JP3096064B2 - 鋳造可能な金属マトリクス複合材の連続製造装置 - Google Patents

鋳造可能な金属マトリクス複合材の連続製造装置

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JP3096064B2 JP04505906A JP50590692A JP3096064B2 JP 3096064 B2 JP3096064 B2 JP 3096064B2 JP 04505906 A JP04505906 A JP 04505906A JP 50590692 A JP50590692 A JP 50590692A JP 3096064 B2 JP3096064 B2 JP 3096064B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は金属マトリクス複合材料に関し、より詳細
には連続流れ混合法によるこのような材料の製造に関す
る。
金属マトリクス複合材料は構造材料としてますます受
け入れられるようになっている。金属マトリクス複合材
料は典型的には、金属マトリクス中に埋め込まれた繊
維、粗粒子、粉末などの強化粒子から成っている。強化
材により、強度、剛性及び他の所望の特性が複合材料に
与えられ、一方マトリクスは繊維を保護し、複合材料内
の負荷を移動させる。この2つの成分であるマトリクス
と強化材は、このように協同して、その一方だけで得ら
れるもの以上の改善された結果を得ることができる。
背景技術 20年前、このような材料は、製造コストが非常に高
く、デザイナーにほとんど認められていなかったため、
研究室における好奇心にすぎなかった。最近では、この
ような材料のための多くの適用が発見され、使用される
量が増加している。複合材料を製造するためのコストの
高さは依然問題点のままでありそのため更に適用される
のを送らせており、高張力合金などのより一般的な代替
品と競争することのできる価格の、容認され得る品質を
有する複合材料を製造する製造方法に対する必要性が増
加している。
無強化金属合金は通常、溶融及び鋳造手順により製造
される。溶融及び鋳造は、強化粒子が溶融及び鋳造中に
溶融金属と化学的に反応する可能性があるために、強化
複合材料の製造においては容易に適用できない。もう1
つの問題点は、溶融金属がしばしば粒子の表面を直ちに
濡らすことができないことであり、そのためその2つの
混合物は鋳造後に直ちに分離するあるいは乏しい機械的
特性を有することとなる。
過去においては、溶融合金に微粒子材料を添加し、そ
の結果得られる混合物を鋳造することにより金属合金−
微粒子複合材料を製造する試みは特に成功していなかっ
た。このようなアプローチで主に困難な点は、溶融金属
合金が、炭化珪素などの所望の粒子を容易に濡らすこと
ができないことであると仮定されていた。その結果、も
しそれが不可能でないならば、液体マトリクス中への粒
子の導入と保持が非常に困難であった。
溶融及び鋳造によりこのような複合材料を製造するこ
とができれば、重要な技術的、経済的利点を有すことに
なり、結果的には、そのような複合材料を製造する多く
の試みがなされ、濡れ性はニッケルにより粒子を被覆す
ることにより達成されることが示唆されている。
別の技術では、溶融物を耐火粒子のアニオンで飽和さ
せることにより、溶融物中の耐火粒子の濡れを促進させ
ることが含まれている。他の方法では、耐火粒子を添加
する前にリチウム、マグネシウム、珪素及びカルシウム
などの元素を溶融物に添加することが含まれている。更
に別の方法では、固体金属粒子が存在するように、炭化
珪素の粒子を、その合金の液体温度以下に温度が維持さ
れている合金の激しく撹はんされ、部分的に固化された
スラリーに添加することが含まれている。微粒子の濡れ
性を改善する更に別の試みでは、水分、酸素、吸着ガス
及び表皮を除去するために、溶融物中の大きな粒子材料
と繊維を、溶融合金と混合する前に、イオン衝撃、機械
的な撹はん、真空及び熱にさらすことが含まれている。
あるアプローチにおけるアルミニウム合金−アルミナ
繊維複合材料の製造では、かい型デザインの撹はん羽根
が使用されており、この羽根はその繊維を溶融物中に導
入するために高いせん断力を誘起し、うずを形成するよ
うにるつぼの壁に非常に接近して動くように設計されて
いる。この工程ではまた、バッフルが必要であり、この
バッフルは流れの方向に向かって約45゜の傾斜角で、溶
融物の表面からわずかに下の位置に浸されている。バッ
フルの役割は、溶融物中の流れの型を反対にし、繊維が
溶融物の表面下でトラップされるのを補助することであ
る。
更に別のアプローチでは、アルミニウム−炭化珪素粒
子複合材料などの複合材料が粒子の分散の渦法を用いて
製造される。粒子は溶融物に添加される前に、その溶融
物への導入を補助するために900℃で60分間予め加熱さ
れる。渦は機械的な羽根車、これにより深い渦が形成さ
れる、を用いて急速に溶融物を撹はんすることにより生
成される。微粒子が溶融物中に直ちに混入され、溶融金
属により粒子が濡れるのを促進するために、粒子は渦の
側面を通して添加される。この方法により製造された複
合材料では、トラップされたガスと同様、微粒子に対す
る金属の結合性が乏しい。
溶融及び鋳造技術の変形では、強化材は充填材料のマ
ットとして提供され、溶融金属合金は加圧下で残存空間
へ押しやられる。溶浸(infiltration)あるいは圧搾鋳
造と呼ばれる、この方法では、内部でうまく結合してい
ない複合材料が生成される。更に、この方法は費用が高
く、使用困難である。というのは、個々の部分に特異的
な装置を製造しなければならないからである。
これらの従来の溶融及び鋳造技術は全て、主に、完全
な濡れ性を得るために、粒子あるいは溶融合金になされ
