JP3103929B2 - 三相電気機器の異常動作検出装置 - Google Patents

三相電気機器の異常動作検出装置

Info

Publication number
JP3103929B2
JP3103929B2 JP7583894A JP7583894A JP3103929B2 JP 3103929 B2 JP3103929 B2 JP 3103929B2 JP 7583894 A JP7583894 A JP 7583894A JP 7583894 A JP7583894 A JP 7583894A JP 3103929 B2 JP3103929 B2 JP 3103929B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
current
detection
detecting means
detecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7583894A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07280858A (ja
Inventor
究 村田
有康 真田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsubakimoto Chain Co
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsubakimoto Chain Co filed Critical Tsubakimoto Chain Co
Priority to JP7583894A priority Critical patent/JP3103929B2/ja
Publication of JPH07280858A publication Critical patent/JPH07280858A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3103929B2 publication Critical patent/JP3103929B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tests Of Circuit Breakers, Generators, And Electric Motors (AREA)
  • Non-Mechanical Conveyors (AREA)
  • Protection Of Generators And Motors (AREA)
  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、三相電気機器の異常動
作を検出する三相電気機器の異常動作検出装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】スーパーマーケット、百貨店等の物流セ
ンター又は配送センターでは商品の仕分け及び配送のス
ピード化を図るべく搬送システムを採用している。この
搬送システムは、商品を載置するトレイを設けたキャリ
アを多数個連結していて、それをリニアモータで所定の
走行路に沿って走行させて、商品を所定位置へ搬送する
よう構成されている。
【0003】図15は搬送システムにおけるキャリアの側
面図である。床面Gより所定高さ位置に、床面に平行さ
せたガイドレールGRが配設されている。ガイドレールGR
の各側面を転動するローラR (一側面側のみ図示) を、
前側及び後側に設けていて、そのローラRによりガイド
レールGRを挟持して支持されているキャリア本体CAがガ
イドレールGRに走行可能に配設されている。キャリア本
体CAの上側には、商品を載置するトレーTが取付けられ
ており、キャリア本体CAの下側には、リニアモータの2
次導体であるアルミニウム板Aが取付けられていて、キ
ャリアCRが構成されている。キャリアCRは、連結具Jを
介して、同様に構成されたキャリアと連結され、多数個
連結される。アルミニウム板Aの一側方にはアルミニウ
ム板Aと対向する高さ位置に、ガイドレールGRの長さ方
向に所定距離を離隔して、リニアモータの1次導体であ
る励磁コイルL1a, L2aが配設されており、アルミニウ
ム板Aの他側方には励磁コイルL1a, L2aと対向する位
置に励磁コイルL1b,L2bが配設されている(励磁コイ
ルL1a, L2aのみ図示)。
【0004】図16はリニアモータの駆動回路の回路図で
ある。三相電源1が、周波数変換用インバータ2の入力
側と接続される。インバータ2の出力側は三相電源母線
3と接続され、三相電源母線3はガイドレールGR (図15
参照) に沿って配線される。三相電源母線3から分岐し
た三相分岐線4a,4b の三相分岐線4aには、アルミニウム
板A (図15参照) の一側面と対向する励磁コイルL1a
び他側面と対向する励磁コイルL1bが並列接続される。
また他の三相分岐線4bには、アルミニウム板Aの一側面
と対向する励磁コイルL2a及び他側面と対向する励磁コ
イルL2bが並列接続される。アルミニウム板Aと励磁コ
イルL1a, L1bとによりリニアモータLM 1 が構成され、
アルミニウム板Aと励磁コイルL2a, L2bとによりリニ
アモータLM2 が構成されるようになっている。
【0005】三相分岐線4a(4b)には、励磁コイルL
1a(L2a),L1b(L2b)の電流を一括して検出する位
置に変流器TU1(TU2),TV1(TV2),TW1(TW2
が設けられている。変流器TU1,TV1,TW1の出力電流
は加算回路AD1 (AD2 ) へ入力される。加算回路AD1
(AD2 ) から異常動作検出信号SAが出力されるようにな
っている。
【0006】次にこのリニアモータの駆動回路の動作を
説明する。いま、三相電源1の三相電圧をインバータ2
へ供給すると、インバータ2は供給された三相電圧の周
波数を変換し、変換した周波数の三相電圧を三相電源母
線3へ出力する。そして三相分岐線4a(4b)を介してリニ
アモータLM1 (LM2 ) の励磁コイルL1a, L1b (L2a,
2b) へ供給されて、励磁コイルL1a, L1b,L2a, L
2bが励磁される。
【0007】そうすると、励磁コイルL1a, L1b間に位
置しているアルミニウム板A及び励磁コイルL2a, L2b
