JP3099348B2 - 有機薄膜形成用基板 - Google Patents

有機薄膜形成用基板

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、有機薄膜形成方法に関し、特にその平面
性,表面の化学的安定性,および有機薄膜の剥離性の向
上等に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、有機薄膜形成用基板として電解研磨後に熱
酸化処理を施されたステンレス鋼板を使用することによ
り、従来の金属基板に比べて平面性および表面の化学的
安定性の向上を、またガラスや石英等の基板に比べて導
電性の付与もしくはその制御性の向上と有機薄膜の剥離
性の向上を図るものである。
〔従来の技術〕
有機薄膜は、薄膜形成物質の分子の設計、またはその
組合せや調製方法により多様な機能を発現させることが
可能であるため、エレクトロニクスの分野における構造
材料のような従来からの用途の他、各種情報の検出,変
換,記録用材料、選択透過膜、光学材料、生体医学材料
への応用展開が期待されている。
一般に有機薄膜は適当な基板上に形成され、目的や用
途に応じて基板上に保持されたまま使用される場合と、
基板から剥離して使用される場合とがある。その形成方
法は、スピン・コーティング法,電解重合法,ラングミ
ュア−ブロジェット法(LB法)等に代表されるウェット
・プロセスと、真空蒸着法,スパッタリング法,イオン
・プレーティング法,プラズマ重合法等に代表されるド
ライ・プロセスとに大別される。基板に要求される特性
は、有機薄膜の用途、使用形態、適用される薄膜形成方
法等により若干異なるが、要約すれば次の通りとなる。
平面性に優れていること。
液相中,気相中,真空中においてダストや不純物を放
出しないこと。
表面の親水性もしくは疎水性の制御が容易で、有機薄
膜に対して高い親和性を発揮し得ること。
基板を電子デバイスの基板としてそのまま使用する場
合には、導電性の制御が可能であること。
有機薄膜を基板から剥離して使用する場合には、剥離
が容易であること。
従来、有機薄膜形成用基板の材料として広く使用され
ているものは、ガラス板、石英板、各種金属板等であ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述の〜の条件をすべて満たす有
機薄膜形成用基板は得られていないのが実情である。
たとえば、基板材料として最も一般的なガラス板や石
英板は、上記〜の条件は満たすが導電性を示さない
ので、そのままではの条件を満たさない。そこで、こ
れらを電子デバイスの基板として使用可能とするために
は、予め金属材料をスパッタリング法や真空蒸着法等に
より被着させることが必要となるが、このことがかえっ
て上記〜の条件を悪化させる。また、プラズマ重合
法により形成された有機薄膜をガラス板や石英板から剥
離しようとする場合には、フッ酸等のように腐食性の高
い酸を剥離剤として使用することが必要となり、上記
の条件を満たさない。
一方、金属板を用いようとする試みもある。たとえ
ば、「金属」1988年10月号98〜104ページには、SUS鋼板
が電解研磨を施されることによりガラス板に匹敵する平
面性を持ち得ることが報告されている。また、「新実験
化学講座」第18巻498ページ(丸善)には、高度に研磨
されたステンレス鋼板、あるいは研磨後にクロムめっき
を施された金属板をラングミュア−ブロジェット膜(LB
膜)の形成用基板に使用する技術が記載されている。さ
らに、金属板を使用することの一般的なメリットとして
は、丈夫で安価であることが挙げられる。しかしなが
ら、金属板は酸化等により容易に表面が劣化してダスト
源となり易いため、上記の条件を満たさない。さら
に、についても導電性の制御が容易であるとは言い難
い。
そこで本発明は、上述の条件〜をすべて満足する
有機薄膜形成方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明にかかる有機薄膜形成方法は、電解研磨後に熱
酸化処理が施されたステンレス鋼板上に有機薄膜を形成
することを特徴とするものである。
ステンレス鋼は、Cr系のSUS403、およびCr−Ni系のSU
S302を基本としており、これらに耐熱性,耐蝕性,加工