なければならない特別で費用のかかる変更のために、不
利益を有している。更に、その技術は、大規模で、工業
的な適用のために複合材料を製造する際に成功していな
い。
金属マトリクス及び微粒子強化材を有する複合材料を
製造するための別の工業用アプローチでは、粉末や金技
術が使用されている。粉末や金法の例においては、注意
深く一定の大きさにされたアルミニウム粉末を有機溶剤
の存在下で炭化珪素粒子と混合する。溶剤は空気中での
アルミニウムと酸素間の自然発火反応を避けるために必
要である。混合物は乾燥皿中に注がれ、溶剤は一定の時
間で蒸発させられる。約1mmの厚さの乾燥した、固めら
れていないシートが積み重ねられ、所望の厚さの板を形
成する。このシートのもろいスタックをプレス中に配置
し、マトリクスの液体−固体状態まで加熱し、そこで、
金属は液状となる。その後、スタックはプレスされ、粒
子を固め、固体板を形成する。
別の粉末や金法では、炭化珪素粒子及びアルミニウム
は上記のように混合されるが、混合された粉末は円筒形
の鋳型にそそぎ込まれ、真空ホットプレスにより円筒形
のビレットに固められる。原材料、特にアルミニウム粉
末、のコストが高く、製造工程が複雑なため、複合材料
の現在のコストでは、多くの地域で大規模に使用される
のはためらわれる。粉末法では、金属マトリクス材料中
の合金元素の偏析がかなり起こる結果となり、これは機
械的及び物理特性に逆効果を及ぼすために望ましくな
い。
上記の両方の工業用粉末や金法では、高い引張り応力
及び十分な強度を持つが、延性及び成形性が低い組成物
が得られる。これらの方法において必要とされる複合過
熱及び変形サイクルにより、マトリクス中で広範囲な元
素偏析が生じ、これにより延性が減少し、最大マトリク
ス及び複合材料強度を得るのが妨げられる。もう1つの
問題は、元々のアルミニウム粉末粒子を被覆している表
面酸化物の保持である。この酸化物は更にマトリクスの
延性を減少させるように作用する。酸化物被覆により炭
化物粒子の完全な濡れが妨害され、このため更に究極の
複合材料特性が制限されることも明らかであろう。
良好な特性を有する金属複合材料を生成するために、
溶融及び鋳造アプローチを用いた更なる改良が必要性で
ある。その方法及び装置はどちらも、組成物を製造する
他の方法及び競合材料を製造する方法と比較して、比較
的安価に複合材料を製造することを満たすものでなけれ
ばならない。この発明はこの要求を満たすものであり、
更に関連する利点を提供する。
発明の開示 この発明はその全体に分散された濡れた非金属耐火セ
ラミック粒子強化材を有する金属マトリクス複合材料を
製造するための方法及び装置を提供するものである。工
程は連続的で、製造コストをバッチ製造法でかかる高い
コスト以下に引き下げる可能性を有する。連続流れ工程
は鋳造及び精錬適用用の複合材料の製造に適している。
前者では、複合材料は広範囲にわたる従来からの及びそ
うでない技術を用いて鋳造することができる。後者で
は、複合材料は中仕上げ製品にする圧延及び押し出しな
どの標準的な工業手順により成形することができる。
本発明によれば、予め選択した容量部の非金属粒子で
強化された金属合金の複合材料を製造する方法は、金属
材料がミキサーに連続的に供給され、溶融複合材料がそ
のミキサーから連続的に引き出される、連続流れシステ
ム中で金属合金を溶融する工程と、非金属粒子材料の流
れをそのミキサーに添加する工程とを含み、その金属材
料と微粒子の相対流速は複合材料中の粒子の容量部が予
め選択されたものになるように調整される。微粒子材料
を含む溶融金属合金は、金属による粒子の濡れを促進す
るように粒子が溶融混合物の容量全体に分散され、粒子
と溶融金属が互いにせん断される条件で、ミキサー中で
混合され、その粒子に対する溶融金属の濡れがよくな
る。混合は、粒子と溶融金属の混合物中へのガスの導入
が最小に抑えられ、その混合物内でのガスの保持が最小
に抑えられながら、混合段階を完了するのに必要な時間
に溶融金属中で粒子が実質的に化学的に劣化しない温度
で、起こる。ミキサーから引き出された混合材料は適当
な技術により鋳造される。
この発明の方法は、溶融金属合金を強化粒子と混合す
ることにより複合材料を製造する連続流れ法である。溶
融合金と粒子の流れはミキサ中に導入され、そこで適当
な条件下で混合され、溶融物中で濡れた粒子の均一な混
合物が得られる。溶融合金と粒子の流速は予め選択され
た総流速及び予め選択された粒子の溶融金属に対する比
を達成するよう制御され、そのため最終的な固体複合材
料は予め選択された容量部の粒子を有することになる。
金属材料はアルミニウム合金であることが好ましい
が、マグネシウム合金などの他の材料も使用することが
できる。非金属粒子材料は金属酸化物、金属窒化物、金
属炭化物、金属珪化物あるいはガラスであることが好ま
しい。最も好ましい複合材料はアルミニウム合金マトリ
クス中の炭化珪素あるいは酸化アルミニウム粒子強化材
である。
従来の鋳造方法では、金属の粘度を減少させ、それに
より容易に鋳造することができるように、高温で溶融金
属を鋳造することが通常望ましい。しかしながら、粒子
と溶融合金との反応を考慮すると、本発明の方法の温度
が選択される。混合及び鋳造段階中では、溶融金属は高
すぎる温度まで加熱してはならず、さもないと、粒子の
強度及び最終的な複合材料の特性を劣化させる。粒子と
溶融金属間で望ましくない反応が起きるかもしれない。
そのため最高温度は、処理を完了するのに必要な時間で
粒子と金属溶融物間でかなりの程度の反応が起こらない
ように選択される。本発明のアプローチに対しては、最
高の混合及び鋳造温度は、揮発性の反応性を有する合金
元素を含む金属合金に対しては液相線以上約20℃、最も
一般的な金属合金に対しては液相線以上約70℃、反応に
