JP3103422B2 - 脳波計 - Google Patents

脳波計

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JP3103422B2
JP3103422B2 JP04047664A JP4766492A JP3103422B2 JP 3103422 B2 JP3103422 B2 JP 3103422B2 JP 04047664 A JP04047664 A JP 04047664A JP 4766492 A JP4766492 A JP 4766492A JP 3103422 B2 JP3103422 B2 JP 3103422B2
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一爽 大澤
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自己誘発信号をトリガ
ー信号として脳波とともに検出して表示する脳波計に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】脳波計測法が医学界に定着して40年の
歳月を経た。今日では殆んどの病院で脳波計が設置さ
れ、臨床医学に使用されている。臨床的な経験にもとづ
く異常脳波の鑑別診断が日常的に普及しているかたわ
ら、脳波の発生のからくりと機能の研究も意欲的にとり
組まれ、最新の電子計算機技術を駆使して解析されてい
るのが現状である。
【0003】一般に脳波診断は、健常者群の示すいわゆ
る正常波形発生パターンに相対するものとして、異常脳
波といわれる発生パターンがあるが、これは、大別して
6種のカテゴリーに含まれる。 1)無脳波(平担脳波) 2)周波数成分異常 3)巨大波形 4)非対象波形 5)反応異常 6)特異波形発生 である。これらは、目視により、一見して判別できる項
目だけでなく、データ処理技術を応用して判別可能とな
った項目を含む。また、これらの異常脳波が、医師の経
験則から特有の疾病と結びつけられた診断法として確立
されつつある。
【0004】一方、生体における脳の役割は、総じてヒ
トの機能の統制であり、そのための情報収集、記憶、思
考判断及び制御命令を果している司令部である。脳機能
あっての生命維持活動であり、かつ人格形成の根源であ
る。したがって、脳活動状況を外部から計測する手段と
して脳波計測がとりあげられ、また、この脳活動状況の
計測の可能性をもったテーマに設定されるのは当然であ
ると考えられ、多くの学識者が脳波の解明に着手してい
るのも当然といわなければならない。しかし、現状では
多くの仮説が存在するものの、実証されてはいない。
【0005】それらの中で、特に注目を浴び、多くの学
者や医師がとり上げている項目として、反応解析があ
る。これは外部から何らかの刺激を与えて、その感覚の
有意性を計測するために脳波の反応波形を計測するもの
であり、多くの分野で実用に供されている。視覚領域、
聴覚領域、触覚領域等の分野である。いずれも刺激に対
する脳機能反応の正常、異常を経験的にとり上げたもの
であり、殊に脳幹反応波形の有無は、脳死判定の条件と
もなっている。脳活動と脳波との関連を知るためのアプ
ローチとして、適切なる方法論の1つであり、その生理
学的裏づけと共に、今後も有用な研究手段であることに
異論はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、反応解
析は、特に、脳活動全体の中の情報収集、つまり感覚系
からの感知信号の入力があったことに対する反応の解析
に過ぎない。脳の機能とされる記憶、判断、制御の領域
とは異なる次元と考えられる。脳活動があり、脳波が存
在する以上、脳波には、総ての情報が含まれている筈で
あるという前提に立って次のステップが望まれているの
が現状である。
【0007】本発明の第1の目的は、外部刺激信号では
ない自己誘発信号を自己誘発トリガー発生装置により検
出し、この自己誘発信号と脳波との関連性を解析する脳
波解析装置を提供することである。本発明の第2の目的
は、この脳波解析装置による脳波活動部位の時系列変化
をトレースする表示装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】ヒトで、最も発達した大
