JP3099258U - 蓄光板 - Google Patents

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Abstract

【目的】従来の樹脂と蓄光性蛍光粉を含有してなる蓄光板において、母材となる樹脂に、熱硬化性樹脂のみならず熱可塑性樹脂や天然樹脂も使用することができる、汎用性のある蓄光板を提供する。
【構成】アルミ板2と、樹脂4aに蓄光性蛍光粉4bを含有してなる蓄光層4との間に接着層3を設けてなることを特徴とする蓄光板1を提供することによって、蓄光層4の母材となる樹脂4aが、熱硬化性樹脂のみならず熱可塑性樹脂や天然樹脂も使用することができ、汎用性のある蓄光板を提供することができる。
【選択図】図1

Description

 本考案は光エネルギーを吸収し、暗所においてその光エネルギーを放出することにより、鮮明に視認することのできる蓄光板に関するものである。
 夜間などの暗所において、物の所在を周りに知らしめるために、対象物に蓄光顔料を塗布したり、その近傍に電球を取り付けたりすることが一般に広く行われている。
 例えば夜間時に電話線などの空中ケーブルの存在に気づかず、トラック等が荷台に引っ掛けて、空中ケーブルを切断してしまう被害が多いため、電話線などの空中ケーブルに蛍光顔料を塗布した塗装板を吊るしたり、電球を取り付けることが行われている。
 しかしながら、蛍光願料を塗布した塗装板を空中ケーブルに吊り下げた場合、蛍光願料が流れ落ちてしまうために定期的な塗り替えが必要であるし、電球を空中ケーブルに取り付けた場合は電気代がかかるため、不経済であった。
 又、別の例として、住居や地下街等の建物において、夜間時や非常時に出口までの道筋を示すため、フットライトや誘導体により誘導を行っているが、いずれの場合も電源を必要としているため、不経済である。
 このような実情に鑑み、蓄光材を用いた発光体の開発が進められている。例えば特許文献1に開示される発明では、片面に接着剤が塗布されたプラスチック材料製のテープ本体を有し、このテープ本体が、蓄光材料を含有するプラスチック材料の押し出し成形により形成されて暗所において発光する。この粘着テープを所要の長さに切り取って、物品に貼りつけることにより、その物品の所在を暗がりでも知ることができる形態のものが開示されている。
 また、特許文献2に記載のような、ポリ塩化ビニルを主体とする樹脂組成物からなるポリ塩化ビニルテープにおいて、ポリ塩化ビニルを主体とする樹脂組成物100重量部に対し、蛍光顔料を1〜10重量部かつ蓄光顔料を1〜10重量部含有することを特徴とする蛍光製ポリ塩化ビニルテープが開示されている。
 しかし、上記発明は蓄光材料を含有したプラスチック材料を押し出し成形により形成したものに接着剤を設けた形態であったり、ポリ塩化ビニールテープに蛍光顔料を単に混合させたものであり、十分に蓄光して発光できなかった。
 そこで特許文献3では、上記の問題点に鑑み、アルミ箔を基材とし、その表面にアルカリ土類金属のアルミン酸塩を基質とする蓄光性蛍光粉をアクリル系等の透明な樹脂に混合した蓄光層を設けることにより、蓄光度を増し、かつ取付場所を選択できる蓄光シートを提供していた。
 同文献には蓄光層の母材となる樹脂について、「透明な樹脂を用いる」とあるが、アルミ箔と樹脂を母材とする蓄光層の付着は樹脂のタック性によるものであるため、使用する樹脂は熱硬化性樹脂に限定されると考えられる。                   
特開平9−71756号公報 特開平9−208774号公報 登録実用新案第3065285号公報
 そこで本考案は母材となる樹脂について、熱硬化性樹脂のみならず、熱可塑性樹脂や天然樹脂も母材として使用することができるようにした蓄光板を提供するものである。
 課題を解決するための手段として、
(1)アルミ板と、樹脂に蓄光性蛍光粉を含有してなる蓄光層との間に接着層を設けてなることを特徴とする蓄光板を提供することによって上記課題を解決する。
(2)(1)記載の蓄光板において、蓄光層が、樹脂1重量部に対して蓄光性蛍光粉を0.1〜0.5重量部含有したことを特徴とする蓄光板を提供することによって上記課題を解決する。
(3)(1)又は(2)記載の蓄光板において、アルミ板の厚さが0.01〜1mmであり、熱硬化性樹脂若しくは熱可塑性樹脂あるいは天然樹脂に前記蓄光性蛍光粉として蛍石を加え成形した蓄光層の厚さが1〜5mmであることを特徴とする蓄光板を提供することによって上記課題を解決する。
(1)アルミ板と蓄光層の間に接着層を設けることにより、蓄光層の母材となる樹脂が、熱硬化性樹脂のみならず熱可塑性樹脂や天然樹脂も使用することができるため、汎用性のある蓄光板を提供することができる。
(2)アルミ板を設けることにより、発光率を向上させることができる。
(3)樹脂に蓄光材を含浸し蓄光層を成型した後に接着剤によりアルミ板を接着するため、製造が容易であり、自在に厚みや大きさを変えられる。