性等を改良する目的で各種の金属元素が添加された鋼種
が多数知られている。本発明で使用されるステンレス鋼
板は特に鋼種が限定されるものではなく、通常入手可能
な鋼種からなるものがいずれも使用可能である。
本発明では、上述のようなステンレス鋼板について、
電解研磨を行う。これは、ステンレス鋼板の鋼種に応じ
て電解液を適宜選択し、常法にしたがって行えば良い。
上記電解液は、リン酸や過塩素酸等のように被研磨面の
近傍で溶出された金属イオンと粘性液層を形成しやすい
成分と、クロム酸,硝酸,過酸化水素等のように固体被
膜を生成させる成分とが、ステンレス鋼を構成する成分
元素をすべて溶解させ得るように組み合わせてなるもの
である。たとえば、リン酸−硫酸−クロム酸系電解液は
あらゆる種類のステンレス鋼に適し、硫酸系電解液は18
−8ステンレス鋼や焼き入れした13Cr鋼に特に適する。
なお、電解研磨は0.01μm程度のミクロな凹凸は容易
に除去するが、1μm程度のマクロな凹凸を解消するも
のではないので、必要に応じて予めバフ研磨等の機械研
磨法により表面を平滑化しておくことが望ましい。
本発明では、上述の電解研磨の後にさらに熱酸化処理
が行われる。これは、電解研磨が終了した段階における
光沢や表面粗さはそのまま維持し、表面に付着もしくは
吸着されている不純物を分解除去すると共に、表層部の
不動態膜を肥厚化させて化学的安定性を高めるために行
われるものである。上記熱酸化処理は、酸化性の雰囲気
中でおおよそ100〜500℃の温度範囲にて行われる。
なお本発明では、ステンレス鋼板以外でも、上述のよ
うな電解研磨および熱酸化処理により表面に不動態膜を
形成し得るような金属板であれば、有機薄膜形成用基板
として使用することができる。かかる金属材料として
は、Fe,Ni,Co,Cr,Ti,Nb,Ta,Al等、およびこれらが適宜
組み合わされてなる合金等が挙げられる。
〔作用〕
本発明で有機薄膜形成用基板として使用されるステン
レス鋼板は、電解研磨を施されることにより表面のミク
ロな凹凸が解消され、表面積が小とされているため、不
純物が付着もしくは吸着される確率が低く、耐蝕性も向
上している。また、表面に鋭い突起等も持たないため、
自身がダスト源となることもない。したがって、基板の
表面は極めて清浄に維持され、前記およびの条件が
満たされる。
電解研磨を施されたステンレス鋼板の表面には、陽極
で該ステンレス鋼板が溶解する際に酸化が進行してある
程度の厚さの不動態膜が形成されており、これによって
も耐蝕性は若干向上されている。しかし、本発明ではさ
らに熱酸化処理が施されることにより、不動態膜が肥厚
化して表面の化学的安定性が一層向上されている。した
がって、耐蝕性が向上することはもちろん、イオンの溶
出等も抑制される。大気中に放置された通常のステンレ
ス鋼板の表面は有機物で汚染されていることがオージェ
電子分光等により判明しているが、本発明ではこのよう
な有機物も熱酸化処理の過程で分解除去することができ
る。かかるステンレス鋼板の表面は、十分な洗浄を行え
ばガラスや石英等に比べて親水性が高く、必要に応じて
シランカップリング剤等による疎水化も容易に行うこと
ができるため、上記の条件も満たされる。
また、上記熱酸化処理の条件を制御することによりス
テンレス鋼板の表面に形成される不動態膜の膜厚を調節
することができ、これにより導電性の制御も可能となる
から、上記の条件も満たされる。
さらに、本発明の有機薄膜形成用基板は希塩酸,希硫
酸,酢酸等の酸により容易にエッチングされるので、有
機薄膜を基板から剥離して使用する場合にも剥離が容易
であり、上記の条件が満たされる。
〔実施例〕
以下、本発明の好適な実施例について実験結果にもと
づいて説明する。
まず、表面処理状態の異なる3種類のステンレス鋼板
を基板とし、これらの表面にLB法によりそれぞれアラキ
ン酸カドミウム累積膜を形成し、膜質を評価する実験を
行った。
使用した基板は、SUS316ステンレス鋼板(寸法5×10
×1mm)に#400バフ研磨のみを施したもの(以下、#40
0バフ研磨板と称する。)、上記#400バフ研磨板に電解
研磨を行ったもの(以下、電解研磨板と称する。)、お
よび上記電解研磨板に熱酸化処理を行ったもの(以下、
熱酸化処理板と称する。)の3種とした。
ここで、上記電解研磨板は、70%硝酸水溶液(比重1.