間に位置しているアルミニウム板Aに渦電流が発生す
る。そしてアルミニウム板Aと励磁コイルL1a, L1b
の間及びアルミニウム板Aと励磁コイルL2a, L2bとの
間に電磁力が作用して、アルミニウム板Aが一方向へ移
動させられて、キャリアCRは例えば白抜矢符で示す方向
へ移動する。またインバータ2が出力する三相電圧の周
波数を増加させた場合には、リニアモータLM1 ,LM2
駆動力が増大する。このようにして、励磁コイルL1a,
1b,L2a, L2bを三相電圧により励磁してキャリアCR
を連続走行させている。
【0008】ところで、いま例えば三相分岐線4aのいず
れかの相の分岐線が断線した場合、励磁コイルL1a, L
1bには平衡した三相電流が流れなくなり、リニアモータ
LM1の駆動力が低下して、リニアモータLM1 は異常動作
する。また変流器TU1,TV1,TW1の出力が不平衡にな
り、それらの出力電流を加算する加算回路AD1 の出力は
零にならず、それによって加算回路AD1 からリニアモー
タLM1 の異常動作を検出する異常動作検出信号SAを出力
する。即ち、三相電流が平衡している場合には、各相の
電流を加算した電流値が零になる性質を利用することに
より、各相の電流を検出する変流器の各出力電流を加算
する加算回路の出力が零にならなくなることによりリニ
アモータの異常動作を検出している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したようにリニア
モータの一対の励磁コイルの電流を一括して検出できる
位置に変流器を設けて、三相分岐線の各相の電流を検出
し、検出した各相の電流を加算した結果が零であるか否
かにより、一相断線時には加算結果が零でなくなる性質
を利用して三相分岐線の断線を検出できるが、三相分岐
線の二相分又は三相分の分岐線がともに断線した場合に
は、三相電流が流れなくなり、三相電流が平衡している
場合と同様に加算結果は零となり、リニアモータの異常
動作を検出できない。
【0010】また、前述したようにして設けた変流器の
出力電流の有, 無により、リニアモータの異常動作を検
出するようにした場合は、一対の励磁コイルの一方の励
磁コイルが断線したときに、変流器の出力電流が半減す
るが、零に至らず、リニアモータの異常動作を検出でき
ない虞れがあるという問題がある。
【0011】そこで、リニアモータの励磁コイルと三相
分岐線との接続部付近の各相の分岐線に変流器を設け
て、各相の分岐線の電流の有, 無を検出することが考え
られるが、そのようにすると励磁コイルごとに3個の変
流器を必要として多量の変流器が必要になり、その設備
費が大幅に上昇するとともに、その取付けのために広い
空間を必要とする等の問題がある。
【0012】本発明は斯かる問題に鑑み、並列接続され
た一対の三相電気機器の電流を一括して検出できる位置
に変流器を設けて、三相分岐線に接続された三相電気機
器の異常動作を検出できる三相電気機器の異常動作検出
装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る三相電気
機器の異常動作検出装置は、三相電源母線から分岐され
た複数組の三相分岐線の夫々に並列接続されている三相
電気機器の異常動作を検出する装置において、一組の三
相分岐線の分岐点と、その三相分岐線に接続されている
三相電気機器の接続点との間に流れる第1,2,3相の
各電流を検出する第1,2,3の電流検出手段と、第
1,2の電流検出手段の各検出電流に関連する値の差を
求める第1電流差検出手段と、第2,3の電流検出手段
の各検出電流に関連する値の差を求める第2電流差検出
手段と、他の組の三相分岐線の第1,2又は3相の電流
を検出する電流検出手段と、いずれかの組の三相分岐線
の第1,2又は3の電流検出手段の検出電流に関連する
及び他の組の三相分岐線の第1,2又は3相の電流を
検出する電流検出手段の検出電流に関連する値の差を求
める第3電流差検出手段とを備え、第1,2,3の電流
差検出手段の検出結果に基づいて三相電気機器の異常動
作を検出すべく構成してあることを特徴とする。
【0014】第2発明に係る三相電気機器の異常動作検
出装置は、三相電源母線から分岐された複数組の三相分
岐線の夫々に並列接続されている三相電気機器の異常動
作を検出する装置において、一組の三相分岐線の分岐点
と、該三相分岐線に接続されている三相電気機器の接続
点との間に流れる第1,2,3相の各電流を検出する第
1,2,3の電流検出手段と、他の一組の三相分岐線の
分岐点と、該三相分岐線に接続されている三相電気機器
の接続点との間に流れる第1,2,3相の各電流を検出
する第4,5,6の電流検出手段と、第1,2,3,
4,5,6の電流検出手段の検出電流に基づく基準電圧
を出力する基準電圧発生手段と、第1の電流検出手段及
び第4の電流検出手段の検出電流の差を求める第1の電
流差検出手段と、第2の電流検出手段及び第5の電流検
出手段の検出電流の差を求める第2の電流差検出手段
と、第3の電流検出手段及び第6の電流検出手段の電流
差を求める第3の電流差検出手段と、前記基準電圧及び
第1,2,3の電流検出手段の検出出力を各別に比較す
る第1,2,3の比較手段とを備え、該第1,2,3の
比較手段の比較結果に基づいて三相電気機器の異常動作
を検出すべく構成してあることを特徴とする。
【0015】
【作用】第1発明では一組の三相分岐線の第1, 2, 3
相の各電流を、第1, 2, 3の電流検出手段が検出す
る。第1, 2相の電流が平衡していると、第1, 2の電
流検出手段の検出電流は等しくなり、第1電流差検出手
段の出力は零になる。第1, 2相の電流が不平衡になる
と、第1, 2の電流検出手段の検出電流に差が生じて、
第1電流差検出手段の出力が大きくなる。第2, 3相の
電流が平衡していると、第2, 3の電流検出手段の検出
電流は等しくなり、第2電流差検出手段の出力は零にな
る。第2, 3の電流が不平衡になると、第2, 3の電流
検出手段の検出電流に差が生じて、第2電流差検出手段
の出力が大きくなる。他の組の三相分岐線の第1, 2又
は3相の電流を電流検出手段が検出する。いずれかの組
の三相分岐線の第1, 2又は3相いずれかの電流と、他
の組の三相分岐線の第1, 2又は3相いずれかの電流が
平衡していると第3電流差検出手段の出力は零になり、
