JP3105190U - 電気泳動ゲルからの試料抽出器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気泳動ゲルを保管した後、ゲルに含まれているDNA等の試料を、電気泳動ゲルから簡便に抽出する器具を提供する。
【解決手段】試料を含有するゲルを切り出し、電圧をかけることで電気泳動と同様に長鎖DNAを収集して精製できるように、切り出したゲルが固定できるように徐々に幅及び/又は深さが減少する溝3を設け、更に該溝の幅の狭く深さの浅い側の端部にDNA回収部4を連接し、該DNA回収部に陽極を、又幅の広い側の溝に陰極を設け、緩衝液を満たした該溝に切り出したゲルを設置し、電気泳動により、簡便に緩衝液にDNAを溶出させることにより回収する核酸抽出具を考案した。
【選択図】図1
【解決手段】試料を含有するゲルを切り出し、電圧をかけることで電気泳動と同様に長鎖DNAを収集して精製できるように、切り出したゲルが固定できるように徐々に幅及び/又は深さが減少する溝3を設け、更に該溝の幅の狭く深さの浅い側の端部にDNA回収部4を連接し、該DNA回収部に陽極を、又幅の広い側の溝に陰極を設け、緩衝液を満たした該溝に切り出したゲルを設置し、電気泳動により、簡便に緩衝液にDNAを溶出させることにより回収する核酸抽出具を考案した。
【選択図】図1
Description
本件考案は、電気泳動の技術分野に関する。本願考案は、試料を電気泳動した後、ゲルから再度試料を抽出する器具に関する。特に、本件考案は、電気泳動用ゲルに含まれるDNAを抽出する器具に関する。
AFLPを用いたゲノム解析には、分解の進んでいない長いサイズのゲノムを用いることが必要である。
試料中に、小さなフラグメントに分解したゲノムが混じるとAFLP画像の中でノイズとなり、AFLPバンドの認識を難しくするからである。
ところが、長期保存しておいたゲノム試料は時として分解が進んでいる。そのために、AFLPにかけるためには、この中から短鎖に分解されたゲノムを取り除き特定の長さ以上のDNAのみを再抽出する必要があった。
アガロースゲルからDNAの回収については、例えば、低融点のアガロースゲルを用いる方法(日本生化学会編 新生化学実験講座(2) 核酸I 分離精製、第101頁(1991))等があるが、DNAの長さが短くないとうまく回収できない。
そこで、従来は、例えば試料が保存中に分解が進んだ場合は、試料全体をまず電気泳動し、長いサイズのゲノムが残っている部分のみを切り出して、特別な電気泳動装置にかけて、ゲノムをゲルから抽出していた。
従来、遺伝子試料を電気泳動後、ゲルの保管中に分解した短鎖が混じった試料から長鎖ゲノムを抽出するためのゲルからのゲノム抽出用の電気泳動装置は、2重のフィルターを持つガラス管を垂直に装備する抽出器を備えており、縦型で取り扱いが面倒であった。具体的には、ゲノムを容易に通すフィルター上にこのゲルを置き、フィルターの下にある透析膜へとゲノムを抽出していた。装置自体、安価ではなく、さらに透析膜に付着したゲノムを特殊なバッファーを用いて溶出させるなど抽出過程が煩雑であった。
更に、このような抽出操作中に再びDNAが壊れてしまう問題があった。また、抽出操作を繰り返すと、長いDNAの収量はますます減少するという問題を生じる。
たとえ、切り出したアガロースゲルを加熱し溶解させ、そこから核酸をアルコール沈殿で回収しようとしても、アガロースの溶けている液体にメタノールを加えても、DNAは沈殿しないのでDNAを回収することができない。また、低融点でDNA回収用の特殊なアガロースゲルがあるものの、PCR産物のような短いDNAを回収することはできるが、壊れていないゲノムDNAをそのまま抽出することはできない。抽出の過程で壊れてしまう。長鎖のゲノム分画を含むゲルを切り出し、再度クロロホルム・フェノールで抽出するのは、有機溶媒の使用を必要とし、簡便に行えるものではない。
そこで、本願考案が解決しようとする課題は、電気泳動ゲルを保管した後、ゲルに含まれているDNA等の試料を、電気泳動ゲルから簡便に抽出する器具を提供することである。
