JP3097158U - 放射温度計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射温度計のハウジング2の表面に、該ハウジング2の前端に設けられた入射窓3から入射した熱放射エネルギーの強度を検出する赤外線センサのセンシング視野角を仮想表示するマーカー9が形成されている。
【選択図】 図1
Description
【考案の属する技術分野】
本考案は、被測定物から放出される熱放射エネルギーの強度を赤外線センサで検出して被測定物の表面温度を測定する放射温度計に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射温度計は、ハウジングの前端に、熱放射エネルギーの入射窓が設けられ、ハウジングの内部に、入射窓から入射した熱放射エネルギーを効率良く集光するレンズや凹面鏡、絞り、光フィルター等の光学系と、該光学系で集光された熱放射エネルギーをその強度に応じた電気信号に変換するサーモパイル等の赤外線センサと、該赤外線センサから出力される電気信号に基づいて温度を算定し、その算定温度を液晶パネルで成る温度表示部に表示させる電気系等が設けられたものが一般的である。
【0003】そして、放射温度計を使用する際は、これを片手で持って、ハウジングの前端に設けられた入射窓を被測定物の測定ポイントに向けた状態とし、その状態でハウジングに設けられた測定キーあるいはハウジングと一体成形したグリップに取り付けられた測定用トリガースイッチ等を指先で押すようになっているが、測定距離が離れていると、入射窓を被測定物の測定ポイントに向けたつもりでも、実際には入射窓が測定ポイントに指向しておらず、その測定ポイントが赤外線センサのセンシング視野角から外れるいわゆる視野ずれを生じて正確な温度を測定することができないおそれがある。
【0004】このおそれを解消するために、被測定物にレーザ光による標的マークを付けて、入射窓を被測定物の測定ポイントに正確に指向させることにより、その測定ポイントが赤外線センサのセンシング視野角から外れることを防止するレーザ・マーカー装置を備えた放射温度計もある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、レーザ・マーカー装置は非常に高価なものであるから、これを備えた放射温度計は、その製品価格が著しく高いものとなっていた。また、レーザ・マーカー装置を装備した放射温度計は、大型化するので携帯にも不便であった。
【0006】そこで本考案は、高価なレーザ・マーカー装置を装備しなくとも、入射窓を被測定物の測定ポイントに指向させて、その測定ポイントが赤外線センサのセンシング視野角から外れることを確実に防止できる安価で簡易小型な放射温度計を提供することを技術的課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案は、被測定物から放出される熱放射エネルギーの強度を赤外線センサで検出して被測定物の表面温度を測定する放射温度計において、前端に熱放射エネルギーの入射窓が設けられたハウジングの表面に、その入射窓から入射した熱放射エネルギーの強度を検出する赤外線センサのセンシング視野角を仮想表示するマーカーが形成されていることを特徴とする。
【0008】本考案の放射温度計は、ハウジングの表面に形成されたマーカーを照準として、ハウジングの前端に設けられた入射窓を被測定物の方向に向けると共に、被測定物の測定ポイントをマーカー越しに見て、その測定ポイントがマーカーによって仮想表示される赤外線センサのセンシング視野角の角度範囲内に入るように向きを調整すれば、被測定物の測定ポイントから放出される熱放射エネルギーが入射窓に入射されることとなり、その熱放射エネルギーの強度を赤外線センサで確実に検出することができるので、レーザ・マーカー装置を装備していなくても、温度の測定精度が非常に良い。
【0009】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施形態を図面によって具体的に説明する。
図1は本考案に係る放射温度計の一例を示す斜視図、図2はその放射温度計の作用を示す図、図3は本考案に係る放射温度計の他の例を示す斜視図である。
【0010】図1の放射温度計1は、扁平な角箱形のプラスチックケースで成るハウジング2の前端に、熱放射エネルギーの入射窓3が設けられ、そのハウジング2の表面に、液晶パネルで成る温度表示部4と、測定キー6や電源キー7等を有する操作パネル5が設けられると共に、入射窓3から入射した熱放射エネルギーの強度を検出する赤外線センサ8のセンシング視野角θ(図2参照)を仮想表示するマーカー9が形成されている。なお、マーカー9は、ハウジング2を成形する際にその表面に設けられたセンシング視野角θの角度範囲を表わす逆台形の凸部によって形成されている。
【0011】また、図示は省略するが、ハウジング2内には、入射窓3から入射した熱放射エネルギーを集光する集光器等の光学系と、集光器で集光された熱放射エネルギーをその強度に応じた電気信号に変換する赤外線センサ8と、該赤外線センサ8から出力される電気信号に基づいて温度を算定し、その算定温度を温度表示部4に表示させる電気系等が設けられている。
【0012】しかして、放射温度計1を使用する際は、これを片手で持って、ハウジング2の表面に形成されたマーカー9を照準として、ハウジング2の前端に設けられた入射窓3を被測定物11の方向に向けると共に、被測定物11の測定ポイントPをマーカー9越しに見て、その測定ポイントPをマーカー9によって仮想表示される赤外線センサ8のセンシング視野角θの範囲内に入れるようにする。
【0013】これにより、放射温度計1の入射窓3が被測定物11の測定ポイントPに指向せられて、その測定ポイントPが赤外線センサ8のセンシング視野角θの角度範囲内に捕捉された状態となる。
【0014】この状態で、ハウジング2の表面に設けられた測定キー6を指先で押せば、被測定物11の測定ポイントPから放出される熱放射エネルギーが入射窓3に入射されてそのエネルギー強度を赤外線センサ8によって確実に検出することができるので、測定精度が著しく向上する。
【0015】次に、図3の放射温度計21は、コンピュータ・マウスに似た形状のプラスチックケースで成るハウジング22の前端に、熱放射エネルギーの入射窓23が設けられ、そのハウジング22の表面に、液晶パネルで成る温度表示部24と、測定キー26が設けられると共に、入射窓23から入射した熱放射エネルギーの強度を検出する赤外線センサのセンシング視野角を仮想表示するマーカー29が形成されている。
【0016】マーカー29は、ハウジング22の地色と異なる色彩を呈する印刷インク又は接着シールによって、赤外線センサ8のセンシング視野角θの角度線(図2の破線参照)を表すV字形の線図もしくは逆三角形の線図に形成されたものである。
【0017】しかして、放射温度計21は、ハウジング22の前端に設けられた入射窓23を被測定物の方向に向けると共に、被測定物の測定ポイントをハウジング22の表面に形成されたマーカー29越しに見て、その測定ポイントをマーカー29が表すV字形もしくは逆三角形の角度範囲内に入れるようにすれば、入射窓23が被測定物の測定ポイントに指向せられると同時に、その測定ポイントが赤外線センサのセンシング視野角の範囲内に捕捉された状態となるので、この状態で、ハウジング22の表面に設けられた測定キー26を指先で押せば、被測定物の測定ポイントから放出される熱放射エネルギーが入射窓23に入射されてそのエネルギー強度を赤外線センサで確実に検出することができる。
【0018】なお、ハウジングの表面に形成するマーカーは、上記の如く印刷インク又は接着シールによって形成されたものや、ハウジングの表面に凸部を設けて形成されたものに限らず、例えばハウジングの表面に赤外線センサのセンシング視野角の角度線を表す溝などの凹部を設けて形成されるものであってもよく、また、形状も、逆台形や、V字形、逆三角形に限らず、逆ハの字形等であってもよく、要するに赤外線センサのセンシング視野角を仮想表示するものであればよい。
【0019】
【考案の効果】
本考案によれば、高価なレーザ・マーカー装置を装備しない安価で簡易小型な放射温度計であっても、ハウジングの前端に設けられた入射窓を被測定物の測定ポイントに正確に指向させて、その測定ポイントから放出される熱放射エネルギーの強度を赤外線センサで確実に検出することができるので、温度の測定精度が非常に良いという大変優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る放射温度計の一例を示す斜視図
【図2】本考案に係る放射温度計の作用を示す図
【図3】本考案に係る放射温度計の他の例を示す斜視図
【符号の説明】
1………………放射温度計
2………………ハウジング
3………………入射窓
4………………温度表示部
6………………測定キー
8………………赤外線センサ
θ………………赤外線センサのセンシング視野角
9………………マーカー
11………………被測定物
P………………被測定物の測定ポイント
21………………放射温度計
22………………ハウジング
23………………入射窓
24………………温度表示部
26………………測定キー
29………………マーカー
Claims (3)
- 被測定物から放出される熱放射エネルギーの強度を赤外線センサで検出して被測定物の表面温度を測定する放射温度計において、前端に熱放射エネルギーの入射窓が設けられたハウジングの表面に、その入射窓から入射した熱放射エネルギーの強度を検出する赤外線センサのセンシング視野角を仮想表示するマーカーが形成されていることを特徴とする放射温度計。
- 前記マーカーが、前記ハウジングの地色と異なる色彩を呈する印刷インク又は接着シールによって形成されている請求項1記載の放射温度計。
- 前記マーカーが、前記ハウジングの表面に設けた凸部又は凹部によって形成されている請求項1記載の放射温度計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003002070U JP3097158U (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 放射温度計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003002070U JP3097158U (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 放射温度計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3097158U true JP3097158U (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=43250983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003002070U Expired - Lifetime JP3097158U (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 放射温度計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3097158U (ja) |
-
2003
- 2003-04-15 JP JP2003002070U patent/JP3097158U/ja not_active Expired - Lifetime
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