不平衡になると、第3電流差検出手段の出力は大きくな
る。これにより、三相分岐線がどのような欠相状態にな
っても、第1, 2, 3電流差検出手段の出力に基づい
て、欠相による三相電気機器の異常動作を検出できる。
【0016】第2の発明では、一組の三相分岐線の第
1,2,3相の各電流を第1,2,3の電流検出手段が
検出する。他の一組の三相分岐線の第1,2,3相の各
電流を第4,5,6の電流検出手段が検出する。第1,
2,3,4,5,6の電流検出手段の検出電流に基づい
て基準電圧が発生する。一組の三相分岐線の第1,2,
3の電流と他の一組の三相分岐線の第1,2,3相の電
流とが平衡していると、第1,2,3の電流差検出手段
の検出出力は零になる。
【0017】一組の三相分岐線の第1,2,3相の電流
と、他の一組の三相分岐線の第1,2,3相の電流とが
不平衡になると第1,2,3の電流差検出手段の検出出
力は大きくなる。基準電圧に対して第1,2,3の電流
差検出手段の検出出力が大きくなると、第1,2,3の
比較手段の比較結果の極性が反転する。これにより、第
1,2,3の比較器の比較結果に基づいて、三相の欠相
による三相電気機器の異常動作を検出できる。
【0018】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面により詳
述する。図1は本発明に係る三相電気機器の異常動作検
出装置を、リニアモータの駆動回路とともに示すブロッ
ク図である。三相電源1が、周波数変換用インバータ2
の入力側と接続される。インバータ2の出力側は三相電
源母線3と接続される。三相電源母線3から分岐した三
相分岐線4a,4b の三相分岐線4aには、リニアモータのア
ルミニウム板 (2次導体) Aの一側面と対向する励磁コ
イルL1a及び他側面と対向する励磁コイルL1bが並列接
続される。三相分岐線4bには、リニアモータのアルミニ
ウム板Aの一側面と対向する励磁コイルL2a及び他側面
と対向する励磁コイルL2bが並列接続される。アルミニ
ウム板Aと励磁コイルL1a,L1bとによりリニアモータ
LM1 が構成され、アルミニウム板Aと励磁コイルL2a
2bとによりリニアモータLM2 が構成されるようになっ
ている。
【0019】三相分岐線4a(4b)には、励磁コイルL
1a(L2a),L1b(L2b)の電流を一括して検出する位
置に、電流検出手段たる変流器TU1(TU2),TV1(T
V2),T W1(TW2)が設けられる。この電流検出手段は
抵抗あるいはホール素子を用いることもできる。変流器
U1,TV1,TW1の出力電流は、整流平滑回路5a,5b,5c
へ入力される。整流平滑回路5aの出力電圧は、差動増幅
回路6aの一入力端子及び差動増幅回路11の一入力端子へ
入力される。整流平滑回路5bの出力電圧は、差動増幅回
路6aの他入力端子及び差動増幅回路6bの一入力端子へ入
力される。整流平滑回路5cの出力電圧は、差動増幅回路
6bの他入力端子へ入力される。
【0020】差動増幅回路6aの出力電圧は、絶対値を得
る絶対値回路7aへ入力され、差動増幅回路6bの出力は絶
対値を得る絶対値回路7bへ入力される。絶対値回路7aか
らリニアモータLM1 のU相又はV相の欠相検出信号Y1
が出力され、絶対値回路7bからリニアモータLM1 のV相
又はW相の欠相検出信号X1 が出力される。
【0021】一方、変流器TU2,TV2,TW2の出力電流
は、整流平滑回路8a,8b,8cへ入力される。整流平滑回路
8aの出力電圧は、差動増幅回路9aの一入力端子へ入力さ
れる。整流平滑回路8bの出力電圧は、差動増幅回路9aの
他入力端子及び差動増幅回路9bの一入力端子へ入力され
る。整流平滑回路8cの出力電圧は、差動増幅回路9bの他
入力端子及び差動増幅回路11の他入力端子へ入力され
る。差動増幅回路9aの出力電圧は、絶対値を得る絶対値
回路10a へ入力され、差動増幅回路9bの出力電圧は、絶
対値を得る絶対値回路10b へ入力される。絶対値回路10
a からリニアモータLM2 のU相又はV相の欠相検出信号
2 が出力され、絶対値回路10b からリニアモータLM2
のV相又はW相の欠相検出信号X2 が出力される。
【0022】また差動増幅回路11の出力電圧は、絶対値
を得る絶対値回路12へ入力される。絶対値回路12からリ
ニアモータLM1 又はLM2 の二相又は三相が欠相した欠相
検出信号Zが出力される。これらの欠相検出信号X1
1 ,X2 ,Y2 ,ZによりリニアモータLM1 又はLM2
の異常動作を検出する。なお、整流平滑回路5a,5b,5c,8
a,8b,8c は、例えばピークホールド回路からなり、差動
増幅回路6a,6b,9a,9b,11は例えば比較器からなってい
る。
【0023】次にこのように構成した三相電気機器の異
常動作検出装置の動作を説明する。いま、三相電源1の
三相電圧をインバータ2へ供給すると、インバータ2
は、供給された三相電圧の周波数を変換し、変換した周
波数の三相電圧を三相電源母線3へ出力する。この三相
電圧を三相分岐線4a(4b)を介してリニアモータLM1 (LM
2 ) の励磁コイルL1a, L1b (L2a, L2b) へ供給し、
励磁コイルL1a, L1b, L2a, L2bを励磁する。そうす
ると励磁コイルL1a, L1b間に位置しているアルミニウ
ム板A及び励磁コイルL2a, L2b間に位置しているアル
ミニウム板Aには渦電流が発生する。そしてアルミニウ
ム板Aと励磁コイルL1a, L1bとの間及びアルミニウム
板Aと励磁コイルL2a, L2bとの間に電磁力が作用し
て、アルミニウム板Aは一方向へ移動させられ、リニア
モータLM1 ,LM2 が駆動する。
【0024】ここで、三相分岐線4aにおいて断線が生じ
ていない場合は、三相分岐線4aに流れる電流、つまりリ
ニアモータLM1 の励磁コイルL1aに流れる三相電流は図
2に示すように平衡しており、また励磁コイルL1bに流
れる三相電流は図3に示すように平衡している。そのた
め励磁コイルL1a, L1bに流れるU,V,W各相の電流
の大きさが等しいものとなっている。そしてこのような
三相分岐線4aの電流を変流器TU1,TV1,TW1が検出
し、変流器TU1,TV1,TW1の出力電流が整流平滑回路
5a,5b,5cへ入力されて直流化される。U, V,W各相の
電流の大きさが等しいため、整流平滑回路5a,5b,5cから
