JP3102697B2 - エンハンサにおけるまたはそれに関する改良 - Google Patents

エンハンサにおけるまたはそれに関する改良

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 この発明はエンハンサに関し、かつ新規のエンハンサ
を含む組換型DNA分子に関するものであり、さらにエン
ハンサを使用するのは遺伝子発現および遺伝子治療であ
る。
発明の背景 エンハンサは、タンパク質の転写において重要な役割
を果たす、DNA配列である。多くの異なったエンハンサ
配列は、たとえばSV40ウイルスからのようなウイルス性
起源のエンハンサ、および細胞起源のエンハンサを含
む、異なった源から同定されてきた。免疫グロブリン
(Ig)遺伝子に関して、エンハンサは、H鎖(IgH)(B
anerji et al.,1983;Gillies et al.,1983;Neuberger,1
983)およびカッパ(Kappa)(ここでは「K」として示
される)L鎖(PicardおよびSchaffner,1984;Queenおよ
びStafford,1984)遺伝子座の双方の主要なイントロン
において同定されてきた。
この発明はK−イントロンエンハンサに加えて、CK
下流、マウス免疫グロブリンK遺伝子座における新規の
エンハンサの同定に基づく。機能的に同等のエンハンサ
が他種の免疫グロブリンK遺伝子座のCKの下流に見いだ
されることが予想されるべきである。
発明の概要 この発明の一局面に従って、ある種の免疫グロブリン
K遺伝子座のCKの下流に見いだされる塩基配列の少なく
とも一部分または複数部分を有するエンハンサを含む、
組換型DNA分子提供される。
マウスK遺伝子座に位置するエンハンサは、図3Aに示
される配列内に見いだされ、かつエンハンサの位置はさ
らに図12Bに示される配列に突き止められてきた。
したがって、他の局面において、本発明は以下の塩基
配列: の少なくとも一部を有するエンハンサを含む、組換型DN
A分子を提供する。
もう1つの局面において、本発明は図3Aにおいて与え
られる塩基配列の少なくとも一部分または複数部分を有
するエンハンサを含む、組換型DNA分子を提供する。
以下にマウスK遺伝子座において位置決定されたエン
ハンサに関する研究について一般的に言及する。他の種
において機能的に等価なエンハンサが型通りの調査によ
って同定され得ることは、当業者に明らかであろう。
新規のエンハンサは、CK′のおよそ9kb下流(3′)
に位置が突きとめられ、かつK3′−エンハンサとして識
別される。K−イントロンエンハンサと同様に、K3′−
エンハンサはまたB細胞特異的である。この新規のエン
ハンサはK−イントロンエンハンサよりもおよそ7倍強
力であり、かつエンハンサの領域はリンパ系のパポバウ
イルス、IgHおよびK−イントロンエンハンサに顕著な
配列相同を示す。CKとRS要素との間におけるK3′−エン
ハンサの位置は、λL鎖を発現する多くのB細胞におい
て、少なくとも1つの対立遺伝子が排除されるだろうこ
とを意味する。
マウスK遺伝子座における第2のエンハンサの存在
は、様々な以前に説明されていない観察を説明する。た
とえば、予め同定されたK転写要素すべてを含む、遺伝
子座の導入遺伝子(transgane)は高レベルでは発現さ
れなかった(RusconiおよびKohler,1985;Pettersson et
al.,1989)。さらに、S107プラズマ細胞腫細胞系統に
おける内因性のK遺伝子は、イントロン−エンハンサが
この細胞系統において非活性であるにもかかわらずよく
発現され、それはファクタNF−KB(AtchinsonおよびPer
ry,1987,1988.)と結合するエンハンサを欠く。免疫グ
ロブリン遺伝子座の領域における複合的な活性化配列の
存在もまた多くの免疫グロブリン導入遺伝子が内因性の
遺伝子座よりも転写活性が低い理由を説明し得る。導入
遺伝子は活性化配列の十分な補足因子を含まないだろ
う。実際に、我々は、CKエキソンのたった1.2kb下流に
延在するK導入遺伝子を含む形質転換マウスにおいてほ
んの弱い転写活性しか見出さなかった。
本発明の分子は、付加的に他の要素を含んでもよく、
かつ関心の一つまたは複数のタンパク質をコードする1
つまたは複数の遺伝子、およびプロモータをさらに一般
的に含んでもよい。一つまたは2つ以上の付加的なエン
ハンサがまた含まれてもよい。
新規のエンハンサはDNA配列のいかなる幾何学的形状
で使用されてもよい。エンハンサは好ましくは本来の間
隔よりもプロモータにより近く(機能的に再編成された
K遺伝子において、エンハンサはプロモータのおよそ13
kb下流にある)、これにより改良されたレベルの遺伝子
発現が与えられる。発現レベルはまたさらにタンパク質
コード領域の近くにエンハンサを配置することによって
改良されてもよい。
K遺伝子発現におけるK3′−エンハンサの役割を調べ
ており、形質転換マウスを用いた実験では、3′−エン
ハンサを含む領域がK導入遺伝子の高レベル発現を達成
するのに必要であること、さらにK導入遺伝子の高レベ
ル発現の達成を可能にすることが示された。これがない
場合、対立遺伝子排除の不良およびK合成の20〜50倍低
いレベルを招く。形質移入実験はまた、3′−エンハン
サが細胞系統内に導入されたK遺伝子の発現において著
しい増加を与えるように作動することを明らかにした。
エンハンサの欠失地図作成は、NF−KB部位を欠く50ヌク
レオチド領域にその活性があることを明らかにし、実際
に3′−エンハンサはNF−KBを欠く細胞におけるK発現
を可能にする。このようにこのエンハンサは適当なKL鎖
発現に必要であり、かつNF−KBに依存するイントロン−
エンハンサに対して使用されるものとは異なった経路に
よって誘導される。
したがって、新規のエンハンサは、生体内のおよび試
験管内の、宿主細胞において、特定的には、あるリンパ
系細胞系統および形質転換動物において、遺伝子の発現
を促進するため使用されてもよい。
K導入遺伝子における3′−エンハンサの包含はこの
ような導入遺伝子の発現を劇的に改良するので、これ
は、導入遺伝子によってコードされる多量の抗体の生産
のため、またはヒトのモノクローナル抗体のレパートリ
ーを産出するため、形質転換動物の使用に対して重要な
意味を有する。さらに、実験において、導入遺伝子の高
い発現により、内因性のL鎖遺伝子の発現が最小限にな
ることが示された。この事実は、さらに形質転換的にコ
ードされた抗体を主に生産する形質転換動物を作り出す
際に有効であり得る。
形質転換マウスにおける抗体遺伝子の体細胞突然変異
における新規のエンハンサの役割を調査するため、研究
がさらに実施されてきた。
抗体の抗原結合部位は、抗体のH鎖およびL鎖の可変
領域(ドメイン)の組合せによって形成される。これら
の可変領域(ドメイン)は順に遺伝子セグメントの組合
せ、H鎖に対してVH、DHおよびJHならびにL鎖に対して
VLおよびJLによってコードされる。ゲノムにおいてこの
ようなセグメントがいくつか存在する。しかしながら、
特定の抗体産出Bリンパ球はV、DおよびJセグメント
の特定の組合せを使用し、かつ異なった組合せを選択す
るためのこの能力は、動物が作り得る抗体のレパートリ
ーの多様性(組合せの多様性)に寄与する。しかしなが
ら、体細胞突然変異のためこの上に置かれるもう一つの