脳皮質の前頭前野は、記憶、判断等の高度な働きをし
て、他の領域へ出力する。前頭前野は、入力した感覚情
報を処理して、行動を発現する脳の情報回路網の中継点
でもある。従って、前頭前野の脳波の中には、記憶、想
像、思考等の高度な働きに対応する脳波が発生している
筈であり、その検出手段として、 1)情報入力 2)記憶 3)想像 4)判断 の明解やプロセスが組立てられる簡便な方法論が必要と
なる。なお、かつ、この方法論は、被検者の意思とは関
係のない他の外部手段から不随意に与えられるものでは
なく、適切なる計測レベリング設定のもとに、被検者の
随意活動に伴い発生した脳波の解析が要求される。ここ
で、計測レベリングとは、一般的に脳波に大きな外的影
響を与える視覚、聴覚等の刺激がなく、かつ体位も共通
にして一定状態のもとに計測する条件をいうものとし、
また、随意活動とは、他から与えられた指示命令でな
く、自己の意思により活動するものをいうものとする。
【0009】このような、随意活動のうち、特に単純随
意活動とみなされるものが存在するならば、随意活動に
起因する判断思考のプロセスが、大脳皮質の前頭前野領
域での活動も単純化されることが想定でき、脳波上に示
されるプロセスを求めるならば、どの様な回路網を形成
するかを知ることができる。そのための、随意思考活動
のトリガー手段として、たとえば、重さ識別の場合、両
手にそれぞれ異った重量の物体を持ち、これらの物体の
重量判断を随意運動にて判断せしめるものである。一般
に、ヒトの比較判断は、ゆらぎ現象によって達成され
る。重さ識別の場合にそれぞれ物体を持ったまま、両手
を交互に、かつ上下にゆすって比較判定する習性があ
る。このとき、掌上物体の重量は、肩、肘、手首の各関
節を支点とした重量負荷に比例する筋電位よりの情報
が、神経を経て脳に負荷量を入力する。したがって、上
下ゆらぎ運動を起点(トリガー)とした脳波を計測する
ならば、 1)情報入力 2)記憶 3)思考 4)判定結果の伝達 の各プロセスが解明されるものと考えられる。
【0010】本発明の主旨は、従来計測法の中の反応解
析のように、他励、すなわち、被検者の意思とは関係な
く外部手段から不随意に与えられる外部信号に起因する
脳波計測ではなく、あくまで自励、すなわち、随意活動
に起因する脳波計測を達成せしめようとするものであ
る。これにより、左右交互に計測を繰り返し、いずれが
重いかを判定する脳電位回路網が、トポグラフィ表示に
よって示されることが明らかである。
【0011】脳波は、一般的に1〜4Hz帯域(δ
波)、4〜8Hz帯域(θ波)、8〜12Hz帯域(α
波)、12〜25Hz帯域(β波)と分類して論じられ
てきたが、本計測、すなわち、随意活動に起因する脳波
計測による実験では、これら一連の判定プロセスを示す
回路網伝達速度の帯域は、直流(または超低周波域)成
分、すなわち、0.1〜1Hz帯域に主成分が含まれ、
従来分類にない低域スペクトルを記録した。なお、この
超低域脳波成分を、以下ω波というものとする。
【0012】したがって、本発明による自己誘発脳波計
測のためには、以下の条件が必要である。 (1)電極 体動を伴う計測であり、かつ超低周波域の微小生体電気
現象を検出するための高安定電極を必要とする(このE
EG導出用電極については、本出願人等が、理想的なゲ
ル塩橋電極として別途特許出願中)。 (2)自己誘発トリガー発生装置 これは、本発明の主要部であり、例えば、前記重量比較
の場合、重さ比較のための被検者の随意による手動の起
点(トリガー)を検出し、このトリガー点を明確に設定
できる自己誘発トリガー発生装置である。 (3)脳波増幅装置 超低周波域の脳波計測のための直流帯域多素子高感度増
幅装置である。 (4)トポグラフィー表示装置 超高速サンプリングによる多素子脳波の面電位計測を記
憶、およびそのマッピングを表示するスムーザーを含め
た表示装置である。
【0013】
【実施例】本発明の主要部である自己誘発トリガー発生
装置について説明する。本計測に供し得る自己誘発法は
大別すると2種類に分類できる。 A群)揺らぎによる比較判定 B群)単純思考開始 A群に含まれるものとして A−1、両手にそれぞれ持った物体の重量比較 A−2、両手にそれぞれ示した物体の柔らかさ比較 など、両手(または両方)に揺らぎを伴って計測(情報