は電圧レベルが等しい電圧が出力される。
【0025】そして整流平滑回路5aの出力電圧と整流平
滑回路5bの出力電圧とを差動増幅回路6aにより差動増幅
し、整流平滑回路5bの出力電圧と整流平滑回路5cの出力
電圧とを差動増幅回路6bで差動増幅すると、差動増幅回
路6a,6b の各出力電圧は零となり、その出力電圧の絶対
値を求めた絶対値回路7a,7b のいずれの出力電圧も零と
なる。即ち、絶対値回路7aからリニアモータLM1 のU相
又はV相の欠相検出信号Y1 を出力せず、絶対値回路7b
からリニアモータLM1 のV相又はW相の欠相検出信号X
1 を出力しない。
【0026】一方、三相分岐線4bの電流を変流器TU2
V2,TW2が検出し、変流器TU2,TV2,TW2の出力電
流が整流平滑回路8a,8b,8cへ入力されて直流化される。
三相分岐線4bにおいても断線が生じていない場合は、
U, V, W各相の電流の大きさが等しいため、整流平滑
回路8a,8b,8cからは電圧レベルが等しい電圧が出力され
る。そして整流平滑回路8aの出力電圧と、整流平滑回路
8bの出力電圧とを差動増幅回路9aにより差動増幅し、整
流平滑回路8bの出力電圧と差動増幅回路8cの出力電圧と
を差動増幅回路9bにより差動増幅すると、差動増幅回路
9a,9b の出力電圧はともに零となり、その出力電圧の絶
対値を求めた絶対値回路10a,10b の出力電圧はともに零
となる。即ち、絶対値回路10a からリニアモータLM2
U相又はV相の欠相検出信号Y2 を出力せず、絶対値回
路10b からリニアモータLM2 のV相又W相の欠相検出信
号X2 を出力しない。
【0027】また、整流平滑回路5aの出力電圧と、整流
平滑回路8cの出力電圧とを差動増幅回路11に差動増幅す
ると、差動増幅回路11の出力電圧は零となり、その出力
電圧の絶対値を求める絶対値回路12の出力電圧は零とな
る。そして絶対値回路12から、リニアモータLM1 又はLM
2 の二相又は三相の欠相による欠相検出信号Zを出力し
ない。これにより欠相検出信号Y1 ,X1 ,Y2
2 ,Zの電圧レベルはいずれも図4に示すように零と
なる。即ち欠相がなくリニアモータLM1 , LM2 が正常動
作であることにより、異常動作を検出した信号が出力さ
れることがない。
【0028】次に図5に示すように三相分岐線4aにおけ
るW相の分岐線が、励磁コイルL1aとL1bとの接続部よ
り励磁コイルL1a側の×印の位置で断線してリニアモー
タLM 1 が異常動作状態になった場合は、三相分岐線4aの
U, V, W各相の電流は93%, 93%, 68%に夫々低下す
る。そして三相分岐線4aのU, V, W各相の電流IU,I
V , IW は図6に示すようになる。また励磁コイルL1b
には図7に示すU,V,W各相の電流IU ,IV , IW
が流れる。
【0029】そして、このようなU,V,W各相の電流
を変流器TU1,TV1,TW1が検出し、変流器TU1
V1,TW1の出力電流が整流平滑回路5a,5b,5cへ入力さ
れ、整流平滑回路5a,5b,5cの出力電圧は93%, 93%, 68
%に低下した電圧レベルとなる。そのため差動増幅回路
6aの一入力端子及び他入力端子夫々には93%に低下した
電圧が入力され、差動増幅した差動増幅回路6aの出力電
圧は零になる。一方、差動増幅回路6bの一入力端子には
93%に低下した電圧が、他入力端子には68%に低下した
電圧が入力されて差動増幅した差動増幅回路6bの出力電
圧は零とならず、所定電圧レベルに上昇する。
【0030】そのため絶対値回路7bの出力電圧は図8に
示すように三相分岐線4aの断線時に、所定電圧レベルに
立上って、リニアモータLM1 のV相又はW相の欠相検出
信号X1 が絶対値回路7bから出力される。なお、三相分
岐線4bには断線が生じていないからU, V, W相の電流
は平衡しており、前述したように差動増幅回路9a,9b の
出力電圧はともに零である。そのため絶対値回路10a,10
b からリニアモータLM2 のU相又はV相の欠相検出信号
2 、V相又はW相の欠相検出信号X2 が出力されるこ
とがない。
【0031】また、差動増幅回路11の一入力端子には、
整流平滑回路5aからの93%に低下した出力電圧が入力さ
れ、他入力端子には整流平滑回路8cからの低下していな
い 100%の出力電圧が入力されて、差動増幅回路11が差
動増幅するが、入力される出力電圧の差が少ないため
に、差動増幅回路11の出力電圧は零に近くなって、絶対
値回路12からは、リニアモータLM1 又はLM2 の二相又は
三相の欠相による欠相検出信号Zを出力しない。このよ
うにして、欠相検出信号X1 により、リニアモータLM1
が異常動作であることを検出できる。
【0032】なお、三相分岐線4aのV相の分岐線が前記
同様に断線した場合には、整流平滑回路5a,5c の出力電
圧がともに93%に低下し、整流平滑回路5bの出力電圧が
68%に低下して、絶対値回路7aからリニアモータLM1
U相又はV相の欠相検出信号Y1 を出力し、絶対値回路
7bからリニアモータLM1 のV相又はW相の欠相検出信号
1 を出力する。これにより、前記同様にリニアモータ
LM1 が異常動作であることを検出できる。更に、三相分
岐線4aにおけるU相の分岐線が断線した場合も絶対値回
路7aからリニアモータLM1 のU相又はV相の欠相検出信
号Y1 を出力する。同様に、三相分岐線4bが断線した場
合も、前述したように三相分岐線4aが断線した場合と同
様にリニアモータLM2 の異常動作を検出できる。
【0033】次に図9に示すように三相分岐線4aにおけ
るV相及びW相の分岐線が励磁コイルL1aとL1bとの接
続部より励磁コイルL1a側の位置で、ともに断線してリ
ニアモータLM1 が異常動作状態になった場合は、三相分
岐線4aのU, V, W各相の電流は全て69%に低下する。
そして三相分岐線4aのU, V, W各相の電流IU
V ,IW は図10に示すようになる。また励磁コイルL
1bに流れるU, V, W各相の電流は図11に示すようにな
る。そして三相分岐線4aにおけるU, V, W各相の電流
を変流器TU1,TV1,TW1が検出し、変流器TU1
V1,TW1の出力電流が整流平滑回路5a,5b,5cへ入力さ
れ、整流平滑回路5a,5b,5cの出力電圧は69%, 69%, 69
%に低下した電圧レベルになる。そのため差動増幅回路
