについての単位刺激値和あたりの色変更量との積を求
    め、それ前記入力された輝度信号及び2つの色差
    に加算する手段と、 を備えることを特徴とする色変換回路。
  2. 【請求項2】 カラー画像を構成する各画素の輝度信号
    及び2つの色差信号を入力とし、これを色変換して出
    力する色変換回路において、前記入力された当該画素の輝度信号及び2つの色差信号
    から、当該画素についての3刺激値の和である 刺激値和
    Lを演算する手段と、撮影時から再生時への前記カラー画像の色変換の程度を
    表す値として、輝度及び2つの色差のそれぞれについて
    単位刺激値和あたりの色変更量を設定する手段と、前記2つの色差を表す色度図上において、スペクトル軌
    跡及び純紫軌跡を近似する複数の近似直線方程式と、撮
    影時の光源の色度値及び当該画素の色度値による主波長
    を持つ直線の方程式と、に基づく交点演算を行うことに
    よって、当該画 素の色の純粋さを表す刺激純度pを求
    め、これにより当該画素についての 色変更の大きさL*
    (1−p)を求める手段と、 前記色変更の大きさL*(1−p)と前記輝度及び2つ
    の色差のそれぞれについての単位刺激値和あたりの色変
    更量との積を求め、それ前記入力された輝度信号及
    び2つの色差信号に加算する手段と、 を備えることを特徴とする色変換回路。
  3. 【請求項3】 カラー画像を構成する各画素の輝度信号
    及び2つの色差信号を入力とし、これを色変換して出
    力する色変換回路において、前記入力された当該画素の輝度信号及び2つの色差信号
    から、当該画素についての3刺激値の和である 刺激値和
    Lを演算する手段と、撮影時から再生時への前記カラー画像の色変換の程度を
    表す値として、輝度及び2つの色差のそれぞれについて
    単位刺激値和あたりの色変更量を設定する手段と、前記2つの色差を表す色度図上において、スペクトル軌
    跡及び純紫軌跡を近似する複数の近似直線方程式と、撮
    影時の光源の色度値に相当する原点及び当該画素の色度
    値による主波長を持つ直線の方程式と、に基づく交点演
    算を行うことにより、当該画素の色の純粋さに関わる値
    Pを求め、これにより当該画素についての 色変更の大き
    L−Pを求める手段と、 前記色変更の大きさL−Pと前記輝度及び2つの色差の
    それぞれについての単位刺激値和あたりの色変更量との
    積を求め、それ前記入力された輝度信号及び2つの
    色差信号に加算する手段と、 を備えることを特徴とする色変換回路。
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