入力)する手段を伴うもの B群に含まれるものとして B−1、2個の物体(固体、液体、気体)の温度比較 B−2、2個の音源の音量比較 B−3、2個の物体の振動速度比較 など、片手(または1つの感覚)にて、交互に比較する
運動を伴って計測する手段を伴うもの
【0014】前記A群の自己誘発トリガー発生装置は、
2個の比較方式思考開始点の検出装置群を成すものであ
り、比較動作開始点の検出器である。いずれも、動か
す、圧力を加える等の自己随意運動開始によって脳波計
測開始点を設定するが、随意運動開始点をトランスジュ
ーサを用いて検出する必要があり、また、トリガー出力
点を明確にしなければならない。例えば、手の上下動作
を伴う近似重さ比較方式では、上下運動における運動開
始点を、下端として、もち上げる動作開始点を検出す
る。また、圧力を加える動作の場合は指に圧力を加えた
瞬間を動作開始点としなければならない。
【0015】つぎに、重さ識別用両手ゆらぎ感覚による
脳波計の自己誘発トリガー発生装置について具体的に説
明する。刺激(両手に与えられる重さ)をある程度違え
ると、それらの違いを識別できる感覚がある。ある重さ
Rの刺激に対して識別することが可能な最小の差ΔRを
識別閾値といい、Weber比(k=ΔR/R)が経験
的に成り立つ。例えば、図1に示すように、水を入れた
2つのビーカー21a、21bをそれぞれ左右の手20
a、20bに持ち、両手に感じる重さの差を実験する
と、前記k値は、健常人で略一定の関係が成立して、k
=0.03〜1をとる。例えば、ベテランの主婦が、お
にぎりの重さを280gにして、10gの差を感じとる
として、k=10/280=0.036になる。
【0016】実験において、被検者10に対して、両手
20a、20bにそれぞれ載せた2個の被測定物体21
a、21bのいずれが重いかを回答せしめると、被検者
10は、支持されなくとも、両手を左右交互に、かつ、
上下に動かして、物体の手にかかる重量負荷差を認知
し、回答する動作を行なう。これが前記A群の揺らぎに
よる比較判定である。手に被測定物体を載せると、手首
に加重して、肩、肘、手首の各関節の垂直方向に角変化
θが惹起される。揺らぎ情報のベクトル方向は、図1に
おけるθ=θ1+θ2+θ3の単純式であるのに、k値に
大きなばらつきが起る。被検者が重さ識別をする場合、
識別可能なk値以上では、 両手揺らぎの上下回数=7.6回±1.7SD 揺らぎの周波数=0.9Hz±0.1SD であり、7.6回を過ぎると、上下回数、周波数ともに
ばらつきが多くなることが、実験により判明した。
【0017】そこで、kのばらつき=両手揺らぎの速度
×脳への位置情報の作業仮説をたてた。両手揺らぎの速
度は、確率計算が可能である。重さ識別の上下回数の初
期値から、n回目の上下回数が初期値のつぎの期待値で
ある確率は、1/nと仮定する。n回目の期待回数R
(n)は、 R(n)=1+1・1/2+1・1/3+…1・1/n で表される。R(n)を中間値として、前後の不等式を
上式から導出して log(x+1)<R(n)<1+logx を満たすnを求めると、 n=2のとき、log8<R(2)<1+log7 n=3のとき、log102<R(3)<1+log1
01 になる。
【0018】このことから、1回目と同じ期待値が得ら
れる確率は、7回目であり、7回を過ぎると、2度の期
待値の会合は、101回の試行錯誤をし、3度の期待値
の会合は、1000回の試行錯誤をする。上下回数を7
回繰り返すkのばらつきの確率は、重さ識別情報の実験
値7.6回と近似値であった。両手揺らぎの上下回数
は、脳の自発性発振現象である。脳神経回路網の制御系
関数は、1Hz以下の超低周波数発振条件を作り出して
いる。この確率計算の結果により、両手揺らぎの発振現
象は、7回の試行錯誤を過ぎると、脳情報の出力と入力
回路網は、収束困難なタイプを作り出していることを示
していた。
【0019】そこで、両手の揺らぎと脳波の関係を調べ
るため、図1に示すような装置を提供する。図1におい
て、被検者10の頭部には、16ないし128チャンネ
ルの脳波検出用電極11が装着される。電極11の装着
部位は、 (1)国際脳波学会標準法(10/20法) (2)ギブス法 (3)エアード法 (4)コーン法 があるが、これらのうち、最も普及しているのが図2に