本件考案者らは、ゲル中の長鎖DNAを、ゲルに電圧をかけることで電気泳動と同様に長鎖DNAを収集して精製できるような器具の開発を検討した。そこで、電気泳動用のトレイに切り出したゲルが固定できるように徐々に幅及び/又は深さが減少する溝を設け、更に該溝の幅の狭く深さの浅い側の端部にDNA回収部を連接し、該DNA回収部に陽極を、又幅の広い側の溝に陰極を設け、緩衝液を満たした該溝に切り出したゲルを設置し、電気泳動により、簡便に緩衝液にDNAを溶出させることにより回収する核酸抽出具を考案した。
高価な、2重のフィルターを持つガラス管を垂直に装備する抽出器を使用することなく、又有機溶媒を用いる必要もなく、極めて簡便に、電気泳動ゲル中からDNAを抽出することができる。
本器は、通常の電気泳動と全く変わらない操作で、ゲノムDNAをほとんど壊さずに抽出及び又は回収することができる。もちろん、短鎖のDNAも回収も可能である。更に、熱では再溶解しないポリアクリルアミドゲルからも電気泳動した試料を回収可能である。
本願考案は、試料を電気泳動した後、ゲルから再度試料を抽出する器具を提供する。本願考案は、AFLP等のDNAフィンガープリンティングなどの試料(サンプル)から夾雑物を除去するために、電気泳動前のDNA・核酸試料等の精製を容易に行える(抽出方法及び)抽出用電気泳動トレイに関する。本願考案には、電気泳動したゲルからDNAを抽出する、DNA抽出器具を包含する。本願考案の試料抽出具は、例えば、電気泳動したゲルからの蛋白質の抽出にも用いることができる。
本件考案の電気泳動ゲルからの試料抽出器具は、電極部、及び溝を備えた電気泳動トレイからなる。電気泳動トレイは、好適には板状体であり、材質は、任意であるが、非電導性であって、溝又は通孔部等を形成することが容易な材質を用いることが望ましい。該材質としては、例えば、有機材料、プラスチック、ガラス、好適には、プラスチックなどの成形が容易な材質、具体的にはアクリル、ポリカーボネート、シリコン等を用いることができる。電気泳動トレイと電極部は、一体として形成することもできるが、電極部は、電気泳動用トレイと別に形成することもできる。電極部は、電極及び電極保持体として形成できる。本願考案の試料抽出器具は、適宜な電源ユニットと接続して用いることができる。
[電気泳動トレイ]
電気泳動トレイは、板状体であって、徐々に細くなる溝が形成されている。
板状体としては、例えば、長辺8−15cm、短辺5−10cm、厚さ2−4cmの矩形のプラスチックの板を用い、任意の本数、例えば、1−10本、好適には、3−6本の溝を設ける。複数の溝を設けることにより、一度に多数の試料を抽出することができる。溝は、一端から他端に向かって溝の幅が細く深さが浅くなるように形成されている。さらに、溝部の狭い側の一端に接して試料回収部、例えば、DNA回収部が設けられている。例えば、DNA回収部は、例えば、DNA回収部に接している溝よりも深い窪みを有するポケット状又は槽状に形成できる。任意には、DNA抽出用トレイ上の複数の溝を陰極側で通液可能な流路で結合することもできる。溝の断面形状としては、任意の形状をとりうるが、例えば、V字型溝、U字型溝等に形成できる。
電気泳動トレイは、板状体であって、徐々に細くなる溝が形成されている。
板状体としては、例えば、長辺8−15cm、短辺5−10cm、厚さ2−4cmの矩形のプラスチックの板を用い、任意の本数、例えば、1−10本、好適には、3−6本の溝を設ける。複数の溝を設けることにより、一度に多数の試料を抽出することができる。溝は、一端から他端に向かって溝の幅が細く深さが浅くなるように形成されている。さらに、溝部の狭い側の一端に接して試料回収部、例えば、DNA回収部が設けられている。例えば、DNA回収部は、例えば、DNA回収部に接している溝よりも深い窪みを有するポケット状又は槽状に形成できる。任意には、DNA抽出用トレイ上の複数の溝を陰極側で通液可能な流路で結合することもできる。溝の断面形状としては、任意の形状をとりうるが、例えば、V字型溝、U字型溝等に形成できる。