 図1は本考案の蓄光板の斜視図である。さらに図2は本考案の蓄光板の断面図である。本考案の蓄光板1は、厚さ0.01〜1mmのアルミ板2の上面に、接着剤3が塗布してあり、その上面に透明な樹脂4aとしてポリエチレン樹脂1重量部に対して、蓄光性蛍光粉4bとして蛍石の粉末が0.1〜0.5重量部、好ましくは0.4重量部混合されて成型された蓄光層4を接着してなるものである。
 上記蓄光性蛍光粉4bは、希土類元素を持つ物質なら何でもよく、蛍石などの天然蓄光材だけでなく、酸化アルミニウム(AL)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ホウ素(B)などを主成分とする金属酸化物の粉末を使用してもよい。
 用いる蓄光性蛍光粉4bは耐熱性に優れており、樹脂の熱処理温度に対し化学的に安定であること、耐候性に優れて屋外使用が可能であること、放射性物質を使用しておらず安全に使用できること、蓄光性と残光の機能に優れていること、励起できる光の波長範囲が広いといった特性を持つことが望ましい。
 これらの蓄光性蛍光粉4bは光の照射1時間に対して、光が遮断された後1時間は視認可能な発光輝度を保つ。
 樹脂4aを1重量部に対して、蓄光性蛍光粉4bを0.4重量部以上配合すると、母材としての樹脂の性質が失われ、耐光性が悪くなり、劣化を早める原因となる。
 又、上記の蓄光材の母材となる樹脂4aは熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でも、天然樹脂でも使用可能である。無論、これらのうち単独で使用することもできるが、複数を混合することも可能である。この時、透明性の高い樹脂を使用することが望ましい。
 熱硬化性樹脂を使用する場合、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。又、熱可塑性樹脂を使用する場合、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂や、ポリエーテル・エーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂といった耐熱性樹脂を使用することができる。
 これらの樹脂4aの原液あるいは熱処理した溶融物に蓄光性蛍光粉4bを含浸させ成型を行うが、その成型方法は既存の方法を使用する。蓄光層4の厚さを用途によって変化させることができる。
 本考案においてアルミ板を使用しているのは、アルミニウムが光の反射性が良く、加工しやすい金属だからであるが、無論、他の反射性のある金属でも代替可能である。
 又、アルミの厚さは適宜調整すればよいが、通常は0.01mm〜1mmほどのアルミ板を使用するのが妥当である。
 以下に本考案の実施例を挙げる。
上記の最良の形態において、アルミ板2の厚さを0.01〜1mm、蓄光層4の厚さを1〜5mmとし、それぞれを帯状に成型して接着剤により接着を行い、さらにアルミ面に接着剤を塗布することにより、曲面にも容易に貼り付けできるテープの如き蓄光板1を提供できる。尚、ここで使用する樹脂は軟質樹脂であることが望ましい。
 上記のような蓄光体1を電話線などの空中ケーブルに巻きつけることにより、夜間時にトラック等が荷台に引っ掛けて、空中ケーブルを切断してしまうという被害を減少させることができる。さらにこの蓄光板1によれば電気を使わず経済的かつ環境にやさしい目視帯を提供することができ、かつ蓄光材が樹脂で覆われているため、流れ落ちる心配もない。
 また、第二の実施例として、屋内建造物を始め、地下街などの巾木として使用することも可能である。
上記の最良の形態において、アルミ板の厚さを0.01〜1mm、蓄光層の厚さを1〜10mmとし、接着を行う。ここで用いる樹脂は硬質樹脂が望ましい。
 巾木として利用することで、暗い室内において出口の場所を示したり、地下街などの公共施設内で非常停電時でも、安全に人々を誘導する誘導体の役割をも果たすことができ、かつ、フットライトや誘導灯に頼らないので、電気を使うこともなく、経済的である。
本考案に係る蓄光板の斜視図 本考案に係る蓄光板の断面図 本考案に係る蓄光板の使用例を示す説明図
符号の説明
   1     蓄光板
   2     アルミ板
   3     接着層
   4     蓄光層
   4a    樹脂
   4b    蓄光性蛍光粉

Claims (3)

  1. アルミ板と、樹脂に蓄光性蛍光粉を含有してなる蓄光層との間に接着層を設けてなることを特徴とする蓄光板。
  2. 請求項1の蓄光板において、蓄光層が、樹脂1重量部に対して蓄光性蛍光粉を0.1〜0.5重量部含有したことを特徴とする蓄光板。
  3. 請求項1又は2において、アルミ板の厚さが0.01〜1.0mmであり、熱硬化性樹脂若しくは熱可塑性樹脂あるいは天然樹脂に前記蓄光性蛍光粉として蛍石を加え成形した蓄光層の厚さが1〜5mmであることを特徴とする蓄光板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012106493A (ja) * 2010-10-27 2012-06-07 Aoki Hiroshi 蓄光板

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