示した(1)国際脳波学会標準法(10/20法)であ
る。後述する本発明の装置によるデータもこの方法が採
用されている。この脳波検出用電極11は、脳波分析部
12に結合される。この脳波分析部12は、基本的に
は、特公昭61−44016号公報記載と同様のもので
あるが、特に、0.1ないし1Hzの超低周波域の脳波
を分析して増幅し出力できるものが用いられる。この脳
波分析部12は、高速A/D変換回路14を介してCP
U15へ結合され、さらに表示部16に結合されてい
る。前記被検者10の左手20aと右手20bには、被
測定物体21aと121bがそれぞれ載せられて重さを
識別しようとするものであるが、これらの左手20aと
右手20bの肩、肘、手首の各関節に、これらの関節の
各変位を検出するための左手用センサ22aと右手用セ
ンサ22bが設けられ、それぞれ左手用揺らぎ波形出力
部23aと右手用揺らぎ波形出力部23bに結合されて
いる。これらの左手用揺らぎ波形出力部23aと右手用
揺らぎ波形出力部23bは、左手用ピーク検出器24a
と右手用ピーク検出器24bを介してトリガー信号出力
部25に結合され、さらに、前記CPU15に結合され
ている。
【0020】このような構成において、被検者10が、
両手20a、20bにそれぞれ載せた2個の被測定物体
21a、21bのいずれが重いかを回答せしめると、左
右両手20a、20bを交互に、かつ、上下に動かし
て、物体21a、21bの手にかかる重量負荷差を認知
し、回答する動作を行なう。このとき、左手20aと右
手20bの各肩、肘、手首の各関節の垂直方向に角変化
θが惹起され、揺らぎ情報のベクトル方向は、θ1+θ2
+θ3の単純式であり、これが左手用センサ22aと右
手用センサ22bで検出される。ここで、図3のt1
2、t3、t4、t5…は、徐々に下降した左手20a
と、右手20bの上方への動作開始点をセンサ22a、
22bによって検出した時間であり、図3の(a)
(b)のような軌跡をとる。この図3(a)(b)の波
形が左手用揺らぎ波形出力部23aと右手用揺らぎ波形
出力部23bから出力する。センサ22a、22bによ
って動作開始点を検出しない場合には、図3の(a)
(b)の波形から左手用ピーク検出器24aと右手用ピ
ーク検出器24bで、丸印点、すなわち、被測定物体2
1aと121bがゆらぎサイクルの最下端に位置してい
る−ピークを検出して自己誘発のトリガー点に設定し、
トリガー信号出力部25からトリガー信号を出力する。
【0021】重さ識別用の両手揺らぎ感覚は、略1Hz
の上下運動中にEEGの0.5Hz低周波数帯に陽性電
位0.5sec連続して出現して、大脳皮質の前頭前野
を情報伝達経路にしている。重さ識別による両手揺らぎ
感覚の典型的なEEGが図3である。この図3によっ
て、このような両手の揺らぎ動作と、脳波の関係をみる
と、両者には密接な相関関係があることがわかる。すな
わち、図3(c)(d)(e)(f)は、図2における
前頭前野Fp1、Fp2、F7、F8の各点の脳波であ
る。EEGのランダムサンプリング開始は、前記両手揺
らぎ自発性始動合図入力センサーであり、両手揺らぎの
EEGは、両手を上下する毎にEEGを記録して、重さ
識別ができて上下運動が止まったときに記録スイッチが
切れるようにした。これらの脳波において、最も重要な
のは、点線で示す各波形の包絡線であり、いずれも超低
周波のω波である。この包絡線と両手の動作開始点
1、t2、t3、t4、t5…との関係から理解される情
報の1つとして、手の動作開始点という随意の行動を開
始した時点よりも100〜200msec以前に、脳波
は、電位が下降していることであり、行動を発現する脳
の情報は100〜200msec以前に出力されて指令
を出しているということである。
【0022】図4は、その2元化したEEGトポグラフ
ィ計測を10msec間隔で示したものである。この図
4に示したEEGトポグラフィの白色等高線地図は、図
3のEEG陽性電位(下側向き)変化であり、図4の黒
色等高線地図は、図3のEEG陰性電位(上側向き)変
化である。図4における白色と黒色地図の頂点を出現位
置としてまとめると、図5になる。図6に示した解剖学
の大脳皮質名称と、図5の脳トポグラフィに出現した両
手揺らぎによる重さ識別の脳内情報回路を比べると、大
脳皮質の前頭前野に0.5Hz低周波の活性化があり、