4)中に#400バフ研磨板を浸漬し、該#400バフ研磨板
を陽極として液温15℃、電流密度20A/dm2(直流8V程
度)の条件で常時攪拌を行いながら約5分間の電解研磨
を行うことにより作成した。
また上記熱酸化処理板は、上述のような電解研磨を行
った後の基板をオゾン処理装置(サムコ・インターナシ
ョナル社製,商品名UVストリッパー)にセットして280
℃に加熱し、処理室内に導入された酸素に紫外線照射を
行ってオゾンを発生させ、この雰囲気中に基板を20分間
保持することにより作成した。なお、かかる熱酸化処理
板の市販品としては、たとえば神鋼ファウドラー社製,
商品名ゴールドEPが入手可能である。
これらの各基板の表面を十分に洗浄し、オクタデシル
トリクロロシランにより表面を疎水化した後、アラキン
酸カドミウムの単分子膜が2層積層された累積膜を常法
にしたがって成膜した。
このようにして各基板上に形成されたアラキン酸カド
ミウム累積膜の膜質をXPS分析(X線光電子分光分析)
により評価した。測定装置としては、SSI社製,商品名
Mプローブを使用した。また、評価に際してはCd3d,Fe
3p,およびFe2p 3の各ピークを指標とし、これらの各ピー
ク強度がCd3d,Fe3p,Fe2p 3,C1s,およびO1sの合計ピーク
強度に対して占める割合(原子%)を求め、基板表面に
おけるカドミウム原子と鉄原子の存在比の目安とした。
結果を第1表に示す。
ここで、カドミウムの量はアラキン酸カドミウム累積
膜の均一性の目安となるものであり、基板の優れた表面
性が反映されて累積膜が密にかつ均一に形成されている
場合ほど高い値が示される。また、鉄の量は基板の露出
程度の目安となるものであり、アラキン酸カドミウム累
積膜にピンホール等の欠陥が少ない場合ほど低い値が示
される。これも同じく基板の表面性の良否を反映するも
のである。
かかる観点にしたがって第1表の結果をみると、#40
0バフ研磨板よりも電解研磨板、電解研磨板よりも本発
明品に相当する熱酸化処理板において良好な結果が得ら
れていることが明らかであり、バフ研磨、電解研磨、熱
酸化処理と段階を経るにつれステンレス基板の表面性が
向上されたことが、そのまま膜質の向上に反映されてい
る。
さらに比較のために、金を蒸着したガラス基板を使用
して同様にアラキン酸カドミウム累積膜を成膜し、同様
にXPS分析を行ったところ、Cd3dピークをノイズと区別
することができなかった。したがって、LB法における有
機薄膜形成用基板として広く使用されているガラス基板
も、金属薄膜の蒸着により第1表に示されるいずれのス
テンレス基板よりも表面性が劣化してしまうことが明ら
かである。上述の3種類のステンレス基板上における累
積膜の成膜性は、ガラス基板上と何ら変わることなく良
好であった。
本発明者は、さらにプラズマ重合膜の剥離性について
も検討した。まず、上述の3種類のステンレス基板と石
英基板とを使用し、プラズマ重合装置(ウシオ電機社
製,商品名プラズマナノレプリカ)を使用してそれぞれ
メタン−スチレン混合気のプラズマ重合膜を成膜した。
これらのプラズマ重合膜の希硫酸による剥離を試みたと
ころ、3種類のステンレス基板からはいずれも容易に剥
離されたが、石英基板からは剥離することができなかっ
た。このことから、金属基板を使用することのメリット
は明らかである。
このように、3種類のステンレス基板は良好な成膜性
および剥離性を有しており、有機薄膜成膜用基板として
従来のガラス基板や石英基板に代わり得るものである。
さらに、3種類のステンレス基板の中では、電解研磨と
熱酸化処理の両方が施された本発明の基板が、ピンホー
ル等のない均一な膜質の有機薄膜を形成させ得る点で最
も優れている。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明の有機薄膜
形成用基板は、従来の金属基板と比べて平面性および表
面の化学的安定性に格段に優れているので、高品質の有
機薄膜を容易に形成することができる。また、従来広く
使用されているガラス基板や石英基板等に比べて導電
性,剥離性,機械強度,経済性にも優れている。したが
って、本発明を適用すれば、有機薄膜の膜質や高次構造
等を高度に制御することが可能となり、多様な機能を有
するデバイスを高い信頼性をもって容易に、しかも経済
的に提供することが可能となる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解研磨後に熱酸化処理が施されたステン
    レス鋼板上に有機薄膜を形成することを特徴とする有機
    薄膜形成方法。
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