また、例えば、溝の幅が広く深い側の一端を幅、0.5〜1.5cm、深さ1〜1.5cmとし、他端の溝の幅が一番狭く浅い側を、例えば、幅0.2cm深さ0.5cmとすることができる。更に溝の幅が一番狭く浅い側の末端部に連接した試料回収部は、例えば、窪み又は槽状であるが、具体的には、底面が球面状である円柱、例えば、直径1.0cm深さが1.0cmの円柱状の下面に半径1cmの球面を連結した形状とすることができる。
更に、電気泳動トレイにおいては、複数の試料回収部及び該回収部が設けられる末端とは反対側の溝末端部に、以下に説明する陽極及び陰極をそれぞれ浸漬できるように形成されている。
溝の幅の広い側の端部に陰極を、溝の幅の狭い方の端部に隣接したDNA回収用の窪み又は槽であるDNA回収部、好適には該DNA回収部の底面に近い位置に、陽極を挿入可能とされている。
該溝部は電気泳動用の緩衝液で満たす。緩衝液としては、電気泳動法で通常用いる緩衝液であれば、いずれでも用いることができる。
[電極、電極保持体]
上記溝を有する電気泳動トレイは、好適には、上方を開放面とし、上部から、陰極又は陽極を挿入する。
上記溝を有する電気泳動トレイは、好適には、上方を開放面とし、上部から、陰極又は陽極を挿入する。
該陰極及び陽極は、貴金属、好適には、白金で形成され、該陽極又は陰極は、任意の電極形状をとりうるが、好適には、U字型状又は針形をしている。陰極又は陽極は、好適には、電極保持体、具体的には、陽電極保持体又は陰電極保持体により支持される。陽電極保持体より突出した陽電極が試料回収部(例えば、DNA回収部)に、陰電極保持体より突出した陰電極が電気泳動トレイに形成された溝に、それぞれ挿入され、これら(溝及び試料回収部)が緩衝液で満たされたときには、緩衝液に浸漬できるように構成されている。
陽及び陰電極保持体は、非電導材、好適には、プラスチックからなり、電極は電極保持体に融着されている。
陽及び陰電極保持体は、好適には、電極保持体受け部に係合することにより、電極を、電気泳動トレイの溝に浸漬可能とすることができる。電極保持体受け部は、電気泳動トレイの側面、好適には両側面に設けることができる。
電極保持体には、好適には、係止部を設け、電極保持体受け部には、該係止部を受けるための部材、例えば、係止部に係合する溝を設けることができる。
更に好適には、電極保持体受け部に2カ所の電極保持体を係合する係合溝を設け、電極保持体の係止部を電極保持体受け部の一方の係合溝に係合することにより電極を電気泳動トレイ正面の溝又は試料回収部に浸漬でき、電極保持体を引き上げて電極が該溝及び試料回収部の液面より高くなる状態で、電極保持体受け部の他方の係合溝に係合することもできるように構成することができる。
電極保持体受け部は、電気泳動トレイと別体とすることもできるが、好適には、電気泳動トレイと一体に形成することができる。
上記陽極と陰極は、電源部(電源ユニット)に接続可能であり、該電源ユニットは、電極圧、電流を制御可能であり、電極極性を任意に反転させることができる電源ユニットが望ましい。
[電気泳動ゲルからの試料の抽出]
本考案の電気泳動ゲルからの試料抽出器具は、次のように使用できる。例えば、DNAを電気泳動ゲルから抽出する場合には、DNAを抽出するために切り出したゲルをプラスチック板の溝内に置き、ゲルが大凡固定される位置まで、ピンセットで、ゲルをトレイ状の溝の細い陽極側に移動させる。溝は陽極に向かって細く浅く形成されているので、常識的なサイズに切り出したゲルであれば溝のどこかで留まり固定される。このようにして、試料を含むゲルを固定することができるので、一定の電荷をかけることでゲルから安定して、DNA・核酸試料を抽出することができる。例えば、100V、20mA以下、好ましくは、例えば、50V、7mA程度の電荷を与えるとゲル内に留まっていたゲノムを流出させることができる。