自発性始動合図と略同時に低周波が出現していることが
わかる。前頭前野に0.5secの長期間隔を持ったE
EG超低周波成分が認められた。
【0023】病理解剖学は、死後の脳に図8に示すよう
な脳内情報回路の入力系と、図7に示すような出力系を
推定しているが、ヒト生体機能の脳回路網の報告は、従
来はなかったが、本発明の装置により、はじめて前頭前
野経由の脳内情報回路網が描記できた。この被検者の場
合は、実空間に何かの対応があり、変化に対するパター
ンを得たと解釈できる。図7の運動野から出力した神経
活動電位は、筋肉組織を興奮、伸縮する。両手揺らぎの
重さ識別による脳内情報回路網は、図6の前頭前野に集
中して約0.5sec間の直流を示したので、運動野と
体性感覚野とが作動する前に前頭前野=思考判断を回路
にして脳情報網は作動している。図4のトポグラフィを
1μsec間隔に短縮して図5ないし図8のように、大
脳皮質に出現する脳波のピーク値を地図にすると、脳は
活動部位は、1μsecの時間軸で軌跡になり、大脳辺
縁系←→帯状回←→前頭前野→運動領野→運動野→筋の
脳出力系回路を略辿っていく。
【0024】以上をまとめると、 (1)ヒト脳の前頭前野は、msecオーダーのパルス
波形が中心をなしている。筋のアクチュエータに対し
て、0.5sec間隔の脳内低周波成分が何かの役割を
になっている。 (2)1μsecを記録できれば、時間変換による低周
波振動に対して、線形振動か、非線形振動かを見分けら
れる。さらに、両手揺らぎ情報が非線形振動であるなら
ば、脳カオスへ興味ある発展が期待できる。
【0025】前記A群のA−2における柔らかさ比較を
指触覚にて実施するときも重さ識別と同様である。例え
ば図9において、2個のゴム球の柔らかさ比較について
考えるならば、5指にてゴム球をつかみ、指にて圧力を
ゴム球に加え、柔らかさを左右について交互に測定し、
いずれが柔らかいかについて判断し解答するプロセス
は、重さ比較と同様である。この場合、5指に圧力を加
え始めた点をトリガーとして検出し、判断思考課程を計
測しなければならない。5指にかかる圧力波軌跡は、重
さ比較の場合の上下運動と同様である。A群に示された
課題は主として比較判断であり、脳機能の脳波による観
測には極めて単純なプロセスを解として得られることが
期待されている。
【0026】B群構成要件 B群の構成要件の特徴は、触覚、聴覚、視覚などの入力
情報の脳内データ記憶が、比較的鮮明なるパラメータに
ついて比較する場合、2つの検出器による揺らぎを必要
としないと思われるものを対象とすることである。すな
わち、一方の入力手段で2つの物体(または事象)のデ
ータを比較するもので、1つ目の物体(または事象)の
データを脳に記憶し、2つ目の計測データと比較せしめ
るものである。例えば、手の感覚の場合、重量の記憶
は、極めて難しいが、温度は容易に記憶できるし、ま
た、聴覚についても、周波数情報は比較的長時間記憶す
るのに対し、音量記憶は難しい。A群のような記憶困難
な事象について比較判断する場合、揺らぎを伴った両デ
ータの比較が必要なのに対し、B群のような記憶容易な
事象は計測データと記憶データの比較が可能であり、自
己誘発トリガー発生装置は1個で成立する。
【0027】例えば、前記B−1に対応する触れる動作
によって判断する例として、近似的に異った温度の2つ
の物体(固体、液体、気体)につき、いずれが温度が高
いかを判定する事例がある。この場合は、触れた瞬間を
トリガーとして脳波計測開始する必要がある。左右の両
手で交互に触手することにより判定する。このような事
例は多々あり、例えば、振動周波数の2つの物体につ
き、いずれが周波数が高いかを判断せしめる事例があ
る。この場合は触れた瞬間をトリガーとする必要があ
る。左右の両手で交互に触手することにより判定する
が、この様な事例に含まれる課題として同一周波数によ
る近似的な振巾差の判定の場合も同様である。
【0028】触れる動作と同じカテゴリーに含まれる事
項に、ある雰囲気の温度差の判定がある。2種類の近似
で異った温度の雰囲気のいずれが高温かを判定せしめる
時、手(または足等)を雰囲気流の中に挿入した点をト
リガーとして脳波計測を開始せしめる。動作せしめるこ
とによって判断する例としては、前記B−2に対応する
ものとして音量比較等がある。左右の両スピーカーの近