多様性が存在する。Bリンパ細胞は、それが含む特定の
再配列された抗体遺伝子内に変異を誘導し得る。言い換
えれば、特異的なVHDHJH/VLJLの組合せを選択すること
で、(後の段階で)B細胞はこれらの再配列された遺伝
子セグメントに変異を具体的にしぼり得る。かくして、
マウスが第1に免疫処置されるとき、抗原は、抗原に結
合する可変の領域(ドメイン)を有する抗体をたまたま
保有する、特異的なB細胞に結合する。これらのB細胞
はただちに同系の抗体を分泌し続ける。しかしながら、
これらの活性化されたB細胞はさらにただちにそれらの
再配列された抗体遺伝子セグメントへの体細胞突然変異
プロセスを目標にし得、かつこのように一次応答の抗体
の変種を産出する娘細胞の産出を可能にする。選択プロ
セスは、さらに抗原への改良された親和性を有する抗体
を産出するそれらの変種B細胞の子孫を増殖させる。こ
のように体細胞突然変異は親和性の成熟、すなわち高い
親和性抗体の産出および選択を可能にする。したがっ
て、体細胞突然変異は高い親和性抗体の発生のために重
要である。
研究では、3′−エンハンサを含むCKの下流領域を有
する導入遺伝子は体細胞で変異を生じ得、より短い導入
遺伝子は変異を生じ得ないことが実証されてきた。この
ように、もし高い親和性のヒト抗体のレパートリーを産
出する目的のために遺伝子導入動物を創出するならば、
3′−エンハンサを結合する領域が導入遺伝子内に含ま
れることが重要である。他方で、もし目的が、特異的
な、独特の導入遺伝子でコードされた抗体を産出する動
物を作ることにあるなら、導入遺伝子が体細胞突然変異
プロセスに対する目標とはなり得ないことを確実にし、
かつそれゆえ3′−エンハンサを回避することが望まし
いだろう。新規のエンハンサはB細胞特異性であるの
で、それは遺伝子の組織特異的な発現を目標とするのに
使用されてもよい。この特性は、ある治療上の応用にお
いて、タンパク質の産出を目標とすることおよびハイブ
リドーマ技術において、エンハンサが特定的に使用でき
ることを意味する。
新規のエンハンサの配列は、天然に見いだされる遺伝
子系から組換型DNA技術によって誘導されてもよく、ま
た天然に見いだされる遺伝子系に関連する配列データか
らポリヌクレオチド合成の周知の技術を使用して製造さ
れるという意味において天然に見いだされる遺伝子系に
相当してもよい。配列の変更は、エンハンサの機能を変
えない限りにおいてなされてもよい。
本発明はまた、遺伝子が宿主細胞によって発現される
ように、遺伝子を宿主細胞の遺伝的物質内に組み込むた
めのベクタを提供し、ベクタには遺伝子、プロモータお
よび新規のエンハンサが含まれる。
ここで使用される「ベクタ」という語は、最も広い意
味で一細胞からもう一つの細胞までDNAを転移すること
が可能である、ある組換型DNA物質を含む。
ベクタは、直線状または環状の形態における単一のDN
Aの小片であってもよく、かつ特定的な応用に必要であ
るような他の配列を付加的に含んでもよい。たとえば、
ベクタは、選択可能な1つもしくは複数のマーカー遺伝
子のような付加的な特徴、および/または翻訳もしくは
クローン化される生産物の産出の他の局面を助ける特徴
を含んでもよい。
ここで使用される「遺伝子」という語はDNA配列を含
み、好ましくはポリペプチドをコードする構造遺伝子を
含む。ポリペプチドは、医薬のように、商業的に有益な
ポリペプチドであってもよく、かつ宿主細胞に対して全
く外来のものであってもよい。代替的に遺伝子は、宿主
細胞において欠損しているか、存在しないか、または変
異されたポリペプチドをコードしてもよい。
宿主細胞は、本発明のベクタの取込みが可能などのよ
うな宿主細胞であってもよい。ベクタDNAは、形質移
入、感染、マイクロインジェクション、細胞融合、また
はプロトプラスト融合によって宿主細胞に移入されても
よい。
宿主細胞は生きているヒトまたは動物の細胞であり得
る。特定的には、宿主細胞はマウスのようなトランスジ
ェニック動物の一細胞であってもよい。宿主細胞は骨髄
細胞のようなヒトの幹細胞であってもよい。
プロモータは宿主細胞において機能し得るどのような
プロモータであってもよく、かつたとえば哺乳類または
バクテリアのプロモータであってもよい。
本発明はまた、その範囲に、たとえば、本発明による
分子またはベクタで形質転換された、細胞系統またはト
ランスジェニック動物を含む 本発明はさらに、ポリペプチド生産する方法を提供
し、この方法は、本発明による分子またはベクタで形質
転換された宿主細胞を培養することを含む。
この方法は、必要なポリペプチドを生産するためイン
ビトロで適用されてもよい。加えて、この方法は、動物
に治療的な価値を持たないポリペプチドを生産するため
にインビボで適用されてもよい。ポリペプチドを生産す
るこのような方法は、ヒトまたは動物を治療する方法と
して扱われるものではない。
本発明のさらに一局面において、ベクタまたは分子は
欠失遺伝子の置き換えまたは補充により、ヒトまたは動
物生体の治療方法において使用され得る。
ヒトまたは動物生体の多くの疾患は、ある遺伝子産出
物の生産不全に原因する。この発明のベクタの顕著な特
徴は、それらを生体内の遺伝子治療による疾患の治療に
十分に適合させる。
したがって、遺伝子治療の方法は、ヒトまたは動物生
体から幹細胞を取り去り、生体内に残存する幹細胞を死
滅させ、ヒトまたは動物生体において欠損しているかま
たは存在しない遺伝子を含む本発明のベクタまたは分子
で取り出された幹細胞を形質転換させ、かつヒトのまた
は動物生体に形質転換かれた幹細胞にもどすことを含
む。この方法はヒトまたは動物において欠損している遺
伝子の置き換えまたは補充のために使用され得る。
骨髄は幹細胞の最適な源であり、それはリンパ球およ
び赤血球細胞の両方の前駆体を含むという点において有
益である。その代わりに、他の組織を取り出し、本発明
のベクタまたは分子で形質転換するか、あるいはそのよ
うなベクタまたは分子を与え、そして、生体に戻して移
植してもよい。
本発明は、添付の図面を参照してさらに詳しく説明さ
れる。
図1Aは、エンハンサ活性に対して検定されたフラグメ
ントA〜Dを表わすマウスK遺伝子座の地図であり、 図1Bは、エンハンサ検定に使用されるpベータ(pbet
a)800プラスミドの概略図であり、 図1Cは、Pベータ800(−)、またはSV40エンハンサ
もしくはフラグメントA〜Dのうちの1つが−800にお
いてクローン化された誘導体でトランスフェクションさ
れたMPC11細胞におけるβ−およびα−グロビンmRNAの
リボヌクレアーゼ保護検定を示し、 図2Aは、エンハンサ活性に対して検定された図1Aのフ
ラグメントDのフラグメントを示す地図であり、 図2Bは、エンハンサ活性のリボヌクレアーゼ保護検定
の結果を例示し、 図3Aは、図2において示されかつ新規のK3′エンハン
サを含むSac I−Xba Iエンハンサフラグメントの塩基配
列を例示し、 図3Bは、図3Aおよび図3Bにおける相同を識別するため
のボックスおよびラインを用いて、配列相同を示し、 図4は、K3′エンハンサの細胞型の特異性を例示し、 図5は、K3′エンハンサおよびK−イントロンエンハ
ンサの活性を比較するためにリボヌクレアーゼ保護検定
の結果を例示し、 図6Aは、種々のλ−発現細胞系統のサザンブロットで
あり、 図6Bは、RSエレメントおよび形質細胞腫MOPC315の再
配列されたRS対立遺伝子を示す、マウスK遺伝子座の地