本考案の電気泳動ゲルからの試料抽出器具は、次のように使用できる。例えば、DNAを電気泳動ゲルから抽出する場合には、DNAを抽出するために切り出したゲルをプラスチック板の溝内に置き、ゲルが大凡固定される位置まで、ピンセットで、ゲルをトレイ状の溝の細い陽極側に移動させる。溝は陽極に向かって細く浅く形成されているので、常識的なサイズに切り出したゲルであれば溝のどこかで留まり固定される。このようにして、試料を含むゲルを固定することができるので、一定の電荷をかけることでゲルから安定して、DNA・核酸試料を抽出することができる。例えば、100V、20mA以下、好ましくは、例えば、50V、7mA程度の電荷を与えるとゲル内に留まっていたゲノムを流出させることができる。
通常の長鎖DNAの電気泳動における電圧よりも相当に低い電圧による電気泳動でゲノム・DNAを回収することにより、DNAに対する損傷を低減できる。
ゲノムが集まる陽極は再びわずかに深くなっており、1%アガロースゲル内に留まっているゲノムの場合、20分程度の泳動後にはほとんどが流出し、陽極のポケットに集まる。
陽極のポケット内の液体を、採取直前に電極極性を2〜3度反転させ、陽極に付着したDNAを分離した後に、電極を引き上げて、2〜3回に分け計約500μl採取する。該採取液中に求めていた長鎖のゲノムが得られる。
なお、本体トレイ部分と電極保持体は容易に分離でき、次回への汚染が生じないよう、それぞれ徹底した洗浄を行うことができる。
内、以下に本願考案を、試料としてDNAを抽出する場合について、実施例を用いて詳述するが、本願考案は、下記実施例に限定されるものではない。
(1) DNA抽出具 本DNA抽出用電気泳動トレイ及び電極を、図1−6を用いて説明する。
(1−1)DNA抽出のための電気泳動トレイ本体
長辺11cm、短辺8cm、厚さ3cmの矩形のプラスチック板に、5本の溝(2)を形成し、内中央部の3本の溝は加電中のバッファーの温度上昇を防ぐため、上部で溝同士連結させた。溝は、一端から他端に向かって溝の幅が細く深さが浅くなるように形成されている。さらに、溝部の狭い側の一端に接してDNA回収部(ポケット)(4)が設けられている(図1)。
(1−1)DNA抽出のための電気泳動トレイ本体
長辺11cm、短辺8cm、厚さ3cmの矩形のプラスチック板に、5本の溝(2)を形成し、内中央部の3本の溝は加電中のバッファーの温度上昇を防ぐため、上部で溝同士連結させた。溝は、一端から他端に向かって溝の幅が細く深さが浅くなるように形成されている。さらに、溝部の狭い側の一端に接してDNA回収部(ポケット)(4)が設けられている(図1)。
図1に示されるようにDNA抽出用電気泳動トレイの右端及び左端の溝の一番上部は、幅、1.5cm、深さ1.5cmとし、他端のDNA回収部に隣接する溝の幅が一番狭い箇所は、幅0.2cm・深さ0.5cmで、更にDNA回収部は直径0.5cmの円柱状で、深さが0.7cmである。中央の3本の溝は、間隔およそ1cmの間隔で設けられているが、中央部3つの溝の上部は通液可能に結合されている。
DNA抽出トレイは、水平に設置され、溝には、電気泳動用緩衝液が満たされる。
DNA抽出トレイは、水平に設置され、溝には、電気泳動用緩衝液が満たされる。
(1−2)電極
陰極及び陽極は、白金で形成されている。該陽極は細いU字型突出部を5カ所有しており、それぞれの突出部は、5本の溝に連結するDNA回収部の下部に挿入可能な形状である。また、陰極はU字型突出部を5カ所有しており、それぞれ、5本の溝のDNA回収部とは反対側の末端近くに浸漬可能な形状である。
陰極及び陽極は、白金で形成されている。該陽極は細いU字型突出部を5カ所有しており、それぞれの突出部は、5本の溝に連結するDNA回収部の下部に挿入可能な形状である。また、陰極はU字型突出部を5カ所有しており、それぞれ、5本の溝のDNA回収部とは反対側の末端近くに浸漬可能な形状である。
陰極又は陽極は、エポキシ樹脂からなるプラスチック板からなる陰又は陽電極保持体に挟まれ、融着されている。
