JP3100397B2 - 液中ゲル電気泳動のための装置および方法 - Google Patents

液中ゲル電気泳動のための装置および方法

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Description

【発明の詳細な説明】 ブランコ・コズリック(Branko Kozulic)およびウ
ルス・ハイムガルツナー(Urs Heimgartner) 発明の背景 電気泳動は荷電種を分離する方法である。電気泳動は
電界においてはさまざまな種がことなる移動度で泳動す
るという事実に基づいている。金属イオン等の小さな種
およびウイルス等の大きな種が、これまで電気泳動技術
により分離されてきた。しかしながら、この技術は現在
のところ多くの場合、蛋白質、核酸およびそれらの誘導
体を含む生物学的高分子の分離のために利用されてい
る。この方法は、通常強制的に分子を水性ゲルを通って
泳動させることにより実行される。移動度は、ゲルの構
造、電界、および実効表面電荷と大きさと、形状とを含
むイオン自体の特性に依存する。
電気泳動に使用されるゲルは大きく分けて2つのカテ
ゴリーにわかれる。それらは、天然高分子かまたは合成
ポリマーのいずれかから構成され得る。アガロースは最
も広範囲に使用される天然素材であり、かつポリアクリ
ルアミドのゲルは最も一般的な合成マトリックスを代表
するものである。ゲルは本質的に2つの形式の電気泳動
装置において使用される、すなわち垂直のものと水平の
ものである。垂直フォーマットにゲルをランする(ru
n)ことにはいくつかの利点がある。ゲルは2つのプレ
ートの間に投入されるので均一であり、かつ大変薄くな
ることが可能で、かつしたがって流されている間に発生
する熱が簡単に発散し、結果として高度に再生可能な帯
のパターンが生じることになる。一方、垂直のゲルを準
備することは大変困難であり、かつそれらゲルはカセッ
トからゲルを取り出す際に裂けてしまいがちである。垂
直の装置とは対照的に、水平電気泳動装置におけるゲル
の取扱いは簡単である。流されている間、ゲルは台の上
で平らなままである。電極とゲルとの間の接触は直接ま
たは心(wick)等によって成立し得る。代替的には、液
中ゲル電気泳動においては、電極とゲルとの間で導電媒
体としての役割を果たす緩衝液内にゲルを液浸する。こ
のフォーマットが最も単純であり、かつ核酸の分析に関
して広く利用されている。アガロースのゲルはほとんど
排他的に核酸の液中ゲル電気泳動に使用されている。
液中ゲル電気泳動のための装置は通常ベースと1対の
対向するタンクとを含む。各タンクは緩衝液含有ゾーン
と電極とを有する。ゲルは両タンクの間の前記ベース上
に置かれかつ緩衝液含有ゾーンと連通する。緩衝液の層
は通常ゲル上2−4mmの高さでありかつタンクにおいて
は10cmまでの高さである。電極は典型的にはゲルに平行
なタンクの底付近に配置される。
トゥーレ他(Turre et al)(米国特許第4,415,418
号)により記載されるもの等、上記装置を修正したもの
も知られている。類似するがバイディメンショナルな
(bidimensional)電気泳動に適する装置も開示されて
いる(サーワー(Serwer)米国特許第4,693,804号)。
これらの装置においては、電界密度は緩衝液のタンクに
おけるよりもゲルのコンパートメントでのほうがより高
い。
広く知られているとおり、上記液中ゲル電気泳動装置
を使用したアガロースゲルにおける核酸の分解能は十分
なものである。電気泳動の流れがより長い時間にわたっ
て行なわれることが必要な場合には、緩衝液を再循環さ
せかつ冷却することが有利である。本質的に上に述べた
ような構造のいくつかの液中ゲル電気泳動装置は各タン
ク内にポートを有する。管状物がそのポートに結合され
かつポンプが緩衝液を循環させるために使用される。管
状物内の緩衝液は電気的に荷電されるのでこの態様での
緩衝液の循環は潜在的に安全面での危険を意味する。加
えて、ゲル表面にわたって緩衝液の流れを均一にするこ
とはこれらの装置においては対処されていない。
緩衝液が違うやり方で循環する装置がハーファーモデ
ルHE100B(サンフランシスコ市、ハーファー・サイエン
ティフィック・インストロメンツ(Hoefer Scientific
Instruments))である。電気的に荷電されてはいる
が、緩衝液は中心に磁気撹拌バーを有するスパイラル
(spiral)により撹拌する。渦巻は2つの緩衝液タンク
の間に位置する。電気泳動装置がその上にある磁気撹拌
器により撹拌バーを回転させることで一方のタンクから
他方のタンクへ緩衝液が導かれる。しかしながら、この
装置における電界密度も緩衝液のタンクにおけるよりも
ゲルのコンパートメントにおけるほうが高い。
アガロースゲルにおける大型DNA分子の分離はパルス
による電界電気泳動((カンターおよびシュワルツ(Ca
ntor and Schwartz)、米国特許第4,473,452号)によ
り、多大に改善され得る。またパルスによる電界電気泳
動のための他の装置についても記載がある(たとえば、
チュ他(Chu et al(1986))サイエンス(Scienc
e),232,1582)。これらの装置のうちいくつかの場合、
側壁および端部壁が上記の装置の場合のように電界を規
定しない。電界はその代わり特定の電極構成により閉じ
られる。
