JP3098961U - 複合廃油水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】最小限の設置スペースでかつ廃油水搬送用のポンプを不要とし、装置及び運転整備コストが低減されて油と水との分離性能が向上された複合廃油水処理装置を提供する。
【解決手段】廃油水を該本体内で油分と水分とを分離処理する複合廃油水処理装置において、前記本体内の上部に配置され槽状前記廃油水中の水分と油分とを両者の比重差により分離する槽状の重力式油水分離部と、該重力式油水分離部の下方に配置されて該重力式油水分離部で水分を分離された廃油水を加熱手段によって加熱し水分を蒸発させる蒸発式油水分離部とを該本体の高さ方向に沿って配設したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】廃油水を該本体内で油分と水分とを分離処理する複合廃油水処理装置において、前記本体内の上部に配置され槽状前記廃油水中の水分と油分とを両者の比重差により分離する槽状の重力式油水分離部と、該重力式油水分離部の下方に配置されて該重力式油水分離部で水分を分離された廃油水を加熱手段によって加熱し水分を蒸発させる蒸発式油水分離部とを該本体の高さ方向に沿って配設したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、船舶、工場等から排出される廃油水の処理装置に適用され、油分と水分とが混入した廃油水を処理装置の本体内に導入し、該本体内で油分と水分とを分離処理する複合廃油水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶、工場等から排出される油と水の廃油水を、油と水とを分離して処理する廃油水処理装置として、従来、遠心分離機を用いた遠心分離処理装置、吸着材を用いた吸着式処理装置等が提供されている。
前記遠心分離処理装置は、廃油水が投入された分離筒を高速回転させ、遠心力によって水を外周部に集合させて油と分離し除去するものであり、従来から多くの技術が提供されている。
【0003】
また、前記吸着式処理装置についても従来から多くの技術が提供されているが、その中の1つに特許文献1(特開平11−114304号公報)の技術がある。
かかる技術においては、廃油水を重力式油水分離装置に導入し該重力式油水分離装置において比重差によって油を上部に水を下部に分離する第1次分離を行い、該第1次分離後の廃油水を電解式油水分離装置において該廃油水中の油滴を浮上分離させる第2次分離を行い、さらに該第2次分離後の廃油水を吸着式油水分離装置において吸着材に残存油分を吸着、分離する第3次分離を行うように構成されるとともに、前記重力式油水分離装置、電解式油水分離装置及び吸着式油水分離装置を水平方向に連続的に並設している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
前記遠心分離処理装置にあっては、遠心分離機を駆動するための高出力の駆動システム等を装備するため、構造が複雑で機器数も多くなって、装置コストが高く、また遠心分離機のみでは所要の分離効率が得られ難いため、2次的な油水分離装置が必要となって、装置コストがさらに高くなるという問題点を抱えている。
【0005】
また、前記特許文献1に係る重力式油水分離装置、電解式油水分離装置及び吸着式油水分離装置を水平方向に連続的に並設してなる廃油水処理装置にあっては、最終的な油水分離装部である吸着式油水分離装置における吸着材のメッシュを細かくして油分やごみの吸着性能を上げる必要があるが、吸着材のメッシュを細かくすると油分やごみの吸着率が上昇して、吸着材が短時間で目詰まりを起こすことから、吸着材の清掃や交換頻度が多くなる。
【0006】
このため、かかる廃油水処理装置にあっては、吸着式油水分離装置の整備に多くの工数を要して整備性に課題があり、また高価な吸着材の交換を要することから運転コストも高くなる。
また、かかる廃油水処理装置にあっては、重力式油水分離装置、電解式油水分離装置及び吸着式油水分離装置を水平方向に連続的に並設した配置であるため、装置の設置スペースが大きくなるとともに、前記各装置間において廃油水を搬送するためのポンプを設置しており、この面からも装置コストの上昇を来す。
等の解決すべき問題点を有している。
【0007】
本考案はかかる従来技術の課題に鑑み、最小限の設置スペースでかつ廃油水を搬送用するためのポンプを不要とし、装置及び運転整備コストが低減されて油と水との分離性能が上昇された複合廃油水処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案はかかる目的を達成するもので、油分と水分とが混入した廃油水を処理装置の本体内に導入し、該本体内で油分と水分とを分離処理する複合廃油水処理装置において、槽状に形成されて前記本体内の上部に配置され前記廃油水中の水分と油分とを両者の比重差により分離する重力式油水分離部と、該重力式油水分離部の下方に配置されて該重力式油水分離部で水分を分離された廃油水を加熱手段によって加熱し水分を蒸発させる蒸発式油水分離部とを該本体の高さ方向に沿って配設したことを特徴とする。
【0009】
かかる考案において、好ましくは、前記蒸発式油水分離部内の廃油水を加熱する加熱手段は、加熱流体通路を通して導入される加熱流体と前記廃油水とを熱交換して該廃油水を所定温度に加熱するように構成され、前記加熱流体通路には該加熱流体通路を開閉するとともに前記加熱流体の流量を調整する加熱流体調整弁を設けてなる。
【0010】
かかる考案によれば、重力式油水分離部と蒸発式油水分離部とを複合廃油水処理装置の高さ方向に設置し、槽状に形成された該重力式油水分離部にて廃油水中の水分と油分とを両者の比重差により第1次分離を行って油分を浮上させるとともに、水分を槽の下部に沈下させて貯留し、該第1次分離後の油分を含む廃油水を重力によって下方の蒸発式油水分離部に導き、該蒸発式油水分離部において該第1次分離後の廃油水と蒸気等の加熱流体とを熱交換させて該廃油水を所定温度に加熱し、該廃油水中の水分及びエマルジョン化した油水中の水分を蒸発させる。
【0011】
従って、かかる考案によれば、複合廃油水処理装置の上部に設置した重力式油水分離部にて廃油水中の水分と油分とを比重差による第1次分離を行い水分を沈下させて貯留し、該第1次分離後の油分を含む廃油水を蒸発式油水分離部において加熱流体によって加熱することにより廃油水中の水分を蒸発させるという、2段階の水分除去処理によって廃油水中の水分をほぼ完全に除去することができて、水分混入率のきわめて低い清浄な油分を回収することができる。
【0012】
また前記重力式油水分離部と蒸発式油水分離部とを複合廃油水処理装置の高さ方向に設置しているので、特許文献1のように複合廃油水処理装置の構成部分を水平方向に配置したものに比べて装置の設置スペースが小さくて済み、また処理対象の廃油水を重力による自然落下によって搬送するので、ポンプ等の格別な搬送手段が不要となって、装置を簡単化できるとともに装置コストを低減できる。
【0013】
また、かかる考案において、前記蒸発式油水分離部の槽内温度を検出する温度検出器と、該温度検出器からの前記槽内温度の検出値に基づき前記加熱流体調整弁の開度を制御する加熱流体調整弁制御装置とを備えるのがよい。
このように構成すれば、加熱流体調整弁制御装置によって蒸発式油水分離部の槽内温度を、例えば120℃程度の水分蒸発の最適温度に常時保持するように制御して廃油水からの水分分離を行うことができることとなり、該蒸発式油水分離部における水分の分離効率が向上する。