(1−3)電極とDNA抽出用電気泳動トレイの配置
電極保持体(7)および(8)には係止部(12)が設けられ、DNA抽出用電気泳動トレイの両側面に形成された電極保持体受け部(9)及び(10)の係合溝に係合させることにより電気泳動トレイに着脱自在に取り付けることができる(図3〜6)。電極保持体(7)及び(8)の係止部(12)を電極保持体受け部の垂直方向の係合溝に係合した状態で、陽電極(5)がDNA回収部底部近くに、陰電極(6)が溝末端の下部近くに浸漬させ、この状態で電気泳動する。
電極保持体(7)および(8)には係止部(12)が設けられ、DNA抽出用電気泳動トレイの両側面に形成された電極保持体受け部(9)及び(10)の係合溝に係合させることにより電気泳動トレイに着脱自在に取り付けることができる(図3〜6)。電極保持体(7)及び(8)の係止部(12)を電極保持体受け部の垂直方向の係合溝に係合した状態で、陽電極(5)がDNA回収部底部近くに、陰電極(6)が溝末端の下部近くに浸漬させ、この状態で電気泳動する。
電極は、プラスチック板中の貫通を通じて導かれる電線に接続され、該電線は、電源ユニットに接続されている。
電源ユニットは、マイパワー500(アトー株式会社)(直流電流で定電圧あるいは定電流、最大500V、200mA供給可能である。)を用いた。
電気泳動が終了しDNAを含むバッファーをポケット内から回収した後は、電極保持体は、緩衝液より把手部(11)を把手して引き上げられ、電極保持体受け部の上部に斜めに設けた係合溝に電極保持体の係止部(12)が係合される。
(2) 電気泳動用ゲルからの試料DNAの抽出
一部分解が進んでいると考えられるゲノム試料を、1%アガロースを用いて電気泳動し(100V直流電流で15分程度)、分解の進んでいない大きいサイズを含むゲルを切り出す。1%アガロースゲルには、DNA染色試薬としてエチジウムブロマイドが1μg/10mlゲル液量含まれており、暗室における紫外線照射下で、当該部分を認識し切り出すことが可能である。なお、長期保存したゲノムには分解したゲノム(写真中段スメア)が含まれている(図7)。
一部分解が進んでいると考えられるゲノム試料を、1%アガロースを用いて電気泳動し(100V直流電流で15分程度)、分解の進んでいない大きいサイズを含むゲルを切り出す。1%アガロースゲルには、DNA染色試薬としてエチジウムブロマイドが1μg/10mlゲル液量含まれており、暗室における紫外線照射下で、当該部分を認識し切り出すことが可能である。なお、長期保存したゲノムには分解したゲノム(写真中段スメア)が含まれている(図7)。
上記のように、まず1度通常の電気泳動処理をした結果得られた電気泳動ゲルの上部のみを切り出し、DNA抽出トレイに形成された溝にピンセットで挿入する(図8)。
挿入後、電極に電源ユニットを接続する(図9)。定電圧50Vで(このとき電流量は7mAであった。)5分間通電したところ、ゲルからのゲノム流出が確認できた(図10)。更に、通電を20分継続したところ、ゲル内のゲノムはほとんど流出した(図11)。なお、最右列はバッファーがこぼれたため、流出が不十分であったものである。
挿入後、電極に電源ユニットを接続する(図9)。定電圧50Vで(このとき電流量は7mAであった。)5分間通電したところ、ゲルからのゲノム流出が確認できた(図10)。更に、通電を20分継続したところ、ゲル内のゲノムはほとんど流出した(図11)。なお、最右列はバッファーがこぼれたため、流出が不十分であったものである。
陽極のポケット内の液体を、採取直前に電極極性を2〜3秒間反転させ、陽極に付着したDNAを分離した後に、電極を引き上げずに、2〜3回に分けポケット内のバッファーを計約500μl採取する。エタノールで沈殿を行うと、長いフラグメントが得られた(図12)。
1:DNA抽出用電気泳動トレイ、2:陰極浸漬部、3:溝、4:DNA回収部(陽極浸漬部)、5:陽極、6:陰極、7:陰電極保持体、8:陽電極保持体、9,10:電極保持体受け部、11:電極保持体把手部、12:電極保持体係止部