既に述べたとおり、ポリアクリルアミドとアガロース
のゲルが生物分子の電気泳動分析に関して多く使用され
るマトリックスである。蛋白質および核酸の分析に関し
ては新しい合成マトリックスがコズリック他(米国特許
出願第328,123号、分析生化学(Analytical Biochemis
try)163(1987)506−512、および分析生化学170(198
8)478−484)により導入されている。これはアクリル
モノマー系のもので、N−アクリロイル−トリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン(NAT)(N−acryloyl−t
ris(hydroxymethyl)aminomethane)である。ポリ(NA
T)のゲルはポリアクリルアミドのゲルより多孔性では
あるがアガロースゲルに比べて多孔性が低いことが分か
った。したがって、これらゲルは大型蛋白質および大き
さがアガロースおよびポリアクリルアミドゲルの最適分
離範囲を逸脱する核酸の分離に有利である。引用の文献
においては、垂直フォーマットにおいてゲルを流した後
に、DNAの分析に関してポリ(NAT)ゲルが優れた特性を
有していることが提示されている。しかしながら、驚い
たことに、標準的液中電気泳動装置においては、ポリ
(NAT)ゲルにおけるDNAの分解能は垂直システムにおけ
るものほどよくないことが分かった。大きな違いはゲル
の下半分に見られ、すなわち帯がより拡散していたので
ある。そのうえ、真中のレーンにおけるDNAフラグメン
トは外側のレーンにおける対応するフラグメントよりも
さらに泳動した。この現象はスマイリング効果(smilin
g effect)として知られている。さらに、かなり頻繁に
DNAの帯は真中のみにおいては真直ぐではあるが、端縁
が上向きに曲がっていた。
上に述べたような現象は同じ条件下でアガロースのゲ
ルを流す場合にはこれほど顕著ではなかった。DNA分析
に使用されるアガロースゲルは、通常0.5から2%のポ
リマー乾燥重量を含む。これに対して、我々が使用した
ポリ(NAT)ゲルは6から12%のポリマー乾燥重量を含
んでいた。したがって、予想されることは、ポリ(NA
T)ゲルがゲルを通る緩衝液のイオンの泳動に対しより
高い抵抗を示すということである。したがって、ジュー
ル熱として知られる電気泳動の際に生じる熱がアガロー
スゲルにおける場合よりもポリ(NAT)ゲルにいて高い
と考えられる。ジュール熱を制御することが最適電気泳
動分離を達成するために重要である点を提示する多くの
例が先行技術にも見うけられる。また電界はできる得る
限り均一なものである必要がある。
標準的な液中ゲル電気泳動装置においては、図1aに模
式的に示すように、ジュール熱に関して制御はされずか
つ電界も均一でない。電界密度は、緩衝液のタンク101
におけるよりもゲル領域102においてより高い。加え
て、電界線105はゲル領域においては湾曲する。この湾
曲は電極106、106′とゲル領域との距離、電極の位置お
よびゲル103に対する緩衝液104のレベルにおおむね依存
する。この湾曲は、図1bに示されるように、ゲルに対し
て同一平面上に電極107、107′を置くことにより低減さ
れることが可能であり、かつ電界の均一性もこれにより
改善される。しかしながら、電界線は依然として湾曲
し、緩衝液のレベルがゲルよりも高い場合にはとくにそ
うである。ゲルに対して電極の対を他の位置に置くこと
も可能であるが、電界の均一性は実質的に改善され得な
い。本件発明の構成要件として、一方が他方の上に配置
された電極108,108′の2つの対が図1cに示されるとお
り、両電極間の領域に実質的により均一な電界を発生さ
せるということが分かった。電界の均一性は非常に重要
であり、かつそれは付加的な要件が達成された装置を使
用してのみ電気泳動分解能に期待される改善をもたらす
ことになる。これらの付加的要件のうち大変重要なもの
はジュール熱の制御と、ゲル領域における緩衝液イオン
の枯渇、すなわちカソード付近へのカチオンの蓄積およ
びアノード付近へのアニオンの蓄積をさけることであ
る。これらの要件は本件発明の装置において達成され、
これについては以下の説明から明らかになるであろう。
本件発明の目的 水性ゲル、特にポリ(NAT)ゲルにおいて荷電種の液
中ゲル電気泳動を行なうための改善された装置を提供す
ることが本件発明の基本的目的である。
ポリ(NAT)ゲルにおけるDNAの液中ゲル電気泳動のた
めの改善された方法を提供することが本件発明のもう1
つの目的である。
発明の概要 本件発明の原則を実施することで、標準的なやり方に
おける場合よりも良好にDNAフラグメントを分解するこ
とが可能である。改善された分解能は、DNA制限フラグ
メント長の多形性を検出する上でかつDNA増幅生産物の
分析において特に有益である。
第1の好ましい実施例においては、本件発明の装置は
ゲルコンパートメントとしての上部緩衝液コンパートメ
ントと、貯蔵槽コンパートメントとしての下部緩衝液コ
ンパートメントと、ゲルコンパートメントの底部として
2つのコンパートメントの間にある水平プレートとを含
む。本件発明の特徴によれば、緩衝液のバルクは下部コ
ンパートメントにあるが、電極は上部コンパートメント
にある。これにより、過度に高い電流を生じることなく
ゲルコンパートメントにより、均一な電界が形成され得