図であり、 図7はトランスジェニックマウス系を確立するために
使用される長いおよび短いK遺伝子構成を例示し、 図8は、トランスジェニックマウスにおいてK遺伝子
発現の免疫蛍光分析を例示するヒストグラムを示し、 図9は、トランスジェニックマウスからのハイブリド
ーマによって分泌されるトランスジェニックL鎖の滴定
を例示し、 図10A、BおよびCは、NSO内に形質移入したK遺伝子
の発現を例示し、 図11A、BおよびCは、エンハンサ活性の境界決定を
例示しており、図11Aは、活性に対して検定された808bp
Sac I−Xba I K3′−エンハンサのサブフラグメント
を示す地図であり、図11Bは、エンハンサ検定に使用さ
れたプラスミドpベータ(pbeta)128の模式図であり、
かつ図11Cは、リボヌクレアーゼ保護検定の結果を例示
し、 図12AおよびBは、図11Aのエンハンササブフラグメン
トfの機能的欠落分析を例示しており、図12Aは、図12B
で例示される遺伝子欠落を使用するリボヌクレアーゼ保
護検定の結果を例示し、 図13Aは、3′エンハンサがS107において形質移入さ
れたK遺伝子の発現を可能にすることを示し、図13Bに
おいて例示される形質細胞腫S107の3つの安定な形質転
換体(トランスフェクタント)におけるK転写のリボヌ
クレアーゼ保護検定の結果を示し、 図14は、トランスジェニックマウスからの抗−phOXハ
イブリドーマの内因性V領域配列における点変異を例示
し、図14Aは、オキサゾロンL鎖V領域に対する詳細を
与え、かつ図14Bは、オキサゾロンH鎖V領域に対する
詳細を与え、 図15は、トランスジェニックマウスからの抗−phOXハ
イブリドーマからの導入遺伝子cDNAクローンにおけるヌ
クレオチド変化を例示し、 図16は、トランスジェニックマウスからの抗−phOXハ
イブリドーマからの導入遺伝子cDNAクローンにおけるヌ
クレオチド変化を例示する。
詳細な説明 エンハンサはCkの9kb下流に位置する 実験は、Jkセグメントの3′に位置するK遺伝子転写
において関係する第2のエンハンサを研究するために実
施された。少なくともヒトにおいて、生殖細胞系列(ge
rmline)Vk遺伝子はJkの上流およそ数千kbにわたって散
在し、Jkの上流のDNAの多くはK発現細胞系において削
除される(Klobeck et al.,1987)。Ckの下流のエンハ
ンサ活性をテストするため、我々は、プラスミドpベー
タ(pbeta)800(図1B)のヒトのB−グロビン遺伝子
が、それに外因性のエンハンサ要素を与えられない限り
はトランスフェクションされた細胞において単に弱い転
写ユニットであるという事実を利用した。
図1Aにおいて示される生殖細胞系列マウスKクローン
L1(Sreinmetz et al.,1979)からの種々のDNAフラグメ
ントをエンハンサ活性に対して検定した。この図で、2
つのKエンハンサ(K−イントロンEおよびK3′E)が
示されかつ制限部位は次のように省略される、B,BamH
I、R,EcOR I。図1AのBamH IフラグメントA〜Dおよび
さらに(比較のため)SV40エンハンサ(SV)は、プラス
ミドpベータG800(図1B)にサブクローン化され、その
フラグメントはβ−グロビン開始部位の800bp上流に位
置づけられた。結果的に生じる構造物およびさらに比較
目的のためのエンハンサを含まない(−)pベータG800
からのDNAは、内部標準を与えるヒトα2−グロビンプ
ラスミドとともにリン酸カルシウム共沈法によってMPC1
1ミエローマ細胞内に導入された。次に、形質移入され
た細胞によって産出されるβ−およびα−グロビンmRNA
の量は、リボヌクレアーゼ保護検定において測定され、
かつその結果は図1Cに与えられる。この図において、正
確に開始されたβ−グロビン転写に対応するバンドは、
ともに形質移入された標準プラスミドによってコードさ
れたα−グロビン転写と同様に示される。
図1Cから理解され得るように、mRNAは外因性のエンハ
ンサの不在状態ではβ−グロビン遺伝子からはほとんど
産出されず、しかしながら、SV40エンハンサの供給は強
力に転写を活性化する。K遺伝子座からのDNAフラグメ
ントに関して、β−グロビン転写の強力な刺激はフラグ
メントDを使用して見い出されたが、このような刺激は
フラグメントA、BまたはCを使用しては見い出されな
かった。このように、プラスミド上の、β−グロビン遺
伝子から多少離れた場所でのフラグメントDの包含は、
β−グロビンプロモータからの転写を活性化する。フラ
グメントD内の転写エンハンサ要素の存在は推定され、
かつこのエンハンサは、以前に同定されたJk−Ckイント
ロンに位置するK−イントロンエンハンサ(Queenおよ
びBaltimore,1983;PicardおよびSchaffner,1984;Queen
およびStafford,1984)と区別するためにK3′−エンハ
ンサと呼ぶ。
さらにK3′−エンハンサ要素をはっきりさせるため、
フラグメントDのいくつかの欠損物(図2Aにおいて示さ
れる構造物1〜4)、およびいくつかの個々のサブフラ
グメント(図2Aにおいて示される構造物5〜8)で検定
が行なわれた。図2Aにおいて、制限部位は図1Aにおける
ものに加えて次のように省略される、Bg,Bg1II、S,Sac
I、V,EcoR V、X,Xba I。棒は各構造物に含まれるK遺伝
子座を表わす。MPC11は細胞は、α2−グロビン標準プ
ラスミドを用いて、さらにエンハンサを含まない(−)
のプラスミドpベータ800、またはSV40エンハンサ(S
V)もしくは図2Aで表わされるK DNAフラグメント1〜
4のどちらかを位置−800において含む誘導体のどちら
かを用いてトランスフェクションされた。レーン5〜8
は、そこでK DNAフラグメントが位置−128にクローン
化されるpベータ128の誘導体でのトランスフェクショ
ンにより得られた。(pベータ128プラスミドは、β−
グロビン5′フランキング(flanking)DNAの800bpより
もむしろ128bpを含むことを除いては、pベータ800と同
一である。)結果は図2Bに与えられ、正確に開始された
α−およびβ−グロビン転写物の位置が示される。
図2Bに示されるように、エンハンサ活性は構造物2、
3、4、6および7においては見い出されたが、しかし
構造物1、5および8においては見い出されなかった。
これはエンハンサが0.8kb Sac I−Xba Iフラグメント
の範囲内に位置することを示唆し、予測はエンハンサを
含まないβ−グロビンベクタ(図4)内でこのフラグメ
ントをサブクローニングすることによって確証された。
新規のエンハンサはCkの約9kb下流に位置する。
K3′−エンハンサはIgH、K−イントロンおよびLPVエン
ハンサに相同な領域を含む このSac I−Xba Iフラグメントの配列が決定されかつ
図3Aに提示される。図3Bにおいて、配列相同はIgH、LP
V、K−イントロンおよびSV40エンハンサの領域、さら
にIFN反応要素に対して示され(Samanta et al.,1986;R
eid et al.,1989)、さらにγ−IFNW誘導に関連するHLA
−DQβの保存された上流配列(CUS)に対しても示され
る(Boss and Strominger,1986)。IgH比較において示
されるE−ボックスはイフルシら(Ephrussi et al.)
(1985)によって使用される命名法による。IgHエンハ
ンサのE2/3領域とK3′−エンハンサとの比較において、
ダッシュ記号で囲まれたボックスはuE3への延在した相
同を示し、かつ矢印はuE2/3スペーサの逆方向反復さら
にuE3の3′側に隣接する領域を示す。
他の周知のエンハンサの配列との比較では、いくつか
の顕著な相同が明らかになった。検出されたほとんどの
広範囲な相同はヒトのリンパ栄養系パポーバウイルスの
エンハンサ領域を有していた。2つのはっきりした相同
領域、すなわち18のうち17が一致するものと12のうち11
が一致するものが存在し、これらの要素の両方はウィル
スゲノムの起源領域の範囲内で繰返される(Pawlita et
al.,1985)。
他の印象的な相同は、IgHエンハンサのE3要素のまわ
りの領域を伴っている。IgHエンハンサ内のモチーフ
(要素E1、E2、E3およびE4)はインビボフットプリント
法によるデータ(イフルシ等(Ephrussi et al.,198
5))に基づいて同定されてきた。K3′−エンハンサ
は、NF−uE3に結合することが示されたIgHエンハンサの
領域(SenおよびBaltimore,1986;PetersonおよびCalam
e,1987)に対し14のうち12の相同を示すセグメントを含
む。さらに、IgHエンハンサにおけるE3要素のいずれか
の側に隣接する領域は、K3′−エンハンサのE3様要素に
近接して、しかし再配列された形態で存在することがわ
かる(図3B)。顕著な相同がまたK−イントロンとK3′
−エンハンサとの間に見い出される。3つの個別の11の
うち10が一致するものが存在し、そのうちの1つはK−
イントロンE3要素と重複し、もう1つはK−イントロン
E1と重複し、さらに3つめの相同ではV遺伝子プロモー
タ中に認められるオクタヌクレオチド要素(Parslow et
al.,1984;FalknerおよびZachau,1984)に対して8のう
ち7が一致するものを含む。加えて、配列比較では、NF
−KB結合部位すなわちインターフェロン応答要素(Sama
nta et al.,1986;Porter et al.,1988;Reid et al.,198
9)のためのコンセンサスに相同な配列およびγ−IFNに
よる誘導において役割を果たし得る配列(Boss and Str
ominger,1986)である、MHCクラスII遺伝子の保存され
た上流配列に対する相同が明らかにされた。SV40エンハ
ンサの領域に類似性を示すいくつかのセグメントがまた
見い出される(図3B)。
K3′−エンハンサはB細胞特異性である K3′−エンハンサと他の周知のエンハンサとの間の相
同は、それがリンパ系細胞において特異的に活性である
だろうことを我々に信じさせる。これをテストするため
に、2つの非リンパ系細胞系統(NIH 3T3およびHeLa)
さらに3つの異なったリンパ系細胞系統(プラズマ細胞
腫 MPC11、B−細胞系WEHI231および胸腫EL4)におけ
るエンハンサの活性の検定を行なった。細胞系は、位置
−128で、エンハンサを含まない(−)か、SV40エンハ
ンサ(SV)、またはK3′−エンハンサ(K3′)を有する
802bp Sac I−Xba Iフラグメントのいずれかを含むp
ベータ128誘導体とともにα−グロビン標準プラスミド
でトランスフェクションされた。mRNAレベルは前と同様
にリボヌクレアーゼ保護検定によって定量された。結果
は図4に与えられ、SV40エンハンサはこれらすべての系
統において活性であったが、K3′−エンハンサは形質細
胞腫およびB細胞リンパ腫においてのみ活性であり、線
維芽細胞およびT細胞系においては活性ではなかったこ
とが示される。(示していないが)他の実験で、我々
は、エンハンサがもう1つのT細胞リンパ種BW5147でも
非活性であることを見い出した。このように、K3′−エ
ンハンサはB細胞特異的である。
K3′−エンハンサはK−イントロンエンハンサよりもよ
り強力である K−イントロンエンハンサは弱いエンハンサとして知
られている。K3′、K−イントロン、IgHおよびSV40エ
ンハンサの活性は、MPC11ミエローマにおける一過性の
トランスフェクション検定で比較された。MPC11細胞
は、エンハンサを含まない(−)か、SV40エンハンサ
(SV)、K3′−イントロンエンハンサもしくはK−イン
トロンエンハンサ(K3′、KIn)のいずれかを位置−128
に含むpベータ128を加えたα−グロビン標準プラスミ
ドで、または位置−800(IgH)にIgHエンハンサを含む
pベータ800誘導体でトランスフェクションされた。グ
ロビン転写はリボヌクレアーゼ保護検定によって測定さ
れ、かつその結果は図5に与えられる。結果はデンシト
メトリにより定量され、各シグナルはα−グロビンmRNA
レベルに関して標準化された。K3′−エンハンサはK−
イントロンエンハンサよりも7倍も強力であるが、しか
しSV40エンハンサよりもおよそ2倍弱いことが見い出さ
れた。これら3つのエンハンサとIgHエンハンサとの間
の直接比較は、これら実験からは不可能である。という
のも、IgHエンハンサは、β−グロビン開始部位に関し
て−800に位置づけられ、一方、他の3つのエンハンサ
はすべて−128で検定されたからである。それにもかか
わらずその結果は、K−イントロンエンハンサがIgHエ
ンハンサよりもおよそ20倍弱いというピカード(Picar
d)およびスカフナ(Schaffner)(1984)の結果と一致
し、さらに我々は、K3′エンハンサが、MPC11細胞で検
定されるとき、K−イントロンエンハンサよりも1オー
ダー近く強力であることを明らかにした。
K3′−エンハンサはRS再配列で排除される K3′−エンハンサはCkエキソンとRS(再配列配列)要
素との間に配置される。図6BはRS要素さらにプラズマ細
胞腫MOPC315の再配列したRS対立遺伝子を示しているマ
ウスK遺伝子座の遺伝子地図である。この再配列したRS
の遺伝子地図はダーディク(Durdik et al.)(1984)
から得られる。制限部位は、SがSau3A I部位を示すこ
とを除いて、他の図においてと同様に省略されるが、描
かれた部位だけがrs0.8フラグメントを形成するのに使
用された部位である。λL鎖を発現する細胞は、それら
のK対立遺伝子の少なくとも1つの上にRS要素を含んで
いる異常再配列を有することがたいてい見い出され、か
つこれがCkの排除を導き得る(Durdik et al.,1984;Moo
re et al.,1985)。もしRS再配列が簡単なルーピングア
ウト機構によって発生するなら、K3′−エンハンサはこ
れらの系で排除されるだろうということは予想されるだ
ろう。これを確認するため、サザンブロット分析が種々
のλ−発現細胞系を用いて実施された。BALB/cマウス肝
臓、NIH 3T6線維芽細胞および5つのマウスλ−発現リ
ンパ系細胞系統(129,BCL1,HOPC1,MOPC315およびCH−
1)起源のDNAがK3′−エンハンサ(上部パネル)に対
してまず初めに探査され、かつその後RS(下部のパネ
ル)に対して再探査された。この再探査において、Gは
BALB/cの生殖細胞系RSバンドを示し、一方Xは交差交雑
バンドである。ゲノムDNAはEcoR1+BamH1で消化され、
かつK3′−エンハンサに対するプローブは3kb EcoR I
−BamH Iフラグメントであり、これに対してRSに対する
プローブはモーレ等(Moore et al.)(1985)のrs0.8
プローブであった。ブロットは図6Aに示され、かついく
つかの細胞系統(HOPC1,BCL−1およびCH−1)が生殖
細胞系列形態において少なくとも1つのRS対立遺伝子を
保持し、それゆえ、予期されるように、K3′−エンハン
サの少なくとも1つのコピーを保持することを明らかに
した。129の場合では、このリンパ腫がそこから由来す
るマウス系統がBALB/c系統(Stavnezer et al.,1985)
とはかなり異なる制限酵素切断地図を示すものと解釈す
ることは難しく、したがって制限フラグメントの大きさ
における差異が再配列よりもむしろ多型性を反映し得
る。しかしながら、MOPC315ミエローマは生殖細胞系形
態でRS対立遺伝子を保持せず、かつ完全にそのゲノムか
らのK3′−エンハンサを排除した(図6A,B)。図6Bにお
ける点線は、MOPC315RS再配列を生じさせることが可能
であると仮定された簡単なルーピングアウトを示す。こ
のことは、RS再配列それ自体がエンハンサ損失の原因で
あり、かつRS組換えが実際にエンハンサ欠失を導いてい
ることを強力に示唆している。
3′−エンハンサを含むK遺伝子のトランスジェニック
マウスにおける高レベル発現 トランスジェニックマウス系は、CKの下流に位置づけ
られる配列がK遺伝子発現に影響したかどうかを確かめ
るために確立された。導入遺伝子はラットCKに連結され
たマウスVK遺伝子から構成された。ラット定常領域の存