Claims (15)
- (1)溝を正面に形成した板状体であって、
(2)該溝の一端に連接する試料回収部を備え、
(3)該溝は、試料回収部に接する端部から他端部まで、その幅が広がり深さが深くなるように形成され、
(4)該試料回収部の深さは、連接する溝の一端における深さより深くなるように形成された電気泳動トレイ。 - 板状体に複数の溝が形成された請求項1記載の電気泳動トレイ。
- 側面に設けた電極保持体受け部を設けた請求項1又は2記載の電気泳動トレイ。
- 請求項3記載の電極保持体受け部が陽電極保持体及び陰電極保持体を係合することによりが、陽電極保持体から突設された陽極が試料回収部内に固定でき、陰電極から突設された陰極が電気泳動トレイに形成された溝の内部に固定できるように形成された、請求項3記載の電気泳動トレイ。
- 複数の溝が陰極側で通液可能な流路で結合されている請求項2〜4項いずれか1項記載の電気泳動トレイ。
- 耐食性金属からなる複数のU字型又は針状電極を備えるプラスチック板で挟んで融着した電気泳動用電極保持体。
- 電極保持体受け部に係合できるように係止部材を設けた請求項6記載の電気泳動用電極保持材。
- 請求項1〜5いずれか記載の電気泳動トレイ、並びに陽電極保持体及び陰電極保持体からなる電気泳動ゲルからの試料抽出器具。
- 陰電極保持体及び陽電極保持体に保持される電極が耐食性金属からなる請求項8記載の試料抽出器具。
- 陰電極保持体及び陽電極保持体に保持される電極がそれぞれU字型又は針状である請求項8又は9記載の試料抽出器具。
- 陰電極保持体又は陽電極保持体がそれぞれ、陰極又は陽極をプラスチック板で挟んで融着した形成した陰電極保持体又陽電極保持体である請求項8から10いずれか1項記載の試料抽出器具。
- 電極保持体受け部に係合できるように係止部を設けた陰電極保持体又陽電極保持体である請求項8から12いずれか1項記載の試料抽出器具。
- (1)溝を正面に形成した板状体であって、該溝の一端に連接して形成した試料回収部を備え、該溝は、DNA回収部に接する端部から他端部まで、その幅が広がり深さが深くなるように形成され、該DNA料回収部の深さは連接する溝部より深くなるように形成されたDNA抽出用の電気泳動トレイ、並びに
(2)陽電極を保持する陽電極保持体及び陰電極を保持する陰極保持体からなる電気泳動ゲルからDNAを抽出する器具。 - (1)複数の溝を正面に形成した板状体であって、該溝の一端に連接して形成したDNA回収部を備え、該溝は、試料回収部に接する端部から他端部まで、その幅が広がりその深さが深くなるように形成され、該試料回収部の深さは連接する溝部より深くなるように形成され、両側面に電極保持体受け部を設けたDNA抽出用の電気泳動トレイ、並びに
(2)針状又はU字型の陽電極を保持する陽電極保持体及びU字型陰電極を保持する陰電極保持体であって、該電極保持体受け部に係合する係止部を設けた該陽及び陰極電極保持体、からなる電気泳動ゲルからDNAを抽出する器具。 - (1)複数の溝を正面に形成した板状体であって、該溝の一端に連接して形成したDNA回収部を備え、該溝は、試料回収部に接する端部から他端部まで、その幅が広がり深さが深くなるように形成され、該試料回収部の深さは連接する溝部より深くなるように形成され、両側面に電極保持体受け部を設けたDNA抽出用の電気泳動トレイ、並びに
(2)針状又はU字型の陽電極を保持する陽電極保持体及びU字型陰電極を保持する陰電極保持体であって、該電極保持体受け部に係合する係止部を設けた陽及び陰極電極保持体、からなる電気泳動ゲルからDNAを抽出する器具であって、
(3)陽及び陰極電極保持体を電極保持体受け部に係合することにより、陽電極がDNA回収部内に、陰電極が溝のDNA回収部とは反対側の一端に挿入可能に形成された電気泳動ゲルからDNAを抽出する器具。
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