対する妨害を促進する合金元素を含む金属合金に対して
は液相線以上約100℃から125℃まで、である。しかしな
がら、混合の短い持続期間のために、ある状況の下で
は、より高い温度が許容される。
好ましいアプローチでは、混合段階中に金属と粒子の
溶融混合物に真空が適用される。真空は溶融物中に導入
される可能性のある大気ガスを減少させ、また、混合中
に溶融物から、溶解し、トラップされ及び吸着されたガ
スを抜き出す傾向がある。真空の大きさは亜鉛またはマ
グネシウムなどの揮発性成分を含まない金属合金にとっ
ては重要ではない。しかしながら、揮発性元素が存在す
る場合、真空は、その揮発性元素が容認できない高い率
で合金から抜き出されないように選択される。好ましい
真空は、ガスを都合良く減少させるが、揮発性元素の損
失を最小にするものであることが見いだされている。
本発明の方法により製造された複合材料は、粒子が鋳
造容量全体に一般に一様にかつ均一に分散されている金
属マトリクスの鋳造微細構造を有している。マトリクス
は製造中に粒子を濡らすように製造されているので、粒
子は良くマトリクスに結合されている。微粒子と金属マ
トリクス間には、重要な酸化物層は挿入されていない。
鋳造複合材料は特に、マトリクス合金が鋳造可能な組成
である鋳造及び鋳物の適用に適している。精錬合金マト
リクスを用いる複合材料に対しては、圧延及び押し出し
などの公知の初歩の成形操作により処理が完了する。
予め選択された容量部の非金属粒子で強化された金属
合金の複合材料の連続的な流れを製造する装置は、金属
による粒子の濡れを促進するように粒子が混合物の容量
全体に分散され、粒子と溶融金属が互いにせん断される
条件下で、溶融金属合金の流れを微粒子材料の流れと混
合し、溶融金属を粒子に濡らす手段を含み、その混合
は、粒子と溶融金属の混合物へのガスの導入が最小に抑
えられ、及びその混合物内のガスの保持が最小に抑えら
れながら、混合段階を完了するのに必要な時間に溶融金
属中で粒子が実質的に化学的に劣化しない温度で起こ
る。溶融金属の流れを混合手段中に導入する金属供給手
段と、微粒子の流れを混合手段に導入する粒子供給手段
も備えられ、金属供給手段の金属の流速と粒子供給手段
の粒子の流速は制御することができる。混合された複合
材料の流れを混合手段から除去する手段も含まれる。
装置は一段階あるいは多段階混合を使用することが好
ましい。多段階混合を使用するならば、それらは1つの
あるいは多くのチャンバ内で実行することができる。そ
れぞれの段階で、溶融金属と微粒子は、金属を微粒子に
濡らすために微粒子に関しては溶融金属の十分なせん断
が達成するための分散羽根車あるいは他の技術を用い
て、共に混合される。空気あるいは他の逆反応ガスが濡
れ工程を妨害するのを防ぐよう注意が必要であるが、少
量の有益なガスは必要に応じてミキサー中に導入するこ
とができる。
この発明の方法及び装置は、複合材料を製造する技術
において重要かつ重大な進歩を提供するものであること
は明きらかであろう。複合材料は、混入前に粒子を被覆
するあるいはそうでなければ処理すること無く、従来の
金属合金を用いて、粒子強化材を直接溶融金属中に混入
する装置により経済的に製造される。この方法は無強化
合金を製造する方法と経済的に競争可能であり、他の技
術よりもずっと経済的に複合材料を製造する。この発明
の他の特徴及び利点は以下の、添付の図面と関連させ、
実施例により発明の原理を説明した、より詳細な説明に
より明らかになるであろう。
図面の簡単な説明 図1は従来の羽根車混合前、中、及び後のるつぼ内の
溶融物の略側断面図である; 図2は分散羽根車の正面図である; 図3は分散羽根車を用いた混合装置の側断面図であ
り、明確にするため一部を切断してあり、関連する装置
も共にその概略が示されている; 図4は他の混合装置の側断面図である; 図5は他の混合装置の側断面図である; 図6は他の混合装置の側断面図である。
本発明を実行するための最良の様式 この発明は、微粒子非金属強化材をマトリクス材料の
溶融物量中に混合させることにより、複合材料を製造す
るための方法及び装置において具体化される。基準に見
合う複合材料を製造するためには、溶融金属は粒子の表
面に対し濡れを有しなければならない。濡れが達成され
なければ、その粒子がミキサーにより表面下に押しやら
れた後でさえも表面まで上がってくるので、粒子を金属
量全体に分散させることは困難である。濡れ性の無い微
粒子ではまた、鋳造固体複合材料の機械的特性が不十分
となる。特に、長さの厚さに対する比、アスペクト比と
も呼ばれる、が比較的短い微粒子物質に対してはそうで
ある。1−5のオーダーの短いアスペクト比を有する粒
子に対しては、良好な強度及び剛性値を達成するために
は粒子とマトリクスの接触面で良好な結合がなければな
らない。良好な結合は、溶融マトリクスの粒子に対する
濡れが存在しなければ、容易に達成することはできな
い。
金属の粒子に対する濡れは、2つの相間の接着力が液
体内での凝集力より大きくなるような完全な接触におけ
る固体と液体を含む現象である。アルミニウム及びアル
ミニウム合金などの溶融金属は、適当な条件下で、多く
の典型的な非金属粒子強化材材料上で濡れ性を有し、広
がる。しかし、金属と粒子の間の表面にある汚染物質が
存在すると濡れを妨害する。特に、表面に付着したガス
及び酸化物は溶融金属のその表面への濡れを妨害する。
そのため、溶融金属が表面を濡らすようにするために、
溶融金属と粒子の間に挿入されたガス及び酸化物の存在
及び効果を最小にする必要がある。これにより、粒子
は、混合及び鋳造中、溶融金属内に保持され、鋳造及び
固化後の良好な界面結合特性が促進される。
金属及び微粒子の溶融金属中には金属の粒子に対する
濡れを妨害することのできるガスのいくつかの源があ
る。ガスは最初から提供される粒子の表面に吸着されて
いる。完全な洗浄後でさえも、ガスは直ちに、高真空に
おいてさえも、粒子の表面に再付着する。これらの層は
その後の濡れを妨害する。気泡は容易に、溶融金属に浸
漬された後の微粒子の表面に付着する。表面部位が気泡
の付着あるいは凝集に最も好都合である傾向があるから
である。
ガスは溶解されたあるいは物理的に飛沫同伴された状
態で溶融金属中に存在している。ガス状種はまた金属表
面上の酸化物として存在している。本発明で使用するの
に好ましい金属であるアルミニウムは、液体あるいは固
体金属表面上で直ちに酸化物を形成することでよく知ら
れており、この酸化物は直接濡れを妨害する。
ガスはまた、濡れを促進するために金属と微粒子を共
に混合するために使用される混合技術により、金属及び
微粒子の溶融混合物中に導入され得る。以前実施してい
た混合では、金属と微粒子の混合及び濡れを促進するた
めに、パドル型またはシップスプロペラ型の混合羽根車
が使用されていた。溶融物は高速で撹はんされ、羽根車
上部に渦が形成され、その後、微粒子が渦の側面または
底に添加される。渦の側面に沿った金属の流れが混合を
促進すると考えられていた。
その代わりに、今では、渦が存在するとガスを混合物
に混合することにより濡れ、これは混合手順の究極の目
的である、を妨害することが見いだされている。溶融物
上がガス状大気である場合が最も顕著であるが、混合が
真空で行われる時もまた、ガスは渦により物理的に溶融
混合物中に引き込まれる。
図1は、渦混合の効果及びガスの複合材料溶融物中へ
の混入を図により説明している。ガスの溶融混合物中へ
の混入の程度を決定するために、実験を行った。アルミ
ニウム及び炭化珪素微粒子の混合物をるつぼ中で溶融し
た。線Aは溶融物の表面を示す。その後、溶融物は直ち
にアルゴン中で従来の混合羽根車により撹はんされ、表
面で渦を発生する。線Bは混合中の表面の形を示し、金
属の急速な撹はんの深い渦特性が存在する。混合を止め
ると、線Cで示される溶融物の表面レベルは線Aで示さ
れる混合前よりもずっと高くなった。この差は渦により
溶融物中に引き込まれ、混合工程中にトラップされたガ
スによるものであった。この物理的な飛沫同伴は固体微
粒子を含む溶融物に対しては特に重要である。溶融物中
に引き込まれたガスは、優先的に微粒子と溶融物との間
の表面に保持されるからである。このように、混合は溶
融物中の粒子の分散を促進し、濡れ性を高める有益な効
果を有することができる一方、間違った型の混合は結局
濡れを妨害する。
混合作用はまた溶融物中に、キャビテーションと同様
の様式で、望ましくない気泡を凝集させることがある。
溶解されたまたはトラップされたガスは不適当に設計さ
れた混合羽根車の羽根のすぐ後ろの低圧領域で、そこの
減圧により、気泡中に凝集される。気泡は優先的に微粒
子表面に付着し、また、濡れを妨害する。
本発明の混合工程はガスの溶融物中への混入、及び溶
融物中に吸着され、溶解され及びトラップされたガスの
保持を最小限に抑え、その結果、金属の粒子への濡れを
妨害する溶融物中のガスのレベルが減少される。
混合工程では、また、溶融物中の溶融金属及び固体粒
子間に高いせん断速度及び力の状態が生成される。せん
断状態では、溶融金属が固体表面に対しこすり、すり磨
く物理的メカニズムにより微粒子表面からの吸着された
ガス及び気泡の除去が助長され、そのためガスや酸化物
などの汚染物質は洗い流される。せん断により、金属が
表面上に伸ばされる傾向もあり、このため、適用された
せん断力は、金属の固体表面上での広がりを妨害する力
に打ち勝つように補助する。せん断作用は粒子を変形さ
せたり砕いたりせず、その代わりに液体金属を急速に粒
子を通過してせん断する。
好ましいアプローチでは、溶融物の表面に真空が適用
される。真空により、ガスが混合中に表面を通って溶融
物中に混入することが減少される。真空はまた、ガスが
溶融物から除去されるのを補助する。ガスの溶融金属へ
の導入を最小に抑え、溶融金属中にガスが保持されるの
を最小に抑える他の技術が採用されるなら、真空を使用
する必要はない。この発明の範囲内でのそのようなアプ
ローチの1つに、1991年7月2日に認められた米国特許
第5,028,392号のそれがある。
非金属材料、好ましくは炭化珪素、の粒子で強化され
た、金属合金、好ましくはアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金、の複合材料の製造はアルミニウム合金の溶融
で開始する。例えば、6061、2024、7075、7079及びA356
などの、広範囲にわたる標準精錬、鋳造あるいは他のア
ルミニウム合金を使用することができる。合金の型の制
限は知られていない。
粒子を添加する前に、濡れを妨害する酸化物、粒子、
溶解したガス及び他の不純物を除去するために溶融物を
洗浄することが好ましいが必ずしも必要はない。あるア
プローチでは、アルゴンガスなどの無反応性ガス、アル
ゴンと塩素などの無反応性ガスと反応性ガスの混合物
が、粒子が添加される前に、例えば15分などの一定の期
間保持タンクで、溶融物を通して発泡される。表面に達
した気泡は、それと共に、上がってくる時に気泡中に拡
散した水素ガスなどの溶解し、トラップされたガスを運
ぶ。また、金属中に浮遊しているドロスも表面に押し上
げる。
非金属セラミック材料の粒子が溶融金属に添加され、
混合される。粒子は、混合及び鋳造の条件下で、溶融金
属との化学反応による劣化が十分低い程度のものでなけ
ればならない。すなわち、全ての公知の条件下で溶融金
属中に溶解する微粒子は認めることができず、溶融金属
と接すると望ましくない反応生成物を形成する微粒子も
認めることができない。他方、ほとんどの非金属は高温
で溶融金属と大規模に反応するが、多くの場合、その反
応は、溶融金属の温度を処理に必要な時間の間、実質的
な程度の反応の起こならい温度まで制御することによ
り、容認できるレベルまで減少させることができる。
好ましい非金属強化材材料は、金属酸化物、金属窒化
物、金属炭化物、金属珪化物及びガラスである。これら
の中で、容易に手に入れることができ、高価でなく、こ
のアプローチを用いて所望の複合材料を形成することの
できる物理特性及び反応性の必要な組み合わせを示すの
で、炭化珪素及び酸化アルミニウムが特に興味深い。
溶融物に添加された微粒子の量は、粒子を含む溶融物
を撹はんし均一性を得る能力に依存する最大量によっ
て、実質的には変化させることができる。微粒子の量が
増えると、溶融物の粘性がより高くなり、撹はんがより
困難になる。微粒子の量がより高くなると、溶融物内の
ガスの保持及び安定のための表面積も増加し、安定し
た、濡れ材料を製造する能力が制限される。アルミニウ
ム合金中の微粒子の最大量は約35容量%であることが見
いだされている。粒子の大きさ及び形もまた変えること
ができる。
溶融金属と粒子の組み合わせは、混合前に、好都合は
方法により形成される。粒子は溶融物の表面または表面
下に添加されるが、後者の場合、部分的または完全な濡
れを達成するまで混合を同時に行わなければ、粒子は典
型的には表面まで上がってくる。粒子はまた金属を溶融
する前に金属片と共に添加するもともでき、このため、
それらは溶融されて溶融物を形成するので、粒子は金属
片と共に存続する。微粒子を添加する前に溶融物を洗浄
することが望ましいので、この後者の手順は好ましくな
い。微粒子が溶融物の洗浄中に存在すると、微粒子は洗
浄ガスと共に表面まで運ばれる可能性がある。
微粒子と溶融金属は、溶融金属が粒子に対し濡れるの
に十分な時間、共に混合される。混合は、ガスを微粒子
の表面から除去し、濡れを促進するために、高いせん断
ひずみ速度及び力の条件下で実行される。混合技術によ
り、ガスの溶融物への導入も避けなければならないし、
溶融物中にすでにトラップされ、溶解したガスの安定化
も避けなければならない。
混合に対する1つのアプローチでは、溶融物に浸漬さ
れ、溶融物内で高いせん断を誘起する溶融物の表面では
小さな渦を誘起するように作動される、分散羽根車が使
用される。これらの要求を満たす分散羽根車は図2に説
明されている。この分散羽根車100は複数のフラットな
羽根104を有する分散羽根車シャフト102を含む。羽根10
4は回転方向に関しては適当な位置に据えられていない
が、シャフト102に対して垂直な線から約0から45゜の
角度となるようにされる。このデザインでは、表面の渦
の出現を最小に抑え、溶融物中での気泡の凝集を最小に
抑えながら、微粒子を溶融物中に引き込むように作用す
る。このテストにより、この羽根車は少なくとも1分に
つき2500回転(rpm)までの速度で回転することがで
き、アルミニウム合金溶融物の表面では重要な渦は誘起
されないことが説明される。溶融混合物中で最も高いせ
ん断速度及び力を誘起し、濡れを達成するのに必要な時
間を減少させるので、高速回転が望ましい。
溶融物は金属の微粒子に対する濡れが達成され、微粒
子が金属全体に分散されるのに十分な時間、分散羽根車
で混合される。経験的には、バッチ処理システムでは約
70分の総混合時間で十分であることが見いだされてい
る。連続流れシステムでは、実質的に全ての量の溶融混
合物が、少なくとも1度は高いせん断状態にさらされな
ければならない。好ましいアプローチでは、溶融複合材
料流れチャネルに大きさを合わせられた混合羽根車を有
し、そのため、そのチャネルを通過する実質的には全て
の複合材料がその羽根車により撹はんされる。確実に溶
融材料全てが混合されるように多段階の混合を行うこと
ができる。
混合温度は、粒子と溶融金属の間の逆化学反応を避け
るために、注意深く制御されなければならない。粒子と
接触した時の金属の最高温度は、粒子が溶融金属中で化
学的に劣化する温度を越えてはならない。最高温度は使
用する合金の型に依存し、個々の合金に対し決定するこ
とができる。溶融合金が微粒子と接触する間、どのよう
な期間でさえも、最高温度を越えてはならない。
例えば、最高温度はマグネシウム、亜鉛あるいはリチ
ウムなどの反応成分を有効量含む炭化珪素微粒子合金の
合金液相温度以上約20℃である。最高温度は、多量の反
応あるいは安定化元素を含まない通常の合金に対して
は、合金液相温度以上約70℃である。最高温度は、珪素
などの反応に対し溶融物を安定化させる元素を大量に含
む合金に対しては、合金液相温度以上約100から125℃で
ある。上記温度より高い温度を使用すると、溶解された
物質が存在するために粘性が増加するので、複合材料混
合物を溶融し、混合し、鋳造することは困難または不可
能となる場合がある。
最高温度は、その化学組成により主に決定される微粒
子の反応性にも依存する。炭化珪素は比較的反応性があ
り、上記の原理が適用される。酸化アルミニウムはアル
ミニウム及びアルミニウム合金中で比較的反応性がな
く、そのためずっと高い温度を使用することができる。
流れ鋳造と呼ばれる以前のアプローチでは、金属と微
粒子は合金の固相線と液相線の間の範囲で混合された。
この範囲では、固体金属は液体金属と平衡状態で形成さ
れ、固体金属は更に粘性とせん断力を増加させ、混合を
更に効果的にする。しかしながら、実質的に液相線より
低い温度を使用すると、複合材料を固化させた後、金属
相中に合金元素の広範囲にわたる、望ましくない偏析が
起きることが今では見いだされている。材料はまた、従
来の鋳造手順を用いては、容易に鋳造することができな
い。
そのため、溶融混合物は、液体金属と平衡して実質的
に固体金属相が形成されない最低温度から、粒子が溶融
