JP3103818U - 名古屋帯 - Google Patents

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佳嗣 岡山
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株式会社北織
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Abstract

【課題】 太鼓部の透かし織組織が、独自に意匠性を発揮する,新規な名古屋帯を提供する。
【解決手段】 名古屋帯を、太鼓部1の地組織Aと胴部3の地組織Bが異なり、太鼓部1の地組織Aは、緯糸密度が、胴部3の地組織Bの緯糸密度の30〜70%である透かし織組織からなり、太鼓部1には透視性のない織柄Cが飛び柄で設けられているものとし、更に、着用時に裏太鼓となる裏太鼓部2を、太鼓部1の地組織Aと実質的に同様の透かし織組織A’からなるものとした。
【選択図】図1

Description

本考案は、太鼓部の地組織が透かし織組織からなる名古屋帯に関する。
太鼓部を透かし織組織で構成した名古屋帯で、その下に位置する裏太鼓部に設けた織柄や刺繍柄を透かして見えるようにする試みはあるが(特許文献1,2参照)、このような帯では、それなりの意匠効果はあるが、透かし織組織本来の意匠効果を発揮するものではなく、太鼓部そのものに透視性はなく、軽やかさや爽やかさに欠けるものであった。
実用新案登録第2590590号公報 特開平10−121313号公報
本考案は、太鼓部の透かし織組織が、独自に意匠性を発揮する新規な名古屋帯を提供することを課題とする。
本考案では、名古屋帯を、太鼓部の地組織Aと胴部の地組織Bが異なるもので、太鼓部の地組織Aは、緯糸密度が、胴部の地組織Bの緯糸密度の30〜70%である透かし織組織からなり、太鼓部には透視性のない織柄Cが飛び柄で設けられていること、及び着用時に裏太鼓となる部分が、太鼓部の地組織Aと実質的に同様の透かし織組織A’からなることを特徴とするものとすることによって、上記課題を解決した。
透かし織組織A’からなる裏太鼓部の長さは、太鼓部の長さより10〜30%長く形成し、太鼓部の裏面全体を透かし織組織A’からなる裏太鼓部を覆うようにすることにより、着用時、太鼓部は、裏太鼓の存在を実質的に感知させることなく、織柄Cと透かし織組織からなる地組織Aからなる軽やかで、爽やかな外観を有するものであり、しかも実際は太鼓部の地組織Aと実質的に同様の透かし織組織A’からなる裏太鼓の存在によって、しっかりした太鼓が形成され、上品で、涼しげな太鼓結びが可能となる。
太鼓部の地組織Aと裏太鼓となる部分の織組織A’は、絽、羅、紗などのいずれでもよいが、例えばよろけ組織とすることにより、胴部の地組織Bとの区別も著しい、装飾性に富んだ帯となる。
胴部の地組織Bは、前述の如く、太鼓部の地組織Aより織密度の高いものであればよく、その織組織は平織り、綾織り、繻子織などのいずれでもよいが、夏帯としては、太鼓部より、密度の高い透かし織組織とするのがよい。
本考案の一例を図面に示す。
この例では、図1〜3に示すように、約32cm長さの太鼓部1から約102cm離れた位置に、裏太鼓部2が約38cmの長さで存在するものであり、太鼓部1の地組織Aは、緯糸密度が8本/3cmの「よろけ織」とし、その中に、テープ状の糸で、透視性のない織柄Cが形成されている。なお、裏太鼓部2の織組織A’も、太鼓部1の地組織Aと実質的に同一の緯糸密度の「よろけ織」となっている。
これに対して、胴部3の地組織Bは、緯糸密度が15本/3cmの三本絽となっている(図2、図3参照−ただし、経糸は図面から省略している)。
この帯は、太鼓部1の裏面に裏太鼓部2が重なるようにして着用するものであるが、太鼓部1は、透かし織組織である「よろけ織」からなる地組織Aに、テープ状の糸からなる透視性のない織柄Cが飛び柄に設けられているため、織柄Cが浮き立ってみえるものであり、しかも、その裏面に位置する裏太鼓部2の織組織A’は表に位置する太鼓部1の地組織Aと実質的に同一の「よろけ織」からなるため、太鼓部1の意匠は裏太鼓部2の存在を感知させることなく、非常に涼しげに上品な外観を呈するものとなっている。
なお、このような太鼓部1の両側に位置する胴部3の地組織Bは、太鼓部1の地組織より密な組織であるため、太鼓部1の透かし織組織が、際だって意匠性を発揮するものであり、そのため、この帯は、従来になく、爽やかな外観で着用し易いものとなる。
この例では、太鼓部1の透視性ある地組織A内に設けられる透視性のない織柄Cは、線状となっているが、丸や四角、菱形、あるいは花や鳥などの具体的な柄であってもよく、周囲に透視性ある地組織Aが存在するようにして、柄が浮き立って見えるようにすればよい。
図1は本考案の一例を示す概略図である。 図2は本考案の一例の太鼓部の説明図である。 図3は本考案の一例の裏太鼓部の説明図である。
符号の説明
1 太鼓部
2 裏太鼓部
3 胴部

Claims (4)

  1. 太鼓部の地組織Aと胴部の地組織Bが異なるものであって、太鼓部の地組織Aは、緯糸密度が、胴部の地組織Bの緯糸密度の30〜70%である透かし織組織からなり、太鼓部には透視性のない織柄Cが飛び柄で設けられていること、及び着用時に裏太鼓となる部分が、太鼓部の地組織Aと実質的に同様の透かし織組織A’からなることを特徴とする名古屋帯。
  2. 透かし織組織A’からなる裏太鼓部分の長さが、太鼓部の長さより10〜30%長い請求項1の名古屋帯。
  3. 太鼓部の地組織Aがよろけ織組織である請求項1又は2の名古屋帯。
  4. 胴部の地組織Bが透かし織組織からなる請求項1〜3いずれか1項の名古屋帯。
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