JP3096693U - 広告付き建築物及びその分譲販売システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的に分譲物件を販売可能な広告付き建築
物を提供する。 【解決手段】 分譲販売可能な建築物の少なくとも外側
面全体又は一部の主として平面部分を外広告面となし、
前記外広告面に統一性のある広告を付す。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、マンションなど分譲販売が可能で且つ建築物の外壁等に広告を付し た建築物、及び該広告を付した建築物の販売者が、インターネットを通じて、該 建築物に表示させる広告を募集し、販売することができる広告を付した建築物の 分譲販売システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

マンション、住宅などの建築物を販売する方法として、販売者が建築物のチラ シ、パンフレットなどを作成して、これを新聞広告や雑誌等に掲載したり、折り 込みチラシとして新聞とともに配布したり、パンフレット等を店先等に持ち帰り 可能に展示したりして近隣地域に広く公表し、購入希望者を募る方法が広く採用 されている。

【０００３】 ところが、前述のように、販売者がチラシやパンフレットを作成する場合には 、チラシやパンフレットを作成するためや配布のための費用や時間を要し、しか も時々刻々と変化する最新の物件情報を購入希望者に提供することが困難である ことから、労力の割には建築物の購入に至る確率が低いのが実状であった。

【０００４】 上記問題を解消するため、例えばインターネットを利用した住宅販売・購入仲 介システムが提案されている。この住宅販売・購入仲介システムでは、サーバコ ンピュータが住宅などの物件情報を記憶し、購入希望者が端末から入力した条件 に基づいて記憶されている物件情報を検索し、その結果を購入希望者が使用する 端末に表示するように構成されている（例えば、特許文献１参照。）。

【０００５】

【特許文献１】 特開２００２−７４２８号公報（第６頁、第１図、第４−５図）

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

特許文献１記載の住宅販売・購入仲介システムでは、チラシやパンフレットの 配布が不要となり、しかも最新の情報を購入希望者に提供できるが、購入希望者 側の要求に応えられるように多数の物件情報をコンピュータに入力しておく必要 があり、しかもこれらの膨大な物件情報を入力しているにも係わらず、購入希望 者が入力した購入希望条件に合致しないと希望の物件情報が得られないことから 、建築物の販売効率を十分に高めることができず、購入希望者に建築物購入のた めの機会を十分に提供できていないのが実状であった。

【０００７】 本考案は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、販売者は、物件情報を容 易且つ迅速に作成することができると共に、その物件情報を購入者希望者に直ち に与えることができ、しかも、広告付き物件とすることで、物件価格を通常より も安く提示して販売効率を更に高めることができる広告付き建築物の分譲販売シ ステムを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本考案に係る広告付き建築物は、分譲販売可能な 建築物の少なくとも外側面全体又は一部の主として平面部分を外広告面となし、 前記外広告面に統一性のある広告を付したことを特徴とする。 したがって、前記広告付き建築物の販売者は、広告に対して支払われる広告料 を販売価格から差し引いて、通常より安い価格で購入者にマンションなどを分譲 販売することができるようになる。

【０００９】 また、前記建築物の内面を内広告面となし、内広告面に外広告面の広告内容に 関連する広告内容を付して、宣伝効果を高めてもよい。

【００１０】 また、前記建築物の廊下、階段、エントランスホールなどの共用スペース、又 は各分譲物件の占有スペースのそれぞれの壁面、天井面、壁面のいずれか１つを 前記内広告面となしてもよい。

【００１１】 また、前記広告面に対して塗装により広告を付してもよい。

【００１２】 また、前記広告面に対して広告内容を投影する投影手段を設けて、夜間に宣伝 効果が高まるようにしてもよい。

【００１３】 また、前記建築物の開口部を含む外側面全体に網状や柵状の広告面形成部材を 設け、この広告面形成部材の外面側を前記外広告面となしてもよい。

【００１４】 また、本考案に係る広告付き建築物の分譲販売システムは、請求項１〜６のい ずれか１項記載の広告付き建築物の分譲販売システムであって、建築物の分譲物 件情報を提供するサーバと、通信回線を介してサーバに接続された利用者端末と を備え、前記サーバに、前記建築物の建築費、販売経費、販売利益額を含む総建 築費のデータを記憶する総建築費データ記憶手段と、前記建築物の設計データか ら該建築物の外観イメージを作成する外観イメージ作成手段と、前記外観イメー ジ作成手段によって作成された外観イメージに前記建築物に表示する広告物の広 告イメージを重ね合わせて広告が付された建築物の外観広告イメージを作成する 外観広告イメージ作成手段と、前記広告に対する広告料を差し引いて前記建築物 の分譲物件毎の販売価格を演算する販売価格演算手段と、前記外観広告イメージ 作成手段によって作成された外観広告イメージと前記販売価格演算手段によって 演算された分譲物件毎の販売価格を前記利用者端末に送信する送信手段と、前記 利用者端末を用いて入力された購入を希望する分譲物件とその建築物に付される 広告とを記憶する購入希望データ記憶手段とを備えさせたことを特徴とするもの である。

【００１５】 より具体的には、請求項１〜６のいずれか１項記載の広告付き建築物の分譲販 売システムであって、建築物を分譲販売する販売者が前記建築物の建築費、販売 経費、販売利益額を含む総建築費のデータである総建築費データ及び該建築物の 設計データを入力するための建築データ入力手段を備えさせた販売者用端末と、 前記販売予定の建築物に広告を希望する広告希望者が画像や文字のいずれかを含 む広告イメージ及び広告料を入力するための広告希望者用端末と、前記販売予定 の建築物の購入を希望する購入希望者が使用する購入希望者用端末と、通信回線 を介して前記各端末に接続されたサーバとを備え、前記サーバに、前記販売者用 端末からの設計データに基づいて前記建築物の外観イメージを作成するための外 観イメージ作成手段と、前記建築物の外観イメージに前記広告希望者用端末から の広告イメージを重ね合わせて広告が表示された建築物の外観広告イメージを作 成するための外観広告イメージ作成手段と、前記外観広告イメージ作成手段によ って作成された外観広告イメージを前記広告希望者用端末に送信するための第１ 送信手段と、前記総建築費データから前記広告希望者用端末から入力された広告 料を差し引いて前記建築物の分譲物件毎の販売価格を演算する販売価格演算手段 と、この販売価格演算手段からの分譲物件毎の販売価格のデータ及び前記外観広 告イメージ作成手段によって作成された外観広告イメージを前記購入希望者用端 末に送信する第２送信手段と、前記購入希望者用端末からの購入希望データを記 憶しておくための購入希望データ記憶手段とを備えさせることになる。

【００１６】 したがって、建築物の購入希望者は、建築物に表示する広告の広告料によって 、建築物を広告料分だけ安く購入することができる。また、広告付き建築物が複 数ある場合には、購入希望者は、それらの中から気に入った広告付き建築物を選 択したり、広告料が高い、つまり購入金額の安い建築物を選択したりすることが でき、選択幅を広げることができる利点がある。

【００１７】 また、広告主は、建築物の住人（所有者）が事前に広告の表示を了承している ので、住人との広告表示に関する交渉を行わなくてもよい。

【００１８】 更に、販売者は、建築物を建築する前、つまり早期に購入者と広告主とが契約 を行うことができ、手付け金などを受領することができるので、建築費などの資 金計画が立てやすくなる。また、マンションの建築前に購入希望者を募集して、 購入希望者の意志確認が可能なので、売れ残り個数が発生するというリスクを背 負うことが少なくなる。さらに、設計データ及び広告イメージをサーバに入力す るだけで、建築物を購入する購入者（購入希望者）に、広告付き建築物の外観広 告イメージを直ちに提示することもできる。同様に、総建築費データ、及び広告 料をサーバに入力するだけで、購入者に分譲物件毎の販売価格を直ちに提示する ことができる。

【００１９】 ここで、前記建築物の少なくとも一部が分譲物件としての分譲マンション、分 譲オフィス、分譲店舗であってもよい。例えば、建築物の全部が分譲物件である ような建築物に対しても、建築物の一部が賃貸物件で残りが分譲物件であるよう な建築物に対しても本考案を適用できる。

【００２０】 前記外観広告イメージ作成手段にて複数の外観広告イメージが作成された場合 に、前記購入希望データ記憶手段にて記憶されている購入希望者数が最も多い外 観広告イメージを選択する外観広告イメージ選択手段を前記サーバに備えさせて もよい。

【００２１】 また、前記外観広告イメージ作成手段は前記建築物の外壁、屋上、又は共用部 分の外観イメージに広告イメージを重ね合わせて外観広告イメージを作成しても よい。

【００２２】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案に係る広告付き建築物の分譲販売システムの実施例を図面を参 照しながら説明する。

【００２３】 本願考案は、一部又は全部が分譲マンション、分譲オフィス、分譲店舗などの 分譲販売可能な分譲物件である建築物に対して、建築物が完成する以前に、該建 築物に表示する広告の広告主、及び該建築物の購入者の双方を募集するシステム である。そして、募集後に、例えば図４〜図９に示しているように建築物の外側 面の全体又は一部の主として平面部分に広告が表示されている（付されている） 建築物を建設するものである。