る。先ほど述べた水平プレートは外部の加熱器/冷却器
に接続された熱交換器にもなり得る。緩衝液は水平プレ
ートにある開口を通って2つのコンパートメントの間で
循環する。2つの分離された開口は上部コンパートメン
トにおける側壁と長い垂直バリアとの間の水平プレート
の各側部上に位置決めされる。バリアは緩衝液の流れを
方向づけかつ電界を上部コンパートメントに境界決めす
る。ポンプが下部コンパートメントの底に装着されてお
り、かつ本実施例のもう1つの有利な特徴としては、ポ
ンプの入口と出口の間の緩衝液は実質的に荷電されない
という点である。ゲルコンパートメントにおける緩衝液
の流れは長いバリアに垂直で、水平プレートの各端部に
接近した1対のダムにより導かれる。本件発明のもう1
つの特徴によれば、図1cに示すような2対の電極が使用
され、標準的な装置における場合よりも実質的により均
一な電界を生じさせる。電極は長いバリアに対して平行
に位置決めされ、かつ緩衝液の流れは電界線に対して実
質的に直角を成す。
本件発明の第2の好ましい実施例においては、電極は
長いバリアに対して直角に位置決めされる。電極は上部
コンパートメントにおける緩衝液の流れを調整するダム
の内側に接近している。緩衝液の流れは電界線に対し本
質的に平行である。
本件発明の第3の好ましい実施例においては、端部壁
に近い各端部側の中央に1つずつ、合計2つの開口が水
平プレートにある。各開口の前には垂直バリアがある。
垂直バリアは各壁よりも短い。上部コンパートメントに
おける緩衝液の流れは垂直バリアに対して平行に位置決
めされた2つのダムにより調整される。電極は側壁に対
し平行でありかつ緩衝液の流れは電界線に対して本質的
に直角をなす。
本件発明の第4の好ましい実施例においては、上部コ
ンパートメントは2つの別個のチャンバに区切られてい
る。水平プレートは、各チャンバに対して2つずつ、合
計4対の開口を有する。2つのチャンバにおける電極は
独立しておりかつ2つの電界は分離されている。緩衝液
は1つの緩衝液貯蔵槽から2つのゲルコンパートメント
へと循環する。
図面の説明 本件発明の上記および他の目的、特徴および利点が、
添付の図面を参照しての以下の説明により、より容易に
明らかになるであろう。図面において、 図1は標準的液中電気泳動装置における電界のアウト
ラインである。
図1bはゲルに対して同一平面上に位置決めされた2つ
の電極により生じる電界のアウトラインである。
図1cは2対の電極により生じる電界のアウトラインで
ある。
図2は本件発明に従う電気泳動装置のベースの斜視図
である。
図3は長い電極を有する電極アセンブリとフレームと
の斜視図である。
図4は図3の電極アセンブリが適所に設けられる、図
2に示された電気泳動装置の平面図である。
図5はA−A′の線に沿って破断した図4の電気泳動
装置の断面図である。
図6はB−B′の線に沿って破断した図4の電気泳動
装置の断面図である。
図7は水平プレートの断面図である。
図8は短い電極を有する電極アセンブリの斜視図であ
る。
図9は水平プレートの端部上に緩衝液再循環開口を有
する電気泳動装置の平面図である。
図10は上部コンパートメントに2つの別個の電気泳動
チャンバを有する電気泳動装置の平面図である。
図11は隣合せに設けられたゲルコンパートメントと貯
蔵層コンパートメントを有する電気泳動装置の模式的平
面図である。
図12は本件発明に従う装置における液中ゲル電気泳動
の後の6%ポリ(NAT)ゲルにおけるDNAの帯のパターン
である。
図13は図2ないし7の実施例のための修正されたダム
の図である。
好ましい実施例の詳細な説明 以下の記載は例としてさまざまな限定された寸法決め
を含む。これらは製作されかつ試験が行なわれたある種
の実験室モデルに関連している。これら寸法決めは明ら
かに例示目的のみのものでありかついかなる意味におい
ても限定的な態様で解釈されない。
本件発明のすべての装置は、非導電性材料によって製
作される。図2、3、4、5、および6を参照して、好
ましい実施例の装置は、側部プレート1、1′と、端部
プレート2、2′と、貯蔵槽コンパートメントの底部プ
レート3と、ゲルコンパートメントの底部としての水平
プレート4と、電極アセンブリ(図3)とから基本的に
構成される。水平プレート4は上部および下部緩衝液コ
ンパートメントを規定する。上部コンパートメントにお
いては、水平プレートの各側に小さな垂直バリア7およ
び7′により分離される2つの開口5、6および5′、
6′がある。これら開口は上部および下部コンパートメ
ントの緩衝液を接続する。長い垂直バリア8および8′
は小さいバリア7および7′に接近して、水平プレート
の各側上の開口の前に装着される。長いバリアは水平プ
レートの側部よりもいくぶん短い。下部緩衝液コンパー
トメントにおいては、下部コンパートメントを2つの部
屋に分けるダム9が設けられる。ダムは隅と中央とに開
口を含みかつ水平プレートの各側上の2つの開口の間に
位置決めされる。ポンプ10は下部コンパートメントの底
に装着される。ポンプの入口11はダム9の一方側にあり
かつ出口は他方側にある。ポンプは開口5および5′か
ら緩衝液を引出しかつこれを開口6および6′を介して
押出す。矢印に示されるように、上部コンパートメント
においては、両側の長いバリアと側壁との間を緩衝液が
流れる。2つの流れは端部壁2に至ったときまがりかつ