似的な発信音量の大小を比較せしめる時、音発信のため
のスイッチ操作を伴う如き事例である。この様な場合は
スイッチ操作の時点をトリガー点とし、脳波計測を開始
し、記憶、思定、判断の課程を観測する必要がある。
【0029】表示方法 本発明による脳波計測は、自発性思考開始点よりの脳活
性部位の動態を求めるものであり、大脳辺縁系、帯状
回、前頭前野、運動領野、運動野、筋の、脳入出力系回
路の実トレースを記憶する。図4のように、活性部位を
黒色系、非活性部位を白色系として、等電位地図をサン
プリング時間毎のトポグラフィー化すれば、目視による
移動動態は認識できる。左右、前後の脳上の活性部位の
みのトレースをベクトル表示し、トレース軌跡を図示す
るならば、より効果的表現となるし、また、その速度を
関数としたカラー表示も効果的である。それによって、
動き識別判定過程における思考過程回路網と、判定結果
が得られたかどうかを認定することが可能となる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、上述のように構成したので、
自己誘発時点よりの情報入力、記憶思考、判断のプロセ
スに対する脳内活性部位の時系列変化を示し、それによ
って脳内活動状況を同定することができる。例えば、脳
活性と老化との相関およびその定量化が可能である。ま
た、一般的な精神神経疾患にも特有のパターンを示すこ
とが考えられるし、特殊教育課程者の復帰状況などの数
値化も可能である。また、ある分野の疾病後のケアーに
も適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による脳波計の一実施例を示すブロック
図である。
【図2】電極装着部位の説明図である。
【図3】揺らぎと脳波の関係を示す波形図である。
【図4】揺らぎ情報のEEGトポグラフィである。
【図5】大脳皮質表面の説明図である。
【図6】解剖学の大脳皮質の名称を示す説明図である。
【図7】前頭前野経由の出力系回路の説明図である。
【図8】前頭前野経由の入力系回路の説明図である。
【図9】柔らかさ識別のときのトリガー信号出力部のブ
ロック図である。
【符号の説明】
10…被検者、11…脳波検出用電極、12…脳波分析
部、14…高速A/D変換回路、15…CPU、16…
表示部、20a…左手、20b…右手、21a、21b
…被測定物体、22、22a、22b…揺らぎセンサ、
23a、23b…揺らぎ波形出力部、24a、24b…
ピーク検出器、25…トリガー信号出力部。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脳波検出用電極11で脳波を検出し、脳
    波分析部12で分析して、CPU15を介して表示部1
    6にて表示するようにした脳波計において、被検者10
    の自己誘発信号を検出するセンサ22と、このセンサ2
    2による検出信号に基づきトリガー信号を、前記CPU
    15へ出力するトリガー信号出力部25とを具備してな
    ることを特徴とする脳波計。
  2. 【請求項2】 自己誘発信号を検出するセンサ22は、
    それぞれ両手の揺らぎを検出するトランスジューサから
    なり、このトランスジューサによる出力から揺らぎ波形
    を出力する左手用と右手用の揺らぎ波形出力部23a、
    23bと、この揺らぎの波形からピークを検出する左手
    用と右手用のピーク検出器24a、24bとを介してト
    リガー信号出力部25に結合してなる請求項1記載の脳
    波計。
  3. 【請求項3】 表示部16は、脳波活動部位の時系列変
    化をトレースして表示するものからなる請求項1記載の
    脳波計。
  4. 【請求項4】 表示部16は、脳波の活性部位を黒色
    系、非活性部位を白色系として、等電位地図をサンプリ
    ング時間毎のトポグラフィー化して表示するものからな
    る請求項1記載の脳波計。
  5. 【請求項5】 表示部16は、左、右、前、後の脳上の
    活性部位のみのトレースをベクトル表示し、トレース軌
    跡を図示するものからなる請求項4記載の脳波計。
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