【００２４】 以下に述べる実施例は、建築物がマンションであり、このマンションに表示す る広告の広告イメージが１つ（１パターン）に限定される場合に関して述べる。 尚、一戸建て住宅やハイツなどの低層の集合住宅などにおいても本願考案は適応 することができるが、マンション等の中高層の集合住宅や立体駐車場の場合の方 が建物の外表面積が大きいため、広告付き建築物とするのに好適である。

【００２５】 図１は、広告付き建築物の分譲販売システムの全体の概念を示したブロック図 である。 本願広告付き建築物の分譲販売システムは、マンションを分譲販売する販売者 が使用する販売者用端末Ａと、前記マンションに広告の表示を希望する広告希望 者が使用する広告希望者用端末Ｂと、前記マンションの購入を希望する購入希望 者用端末（利用者用端末）Ｃとを備え、これら３つの端末はインターネットなど のネットワークＮを介してサーバＳと通信接続が可能となっている。前記販売者 用端末Ａは建築データ入力手段１を備え、販売者はこの建築データ入力手段１を 操作して、マンションの建築費、土地代、販売経費、販売利益額を含む総建築費 データと、該マンションの設計データを入力する。前記広告希望者用端末Ｂは広 告イメージ入力手段２と広告料入力手段３を備え、広告希望者はこの広告イメー ジ入力手段２を操作して画像や文字のいずれかを含む広告イメージを入力したり 、広告料入力手段３を操作して該マンションへの広告の表示に対する広告料を入 力したりする。前記購入希望者用端末Ｃは購入希望データ入力手段を備え、購入 希望者はこの購入希望データ入力手段を操作して、マンションの購入を希望する 旨を示す購入希望データを入力する。また、販売者用端末Ａ、広告希望者用端末 Ｂ、購入希望者用端末Ｃは、前記サーバＳから送信されたデータや画像イメージ などを表示する表示手段をそれぞれ備えている。なお、図１では、販売者用端末 Ａ、広告希望者用端末Ｂ、及び購入希望者用端末Ｃは１台ずつ図示しているが、 １台に限定されるものではなく、多数台であってもよい。

【００２６】 図２は、サーバＳに関するブロック図である。 サーバＳは、前記販売者が前記建築データ入力手段１を操作して入力した総建 築費データを記憶する総建築費データ記憶手段５、前記販売者が前記建築データ 入力手段１を操作して入力したマンションの設計データを記憶する設計データ記 憶手段６、前記設計データ記憶手段６に記憶されている設計データに基づいて少 なくとも前記マンションの外観イメージ（外観イメージ図）を作成する外観イメ ージ作成手段７、前記外観イメージ作成手段７によって作成された外観イメージ 、及び後述する外観広告イメージ作成手段１０によって作成された外観広告イメ ージを前記広告希望者用端末Ｂに送信する第１送信手段８、前記第１送信手段８ によって送信された外観イメージに基づいて、前記広告希望者が広告希望者用端 末Ｂを操作して入力した広告イメージを記憶する広告イメージ記憶手段９、前記 広告イメージ記憶手段９に記憶されている広告イメージと前記設計データ記憶手 段６に記憶されている設計データに基づいて、前記マンションに広告が表示され ている外観広告イメージを作成する外観広告イメージ作成手段１０、前記外観広 告イメージに基づいて前記広告希望者が前記広告料入力手段３を操作して入力し た、マンションへの広告表示に対する広告料を記憶する広告料記憶手段１１、前 記総建築費データ記憶手段５に記憶されている総建築費から前記広告料記憶手段 １１に記憶されている広告料を差し引いて前記建築物の分譲物件毎の販売価格を 演算する販売価格演算手段１２、前記外観広告イメージ作成手段１０によって作 成されたマンションの外観広告イメージと前記販売価格演算手段１２によって演 算された分譲物件毎の販売価格とを前記購入希望者用端末Ｃに送信する第２送信 手段（送信手段）１３、前記第２送信手段１３によって送信された前記外観広告 イメージと前記販売価格とに基づいて購入希望者が前記購入希望データ入力手段 ４を操作して入力した前記購入希望データを記憶する購入希望データ記憶手段１ ４、前記外観広告イメージ作成手段１０にて複数の外観広告イメージが作成され た場合には前記購入希望データ記憶手段１４に記憶されている購入希望者数が最 も多い外観広告イメージを選択する外観広告イメージ選択手段１５を備えている 。これらサーバＳに備えられている各手段は、サーバＳ（コンピュータ）にイン ストールされているプログラム（ソフトウエア）と、サーバＳ（コンピュータ） に備えられているハードウエアが協働して実現している。

【００２７】 以下に、本願考案に係る広告付き建築物の分譲販売システムの処理の流れを図 １及び図２を用いて説明する。 まず、マンションの販売者は、マンションの建設予定地を確保（購入）し、そ の土地に建設するマンションの設計と費用の見積を行い、該マンションの設計デ ータと、この見積に基づいて、土地代、建築費、販売経費、販売利益額などの総 建築費データを得る。販売者は、前記サーバＳと通信接続されている販売者用端 末Ａに備えられている前記建築データ入力手段１を操作して、前記総建築費デー タ及び設計データを入力すると、サーバＳは、一方の総建築費データを前記総建 築費データ記憶手段５に、他方の設計データを前記設計データ記憶手段６にそれ ぞれ記憶させる。そして、外観イメージ作成手段７は、記憶されている設計デー タに基づいて図３で示しているマンションの外観イメージを作成する。図３は、 マンション１６を斜め上方から見たイメージ図であるが、既存の３次元コンピュ ータグラフィックの技術によって正面から見たイメージ図や側面から見たイメー ジ図などの様々な角度からのイメージ図を作成してもよい。又、ここでは、マン ションの外観イメージのみ表示する場合を示しているが、後述するように各部屋 の間取りも別に表示することができるようにすれば、更に購入者の利便性を向上 できる。

【００２８】 外観イメージ作成手段７によって作成された外観イメージは、前記第１送信手 段８によって、該外観イメージの送信要求を行った広告希望者用端末Ｂに送信さ れ、外観イメージのデータが広告希望者用端末Ｂ側のコンピュータに記憶される と共に、広告希望者用端末Ｂ側のディスプレイなどの表示部に表示される。第１ 送信手段８によって送信されるデータとしては、外観イメージ以外に、サーバＳ に備えられている建設地データ記憶手段（図示しない）に記憶されている該マン ションの建設予定地の住所や、その周辺の地図などの建設地データも同時に送信 してもよい。前記外観イメージを広告希望者用端末Ｂに表示させた広告希望者は 、該マンションを販売する販売者に広告料を支払って広告の表示を行いたい場合 には、表示したい広告の文字や画像などからなる広告イメージを、前記広告イメ ージ入力手段２を操作して入力し、前記広告イメージ記憶手段９は、該広告イメ ージを記憶する。もし、前記広告希望者が、広告料を支払って広告表示を行いた いマンションでない場合には、操作を終了する。前記広告イメージ記憶手段９に 広告イメージ（例えば、「Ｃｏｆｆｅｅ」という文字のイメージ）が記憶される と、サーバＳは図４に示しているように、マンション１６の外観イメージに該広 告イメージのイメージを重ね合わせた外観広告イメージ１８を作成する。そして 、広告希望者が、外観広告イメージ１８の広告表示を希望する場合には、広告希 望者用端末Ｂに備えられている広告料入力手段３を操作して、マンション１６に 対する広告の広告料を入力する。前記広告料入力手段３によって入力された広告 料は、サーバＳに備えられている広告料記憶手段１１に記憶される。前記広告料 記憶手段１１に広告料が記憶されると、前記総建築費データ記憶手段５に記憶さ れている総建築費から、前記広告料記憶手段１１に記憶されている広告料を差し 引いて、マンションの分譲物件毎の販売価格を前記販売価格演算手段１２が演算 する。この販売価格は、分譲物件の低層部分と高層部分の違い、専有面積の違い 等の種々の違いによって異なっていてもよい。そして、前記外観広告イメージ作 成手段１０によって作成された外観広告イメージと、前記販売価格演算手段１２ によって演算された分譲物件毎の販売価格を第２送信手段１３が購入希望者に送 信し、購入希望者を募集する。募集の形態としては、ネットワークＮがインター ネットである場合には、Ｗｅｂページに前記広告が表示されたマンションの外観 広告イメージと、販売価格を並べて表示する。また、購入希望者には、マンショ ンの室内の間取りや内装、トイレ、バス、キッチンなどで装備されている機器の データをＷｅｂページ上で表示する。

【００２９】 なお、前記販売価格演算手段１２は、予め販売者が各分譲物件毎に設定してい る割引前の販売価格から前記広告料を分譲物件数で割った金額を差し引き、それ を割引後の分譲物件毎の販売価格として演算したり、前記割引前の分譲物件毎の 販売価格の比率に基づいて、前記広告料による割引の比率を演算し、この金額を 割引前の各販売価格から差し引いた金額を割引後の分譲物件毎の販売価格とする こともできる。

【００３０】 また、一つのマンションに対して複数の外観広告イメージが作成された場合に は、外観広告イメージ毎に前記広告料を対応させて前記広告料記憶手段１１に記 憶させる。そして、第２送信手段（送信手段）１３は購入希望者の要求に基づい て、複数の外観広告イメージと該外観広告イメージに対応した販売価格を購入希 望者用端末Ｃに表示させる。

【００３１】 つぎに、マンションの購入を希望している購入希望者が、前記第２送信手段１ ３から送信された外観広告イメージと分譲物件毎の販売価格を確認し、該広告が 表示されたマンションを購入したいという希望を持っている場合には、購入希望 者用端末Ｃに備えられている購入希望データ入力手段４を操作して、購入希望デ ータを入力する。前記購入希望データ入力手段４によって入力された購入希望デ ータは、前記購入希望データ記憶手段１４に記憶される。この購入希望データと しては、購入を希望する意志を示しているデータであり、具体的には購入を希望 する外観広告イメージ、マンションの部屋番号、販売者が購入希望者に連絡をす るための電話番号、住所、氏名などを含むデータである。

【００３２】 そして、前記マンションの購入募集期間が終了したときには、前記外観広告イ メージ選択手段１５は、前記購入希望データ記憶手段１４に記憶されている購入 希望者数が最も多い外観広告イメージを選択し、広告主とマンションの完成時に 表示される広告のイメージを決定する。前記外観広告イメージ選択手段１５によ って選択された外観広告イメージのマンションの購入希望者が購入の権利を得る 。そして、販売者は、広告主と広告の表示に関しての契約を行うと共に、購入の 権利を得た購入希望者ともマンションの販売の契約を行う。そして、設計データ 及び選択された広告のイメージに基づいて、マンションの建設を行い、例えば、 図４から図９に示している分譲販売可能なマンション（建築物）を実際に建築す る。

【００３３】 つまり、本願考案の広告付き建築物の分譲販売システムでは、販売者と広告者 とがマンションを購入する購入者（購入希望者）に広告付き建築物のイメージを 送信するだけで、その購入者は、分譲マンションの購入情報を購入希望データの 入力などの操作を行うことなく、迅速に得ることができるだけでなく、マンショ ンに表示する広告の広告料によって、通常よりも安いマンションを購入すること ができ、マンションの販売効率を高めることができる。又、マンションに表示す る複数の広告の中から購入者が好みの広告を選択したり、最も安いマンションを 購入したりすることもでき、購入する側への販売の幅を広げることができる。ま た、広告主は、マンションの住人が事前に広告の表示を了承した上で広告表示を 行うので、住人との広告表示に関する交渉を行わなくてもよい。さらに、販売者 は、早期に購入者及び広告主のそれぞれと契約を行うことができ、手付け金など を受領することができるので、建築費などの資金計画が立てやすくなる。

【００３４】 なお、外観広告イメージ作成手段１０によって作成される外観広告イメージ１ ８としては、図４に示しているように、マンション１６の外壁面の一部に文字１ ７だけを広告表示したものに換えて、図５に示しているようにマンション１６の 外観イメージに缶コーヒーの平面イメージ図１９を重ね合わせて、マンション１ ６の外側面壁に広告が表示されている外観広告イメージ１８としてもよいし、図 ６に示しているようにマンション１６の外観イメージに缶コーヒーの立体イメー ジ図２０を重ね合わせて、マンション１６の屋上部分に缶コーヒーの立体的なオ ブジェ（看板）２０の広告を表示した外観広告イメージ１８としてもよいし、図 ７に示しているようにマンション１６の外観イメージに、文字１７、缶コーヒー の平面イメージ図１９、及び缶コーヒーの立体イメージ図２０の全てを重ね合わ せて、マンション１６の正面壁、側面壁、屋上部分のそれぞれに広告を表示した 外観広告イメージ１８としてもよい。複数の箇所に広告を表示する場合には、各 箇所毎に関連性の少ない広告を表示してもよいが、外側面に表示された外広告面 に統一性のある広告を付す方が、宣伝効果も高くなり好ましい。