金属中で化学的に劣化しない最高温度までの温度範囲で
維持される。最低温度は溶融金属の液相線ぐらいである
が、しばらくの間なら、より低い温度で維持することも
できる。より低い温度への温度の変動は、固体金属相が
存在せずに溶融物が鋳造される限りは、有害ではない。
例えば、微粒子または合金添加物が溶融物に添加された
時に、通常暫定的な温度の下降が存在し得る。温度は溶
融物が鋳造される前に、液相温度以上に上げなければな
らない。短い期間ならば許容されるが、定常状態温度を
元に戻すのにかかるエネルギーコストのため、このよう
な温度の変動は避けるのが好ましい。最高温度は液体金
属中の微粒子の劣化の開始により制限される。より高い
温度へのしばらくの間の変動は、微粒子の重要な劣化を
引き起こさない限りは許容されるが、このようなより高
い温度は長時間維持してはならない。
混合が完了し溶融複合混合物が混合装置から引き出さ
れた後、複合材料は従来の鋳造技術ならどれを用いても
鋳造することができる。複合材料が混合された後、溶融
物は実質的には均一であり、粒子は金属により濡れ、そ
のため粒子は金属に直ちに浮遊しない。複合材料は実質
時間保持されると、密度の違いにより、粒子の偏析を避
けるために撹はんすることができるが、撹はんによりガ
スを溶融物中に導入してはならない。鋳造は直ちにある
いは高速鋳造手順により完了する必要はない。
得られた鋳造材料は従来のや金手順により製品に製造
することができる。複合材料はアニールや熱処理をする
ことができる。それは、例えば従来の装置での圧延や押
し出しを用いて、高熱加工することができる。最終的な
複合材料はまた、許容できる鋳造手順であればどれによ
っても、鋳造工場操作において再鋳造することができ
る。
図3−6は本発明の連続流れ法により複合材料を製造
するための装置の3つの実施例を示すものである。図3
に関して言えば、装置10はミキサー12、溶融マトリクス
合金及び微粒子をそれぞれミキサー12に供給する溶融金
属供給手段14及び粒子フィーダー16、及びミキサー12か
ら混合された複合材料を受け取り、鋳造する前に保持す
る保持炉18を含む。
ミキサー12は少なくとも1つの、ここでは図示された
2つの、段階の溶融金属及び微粒子の混合を含む。溶融
金属は溶融金属供給手段14から加熱導管20を通って受け
入れられる。溶融金属供給手段14は複合材料のマトリク
スとして使用される金属合金を溶融する炉15を含む。炉
14中の溶融金属は、アルゴンなどの不活性ガスまたはア
ルゴンと塩素などの不活性及び反応ガスの混合物を、表
面下に挿入されたランス22を用いて溶融金属を通るよう
に発泡させることにより、連続的に洗浄されることが好
ましい。発泡されたガスは、溶融物中に存在する水素や
酸素などの溶解またはトラップされたガスを集め、表面
まで除去し、溶融物の表面下に存在するドロス粒子も浮
遊させる。溶融金属は炉15の表面下から真空排気された
脱気ユニット17まで流れ、そこで、表面に適用された真
空により炉15の処理から残っているトラップされたガス
が除去される。溶融金属は連続的に脱気ユニット17の溶
融物表面板から、導管20を通って、ミキサー12まで流れ
る。
真空及び金属レベルは変動することができるので、ま
た、金属の流速はかなりの精度で制御することが望まし
いので、金属ポンプ24が金属導管20内の配置される。ポ
ンプ24は様々な速度をとることができ、ミキサー12への
溶融金属の流速を制御する際にポンプ及びバルブの両方
として作用する。
微粒子フィーダー16は市販の型の真空押し出し機また
は真空ロックドホッパーである。微粒子は典型的にはフ
ィーダー16中で注意深く乾燥され、確実に水分がミキサ
ー12に到達しないようにされる。微粒子はフィーダー16
から微粒子導管26を通ってミキサー12まで運ばれる。微
粒子の流速はスクリュー押し出し機28または可変速のモ
ーターにより操作される同様の装置により支配される。
押し出し機28及びポンプ24の作動速度を変動させること
により、ミキサー12への予め選択された全流量及び予め
選択された微粒子と金属の相対量が達成できる。必要な
らば、導管28は加熱しても良いが、実施のほとんどにお
いて、ミキサー12に供給される金属の量に比べ微粒子の
量が相対的に少ないので、導管28の加熱は必要とされな
い。
図3の実施例においては、ミキサーは段階を2つ有
し、それぞれ、別々のチャンバ30及び32に配置されてい
る。1つのチャンバ30は円筒形の耐火物内張り鋼容器で
あり、円筒軸は垂直である。個々のチャンバ30及び32の
上部は真空ポンプ34と接続され、約30−50torrの真空ま
でポンピングされる。真空により、混合される時のガス
の溶融複合材料への導入の見込みが減少する。
溶融金属は金属導管20から第1のチャンバ30の頂部付
近に入る。微粒子は導管26を通って金属の表面のちょう
ど上にまたは下に導入される。第1のチャンバ30は一般
に図2に図示された型の垂直に載置された羽根車36を含
む。この羽根車は回転真空フィッティング38を通ってチ
ャンバ30に入り、外部の可変速式のモーター40により駆
動される。羽根車36により微粒子は溶融金属内に撹はん
され、第1の型の複合材料を形成する。羽根車36により
生成される渦を通して、溶融材料中にガスが導入されな
いように注意される。溶融金属の微粒子に対する濡れは
高せん断混合作用により達成される。
羽根車36の羽根の外径はチャンバ30の円筒の内径より
もわずかに小さい。羽根車36とチャンバ30の内壁の間の
比較的小さな隙間により、確実に、第1のチャンバを通
って下に向かって流れる金属が全て混合作用を受けるこ
とになる。羽根車36の羽根を通過せずに、チャンバ30の
底に到達する金属はほとんど無い。金属が直接間隙ギャ