【0014】
また、好ましくはかかる考案において、前記重力式油水分離部は、第1槽内に導入された前記廃油水を加熱手段によって加熱して油分を上部に浮上させる上部重力式油水分離部と、該上部重力式油水分離部の直下部に配置された第2槽内に前記上部重力式油水分離部の中間部から抜き出して廃油水通路を通した廃油水が導入されて、前記廃油水中の水分と油分とを両者の比重差により分離する下部重力式油水分離部とよりなり、前記廃油水通路に該廃油水通路の管路を開閉する廃油水通路開閉弁を設ける。
そして、前記上部重力式油水分離部の液面を検出する液面検出器と、該液面検出器からの前記液面の検出値に基づき前記廃油水通路開閉弁の開度を制御する液面制御装置とを設けるのがよい。
【0015】
このように構成すれば、槽状に形成された上部重力式油水分離部及び下部重力式油水分離部の2つの重力式油水分離部を装置の高さ方向に設置して、上部重力式油水分離部において主として槽内上部にある廃油水の比重差による水分と油分との分離を行うとともに、該上部重力式油水分離部の液面を検出し液面制御装置によって廃油水通路開閉弁の開度を調整することにより、該上部重力式油水分離部の液面を一定液面以上に保持して、該上部重力式油水分離部内の下部側にあって水分の多い廃油水を自然落下によって下部重力式油水分離部に連続的に送り込み、該下部重力式油水分離部において水分の多い廃油水の比重差による水分と油分との分離を行うことができる。
【0016】
従って、上部重力式油水分離部において主として槽内上部にある廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うとともに、下部重力式油水分離部において該上部重力式油水分離部内の下部側にあって水分の多い廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うという2段階の重力による油水分離作用が、上部重力式油水分離部に導入された廃油水全体に均一になされることとなり、さらに前記廃油水通路開閉弁の開度を調整して上部重力式油水分離部から下部重力式油水分離部に搬入される廃油水の流速を所要の小流速に保持することにより、重力式油水分離部における油水分離効率を高く保持することが可能となる。
【0017】
また、かかる考案において好ましくは、前記蒸発式油水分離部の下方部位に、該蒸発式油水分離部で分離された油分を貯留する分離油貯留槽を設けるともに、該分離油貯留槽内の分離油を加熱する加熱手段を設ける。
このように構成すれば、前記分離油貯留槽に貯められた分離油を常時一定温度に保持できて、流動性を良好に保持できるとともに油質の低下を防止できる。
【0018】
また、かかる考案において好ましくは、前記重力式油水分離部の下方部位に、該重力式油水分離部内に溜まった処理水が処理水通路を通して導入される処理水槽を設けるとともに、前記処理水通路に該処理水通路の管路を開閉する水通路開閉弁を設ける。
さらに、これに加えて、前記下部重力式油水分離部の液面を検出する第2の液面検出器と、該第2の液面検出器からの前記液面の検出値に基づき前記水通路開閉弁の開度を制御する液面制御装置とを設けるのがよい。
【0019】
このように構成すれば、前記重力式油水分離部の下方部位に貯まった処理水(分離水)を、下部重力式油水分離部の液面を一定液面に保持して油分の混入を回避しつつ、液面制御装置及び水通路開閉弁により流量を調整しながら下方の処理水槽に、適正速度で以って適正量貯留することができる。
【0020】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この考案の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0021】
図1は本考案の実施例に係る複合廃油水処理装置の全体構成図である。図2は前記複合廃油水処理装置の制御ブロック図である。
【0022】
本考案の実施例を示す図1において、101は複合廃油水処理装置の本体で、後述する1次油水分離部(上部重力式油水分離部)1及び2次油水分離部(下部重力式油水分離部)2からなる2つの重力式油水分離部、廃油水中の水分を蒸発させて油分と分離させる蒸発式油水分離部3、分離油を貯留する分離貯留槽4、及び分離水(処理水)を回収する処理水回収槽5が高さ方向に沿って設けられている。
従って、前記各処理手段を複合廃油水処理装置の高さ方向に沿って設けているので、複合廃油水処理装置の設置スペースが小さくて済む。
【0023】
1は槽状に形成された1次油水分離部(上部重力式油水分離部)で、廃油水入口19から処理対象である廃油水が導入され、後述する第1加熱装置20によって該廃油水を加熱して水分よりも比重の小さい油分を上部に浮上させるようになっている。
該1次油水分離部1内の底部には、該1次油水分離部1内の廃油水を加熱するための第1加熱装置20が設けられている。該第1加熱装置20は、蒸気管22からの蒸気が内部を循環する熱交換器にて構成される。該1次油水分離部1内の底部板1aは、水分と分離した油分が溢流する溢流側から前記第1加熱装置20の設置部位になるに従い該1次油水分離部1の深さが深くなるように傾斜した傾斜板にて構成されている。
【0024】
2は槽状に形成された2次油水分離部(下部重力式油水分離部)で、垂直な仕切板2bによって入口室2d及び出口室2eの2つの室に区画されている。該入口室2dと出口室2eとは前記仕切板2bの下部に明けられた連通穴2cにより連通されている。
該2次油水分離部2内の底部板2aは、該2次油水分離部2内で水分と分離した油分が溢流する溢流側から前記仕切板2b側になるに従い、該2次油水分離部2の深さが深くなるように傾斜した傾斜板にて構成されている。
6は前記1次油水分離部1における底部板1aの上部部位に開口した開口部から前記2次油水分離部2内に垂下して設けられた油落し管である。
【0025】
そして、前記2次油水分離部2の入口室2dには、前記1次油水分離部1の下部から、該1次油水分離部1内の下部にある廃油水、つまり該1次油水分離部1で水分と油分とが比重差により分離された後に該1次油水分離部1の底部に貯まった廃油水が、廃油水管21を通って導入され、該廃油水中の水分よりも比重の小さい油分を上部に浮上させ、水分は前記連通穴2cを通って前記出口室2eに導入されるようになっている。
16は該廃油水管21の管路の通路面積を絞るニードル弁A、14は該廃油水管21の管路を開閉するとともに該管路の通路面積を調整する電磁弁Aである。
【0026】
3は前記2次油水分離部2の直下部位に形成された蒸発式油水分離部である。該蒸発式油水分離部3内の底部には、該蒸発式油水分離部3内の廃油水を加熱して水分を蒸発させるための第2加熱装置10が設けられている。該第2加熱装置10は、蒸気管12から蒸気弁11を通った蒸気が内部を循環する熱交換器に構成されている。
7は前記2次油水分離部2における底部板1aの上部部位、好ましくは図1のように、前記2次油水分離部2側の油落し管6の直下部に開口した開口部から前記蒸発式油水分離部3内に垂下して設けられた油落し管である。また8は前記油落し管7の管路を開閉する油落し弁である。
【0027】
前記蒸発式油水分離部3内の底部板3aは、該蒸発式油水分離部3内で水分と分離した油分が前記第2加熱装置10側に落ち易いように、該第2加熱装置10側になる従い、該2次蒸発式油水分離部3の深さが深くなるように傾斜した傾斜板にて構成されている。
そして該蒸発式油水分離部3の底部には、該蒸発式油水分離部3内に貯まった固形物を排出するためのマンホール26が設けられている。