【００３５】 また、広告としては壁面（外側面）以外にも、図８に示しているように、マン ション１６の屋上部分に立体的なオブジェ（看板）２０と駆動装置２３を設け、 この駆動装置２３によってオブジェ２０が移動するようにしたり、図９に示して いるように、マンションの敷地内の共用部分に立体的なオブジェ（看板）２０と 駆動装置２３を設けて、駆動装置２３によってオブジェ２０が移動するようにし て、動的な広告表示により宣伝効果を高めてもよい。

【００３６】 さらに、広告を付す箇所としては、外壁面（外側面の全体又は一部）以外に、 建築物の廊下、階段、エントランスホール、エレベータホールなどの共用スペー スや、リビング、玄関、キッチンなどの分譲物件毎の占有スペースにおける、床 面や壁面や天井面などの建築物の内面を内広告面となし、この内広告面に広告を 付してもよい。例えば、図１０に示しているように廊下の床面２４等に「Ｃｏｆ ｆｅｅ」の文字１７ａの広告を付してもよい。このように内広告面に外広告面と 関連する広告内容を付すと、建築物としての話題性を高めて宣伝効果を高めるこ とができる。また、このように内広告面にも広告を付す場合にも、この内広告面 の広告料を前記総建築費から差し引いて分譲物件毎の販売価格をさらに安くでき る。この内広告面に付す広告は、外広告面に付す広告と同一の広告デザイン、又 は同一の会社の広告などの関連性がある広告がより好ましい。

【００３７】 なお、前記広告は、外広告面及び内広告面に直接塗装をして広告を付してもよ いし、ライトなどの投影手段を用いて広告を外広告面及び内広告面に表示しても よい。また、窓やベランダなどの開口部を含むように網状又は柵状の広告面形成 部材を前記建築物の外側面に設けると共に、該広告面形成部材に広告を塗装する 等して外広告面としてもよい。

【００３８】 また、広告が付されたマンション（建築物）の前で多種多様なイベントを行う ことが可能なステージを建設し、そのステージで開催されているイベントの模様 を撮影し、インターネットなどを介して、映像配信を希望している端末装置に配 信して、さらに宣伝効果が高まるように構成したり、次回に行う建築物の分譲販 売に際して、該映像を建築物の購入希望の利用者端末に配信して、建築物の購入 意欲を促進してもよい。

【００３９】 上述した、実施例ではマンションを例に挙げて説明を行っているが、オフィス ビル等の建築物に対しても本考案を同様に適用できる。また、建築物が立体駐車 場の場合には、外観広告イメージ作成手段１０によって作成される外観広告イメ ージ１８としては、図１１及び図１２に示しているように、立体駐車場２１の側 面に側面をほぼ覆うことができるスクリーン２２（２２ａ、２２ｂ）をそれぞれ 設けて、昼間は清涼飲料水などの広告のスクリーン２２ａを表示し、夜間はたば こなどの広告のスクリーン２２ｂを表示するようにするなど時間帯によって広告 する内容を変更できる外観広告イメージ１８であってもよい。また、建築物の屋 上や壁面に多数の発光ダイオードなどからなる電光掲示板などの文字や形状を表 示することができるものを設けてもよい。このように表示内容を切り替えること が可能な構成であれば、時間帯毎に広告表示を変更したり、一週間毎や一ヶ月毎 に広告表示を変更する契約を複数の広告主と行うこともできる。

【００４０】

【考案の効果】

以上の如く、本考案に係る広告付き建築物によれば、分譲販売可能な建築物の 少なくとも外側面全体又は一部の主として平面部分に広告を付しているので、広 告付き建築物の販売者は、広告に対して支払われる広告料を販売価格から差し引 いて、通常より安い価格でマンションなどを分譲販売することができる。

【００４１】 前記建築物の内面を内広告面となし、内広告面に外広告面の広告内容に関連す る広告内容を付す場合には、内広告面に付した広告の広告料を販売価格から差し 引くことができるので、マンションなどを一層安価に分譲販売できる。また、建 築物の話題性を一層高めて広告の宣伝効果も向上できる。

【００４２】 前記広告面に対して広告内容を投影する投影手段を設けると、夜間における宣 伝効果を向上できる。

【００４３】 前記建築物の開口部を含む外側面全体に網状や柵状の広告面形成部材を設け、 この広告面形成部材の外面側を前記外広告面となすと、ベランダ等の開口部に対 して広告を施すことが可能となること、広告面形成部材によりベランダ等への鳩 やカラスの侵入を防止できること、幼児等がベランダから誤って落下することを 防止できること、などの効果が得られる。

【００４４】 本考案に係る広告付き建築物の分譲販売システムによれば、外観イメージ作成 手段と外観広告イメージ作成手段とを備えているので、販売者にとっては物件情 報を容易に作成することができ、広告主が広告イメージを入力するだけで外観広 告イメージを容易に作成することができ、購入希望者に外観広告イメージを提示 することができる。 また、広告料を差し引いた金額を建築物の販売金額とするので、建築物の購入 者にとっては広告料によって安くなった販売金額のマンションなどを購入するこ とができ、販売者にとっては建築物の販売金額が安くなっているので売上効率を 更に高めることができる。また、広告主にとっても、広告イメージ及び広告料を 入力するだけで、販売価格を演算できるのでほとんど手間が掛からない。 また、建築物に対して広告を表示することを前提に購入者を募るので、広告主 にとっては、購入者に対して広告表示に対する煩雑な交渉を行わなくてもよい。 さらに、販売者は、建築物の建築前に購入者及び広告主を募集して、早期に購 入者及び広告主と契約を行うことができ、手付け金などを受領することができる ので、販売者にとっては建築費などの資金計画が立てやすくなる。 また、販売者にとっては、建築物の建築を開始する前に、売れ行き状態を知る ことができるので、完売していない場合には、再度外観イメージの見直しや購入 金額の見直しを行って再度購入者の募集を行うことができ、建築物の販売を少な いリスクで行うことができる利点がある。

【００４５】 また、複数の外観広告イメージが作成された場合には、購入希望者は複数の外 観広告イメージの中から好みのものを選択することができるので、一度に多数の 購入者希望者数を得ることができ、販売者にとっては売れ残りの少ない販売を行 うことができる。また、購入に至らなかった外観広告イメージを有する建築物を 選択した購入希望者に次回の広告付き建築物の分譲販売時に優先して提示するこ とができる利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 広告付き建築物の分譲販売システムの全体の
概念を示したブロック図である。

【図２】 サーバに関するブロック図である。

【図３】 マンションの外観イメージの説明図である。

【図４】 マンションの正面壁に広告を表示させた外観
広告イメージ（完成後の広告付き建築物）の説明図であ
る。

【図５】 マンションの側面壁に広告を表示させた外観
広告イメージ（完成後の広告付き建築物）の説明図であ
る。

【図６】 マンションの屋上部分に広告を表示させた外
観広告イメージ（完成後の広告付き建築物）の説明図で
ある。

【図７】 マンションの正面壁、側面壁、及び屋上部分
に広告を表示させた外観広告イメージ（完成後の広告付
き建築物）の説明図である。

【図８】 マンションの屋上部分に移動する広告が設け
られる外観広告イメージ（完成後の広告付き建築物）の
説明図である。

【図９】 マンションの敷地内に移動する広告が設けら
れる外観広告イメージ（完成後の広告付き建築物）の説
明図である。

【図１０】 廊下の床面に広告を付した建築物の説明図
である。

【図１１】 立体駐車場の壁面に広告を表示させた外観
広告イメージの説明図である。

【図１２】 立体駐車場の壁面に広告を表示させた別の
外観広告イメージの説明図である。

【符号の説明】

１ 建築データ入力手段 ２ 広告イメージ入力手段 ３ 広告料入力手段 ４ 購入希望データ入力手段 ５ 総建築費データ記憶手段 ６ 設計データ記憶手段 ７ 外観イメージ作成手段 ８ 第１送信手段 ９ 広告イメージ記憶手段 １０ 外観広告イメージ作成手段 １１ 広告料記憶手段 １２ 販売価格演算手段 １３ 第２送信手段 １４ 購入希望データ記憶手段 １５ 外観広告イメージ選択手段 １６ マンション １７ 文字 １８ 外観広告イメージ １９ 平面イメージ図 ２０ オブジェ ２１ 立体駐車場 ２２ スクリーン ２３ 駆動装置 ２４ 廊下の床面 Ａ 販売者用端末 Ｂ 広告希望者用端末 Ｃ 購入希望者用端末 Ｎ ネットワーク Ｓ サーバ

Claims (11)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 分譲販売可能な建築物の少なくとも外側
   面全体又は一部の主として平面部分を外広告面となし、
   前記外広告面に統一性のある広告を付したことを特徴と
   する広告付き建築物。
2. 【請求項２】 前記建築物の内面を内広告面となし、内
   広告面に外広告面の広告内容に関連する広告内容を付し
   た請求項１記載の広告付き建築物。
3. 【請求項３】 前記建築物の廊下、階段、エントランス
   ホールなどの共用スペース、又は各分譲物件の占有スペ
   ースのそれぞれの壁面、天井面、床面の少なくとも１つ
   を前記内広告面となした請求項２記載の広告付き建築
   物。
4. 【請求項４】 前記広告面に対して塗装により広告を付
   した請求項１〜３のいずれか１項記載の広告付き建築
   物。
5. 【請求項５】 前記広告面に対して広告内容を投影する
   投影手段を設けた請求項１〜４のいずれか１項記載の広
   告付き建築物。
6. 【請求項６】 前記建築物の開口部を含む外側面全体に
   網状や柵状の広告面形成部材を設け、この広告面形成部
   材の外側面を前記外広告面となした請求項１〜５のいず
   れか１項記載の広告付き建築物。
7. 【請求項７】 請求項１〜６のいずれか１項記載の広告
   付き建築物の分譲販売システムであって、 前記建築物の分譲物件情報を提供するサーバと、通信回
   線を介してサーバに接続された利用者端末とを備え、 前記サーバに、前記建築物の建築費、販売経費、販売利
   益額を含む総建築費のデータを記憶する総建築費データ
   記憶手段と、前記建築物の設計データから該建築物の外
   観イメージを作成する外観イメージ作成手段と、前記外
   観イメージ作成手段によって作成された外観イメージに
   前記建築物に表示する広告物の広告イメージを重ね合わ
   せて広告が付された建築物の外観広告イメージを作成す
   る外観広告イメージ作成手段と、前記広告に対する広告
   料を差し引いて前記建築物の分譲物件毎の販売価格を演
   算する販売価格演算手段と、前記外観広告イメージ作成
   手段によって作成された外観広告イメージと前記販売価
   格演算手段によって演算された分譲物件毎の販売価格を
   前記利用者端末に送信する送信手段と、前記利用者端末
   を用いて入力された購入を希望する分譲物件とその建築
   物に付される広告とを記憶する購入希望データ記憶手段
   とを備えさせたことを特徴とする広告付き建築物の分譲
   販売システム。
8. 【請求項８】 請求項１〜６のいずれか１項記載の広告
   付き建築物の分譲販売システムであって、 前記建築物を分譲販売する販売者が前記建築物の建築
   費、販売経費、販売利益額を含む総建築費のデータであ
   る総建築費データ及び該建築物の設計データを入力する
   ための建築データ入力手段を備えさせた販売者用端末
   と、前記販売予定の建築物に広告を希望する広告希望者
   が画像や文字のいずれかを含む広告イメージ及び広告料
   を入力するための広告希望者用端末と、前記販売予定の
   建築物の購入を希望する購入希望者が使用する購入希望
   者用端末と、通信回線を介して前記各端末に接続された
   サーバとを備え、 前記サーバに、前記販売者用端末からの設計データに基
   づいて前記建築物の外観イメージを作成するための外観
   イメージ作成手段と、前記建築物の外観イメージに前記
   広告希望者用端末からの広告イメージを重ね合わせて広
   告が表示された建築物の外観広告イメージを作成するた
   めの外観広告イメージ作成手段と、前記外観広告イメー
   ジ作成手段によって作成された外観広告イメージを前記
   広告希望者用端末に送信するための第１送信手段と、前
   記総建築費データから前記広告希望者用端末から入力さ
   れた広告料を差し引いて前記建築物の分譲物件毎の販売
   価格を演算する販売価格演算手段と、この販売価格演算
   手段からの分譲物件毎の販売価格のデータ及び前記外観
   広告イメージ作成手段によって作成された外観広告イメ
   ージを前記購入希望者用端末に送信する第２送信手段
   と、前記購入希望者用端末からの購入希望データを記憶
   しておくための購入希望データ記憶手段とを備えさせた
   ことを特徴とする広告付き建築物の分譲販売システム。
9. 【請求項９】 前記建築物の少なくとも一部が分譲物件
   としての分譲マンション、分譲オフィス、分譲店舗であ
   る請求項７又は８記載の広告付き建築物の分譲販売シス
   テム。
10. 【請求項１０】 前記外観広告イメージ作成手段にて複
    数の外観広告イメージが作成された場合に、前記購入希
    望データ記憶手段にて記憶されている購入希望者数が最
    も多い外観広告イメージを選択する外観広告イメージ選
    択手段を前記サーバに備えさせてなる請求項７〜９のい
    ずれか記載の広告付き建築物の分譲販売システム。
11. 【請求項１１】 前記外観広告イメージ作成手段は、前
    記建築物の外壁、屋上、又は共用部分の外観イメージに
    広告イメージを重ね合わせて外観広告イメージを作成す
    る請求項７〜１０のいずれか１項記載の広告付き建築物
    の分譲販売システム。