6a,6b の出力電圧はともに零になり、絶対値回路7aから
リニアモータLM1 のU相又はV相の欠相検出信号Y1
出力せず、絶対値回路7aからもリニアモータLM1 のV相
又はW相の欠相検出信号X1 を出力しない。
【0034】一方、三相分岐線4bには断線が生じていな
いため、三相分岐線4bのU, V, W各相の電流は低下せ
ず平衡している。そのため整流平滑回路8a,8b,8cの出力
電圧は低下がなく 100%で等しく、差動増幅回路9a,9b
の出力電圧は零となり、絶対値回路10a からリニアモー
タLM2 のU相又はV相の欠相検出信号Y2 を出力せず、
絶対値回路10b からリニアモータLM2 のV相又はW相の
欠相検出信号X2 を出力しない。
【0035】しかし乍ら、差動増幅回路11の一入力端子
には69%に低下した整流平滑回路5aの出力電圧が入力さ
れ、他入力端子には、電圧レベルが低下していない 100
%の整流平滑回路8cからの出力電圧が入力される。それ
により差動増幅回路11が差動増幅したその出力電圧は零
とならずに、所定電圧レベルに上昇する。そして絶対値
回路12の出力電圧は図12に示すように、三相分岐線4aの
二相断線時点に所定電圧レベルに立上って、絶対値回路
12からリニアモータLM1 又はLM2 の二相又は三相の欠相
検出信号Zを出力する。
【0036】この欠相検出信号Zにより、リニアモータ
LM1 又はLM2 が二相又は三相の欠相により、リニアモー
タLM1 又はLM2 が異常動作であることを検出できる。こ
こでは、差動増幅回路11は整流平滑回路5a及び8cの出力
電圧を差動増幅しているが、整流平滑回路5b又は5cの出
力電圧と、整流平滑回路8a又は8bの出力電圧を差動増幅
しても同様にリニアモータLM1 , LM2 の異常動作を検出
できる。
【0037】このようにして三相分岐線4a,4b のいずれ
かが断線し、あるいは励磁コイルL 1a又はL1bにおける
いずれかの相の回路が断線して欠相した場合には、欠相
検出信号Y1 , X1 又はY2 , X2 が出力されるから、
それによりリニアモータの異常動作を確実に検出でき
る。また三相分岐線4a又は4bの二相又は三相の分岐線が
ともに断線して欠相した場合にも、欠相検出信号Zが出
力されるから、欠相が複数の相であってもリニアモータ
の異常動作を確実に検出できる。
【0038】更に、三相分岐線4a又は4bの電流を検出す
る変流器TU1,TV1,TW1又はTU2,TV2,TW2を、一
対の励磁コイルL1a, L1b又はL2a,L2bの電流を一括
して検出できる位置に設けたから、一対の励磁コイルL
1a, L1bに対して3個、L2a,L2bに対して3個設けれ
ばよく、励磁コイルL1a, L1b,L2a,L2bの夫々に3
個の変流器を必要とせず、変流器の数及び整流平滑回路
の数を夫々半減できて、コストダウンし得るとともに多
数の変流器を取付けるための広い空間を要しない。
【0039】図13及び図14は本発明に係る三相電気機器
の異常動作検出装置の他の実施例の構成を示すブロック
図の各半部である。三相分岐線4aのU,V,W各相の電
流を検出する電流検出手段たる変流器TU1,TV1,TW1
にはシャント抵抗SRが並列接続され、その一側端子は接
地される。変流器TU1, (TV1,TW1)の他側端子は抵
抗R1 (R2 ,R3 )を介して、電流差検出手段たる差
動アンプDA1 ,(DA2,DA3 )の負入力端子−と接続さ
れる。三相分岐線4bのU,V,W各相の電流を検出する
変流器TU2,TV2,TW2にはシャント抵抗SRが並列接続
され、その一側端子は接地される。変流器TU2
(T V2,TW2)の他側端子は抵抗R4 (R5 ,R6 )を
介して、電流差検出手段たる差動アンプDA1 , (DA2
DA3 )の正入力端子+と接続される。
【0040】また変流器TU1,(TV1,TW1)の他側端
子は、それにアノードを接続しているダイオードD1
(D2 ,D3 )を介してアンプAPの正入力端子+と接続
される。また、変流器TU2, (TV2,TW2)の他側端子
は、それにアノードを接続しているダイオードD4
(D5 ,D6 )を介してアンプAPの正入力端子+と接続
される。アンプAPの正入力端子+は抵抗R7とコンデンサ
1 との並列回路を介して接地され、その負入力端子−
は抵抗R8 を介して接地される。アンプAPの出力端子AP
0 と負入力端子−との間には、アノードを出力端子AP0
と接続したダイオードD7 が介装される。
【0041】アンプAPの出力端子AP0 は可変抵抗VRと抵
抗R9 との直列回路を介して接地される。可変抵抗VRの
抵抗可変端子VR0 は比較器CP1 ,比較器CP2 ,比較器CP
3 の各正入力端子+と接続される。差動アンプDA1
(DA2 ,DA3 )の出力端子DA1O,(DA2O,DA3O)と、そ
の負入力端子との間には抵抗R10(R11, 12)が介装
され、正入力端子+は抵抗R 13(R14, 15)を介して
接地される。差動アンプDA1 ,(DA2 ,DA3 )の出力端
子DA1O,(DA2O,DA3O)は比較器CP1 ,(CP2 ,CP3
の負入力端子−と接続される。
【0042】比較器CP1 ,(CP2 ,CP3 )の出力端子CP
1O,(CP2O,CP3O)は、それにカソードを接続している
ダイオードD8 ,(D9 ,D10)を介して反転アンプRA
の負入力端子−と接続され、その負入力端子−は抵抗R
16を介して電源VCと接続され、リセットスイッチRSW と
抵抗R17との直列回路を介して接地される。反転アンプ
RAの出力端子RAO は抵抗R18を介して、その正入力端子
+と接続され、正入力端子+は抵抗R19を介して接地さ
れる。反転アンプRAの出力端子RAO は、抵抗R20と抵抗
21との直列回路を介してホトカプラPHのホトダイオー
ドPDのアノードと接続され、そのカソードは接地され
る。
【0043】抵抗R20と抵抗R21との接続部は、抵抗R
22を介して接地され、この抵抗R22にはカソードを接地
側としているダイオードD11が並列接続される。ホトカ
プラPHのホトトンランジスタPTR のコレクタは、それに
カソードを接続している発光ダイオード(LED)EDと抵抗
23との直列回路を介して電源VCと接続される。ホトト
ンランジスタPTR のエミッタは接地される。それ以外の