組合わされる。この流れがダム13および14により方向付
される。好ましい実施例においては、ダム13は長い半楕
円状の開口を有しかつダム14は長いスロットを有する。
その機械的安定性を増すために、ダム14におけるスロッ
トは中央にバーを有してもよい。スロットは水平プレー
トよりいく分上にある。ダム14におけるスロットは平行
な上部および下部側部を有する代わりに、緩衝液の流れ
のプロファイルをよりよく制御するために、図13に示さ
れるように中心に向かってテーパされるよう修正が加え
られてもよい。ダム13における半楕円状の開口は修正さ
れたダム14におけるスロットよりも中心点において1−
5mm高い。緩衝液のレベルは半楕円状の開口上1−5mmに
保たれる。ダム13および14を通過した後、緩衝液は水平
プレートの中央部分を流れかつ類似するダム13′および
14′を通って進む。端部壁2′に至ったとき、流れは別
れて長いバリアと側壁との間を開口5、5′を介して下
部コンパートメント内へ戻って行く。緩衝液はまたダム
9における開口を介して下部コンパートメントにおける
2つの部屋の間でも循環する。このダムにおける開口の
大きさと水平プレートにおける開口5、5′および6、
6′の大きさが上部コンパートメントにおける流量をお
おむね決定する。ダム9における開口が小さい場合に
は、上部コンパートメントにおける流量は増大し、かつ
開口が大きい場合には減少する。
電界はたとえばプラチニウム配線等の導電性材料から
製作される電極15および15′により生じる。水平方向に
は1cmかつ垂直方向には7mm離された、2対の電極がプラ
グキューブ上に装着されたプラグ16および16′に接続さ
れる。ワイヤはダム13および13′を通りそれらの端部が
端部壁2および2′から1cmを越えて離れていないこと
が好ましい。電極がダム14と14′との間の距離のみを結
ぶ場合には、電界が乱れることが観察されている。これ
は、ダム14または14′に最も近いレーンにあるDNAの帯
の歪みによっても明らかである。電極はバリア8および
8′の表面に交互に装着され得るが、その場合には泡形
状のガス電気分解生成物がより大きくなりかつ電極上に
長く留まる傾向にある。これら泡は電界を乱すので、バ
リア8と8′から少なくとも1mm離してダムの間に電極
を延ばすほうがよい。下部電極も水平プレート上少なく
とも1mm上のところにあれば、形成される泡は小さくか
つそれらはワイヤから簡単に離れる。電界の乱れはした
がって最小限にされる。ダム上に電極を装着することに
は付加的な利点がある。ダムを2つの長いバー17と17′
とで結ぶことにより、取外し可能な電極アセンブリが形
成される。アセンブリはバリア8、8′と端部壁2、
2′との間にぴったり適合する。電極アセンブリの上向
き方向への動きは4つのブロッキングピース19により防
止される(図においては2つしか示していない)。これ
らを端部壁にある穴に挿入した後、ブロッキングピース
19からのロッドがプラグキューブとキューブ18、18′の
ちょうど上に来る。
バリア8および8′には2つの目的がある。これらは
まず緩衝液の流れが上部コンパートメントに入ってくる
際に、この流れの方向付を行なう。第2に、バリアが電
界を実質的に上部コンパートメント内に境界決めする。
緩衝液は図5に示されるように、下部コンパートメント
をポンプにより出入りするので、ポンプにおける緩衝液
は電界によっては引き込まれない。本件発明の装置はし
たがって強く荷電された電気泳動緩衝液に対しポンプ動
作を行なうことが回避されるという重要な利点を有して
いる。
ゲルを流すために、それは水平プレートの中心部分に
おいて電極の間に置かれる。緩衝液の流れがあるので、
ゲルがその流れとともに浮遊することを防止するために
固定されなければならない。ゲルを固定するために便利
な方法は、電気的に非導電性材料から製作されるフレー
ム20によるものである。フレームはハンドル20′とダム
14のスロットに類似した大きさの2つの長いスロットを
有する。ゲル自体よりもいくらか大きい支持膜上にゲル
を流すことが有利である。フレーム20はゲル支持の2つ
の端縁上に置かれる。フレーム20のもう1つの役割は上
部コンパートメントにおける緩衝液の流れの平坦さを改
善することである。フレーム20はその幅がゲルの大きさ
に依存して変化し得ることが明らかである。また、1ま
たは2つ以上のフレーム20がゲルコンパートメント内に
配置され得ることも明らかである。
先ほども述べたとおり、電気泳動の際に熱が発生す
る。この実施例における水平プレート4は熱を制御する
役割を果たす。装置の組立ての際にプレート4を水平に
整列させることを用意にするため、ストリップ21、21′
が側部プレート1、1′上に固定され、かつストリップ
22、22′が端部プレート2、2′に対し固定される。水
平プレートの断面が図7に示される。冷却剤は小さな矢
印で示すように、プレート内部の曲がりくねった流路を
介して循環しかつその出入りについては大きい矢印で示
すとおりである。プレート4の入口および出口の穴は側
壁1′における同じ大きさの穴および管接続部分23、2
3′のより大きな穴と整合している。熱は水平プレート
の上部を介しかつ底部を介して交換される。上部上で
は、通常表面の大部分がゲルで覆われており、これによ
り緩衝液と水平プレートとの間の熱交換はもっぱら下部
コンパートメントにおけるプレートの底部を介して生じ