ップ内の内壁に沿って通る見込みを減少させるために、
バッフル42がチャンバ30の内壁から内側に向かって広が
る。バッフル42は内壁に沿った流れを遮断し、金属及び
微粒子混合物をチャンバ30の中心に向かって押し戻す突
起であり、これにより混合物は次の段階の羽根車の羽根
により混合される。
混合された複合材料は第1のチャンバ30の底端から複
合金属導管44を通って引き出される。市販の渦電流導電
率モニタ46が導管44内に配置され、複合材料の流れ中の
微粒子の容量部をモニタしている。この情報は、最終的
な複合材料中で所望の容量部の微粒子を達成するため
に、微粒子フィーダー16及び溶融金属供給手段14の流速
を制御するためのフィードバックセンスにおいて使用さ
れる。
複合材料は導管44から第2のチャンバ32に入る。第2
のチャンバ32は第1のチャンバ30と同様の様式で構成さ
れ、複合材料溶融混合物の流れが下方よりもむしろ上方
に向かうことを除き、同じ番号の要素が用いられてい
る。(この流れの向きは重要ではなく、第2のチャンバ
内の流れの方向は異なる導管配置を用いれば第1のチャ
ンバと同じにすることができる。)この段階では、かな
りの部数の微粒子が溶融金属により抜0濡れているが、
幾らかまだ濡れていない可能性がある。複合材料を第2
のチャンバ32の羽根車36を通って軸方向に通過させるこ
とにより、更に複合材料を混合し、微粒子の濡れ表面の
割合を増加させる。2段階による混合が、いくつかの特
別な複合材料に対しては不十分である場合には、この原
理は追加の段階に広げることができる。
混合された複合材料は第2のチャンバ32から導管48を
通って引き出され、保持炉18に導かれる。導管48はま
た、渦電流装置50を含み、複合材料中の微粒子の量を測
定している。
図3の装置はどちらの段階も羽根車混合を使用する2
段階ミキサーを有している。他の型の装置も可能で、そ
のような代わりの実施例が図4に示されている。
図4の装置60では、溶融金属供給手段14、微粒子フィ
ーダー16及び保持炉18は前に説明した通りである。しか
しながら、ここでは溶融金属と微粒子は、その円筒軸が
水平であり、本質的に直線円筒形のミキサー62に導入さ
れる。ミキサー62の壁64は酸化アルミニウムなどの不導
電性材料で構成される。高周波誘導コイル66が円筒形の
ミキサー62の外側に巻かれている。作動されるときは、
誘導コイル66が図4では左から右に流れる溶融金属と微
粒子を混合し、複合材料を製造する。複数の固定バッフ
ル68がミキサー62の内壁から内側に向かって突出してお
り、誘導コイルにより生成される混合が低い領域で、複
合混合物の層状化(stratification)を阻止している。
ミキサー62の内側は真空ライン70によりポンピングさ
れ、ガスがシステム中に蓄積し、溶融複合材料中に混入
する可能性を減少させている。溶融複合材料中の微粒子
の量を定量する渦電流モニタ72もまた備えられている。
図4では、図面の関係で比較的短い長さのミキサー62が
示されているが、ミキサー62は約6−9メートルの長さ
で、多数の誘導コイルと多数組のバッフルを有してい
る。
同様の水平直線ミキサー82を採用する装置80が図5に
示されている。このミキサー82の構成は、混合を得るた
めにミキサー82内で1つあるいは多数の羽根車82が作動
されること以外は、前に説明したものと同様である。羽
根車は、図示されているように、側面衝撃(side impac
t)混合用、あるいは図3に示されているように軸方向
混合(axial mixing)用に、配向することができる。こ
の実施例では、多段階混合が、単一の混合チャンバ内で
使用されている。羽根車と誘導混合の組み合わせ、ある
いは他の混合を使用することができる。更に別の装置90
が図6に示されている。装置90は羽根車94を備えたミキ
サー92を含むが、誘導混合を使用することもできるだろ
う。装置90では、金属供給手段14が物理的にミキサー92
上にあり、そのためミキサー92内の金属及び複合材料に
静水頭(hydrostatic)が適用される。ガスがシステム
中に入ることができないので、ミキサー92の真空ポンピ
ングは必要ない。しかしながら、ガスが微粒子フィーダ
ー16を通って入らないように細心の注意が必要である。
必要に応じて、例えば羽根車と誘導混合などのよう
に、連続流れ装置の様々な実施例を組み合わせて使用す
ることができる。
この発明の方法及び装置は、経済的で、高品質の材料
を製造する溶融及び鋳造手順により、微粒子強化複合材
料を製造するものであることが認められるであろう。濡
れは、マトリクス中のガスの効果を最小に抑え、高せん
断速度で混合することにより達成される。説明のため
に、この発明の特別な実施例を詳細に説明してきたが、
この発明の精神及び範囲内であれば様々な改良をするこ
とができる。
従って、この発明は添付の請求の範囲以外では、制限
されるものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シュスター、デイビッド・エム アメリカ合衆国、92037・カリフォルニ ア、ラ・ジョラ キャンドルライト・プ レイス963番 (72)発明者 ブルスキ、リチャード・エス アメリカ合衆国、92009・カリフォルニ ア、エンシニタス、ソフトウインド・レ ーン2114番 (56)参考文献 特開 平2−25530(JP,A) 特開 昭58−144442(JP,A) 特開 昭59−41380(JP,A) 特表 平2−500201(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 19/14 C22C 1/10

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属合金(14)を溶融し、そこに予め選択