構成は図1と同様に構成されており、同一構成部分には
同一符号を付している。
【0044】次にこのように構成した三相電気機器の異
常動作検出装置の動作を説明する。三相電源1の三相電
圧をインバータ2へ供給すると、インバータ2は供給さ
れた三相電圧の周波数を低周波数に変換し、変換した低
周波数の三相電圧を三相電源母線3へ出力する。この三
相電圧を三相分岐線4a(4b)を介してリニアモータLM 1
(LM2 )の励磁コイルL1a, 1b(L2a, 2b)へ供給
し、励磁コイルL1a,1b, 2a, 2bを励磁する。そ
うすると励磁コイルL1a, 1b間に位置しているアルミ
ニウム板Aに渦電流が発生する。そしてアルミニウム板
Aと励磁コイルL1a, 1bとの間、及びアルミニウム板
Aと励磁コイルL2a, 2bとの間に電磁力が作用してア
ルミニウム板Aは一方向へ移動させられ、リニアモータ
LM1 , LM2が駆動される。
【0045】ところで、三相電気機器の異常動作検出装
置は、その電源を投入したときに、リセットスイッチRS
W をオフさせ、その後、再びオンにして、反転アンプRA
をリセットする。さて、三相分岐線4a,4b において断線
が生じていない場合は、変流器TU1, U2の各検出電
流、変流器TV1, V2の各検出電流、変流器TW1, W2
の各検出電流が夫々等しくなる。そして夫々の検出電流
をシャント抵抗SRで電圧に変換した検出電圧が得られ
る。そして、変流器TU1,TU2の各検出電圧を差動アン
プDA1 で差動増幅し、変流器TV1, V2の各検出電圧を
差動アンプDA2 で差動増幅し、変流器TW1, W2の各検
出電圧を差動アンプDA3 で差動増幅する。差動増幅した
結果、差動アンプDA 1 ,DA2 ,DA3 の各出力電圧は零に
なる。
【0046】一方、変流器TU1,TV1,TW1, U2,T
V2, W2の各検出電圧がダイオードD1 ,D2 ,D3
4 ,D5 ,D6 を介してアンプAPへ入力されて増幅さ
れ、アンプAPから変流器TU1,TV1,TW1, U2,T
V2, W2の検出電圧に比例した基準電圧を出力し、可変
抵抗VRの端子間には抵抗R9 と可変抵抗VRとで抵抗分割
された基準電圧が加わり、この基準電圧を比較器CP1
CP2 ,CP3 の各正入力端子+へ入力する。それにより比
較器CP1 ,CP2 ,CP3 は基準電圧と、差動アンプDA1
DA2 ,DA3 の出力電圧とを大小比較する。この場合、差
動アンプDA1 ,DA 2 ,DA3 の出力電圧が基準電圧以下で
あることにより、比較器CP1 ,CP2 ,CP3の出力電圧は
正電圧になり、比較器CP1 ,CP2 ,CP3 から欠相出力信
号を出力しない。そしてこの正電圧によりダイオードD
8 ,D9 ,D10には逆バイアスが加わって反転アンプRA
の負入力端子−には電源VCの電圧と同電圧が入力され
る。
【0047】これにより、反転アンプRAの出力電圧が負
電圧になってホトカプラPHのホトダイオードPDには電流
が流れずホトダイオードPDは発光しない。そのためホト
トランジスタPTR がオンせず発光ダイオードEDが非発光
となり、三相電気機器の異常動作を検出して報知するこ
とがない。さて、三相分岐線4aの例えば×印を付した位
置で断線が生じた場合、三相分岐線4aのU相電流が零に
なるとともにV相電流及びW相電流が断線する以前の電
流の略68%に低下する。そしてアンプAPの出力電圧が
低下し基準電圧は、その電流変化に応じて低下すること
になる。
【0048】一方、三相分岐線4bのU,V,W各相の電
流は低下しない。そのため差動アンプDA1 の出力電圧が
最も高くなり、その次に差動アンプDA2 ,DA3 の出力電
圧が高くなる。この差動アンプDA1 ,DA2 ,DA3 の出力
電圧が比較器CP1 ,CP2 ,CP 3 へ出力され、比較器C
P1 ,CP2 ,CP3 は基準電圧と差動アンプDA1 ,DA2 ,D
A 3 の出力電圧とを各別に比較する。
【0049】そして差動アンプDA1 ,DA2 ,DA3 の出力
電圧が比較器に入力されている基準電圧以上であると、
比較器の出力電圧は負電圧に反転し、欠相検出信号を出
力する。そして、この負電圧により比較器の出力端子と
接続されているダイオードに電流が流れて反転アンプRA
の負入力端子−の電圧は、電源VCの電圧より僅かに低下
した電圧になり、反転アンプRAの出力電圧は正電圧に反
転し、抵抗R20,R21を介してホトカプラPHのホトダイ
オードPDに電流が流れてホトダイオードPDが発光する。
【0050】それによりホトトランジスタPTR がオンし
て、電源VCから発光ダイオードEDに電流が流れて、発光
ダイオードEDが発光し、三相分岐線4aの欠相によるリニ
アモータLM1 の異常動作を検出し報知することになる。
そして、比較器の負入力端子−へ入力する基準電圧の電
圧値を可変抵抗VRにより調整することにより、三相の欠
相即ちリニアモータの異常動作を検出する感度を変更で
き、比較器の負入力端子へ入力する基準電圧の電圧値を
低い値にした場合は、検出感度を高くすることができ
る。
【0051】また、各相の電流を検出する変流器の検出
電流に基づく検出電圧により基準電圧を発生させるよう
にしているので、基準電圧はリニアモータの負荷電流に
応じて変化し、三相分岐線が欠相していないときの各相
の電流に対する電流比率で欠相を検出できる。つまりリ
ニアモータの異常動作のみを検出できる。
【0052】そして、リニアモータの駆動電流の変動及
び三相電源電圧の変動を欠相として誤検出することがな
く、欠相によるリニアモータの異常動作を的確に検出で
きる。更に、一組の三相分岐線の所定の相の電流と、そ
の相と同じ相の他の一組の三相分岐線の電流との電流差
たる電圧差を増幅するようにしているから、それらの電
圧変化が等しいため、直流電圧にした後にその差を求め
る必要がなく直接に両電圧差を求めて、欠相を検出でき
る。
【0053】従って、変流器の検出電流に基づく検出電
圧を直流電圧にする整流平滑回路は不要となる。そし
て、この三相電気機器の異常動作検出装置においても、
三相分岐線のいずれが断線し、或いは、三相分岐線に接
続されているリニアモータのいずれかの相の励磁コイル
が断線して欠相した場合には、比較器の出力の極性の反
転により、リニアモータの異常動作を確実に検出でき
る。
【0054】なお、本実施例では、三相電源母線に二組