る。熱の均衡は下部コンパートメントの一方の部屋から
他方の部屋へ緩衝液をダム9を介してポンプ動作するこ
とから生じる緩衝液の混合により容易になる。これに対
し、ゲルからの熱はゲル下の水平プレート内へ部分的に
発散しかつゲルの上を流れる緩衝液内に部分的に発散す
る。所望の緩衝液の温度が15℃から30℃の範囲にある場
合には、水平プレートの上部および底部は1−2mmの厚
さの一般的なプラスチック材料から製作されてよい。し
かしながら、所望の緩衝液の温度が15℃を下回るかまた
は30℃を越える場合には、熱伝導体としてより優れた他
の電気的に非導電性材料を使用することが望ましい。
ゲルを流し始める前に装置の上にカバー24が適所に置
かれる必要がある、というのもこれが実験者による突発
的な電気接触を防ぐ遮蔽物を形成するからである。カバ
ーはプラグ16および16′へのジャックの接続を可能にす
るのに十分な大きさの2つの穴を有している。
好ましい実施例において、2本のワイヤが電極に使わ
れるのには、主に2つの理由がある。第1には、2本の
ワイヤにより生じる電界のほうが1本のワイヤにより生
じる電界よりもより均一だからである。第2には、2対
の電極により結果として生じる電流が高すぎないからで
ある。1本ではなく2本のワイヤを使用した場合、アン
ペア数はおよそ2のファクタで増大することが観察され
た。したがって、70Vで、緩衝液が30mMトリスアセテー
ト、0.75mMMa2EDTAの場合、アンペア数は1本の電極の
場合では約70mAであり、かつ2本の電極では約140mAで
あった。したがって、所与の電圧での電流はワイヤの数
に依存することは明らかである。3本または4本以上の
ワイヤを使用することにより、電界の均一性は改善され
るが、アンペア数も増大する。高いアンペア数では、熱
がより多く発生しかつ電気泳動緩衝液の成分が主に電気
分解によってより早く変化するので有害である。したが
って、本件発明においてはアノードのために2本のワイ
ヤとカソードのために2本のワイヤが最適であると考え
る。しかしながら、より均一な電界を必要とするかまた
は大変低い電圧を必要とする応用においては、2本を超
える数のワイヤか導電性のストリップをアノードおよび
カソードとして使用することが有利かもしれない。
ゲルコンパートメントにおける緩衝液の量は、ちょう
ど上部ワイヤを覆う程度の量にされる。そこで、所与の
電圧での電流はこの2本のワイヤの垂直方向の間隔に依
存して増大する。したがって、電流を低く保つために
は、この距離をあまり大きくなり過ぎないようにする必
要がある。また、電界の均一性は、ワイヤの垂直方向の
距離が小さすぎる場合には改善されない。本件発明の特
徴として、3から10mmの垂直方向の距離が望ましいと考
えられる。アノードとカソードとが記載の実施例に比べ
て実質的により接近しているかまたは実質的により離れ
ている場合には、最適距離はこの範囲を外れるかもしれ
ない。電流はワイヤの厚さにも依存する。厚さを選択す
る上で、考慮されるべき重要な点は機械的な安定性とコ
ストである。プラチナから製作された0.1から0.5mmの厚
さのワイヤが適当である。
全体長さにわたって2つの電極を垂直に等間隔に保つ
ためには、好ましい実施例では、単一の0.2mmの厚さの
プラチナワイヤをダム13、14、13′、および14′におけ
る穴に通す。加えて、シリコン管状物25および25′の2
つの断片がワイヤとダム13および13′との間に挿入さ
れ、それによりワイヤが管状物をダムに対向して押圧す
る。ワイヤをぴーんと張ったままにするこの手段はその
単純さゆえ好ましい。
第1の好ましい実施例において、電極間の水平方向の
距離は11cmである。電極がこれより長いまたは短い間隔
で位置決めされ得ることは明らかである。11cmの空隙が
選択されるのは、約9cmのゲルの長さが多くの適用に関
して十分であるからである。本件おいては、92mmの長さ
のポリ(NAT)ゲルが使用される。これらゲルは2つの
電極間の領域の中心に置かれる。したがって、ゲルの端
部が電極から約9mmの距離にある。この距離は標準的な
液中ゲル電気泳動装置におけるゲルと電極との間の距離
より実質的に短い。したがって、本件発明の装置はより
コンパクトでかつしたがって利用可能なゲルの領域が標
準的な装置における場合よりも比例してより大きくなる
という付加的な利点も有している。
電気泳動の際に、ゲルはフレーム20で適所に維持され
る。ゲルは突出ゲル支持膜上にあるフレーム内に位置決
めされる。フレーム20は幅広いというよりは長いゲルを
収容する。長さと広さが等しい、または長いというより
は広いゲルを有することも可能である。対応するフレー
ムはしたがってその大きさが変化することになる。ゲル
はフレーム20と合う大きさのものであり、第1の好まし
い実施例の一電気泳動装置において3つのゲルが同時に
置かれかつラン(run)されることが可能である。2つ
のフレーム20は、支持膜がフレーム20の垂直側部の半分
の厚さだけ突出す場合には、3つのゲルを固定するのに
十分である。
第1の好ましい実施例のゲルコンパートメントにおけ
る緩衝液の量は、最大ゲル量より約2倍から5倍大き
く、この場合ゲルの厚さは3から6mmである。この緩衝
液の量が十分かもしれずかつしたがって短時間で低電圧
でアガロースゲルをランするためにもう1つの緩衝液の