在は、導入遺伝子が、抗−ラットK抗体を使用するタン
パク質レベルにおいて、およびリボヌクレアーゼ保護検
定による核酸レベルにおいて、内因性のKから区別され
得ることを意味していた。V領域は、ハプテンフェニル
−オキサゾロンに対して向けられる抗体の特徴を示し
た。2つの導入遺伝子が使用され、そのうち長い遺伝子
(LK)はイントロン−エンハンサおよび3′−エンハン
サの双方を含み、かつ短い遺伝子(SK)はイントロン−
エンハンサのみを含む。2つの遺伝子構造物は図7に示
される。図において、マウス起源の配列は濃く点書きで
示され、ラット配列は薄く点書きで示され、さらにエン
ハンサは白抜きのボックスで示される。導入遺伝子(SK
2,SK4,LK3およびLK6)が2〜5のコピー間にあるトラン
スジェニックマウスの4つの系が、ほとんどの分析に対
して使用されたが、短いK構造物の30〜50のコピーを保
有する高−コピー(SK5)系がさらに比較のために含ま
れた。
K遺伝子の導入遺伝子発現は、成熟したトランスジェ
ニックマウスからの脾臓B細胞の免疫蛍光によって分析
された。結果は図8に示され、それはトランスジェニッ
クラットKおよび内因性マウス(TGK+、EK+)、トラン
スジェニックKのみ(TGK+、EK-)または内因性Kのみ
(TGK-、EK+)のいずれかに対して染色された成熟トラ
ンスジェニックマウスの脾臓におけるK+細胞の百分率を
表わすヒストグラムを示す。短いK構造物を保有するSK
4動物において、導入遺伝子発現は、蛍光の強度で判断
されるように弱く、かつ脾B細胞のおよそ5〜7%での
み検出可能であった。ほとんど全てのB細胞は内因性の
マウスのL鎖を発現した(図8)。類似のパターンの発
現がSK2マウスにおいても見出された(図示せず)。低
レベルの発現は、SK5マウスにおいて導入遺伝子に対し
て染色されるB細胞の割合が大きくなっているように、
導入遺伝子コピー数の大きな増加によってある程度まで
補償され得る(図8)。
長いK構造物に関して得られた結果は短い構造物に関
して得られたものとは明らかに対照をなす。LK3系統で
は、80〜85%の成熟した脾B細胞群は導入遺伝子のみを
発現し、残りの10〜15%のB細胞は内因性のL鎖を発現
した(図8)。導入遺伝子発現は、LK6系統においてさ
らに優勢であり、脾B細胞の約90%がラットCKのみを発
現する。このように長いK構造物からの発現レベルは対
立遺伝子排除を達成するのに十分である。
導入遺伝子間の差異は、血清抗体の力価からもまた明
白である。ELISA検定は、成熟したSK2およびSK4マウス
においてトランスジェニックK鎖を含んでいる抗体の力
価がおよそ100ug/mlであるのに対し、LKマウスにおける
対応の力価はおよそ10〜50倍高くなることを明らかにし
ている。しかしながら、導入遺伝子発現の全体的な生体
内パターンを測定するにあたり、細胞選択が主に寄与す
るのは、血清抗体価のそのような比較を非常に粗いもの
とすることである(Pettersson et al.,1989)。それゆ
え我々は、NSO形質細胞腫とトランスジェニックマウス
からの脾臓細胞とを融合することにより形成したハイブ
リドーマにおいて導入遺伝子発現を比較した。DMEM/10
%FCSで飽和まで増殖されたハイブリドーマ細胞の上清
はラットK決定因子に対して検定された。力価は、ELIS
Aで使用される抗−ラットK抗体の封鎖剤50%と反応す
るために必要な上清の希釈率として与えられる。検定は
数回実施され、同一のマウス系統からのハイブリドーマ
上清の検定の各バッチでは、個々の力価の分散につい
て、s.e.m.が常に平均値の25%より小さいというもので
あった。その結果は図9に与えられる。LK3おおよびLK6
マウスの双方に関して、雑種におけるL鎖発現のパター
ンは脾B細胞の免疫蛍光分析において観察されたものと
同様であった。言い換えれば、80%以上の雑種はトラン
スジェニックL鎖を合成しかつマウスKを作らなかっ
た。対照的に、SK4マウスでは、我々は、内因性のマウ
スL鎖が導入遺伝子雑種の80%以上で共発現されるこ
とを見出し、同様のことがSK2マウスにもあてはまっ
た。推定可能なように、ハイブリドーマにおけるL鎖発
現の分析から得られた結果とSKマウスの一次B細胞にお
ける導入遺伝子発現の分析から得られた結果との差異
は、一次細胞における導入遺伝子の発現が我々の検出レ
ベル以下であるという事実を反映する。しかしながら、
この低レベルは融合で増大される。図9に示される結果
から、LKマウスからのハイブリドーマにおける導入遺伝
子発現は、SKマウスからのものよりもおよそ20〜50倍高
くなることが理解される。このように、短いK導入遺伝
子はほんのわずかしか発現されず、かつ内因性のL鎖遺
伝子再配列のフィードバック阻害を仲介する効果が相対
的にない。しかしながら、長いK構造物を用いた結果で
は、定常領域の下流配列がトランスジェニックマウスに
おけるK遺伝子発現を増大すること、および内因性のK
発現の効果的な対立遺伝子排除を可能にすることに関し
て劇的な効果を有することが示される。
3′−エンハンサは安定にトランスフェクションされた
形質細胞腫においてK発現を増大させる 短いK構造物とは対照的に、長い構造物の転写活性の
増大は3′−エンハンサのためであると推定される。こ
れを直接的にテストするため、我々は図10において例示
されるようなNSO形質細胞腫での安定なトランスフェク
ションを行った。
3′−エンハンサを有するおよび有さない一連の構造
物が形成された。使用されるプラスミドは図10Bに例示
される。全ての構造物は図7に表わされる「長い」K構
造物に基づいている。プラスミド1はpSV2neoのEcoR I
とBamH I部位との間でクローン化された長い構造物のEc
oR I−BamH I VK−CKセグメントを含む。BamH I部位は
CKポリアデニル化部位の1.2kb下流に位置する。プラス
ミド2はEcoR Vによるプラスミド4の消化および自己連
結反応によって形成された。プラスミド4はpSV2neoのE
coR I部位にクローン化された図7に示される長い構造
物である。プラスミド5はBamH I部位においてXho Iリ
ンカーを有するpSV2neo誘導体のEcoR IとXho I部位との
間でクローン化された長い構造物のEcoR I−Xho I VK
−CKセグメントを保有する。
図10Bの構造物1、2、4および5はNSO細胞にトラン
スフェクションされ、かつ安定形な形質転換体のプール
におけるラットK発現はリボヌクレアーゼ保護検定によ
って測定された。各構造物に対して、形質移入されかつ
内因性のK遺伝子の転写は、各々多重クローンを含む12
ウェルのプールから準備されたRNAの試料において検定
された。結果は図10Aに示される。サイズマーカー(pBR
322のHpa II消化物)の位置は「M」でマークされたレ
ーンに示される。NSOの内因性で異常に再配列されたK
遺伝子からの無菌転写物はプローブでクロスハイブリッ
ド形成され、内部コントロールとして利用された。
(3′−エンハンサを含む)構造物2および4からの
発現は、(含まない)構造物1および5からの発現より
かなり高くなることは明らかである。このように、3′
−エンハンサは安定に形質転換された形質細胞腫におけ
るK遺伝子発現に差異をもたらす。その効果は、トラン
スジェニックマウスで観察されたものよりはかなり小さ
い。形質移入されたNSOにおけるK転写ユニットが、そ
の隣接のSV40エンハンサとともに活性neo遺伝子に連結
されているので、これは全く驚くべきことではない。こ
れによって、構造物1および4において下流エンハンサ
の欠損をある程度補うことができる。
混合された個体群からのリボヌクレアーゼ保護検定で
見られる発現レベルが、特定のクローンの特異的生長の
ために片寄ることがないのを確実にするため、我々は、
統合事象の異なる個々のウェルにおいてラットK鎖の血
清力価を分析した。NOS形質転換体の個々のウェルの上
清においてトランスジェニックK鎖の発現は図10Cのヒ
ストグラムのように表わされる。細胞はDMEM/10%FCSで
飽和まで増殖された。力価は、ELISAにおいて使用され
る抗ラットK抗体の封鎖剤50%と反応するのに必要な培
養上清の希釈率として与えられ、s.e.m.は誤差バーによ
って示される。その結果はプールを用いて見られるもの
を反映する。
3′−エンハンサの機能的解体 このように3′−エンハンサは実際にK遺伝子発現に
おいて役割を果たしていることが明らかである。いくつ
かの前駆B細胞系統におけるK転写の誘導は、イントロ
ンエンハンサの活性およびそのコグネイト(cognate)
結合因子(NF−KB)の1つの核(REFS)内への転座に相
互関連することが知られている。我々は、3′−エンハ
ンサの領域でのNF−KB結合モチーフに関連の配列の存在
に以前から気付いており(MayerおよびNeuberger、198
9)、さらに3′−エンハンサの活性部分の範囲をより
正確に定めるため、かつイントロン−エンハンサおよび
3′−エンハンサの活性が共通のメカニズムによって誘
導され得るのかどうかを発見するために研究が実施され
た。
図3の808塩基対Sac I−Xba I3′−エンハンサフラグ
メントはサブクローン化されかつヒトのβ−グロビン遺
伝子に連結され、それは一過性のトランスフェクション
検定でレポータ遺伝子として作動した。図11Aは、活性
が検定された808bp Sac I−Xab I K3′−エンハンサ
のサブフラグメントa−fを示している遺伝子地図であ
る。制限部位のSac IはSに、Ssp IはSpに、Nco IはN
に、Bst XIはBxに、Hae IIIはHに、およびSty IはStに
省略される。後者の2つの酵素に対して、関連のある部
位のみが示される。黒塗りのボックスは、IgH−イント
ロンおよびK−イントロンエンハンサと一致する配列相
同を示す。エンハンサ検定に対して使用されるプラスミ
ドpベータ128は概略的に図11Bに示される。図11で示さ
れる挿入物a〜fを保有する構造物は、ヒトのα−グロ
ビン標準プラスミドとともにMPC11プラズマ細胞腫内に
トランスフェクションされ、細胞質RNAはトランスフェ
クション後38〜42時間で調製された。β−グロビンおよ
びα−グロビンRNAの量は、リボヌクレアーゼ保護検定
によって定量され、その結果は、pベータ128の位置−1
28でエンハンササブフラグメントa〜f、SVエンハンサ
(SV)を保有するかまたはエンハンサを含まない(−)
pベータ128誘導体に対して、図11Cに示される。
様々なサブフラグメントの活性の比較では、十分な活
性が145塩基対領域(フラグメントf)で含まれたこと
が明らかになっている。フラグメントfはNF−KB結合部
位に相同である配列を含まないのみならず、マウスIgH
イントロンエンハンサのE2/E3領域およびインターフェ
ロンコンセンサスに対する我々が以前から気付いてきた
相同はこの領域では存在しない。このようにエンハンサ
の活性は、相同探索に基づいて我々がこれまでに同定し
ていない配列モチーフによって引き起こされるにちがい
ない。より正確にこのようなモチーフの位置を知るため
に、我々は部位特異的突然変異誘発によりフラグメント
f内に多くの約20塩基対欠失を作成した。内部欠失はエ
ンハンササブフラグメントf内においてメーヤー(Maye
r)およびヌバーガ(Neuberger)(1989)の番号付けを
使用する以下に示す欠失終末点で作成され、それらはΔ
1欠失(nt389−411、データは示されない)、Δ2(nt
416−436)、Δ3(nt437−456)、Δ4(nt457−471)
およびΔ5(nt476−489)である。欠落したDNAは配列C
TCGAGによって置換された。欠失は図12Bに例示される。
MPC11細胞は、α−グロビン標準プラスミドとともに
ヒトβ−グロビン遺伝子の128nt上流に位置するエンハ
ンササブフラグメントまたはその欠失誘導体を有するブ
ルースクリプト(Bluescript)KS+ベクタ(ストラタジ
ーン)でトランスフェクションされた。グロビン転写物
は、リボヌクレアーゼ保護検定によって測定され、その
結果は図12Aに示される。エンハンサ活性は欠失1また
は2により減じられないが、欠失3、4および5では機
能を損失する。面白いことには、Δ3は、核因子を結合
し、リンパ系特異的転写活性(Araki et al.,1988)に
関係するマウスIgHエンハンサ(TTTGGGGAA)の領域に良
好な相同を示す配列(TTTGAGGAA)に及んでいる。
3′−エンハンサは、NF−KBを欠くS107細胞においてK
発現を可能にする 3′−エンハンサの活性は、NF−KB結合モチーフに対
する相同を含まない領域に位置づけられ得るので、その
機能にはNF−KBはおそらく必要とされていない。それゆ
え、3′−エンハンサは、S107、すなわち機能的なNF−
KBを欠き、K−イントロンエンハンサを活性化せず、か
つそこでは多くの形質移入されたK遺伝子が休止状態で
ある形質細胞腫細胞系(AtchinsonおよびPerry,1987)
の内因性K遺伝子の転写活性の原因をよく説明するもの
かもしれない。これをテストするため、我々は、3′−
エンハンサを有するまたは有さない再配列されたK遺伝
子を保有する図13Bに例示される3つの構造物によってS
107細胞を安定にトランスフェクションした。トランス
ウフェクションされたK遺伝子の発現は、24ウェルのプ
ールから調製された安定なトランスフェクタントRNAの
プールからのリボヌクレアーゼ保護検定により分析され
た。プラスミド1および2は図10に関連して上記に記述
され、プラスミド3はCla IおよびXho Iを使用する内部
欠失によってプラスミド4から誘導された。検定結果は
図13Aに示される。
3′−エンハンサをともに保有する構造物2および3
は高レベルで転写されるが、構造物1の発現はほとんど
検出不可能である。構造物2および3に対して見られる
高レベルの転写が他の態様では陰性の固体群を増殖させ
ている単一の陽性クローンによるものではないことを確
かめるため、我々は個々のウエルを検定し、かつこれら
の構造物の双方に対してテストされた全てのウェルが高
いレベルではあるが、しかし幾分変化する発現レベルで
ラットCKに対して陽性であることを見出した。際立った
対照をなして、構造物1の発現レベルはテストした全て
のウェルにおいて検出レベル以下であった。これらの結
果は、3′−エンハンサこそがS107の内因性のK遺伝子
の発現を誘導するという提案を強力に支持し、かつこの
エンハンサの活性に対してNF−KBが実際には必要でない
ことを実証する。興味あることには、ベクタにおいてSV
40エンハンサの存在により構造物1における3′−エン
ハンサの欠落を補うことは不可能であり、これはSV40エ
ンハンサがS107細胞で比較的弱いという事実と一致して
おり、それは、おそらく形質細胞腫細胞における活性が
NF−KBにかなり依存しているからである(Atchinsonお
よびPerry,1987)。
材料および方法 DNAおよびプラスミド 生殖細胞系列マウスK遺伝子座を含むフェイズΔクロ
ーンL1(Steimetz et al.,1979)は、H.ザカウ(Zacha
u)からの提供物であり、かつプラスミドpベータ128、
pベータ800およびpiSVHPα2(Treismin,1985)はR.ト
レイスマン(Treismin)およびK.ウエストン(Weston)
から提供された。−800にIgHエンハンサを含む1kb Xba
Iフラグメントを伴うpベータ800誘導体および−128に
SV40エンハンサを伴うpベータ128誘導体は、K.ウエス
トン(Weston)からの提供物である。位置−128にK−
イントロンエンハンサがのびる481bp Sau3A Iフラグメ
ントを含んでいるpベータ128誘導体はグラハムクック
(Graham Cook)からの提供物であった。RSプローブを
含むプラスミド(Moore et al.,1985のrs0.8)はE.セル
シング(Selsing)によって提供された。SKトランスジ
ェニックマウスを作成するのに使用した短いK構造物は
すでに記述されてきた(Pettersson et al.,1989)。長
い構造物の作成のために、LOU対立遺伝子のラットCK
ラグメント(SheppardおよびGutman,1981)が部位特異
的突然変異誘発(Carter et al.,1985)により修飾さ
れ、マウスCK(Max et al.,1981)で見られるものに相
当する位置に、Hpa IおよびBg1II部位を形成した。470n
t Hpa I−Bg1IIラットCKフラグメントが次いで切り取
られ、かつこのフラグメントはpUC18におけるマウスゲ
ノムXba I−BamH Iサブクローンにおいて等価なマウスC
Kフラグメントの代わりに結合された。この合成CKは、B
amH Iに隣接するSma I部位を有するpUCベクタ内におい
て5.2kb EcoR I−BamH Iフラグメントを形成するため
再配列されたマウスVKOx−1(1.4kb EcoR I−Xba I
Z)と結合された。(K3′−エンハンサを含む)CKの下
流のマウスゲノムDNAを含む8kb Sac I−EcoR Iフラグ
メントはpUV18内でサブクローン化され、Sma I−EcoR I
フラグメントとして取出され、かつベクタpSV2neoのEco
R I部位に5.2kb VKOx−1/合成CKEcoR I−Sma Iフラグ
メントとともに連結された。
CK3′−領域において異なった長い構造物の誘導体は
上記に記述したように作成された。3′−エンハンサの
欠失分析に対して、フラグメントf内の欠失はブルース
クリプト(Bluescpipt)KS+ベクタを使用して形成さ
れ、1本鎖DNAは、ヘルパーウイルスを用いる重感染お
よび他所に記載するように実施される部位特異的突然変
異誘発(Carter et al.,1985)により調製された。
細胞系統、細胞培養およびDNAトランスフェクション ミエローマHOPC1(Weigert et al.,1970)およびMOPC
315(Eisen et al.,1968)およびCH−1B細胞リンパ腫
(Lanier et al.,1978)はアメリカンタイプカルチャ
コレクション(American Type Calture Collection,MD,
USA)から入手した。BCL1系統はエレンビテッタ(Ellen
Vitetta)により提供され、129はロベルトサイチア(R
oberto Sitia)により、HeLaはリチャードトレースマン
(Richard Treisman)によりおよびMPC11 BU4はB.ウエ
イシリク(Wasylyk)により提供された。WEHI1231、BW5
147、NIH 3T3およびEL4細胞は我々の研究室コレクショ
ンからのものでありかつ、それらの起源は前に述べたと
おりである(Mason et al.,1985)。全ての細胞は、RPM
I培地がCH−1、129およびBCL1に使用されたのを除いて
は、DMEM/10%FCS/50uM 2−メルカプトエタノールで
増殖された。MPC11、BW5147、HeLaおよびNIH−3T3細胞
は、20ugのテストプラスミドおよび5ugのpiSVHP2内部標
準を使用するリン酸カルシウム共沈降法(Grahamおよび
van der Eb,1973)によってトランスフェクションされ
た。WEHI231およびEL4のトランスフェクションは、先に
説明されているようにDEAE−デキストランを使用してな
された(Mason et al.,1985)。細胞はトランスフェク
ション後36〜42時間で採取された。
RNAおよびDNAの調製および分析 全細胞質RNAが準備されかつリボヌクレアーゼ保護検
定(Melton et al.,1984)は先に説明されているように
実施された(Mason et al.,1985)。サザンブロッティ
ングによる分析のため哺乳動物細胞からのDNAは、ドデ
シル硫酸リチウムを使用して生成した全細胞溶解物のフ
ェノール抽出によって調製された。K3′−エンハンサの
塩基配列決定のため、サブクローンがM131mp18またはM1
3mp19で生成され、かつ伸長がシークエナーゼ(Sequena
se)(United States Biochemical Corporation)によ
って触媒されたことを除いては、サンガーら(Sanger e
t al.)(1977)のチェインターミネーション法により
配列決定された。この領域は両方の鎖について配列決定
された。
トランスジェニックマウスおよびハイブリドーマ SK構造物を保有するトランスジェニックマウス系統の
誘導はすでに記述されてきた(Pettersson et al.,198
9,Sharpe et al.,1990)。以前にこれらはKOx系統と呼
ばれてきたが、この実験ではKOx2はSK2と呼ばれ、KOx4
はSK4等と呼ばれる。LKマウスは、先に説明されている
同ように、(C57BL/6×CBA)メス×(C57BL/6×CBA)オ
スの受精卵の前核内へのベクタなしのEcoR I13.5kbフラ
グメントのマイクロインジェクションにより形成された
(Reik et al.,1987)。陽性の子孫は、尾のDNAのサザ
ンブロット分析または血清ELISAによって確認され、か
つBALB/cマウスと交配された。ハイブリドーマは、ミエ
ローマNSOと脾臓細胞との融合によって成体マウスより
確立された(GalfreおよびMilstein,1981)。
血清検定および免疫蛍光 トランスジェニックK鎖は、先に説明されているとお
り、マウス抗ラットKモノクローナル抗体MARK−1を使
用するELISAによって検出された(Pettersson et al.,1
989)。スライドガラスに付着させた透過性化脾臓細胞
の細胞質免疫蛍光(Pettersson et al.,1989)は、FITC
抱合OX−20(Serotec)を使用して実施され、マウスK
を検出した。トランスジェニックKを検出するため、我
々は1%正常マウス血清鎖の存在下でビオチニル化され
た(biotinylated)ヒツジの抗ラット抗血清を使用し、
続いてTEXAS−レッド(Amersham)に抱合されたストレ
プトアビジンを使用した。
DNAトランスフェクションおよびリボヌクレアーゼ保護
検定 MPC11 BU4はB.ウェイシリク(Wasylyk)から入手
し、S107(もともとはSalk Cell Bankから得られた)お
よびNSO(ClarkおよびMilstein,1981)は我々の研究室
培養コレクションから得られ、かつそれらを10%胎児ウ
シ血清を含むダルベッコの修正イーグル培地で維持し
た。安定なトランスフェクションは電気穿孔法により達
成され(Potter et al.,1984)、S107およびNSO形質転
換体は、0.5mg/mlの初期濃度でG418(Gibco)耐性によ
るトランスフェクションの24時間後に選択され、かつこ
の選択的な濃度はトランスフェクション6日後に、1mg/
ml(S107)または2mg/ml(NSO)に増加された。MPC11は
リン酸カルシウム共同沈降法(Grahamおよびvan der E
b,1973)で一過性トランスフェクションされ、かつ全細
胞質RNAはNP40溶解およびそれに続く38〜42時間後の細
胞質ゾル画分のフェノール抽出により調製された。リボ
ヌクレアーゼ保護検定(Melton et al.1984)は、先に
説明されているとおり実施された(Mason et al.,198
5)。
体細胞高次突然変異は免疫グロブリンK−L鎖導入遺伝
子の長い型(LK)では発生するが短い型(SK)では発生
しない さらに実験、図7に関連して上記に述べた短い構造物
および長い構造物を保有するトランスジェニックマウス
を用いて実施された。SK系はCk遺伝子の1kb下流に延在
する「短い」構造物を含み、かつLK系はCK遺伝子の9kb
下流に延在しかつマウスK3′−エンハンサを含む「長
い」構造物を含む。導入遺伝子V領域は、ハプテン2−
フェニルオキサゾロン(phOX)に対して向けられ、そし
て適当な内因性マウスH鎖と組合せて抗phOX抗体を生産
させる。各構造物に対して、統合されたDNAの少数のコ
ピーを含むトランスジェニックマウスは、phOXに対する
免疫反応の間、導入遺伝子V領域が体細胞高次突然変異
をうけ得るかどうかを判断するために分析された。
抗体遺伝子の体細胞高次突然変異に伴う典型的な二次
免疫反応を引き起こすため、導入遺伝子に対する成体マ
ウス異型接合体は109の加熱殺菌した百日咳菌とともに
ニワトリ血清アルブミンに結合されたミョウバン沈殿ph
OX(phOX17CSA、30〜100ug)を用いて腹腔内で免疫化さ
れ、さらに7週間後可溶性phOX17CSA(30〜100ug)の静
脈注射で追加免疫された。脾ハイブリドーマは追加免疫
後3日間でNSO形質細胞腫と融合することにより確立さ
れた。さらに培養上清についてELISA検定を使用し、抗
原特異性B細胞ハイブリドーマが分離され、かつ導入遺
伝子V領域の配列が導入遺伝子mRNAからクローン化する
特異的cDNAにより決定された。cDNAクローニングは、AM
V逆転写酵素、dNTPおよび、ラット(遺伝子導入)Ck
たはマウス(内因性)CKのどちらかの3′−領域に交雑
するアンチセンスオリゴヌクレオチドとともに、関連ハ
イブリドーマからのポリ(A)+RNAをインキュベート
することで達成された。十分な長さのcDNAが変性ポリア
クリルアミドゲルから溶離された。ポリメラーゼ連鎖反
応が、さらに、VKOXの5′末満およびマウスまたはラッ
トCKの3′末端に交雑するオリゴヌクレオチドを使用し
て第1ストランド物質を増幅するのに用いられた。増幅
されたcDNAは、次に行なうジデオキシ法による塩基配列
決定のためベクタM13mp18またはM13mp19にクローン化さ
れた。同じハイブリドーマ内のトランスジェニックK遺
伝子および内因性マウス抗体遺伝子の両方から得られる
cDNAの配列は、高次突然変異が起こったB細胞から雑種
が得られたことを確かめるために決定された。ハイブリ
ドーマの発現されたVHセグメントの配列は、Vkに対して
使用されたのと類似の手段により決定された。
SKマウスに対して、2つの独立系統(SK2およびSK4
が詳細に分析された。トランスジェニックマウスにおけ
るこの構造物の低レベルの発現および対応する対立遺伝
子排除は、導入遺伝子L鎖に加えて内因性のマウスL鎖
をともに発現するハイブリドーマを結果としてもたら
す。体細胞突然変異がphOX特異性B細胞において活性で
あったかどうかを評価するため、いくつかのトランスジ
ェニックハイブリドーマにおける内因性のマウスH鎖お
よびK鎖の配列が、PCRで増幅された第1ストランドcDN
Aのクローニングにより分析された。図14は、トランス
