JP3098649U - マスク用ノーズピース - Google Patents
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Abstract
【課題】折れたり、マスクをキズつけたりすることなく、また分別不要で廃棄性にも優れ、ごみ処理上の問題を生じないファイバー製ノーズピースを提供する。
【解決手段】厚さが0.5〜1.0mmの範囲で、かつファイバーの製造工程でグリセリンに代表される保湿剤をファイバーに含浸することで保湿性及び吸湿性を付与して得られた保湿処理ファイバーを、テープ状又は短冊状に切断して、ノーズピースとしてマスク上部に装着する。
【選択図】 図1
【解決手段】厚さが0.5〜1.0mmの範囲で、かつファイバーの製造工程でグリセリンに代表される保湿剤をファイバーに含浸することで保湿性及び吸湿性を付与して得られた保湿処理ファイバーを、テープ状又は短冊状に切断して、ノーズピースとしてマスク上部に装着する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は細菌、花粉、塵をガードする呼吸用使い捨てマスクに使用するノーズピースに関する。さらに詳しく述べると、保湿剤を含浸処理したバルカナイズドファイバーよりなるマスク用ノーズピースに関する。
【0002】
【従来の技術】
口と鼻を覆うように装着し、環境空気中に浮遊している細菌、花粉、塵埃が呼吸器に吸入されるのを抑制する使い捨てマスクはよく知られている。このような従来のマスクにおいて、マスクの内側にガーゼを折りたんで用いるもの、抗菌フィルターとしてさらにグラスウール、不織布や活性炭を内蔵した構造のもの等が知られ、また耳かけ用の紐やヘッドバンドをカバー周辺部に取付けたものが使用されている。とりわけ日常用いられる使い捨てマスクの代表例であるガーゼマスクは軽く、装着が容易であり、構造が簡単で比較的安価であることから多用されている。
【0003】
ところで、上記した使い捨てマスクの多くは、ノーズピースあるいはノーズブリッジと呼ばれる変形自在の成形部材がマスクの上部に芯材として組み込まれている。
この成形部材は、使用時、装着者の鼻の形に合わせてマスクの上から指で押さえると、個々の装着者の鼻柱形状に合わせてマスク上辺を対応変形させることができるので、マスクの上辺と装着者の顔との間に隙間を生じにくくして、顔面とマスクとの密着性を高める働きをしている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが衛生上使用された使い捨てマスクは、使用後に成形用芯材である金属部材をつけた状態のまま廃棄されることが多く、それをそのまま焼却すると金属部分が燃え残るという問題を生ずる。従って、廃棄に際し金属部分を取除いて分別処理をすることが考慮されるが、分別処理コストや使用済みマスクに付着した細菌による2次汚染の問題があるから、芯材をつけた状態で焼却せざるをえない。
【0005】
一方、前述のマスク上辺部に組み込まれているノーズピースは、固く剛性のある針金状の部材であったから、マスク上辺部に取付け固定する工程が面倒であり、また手を傷つけやすいという使用上、製作上の問題点があった。
そこで、ノーズピースを従来の針金から、より安全で廃棄処理の容易な硬質の紙またプラスチック材に変えることが望まれていた。
しかし、従来の針金からなるノーズピースのようにある程度の剛性と可塑性(柔軟性)とを有し、個々の装着者の鼻形状に合わせて対応変形させることができる性質を維持しながら、使用後の廃棄処分を容易とする紙またプラスチック材はなかなか見い出せず、例えば塩化ビニルなどは可燃ごみとして焼却処分する場合に、有害ガスを発生したり、燃焼炉を痛めるなどの問題がある
【0006】
本考案は、上記のような問題点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ノーズピースを針金のような金属部材から形成するのではなく、特定の材質を有する植物性繊維で形成することにより、取付け容易で、装着者の鼻柱形状に合わせてマスク上部を対応変形させて、マスクの上部と装着者の顔との間に隙間を生じにくくして、顔面とマスクとの密着性を高めることが可能であると共に,安全性の面において折れたり、マスクをキズつけたりすることなく、また分別不要で廃棄性にも優れ、ごみ処理上の問題を生じないノーズピースを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案のノーズピースは、前述のように特定の材質の植物性繊維(セルロース)を主体とするシートで形成されている。このシートの主要材料は、バルカナイズドファイバー(膠化繊維板)であり、単にファイバーと称されることもある。周知のように、バルカナイズドファイバーは、例えばコットンパルプや木材パルプを、無サイズで原料紙に抄き上げ、該原料紙を積層して塩化亜鉛の濃溶液(一般にボーメ度65〜74)に浸漬して、原料紙の植物繊維を塩化亜鉛により表面膨潤(膠質化)させた後に圧着し、塩化亜鉛を水洗により除去したのち、巻取、乾燥させて得られる強靭なシートである。因みに乾燥後のシートに含まれる水分は通常7〜9%である。得られた製品は、高い弾性と剛性とを有し、かつ金属に比べてはるかに軽量であり、各種の油に対して高度の耐性を有しているが、水に浸漬するか、長時間多湿の雰囲中に放置するとシートは吸湿して柔軟化する。また、シートに柔軟性が残っている状態で所定の部分を折り曲げると、立体形状を付与することができる。成形時の形態を保持した状態で乾燥させると、乾燥後は折り曲げ成形時の形態が維持され、成形されたシートはバルカナイズドフィバー特有の剛性と弾性を備えた耐衝撃性に富んだものとなる。しかし、乾燥した状態でシートに無理な力を加えて曲げるとシートは、折れたり、クラックを生ずることがある。以上のようにファイバーに含まれる水分は、その可塑性(柔軟化)に密接な関係があることが分っている。
【0008】
本考案者はさらに研究を進め、上記の乾燥工程でファイバーに対してグリセリンを含浸処理したのち仕上げると、含浸されたグリセリンは保湿、吸湿能力を発揮し、ファイバーの含有水分が一定でも柔軟剤としての性能を発揮することを確認した。さらに、かかる特性を効果的かつ定常的に発揮させるためには、ファイバーの厚さと、グリセリンの含有濃度とが一定の範囲であれば、従来の針金から形成したノーズピースのごとく曲げ加工性に富み,使用時にマスクの上から指で押さえて、個々の装着者の鼻形状に合わせてマスク上辺部を対応変形させることができるノーズピースが得られるとの認識に到達し、実験の結果本考案を完成した。
【0009】
すなわち本考案の第1は、厚さが0.5〜1.0mmの範囲で、かつファイバーの製造工程でグリセリンに代表される保湿剤をファイバーに含浸することで保湿性及び吸湿性を付与して得られた処理バルカナイズドファイバーを、短冊状に切断してマスク上部に装着可能な大きさに形成したことを特徴とするマスク用ノーズピースである。
ノーズピースとして使用するには、厚さが0.5〜1.0mmであることが不可欠である。0.5mm未満であると曲げ加工性はよくとも、剛性、強度を含めてファイバー製作上技術的問題があり、不適である。また、厚さが1.0mmを越えると厚過ぎて、使用時、所望の曲げ加工性能が得られず、装着者の鼻の形に合わせてマスクの上から指で押さえも、個々の装着者の鼻形状に合わせて対応変形させることが難しくなる。
【0010】
また本考案の第2は、前記第1の考案において、保湿処理ファイバーのグリセリン等の保湿剤の含有率が5〜15%に調製されているマスク用ノーズピースである。すなわちファイバーがこの範囲の保湿剤を含有していれば、前記のように含有水分量が一定であってもノーズピースとして充分な曲げ加工性を有し、実用に適していることを確認して,目的達成上最適条件とした。なおグリセリン含有率が15%を越えると極端にやわらかくなり、成形保持性がなくなるという欠点がある。また、5%未満の場合であると、ノーズピースとして使用するときに必要な曲げ加工性は得られず、ファイバーが折れたりして対応変形させることが困難となり、実用性に欠けるものとなり不適である。
【0011】
本考案の第3は、前記第1または第2の考案に記載のノーズピースをマスク上部に取付けた使い捨てマスクである。
【0012】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、以下の実施例では、耳かけ方式の簡易マスクについて説明するが、マスクの構造及びマスクに取付けるノーズピースの形態は、本実施例に限定されるものではない。ノーズピースの形状を変え、あるいは取付け位置を替えて、他のマスクに使用できることは言うまでもない。
【0013】
図1に第1の実施例としての耳かけ式マスクを示している。このマスクは木綿繊維や不織布等によって、複数段のプリーツを備えるマスク本体1が形成され、本体1の両側部には、耳かけゴム2が装着されている。また、マスク本体1の上辺部に平行に袋部3があり、該袋部3に、本考案のノーズピース4が脱出不能にシールされ装入されている。
なお図示省略したが、本体1の内側に折りたたんだガーゼを設けたり、さらにグラスウール、不織布や活性炭シート等から形成した抗菌フィルターを本体に一体に内蔵することがある。
【0014】
ノーズピース4のサイズは、一例として長さ115mm、幅5mm、厚さ0.5mmのテープ又は短冊状であり、その取付け位置はマスク本体上辺中央部で、装着者の顔面における鼻柱上部に当る部分である。
【0015】
上記ノーズピース4は、従来知られている通常のファイバーと同じ製造条件で生産するものであるが、乾燥工程においてグリセリン処理したものを使用する。因みにグリセリンは一例として20%水溶液を使用し、ドライヤー間で生シートに含浸処理したのち、乾燥して仕上げをすると、ファイバーシートの耐折強さは下表の測定結果に示すように著しく改善される。
【0016】
【表1】
【0017】
尚、本考案のノーズピースは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、グリセリン以外の保湿剤として、多価アルコール系のポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコール(PPG)等が使用可能である。また、本考案のノーズピース4はマスク本体の袋部内に封入するように組みこまれているが、マスク本体の外面側または内面に接着または粘着等の手段により固定することも可能であるから取付けが簡単である。