46は前記蒸発式油水分離部3の上部に開設された排気口で、前記蒸発式油水分離部3内で蒸発した水分が、該排気口46を通って外部に排出されるようになっている。47は該排気口46の出口側に複数設けられたガイド、45は前記排気口46を通過する蒸気からの復水(蒸留水)を貯めるための復水貯留槽である。
【0028】
4は前記蒸発式油水分離部3の直下部位に設けられた分離油貯留槽で、前記該蒸発式油水分離部3で分離された油分(分離油)が油管25を通って導入され、貯留されるようになっている。27は該分離油貯留槽4内の油分を加熱するための第3加熱装置である。該第3加熱装置27は、蒸気管28からの蒸気が内部を循環する熱交換器に構成されている。
【0029】
5は前記分離油貯留槽4の直下部位に設けられた処理水回収槽で、垂直な仕切板5cによって入口室5a及び出口室5bの2つの室に区画されている。該入口室5aと出口室5bとは前記仕切板5dの下部に明けられた連通穴5dにより連通されている。
前記入口室5aには、前記2次油水分離部2内に油分を分離後に貯留されている処理水が、該2次油水分離部2の底部に開口された水出口から処理水管23を通して自然落下にて導入されるとともに、前記復水貯留槽45からの復水(蒸留水)が復水管29を通して、重力による自然落下にて導入されている。
17は該処理水管23の管路の通路面積を絞るニードル弁B、15は該処理水管23の管路を開閉するとともに該管路の通路面積を調整する電磁弁Bである。
【0030】
13は処理水移送ポンプで、前記処理水回収槽5の出口室5b下部から処理水排出管30を通して処理水を吸入し、該処理水を、図示しない処理水槽へ送出するとともに、該処理水の一部を処理水管18を通して前記廃油水入口19に循環せしめるものである。
【0031】
31は前記1次油水分離部1の液面を検出する液面検出器A、32は前記2次油水分離部2の液面を検出する液面検出器B、33は前記蒸発式油水分離部3の槽内温度を検出する分離槽温度検出器、34は前記蒸気弁11の開度を検出する蒸気弁開度検出器、100は後述する制御動作を行う制御装置である。
前記液面検出器A31及び液面検出器B32からの前記1次油水分離部1及び2次油水分離部2の液面検出値、前記分離槽温度検出器33からの蒸発式油水分離部3の槽内温度検出値、及び蒸気弁開度検出器34からの蒸気弁開度の検出値は、前記制御装置100に入力されるようになっている。
【0032】
かかる構成を備えた複合廃油水処理装置の稼働時において、前記1次油水分離部1に導入された廃油水は、前記第1加熱装置20内を循環する蒸気によって加熱され、比重の大きい水分が下部に貯まり、該水分よりも比重の小さい油分が上部に浮上せしめられる。この場合、該1次油水分離部1の底部板1aは前記のような傾斜板にて構成されているので、水分はスムーズに底部に向けて流動する。そして該1次油水分離部1の上部から溢流した油分の多い廃油水は、前記油落し管6を通り、前記2次油水分離部2の上部から溢流した油分の多い廃油水と合流し、前記油落し弁8の上部に貯まり、該油落し弁8が開弁すると、自然落下により前記蒸発式油水分離部3内に導入される。
【0033】
一方、前記1次油水分離部1の底部(下部)に貯まった廃油水、つまり該1次油水分離部1で水分と油分とが比重差により分離された後に該1次油水分離部1の底部に貯まった廃油水は、廃油水管21を通り、ニードル弁16にて流路を絞られることにより小さい流速で流されて電磁弁A14に達し、該電磁弁A14が開弁すると前記2次油水分離部2の入口室2dに流入する。
該2次油水分離部2の入口室2d内においては、前記廃油水中の水分よりも比重の小さい油分を上部に浮上させる。そして該2次油水分離部2の上部から溢流した油分の多い廃油水は、前記油落し管7にて前記1次油水分離部1の上部から溢流した油分と合流して前記油落し弁8の上部に貯まり、該油落し弁8が開弁すると、自然落下により前記蒸発式油水分離部3内に導入される。
【0034】
一方、前記入口室2d内で油分と分離された水分は前記連通穴2cを通って前記出口室2eに導入される。この場合、該2次油水分離部2の底部板2aは前記のような傾斜板にて構成されているので、水分はスムーズに底部の連通穴2cに向けて流動する。
該出口室2eに貯まった水分は、処理水管23を自然落下にて通り、ニードル弁B17にて流路を絞られることにより小さい流速で流されて電磁弁B15に達し、該電磁弁B15が開弁すると前記処理水回収槽5の入口室5aに流入する。
【0035】
前記蒸発式油水分離部3においては、前記油落し弁8の開弁により導入された前記溢流した油分を含む廃油水を、第2加熱装置10内を循環する蒸気によって加熱し、該廃油水中の水分及びエマルジョン化した油水中の水分を蒸発させる。かかる蒸発による水蒸気は、該蒸発式油水分離部3の上部に開設された排気口46を通って外部に排出される。また、該排気口46を通過する水蒸気からの復水(蒸留水)は前記復水貯留槽45に貯められた後、復水管29を通して重力による自然落下にて前記処理水回収槽5の入口室5aに送り込まれる。
また、前記のようにして水分が蒸発され蒸発式油水分離部3内に貯まった油分(分離油)は、油管25を通って自然落下にて前記分離油貯留槽4に送り込まれる。尚、前記蒸発式油水分離部3内に貯まった固形物は、マンホール26を開けて外部に排出する。
【0036】
前記分離油貯留槽4に貯められた油分(分離油)は、前記第3加熱装置27内を循環する蒸気で一定温度になるように加熱される。
前記のように、第3加熱装置27で前記分離油貯留槽4内の油分を加熱することにより、該分離油貯留槽4内での油分(分離油)を常時一定温度に保持できて、流動性を良好に保持できるとともに油質の低下を防止できる。
【0037】
前記処理水回収槽5の入口室5aに導入された、蒸発式油水分離部3の出口室2eからの水分及び前記復水貯留槽45からの復水からなる処理水は、連通穴5dを通って出口室5bにも送り込まれる。そして該処理水は、前記処理水移送ポンプ13に吸入されて図示しない処理水槽へ送出されるとともに、該処理水の一部はを処理水管18を通して前記廃油水入口19に循環せしられる。
【0038】
次に、図2に基づき、かかる複合廃油水処理装置の制御動作について説明する。
前記液面検出器A31及び液面検出器B32からの前記1次油水分離部1及び2次油水分離部2の液面検出値は前記制御装置100の電磁弁制御装置41に入力され、前記分離槽温度検出器33からの蒸発式油水分離部3の槽内温度検出値は該制御装置100の蒸気弁制御装置41に入力され、また前記蒸気弁開度検出器34からの蒸気弁開度の検出値は、該制御装置100の油落し弁制御装置42に入力される。
【0039】
前記電磁弁制御装置41においては、前記液面検出器A31からの1次油水分離部1の液面検出値に基づき電磁弁A14を開閉するとともに、その開度を前記1次油水分離部1から2次油水分離部2に搬入される廃油水の流速を所要の小流速になるような小開度に保持する。これにより、該1次油水分離部1及び2次油水分離部2における油水分離効率を高く保持することができる。
また、該電磁弁制御装置41においては、前記液面検出器B32からの2次油水分離部2の液面検出値に基づき電磁弁B15を開閉するとともに、その開度を前記2次油水分離部2から処理水回収槽5に搬入される処理水の流速を所要の小流速になるような小開度に保持して、該処理水を小流速で処理水回収槽5に送り込む。
【0040】