ジェニックマウスSK2(NQT3−)またはSK4(NQT8−)か
らの抗phOXハイブリドーマにおける内因性L(図14A)
鎖および内因性H(図14B)鎖V領域遺伝子の配列突然
変異を示す。一番上のラインは生殖細胞系Vk−OX1また
は生殖細胞系VH−OX1の配列を示す。アミノ酸翻訳はそ
の上に与えられる。肉太タイプの数字は、相補性決定領
域におけるアミノ酸を示す。6つの個々のハイブリドー
マクローンの配列は下に示され、かつ生殖細胞系遺伝子
VH−OX1とVk−OX1とのヌクレオチド差異を示す位置のみ
が示される。−は生殖細胞系の配列と同一、∧はおそら
く同一、3はおそらくAを示し、ギャップは、ヌクレオ
チドがこの領域で確認され得なかったかまたは配列決定
されなかったことを示す。予測されたコード変化が示さ
れる。4つの雑種はSK2系統(NQT3融合)から誘導さ
れ、かつ3つはSK4系統(NQT8融合)から誘導される。
7つのハイブリドーマのうちの6つはイディオタイプVH
−OX1/Vk−OX1遺伝子の組合せを発現し、一方、1つ(N
QT8/L1.10)はハイブリドーマNQ10/4.6.1.のVkとともに
異なるVH遺伝子を使用する。VH−OX1/Vk−OX1イディオ
タイプを有する6つのハイブリドーマはすべて、生殖細
胞系BALB/c配列からのヌクレオチド変化を有し、かつコ
ードおよび非コードの変化の両方が見い出される。
L鎖V領域配列は、BALB/cのphOX応答において見られ
る体細胞突然変異の典型である変化を含む。たとえば、
L鎖のアミノ酸34および36の周りの領域は、潜在的な突
然変異「ホットスポット」として同定されてきた(Bere
kおよびMilstein、1987参照)。NQT8/L1.10からの非VH
−Ox1配列を含むH鎖V領域は、抗phOX遺伝子に典型的
な特徴、すなわちDの第1番目の残基がAspでありかつ
第3番目の残基がGlyであるような長さ16アミノ酸のDJ
領域を示している。VH−OX1 V領域でのヌクレオチド
変異は、NQT3/C13.1、NQT3/H15.6、NQT8/E10.1およびNQ
T8/L20.4のCDR1(BerekおよびMilstein1987参照)にお
ける位置31での特徴的なSerからThrの変異を含む。要約
すると、全て7つのハイブリドーマは、内因性のH鎖お
よびL鎖遺伝子における体細胞突然変異の証拠を示す。
ヌクレオチド変異の頻度は、平均してL鎖につき3およ
びH鎖につき4になる。
同一のphOX特異的ハイブリドーマにおける導入遺伝子
配列は、特異的に誘導された第1ストランドcDNAのPCR
増幅によって作成されるcDNAクローンから決定された。
マウスは導入遺伝子の2つの(KOX2)または4つの(KO
X4)のコピーを含み、かつこれらの何個が転写されるか
はわからないので、10ないし20のcDNAクローン V領域
(各350bp)は各ハイブリドーマからの配列であった。
これらのクローンのおよそ半分の対応するC領域(各27
0bp)もまたその配列であった。cDNA配列は導入された
遺伝子の配列と比較された。図15は、トランスジェニッ
クマウスSK2(NQT3−)またはSK4(NQT8−)由来の抗ph
OXハイブリドーマからの遺伝子導入cDNAクローンにおけ
るヌクレオチドの変化を示す。一番上のラインは、上に
示されるアミノ酸翻訳とともに導入遺伝子VK−Ox1 V
領域およびラットCカッパ領域の配列を示す。肉太タイ
プの数字は相補性決定領域でのアミノ酸を示す。7つの
ハイブリドーマから誘導されるcDNAクローン配列は下に
示される。ヌクレオチドの導入遺伝子との差異を示した
コドンの位置のみが示される。ダッシュはオリジナルな
配列との同一性を示し、ギャップは配列がこの領域で決
定されなかったことを示す。ヌクレオチド変化を示すcD
NAクローンは個々に番号付けされ、そこでまったく変化
がなかったものは、V領域のみが配列決定されたかV領
域およびC領域の両方が配列決定されたかどうかに従っ
て分類される。もし導入遺伝子のコピーが突然変異して
いたなら、同一の配列変化が10〜20cDNAクローンにおい
て何度か起こりうることが期待されるだろう。一方、ま
ったく体細胞突然変異が起こらなければ、配列は第1ス
トランド合成およびPCRの間クローニングエラーとして
導入されるランダムな塩基変化を別にすれば同一となる
べきであろう。図15でいかなるヌクレオチド置換も反復
として観察されなかったので、我々はそれら全てがクロ
ーニングの人為的結果として生じたものと結論する。V
領域(ドメイン)に見られるヌクレオチド変化の頻度
は、C領域(ドメイン)(3〜6×104per bp、図15)
に見られるものと同様であり、かつこの頻度は、逆転写
酵素およびTaqポリメラーゼに対し予想される誤差率の
オーダにある。
7つの抗phOXハイブリドーマからの内因性マウスH鎖
およびL鎖のV領域は、突然変異を生じることが判明し
た。しかしながら、同じハイブリドーマからの導入遺伝
子V領域はまったく体細胞突然変異を示さなかった。こ
のように、体細胞突然変異プロセスがこれらの細胞で発
生したが、導入遺伝子Vk−OX1配列は、2つのKOXトラン
スジェニックマウス系統のどちらかに由来のこれらのハ
イブリドーマにおける体細胞突然変異により変化しなか
ったものと思われる。
LKマウスに対して、いくつかのハイブリドーマが、SK
ハイブリドーマが分析されたのと同一の方法でLK3系統
より分析されてきた。トランスジェニックマウスにおけ
るこの構造物の高レベル発現は、結果的に対立遺伝子排
除を増加させかつ、抗phOXのハイブリドーマの大部分は
内因性マウスH鎖(上記参照)とともにトランスジェニ
ックL鎖をもっぱら発現する。SKマウスに明らかに対照
的に、系統LK3から分析された第1の3つの抗phOXハイ
ブリドーマの全ては導入遺伝子V領域における配列変化
を含む。図16は抗phOXハイブリドーマ(マウスリンクLK
3)からの導入遺伝子cDNAクローンでのヌクレオチド変
化を示す。cDNAクローンは特異的に誘導された第1スト
ランドcDNAのPCR増幅により生成された。各ハイブリド
ーマからの10cDNAクローンのV領域配列は、ヌクレオチ
ド変化のパターンに従って分類される。塩基変化が10配
列の1つのみで生じた位置は、これらが真の突然変異と
いうよりはむしろクローニングエラーを反映するもので
あるとして無視された。導入遺伝子Vk−OX1 V領域コ
ドンの番号付けは上記と同様である。ダッシュ記号はオ
リジナルな配列との同一性を示し、ギャップは配列がこ
の領域で決定されなかったことを示す。いずれの突然変
異も対応するC領域では見られず、V領域のみへの体細
胞突然変異の正常なインビボ標的化と一致する。系統LK
3は構造物の約4コピーを保有し、ヌクレオチド変化の
分布から、各コピーは他とは独立に突然変異し、かつ少
なくとも2つまたは3つのコピーは転写される。
最後に、K3′−エンハンサを含むゲノムDNAの8kb領域
の存在は、Ig L鎖導入遺伝子の高い発現および体細胞
の高次突然変異の双方のために生体内で必要であること
を明らかにする。
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hn,M.(1970)Nature228,1045−1047.
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基配列 の少なくとも一部を完全な3′マウスK領域から離れた
    形で有するエンハンサを含む組換えDNA分子。
  2. 【請求項2】プロモータ、および関心のタンパク質をコ
    ードする少なくとも一つの遺伝子を付加的に含む、請求
    項1に記載の分子。
  3. 【請求項3】前記エンハンサは天然の間隔よりもプロモ
    ータに近い、請求項3に記載の分子。
  4. 【請求項4】一つまたはそれ以上の付加的なエンハンサ
    をさらに含む、請求項2または3に記載の分子。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の分子
    で形質転換された宿主細胞。
  6. 【請求項6】細胞系統由来のものである、請求項5に記
    載の宿主細胞。
  7. 【請求項7】トランスジェニック動物由来のものであ
    る、請求項6に記載の宿主細胞。
  8. 【請求項8】請求項1〜4のいずれか1項に記載の分子
    で形質転換された宿主細胞を培養することを含む、ポリ
    ペプチドの製造方法。
  9. 【請求項9】塩基配列 の少なくとも一部を有する、ヒトまたは動物の細胞を形
    質転換するためのエンハンサ。
  10. 【請求項10】ヒトまたは動物の細胞を形質転換するた
    めのものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    分子。
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