の三相分岐線を接続して三相各相の電流を検出するよう
にしているが、この三相分岐線の数は単なる例示であ
り、実用上は、このように分岐された三相分岐線が三相
電源母線に多数組接続されて、夫々の三相分岐線の三相
各相の電流を同様に検出するよう構成される。また、本
実施例ではリニアモータの移動動作を検出する場合につ
いて説明したが、リニアモータの異常動作を検出する場
合に限定されるものではなく、モータ等の三相電気機器
の異常動作であっても同様に検出できるのは勿論であ
る。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように第1発明に係る三相
電気機器の異常動作検出装置によれば、三相分岐線のい
ずれかが断線し、あるいは三相分岐線に接続されている
三相電気機器のいずれかの相の回路が断線して欠相した
場合には、欠相検出信号が出力され、それにより三相電
気機器の異常動作を検出できる。また三相分岐線の二相
又は三相の分岐線がともに断線して欠相した場合にも、
欠相検出信号が出力されるから、欠相が複数の相に及ん
でも三相電気機器の異常動作を確実に検出できる。
【0056】更に、三相分岐線の電流を検出する電流検
出手段を、並列接続している三相電気機器の電流を一括
して検出できる位置に設けたから、並列接続している三
相電気機器の一組に対して3個設ければよく、電流検出
手段の数を半減させて設備コストを低減できるととも
に、多数の電流検出手段を取付けるための広い空間を必
要としない。
【0057】第2発明に係る三相電気機器の異常動作検
出装置によれば、三相分岐線のいずれかが断線し、ある
いは三相分岐線に接続されている三相電気機器のいずれ
かの相の回路が断線して欠相した場合には、比較器の比
較結果の極性が反転し、それにより三相電気機器の異常
動作を確実に検出できる。また、電流検出手段の検出電
流たる検出電圧により、欠相を判定するための基準電圧
を得るようにしているから、欠相していないときの電流
検出手段の検出電流の電流比率で欠相を検出して三相電
気機器の異常動作を検出できる。
【0058】更に、一組の三相分岐線の電流と、他の一
組の三相分岐線の電流との差を同じ相で求めるから、そ
れらの検出電流を直流電圧にする必要がなく直流電圧に
するための整流平滑回路が不要になって装置を簡素化で
きる。更にまた、三相分岐線の電流を検出する電流検出
手段を、並列接続している三相電気機器の電流を一括し
て検出できる位置に設けたから、並列接続している三相
電気機器の一組に対して3個設ければよく、電流検出手
段の数を半減させて設備コストを低減できるとともに、
多数の電流検出手段を取付けるための広い空間を必要と
しない、等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る三相電気機器の異常動作検出装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】欠相していない三相分岐線の電流の波形図であ
る。
【図3】欠相していない励磁コイルの電流の波形図であ
る。
【図4】欠相検出信号を出力していない状態における電
圧レベルを示す図である。
【図5】断線位置を示す回路図である。
【図6】欠相した三相分岐線の各相の電流の波形図であ
る。
【図7】欠相していない励磁コイルの各相の電流の波形
図である。
【図8】欠相検出信号の波形図である。
【図9】断線位置を示す回路図である。
【図10】二相から欠相した三相分岐線の各相の電流の
波形図である。
【図11】欠相していない励磁コイルの各相の電流の波
形図である。
【図12】欠相検出信号の波形図である。
【図13】本発明に係る三相電気機器の異常動作検出装
置の他の実施例の構成を示すブロック図の半部である。
【図14】本発明に係る三相電気機器の異常動作検出装
置の他の実施例の構成を示すブロク図の半部である。
【図15】キャリアの側面図である。
【図16】リニアモータの駆動回路を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
3 三相電源母線 4a,4b 三相分岐線 5a〜5c 整流平滑回路 8a〜8c 整流平滑回路 6a,6b,9a,9b,11 差動増幅回路 TU1,TV1,TW1, TU2,TV2,TW2 変流器 L1a, L1b,L2a,L2b 励磁コイル LM1 ,LM2 リニアモータ AP アンプ DA1 ,DA2 ,DA3 差動アンプ CP1 ,CP2 ,CP3 比較器 RA 反転アンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/34,29/18 H02H 7/085 B60L 13/03 B65G 54/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三相電源母線から分岐された複数組の三
    相分岐線の夫々に並列接続されている三相電気機器の異
    常動作を検出する装置において、 一組の三相分岐線の分岐点と、その三相分岐線に接続さ
    れている三相電気機器の接続点との間に流れる第1,
    2,3相の各電流を検出する第1,2,3の電流検出手
    段と、第1,2の電流検出手段の各検出電流に関連する
    値の差を求める第1電流差検出手段と、第2,3の電流
    検出手段の各検出電流に関連する値の差を求める第2電
    流差検出手段と、他の組の三相分岐線の第1,2又は3
    相の電流を検出する電流検出手段と、いずれかの組の三
    相分岐線の第1,2又は3の電流検出手段の検出電流に
    関連する値及び他の組の三相分岐線の第1,2又は3相
    の電流を検出する電流検出手段の検出電流に関連する値
    の差を求める第3電流差検出手段とを備え、第1,2,
    3の電流差検出手段の検出結果に基づいて三相電気機器
    の異常動作を検出すべく構成してあることを特徴とする
    三相電気機器の異常動作検出装置。
  2. 【請求項2】 三相電源母線から分岐された複数組の三
    相分岐線の夫々に並列接続されている三相電気機器の異
    常動作を検出する装置において、 一組の三相分岐線の分岐点と、三相分岐線に接続され
    ている三相電気機器の接続点との間に流れる第1,2,
    3相の各電流を検出する第1,2,3の電流検出手段