前記蒸気弁制御装置43においては、前記分離槽温度検出器33からの蒸発式油水分離部3の槽内温度検出値に基づき前記蒸気弁11の開度を制御して、前記第2加熱装置10への蒸気流量を、該蒸発式油水分離部3内の温度が例えば120℃程度の水分蒸発の最適温度になるように調整せしめる。
これにより、前記蒸発式油水分離部3の槽内温度を、例えば120℃程度の水分蒸発の最適温度に常時保持して、廃油水からの水分分離を行うことができることとなり、該蒸発式油水分離部3における水分の分離効率が向上する。
【0041】
また、前記油落し弁制御装置42においては、前記蒸気弁開度検出器34からの蒸気弁開度の検出値に基づき前記油落し弁8の開度を制御する。
即ち、前記油落し弁制御装置42は、前記蒸気弁11を閉じて蒸発式油水分離部3が作動していないときには、油落し弁8を閉じて前記1次油水分離部1及び2次油水分離部2を作動させて分離油分を含む廃油水を油落し弁8の上部に貯めておき、前記蒸気弁11を開いて前記蒸発式油水分離部3が作動可能となると油落し弁8を開放して、該油落し弁8の上部に貯めている廃油水を該蒸発式油水分離部3に送って該蒸発式油水分離部3において廃油水中の水分蒸発作用を行わせる。
これにより、蒸発式油水分離部3への蒸気弁11の開閉と油落し弁8の開閉とを連動させて、重力式の油水分離部1、2と蒸発式油水分離部3とを所望の時間差をおいて効率的に作動させることができる。
【0042】
尚、かかる実施例において、前記蒸気弁11の開度を検出する蒸気弁開度検出器34、及び前記蒸気弁開度検出器34からの蒸気弁開度の検出値に基づき前記油落し弁8の開度を制御する油落し弁制御装置42を省略して、前記油落し弁8の開度を、前記蒸気弁開度によることなく、単独で調整するように構成してもよい。
【0043】
従ってかかる実施例によれば、複合廃油水処理装置の上部に設置した重力式の2つの油水分離部1、2にて廃油水中の水分と油分とを比重差による第1次分離することにより水分を沈下させて貯留し、該第1次分離後の油分を含む廃油水中の水分を蒸発式油水分離部3において第2加熱装置10を循環する蒸気によって加熱することにより廃油水中の水分を蒸発させるという、2段階の水分除去処理によって廃油水中の水分をほぼ完全に除去することができて、水分混入率のきわめて低い清浄な油分を回収することができる。
【0044】
また、かかる実施例によれば、槽状に形成された1次油水分離部1及び2次油水分離部2の2つの重力式油水分離部を装置の高さ方向に設置して、1次油水分離部1において主として槽内上部にある廃油水の比重差による水分と油分との分離を蒸気による加熱を併用して行うとともに、該1次油水分離部1の液面を検出し電磁弁制御装置41によって電磁弁A14の開度を調整することにより、該1次油水分離部1の液面を一定液面以上に保持して、該1次油水分離部1部内の下部側にあって水分の多い廃油水を自然落下によって下部の2次油水分離部2に連続的に送り込み、該2次油水分離部2において水分の多い廃油水の比重差による水分と油分との分離を行うことができる。
【0045】
従って、1次油水分離部1において主として槽内上部にある廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うとともに、2次油水分離部2において該1次油水分離部1の下部側にあって水分の多い廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うという2段階の重力による油水分離作用が、前記2つの重力式油水分離部に導入された廃油水全体に均一になされることとなり、さらに前記電磁弁A14の開度を調整して上部の1次油水分離部1から2次油水分離部2に搬入される廃油水の流速を所要の小流速に保持することにより、該油水分離部1、2における油水分離効率を高く保持することが可能となる。
【0046】
【考案の効果】
以上記載のごとく本考案によれば、複合廃油水処理装置の上部に設置した重力式油水分離部にて廃油水中の水分と油分とを比重差による第1次分離して水分を沈下させて貯留し、該第1次分離後の油分を含む廃油水中の水分を蒸発式油水分離部において加熱流体によって加熱することにより廃油水中の水分を蒸発させるという、2段階の水分除去処理によって廃油水中の水分をほぼ完全に除去することができて、水分混入率のきわめて低い清浄な油分を回収することができる。
従って、本考案によれば、水分と油分との分離を1つの竪型の装置でもって連続的に行うことができるとともに、殊に前記重力式油水分離部は構造が簡単、かつ廃油水の流速を遅くして水分と油分との分離効果を向上せしめることができ、さらにはメインテナンスも簡単な複合廃油水処理装置が得られる。
【0047】
また前記重力式油水分離部と蒸発式油水分離部とを複合廃油水処理装置の高さ方向に設置しているので、複合廃油水処理装置の構成部分を水平方向に配置したものに比べて装置の設置スペースが小さくて済み、また処理対象の廃油水を重力による自然落下によって搬送するので、ポンプ等の格別な搬送手段が不要となって装置を簡単化できるとともに装置コストを低減できる。
【0048】
また、前記重力式油水分離部を、上部重力式油水分離部及び下部重力式油水分離部により構成すれば、該上部重力式油水分離部において主として槽内上部にある廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うとともに、下部重力式油水分離部において該上部重力式油水分離部内の下部側にあって水分の多い廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うという2段階の重力による油水分離作用が、上部重力式油水分離部に導入された廃油水全体に均一になされることとなり、さらに前記廃油水通路開閉弁の開度を調整して上部重力式油水分離部から下部重力式油水分離部に搬入される廃油水の流速を所要の小流速に保持することにより、重力式油水分離部における油水分離効率を高く保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係る複合廃油水処理装置の全体構成図である。
【図2】前記複合廃油水処理装置の制御ブロック図である。
【符号の説明】
1 1次油水分離部
2 2次油水分離部
3 蒸発式油水分離部
4 分離油貯留槽
5 処理水回収槽
6、7 油落し管
8 油落し弁
10 第2加熱装置
13 処理水移送ポンプ
14 電磁弁A
15 電磁弁B
16、17 ニードル弁
19 廃油水入口
20 第1加熱装置
27 第3加熱装置
31 液面検出器A
32 液面検出器B
33 分離槽温度検出器
34 蒸気弁開度検出器
45 復水貯留槽
100 制御装置
101 本体
【考案の属する技術分野】
本考案は、船舶、工場等から排出される廃油水の処理装置に適用され、油分と水分とが混入した廃油水を処理装置の本体内に導入し、該本体内で油分と水分とを分離処理する複合廃油水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶、工場等から排出される油と水の廃油水を、油と水とを分離して処理する廃油水処理装置として、従来、遠心分離機を用いた遠心分離処理装置、吸着材を用いた吸着式処理装置等が提供されている。
前記遠心分離処理装置は、廃油水が投入された分離筒を高速回転させ、遠心力によって水を外周部に集合させて油と分離し除去するものであり、従来から多くの技術が提供されている。
【0003】
また、前記吸着式処理装置についても従来から多くの技術が提供されているが、その中の1つに特許文献1(特開平11−114304号公報)の技術がある。
かかる技術においては、廃油水を重力式油水分離装置に導入し該重力式油水分離装置において比重差によって油を上部に水を下部に分離する第1次分離を行い、該第1次分離後の廃油水を電解式油水分離装置において該廃油水中の油滴を浮上分離させる第2次分離を行い、さらに該第2次分離後の廃油水を吸着式油水分離装置において吸着材に残存油分を吸着、分離する第3次分離を行うように構成されるとともに、前記重力式油水分離装置、電解式油水分離装置及び吸着式油水分離装置を水平方向に連続的に並設している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
前記遠心分離処理装置にあっては、遠心分離機を駆動するための高出力の駆動システム等を装備するため、構造が複雑で機器数も多くなって、装置コストが高く、また遠心分離機のみでは所要の分離効率が得られ難いため、2次的な油水分離装置が必要となって、装置コストがさらに高くなるという問題点を抱えている。
【0005】
また、前記特許文献1に係る重力式油水分離装置、電解式油水分離装置及び吸着式油水分離装置を水平方向に連続的に並設してなる廃油水処理装置にあっては、最終的な油水分離装部である吸着式油水分離装置における吸着材のメッシュを細かくして油分やごみの吸着性能を上げる必要があるが、吸着材のメッシュを細かくすると油分やごみの吸着率が上昇して、吸着材が短時間で目詰まりを起こすことから、吸着材の清掃や交換頻度が多くなる。
【0006】
このため、かかる廃油水処理装置にあっては、吸着式油水分離装置の整備に多くの工数を要して整備性に課題があり、また高価な吸着材の交換を要することから運転コストも高くなる。
また、かかる廃油水処理装置にあっては、重力式油水分離装置、電解式油水分離装置及び吸着式油水分離装置を水平方向に連続的に並設した配置であるため、装置の設置スペースが大きくなるとともに、前記各装置間において廃油水を搬送するためのポンプを設置しており、この面からも装置コストの上昇を来す。
等の解決すべき問題点を有している。
【0007】
本考案はかかる従来技術の課題に鑑み、最小限の設置スペースでかつ廃油水を搬送用するためのポンプを不要とし、装置及び運転整備コストが低減されて油と水との分離性能が上昇された複合廃油水処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案はかかる目的を達成するもので、油分と水分とが混入した廃油水を処理装置の本体内に導入し、該本体内で油分と水分とを分離処理する複合廃油水処理装置において、槽状に形成されて前記本体内の上部に配置され前記廃油水中の水分と油分とを両者の比重差により分離する重力式油水分離部と、該重力式油水分離部の下方に配置されて該重力式油水分離部で水分を分離された廃油水を加熱手段によって加熱し水分を蒸発させる蒸発式油水分離部とを該本体の高さ方向に沿って配設したことを特徴とする。
【0009】
かかる考案において、好ましくは、前記蒸発式油水分離部内の廃油水を加熱する加熱手段は、加熱流体通路を通して導入される加熱流体と前記廃油水とを熱交換して該廃油水を所定温度に加熱するように構成され、前記加熱流体通路には該加熱流体通路を開閉するとともに前記加熱流体の流量を調整する加熱流体調整弁を設けてなる。
【0010】
かかる考案によれば、重力式油水分離部と蒸発式油水分離部とを複合廃油水処理装置の高さ方向に設置し、槽状に形成された該重力式油水分離部にて廃油水中の水分と油分とを両者の比重差により第1次分離を行って油分を浮上させるとともに、水分を槽の下部に沈下させて貯留し、該第1次分離後の油分を含む廃油水を重力によって下方の蒸発式油水分離部に導き、該蒸発式油水分離部において該第1次分離後の廃油水と蒸気等の加熱流体とを熱交換させて該廃油水を所定温度に加熱し、該廃油水中の水分及びエマルジョン化した油水中の水分を蒸発させる。
【0011】
従って、かかる考案によれば、複合廃油水処理装置の上部に設置した重力式油水分離部にて廃油水中の水分と油分とを比重差による第1次分離を行い水分を沈下させて貯留し、該第1次分離後の油分を含む廃油水を蒸発式油水分離部において加熱流体によって加熱することにより廃油水中の水分を蒸発させるという、2段階の水分除去処理によって廃油水中の水分をほぼ完全に除去することができて、水分混入率のきわめて低い清浄な油分を回収することができる。
【0012】
また前記重力式油水分離部と蒸発式油水分離部とを複合廃油水処理装置の高さ方向に設置しているので、特許文献1のように複合廃油水処理装置の構成部分を水平方向に配置したものに比べて装置の設置スペースが小さくて済み、また処理対象の廃油水を重力による自然落下によって搬送するので、ポンプ等の格別な搬送手段が不要となって、装置を簡単化できるとともに装置コストを低減できる。
【0013】
また、かかる考案において、前記蒸発式油水分離部の槽内温度を検出する温度検出器と、該温度検出器からの前記槽内温度の検出値に基づき前記加熱流体調整弁の開度を制御する加熱流体調整弁制御装置とを備えるのがよい。
このように構成すれば、加熱流体調整弁制御装置によって蒸発式油水分離部の槽内温度を、例えば120℃程度の水分蒸発の最適温度に常時保持するように制御して廃油水からの水分分離を行うことができることとなり、該蒸発式油水分離部における水分の分離効率が向上する。
【0014】
また、好ましくはかかる考案において、前記重力式油水分離部は、第1槽内に導入された前記廃油水を加熱手段によって加熱して油分を上部に浮上させる上部重力式油水分離部と、該上部重力式油水分離部の直下部に配置された第2槽内に前記上部重力式油水分離部の中間部から抜き出して廃油水通路を通した廃油水が導入されて、前記廃油水中の水分と油分とを両者の比重差により分離する下部重力式油水分離部とよりなり、前記廃油水通路に該廃油水通路の管路を開閉する廃油水通路開閉弁を設ける。
そして、前記上部重力式油水分離部の液面を検出する液面検出器と、該液面検出器からの前記液面の検出値に基づき前記廃油水通路開閉弁の開度を制御する液面制御装置とを設けるのがよい。
【0015】
このように構成すれば、槽状に形成された上部重力式油水分離部及び下部重力式油水分離部の2つの重力式油水分離部を装置の高さ方向に設置して、上部重力式油水分離部において主として槽内上部にある廃油水の比重差による水分と油分との分離を行うとともに、該上部重力式油水分離部の液面を検出し液面制御装置によって廃油水通路開閉弁の開度を調整することにより、該上部重力式油水分離部の液面を一定液面以上に保持して、該上部重力式油水分離部内の下部側にあって水分の多い廃油水を自然落下によって下部重力式油水分離部に連続的に送り込み、該下部重力式油水分離部において水分の多い廃油水の比重差による水分と油分との分離を行うことができる。
【0016】
従って、上部重力式油水分離部において主として槽内上部にある廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うとともに、下部重力式油水分離部において該上部重力式油水分離部内の下部側にあって水分の多い廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うという2段階の重力による油水分離作用が、上部重力式油水分離部に導入された廃油水全体に均一になされることとなり、さらに前記廃油水通路開閉弁の開度を調整して上部重力式油水分離部から下部重力式油水分離部に搬入される廃油水の流速を所要の小流速に保持することにより、重力式油水分離部における油水分離効率を高く保持することが可能となる。
【0017】
また、かかる考案において好ましくは、前記蒸発式油水分離部の下方部位に、該蒸発式油水分離部で分離された油分を貯留する分離油貯留槽を設けるともに、該分離油貯留槽内の分離油を加熱する加熱手段を設ける。
このように構成すれば、前記分離油貯留槽に貯められた分離油を常時一定温度に保持できて、流動性を良好に保持できるとともに油質の低下を防止できる。
【0018】
また、かかる考案において好ましくは、前記重力式油水分離部の下方部位に、該重力式油水分離部内に溜まった処理水が処理水通路を通して導入される処理水槽を設けるとともに、前記処理水通路に該処理水通路の管路を開閉する水通路開閉弁を設ける。
さらに、これに加えて、前記下部重力式油水分離部の液面を検出する第2の液面検出器と、該第2の液面検出器からの前記液面の検出値に基づき前記水通路開閉弁の開度を制御する液面制御装置とを設けるのがよい。
【0019】
このように構成すれば、前記重力式油水分離部の下方部位に貯まった処理水(分離水)を、下部重力式油水分離部の液面を一定液面に保持して油分の混入を回避しつつ、液面制御装置及び水通路開閉弁により流量を調整しながら下方の処理水槽に、適正速度で以って適正量貯留することができる。
【0020】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この考案の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0021】
図1は本考案の実施例に係る複合廃油水処理装置の全体構成図である。図2は前記複合廃油水処理装置の制御ブロック図である。
【0022】
本考案の実施例を示す図1において、101は複合廃油水処理装置の本体で、後述する1次油水分離部(上部重力式油水分離部)1及び2次油水分離部(下部重力式油水分離部)2からなる2つの重力式油水分離部、廃油水中の水分を蒸発させて油分と分離させる蒸発式油水分離部3、分離油を貯留する分離貯留槽4、及び分離水(処理水)を回収する処理水回収槽5が高さ方向に沿って設けられている。
従って、前記各処理手段を複合廃油水処理装置の高さ方向に沿って設けているので、複合廃油水処理装置の設置スペースが小さくて済む。
【0023】
1は槽状に形成された1次油水分離部(上部重力式油水分離部)で、廃油水入口19から処理対象である廃油水が導入され、後述する第1加熱装置20によって該廃油水を加熱して水分よりも比重の小さい油分を上部に浮上させるようになっている。
該1次油水分離部1内の底部には、該1次油水分離部1内の廃油水を加熱するための第1加熱装置20が設けられている。該第1加熱装置20は、蒸気管22からの蒸気が内部を循環する熱交換器にて構成される。該1次油水分離部1内の底部板1aは、水分と分離した油分が溢流する溢流側から前記第1加熱装置20の設置部位になるに従い該1次油水分離部1の深さが深くなるように傾斜した傾斜板にて構成されている。
【0024】
2は槽状に形成された2次油水分離部(下部重力式油水分離部)で、垂直な仕切板2bによって入口室2d及び出口室2eの2つの室に区画されている。該入口室2dと出口室2eとは前記仕切板2bの下部に明けられた連通穴2cにより連通されている。
該2次油水分離部2内の底部板2aは、該2次油水分離部2内で水分と分離した油分が溢流する溢流側から前記仕切板2b側になるに従い、該2次油水分離部2の深さが深くなるように傾斜した傾斜板にて構成されている。
6は前記1次油水分離部1における底部板1aの上部部位に開口した開口部から前記2次油水分離部2内に垂下して設けられた油落し管である。
【0025】
そして、前記2次油水分離部2の入口室2dには、前記1次油水分離部1の下部から、該1次油水分離部1内の下部にある廃油水、つまり該1次油水分離部1で水分と油分とが比重差により分離された後に該1次油水分離部1の底部に貯まった廃油水が、廃油水管21を通って導入され、該廃油水中の水分よりも比重の小さい油分を上部に浮上させ、水分は前記連通穴2cを通って前記出口室2eに導入されるようになっている。
16は該廃油水管21の管路の通路面積を絞るニードル弁A、14は該廃油水管21の管路を開閉するとともに該管路の通路面積を調整する電磁弁Aである。
【0026】
3は前記2次油水分離部2の直下部位に形成された蒸発式油水分離部である。該蒸発式油水分離部3内の底部には、該蒸発式油水分離部3内の廃油水を加熱して水分を蒸発させるための第2加熱装置10が設けられている。該第2加熱装置10は、蒸気管12から蒸気弁11を通った蒸気が内部を循環する熱交換器に構成されている。
7は前記2次油水分離部2における底部板1aの上部部位、好ましくは図1のように、前記2次油水分離部2側の油落し管6の直下部に開口した開口部から前記蒸発式油水分離部3内に垂下して設けられた油落し管である。また8は前記油落し管7の管路を開閉する油落し弁である。
【0027】
前記蒸発式油水分離部3内の底部板3aは、該蒸発式油水分離部3内で水分と分離した油分が前記第2加熱装置10側に落ち易いように、該第2加熱装置10側になる従い、該2次蒸発式油水分離部3の深さが深くなるように傾斜した傾斜板にて構成されている。
そして該蒸発式油水分離部3の底部には、該蒸発式油水分離部3内に貯まった固形物を排出するためのマンホール26が設けられている。
46は前記蒸発式油水分離部3の上部に開設された排気口で、前記蒸発式油水分離部3内で蒸発した水分が、該排気口46を通って外部に排出されるようになっている。47は該排気口46の出口側に複数設けられたガイド、45は前記排気口46を通過する蒸気からの復水(蒸留水)を貯めるための復水貯留槽である。
【0028】
4は前記蒸発式油水分離部3の直下部位に設けられた分離油貯留槽で、前記該蒸発式油水分離部3で分離された油分(分離油)が油管25を通って導入され、貯留されるようになっている。27は該分離油貯留槽4内の油分を加熱するための第3加熱装置である。該第3加熱装置27は、蒸気管28からの蒸気が内部を循環する熱交換器に構成されている。
【0029】
5は前記分離油貯留槽4の直下部位に設けられた処理水回収槽で、垂直な仕切板5cによって入口室5a及び出口室5bの2つの室に区画されている。該入口室5aと出口室5bとは前記仕切板5dの下部に明けられた連通穴5dにより連通されている。
前記入口室5aには、前記2次油水分離部2内に油分を分離後に貯留されている処理水が、該2次油水分離部2の底部に開口された水出口から処理水管23を通して自然落下にて導入されるとともに、前記復水貯留槽45からの復水(蒸留水)が復水管29を通して、重力による自然落下にて導入されている。
17は該処理水管23の管路の通路面積を絞るニードル弁B、15は該処理水管23の管路を開閉するとともに該管路の通路面積を調整する電磁弁Bである。
【0030】
13は処理水移送ポンプで、前記処理水回収槽5の出口室5b下部から処理水排出管30を通して処理水を吸入し、該処理水を、図示しない処理水槽へ送出するとともに、該処理水の一部を処理水管18を通して前記廃油水入口19に循環せしめるものである。
【0031】
31は前記1次油水分離部1の液面を検出する液面検出器A、32は前記2次油水分離部2の液面を検出する液面検出器B、33は前記蒸発式油水分離部3の槽内温度を検出する分離槽温度検出器、34は前記蒸気弁11の開度を検出する蒸気弁開度検出器、100は後述する制御動作を行う制御装置である。
前記液面検出器A31及び液面検出器B32からの前記1次油水分離部1及び2次油水分離部2の液面検出値、前記分離槽温度検出器33からの蒸発式油水分離部3の槽内温度検出値、及び蒸気弁開度検出器34からの蒸気弁開度の検出値は、前記制御装置100に入力されるようになっている。
【0032】
かかる構成を備えた複合廃油水処理装置の稼働時において、前記1次油水分離部1に導入された廃油水は、前記第1加熱装置20内を循環する蒸気によって加熱され、比重の大きい水分が下部に貯まり、該水分よりも比重の小さい油分が上部に浮上せしめられる。この場合、該1次油水分離部1の底部板1aは前記のような傾斜板にて構成されているので、水分はスムーズに底部に向けて流動する。そして該1次油水分離部1の上部から溢流した油分の多い廃油水は、前記油落し管6を通り、前記2次油水分離部2の上部から溢流した油分の多い廃油水と合流し、前記油落し弁8の上部に貯まり、該油落し弁8が開弁すると、自然落下により前記蒸発式油水分離部3内に導入される。
【0033】
一方、前記1次油水分離部1の底部(下部)に貯まった廃油水、つまり該1次油水分離部1で水分と油分とが比重差により分離された後に該1次油水分離部1の底部に貯まった廃油水は、廃油水管21を通り、ニードル弁16にて流路を絞られることにより小さい流速で流されて電磁弁A14に達し、該電磁弁A14が開弁すると前記2次油水分離部2の入口室2dに流入する。
該2次油水分離部2の入口室2d内においては、前記廃油水中の水分よりも比重の小さい油分を上部に浮上させる。そして該2次油水分離部2の上部から溢流した油分の多い廃油水は、前記油落し管7にて前記1次油水分離部1の上部から溢流した油分と合流して前記油落し弁8の上部に貯まり、該油落し弁8が開弁すると、自然落下により前記蒸発式油水分離部3内に導入される。
【0034】
一方、前記入口室2d内で油分と分離された水分は前記連通穴2cを通って前記出口室2eに導入される。この場合、該2次油水分離部2の底部板2aは前記のような傾斜板にて構成されているので、水分はスムーズに底部の連通穴2cに向けて流動する。
該出口室2eに貯まった水分は、処理水管23を自然落下にて通り、ニードル弁B17にて流路を絞られることにより小さい流速で流されて電磁弁B15に達し、該電磁弁B15が開弁すると前記処理水回収槽5の入口室5aに流入する。
【0035】
前記蒸発式油水分離部3においては、前記油落し弁8の開弁により導入された前記溢流した油分を含む廃油水を、第2加熱装置10内を循環する蒸気によって加熱し、該廃油水中の水分及びエマルジョン化した油水中の水分を蒸発させる。かかる蒸発による水蒸気は、該蒸発式油水分離部3の上部に開設された排気口46を通って外部に排出される。また、該排気口46を通過する水蒸気からの復水(蒸留水)は前記復水貯留槽45に貯められた後、復水管29を通して重力による自然落下にて前記処理水回収槽5の入口室5aに送り込まれる。
また、前記のようにして水分が蒸発され蒸発式油水分離部3内に貯まった油分(分離油)は、油管25を通って自然落下にて前記分離油貯留槽4に送り込まれる。尚、前記蒸発式油水分離部3内に貯まった固形物は、マンホール26を開けて外部に排出する。
【0036】
前記分離油貯留槽4に貯められた油分(分離油)は、前記第3加熱装置27内を循環する蒸気で一定温度になるように加熱される。
前記のように、第3加熱装置27で前記分離油貯留槽4内の油分を加熱することにより、該分離油貯留槽4内での油分(分離油)を常時一定温度に保持できて、流動性を良好に保持できるとともに油質の低下を防止できる。
【0037】
前記処理水回収槽5の入口室5aに導入された、蒸発式油水分離部3の出口室2eからの水分及び前記復水貯留槽45からの復水からなる処理水は、連通穴5dを通って出口室5bにも送り込まれる。そして該処理水は、前記処理水移送ポンプ13に吸入されて図示しない処理水槽へ送出されるとともに、該処理水の一部はを処理水管18を通して前記廃油水入口19に循環せしられる。
【0038】
次に、図2に基づき、かかる複合廃油水処理装置の制御動作について説明する。
前記液面検出器A31及び液面検出器B32からの前記1次油水分離部1及び2次油水分離部2の液面検出値は前記制御装置100の電磁弁制御装置41に入力され、前記分離槽温度検出器33からの蒸発式油水分離部3の槽内温度検出値は該制御装置100の蒸気弁制御装置41に入力され、また前記蒸気弁開度検出器34からの蒸気弁開度の検出値は、該制御装置100の油落し弁制御装置42に入力される。
【0039】
前記電磁弁制御装置41においては、前記液面検出器A31からの1次油水分離部1の液面検出値に基づき電磁弁A14を開閉するとともに、その開度を前記1次油水分離部1から2次油水分離部2に搬入される廃油水の流速を所要の小流速になるような小開度に保持する。これにより、該1次油水分離部1及び2次油水分離部2における油水分離効率を高く保持することができる。
また、該電磁弁制御装置41においては、前記液面検出器B32からの2次油水分離部2の液面検出値に基づき電磁弁B15を開閉するとともに、その開度を前記2次油水分離部2から処理水回収槽5に搬入される処理水の流速を所要の小流速になるような小開度に保持して、該処理水を小流速で処理水回収槽5に送り込む。
【0040】
前記蒸気弁制御装置43においては、前記分離槽温度検出器33からの蒸発式油水分離部3の槽内温度検出値に基づき前記蒸気弁11の開度を制御して、前記第2加熱装置10への蒸気流量を、該蒸発式油水分離部3内の温度が例えば120℃程度の水分蒸発の最適温度になるように調整せしめる。
これにより、前記蒸発式油水分離部3の槽内温度を、例えば120℃程度の水分蒸発の最適温度に常時保持して、廃油水からの水分分離を行うことができることとなり、該蒸発式油水分離部3における水分の分離効率が向上する。
【0041】
また、前記油落し弁制御装置42においては、前記蒸気弁開度検出器34からの蒸気弁開度の検出値に基づき前記油落し弁8の開度を制御する。
即ち、前記油落し弁制御装置42は、前記蒸気弁11を閉じて蒸発式油水分離部3が作動していないときには、油落し弁8を閉じて前記1次油水分離部1及び2次油水分離部2を作動させて分離油分を含む廃油水を油落し弁8の上部に貯めておき、前記蒸気弁11を開いて前記蒸発式油水分離部3が作動可能となると油落し弁8を開放して、該油落し弁8の上部に貯めている廃油水を該蒸発式油水分離部3に送って該蒸発式油水分離部3において廃油水中の水分蒸発作用を行わせる。
これにより、蒸発式油水分離部3への蒸気弁11の開閉と油落し弁8の開閉とを連動させて、重力式の油水分離部1、2と蒸発式油水分離部3とを所望の時間差をおいて効率的に作動させることができる。
【0042】
尚、かかる実施例において、前記蒸気弁11の開度を検出する蒸気弁開度検出器34、及び前記蒸気弁開度検出器34からの蒸気弁開度の検出値に基づき前記油落し弁8の開度を制御する油落し弁制御装置42を省略して、前記油落し弁8の開度を、前記蒸気弁開度によることなく、単独で調整するように構成してもよい。
【0043】
従ってかかる実施例によれば、複合廃油水処理装置の上部に設置した重力式の2つの油水分離部1、2にて廃油水中の水分と油分とを比重差による第1次分離することにより水分を沈下させて貯留し、該第1次分離後の油分を含む廃油水中の水分を蒸発式油水分離部3において第2加熱装置10を循環する蒸気によって加熱することにより廃油水中の水分を蒸発させるという、2段階の水分除去処理によって廃油水中の水分をほぼ完全に除去することができて、水分混入率のきわめて低い清浄な油分を回収することができる。
【0044】
また、かかる実施例によれば、槽状に形成された1次油水分離部1及び2次油水分離部2の2つの重力式油水分離部を装置の高さ方向に設置して、1次油水分離部1において主として槽内上部にある廃油水の比重差による水分と油分との分離を蒸気による加熱を併用して行うとともに、該1次油水分離部1の液面を検出し電磁弁制御装置41によって電磁弁A14の開度を調整することにより、該1次油水分離部1の液面を一定液面以上に保持して、該1次油水分離部1部内の下部側にあって水分の多い廃油水を自然落下によって下部の2次油水分離部2に連続的に送り込み、該2次油水分離部2において水分の多い廃油水の比重差による水分と油分との分離を行うことができる。
【0045】
従って、1次油水分離部1において主として槽内上部にある廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うとともに、2次油水分離部2において該1次油水分離部1の下部側にあって水分の多い廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うという2段階の重力による油水分離作用が、前記2つの重力式油水分離部に導入された廃油水全体に均一になされることとなり、さらに前記電磁弁A14の開度を調整して上部の1次油水分離部1から2次油水分離部2に搬入される廃油水の流速を所要の小流速に保持することにより、該油水分離部1、2における油水分離効率を高く保持することが可能となる。
【0046】
【考案の効果】
以上記載のごとく本考案によれば、複合廃油水処理装置の上部に設置した重力式油水分離部にて廃油水中の水分と油分とを比重差による第1次分離して水分を沈下させて貯留し、該第1次分離後の油分を含む廃油水中の水分を蒸発式油水分離部において加熱流体によって加熱することにより廃油水中の水分を蒸発させるという、2段階の水分除去処理によって廃油水中の水分をほぼ完全に除去することができて、水分混入率のきわめて低い清浄な油分を回収することができる。
従って、本考案によれば、水分と油分との分離を1つの竪型の装置でもって連続的に行うことができるとともに、殊に前記重力式油水分離部は構造が簡単、かつ廃油水の流速を遅くして水分と油分との分離効果を向上せしめることができ、さらにはメインテナンスも簡単な複合廃油水処理装置が得られる。
【0047】
また前記重力式油水分離部と蒸発式油水分離部とを複合廃油水処理装置の高さ方向に設置しているので、複合廃油水処理装置の構成部分を水平方向に配置したものに比べて装置の設置スペースが小さくて済み、また処理対象の廃油水を重力による自然落下によって搬送するので、ポンプ等の格別な搬送手段が不要となって装置を簡単化できるとともに装置コストを低減できる。
【0048】
また、前記重力式油水分離部を、上部重力式油水分離部及び下部重力式油水分離部により構成すれば、該上部重力式油水分離部において主として槽内上部にある廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うとともに、下部重力式油水分離部において該上部重力式油水分離部内の下部側にあって水分の多い廃油水の比重差による水分と油分との分離作用を行うという2段階の重力による油水分離作用が、上部重力式油水分離部に導入された廃油水全体に均一になされることとなり、さらに前記廃油水通路開閉弁の開度を調整して上部重力式油水分離部から下部重力式油水分離部に搬入される廃油水の流速を所要の小流速に保持することにより、重力式油水分離部における油水分離効率を高く保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係る複合廃油水処理装置の全体構成図である。
【図2】前記複合廃油水処理装置の制御ブロック図である。
【符号の説明】
1 1次油水分離部
2 2次油水分離部
3 蒸発式油水分離部
4 分離油貯留槽
5 処理水回収槽
6、7 油落し管
8 油落し弁
10 第2加熱装置
13 処理水移送ポンプ
14 電磁弁A
15 電磁弁B
16、17 ニードル弁
19 廃油水入口
20 第1加熱装置
27 第3加熱装置
31 液面検出器A
32 液面検出器B
33 分離槽温度検出器
34 蒸気弁開度検出器
45 復水貯留槽
100 制御装置
101 本体
Claims (9)
- 油分と水分とが混入した廃油水を処理装置の本体内に導入し、該本体内で油分と水分とを分離処理する複合廃油水処理装置において、槽状に形成されて前記本体内の上部に配置され前記廃油水中の水分と油分とを両者の比重差により分離する重力式油水分離部と、該重力式油水分離部の下方に配置されて該重力式油水分離部で水分を分離された廃油水を加熱手段によって加熱し水分を蒸発させる蒸発式油水分離部とを該本体の高さ方向に沿って配設したことを特徴とする複合廃油水処理装置。
- 前記蒸発式油水分離部内の廃油水を加熱する加熱手段は、加熱流体通路を通して導入される加熱流体と前記廃油水とを熱交換して該廃油水を所定温度に加熱するように構成され、前記加熱流体通路には該加熱流体通路を開閉するとともに前記加熱流体の流量を調整する加熱流体調整弁を設けてなることを特徴とする請求項1記載の複合廃油水処理装置。
- 前記蒸発式油水分離部の槽内温度を検出する温度検出器と、該温度検出器からの前記槽内温度の検出値に基づき前記加熱流体調整弁の開度を制御する加熱流体調整弁制御装置とを備えてなることを特徴とする請求項2記載の複合廃油水処理装置。
- 前記重力式油水分離部から蒸発式油水分離部に垂下した油落し管を設けるとともに、該油落し管の管路を開閉する油落し弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の複合廃油水処理装置。
- 前記重力式油水分離部は、第1槽内に導入された前記廃油水を加熱手段によって加熱して油分を上部に浮上させる上部重力式油水分離部と、該上部重力式油水分離部の直下部に配置された第2槽内に前記上部重力式油水分離部の中間部から抜き出して廃油水通路を通した廃油水が導入されて前記廃油水中の水分と油分とを両者の比重差により分離する下部重力式油水分離部とよりなり、前記廃油水通路に該廃油水通路の管路を開閉する廃油水通路開閉弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の複合廃油水処理装置。
- 前記上部重力式油水分離部の液面を検出する液面検出器と、該液面検出器からの前記液面の検出値に基づき前記廃油水通路開閉弁の開度を制御する液面制御装置とを備えてなることを特徴とする請求項6記載の複合廃油水処理装置。
- 前記蒸発式油水分離部の下方部位に、該蒸発式油水分離部で分離された油分を貯留する分離油貯留槽を設けるともに、該分離油貯留槽内の分離油を加熱する加熱手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の複合廃油水処理装置。
- 前記重力式油水分離部の下方部位に、該重力式油水分離部内に溜まった処理水が処理水通路を通して導入される処理水槽を設けるともに、前記処理水通路に該処理水通路の管路を開閉する水通路開閉弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の複合廃油水処理装置。
- 前記下部重力式油水分離部の液面を検出する第2の液面検出器と、該第2の液面検出器からの前記液面の検出値に基づき前記水通路開閉弁の開度を制御する液面制御装置とを備えてなることを特徴とする請求項5記載の複合廃油水処理装置。
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