【0018】
【考案の効果】
以上、説明したように本考案の保湿剤で含浸処理したバルカナイズドファイバーよりなるマスク用ノーズピースは、室内に長時間放置されていても、保湿剤の吸湿性・保湿性のために柔軟性が保持され、曲げ加工が容易で、使用時にマスクの上から指で押さえ力を加えても折れたり、マスクを破ることもなく、個々の装着者の鼻形状に合わせてマスク上辺部を対応変形させることができる。したがってこのノーズピースを取付けたマスクは装着者の顔面に密着して周辺から花粉などが漏れて侵入することがない。
【0019】
本考案のノーズピースは、使用後に分別せずにマスクと一緒に廃棄して容易に焼却できる。したがって、安全であり、昨今の環境問題に適応し廃棄性が良いという優れた効果を得る。
【0020】
さらにまた本考案は、一般のファイバーとほとんど同じように量産でき、安価に提供できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】使い捨てマスクの斜視図である。
【図2】本考案のノーズピースの取付け個所を示す説明図である。
【図3】使用状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 マスク本体
2 耳かけゴム
3 袋部
4 ノーズピース
【考案の属する技術分野】
本考案は細菌、花粉、塵をガードする呼吸用使い捨てマスクに使用するノーズピースに関する。さらに詳しく述べると、保湿剤を含浸処理したバルカナイズドファイバーよりなるマスク用ノーズピースに関する。
【0002】
【従来の技術】
口と鼻を覆うように装着し、環境空気中に浮遊している細菌、花粉、塵埃が呼吸器に吸入されるのを抑制する使い捨てマスクはよく知られている。このような従来のマスクにおいて、マスクの内側にガーゼを折りたんで用いるもの、抗菌フィルターとしてさらにグラスウール、不織布や活性炭を内蔵した構造のもの等が知られ、また耳かけ用の紐やヘッドバンドをカバー周辺部に取付けたものが使用されている。とりわけ日常用いられる使い捨てマスクの代表例であるガーゼマスクは軽く、装着が容易であり、構造が簡単で比較的安価であることから多用されている。
【0003】
ところで、上記した使い捨てマスクの多くは、ノーズピースあるいはノーズブリッジと呼ばれる変形自在の成形部材がマスクの上部に芯材として組み込まれている。
この成形部材は、使用時、装着者の鼻の形に合わせてマスクの上から指で押さえると、個々の装着者の鼻柱形状に合わせてマスク上辺を対応変形させることができるので、マスクの上辺と装着者の顔との間に隙間を生じにくくして、顔面とマスクとの密着性を高める働きをしている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが衛生上使用された使い捨てマスクは、使用後に成形用芯材である金属部材をつけた状態のまま廃棄されることが多く、それをそのまま焼却すると金属部分が燃え残るという問題を生ずる。従って、廃棄に際し金属部分を取除いて分別処理をすることが考慮されるが、分別処理コストや使用済みマスクに付着した細菌による2次汚染の問題があるから、芯材をつけた状態で焼却せざるをえない。
【0005】
一方、前述のマスク上辺部に組み込まれているノーズピースは、固く剛性のある針金状の部材であったから、マスク上辺部に取付け固定する工程が面倒であり、また手を傷つけやすいという使用上、製作上の問題点があった。
そこで、ノーズピースを従来の針金から、より安全で廃棄処理の容易な硬質の紙またプラスチック材に変えることが望まれていた。
しかし、従来の針金からなるノーズピースのようにある程度の剛性と可塑性(柔軟性)とを有し、個々の装着者の鼻形状に合わせて対応変形させることができる性質を維持しながら、使用後の廃棄処分を容易とする紙またプラスチック材はなかなか見い出せず、例えば塩化ビニルなどは可燃ごみとして焼却処分する場合に、有害ガスを発生したり、燃焼炉を痛めるなどの問題がある
【0006】
本考案は、上記のような問題点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ノーズピースを針金のような金属部材から形成するのではなく、特定の材質を有する植物性繊維で形成することにより、取付け容易で、装着者の鼻柱形状に合わせてマスク上部を対応変形させて、マスクの上部と装着者の顔との間に隙間を生じにくくして、顔面とマスクとの密着性を高めることが可能であると共に,安全性の面において折れたり、マスクをキズつけたりすることなく、また分別不要で廃棄性にも優れ、ごみ処理上の問題を生じないノーズピースを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案のノーズピースは、前述のように特定の材質の植物性繊維(セルロース)を主体とするシートで形成されている。このシートの主要材料は、バルカナイズドファイバー(膠化繊維板)であり、単にファイバーと称されることもある。周知のように、バルカナイズドファイバーは、例えばコットンパルプや木材パルプを、無サイズで原料紙に抄き上げ、該原料紙を積層して塩化亜鉛の濃溶液(一般にボーメ度65〜74)に浸漬して、原料紙の植物繊維を塩化亜鉛により表面膨潤(膠質化)させた後に圧着し、塩化亜鉛を水洗により除去したのち、巻取、乾燥させて得られる強靭なシートである。因みに乾燥後のシートに含まれる水分は通常7〜9%である。得られた製品は、高い弾性と剛性とを有し、かつ金属に比べてはるかに軽量であり、各種の油に対して高度の耐性を有しているが、水に浸漬するか、長時間多湿の雰囲中に放置するとシートは吸湿して柔軟化する。また、シートに柔軟性が残っている状態で所定の部分を折り曲げると、立体形状を付与することができる。成形時の形態を保持した状態で乾燥させると、乾燥後は折り曲げ成形時の形態が維持され、成形されたシートはバルカナイズドフィバー特有の剛性と弾性を備えた耐衝撃性に富んだものとなる。しかし、乾燥した状態でシートに無理な力を加えて曲げるとシートは、折れたり、クラックを生ずることがある。以上のようにファイバーに含まれる水分は、その可塑性(柔軟化)に密接な関係があることが分っている。
【0008】
本考案者はさらに研究を進め、上記の乾燥工程でファイバーに対してグリセリンを含浸処理したのち仕上げると、含浸されたグリセリンは保湿、吸湿能力を発揮し、ファイバーの含有水分が一定でも柔軟剤としての性能を発揮することを確認した。さらに、かかる特性を効果的かつ定常的に発揮させるためには、ファイバーの厚さと、グリセリンの含有濃度とが一定の範囲であれば、従来の針金から形成したノーズピースのごとく曲げ加工性に富み,使用時にマスクの上から指で押さえて、個々の装着者の鼻形状に合わせてマスク上辺部を対応変形させることができるノーズピースが得られるとの認識に到達し、実験の結果本考案を完成した。
【0009】
すなわち本考案の第1は、厚さが0.5〜1.0mmの範囲で、かつファイバーの製造工程でグリセリンに代表される保湿剤をファイバーに含浸することで保湿性及び吸湿性を付与して得られた処理バルカナイズドファイバーを、短冊状に切断してマスク上部に装着可能な大きさに形成したことを特徴とするマスク用ノーズピースである。
ノーズピースとして使用するには、厚さが0.5〜1.0mmであることが不可欠である。0.5mm未満であると曲げ加工性はよくとも、剛性、強度を含めてファイバー製作上技術的問題があり、不適である。また、厚さが1.0mmを越えると厚過ぎて、使用時、所望の曲げ加工性能が得られず、装着者の鼻の形に合わせてマスクの上から指で押さえも、個々の装着者の鼻形状に合わせて対応変形させることが難しくなる。
【0010】
また本考案の第2は、前記第1の考案において、保湿処理ファイバーのグリセリン等の保湿剤の含有率が5〜15%に調製されているマスク用ノーズピースである。すなわちファイバーがこの範囲の保湿剤を含有していれば、前記のように含有水分量が一定であってもノーズピースとして充分な曲げ加工性を有し、実用に適していることを確認して,目的達成上最適条件とした。なおグリセリン含有率が15%を越えると極端にやわらかくなり、成形保持性がなくなるという欠点がある。また、5%未満の場合であると、ノーズピースとして使用するときに必要な曲げ加工性は得られず、ファイバーが折れたりして対応変形させることが困難となり、実用性に欠けるものとなり不適である。
【0011】
本考案の第3は、前記第1または第2の考案に記載のノーズピースをマスク上部に取付けた使い捨てマスクである。
【0012】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、以下の実施例では、耳かけ方式の簡易マスクについて説明するが、マスクの構造及びマスクに取付けるノーズピースの形態は、本実施例に限定されるものではない。ノーズピースの形状を変え、あるいは取付け位置を替えて、他のマスクに使用できることは言うまでもない。
【0013】
図1に第1の実施例としての耳かけ式マスクを示している。このマスクは木綿繊維や不織布等によって、複数段のプリーツを備えるマスク本体1が形成され、本体1の両側部には、耳かけゴム2が装着されている。また、マスク本体1の上辺部に平行に袋部3があり、該袋部3に、本考案のノーズピース4が脱出不能にシールされ装入されている。
なお図示省略したが、本体1の内側に折りたたんだガーゼを設けたり、さらにグラスウール、不織布や活性炭シート等から形成した抗菌フィルターを本体に一体に内蔵することがある。
【0014】
ノーズピース4のサイズは、一例として長さ115mm、幅5mm、厚さ0.5mmのテープ又は短冊状であり、その取付け位置はマスク本体上辺中央部で、装着者の顔面における鼻柱上部に当る部分である。
【0015】
上記ノーズピース4は、従来知られている通常のファイバーと同じ製造条件で生産するものであるが、乾燥工程においてグリセリン処理したものを使用する。因みにグリセリンは一例として20%水溶液を使用し、ドライヤー間で生シートに含浸処理したのち、乾燥して仕上げをすると、ファイバーシートの耐折強さは下表の測定結果に示すように著しく改善される。
【0016】
【表1】
【0017】
尚、本考案のノーズピースは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、グリセリン以外の保湿剤として、多価アルコール系のポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコール(PPG)等が使用可能である。また、本考案のノーズピース4はマスク本体の袋部内に封入するように組みこまれているが、マスク本体の外面側または内面に接着または粘着等の手段により固定することも可能であるから取付けが簡単である。
【0018】
【考案の効果】
以上、説明したように本考案の保湿剤で含浸処理したバルカナイズドファイバーよりなるマスク用ノーズピースは、室内に長時間放置されていても、保湿剤の吸湿性・保湿性のために柔軟性が保持され、曲げ加工が容易で、使用時にマスクの上から指で押さえ力を加えても折れたり、マスクを破ることもなく、個々の装着者の鼻形状に合わせてマスク上辺部を対応変形させることができる。したがってこのノーズピースを取付けたマスクは装着者の顔面に密着して周辺から花粉などが漏れて侵入することがない。
【0019】
本考案のノーズピースは、使用後に分別せずにマスクと一緒に廃棄して容易に焼却できる。したがって、安全であり、昨今の環境問題に適応し廃棄性が良いという優れた効果を得る。
【0020】
さらにまた本考案は、一般のファイバーとほとんど同じように量産でき、安価に提供できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】使い捨てマスクの斜視図である。
【図2】本考案のノーズピースの取付け個所を示す説明図である。
【図3】使用状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 マスク本体
2 耳かけゴム
3 袋部
4 ノーズピース
Claims (3)
- 厚さが0.5〜1.0mmの範囲で、かつファイバーの製造工程でグリセリンに代表される保湿剤をファイバーに含浸することで保湿性及び吸湿性を付与して得られた保湿処理ファイバーを、テープ状又は短冊状に切断してマスク上部に装着可能な大きさに形成したことを特徴とするマスク用ノーズピース。
- 保湿処理ファイバーは、保湿剤含有率が5〜15%である請求項1に記載のマスク用ノーズピース。
- 請求項1または2のいずれかに記載のノーズピースを具備した使い捨てマスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003003588U JP3098649U (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | マスク用ノーズピース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003003588U JP3098649U (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | マスク用ノーズピース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3098649U true JP3098649U (ja) | 2004-03-11 |
Family
ID=43252400
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003003588U Expired - Lifetime JP3098649U (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | マスク用ノーズピース |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3098649U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007010967A1 (ja) * | 2005-07-20 | 2007-01-25 | Daio Paper Corporation | マスク |
-
2003
- 2003-06-18 JP JP2003003588U patent/JP3098649U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007010967A1 (ja) * | 2005-07-20 | 2007-01-25 | Daio Paper Corporation | マスク |
CN101222952B (zh) * | 2005-07-20 | 2011-10-05 | 大王制纸株式会社 | 口罩 |
KR101283518B1 (ko) * | 2005-07-20 | 2013-07-15 | 다이오 페이퍼 코퍼레이션 | 마스크 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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