    と、他の一組の三相分岐線の分岐点と、該三相分岐線に
    接続されている三相電気機器の接続点との間に流れる第
    1,2,3相の各電流を検出する第4,5,6の電流検
    出手段と、第1,2,3,4,5,6の電流検出手段の
    検出電流に基づく基準電圧を出力する基準電圧発生手段
    と、第1の電流検出手段及び第4の電流検出手段の検出
    電流の差を求める第1の電流差検出手段と、第2の電流
    検出手段及び第5の電流検出手段の検出電流の差を求め
    る第2の電流差検出手段と、第3の電流検出手段及び第
    6の電流検出手段の電流差を求める第3の電流差検出手
    段と、前記基準電圧及び第1,2,3の電流検出手段の
    検出出力を各別に比較する第1,2,3の比較手段とを
    備え、該第1,2,3の比較手段の比較結果に基づいて
    三相電気機器の異常動作を検出すべく構成してあること
    を特徴とする三相電気機器の異常動作検出装置。
  3. 【請求項3】 電流検出手段が、変流器又は抵抗あるい
    はホール素子である請求項1又は請求項2記載の三相電
    気機器の異常動作検出装置。
  4. 【請求項4】 電流検出手段が、差動増幅器又は比較
    器である請求項1又は請求項2記載の三相電気機器の異
    常動作検出装置。
JP7583894A 1994-04-14 1994-04-14 三相電気機器の異常動作検出装置 Expired - Fee Related JP3103929B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7583894A JP3103929B2 (ja) 1994-04-14 1994-04-14 三相電気機器の異常動作検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7583894A JP3103929B2 (ja) 1994-04-14 1994-04-14 三相電気機器の異常動作検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07280858A JPH07280858A (ja) 1995-10-27
JP3103929B2 true JP3103929B2 (ja) 2000-10-30

Family

ID=13587748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7583894A Expired - Fee Related JP3103929B2 (ja) 1994-04-14 1994-04-14 三相電気機器の異常動作検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3103929B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120100012A1 (en) * 2009-06-19 2012-04-26 Doowon Electronics Co., Ltd. Method for controlling electric compressor

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07280858A (ja) 1995-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9190836B2 (en) Potential arc fault detection and suppression
US8649130B2 (en) Motor driving apparatus having fault diagnostic function
US8924170B2 (en) Method and system for detecting a failed rectifier in an AC/DC converter
CN102439463B (zh) 布线测试设备
EP2385384B1 (en) The measuring of earth fault current
AU634407B2 (en) Power converter apparatus for an electric vehicle
ITMI970134A1 (it) Metodo e circuito per proteggere i circuiti di potenza dai guasti di cortocircuito e di sovracorrente
JP3103929B2 (ja) 三相電気機器の異常動作検出装置
US9863992B2 (en) Fault detecting apparatus and detecting method of the same
US4870527A (en) Ground fault protection system
KR200193053Y1 (ko) 누전 차단기의 단락과 누전사고 구분 표시장치
JP3172629B2 (ja) 電流・電圧検出装置
JP2012151973A (ja) 電力変換装置
JPH09294380A (ja) 偏磁抑制制御装置
EP0565656A1 (en) Ac/dc converter fault detector
CN113759181A (zh) 直流链电容电压不平衡的检测装置
US11870199B2 (en) Terminal protection voltage detector circuit for protecting terminals of power supply apparatus
JP7384053B2 (ja) インバータ装置
WO2020213082A1 (ja) 電力変換装置
JPH0682137B2 (ja) 電力検知回路
KR100289494B1 (ko) 모터구동시스템의전류검출장치
JPS5826640A (ja) き電線の過電流保護装置
JP3562789B2 (ja) 過電流検出装置
JPH0755873A (ja) 直流制御回路地絡判別方法
JP5058748B2 (ja) 交流出力電流アンバランス検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees