JP3097401U - 病院内情報処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】入院患者に対して種々のサービス提供を行う。
【解決手段】各病室内のベッドBに、入院患者が操作する端末装置100を設け、ケーブル70により、サーバとなる中央制御装置400にネットワーク接続する。端末装置100の本体部は、物品収容庫30を兼ねる構造となり、背面にディスプレイ40およびタッチパネル50が取り付けられる。物品収容庫30は、アーム10およびアーム20により宙吊り状態で支持される。アーム20は、連結具15により水平面に沿って回転し、物品収容庫30は、連結具25により水平面に沿って自転する。アーム20や収容庫30を回転させると、収容庫30の位置/向きを調節できる。ディスプレイ40による表示やタッチパネル50による操作に基づき、テレビの視聴、室内設備の制御、入院費決済、医療検査データの入力などの処理が実行できる。
【選択図】 図2
【解決手段】各病室内のベッドBに、入院患者が操作する端末装置100を設け、ケーブル70により、サーバとなる中央制御装置400にネットワーク接続する。端末装置100の本体部は、物品収容庫30を兼ねる構造となり、背面にディスプレイ40およびタッチパネル50が取り付けられる。物品収容庫30は、アーム10およびアーム20により宙吊り状態で支持される。アーム20は、連結具15により水平面に沿って回転し、物品収容庫30は、連結具25により水平面に沿って自転する。アーム20や収容庫30を回転させると、収容庫30の位置/向きを調節できる。ディスプレイ40による表示やタッチパネル50による操作に基づき、テレビの視聴、室内設備の制御、入院費決済、医療検査データの入力などの処理が実行できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、病院内情報処理システムに関し、特に、個々の病室内のベッド上の入院患者が操作するための情報端末装置と、各情報端末装置に対する情報のやり取りを行う中央制御装置と、を備える病院内情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの普及により、病院内においても、個々の患者の個人データ、医療検査データ、使用薬剤データ、レセプトデータなど、様々な情報がコンピュータに入力され、管理されている。たとえば、下記の特許文献1には、個々の患者についての電子カルテなど、様々な情報をデータベースとして格納し、これをコンピュータネットワークを介して利用することにより、医師の医療処置に対する支援や、病院内での事務処理業務への支援を行う病院内情報処理システムが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−56093号公報
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
前掲の公報に示されているシステムも含めて、従来から用いられている病院内情報処理システムは、あくまでも医療サービスを提供する側の便宜を図る目的で構築されたものであり、医師、薬剤師、事務スタッフなどが利用することを前提としている。しかしながら、近年、医療に対する考え方として、患者に対して治療を施すだけに留まらず、癒しや安らぎの気持ちを与える必要性が提唱されてきている。たとえば、入院患者は、治療を目的として病院に滞在している以上、日常生活がある程度制限されるのをやむを得ないことである。しかしながら、今後の医療には、このような入院患者に対しても、人間性を最大限に配慮して、できるだけ快適な入院生活を過ごすことができるようなサービスの提供が望まれている。
【0005】
そこで本考案は、入院患者に対して、十分なサービスの提供を行うことが可能な病院内情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本考案の第1の態様は、個々の病室内のベッド上の入院患者が操作するための情報端末装置と、各情報端末装置に対する情報のやり取りを行う中央制御装置と、によって病院内情報処理システムを構成し、
個々の入院患者が操作する情報端末装置を、ベッドの外周部分もしくはその近傍から垂直に立ち上がるように支持された垂直アームと、この垂直アームに対して水平に伸びるように連結された水平アームと、この水平アームの先端部に連結された物品収容庫と、この物品収容庫に取り付けられたディスプレイ装置と、このディスプレイ装置の表示画面上に配置されたタッチパネルと、中央制御装置に対する情報通信を行う情報通信部と、この情報通信部を介して中央制御装置から与えられた情報を、ディスプレイ装置の表示画面上に表示させるとともに、タッチパネルから与えられた指示を、情報通信部を介して中央制御装置に伝達する処理を行う情報処理部と、によって構成するようにし、
水平アームは、垂直アームの軸心を回転軸として水平面に沿って回転可能となるように、垂直アームに対して連結されるようにし、物品収容庫は、水平アームとの連結部分を通る鉛直線を回転軸として水平面に沿って回転可能となるように、水平アームに対して連結されているようにし、物品収容庫の少なくとも正面には、物品を出し入れするための開口部が形成されており、物品収容庫の側面、背面もしくは下面に、ディスプレイ装置が取り付けられているようにしたものである。
【0007】
(2) 本考案の第2の態様は、上述の第1の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
水平アームが、水平面に沿ってのみ回転可能となるような関節連結具を介して垂直アームに連結されており、物品収容庫が、水平面に沿ってのみ回転可能となるような関節連結具を介して水平アームに連結されているようにしたものである。
【0008】
(3) 本考案の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
ディスプレイ装置が平板状液晶ディスプレイから構成されており、所定の回動軸について回動自在となるように、物品収容庫の所定面に取り付けられており、この回動軸についてディスプレイ装置を回動させることにより、ディスプレイ装置を所定面に密着させた格納状態と、ディスプレイ装置を所定面から起こした視聴状態と、を選択的にとることができるように構成されているようにしたものである。
【0009】
(4) 本考案の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
情報端末装置が、音声発生装置を備えており、中央制御装置が、情報端末装置に対して、画像および音声のデータを配信する機能を有し、情報端末装置が、配信された画像および音声をディスプレイ装置および音声発生装置によって提示する機能を有するようにしたものである。
【0010】
(5) 本考案の第5の態様は、上述の第4の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、テレビ放送、院内案内放送、もしくはテレビ電話情報を配信する機能を有するようにしたものである。
【0011】
(6) 本考案の第6の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、照明の点灯/消灯/調光制御、ブラインドの開閉制御、エアコンの調節制御、もしくはナースステーションの呼出制御を行う機能を有し、タッチパネルから与えられた指示に基づいて、これら各制御が実行されるようにしたものである。
【0012】
(7) 本考案の第7の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、サーバコンピュータとしての機能を有し、情報端末装置が、このサーバコンピュータに接続されたクライアントコンピュータとしての機能を有するようにしたものである。
【0013】
(8) 本考案の第8の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、情報端末装置に対して、病室内で提供される食事の献立案内情報を配信する機能を有するようにしたものである。
【0014】
(9) 本考案の第9の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、情報端末装置に対して、院内売店の商品情報を配信するとともに、タッチパネルから与えられた指示に基づいて、商品販売処理を実行する機能を有するようにしたものである。
【0015】
(10) 本考案の第10の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、情報端末装置に対して、入院費支払に関する情報を配信するとともに、タッチパネルから与えられた指示に基づいて、入院費決済処理を実行する機能を有するようにしたものである。
【0016】
(11) 本考案の第11の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
情報端末装置に、タッチパネルを利用した操作により、病床で使用した医療物品の品名および数量を示す物品データを入力する機能をもたせ、中央制御装置に、各情報端末装置から入力された物品データを収集して管理する機能をもたせるようにしたものである。
【0017】
(12) 本考案の第12の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
情報端末装置に、タッチパネルを利用した操作により、もしくは、医療機器を直接接続することにより、入院患者に関する医療検査データを入力する機能をもたせ、中央制御装置に、各情報端末装置から入力された医療検査データを収集して管理する機能をもたせるようにしたものである。
【0018】
(13) 本考案の第13の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置に、各入院患者に関する個人データ、医療検査データ、もしくは使用薬剤データを蓄積する機能をもたせ、情報端末装置に、必要に応じて、該当する入院患者に関する個人データ、医療検査データ、もしくは使用薬剤データを中央制御装置から取得して表示させる機能をもたせるようにしたものである。
【0019】
(14) 本考案の第14の態様は、上述の第1〜第13の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
情報端末装置に、ベッド上の入院患者の存在を検知する患者検知センサを設け、検知結果を中央制御装置に対して報告する機能を設けたものである。
【0020】
(15) 本考案の第15の態様は、上述の第14の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
患者検知センサの検知方向および検知角度範囲を、物品収容庫の水平アームに対する回転位置および水平アームの垂直アームに対する回転位置に応じて変化させるようにしたものである。
【0021】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は、本考案に係る病院内情報処理システムの基本概念を示すブロック図である。この例では、病室1,2,3に、それぞれ情報端末装置100,200,300を配置し、中央制御装置400にネットワーク接続するとともに、ナースステーション4にも、情報端末装置500を配置した単純な例が示されている。もちろん、一般的な病棟には、より多数の病室が設けられており、実際には、これら個々の病室の個々のベッドごとに、それぞれ情報端末装置が設置されることになる。また、ナースステーションには、必要に応じて複数台の情報端末装置が設置され、複数のナースステーションがある場合には、それぞれに情報端末装置が設置される。
【0022】
中央制御装置400は、各情報端末装置100,200,300,500に対してネットワークで接続されており、情報のやり取りを行うことができる。後述するように、この中央制御装置400は、各情報端末装置に、種々の情報を配信する機能を有しており、また、各情報端末装置から入力された種々の情報を蓄積する機能を有している。
【0023】
本考案に係る病院内情報処理システムの特徴は、情報端末装置100〜300が、基本的に、個々の病室内のベッド上の入院患者によって操作される装置として設計されている点にある。現在、一般健常者が操作する情報端末装置としては、デスクトップパソコンやノートパソコンなどが広く利用されている。しかしながら、このような一般的な情報端末装置は、入院患者が利用するには不適切である。本考案の重要な特徴は、入院患者がベッド上で操作するのに適した独特な情報端末装置の構成にある。以下、本考案で用いる情報端末装置の基本構成を説明する。
【0024】
図2は、本考案に利用される情報端末装置100の基本構成を示す斜視図である。図示のとおり、この情報端末装置100は、ベッドBの近傍に設置して用いられ、その基本的な構成要素は、垂直アーム10、水平アーム20、物品収容庫30、ディスプレイ40、タッチパネル50、情報処理部60(図には現れていない)、情報通信部70である。
【0025】
垂直アーム10は、図示の例では、ベッドBの1本の脚部に沿って垂直に立ち上がるように固定された中空の金属パイプであるが、必ずしも脚部に固定する形態をとる必要はない。たとえば、ベッドBとは別体として、床に載置されたスタンドから垂直に立ち上がるような構造にしてもかまわない。要するに、垂直アーム10は、ベッドの外周部分もしくはその近傍から垂直に立ち上がるように支持されたアーム状の構造体であれば、どのような形態のものであってもかまわない。
【0026】
一方、水平アーム20は、垂直アーム10に対して水平に伸びるように連結されたアーム状の構造体である。後述するように、この水平アーム20は、物品収容庫30をいわゆる「片持ち梁の形式」で支持する必要があるため、ある程度の剛性をもった材料で構成する必要がある。この例では、垂直アーム10と同様に、中空の金属パイプによって水平アーム20を構成している。
【0027】
物品収容庫30は、水平アーム20の先端部に連結された箱状の構造体であり、内部に物品を収容するためのスペースが確保されている。図示の例では、物品収容庫30の上部が水平アーム20の先端部に接続され、宙吊りの状態で支持されているが、必ずしも上部を支持する形態をとる必要はない。ただ、実用上は、患者が物品の出し入れを行う際に、水平アーム20が邪魔にならないようにするため、図示のように、物品収容庫30の上部を支持する形態をとるのが好ましい。
【0028】
ディスプレイ装置40は、物品収容庫30に取り付けられた表示装置であり、図示の例では、平板状液晶ディスプレイから構成されている。ディスプレイ装置40は、必ずしも液晶ディスプレイにする必要はないが、実用上は、省スペースを実現するとともに、軽量化を図るために、平板状液晶ディスプレイを用いるのが好ましい。後述するように、ここに示す実施形態の場合、ディスプレイ装置40は、物品収容庫30に対して任意の角度に傾斜させることが可能であり、患者の見やすい状態に位置調節することができる。
【0029】
タッチパネル50は、ディスプレイ装置40の表示画面上に配置された平面型圧力検知装置であり、患者がディスプレイ装置40の表示画面上の任意の位置を指などで押した場合に、圧力変化を検出することにより、押された位置を検出する機能を有している。このような機能をもったタッチパネル50は、抵抗膜式や電磁誘導方式など種々のタイプのものが用いられている。もちろん、本考案では、タッチパネル50は、ディスプレイ装置40の表示画面上に配置する必要があるため、透明タイプのタッチパネルを用いるようにする。
【0030】
情報処理部60は、図には示されていないが、物品収容庫30内の所定箇所に格納された回路基板によって構成されており、CPU、メモリ、I/O回路などの基本回路要素を備えている。その基本機能は、情報通信部70を介して中央制御装置400から与えられた情報を、ディスプレイ装置40の表示画面上に表示させるとともに、タッチパネル50から与えられた指示を、情報通信部70を介して中央制御装置400に伝達する処理を行うことである。このような基本機能は、メモリ内に組み込まれたソフトウエアによって実現されることになる。
【0031】
情報通信部70は、中央制御装置400に対する物理的な情報通信を行う手段であり、この例では、情報処理部60と中央制御装置400との間を電気的に接続するネットワークケーブルによって、情報通信部70が構成されている。もちろん、実用上は、情報通信部70は、単なるケーブルだけではなく、各部におけるコネクタ、ネットワークハブ、必要に応じてルータなどのネットワーク配線要素を含んだ構成となるのが一般的である。図示の例では、情報通信部70を構成するネットワークケーブルは、垂直アーム10および水平アーム20の内部を通って、物品収容庫30内の情報処理部60へと配線されている。前述したように、垂直アーム10および水平アーム20を金属パイプで構成しておけば、情報通信部70を構成するケーブルをパイプ内を通じて配線することができるので便利である。なお、情報通信部70は、必ずしも物理的なケーブルを用いた有線通信形態をとる必要はなく、場合によっては、無線通信形態をとるようにしてもかまわない。ただ、病院内という特殊な環境を考慮すると、無線通信設備は、各種医療機器の誤動作を招くおそれがあるので、図示の例のように、有線通信設備によって情報通信部70を構成するのが好ましい。
【0032】
本考案に係る情報端末装置100の特徴は、物品収容庫30の移動形態にある。すなわち、上述のような構成をもった情報端末装置100において、まず、水平アーム20は、垂直アーム10の軸心を回転軸として水平面に沿って回転可能となるように、垂直アーム10に対して連結されている。図示の例では、垂直アーム10と水平アーム20とは、関節連結具15を介して接続されている。この関節連結具15は、水平アーム20が、水平面に沿ってのみ回転可能となるように、自由度を制限した状態で連結する機能を有している。一方、物品収容庫30は、水平アーム20との連結部分を通る鉛直線を回転軸として水平面に沿って回転可能となるように、水平アーム20に対して連結されている。図示の例では、水平アーム20と物品収容庫30とは、関節連結具25を介して接続されている。この関節連結具25は、物品収容庫30が、水平面に沿ってのみ回転可能となるように、自由度を制限した状態で連結する機能を有している。
【0033】
結局、水平アーム20は、関節連結具15による取り付け位置を中心として水平方向に回転し、物品収容庫30は、関節連結具25による取り付け位置を中心として水平方向に回転する構造となっているため、物品収容庫30は、所定の水平面に沿って、関節連結具25を中心とした自転運動と、関節連結具15を中心とした公転運動と、を行うことができる。
【0034】
たとえば、図2に示す状態において、物品収容庫30を180°だけ自転させれば、図3に示すような状態となる。垂直アーム10および水平アーム20の位置に変化はないが、物品収容庫30の正面が手前側に見える状態となっている。この例では、関節連結具25と物品収容庫30とは、シャフト26によって連結されており、物品収容庫30は、このシャフト26を中心軸として回転することができる。図示のとおり、物品収容庫30の正面には、物品を出し入れするための開口部31が形成されており、患者は、この開口部31から、任意の物品を出し入れすることができる。図示の例では、物品収容庫30内に間仕切りが設けられており、3つの収容空間が形成されているが、物品収容庫30内の構造は何ら限定されるものではなく、利用者の便宜を考慮して、任意の空間構成をとることができる。また、必要に応じて、開口部31に開閉式の扉や蓋を取り付けるようにしてもかまわないし、正面だけではなく、側面などにも補助開口部を設けるようにしてもかまわない。
【0035】
一方、図2に示す状態において、水平アーム20を移動させることにより、物品収容庫30を90°だけ公転させれば、図4に示すような状態となる。水平アーム20の位置が、ベッドBの長軸方向に沿った位置から短軸方向に沿った位置へと移動することになり、ベッドBの脇に配置されていた物品収容庫30が、頭部位置へと移動している。もちろん、この位置において、物品収容庫30を180°だけ自転させれば、ディスプレイ装置40側を手前側に向けることも可能である。
【0036】
このように、本考案に係る情報端末装置100では、その物理的な本体ともいうべき物品収容庫30を、限定的な自由度ではあるが、所望の位置に移動させることができ、所望の向きに向けることが可能になる。一般的には、図2に示す状態が、端末装置利用時の状態、図3に示す状態が、物品収容庫利用時の状態、図4に示す状態が、収容状態(利用していない状態)となる。もちろん、どのような状態でどのような機能を利用するかは、利用者である患者自身の意志により決めるべき事項であり、患者自身の容態や病室の間取りなどによっても左右されるべき事項である。
【0037】
なお、水平アーム20を回転させるときや、物品収容庫30を回転させるときには、ある程度の摩擦抵抗が作用するようにし、ある程度の力を加えない限り、物品収容庫30が一定の位置および向きを維持するようにするのが好ましい。ここに示す実施形態では、前述したとおり、水平アーム20および物品収容庫30は所定の水平面内においてのみ回転可能であるため、物品収容庫30の水平位置は移動中も必ず所定のレベルに維持されたままの状態になる。ベッドB上の患者が移動操作を行うことを考慮すると、このように物品収容庫30の移動の自由度を制限することは極めて有効である。物品収容庫30は、前述した公転運動と自転運動のみを行うだけであり、これらの運動以外は行わないので、予想外の位置へ移動するような事態を避けることができ、ベッドB上の患者に対する負担を大幅に軽減させることができる。
【0038】
もっとも、実用上は、関節連結具15の垂直アーム10に対する取り付け位置(別言すれば、水平アーム20あるいは物品収容庫30の高さ)を所定の方法(たとえば、ネジを緩めて関節連結具15を垂直アーム10に沿って移動させた後、ネジを固定するような方法)で調節できるようにしておくのが好ましい。この高さ調節は、通常、病院のスタッフによって行われる調節であり、ベッドBを利用する患者の身長や容態などを考慮して、最適な位置調節を行うようにするのが好ましい。
【0039】
図5は、物品収容庫30の具体例を示す側面図である。前述したように、ディスプレイ装置40は、平板状液晶ディスプレイから構成されているが、図5に示す例の場合、ディスプレイ装置40は、所定の回動軸41について回動自在となるように、物品収容庫30の背面32に取り付けられている。これは、ベッドB上の患者ができるだけ楽な姿勢で、ディスプレイ装置40の表示画面上に視線Eを向けられるようにするための配慮である。すなわち、回動軸41についてディスプレイ装置40を回動させることにより、ディスプレイ装置40を背面32に密着させた格納状態(図の角度θ=0°の状態)と、ディスプレイ装置40を背面32から起こした視聴状態(図のように、角度θをある程度とった状態)とを選択的にとることができるようにしておけば、この情報端末装置を利用しない場合あるいは単に物品収容庫30としてのみ利用する場合には、ディスプレイ装置40を格納状態として邪魔にならないように格納し、この情報端末装置を端末装置として利用する場合には、ディスプレイ装置40を任意の角度に起こして視聴状態とし、できるだけ利用しやすい向きに調節することができる。
【0040】
なお、ここに示す実施形態では、物品収容庫30の背面32にディスプレイ装置40を取り付けた例を示すが、もちろん、ディスプレイ装置40は、物品収容庫30の側面や下面に取り付けるようにしてもかまわない。また、回動軸41も、任意の面に、任意の向きに設けるようにしてかまわない。
【0041】
また、図5には、物品収容庫30の側面に、鏡33およびスピーカー42を取り付けた例が示されている。鏡33は、患者の姿見としての便宜を図るためのものであり、スピーカー42は、ディスプレイ装置40に提示されている映像に伴って、音声を提供する際の便宜を図るためのものである。もちろん、これらは、本考案を実施する上で必須の構成要素ではないので、必要に応じて設けるようにすればよい。また、スピーカーの代わりに、イヤホンやヘッドホンを接続するためのコネクタを設けておき、必要に応じて、イヤホンやヘッドホンを接続して用いるようにしてもよい。
【0042】
なお、図5に一点鎖線で示す鉛直線Vは、シャフト26の軸芯を示すものであり、物品収容庫30の自転軸に相当するものである。患者は、この自転軸に沿って物品収容庫30を自転させることにより、開口部31を手前に向けて物品の出し入れを行ったり、鏡33を手前に向けて身だしなみを整えたり、ディスプレイ装置40を手前に向けて端末装置としての本来の利用を行ったりすることが可能になる。
【0043】
図5に示す実施形態では、更に、物品収容庫30の底面に患者検知センサ80が取り付けられている。この患者検知センサ80は、ベッドB上の入院患者の存在を検知する機能を有しており、この検知結果は、情報処理部60および情報通信部70を介して、中央制御装置400に対して報告される。図1に示すシステムの場合、この報告結果を、中央制御装置400からナースステーション4に設置された情報端末装置500まで報知するようにすれば、ナースステーション4に待機している看護士に、個々の病室のベッド上の患者の有無を知らせることができる。この機能は、入院患者がベッドから床へ誤って転落してしまったような事故が発生した場合に、看護士に直ちに事故発生を報知する上で極めて有用である。
【0044】
患者検知センサ80は、ベッド上の患者の有無を検知することができればよいので、たとえば、赤外線センサ装置などを用いれば十分である。患者のプライバシー保護の見地からは、あまり解像度の高い検知結果が得られる高精度のセンサの使用は、むしろ避けた方が好ましい。もっとも、物品収容庫30は、前述したように、自由度は高くはないものの、所定の範囲で移動させることが可能であり、移動により、患者検知センサ80とベッド上の患者との相対的な位置関係も変化することになる。
【0045】
そこで、実用上は、患者検知センサ80の検知方向および検知角度範囲を、物品収容庫30の水平アーム20に対する回転位置および水平アーム20の垂直アーム10に対する回転位置に応じて変化させるようにするのが好ましい。たとえば、物品収容庫30が図2に示す位置および向きにある場合なら、図5に示す患者検知センサ80の検知方向が、図の左方向(ディスプレイ装置40のある方向)となるようにし、物品収容庫30が図3に示す位置および向きにある場合なら、図5に示す患者検知センサ80の検知方向が、図の右方向(開口部31のある方向)となるようにすれば、効率的な検知が可能になる。また、物品収容庫30が図4に示す位置および向きにある場合なら、図5に示す患者検知センサ80の検知方向は、やはり図の右方向(開口部31のある方向)となるようにする。ただし、図3に示す状態では、ベッド上の患者を横方向から検知するのに対して、図4に示す状態では、ベッド上の患者を縦方向から検知することになる。したがって、図3に示す状態では、ある程度検知角度範囲を広く設定した方がよいが、図4に示す状態では、検知角度範囲を若干狭くした方が効率的である。
【0046】
このように、患者検知センサ80と患者との相対的な位置関係は、物品収容庫30の水平アーム20に対する回転位置と、水平アーム20の垂直アーム10に対する回転位置とによって定まるので、これらの各回転位置に応じて、患者検知センサ80の検知方向および検知角度範囲を変化させるようにすれば、効率的な検知が可能になる。なお、上記各回転位置は、関節連結具15,25に、ロータリエンコーダを組み込んでおけば、電気信号として検出することが可能であるので、情報処理部60による演算処理により、患者検知センサ80の検知方向および検知角度範囲を最適に設定することが可能である。
【0047】
続いて、図2に示す構成からなる情報端末装置100について、その本来の利用形態を具体例に即して説明する。この情報端末装置100は、前述したとおり、ベッドBの上の患者が操作するのに適した構造を有しており、ディスプレイ装置40、スピーカー42、タッチパネル50が、患者との間のインターフェイスとして機能する。すなわち、患者に対する情報の提供は、ディスプレイ装置40の画面上に所定の表示を行うとともに、スピーカー42から音声を発生させることにより行われ、患者からの入力指示は、ディスプレイ装置40の画面上の所定位置を、指などで触れてもらうようにし、患者の触れた位置をタッチパネル50によって検出することにより行われる。もちろん、患者が触れた位置を、意味のある指示入力として認識するためには、ディスプレイ装置40の画面上の表示内容とタッチパネル50の検出位置とを連携処理するためのソフトウエアが必要である。
【0048】
このように、情報端末装置100には、患者に対する画像や音声の提示機能と、患者からの指示入力を認識する機能とが備わっているので、物品収容庫30内に組み込まれた情報処理部60に用意される処理機能や、中央制御装置400に用意される処理機能に応じて、様々な用途に利用することが可能である。以下、具体的な利用例をいくつか述べることにする。
【0049】
情報端末装置100の最も代表的な用途は、テレビ番組の視聴である。上述したとおり、物品収容庫30には、スピーカー42(もしくは、イヤホンやヘッドホンを接続して音声を発生させる装置)が組み込まれているので、中央制御装置400から情報通信部70を介してテレビ放送(画像および音声のデータ)を配信するようにすれば、配信された画像および音声をディスプレイ装置40およびスピーカー42によって、患者に提示することができる。テレビチャンネルの切替や音量の調節操作は、タッチパネル50を利用して行うことができるようにしておけばよい。たとえば、タッチパネル50のいずれかの箇所を触れると、チャンネル切替ボタンや音量調節ボタンが画面上に表示されるようにしておき、患者が指でどのボタンを触れたかを検出することにより、患者の指示入力を認識し、チャンネル切替や音量調節を行う機能を、情報処理部60もしくは中央制御装置400に用意しておけばよい。
【0050】
なお、中央制御装置400から配信する情報は、テレビ放送に限定されるものではなく、任意のビデオ番組を配信することも可能である。たとえば、病院の設備などをビデオで紹介する院内案内放送を配信してもかまわない。また、テレビ電話としての利用に必要な情報を配信することもできる。この場合、ディスプレイ装置40に小型のマイクおよびビデオカメラを組み込んでおくようにし、患者の音声および容姿を、通話の相手先へ送信できるようにしておけばよい。
【0051】
情報端末装置100が病室内で利用されることを考慮すると、病室内の設備を制御するための操作ターミナルとして利用することもできる。たとえば、図1に示すシステムにおいて、各病室1,2,3のそれぞれについて、照明の点灯/消灯/調光制御、ブラインドの開閉制御、エアコンの調節制御、といった室内制御を、中央制御装置400から実行できるような環境を整えておけば(図1には示されていないが、中央制御装置400と各室内設備との間に、制御用の配線を行う必要がある)、各病室の患者は、情報端末装置を操作することによって、室内設備の制御を行うことが可能になる。たとえば、病室1の患者が、情報端末装置100を操作して、部屋の消灯指示を与えたとすると、中央制御装置400によって、当該指示が認識され、病室1の照明器具を消灯させるための制御信号が発せられることになる。もちろん、このような制御は、ナースステーション4に設置された情報端末装置500からも実行させることが可能である。
【0052】
あるいは、情報端末装置100に、ナースステーションの呼出制御を行う機能をもたせることも可能である。現在、病室のベッドには、緊急時に患者自身が看護士を呼び出すためのボタン(いわゆるナースコールボタン)が設置されているが、このボタンをディスプレイ装置40の画面上に表示し、タッチパネル50から与えられた指示に基づいて、このボタンが押されたことを認識し、ナースステーションの呼出を行ってもよい。もちろん、このナースコールボタンを、ディスプレイ装置40の画面上に表示された仮想ボタンとして用意する代わりに、物品収容庫30の一部に物理的に取り付けられた実際のボタンとして用意することもできる。
【0053】
この他にも、情報端末装置100には、中央制御装置400と情報のやり取りを行うことにより、様々な機能をもたせることができる。上述したテレビやビデオ放送の配信、テレビ電話機能の提供、室内制御やナースコール機能の実現など、様々な用途に利用する上では、中央制御装置400を、サーバコンピュータとしておき、情報端末装置100,200,300を、このサーバコンピュータ400に接続されたクライアントコンピュータとしておくのが現実的である。中央制御装置400と情報端末装置100,200,300との間を、高速なネットワーク回線によって接続しておくようにすれば、テレビ番組などの動画の配信も十分な速度で対応することができる。
【0054】
図6は、提供するサービスを更に拡充したシステムにおけるメニュー画面の一例を示す図であり、患者がディスプレイ装置40に設けられたスイッチをONにすると、最初に画面に現れる表示を示している。この例では、9個のボタンが表示されており、患者が所望のボタンに触れると、特定のサービスの提供を受けることができる。
【0055】
たとえば、「テレビ」ボタンに触れると、テレビ放送を視聴することができるようになり、画面表示は、図示のメニュー表示からテレビ放送の画面に切り替わる。切替可能なチャンネルに、実際のテレビ放送の他、院内案内放送などを割り当てておけば、前述したように、ビデオ情報として用意した任意の案内放送を提示することもできる。また、「テレビ電話」ボタンに触れると、テレビ電話のモードに切り替わり、画面上には、電話番号入力用の数字などが表示されるので、患者は所望の相手先にテレビ電話をかけることができる。この場合、物品収容庫30もしくはディスプレイ装置40に、マイクやビデオカメラを組み込んでおくことは既に述べたとおりである。
【0056】
「インターネット」ボタンは、この情報端末装置100をWebブラウザとして機能させるためのボタンである。予め情報処理部60内に、Webブラウザ用のアプリケーションソフトウエアを組み込んでおき、これを起動するようにすれば、中央制御装置400を介してインターネットに接続し、任意のWebページへのアクセスが可能になる。中央制御装置400との間のネットワーク回線接続を、TCP/IPプロトコルに基づいて行っておけば、中央制御装置400にルータとしての機能をもたせておくだけで、情報端末装置100をインターネットの端末装置として利用することができる。もちろん、電子メール送受信用のアプリケーションソフトウエアを用意しておけば、電子メールにも対応することができる。
【0057】
「室内制御」ボタンは、前述したように、病室内の照明の点灯/消灯/調光制御、ブラインドの開閉制御、エアコンの調節制御、といった室内制御操作を行うためのボタンである。このボタンに触れると、画面上には、個々の制御操作のための制御ボタンが表示されるようになり、患者は所望の制御ボタンに触れることにより指示入力を行うことができる。この指示入力は、中央制御装置400によって認識され、指示どおりの室内制御が実行されることは、既に述べたとおりである。
【0058】
「ナースコール」ボタンは、ナースステーションを呼び出すためのボタンであり、患者がこのボタンに触れると、中央制御装置400を介して、ナースステーション4内の情報端末装置500にその旨が報知される。ナースステーション4に待機している看護士は、どの病室から呼出しがあったのかを直ちに認識することができる。
【0059】
「献立案内」ボタンは、病院内で提供される食事の献立を患者に伝えるためのサービスを受けるボタンである。このサービスを提供するためには、調理師や栄養士といった病院側のスタッフが、予め中央制御装置400内に献立情報を入力する作業を行っておく必要がある。献立案内情報としては、献立の内容、摂取カロリー、栄養バランスなど、を提供することができる。
【0060】
「売店情報」ボタンは、院内売店で販売されている商品に関する商品情報(商品名、商品内容、価格など)を得るサービスを受けるためのボタンである。このサービスを提供するためには、売店のスタッフが、予め中央制御装置400内に商品情報を入力する作業を行っておく必要がある。患者が「売店情報」ボタンに触れると、中央制御装置400内に格納されている商品情報が、ディスプレイ装置40の画面上に表示されることになる。商品数が多い場合には、検索機能をもたせるようにしてもよい。また、実用上は、単に商品情報の表示を行うだけでなく、患者が希望する場合には、このディスプレイ装置40の画面上で、タッチパネル50から与えられた指示に基づいて、商品販売処理が行われるようにしておくのが好ましい。
【0061】
たとえば、患者が、ディスプレイ装置40の画面上に表示されている商品リストの中から、購入希望の商品に触れることによりこれを選び、更に、購入ボタンに触れた場合には、当該商品に対して当該患者が購入の意志表示を行った旨の情報が中央制御装置400を介して、売店に設置された情報端末装置へと伝送されるようにしておけばよい。売店のスタッフが、この情報に基づいて、購入対象となる商品を当該患者の病室まで届けるサービスを行えば、患者は病室に居ながらにして、所望の商品を入手することができるようになる。また、中央制御装置400に、患者が商品を購入するたびに、患者名、購入日、購入商品名、価格などのデータを蓄積する機能をもたせておけば、患者は退院時に代金の精算を行うことができる。
【0062】
「入院費決済」ボタンは、患者が病室に居ながらにして、入院費の支払手続を行うサービスを受けるためのボタンである。このサービスを提供するためには、中央制御装置400内に、各患者ごとにかかった医療費の情報を蓄積する機能をもたせておく必要がある。もちろん、このような会計処理を行うための既存の院内会計システムが既に稼働している場合には、そのような院内会計システムと中央制御装置400とを連携させるようにすればよい。従来、患者が退院する場合、院内の会計課まで出向いてゆき、会計課の窓口を介して入院費の支払いなどの決済手続を行っていたが、本考案を利用すれば、病室内の情報端末装置100を操作することにより、決済手続を行うことができるようになる。
【0063】
具体的には、「入院費決済」ボタンが押された場合、まず、当該患者について蓄積されていた医療費の情報が、中央制御装置400から情報端末装置100へと送信され、ディスプレイ装置40の画面上にリストとして表示されるようにすればよい。患者が、このリストに掲載された項目や金額を確認した上で、たとえば「確認」ボタンを押すと、支払の意志表示がなされるようにしておけばよい。前述したインターネットへの接続機能を利用して、実際の決済を、クレジットカードによる支払や銀行振替によって行うこともできるようにしておけば、現金の受け渡しも不要になり、退院時の手続をすべて病室で済ませることが可能になる。
【0064】
以上、患者自身の操作により、患者自身が受けることができるサービスを列挙したが、本考案に係る情報端末装置100の機能を更に拡張すれば、病院側のスタッフに対しても便利な機能を提供することも可能である。図6の「STAFF ONLY」ボタンは、このような病院スタッフに対するサービスを提供するためのボタンである。このボタンを押すと、たとえば、図7に示すようなメニューが表示されることになる。このメニューは、あくまでもスタッフ用のメニューであるから、実用上は、このメニューを表示させるために、スタッフ用パスワードの入力を要求するような仕様にしておくのが好ましい。以下、このスタッフ用メニューによって提供されるサービスについて説明する。
【0065】
まず、「医療物品使用情報の入力」ボタンを押すと、タッチパネル50を利用した操作により、病床で使用した医療物品の品名および数量を示す物品データを入力する作業を行うことができるようになり、この作業で入力された物品データは、中央制御装置400によって収集され、データベースとして管理されるようになる。病床では、看護士などのスタッフにより、入院患者に対して様々な処置が行われることも少なくない。このような処置を行う際には、様々な医療物品が使用される。このような場合、従来は、看護士などのスタッフが、病室で使用した医療物品の品名や数量をカルテなどに記入する作業を行って、使用物品の記録を残していた。院内の会計課は、必要に応じて、このカルテに記録された情報を拾い出し、入院費への計上処理を行うことになる。本考案に係る情報端末装置100を用いれば、「医療物品使用情報の入力」ボタンを押すことにより、使用物品の記録作業をディスプレイ装置40の画面上で行うことができるようになる。
【0066】
具体的には、「医療物品使用情報の入力」ボタンを押すことにより、使用対象となる物品リストがディスプレイ装置40の画面上に表示されるようにしておけばよい。看護士などのスタッフは、病床での処置に用いた物品を、表示画面上のリストから選び、数量などの情報を入力する作業を行えばよい。たとえば、ガーゼ3枚、注射器2本を処置に用いた場合、画面上のリスト上で、ガーゼ、数量3、注射器、数量2といった項目を指で触れる操作を行うようにすればよい。患者名や日付などは、システム側で自動的に入力することができる。こうして入力した物品データは、中央制御装置400へと送信されて管理される。中央制御装置400には、各病室内の情報端末装置100から入力された物品データが集まるので、これをデータベースの形式で、各患者ごとに管理する機能をもたせておけばよい。院内の会計処理では、必要に応じて、このデータベースから所望の物品データを読み出して利用することができる。
【0067】
一方、図7に示す「医療検査データの入力」ボタンを押すと、タッチパネル50を利用した操作により、入院患者に関する医療検査データを入力する作業を行うことができるようになり、この作業で入力された医療検査データは、中央制御装置400によって収集され、データベースとして管理されるようになる。病床では、看護士などのスタッフにより、入院患者に関して血圧、脈拍、体温などの測定が行われることも少なくない。従来は、看護士などのスタッフが、これらの医療検査データをカルテなどに記入する作業を行って記録を残していた。本考案に係る情報端末装置100を用いれば、「医療検査データの入力」ボタンを押すことにより、これらの検査データの入力をディスプレイ装置40の画面上で行うことができるようになる。
【0068】
具体的には、「医療検査データの入力」ボタンを押すことにより、血圧、脈拍、体温などのデータ入力欄と数字ボタンが、ディスプレイ装置40の画面上に表示され、看護士などのスタッフが、数字ボタンを押しながら、測定結果を各欄に入力できるようにしておけばよい。もちろん、患者名や日付などは、システム側で自動的に入力することができる。こうして入力した医療検査データは、中央制御装置400へと送信されて管理される。中央制御装置400には、各病室内の情報端末装置100から入力された医療検査データが集まるので、これをデータベースの形式で、各患者ごとに管理する機能をもたせておけばよい。
【0069】
なお、物品収容庫30の側面などに、血圧計や電子体温計などの医療機器と直接信号のやりとりを行うためのコネクタを取り付けておき、測定を行う際には、血圧計や電子体温計などを信号ケーブルによってこのコネクタに接続し、測定結果を示すデータを、電気信号のまま直接情報処理部60に取り込むことができるようにしておくことも可能である。このように、外部の医療機器を直接接続できるようにしておけば、看護士などのスタッフが、タッチパネル50から手作業による入力を行うことなしに、入院患者に関する医療検査データを自動的に入力することができるようになる。
【0070】
図7に示す「患者データの表示」ボタンは、中央制御装置400内にデータベースとして蓄積されている各入院患者に関する個人データ、医療検査データ、使用薬剤データ、物品データなどを、ディスプレイ装置40の画面上に表示させるためのボタンである。したがって、この機能を利用するためには、予め表示対象となる患者データが、中央制御装置400内に蓄積されている必要がある。患者の氏名、年齢、性別などの個人データは、初診時に、病院側の事務スタッフにより、事務用情報端末装置を用いて入力しておくことができ、医療検査データや使用薬剤データなどは、診察や検査をおこなうたびに医療スタッフによって入力することができる。
【0071】
図8は、中央制御装置400内に蓄積された患者データ(個人データ、医療検査データ、使用薬剤データ、物品データ)の簡単な例を示す図である。たとえば、○山○夫なる患者が病室1に入院していた場合、この病室1に設置された情報端末装置100を用いて、患者データの表示を実施した場合、図8の第1欄に掲載された○山○夫なる患者のデータが中央制御装置400内のデータベースから抽出され、情報端末装置100のディスプレイ装置40の画面上に表示されることになる。看護士などのスタッフは、このような表示情報に基づいて、患者本人の個人データ、医療検査データ、使用薬剤データなどを確認することができるので、誤った薬を投与するなどの投薬ミスの発生を防ぐことができる。
【0072】
なお、図7に示す「メニューへ戻る」ボタンは、図6に示すメニュー画面へと復帰するためのボタンであり、病院スタッフによる操作が完了した場合には、このボタンを押すことにより、スタッフ専用のモードから患者用モードへと復帰することができる。
【0073】
以上、本考案を図示する実施形態に基づいて説明したが、本考案はここで述べた実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の形態で実施可能である。たとえば、タッチパネル50に触れる操作を行うことが困難と思われる患者については、別体の赤外線リモコン装置などを手にもたせ、タッチパネル50の代わりに、このリモコン装置を用いて操作を行わせるような形態をとってもよい。
【0074】
【考案の効果】
以上のとおり、本考案によれば、入院患者に対して、十分なサービスの提供を行うことが可能な病院内情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る病院内情報処理システムの基本概念を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムにおける病室1内の情報端末装置100を、本来の情報端末装置として利用する際の形態を示す斜視図である。
【図3】図2に示す情報端末装置100を物品収容庫30として利用する際の形態を示す斜視図である。
【図4】図2に示す情報端末装置100をベッド頭部の壁面に収容した状態を示す斜視図である。
【図5】図2〜図4に示す物品収容庫30の具体例を示す側面図である。
【図6】図5に示すディスプレイ装置40に表示される患者用メニュー画面の一例を示す図である。
【図7】図5に示すディスプレイ装置40に表示されるスタッフ用メニュー画面の一例を示す図である。
【図8】図1に示す中央制御装置400内に蓄積される患者データの一例を示す図である。
【符号の説明】
1〜3…病室
4…ナースステーション
10…垂直アーム
15…関節連結具
20…水平アーム
25…関節連結具
26…シャフト
30…物品収容庫
31…開口部
32…物品収容庫の背面
33…鏡
40…ディスプレイ装置
41…回動軸
42…スピーカー
50…タッチパネル
60…情報処理部
70…情報通信部(ネットワークケーブル)
80…患者検知センサ
100,200,300…病室用の情報端末装置
400…中央制御装置
500…ナースステーション用の情報端末装置
B…ベッド
E…患者の視線
V…鉛直線(シャフト26の軸芯)
θ…傾斜角度
【考案の属する技術分野】
本考案は、病院内情報処理システムに関し、特に、個々の病室内のベッド上の入院患者が操作するための情報端末装置と、各情報端末装置に対する情報のやり取りを行う中央制御装置と、を備える病院内情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの普及により、病院内においても、個々の患者の個人データ、医療検査データ、使用薬剤データ、レセプトデータなど、様々な情報がコンピュータに入力され、管理されている。たとえば、下記の特許文献1には、個々の患者についての電子カルテなど、様々な情報をデータベースとして格納し、これをコンピュータネットワークを介して利用することにより、医師の医療処置に対する支援や、病院内での事務処理業務への支援を行う病院内情報処理システムが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−56093号公報
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
前掲の公報に示されているシステムも含めて、従来から用いられている病院内情報処理システムは、あくまでも医療サービスを提供する側の便宜を図る目的で構築されたものであり、医師、薬剤師、事務スタッフなどが利用することを前提としている。しかしながら、近年、医療に対する考え方として、患者に対して治療を施すだけに留まらず、癒しや安らぎの気持ちを与える必要性が提唱されてきている。たとえば、入院患者は、治療を目的として病院に滞在している以上、日常生活がある程度制限されるのをやむを得ないことである。しかしながら、今後の医療には、このような入院患者に対しても、人間性を最大限に配慮して、できるだけ快適な入院生活を過ごすことができるようなサービスの提供が望まれている。
【0005】
そこで本考案は、入院患者に対して、十分なサービスの提供を行うことが可能な病院内情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本考案の第1の態様は、個々の病室内のベッド上の入院患者が操作するための情報端末装置と、各情報端末装置に対する情報のやり取りを行う中央制御装置と、によって病院内情報処理システムを構成し、
個々の入院患者が操作する情報端末装置を、ベッドの外周部分もしくはその近傍から垂直に立ち上がるように支持された垂直アームと、この垂直アームに対して水平に伸びるように連結された水平アームと、この水平アームの先端部に連結された物品収容庫と、この物品収容庫に取り付けられたディスプレイ装置と、このディスプレイ装置の表示画面上に配置されたタッチパネルと、中央制御装置に対する情報通信を行う情報通信部と、この情報通信部を介して中央制御装置から与えられた情報を、ディスプレイ装置の表示画面上に表示させるとともに、タッチパネルから与えられた指示を、情報通信部を介して中央制御装置に伝達する処理を行う情報処理部と、によって構成するようにし、
水平アームは、垂直アームの軸心を回転軸として水平面に沿って回転可能となるように、垂直アームに対して連結されるようにし、物品収容庫は、水平アームとの連結部分を通る鉛直線を回転軸として水平面に沿って回転可能となるように、水平アームに対して連結されているようにし、物品収容庫の少なくとも正面には、物品を出し入れするための開口部が形成されており、物品収容庫の側面、背面もしくは下面に、ディスプレイ装置が取り付けられているようにしたものである。
【0007】
(2) 本考案の第2の態様は、上述の第1の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
水平アームが、水平面に沿ってのみ回転可能となるような関節連結具を介して垂直アームに連結されており、物品収容庫が、水平面に沿ってのみ回転可能となるような関節連結具を介して水平アームに連結されているようにしたものである。
【0008】
(3) 本考案の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
ディスプレイ装置が平板状液晶ディスプレイから構成されており、所定の回動軸について回動自在となるように、物品収容庫の所定面に取り付けられており、この回動軸についてディスプレイ装置を回動させることにより、ディスプレイ装置を所定面に密着させた格納状態と、ディスプレイ装置を所定面から起こした視聴状態と、を選択的にとることができるように構成されているようにしたものである。
【0009】
(4) 本考案の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
情報端末装置が、音声発生装置を備えており、中央制御装置が、情報端末装置に対して、画像および音声のデータを配信する機能を有し、情報端末装置が、配信された画像および音声をディスプレイ装置および音声発生装置によって提示する機能を有するようにしたものである。
【0010】
(5) 本考案の第5の態様は、上述の第4の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、テレビ放送、院内案内放送、もしくはテレビ電話情報を配信する機能を有するようにしたものである。
【0011】
(6) 本考案の第6の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、照明の点灯/消灯/調光制御、ブラインドの開閉制御、エアコンの調節制御、もしくはナースステーションの呼出制御を行う機能を有し、タッチパネルから与えられた指示に基づいて、これら各制御が実行されるようにしたものである。
【0012】
(7) 本考案の第7の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、サーバコンピュータとしての機能を有し、情報端末装置が、このサーバコンピュータに接続されたクライアントコンピュータとしての機能を有するようにしたものである。
【0013】
(8) 本考案の第8の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、情報端末装置に対して、病室内で提供される食事の献立案内情報を配信する機能を有するようにしたものである。
【0014】
(9) 本考案の第9の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、情報端末装置に対して、院内売店の商品情報を配信するとともに、タッチパネルから与えられた指示に基づいて、商品販売処理を実行する機能を有するようにしたものである。
【0015】
(10) 本考案の第10の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置が、情報端末装置に対して、入院費支払に関する情報を配信するとともに、タッチパネルから与えられた指示に基づいて、入院費決済処理を実行する機能を有するようにしたものである。
【0016】
(11) 本考案の第11の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
情報端末装置に、タッチパネルを利用した操作により、病床で使用した医療物品の品名および数量を示す物品データを入力する機能をもたせ、中央制御装置に、各情報端末装置から入力された物品データを収集して管理する機能をもたせるようにしたものである。
【0017】
(12) 本考案の第12の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
情報端末装置に、タッチパネルを利用した操作により、もしくは、医療機器を直接接続することにより、入院患者に関する医療検査データを入力する機能をもたせ、中央制御装置に、各情報端末装置から入力された医療検査データを収集して管理する機能をもたせるようにしたものである。
【0018】
(13) 本考案の第13の態様は、上述の第7の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
中央制御装置に、各入院患者に関する個人データ、医療検査データ、もしくは使用薬剤データを蓄積する機能をもたせ、情報端末装置に、必要に応じて、該当する入院患者に関する個人データ、医療検査データ、もしくは使用薬剤データを中央制御装置から取得して表示させる機能をもたせるようにしたものである。
【0019】
(14) 本考案の第14の態様は、上述の第1〜第13の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
情報端末装置に、ベッド上の入院患者の存在を検知する患者検知センサを設け、検知結果を中央制御装置に対して報告する機能を設けたものである。
【0020】
(15) 本考案の第15の態様は、上述の第14の態様に係る病院内情報処理システムにおいて、
患者検知センサの検知方向および検知角度範囲を、物品収容庫の水平アームに対する回転位置および水平アームの垂直アームに対する回転位置に応じて変化させるようにしたものである。
【0021】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は、本考案に係る病院内情報処理システムの基本概念を示すブロック図である。この例では、病室1,2,3に、それぞれ情報端末装置100,200,300を配置し、中央制御装置400にネットワーク接続するとともに、ナースステーション4にも、情報端末装置500を配置した単純な例が示されている。もちろん、一般的な病棟には、より多数の病室が設けられており、実際には、これら個々の病室の個々のベッドごとに、それぞれ情報端末装置が設置されることになる。また、ナースステーションには、必要に応じて複数台の情報端末装置が設置され、複数のナースステーションがある場合には、それぞれに情報端末装置が設置される。
【0022】
中央制御装置400は、各情報端末装置100,200,300,500に対してネットワークで接続されており、情報のやり取りを行うことができる。後述するように、この中央制御装置400は、各情報端末装置に、種々の情報を配信する機能を有しており、また、各情報端末装置から入力された種々の情報を蓄積する機能を有している。
【0023】
本考案に係る病院内情報処理システムの特徴は、情報端末装置100〜300が、基本的に、個々の病室内のベッド上の入院患者によって操作される装置として設計されている点にある。現在、一般健常者が操作する情報端末装置としては、デスクトップパソコンやノートパソコンなどが広く利用されている。しかしながら、このような一般的な情報端末装置は、入院患者が利用するには不適切である。本考案の重要な特徴は、入院患者がベッド上で操作するのに適した独特な情報端末装置の構成にある。以下、本考案で用いる情報端末装置の基本構成を説明する。
【0024】
図2は、本考案に利用される情報端末装置100の基本構成を示す斜視図である。図示のとおり、この情報端末装置100は、ベッドBの近傍に設置して用いられ、その基本的な構成要素は、垂直アーム10、水平アーム20、物品収容庫30、ディスプレイ40、タッチパネル50、情報処理部60(図には現れていない)、情報通信部70である。
【0025】
垂直アーム10は、図示の例では、ベッドBの1本の脚部に沿って垂直に立ち上がるように固定された中空の金属パイプであるが、必ずしも脚部に固定する形態をとる必要はない。たとえば、ベッドBとは別体として、床に載置されたスタンドから垂直に立ち上がるような構造にしてもかまわない。要するに、垂直アーム10は、ベッドの外周部分もしくはその近傍から垂直に立ち上がるように支持されたアーム状の構造体であれば、どのような形態のものであってもかまわない。
【0026】
一方、水平アーム20は、垂直アーム10に対して水平に伸びるように連結されたアーム状の構造体である。後述するように、この水平アーム20は、物品収容庫30をいわゆる「片持ち梁の形式」で支持する必要があるため、ある程度の剛性をもった材料で構成する必要がある。この例では、垂直アーム10と同様に、中空の金属パイプによって水平アーム20を構成している。
【0027】
物品収容庫30は、水平アーム20の先端部に連結された箱状の構造体であり、内部に物品を収容するためのスペースが確保されている。図示の例では、物品収容庫30の上部が水平アーム20の先端部に接続され、宙吊りの状態で支持されているが、必ずしも上部を支持する形態をとる必要はない。ただ、実用上は、患者が物品の出し入れを行う際に、水平アーム20が邪魔にならないようにするため、図示のように、物品収容庫30の上部を支持する形態をとるのが好ましい。
【0028】
ディスプレイ装置40は、物品収容庫30に取り付けられた表示装置であり、図示の例では、平板状液晶ディスプレイから構成されている。ディスプレイ装置40は、必ずしも液晶ディスプレイにする必要はないが、実用上は、省スペースを実現するとともに、軽量化を図るために、平板状液晶ディスプレイを用いるのが好ましい。後述するように、ここに示す実施形態の場合、ディスプレイ装置40は、物品収容庫30に対して任意の角度に傾斜させることが可能であり、患者の見やすい状態に位置調節することができる。
【0029】
タッチパネル50は、ディスプレイ装置40の表示画面上に配置された平面型圧力検知装置であり、患者がディスプレイ装置40の表示画面上の任意の位置を指などで押した場合に、圧力変化を検出することにより、押された位置を検出する機能を有している。このような機能をもったタッチパネル50は、抵抗膜式や電磁誘導方式など種々のタイプのものが用いられている。もちろん、本考案では、タッチパネル50は、ディスプレイ装置40の表示画面上に配置する必要があるため、透明タイプのタッチパネルを用いるようにする。
【0030】
情報処理部60は、図には示されていないが、物品収容庫30内の所定箇所に格納された回路基板によって構成されており、CPU、メモリ、I/O回路などの基本回路要素を備えている。その基本機能は、情報通信部70を介して中央制御装置400から与えられた情報を、ディスプレイ装置40の表示画面上に表示させるとともに、タッチパネル50から与えられた指示を、情報通信部70を介して中央制御装置400に伝達する処理を行うことである。このような基本機能は、メモリ内に組み込まれたソフトウエアによって実現されることになる。
【0031】
情報通信部70は、中央制御装置400に対する物理的な情報通信を行う手段であり、この例では、情報処理部60と中央制御装置400との間を電気的に接続するネットワークケーブルによって、情報通信部70が構成されている。もちろん、実用上は、情報通信部70は、単なるケーブルだけではなく、各部におけるコネクタ、ネットワークハブ、必要に応じてルータなどのネットワーク配線要素を含んだ構成となるのが一般的である。図示の例では、情報通信部70を構成するネットワークケーブルは、垂直アーム10および水平アーム20の内部を通って、物品収容庫30内の情報処理部60へと配線されている。前述したように、垂直アーム10および水平アーム20を金属パイプで構成しておけば、情報通信部70を構成するケーブルをパイプ内を通じて配線することができるので便利である。なお、情報通信部70は、必ずしも物理的なケーブルを用いた有線通信形態をとる必要はなく、場合によっては、無線通信形態をとるようにしてもかまわない。ただ、病院内という特殊な環境を考慮すると、無線通信設備は、各種医療機器の誤動作を招くおそれがあるので、図示の例のように、有線通信設備によって情報通信部70を構成するのが好ましい。
【0032】
本考案に係る情報端末装置100の特徴は、物品収容庫30の移動形態にある。すなわち、上述のような構成をもった情報端末装置100において、まず、水平アーム20は、垂直アーム10の軸心を回転軸として水平面に沿って回転可能となるように、垂直アーム10に対して連結されている。図示の例では、垂直アーム10と水平アーム20とは、関節連結具15を介して接続されている。この関節連結具15は、水平アーム20が、水平面に沿ってのみ回転可能となるように、自由度を制限した状態で連結する機能を有している。一方、物品収容庫30は、水平アーム20との連結部分を通る鉛直線を回転軸として水平面に沿って回転可能となるように、水平アーム20に対して連結されている。図示の例では、水平アーム20と物品収容庫30とは、関節連結具25を介して接続されている。この関節連結具25は、物品収容庫30が、水平面に沿ってのみ回転可能となるように、自由度を制限した状態で連結する機能を有している。
【0033】
結局、水平アーム20は、関節連結具15による取り付け位置を中心として水平方向に回転し、物品収容庫30は、関節連結具25による取り付け位置を中心として水平方向に回転する構造となっているため、物品収容庫30は、所定の水平面に沿って、関節連結具25を中心とした自転運動と、関節連結具15を中心とした公転運動と、を行うことができる。
【0034】
たとえば、図2に示す状態において、物品収容庫30を180°だけ自転させれば、図3に示すような状態となる。垂直アーム10および水平アーム20の位置に変化はないが、物品収容庫30の正面が手前側に見える状態となっている。この例では、関節連結具25と物品収容庫30とは、シャフト26によって連結されており、物品収容庫30は、このシャフト26を中心軸として回転することができる。図示のとおり、物品収容庫30の正面には、物品を出し入れするための開口部31が形成されており、患者は、この開口部31から、任意の物品を出し入れすることができる。図示の例では、物品収容庫30内に間仕切りが設けられており、3つの収容空間が形成されているが、物品収容庫30内の構造は何ら限定されるものではなく、利用者の便宜を考慮して、任意の空間構成をとることができる。また、必要に応じて、開口部31に開閉式の扉や蓋を取り付けるようにしてもかまわないし、正面だけではなく、側面などにも補助開口部を設けるようにしてもかまわない。
【0035】
一方、図2に示す状態において、水平アーム20を移動させることにより、物品収容庫30を90°だけ公転させれば、図4に示すような状態となる。水平アーム20の位置が、ベッドBの長軸方向に沿った位置から短軸方向に沿った位置へと移動することになり、ベッドBの脇に配置されていた物品収容庫30が、頭部位置へと移動している。もちろん、この位置において、物品収容庫30を180°だけ自転させれば、ディスプレイ装置40側を手前側に向けることも可能である。
【0036】
このように、本考案に係る情報端末装置100では、その物理的な本体ともいうべき物品収容庫30を、限定的な自由度ではあるが、所望の位置に移動させることができ、所望の向きに向けることが可能になる。一般的には、図2に示す状態が、端末装置利用時の状態、図3に示す状態が、物品収容庫利用時の状態、図4に示す状態が、収容状態(利用していない状態)となる。もちろん、どのような状態でどのような機能を利用するかは、利用者である患者自身の意志により決めるべき事項であり、患者自身の容態や病室の間取りなどによっても左右されるべき事項である。
【0037】
なお、水平アーム20を回転させるときや、物品収容庫30を回転させるときには、ある程度の摩擦抵抗が作用するようにし、ある程度の力を加えない限り、物品収容庫30が一定の位置および向きを維持するようにするのが好ましい。ここに示す実施形態では、前述したとおり、水平アーム20および物品収容庫30は所定の水平面内においてのみ回転可能であるため、物品収容庫30の水平位置は移動中も必ず所定のレベルに維持されたままの状態になる。ベッドB上の患者が移動操作を行うことを考慮すると、このように物品収容庫30の移動の自由度を制限することは極めて有効である。物品収容庫30は、前述した公転運動と自転運動のみを行うだけであり、これらの運動以外は行わないので、予想外の位置へ移動するような事態を避けることができ、ベッドB上の患者に対する負担を大幅に軽減させることができる。
【0038】
もっとも、実用上は、関節連結具15の垂直アーム10に対する取り付け位置(別言すれば、水平アーム20あるいは物品収容庫30の高さ)を所定の方法(たとえば、ネジを緩めて関節連結具15を垂直アーム10に沿って移動させた後、ネジを固定するような方法)で調節できるようにしておくのが好ましい。この高さ調節は、通常、病院のスタッフによって行われる調節であり、ベッドBを利用する患者の身長や容態などを考慮して、最適な位置調節を行うようにするのが好ましい。
【0039】
図5は、物品収容庫30の具体例を示す側面図である。前述したように、ディスプレイ装置40は、平板状液晶ディスプレイから構成されているが、図5に示す例の場合、ディスプレイ装置40は、所定の回動軸41について回動自在となるように、物品収容庫30の背面32に取り付けられている。これは、ベッドB上の患者ができるだけ楽な姿勢で、ディスプレイ装置40の表示画面上に視線Eを向けられるようにするための配慮である。すなわち、回動軸41についてディスプレイ装置40を回動させることにより、ディスプレイ装置40を背面32に密着させた格納状態(図の角度θ=0°の状態)と、ディスプレイ装置40を背面32から起こした視聴状態(図のように、角度θをある程度とった状態)とを選択的にとることができるようにしておけば、この情報端末装置を利用しない場合あるいは単に物品収容庫30としてのみ利用する場合には、ディスプレイ装置40を格納状態として邪魔にならないように格納し、この情報端末装置を端末装置として利用する場合には、ディスプレイ装置40を任意の角度に起こして視聴状態とし、できるだけ利用しやすい向きに調節することができる。
【0040】
なお、ここに示す実施形態では、物品収容庫30の背面32にディスプレイ装置40を取り付けた例を示すが、もちろん、ディスプレイ装置40は、物品収容庫30の側面や下面に取り付けるようにしてもかまわない。また、回動軸41も、任意の面に、任意の向きに設けるようにしてかまわない。
【0041】
また、図5には、物品収容庫30の側面に、鏡33およびスピーカー42を取り付けた例が示されている。鏡33は、患者の姿見としての便宜を図るためのものであり、スピーカー42は、ディスプレイ装置40に提示されている映像に伴って、音声を提供する際の便宜を図るためのものである。もちろん、これらは、本考案を実施する上で必須の構成要素ではないので、必要に応じて設けるようにすればよい。また、スピーカーの代わりに、イヤホンやヘッドホンを接続するためのコネクタを設けておき、必要に応じて、イヤホンやヘッドホンを接続して用いるようにしてもよい。
【0042】
なお、図5に一点鎖線で示す鉛直線Vは、シャフト26の軸芯を示すものであり、物品収容庫30の自転軸に相当するものである。患者は、この自転軸に沿って物品収容庫30を自転させることにより、開口部31を手前に向けて物品の出し入れを行ったり、鏡33を手前に向けて身だしなみを整えたり、ディスプレイ装置40を手前に向けて端末装置としての本来の利用を行ったりすることが可能になる。
【0043】
図5に示す実施形態では、更に、物品収容庫30の底面に患者検知センサ80が取り付けられている。この患者検知センサ80は、ベッドB上の入院患者の存在を検知する機能を有しており、この検知結果は、情報処理部60および情報通信部70を介して、中央制御装置400に対して報告される。図1に示すシステムの場合、この報告結果を、中央制御装置400からナースステーション4に設置された情報端末装置500まで報知するようにすれば、ナースステーション4に待機している看護士に、個々の病室のベッド上の患者の有無を知らせることができる。この機能は、入院患者がベッドから床へ誤って転落してしまったような事故が発生した場合に、看護士に直ちに事故発生を報知する上で極めて有用である。
【0044】
患者検知センサ80は、ベッド上の患者の有無を検知することができればよいので、たとえば、赤外線センサ装置などを用いれば十分である。患者のプライバシー保護の見地からは、あまり解像度の高い検知結果が得られる高精度のセンサの使用は、むしろ避けた方が好ましい。もっとも、物品収容庫30は、前述したように、自由度は高くはないものの、所定の範囲で移動させることが可能であり、移動により、患者検知センサ80とベッド上の患者との相対的な位置関係も変化することになる。
【0045】
そこで、実用上は、患者検知センサ80の検知方向および検知角度範囲を、物品収容庫30の水平アーム20に対する回転位置および水平アーム20の垂直アーム10に対する回転位置に応じて変化させるようにするのが好ましい。たとえば、物品収容庫30が図2に示す位置および向きにある場合なら、図5に示す患者検知センサ80の検知方向が、図の左方向(ディスプレイ装置40のある方向)となるようにし、物品収容庫30が図3に示す位置および向きにある場合なら、図5に示す患者検知センサ80の検知方向が、図の右方向(開口部31のある方向)となるようにすれば、効率的な検知が可能になる。また、物品収容庫30が図4に示す位置および向きにある場合なら、図5に示す患者検知センサ80の検知方向は、やはり図の右方向(開口部31のある方向)となるようにする。ただし、図3に示す状態では、ベッド上の患者を横方向から検知するのに対して、図4に示す状態では、ベッド上の患者を縦方向から検知することになる。したがって、図3に示す状態では、ある程度検知角度範囲を広く設定した方がよいが、図4に示す状態では、検知角度範囲を若干狭くした方が効率的である。
【0046】
このように、患者検知センサ80と患者との相対的な位置関係は、物品収容庫30の水平アーム20に対する回転位置と、水平アーム20の垂直アーム10に対する回転位置とによって定まるので、これらの各回転位置に応じて、患者検知センサ80の検知方向および検知角度範囲を変化させるようにすれば、効率的な検知が可能になる。なお、上記各回転位置は、関節連結具15,25に、ロータリエンコーダを組み込んでおけば、電気信号として検出することが可能であるので、情報処理部60による演算処理により、患者検知センサ80の検知方向および検知角度範囲を最適に設定することが可能である。
【0047】
続いて、図2に示す構成からなる情報端末装置100について、その本来の利用形態を具体例に即して説明する。この情報端末装置100は、前述したとおり、ベッドBの上の患者が操作するのに適した構造を有しており、ディスプレイ装置40、スピーカー42、タッチパネル50が、患者との間のインターフェイスとして機能する。すなわち、患者に対する情報の提供は、ディスプレイ装置40の画面上に所定の表示を行うとともに、スピーカー42から音声を発生させることにより行われ、患者からの入力指示は、ディスプレイ装置40の画面上の所定位置を、指などで触れてもらうようにし、患者の触れた位置をタッチパネル50によって検出することにより行われる。もちろん、患者が触れた位置を、意味のある指示入力として認識するためには、ディスプレイ装置40の画面上の表示内容とタッチパネル50の検出位置とを連携処理するためのソフトウエアが必要である。
【0048】
このように、情報端末装置100には、患者に対する画像や音声の提示機能と、患者からの指示入力を認識する機能とが備わっているので、物品収容庫30内に組み込まれた情報処理部60に用意される処理機能や、中央制御装置400に用意される処理機能に応じて、様々な用途に利用することが可能である。以下、具体的な利用例をいくつか述べることにする。
【0049】
情報端末装置100の最も代表的な用途は、テレビ番組の視聴である。上述したとおり、物品収容庫30には、スピーカー42(もしくは、イヤホンやヘッドホンを接続して音声を発生させる装置)が組み込まれているので、中央制御装置400から情報通信部70を介してテレビ放送(画像および音声のデータ)を配信するようにすれば、配信された画像および音声をディスプレイ装置40およびスピーカー42によって、患者に提示することができる。テレビチャンネルの切替や音量の調節操作は、タッチパネル50を利用して行うことができるようにしておけばよい。たとえば、タッチパネル50のいずれかの箇所を触れると、チャンネル切替ボタンや音量調節ボタンが画面上に表示されるようにしておき、患者が指でどのボタンを触れたかを検出することにより、患者の指示入力を認識し、チャンネル切替や音量調節を行う機能を、情報処理部60もしくは中央制御装置400に用意しておけばよい。
【0050】
なお、中央制御装置400から配信する情報は、テレビ放送に限定されるものではなく、任意のビデオ番組を配信することも可能である。たとえば、病院の設備などをビデオで紹介する院内案内放送を配信してもかまわない。また、テレビ電話としての利用に必要な情報を配信することもできる。この場合、ディスプレイ装置40に小型のマイクおよびビデオカメラを組み込んでおくようにし、患者の音声および容姿を、通話の相手先へ送信できるようにしておけばよい。
【0051】
情報端末装置100が病室内で利用されることを考慮すると、病室内の設備を制御するための操作ターミナルとして利用することもできる。たとえば、図1に示すシステムにおいて、各病室1,2,3のそれぞれについて、照明の点灯/消灯/調光制御、ブラインドの開閉制御、エアコンの調節制御、といった室内制御を、中央制御装置400から実行できるような環境を整えておけば(図1には示されていないが、中央制御装置400と各室内設備との間に、制御用の配線を行う必要がある)、各病室の患者は、情報端末装置を操作することによって、室内設備の制御を行うことが可能になる。たとえば、病室1の患者が、情報端末装置100を操作して、部屋の消灯指示を与えたとすると、中央制御装置400によって、当該指示が認識され、病室1の照明器具を消灯させるための制御信号が発せられることになる。もちろん、このような制御は、ナースステーション4に設置された情報端末装置500からも実行させることが可能である。
【0052】
あるいは、情報端末装置100に、ナースステーションの呼出制御を行う機能をもたせることも可能である。現在、病室のベッドには、緊急時に患者自身が看護士を呼び出すためのボタン(いわゆるナースコールボタン)が設置されているが、このボタンをディスプレイ装置40の画面上に表示し、タッチパネル50から与えられた指示に基づいて、このボタンが押されたことを認識し、ナースステーションの呼出を行ってもよい。もちろん、このナースコールボタンを、ディスプレイ装置40の画面上に表示された仮想ボタンとして用意する代わりに、物品収容庫30の一部に物理的に取り付けられた実際のボタンとして用意することもできる。
【0053】
この他にも、情報端末装置100には、中央制御装置400と情報のやり取りを行うことにより、様々な機能をもたせることができる。上述したテレビやビデオ放送の配信、テレビ電話機能の提供、室内制御やナースコール機能の実現など、様々な用途に利用する上では、中央制御装置400を、サーバコンピュータとしておき、情報端末装置100,200,300を、このサーバコンピュータ400に接続されたクライアントコンピュータとしておくのが現実的である。中央制御装置400と情報端末装置100,200,300との間を、高速なネットワーク回線によって接続しておくようにすれば、テレビ番組などの動画の配信も十分な速度で対応することができる。
【0054】
図6は、提供するサービスを更に拡充したシステムにおけるメニュー画面の一例を示す図であり、患者がディスプレイ装置40に設けられたスイッチをONにすると、最初に画面に現れる表示を示している。この例では、9個のボタンが表示されており、患者が所望のボタンに触れると、特定のサービスの提供を受けることができる。
【0055】
たとえば、「テレビ」ボタンに触れると、テレビ放送を視聴することができるようになり、画面表示は、図示のメニュー表示からテレビ放送の画面に切り替わる。切替可能なチャンネルに、実際のテレビ放送の他、院内案内放送などを割り当てておけば、前述したように、ビデオ情報として用意した任意の案内放送を提示することもできる。また、「テレビ電話」ボタンに触れると、テレビ電話のモードに切り替わり、画面上には、電話番号入力用の数字などが表示されるので、患者は所望の相手先にテレビ電話をかけることができる。この場合、物品収容庫30もしくはディスプレイ装置40に、マイクやビデオカメラを組み込んでおくことは既に述べたとおりである。
【0056】
「インターネット」ボタンは、この情報端末装置100をWebブラウザとして機能させるためのボタンである。予め情報処理部60内に、Webブラウザ用のアプリケーションソフトウエアを組み込んでおき、これを起動するようにすれば、中央制御装置400を介してインターネットに接続し、任意のWebページへのアクセスが可能になる。中央制御装置400との間のネットワーク回線接続を、TCP/IPプロトコルに基づいて行っておけば、中央制御装置400にルータとしての機能をもたせておくだけで、情報端末装置100をインターネットの端末装置として利用することができる。もちろん、電子メール送受信用のアプリケーションソフトウエアを用意しておけば、電子メールにも対応することができる。
【0057】
「室内制御」ボタンは、前述したように、病室内の照明の点灯/消灯/調光制御、ブラインドの開閉制御、エアコンの調節制御、といった室内制御操作を行うためのボタンである。このボタンに触れると、画面上には、個々の制御操作のための制御ボタンが表示されるようになり、患者は所望の制御ボタンに触れることにより指示入力を行うことができる。この指示入力は、中央制御装置400によって認識され、指示どおりの室内制御が実行されることは、既に述べたとおりである。
【0058】
「ナースコール」ボタンは、ナースステーションを呼び出すためのボタンであり、患者がこのボタンに触れると、中央制御装置400を介して、ナースステーション4内の情報端末装置500にその旨が報知される。ナースステーション4に待機している看護士は、どの病室から呼出しがあったのかを直ちに認識することができる。
【0059】
「献立案内」ボタンは、病院内で提供される食事の献立を患者に伝えるためのサービスを受けるボタンである。このサービスを提供するためには、調理師や栄養士といった病院側のスタッフが、予め中央制御装置400内に献立情報を入力する作業を行っておく必要がある。献立案内情報としては、献立の内容、摂取カロリー、栄養バランスなど、を提供することができる。
【0060】
「売店情報」ボタンは、院内売店で販売されている商品に関する商品情報(商品名、商品内容、価格など)を得るサービスを受けるためのボタンである。このサービスを提供するためには、売店のスタッフが、予め中央制御装置400内に商品情報を入力する作業を行っておく必要がある。患者が「売店情報」ボタンに触れると、中央制御装置400内に格納されている商品情報が、ディスプレイ装置40の画面上に表示されることになる。商品数が多い場合には、検索機能をもたせるようにしてもよい。また、実用上は、単に商品情報の表示を行うだけでなく、患者が希望する場合には、このディスプレイ装置40の画面上で、タッチパネル50から与えられた指示に基づいて、商品販売処理が行われるようにしておくのが好ましい。
【0061】
たとえば、患者が、ディスプレイ装置40の画面上に表示されている商品リストの中から、購入希望の商品に触れることによりこれを選び、更に、購入ボタンに触れた場合には、当該商品に対して当該患者が購入の意志表示を行った旨の情報が中央制御装置400を介して、売店に設置された情報端末装置へと伝送されるようにしておけばよい。売店のスタッフが、この情報に基づいて、購入対象となる商品を当該患者の病室まで届けるサービスを行えば、患者は病室に居ながらにして、所望の商品を入手することができるようになる。また、中央制御装置400に、患者が商品を購入するたびに、患者名、購入日、購入商品名、価格などのデータを蓄積する機能をもたせておけば、患者は退院時に代金の精算を行うことができる。
【0062】
「入院費決済」ボタンは、患者が病室に居ながらにして、入院費の支払手続を行うサービスを受けるためのボタンである。このサービスを提供するためには、中央制御装置400内に、各患者ごとにかかった医療費の情報を蓄積する機能をもたせておく必要がある。もちろん、このような会計処理を行うための既存の院内会計システムが既に稼働している場合には、そのような院内会計システムと中央制御装置400とを連携させるようにすればよい。従来、患者が退院する場合、院内の会計課まで出向いてゆき、会計課の窓口を介して入院費の支払いなどの決済手続を行っていたが、本考案を利用すれば、病室内の情報端末装置100を操作することにより、決済手続を行うことができるようになる。
【0063】
具体的には、「入院費決済」ボタンが押された場合、まず、当該患者について蓄積されていた医療費の情報が、中央制御装置400から情報端末装置100へと送信され、ディスプレイ装置40の画面上にリストとして表示されるようにすればよい。患者が、このリストに掲載された項目や金額を確認した上で、たとえば「確認」ボタンを押すと、支払の意志表示がなされるようにしておけばよい。前述したインターネットへの接続機能を利用して、実際の決済を、クレジットカードによる支払や銀行振替によって行うこともできるようにしておけば、現金の受け渡しも不要になり、退院時の手続をすべて病室で済ませることが可能になる。
【0064】
以上、患者自身の操作により、患者自身が受けることができるサービスを列挙したが、本考案に係る情報端末装置100の機能を更に拡張すれば、病院側のスタッフに対しても便利な機能を提供することも可能である。図6の「STAFF ONLY」ボタンは、このような病院スタッフに対するサービスを提供するためのボタンである。このボタンを押すと、たとえば、図7に示すようなメニューが表示されることになる。このメニューは、あくまでもスタッフ用のメニューであるから、実用上は、このメニューを表示させるために、スタッフ用パスワードの入力を要求するような仕様にしておくのが好ましい。以下、このスタッフ用メニューによって提供されるサービスについて説明する。
【0065】
まず、「医療物品使用情報の入力」ボタンを押すと、タッチパネル50を利用した操作により、病床で使用した医療物品の品名および数量を示す物品データを入力する作業を行うことができるようになり、この作業で入力された物品データは、中央制御装置400によって収集され、データベースとして管理されるようになる。病床では、看護士などのスタッフにより、入院患者に対して様々な処置が行われることも少なくない。このような処置を行う際には、様々な医療物品が使用される。このような場合、従来は、看護士などのスタッフが、病室で使用した医療物品の品名や数量をカルテなどに記入する作業を行って、使用物品の記録を残していた。院内の会計課は、必要に応じて、このカルテに記録された情報を拾い出し、入院費への計上処理を行うことになる。本考案に係る情報端末装置100を用いれば、「医療物品使用情報の入力」ボタンを押すことにより、使用物品の記録作業をディスプレイ装置40の画面上で行うことができるようになる。
【0066】
具体的には、「医療物品使用情報の入力」ボタンを押すことにより、使用対象となる物品リストがディスプレイ装置40の画面上に表示されるようにしておけばよい。看護士などのスタッフは、病床での処置に用いた物品を、表示画面上のリストから選び、数量などの情報を入力する作業を行えばよい。たとえば、ガーゼ3枚、注射器2本を処置に用いた場合、画面上のリスト上で、ガーゼ、数量3、注射器、数量2といった項目を指で触れる操作を行うようにすればよい。患者名や日付などは、システム側で自動的に入力することができる。こうして入力した物品データは、中央制御装置400へと送信されて管理される。中央制御装置400には、各病室内の情報端末装置100から入力された物品データが集まるので、これをデータベースの形式で、各患者ごとに管理する機能をもたせておけばよい。院内の会計処理では、必要に応じて、このデータベースから所望の物品データを読み出して利用することができる。
【0067】
一方、図7に示す「医療検査データの入力」ボタンを押すと、タッチパネル50を利用した操作により、入院患者に関する医療検査データを入力する作業を行うことができるようになり、この作業で入力された医療検査データは、中央制御装置400によって収集され、データベースとして管理されるようになる。病床では、看護士などのスタッフにより、入院患者に関して血圧、脈拍、体温などの測定が行われることも少なくない。従来は、看護士などのスタッフが、これらの医療検査データをカルテなどに記入する作業を行って記録を残していた。本考案に係る情報端末装置100を用いれば、「医療検査データの入力」ボタンを押すことにより、これらの検査データの入力をディスプレイ装置40の画面上で行うことができるようになる。
【0068】
具体的には、「医療検査データの入力」ボタンを押すことにより、血圧、脈拍、体温などのデータ入力欄と数字ボタンが、ディスプレイ装置40の画面上に表示され、看護士などのスタッフが、数字ボタンを押しながら、測定結果を各欄に入力できるようにしておけばよい。もちろん、患者名や日付などは、システム側で自動的に入力することができる。こうして入力した医療検査データは、中央制御装置400へと送信されて管理される。中央制御装置400には、各病室内の情報端末装置100から入力された医療検査データが集まるので、これをデータベースの形式で、各患者ごとに管理する機能をもたせておけばよい。
【0069】
なお、物品収容庫30の側面などに、血圧計や電子体温計などの医療機器と直接信号のやりとりを行うためのコネクタを取り付けておき、測定を行う際には、血圧計や電子体温計などを信号ケーブルによってこのコネクタに接続し、測定結果を示すデータを、電気信号のまま直接情報処理部60に取り込むことができるようにしておくことも可能である。このように、外部の医療機器を直接接続できるようにしておけば、看護士などのスタッフが、タッチパネル50から手作業による入力を行うことなしに、入院患者に関する医療検査データを自動的に入力することができるようになる。
【0070】
図7に示す「患者データの表示」ボタンは、中央制御装置400内にデータベースとして蓄積されている各入院患者に関する個人データ、医療検査データ、使用薬剤データ、物品データなどを、ディスプレイ装置40の画面上に表示させるためのボタンである。したがって、この機能を利用するためには、予め表示対象となる患者データが、中央制御装置400内に蓄積されている必要がある。患者の氏名、年齢、性別などの個人データは、初診時に、病院側の事務スタッフにより、事務用情報端末装置を用いて入力しておくことができ、医療検査データや使用薬剤データなどは、診察や検査をおこなうたびに医療スタッフによって入力することができる。
【0071】
図8は、中央制御装置400内に蓄積された患者データ(個人データ、医療検査データ、使用薬剤データ、物品データ)の簡単な例を示す図である。たとえば、○山○夫なる患者が病室1に入院していた場合、この病室1に設置された情報端末装置100を用いて、患者データの表示を実施した場合、図8の第1欄に掲載された○山○夫なる患者のデータが中央制御装置400内のデータベースから抽出され、情報端末装置100のディスプレイ装置40の画面上に表示されることになる。看護士などのスタッフは、このような表示情報に基づいて、患者本人の個人データ、医療検査データ、使用薬剤データなどを確認することができるので、誤った薬を投与するなどの投薬ミスの発生を防ぐことができる。
【0072】
なお、図7に示す「メニューへ戻る」ボタンは、図6に示すメニュー画面へと復帰するためのボタンであり、病院スタッフによる操作が完了した場合には、このボタンを押すことにより、スタッフ専用のモードから患者用モードへと復帰することができる。
【0073】
以上、本考案を図示する実施形態に基づいて説明したが、本考案はここで述べた実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の形態で実施可能である。たとえば、タッチパネル50に触れる操作を行うことが困難と思われる患者については、別体の赤外線リモコン装置などを手にもたせ、タッチパネル50の代わりに、このリモコン装置を用いて操作を行わせるような形態をとってもよい。
【0074】
【考案の効果】
以上のとおり、本考案によれば、入院患者に対して、十分なサービスの提供を行うことが可能な病院内情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る病院内情報処理システムの基本概念を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムにおける病室1内の情報端末装置100を、本来の情報端末装置として利用する際の形態を示す斜視図である。
【図3】図2に示す情報端末装置100を物品収容庫30として利用する際の形態を示す斜視図である。
【図4】図2に示す情報端末装置100をベッド頭部の壁面に収容した状態を示す斜視図である。
【図5】図2〜図4に示す物品収容庫30の具体例を示す側面図である。
【図6】図5に示すディスプレイ装置40に表示される患者用メニュー画面の一例を示す図である。
【図7】図5に示すディスプレイ装置40に表示されるスタッフ用メニュー画面の一例を示す図である。
【図8】図1に示す中央制御装置400内に蓄積される患者データの一例を示す図である。
【符号の説明】
1〜3…病室
4…ナースステーション
10…垂直アーム
15…関節連結具
20…水平アーム
25…関節連結具
26…シャフト
30…物品収容庫
31…開口部
32…物品収容庫の背面
33…鏡
40…ディスプレイ装置
41…回動軸
42…スピーカー
50…タッチパネル
60…情報処理部
70…情報通信部(ネットワークケーブル)
80…患者検知センサ
100,200,300…病室用の情報端末装置
400…中央制御装置
500…ナースステーション用の情報端末装置
B…ベッド
E…患者の視線
V…鉛直線(シャフト26の軸芯)
θ…傾斜角度
Claims (15)
- 個々の病室内のベッド上の入院患者が操作するための情報端末装置と、各情報端末装置に対する情報のやり取りを行う中央制御装置と、を備え、
前記情報端末装置は、
ベッドの外周部分もしくはその近傍から垂直に立ち上がるように支持された垂直アームと、
前記垂直アームに対して水平に伸びるように連結された水平アームと、
前記水平アームの先端部に連結された物品収容庫と、
前記物品収容庫に取り付けられたディスプレイ装置と、
前記ディスプレイ装置の表示画面上に配置されたタッチパネルと、
前記中央制御装置に対する情報通信を行う情報通信部と、
前記情報通信部を介して前記中央制御装置から与えられた情報を、前記ディスプレイ装置の表示画面上に表示させるとともに、前記タッチパネルから与えられた指示を、前記情報通信部を介して前記中央制御装置に伝達する処理を行う情報処理部と、
によって構成されており、
前記水平アームは、前記垂直アームの軸心を回転軸として水平面に沿って回転可能となるように、前記垂直アームに対して連結されており、
前記物品収容庫は、前記水平アームとの連結部分を通る鉛直線を回転軸として水平面に沿って回転可能となるように、前記水平アームに対して連結されており、
前記物品収容庫の少なくとも正面には、物品を出し入れするための開口部が形成されており、前記物品収容庫の側面、背面もしくは下面に、前記ディスプレイ装置が取り付けられていることを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項1に記載のシステムにおいて、
水平アームは、水平面に沿ってのみ回転可能となるような関節連結具を介して垂直アームに連結されており、物品収容庫は、水平面に沿ってのみ回転可能となるような関節連結具を介して水平アームに連結されていることを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項1または2に記載のシステムにおいて、
ディスプレイ装置が平板状液晶ディスプレイから構成されており、所定の回動軸について回動自在となるように、物品収容庫の所定面に取り付けられており、前記回動軸について前記ディスプレイ装置を回動させることにより、前記ディスプレイ装置を前記所定面に密着させた格納状態と、前記ディスプレイ装置を前記所定面から起こした視聴状態と、を選択的にとることができるように構成されていることを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のシステムにおいて、
情報端末装置が、音声発生装置を備えており、
中央制御装置が、情報端末装置に対して、画像および音声のデータを配信する機能を有し、
情報端末装置が、配信された画像および音声をディスプレイ装置および音声発生装置によって提示する機能を有することを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項4に記載のシステムにおいて、
中央制御装置が、テレビ放送、院内案内放送、もしくはテレビ電話情報を配信する機能を有することを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のシステムにおいて、
中央制御装置が、照明の点灯/消灯/調光制御、ブラインドの開閉制御、エアコンの調節制御、もしくはナースステーションの呼出制御を行う機能を有し、タッチパネルから与えられた指示に基づいて、これら各制御が実行されるようにしたことを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のシステムにおいて、
中央制御装置が、サーバコンピュータとしての機能を有し、
情報端末装置が、前記サーバコンピュータに接続されたクライアントコンピュータとしての機能を有することを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項7に記載のシステムにおいて、
中央制御装置が、情報端末装置に対して、病室内で提供される食事の献立案内情報を配信する機能を有することを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項7に記載のシステムにおいて、
中央制御装置が、情報端末装置に対して、院内売店の商品情報を配信するとともに、タッチパネルから与えられた指示に基づいて、商品販売処理を実行する機能を有することを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項7に記載のシステムにおいて、
中央制御装置が、情報端末装置に対して、入院費支払に関する情報を配信するとともに、タッチパネルから与えられた指示に基づいて、入院費決済処理を実行する機能を有することを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項7に記載のシステムにおいて、
情報端末装置に、タッチパネルを利用した操作により、病床で使用した医療物品の品名および数量を示す物品データを入力する機能をもたせ、
中央制御装置に、各情報端末装置から入力された前記物品データを収集して管理する機能をもたせたことを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項7に記載のシステムにおいて、
情報端末装置に、タッチパネルを利用した操作により、もしくは、医療機器を直接接続することにより、入院患者に関する医療検査データを入力する機能をもたせ、
中央制御装置に、各情報端末装置から入力された前記医療検査データを収集して管理する機能をもたせたことを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項7に記載のシステムにおいて、
中央制御装置に、各入院患者に関する個人データ、医療検査データ、もしくは使用薬剤データを蓄積する機能をもたせ、
情報端末装置に、必要に応じて、該当する入院患者に関する個人データ、医療検査データ、もしくは使用薬剤データを前記中央制御装置から取得して表示させる機能をもたせたことを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項1〜13のいずれかに記載のシステムにおいて、
情報端末装置に、ベッド上の入院患者の存在を検知する患者検知センサを設け、検知結果を中央制御装置に対して報告する機能を設けたことを特徴とする病院内情報処理システム。 - 請求項14に記載のシステムにおいて、
患者検知センサの検知方向および検知角度範囲を、物品収容庫の水平アームに対する回転位置および水平アームの垂直アームに対する回転位置に応じて変化させるようにしたことを特徴とする病院内情報処理システム。
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