コンパートメントは必要ではないが、合成ゲルをランす
る場合におおむね3つの理由により緩衝液の量はより多
いほうがよい。第1には、合成ゲルは通常電気泳動の際
にゲルから移動してくるミリモルの濃度の重合触媒を含
んでいる。緩衝液の成分はしたがって徐々に変化をと
げ、かつ緩衝液の量が多ければ多いほど成分におけ相対
的な変化は小さくなる。第2には、合成ゲルは通常少量
の非重合モノマーを含んでおり、これがランの際のゲル
から発散する。多くのビニールモノマーは濃度に依存す
る態様で、生体分子内に存在するいくつかの官能基と反
応する。したがって非重合モノマーがより希釈されるで
あろうから、緩衝液の量は多いほうがよい。第3には、
電気泳動の際に、ジュール熱が発生する。この場合も緩
衝液の量は多いほうがよい、というのも熱容量がより高
くかつしたがってゲルをランしている間の温度の変動が
より小さいからである。好ましい実施例においては、適
当な緩衝液の量はゲルの量全体よりも8から40倍大きい
が、これよりもさらに多い緩衝液の量がいくつかの適用
においては望ましいかもしれない。本件発明の装置はし
たがって多い量の緩衝液の使用が可能であるという重要
な利点も有している。
第2の好ましい実施例においては、図8に示される電
極アセンブリが図2に示される基本装置の上部コンパー
トメント内に挿入される。電極26および26′はダム14お
よび14′に直角に固定された断片27、27′および28、2
8′に装着されかつ第1の実施例において記載されたの
と同様の態様で延ばされたままにされる。電極26および
26′は電極15および15′よりも短いが、それらの間隔は
より長い。したがって、これら2本の電極の間の領域に
はより長いゲルをランすることが可能である。本件発明
の新規な装置は実質的に長さの違うゲルをランすること
が可能であるというさらなる利点を有している。この能
力は電極アセンブリを交換することが可能であるという
点から生じる。しかしながら、本件発明の装置内に電極
を永久に固定することも可能である。これは電極アセン
ブリを交換する際の損傷というリスクを排除すると考え
られるが、同時にランされ得るゲルの大きさを限定する
と考えられる。
第2の実施例においては、緩衝液の流れは電界線に対
して本質的に平行であるが、第1の実施例においては流
れは電界線に対して本質的に直角である。90゜と180゜
の角度が選ばれたのは、これら角度が最も便利だからで
ある。緩衝液が電界線に対してさらに違う角度で流れ得
ることは明らかである。
図9に上から示された第3の好ましい実施例において
は、水平プレート内に2つの開口29および29′がある。
前面と、側部と開口の後方には垂直バリア30、31、およ
び30′、31′がある。緩衝液は開口29を通ってバリア30
および31と端部壁32との間を流れる。その後、流れは曲
がり、かつ第1の好ましい実施例のダム13および14の開
口と同じ形状の開口を含む、ダム33および34の下を通過
する。中央領域を通過した後、流れはダム34′および3
3′を通過して端部壁32′とバリア30′および31′との
間を移動することにより開口29′に入る。水平プレート
および下部コンパートメントの他の特徴は第1の実施例
のものに実質的に同じである。
電極35および35′は側壁36および36′に平行であり、
かつ緩衝液の流れは電界線に対し本質的に直角をなす。
電極が電極断片37、37′および38、38′の間の間隔にま
たがる場合には、適当な電界が達成される。緩衝液のレ
ベルはこの断片より上にくる。電極がより短い場合に
は、DNAの帯はバリア34および34′に最も近いレーンで
歪む。
図10に上から示された第4の好ましい実施例では、上
部コンパートメントは2つの別のチャンバに分離され
る。水平プレートが各チャンバに2対ずつ合計4対の開
口を有している。この2つのチャンバにおける電極は独
立しており、かつ一方のチャンバにおける電極は他方の
チャンバにおける電極から分離されている。緩衝液は1
つの各コンパートメントから2つの上部チャンバへ循環
する。この装置の上部コンパートメントが第1の実施例
の1上部コンパートメントと第2の実施例の一上部コン
パートメントから本質的になることは明らかである。こ
の重要の違いは2つのチャンバを分離する長い垂直バリ
ア39である。単一水平プレートがチャンバ双方により共
有される。
第4の実施例の装置は、主に1チャンバにおいてゲル
が異なった条件下、たとえば第2のチャンバにおけるゲ
ルとは違う電圧で同時に流され得るという理由で有利で
ある。本件発明の範囲内で第4の好ましい実施例の装置
に対して多くの修正がなされ得ることは明らかである。
このような修正のうち2つについて以下に述べる。第1
のものは、上部のチャンバが図9に示された緩衝液再循
環開口とバリアとを含み得るというものである。第2の
ものによれば、上部のコンパートメントが2つを越える
数のたとえば4つのチャンバを含んで、4つのゲルを同
時にそれぞれ異なる条件下でランすることが可能になり
得る。
好ましい実施例の上の説明においては、言及された可
能な修正の数はわずかである。本件発明の範囲内で他の
実施に繋がる多くの付加的変更がなされ得ることは、当
業者にとり明らかであろう。これらの可能性のいくつか
について以下に簡単に述べるがこれは限定を目的とする
ものではなく、そうではないと明細書中に特定的に示さ
れている場合を除いては例示目的のものである。したが
って、図11に示したもう1つの実施例では、ゲルコンパ
ートメント40と貯蔵槽コンパートメント41を並べておく
ことが可能である。ポンプ42が緩衝液を循環させるため
に使用される。ポンプが同じ直径の管状物を使用する場
合には、貯蔵槽コンパートメントにおける緩衝液のレベ
ルはゲルコンパートメントにおける緩衝液のレベルとは
違ったものになり得る。代替的には、緩衝液はゲルコン
パートメントの一方開口内へのみポンプ動作されること
が可能で、かつその後貯蔵槽コンパートメント内の管状
物を介して流れ得る。緩衝液のレベルはコンパートメン
トにおいては本質的に同じである。この実施例では、緩
衝液の再循環開口も水平プレート内に位置決めされる。
さらにもう1つの実施例では、緩衝液循環開口は水平プ
レートの側部もしくは端部壁または他の位置におかれて
もよい。さらにもう1つの実施例においては、水平プレ
ートおよび/または緩衝液は循環冷却剤ではなくペルチ
エ(Peltier)素子によって冷却されてもよい。さらに
他の例では、電極コンパートメントにおけるダムはダム
13および14のものとは異なる形状の開口を含んでもよ
い。また他の場合には、電極は、2本ではなく、1本、
3本もしくはそれ以上のワイヤまたは導電性材料を含む
ストリップを含んでもよい。
例 本件発明の方法により、異なる大きさのDNAフラグメ
ントが第1の実施例の装置において6%ポリ(NAT−(B
is)ゲル内で電気泳動される。電気泳動緩衝液は0.75mM
のNa2EDTAを含む、30mMトリス−アセテートpH8.0であ
る。約1700mlの緩衝液が装置内に注ぎ込まれる。ゲルは
長さ92mm、幅62mm、かつ厚さ3mmである。プラスチック
の支持膜がゲルの各側上に2mm突出する。ゲルは水平プ
レートの上に置かれかつ支持膜と水平プレートとの間に
気泡がひっかかったままになることはない。ゲルはフレ
ーム20により適所に維持される。追加の緩衝液が、緩衝
液のレベルが上部プラチナワイヤの上約2mmのところに
来るまで加えられる。DNAサンプルは40%スクロースと
0.005%のブロモフェノールブルーを含む電気泳動緩衝
液で希釈される。2つの異なるDNAサンプルが使用され
る。1つはよいDNAフラグメント(1kbラダー、ベテスダ
・リサーチ・ラボラトリーズ(Bethesda Research Labo
ratories)の商業的に入手可能な混合物であり、かつも
う一方はバクテリオファージラムダDNAのMva I制限消化
物である。各サンプルの5μ4つ分がゲルに与えられ
る。サンプルのウェルは長さ5.5mm、幅1.5mm、かつ深さ
2.5mmである。サンプルをローディングした後、カバー
が閉じられかつ電圧は77Vに設定される。この電圧では
対応する電流は約170mAである。電界強度は2つの電極
の間の領域では7V/cmである。ブロモフェノールブルー
追跡用色素の移動から判断して、DNAフラグメントは約
4分でゲル内に侵入する。このとき、緩衝液の循環がポ
ンプにスイッチを入れることにより開始される。電気泳
動の際、LKBモデル2219マルチテンプIIサーモスタテッ
クサーキュレータ(Multi Temp II Thermostatic Circu
lator)から来る循環冷却剤が24.5℃の温度であれば、
緩衝液の温度は25℃である。約2時間と20分の後、追跡
用色素はゲルの底に達する。そこで電力は断ち切られ、
かつゲルは、100μgの臭化エチジウムを含む100mlの蒸
留水に1時間インキュベートされる。臭化エチジウムの
余分なものを希釈するために、ゲルは暗所で蒸留水1
に1晩浸けられる。引続き、ゲルはUV光の下で写真撮影
される。図12に示されるDNAのパターンから、スマイリ
ング効果が生じていないことは明らかである。加えて、
帯は帯幅全体にわたって真直ぐである。最後に、200−2
000の塩基対の範囲での分解能はすぐれておりかつ特に
顕著なのは、560と516塩基対フラグメントの分解能であ
る。
本件発明はかなりの細部にわたって記載されてきた
が、そのいくつかが上にも述べられたが修正および変更
が以下のクレームに記載される本件発明の概念および範
囲から逸脱することなくその経過およびその装置自体に
おいてなされ得ることが当業者にとり明らかになるであ
ろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/447

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液中ゲルにおいて電気泳動を行なうための
    電気泳動装置であって、 液中ゲルを保持するための少なくとも1つのゲルコンパ
    ートメントと緩衝液を保持するための少なくとも1つの
    貯蔵槽コンパートメントとを含む複数のコンパートメン
    トと、 前記ゲルコンパートメントの底としてのプレートと、 前記プレートに取付けられていて前記ゲルコンパートメ
    ントの側面と端面を形成する複数の壁と、 前記ゲルコンパートメント内の複数の電極とを含み、前
    記電極は前記側壁、前記端壁、前記プレート、および空
    気による上面によって規定される前記ゲルコンパートメ
    ント内に実質的に閉じ込められた直線的電界線を生じる
    ように配置されており、 さらに、前記液中ゲルを横切って前記緩衝液を循環させ
    る手段と、 前記貯蔵槽コンパートメントを前記ゲルコンパートメン
    トとの間で緩衝液循環開口を規定する手段と、 前記ゲルコンパートメント内において前記側壁と前記端
    壁のうちで任意に選択された壁から隔てられて前記緩衝
    液循環開口の前で前記プレートに装着されたバリアとを
    含み、前記緩衝液は前記選択された壁と前記バリアとの
    間を流れるとともに前記液中ゲルを横切って流れ得る、
    装置。
  2. 【請求項2】電界が好ましくは各々垂直方向に2から20
    mm離された2本の平行なワイヤを含むアノードとカソー
    ドにより発生される、請求項1に記載の電気泳動装置。
  3. 【請求項3】電極が除去可能である、請求項2に記載の
    電気泳動装置。
  4. 【請求項4】ゲルのコンパートメントの底部としてのプ
    レートは、その温度が電気泳動の際に変化するものであ
    る、請求項2または3に記載の電気泳動装置。
  5. 【請求項5】ゲルのコンパートメントの底部としてのプ
    レートが電気泳動の際の温度を安定化させるための手段
    を含む、請求項2または3に記載の電気泳動装置。
  6. 【請求項6】1つのゲルのコンパートメントと1つまた
    は2つ以上の貯蔵槽コンパートメントを含む、請求項4
    または5に記載の電気泳動装置。
  7. 【請求項7】2つまたは3つ以上のゲルコンパートメン
    トと、1つまたは2つ以上の貯蔵槽コンパートメントを
    含む、請求項4または5に記載の電気泳動装置。
  8. 【請求項8】緩衝液の液面高さをゲルコンパートメント
    において実質的に一定に保つための手段を含む、請求項
    6または7に記載の電気泳動装置。
  9. 【請求項9】ゲルのコンパートメントが貯蔵槽コンパー
    トメントの上に位置する、請求項6または7に記載の電
    気泳動装置。
  10. 【請求項10】緩衝液がポンプにより循環する、請求項
    8または9に記載の電気泳動装置。
  11. 【請求項11】緩衝液が装置の壁内の開口を通ってゲル
    コンパートメントと貯蔵槽コンパートメントとの間を循
    環する、請求項10に記載の電気泳動装置。
  12. 【請求項12】緩衝液が、ゲルコンパートメントの底部
    としてのプレート内の開口を通ってゲルコンパートメン
    トと貯蔵槽コンパートメントとの間を循環する、請求項
    10に記載の電気泳動装置。
  13. 【請求項13】底部プレートの各側に2つの分離された
    緩衝液循環開口を含む、請求項12に記載の電気泳動装
    置。
  14. 【請求項14】底部プレートの各端部上に1つの緩衝液
    循環開口を含む、請求項12に記載の電気泳動装置。
  15. 【請求項15】緩衝液の循環開口がバリアと壁との間に
    留まるような態様で装着された各緩衝液循環開口の前の
    底部プレート上に2つの垂直なバリアを含む、請求項13
    または14に記載の電気泳動装置。
  16. 【請求項16】いくつかの開口を含むダムを含みかつそ
    のダムが貯蔵槽コンパートメントにおいてポンプの入口
    と出口との間に位置する、請求項15に記載の電気泳動装
    置。
  17. 【請求項17】ゲルコンパートメントにおける緩衝液の
    流れが緩衝液の流れに対して直角をなして位置決めされ
    た2つの形式のダムにより方向決めされ、前記ダムの1
    つの形式が半楕円状の開口を含みかつ他方の形式が長い
    スロットを含む、請求項16に記載の電気泳動装置。
  18. 【請求項18】半楕円状の開口を有する少なくとも2つ
    のダムと、長いスロットを有する少なくとも2つのダム
    とを含む、請求項17に記載の電気泳動装置。
  19. 【請求項19】半楕円状の開口を有する1つのダムと、
    長いスロットを有する1つのダムとを含む互いから1な
    いし4cm離された1対のダムが、半楕円状の開口を有す
    るダムが端部壁の近くにくるような態様で各端部壁から
    1ないし3cm離されて位置決めされる、請求項18に記載
    の電気泳動装置。
  20. 【請求項20】電極が側壁に対して平行に位置決めされ
    る、請求項19に記載の電気泳動装置。
  21. 【請求項21】電極が端部壁に対して平行に位置決めさ
    れる、請求項19に記載の電気泳動装置。
  22. 【請求項22】液中ゲル電気泳動のための矩形の箱の形
    の実質的に均一な電界を生成する方法であって、各電界
    に2本のワイヤを使用することと、前記電界を側部にお
    いては側壁またはバリアにより、端部においては端部壁
    またはバリアにより、上部においては空気により、かつ
    底部においては底部プレートにより閉じ込めるステップ
    を含む、方法。
  23. 【請求項23】電極が、垂直バリアと壁との間にぴった
    り適合するフレームで装着される、請求項3に記載の電
    極泳動装置。
  24. 【請求項24】電極が側壁に沿って延びる、請求項23に
    記載の電気泳動装置。
  25. 【請求項25】電極が端部壁に沿って延びる、請求項24
    に記載の電気泳動装置。
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