    された容量部の非金属粒子(16)を添加する工程と、 非金属粒子が溶融金属合金の容量全体に分散され、溶融
    金属による非金属粒子の濡れ性を促進するように非金属
    粒子と溶融金属が互いにせん断される条件下で、非金属
    粒子と溶融金属の混合物へのガスの導入が最小に抑えら
    れ、かつその混合物内のガスの保持が最小限に抑えられ
    るように、また混合段階を完了するのに必要な時間に溶
    融金属中で非金属粒子が実質的に化学的に劣化しない温
    度で、ミキサー中で非金属粒子を溶融金属と混合して溶
    融金属で濡す工程と、 上記ミキサーから引き出された複合混合物を鋳造する工
    程と、 を含んで、非金属粒子で強化された金属合金の複合材料
    を製造する方法において、 上記非金属粒子を溶融金属と混合して溶融金属で濡す工
    程が、溶融した金属合金と非金属粒子とを連続して流れ
    る(a)少なくとも2つの独立したチャンバ(30、32)
    を有するミキサー(12)又は(b)単一な水平ミキサー
    (62、82又は92)から成る多段混合段階に供給する連続
    流れ系内で、実施され、 この連続流れ系において、溶融金属と非金属粒子とを第
    1の混合段階に供給して全溶融金属が該第1の段階を通
    過する際に非金属粒子との混合を確保し、混合された複
    合混合物をさらに第2の段階に移送して全複合混合物が
    該第2の段階を通過する際にさらに混合し、且つ、各混
    合段階で、ガス混入を最小限にして十分な剪断作用を複
    合混合物に与えることを特徴とする合金複合材料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】上記水平なミキサーが少なくとも2つの固
    定バッフル(68)を含むことを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】金属合金がアルミニウム合金である請求項
    1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】非金属粒子が金属酸化物、金属窒化物、金
    属炭化物及び金属珪化物からなる群から選ばれる耐火セ
    ラミックである請求項1ないし3のいずれかに記載の方
    法。
  5. 【請求項5】非金属粒子が炭化珪素、酸化アルミニウ
    ム、炭化ホウ素、窒化珪素及び窒化ホウ素からなる群か
    ら選ばれる請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】非金属粒子がガラスである請求項1ないし
    3のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】上記非金属粒子を溶融金属と混合して溶融
    金属で濡す工程の少なくとも第1段階と第2段階とにお
    いて各々回転羽根車(36)を使用して溶融金属と非金属
    粒子とを混合する請求項1ないし5のいずれかに記載の
    方法。
  8. 【請求項8】少なくとも2つの独立したチャンバ(30、
    32)を有する上記のミキサー(12)は、各チャンバが垂
    直状容器で且つ、垂直軸廻りに回転する上記羽根車を配
    置し、流れ方向に直列に接続されて、溶融金属と非金属
    粒子とを該チャンバに順次通過させて、チャンバ内の羽
    根車により攪拌して混合することを特徴とする請求項6
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】水平ミキサーに、垂直軸廻りに回転する少
    なくとも2つの上記羽根車を配置したことを特徴とする
    請求項6に記載の方法。
  10. 【請求項10】上記非金属粒子を溶融金属と混合して溶
    融金属で濡す工程が、溶融金属と粒子の混合物に真空を
    適用して行われる請求項1ないし8のいずれかに記載の
    方法。
  11. 【請求項11】上記鋳造する工程が実質的に固体金属が
    存在しない十分高い鋳造温度で実行される請求項1ない
    し10のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】溶融金属で非金属粒子を濡らすために、
    金属による非金属粒子の濡れを促進するように非金属粒
    子が溶融混合物の容量全体に分散され、非金属粒子と溶
    融金属が互いに剪断される条件下で、非金属粒子と溶融
    金属の混合物へのガスの導入が最小に抑えられ、かつそ
    の混合物内でのガスの保持が最小に抑えられるように、
    混合段階を完了するのに必要な時間に溶融金属中で粒子
    が実質的に化学的に劣化しない温度で混合する混合手段
    を備えた金属合金の複合材料を製造する装置であって、 上記混合手段が(a)流れを接続する導管(44)を間に
    備えた少なくとも2つの独立したチャンバ(30、32)を
    有するミキサー(12)又は(b)単一の水平なミキサー
    (62、82又は92)を有する多段連続流れ混合システムを
    備え、 該混合手段に溶融金属の流れを連続的に導入する金属供
    給手段(14)と、上記混合手段に粒子の流れを連続的に
    導入する粒子供給手段(16)とを備えて、 この連続流れ混合システムにおいて、溶融金属と非金属
    粒子とを第1の混合段階に供給して全溶融金属が該第1
    の段階を通過する際に非金属粒子との混合を確保し、混
    合された複合混合物をさらに第2の段階に移送して全複
    合混合物が該第2の段階を通過する際にさらに混合し、
    且つ、各混合段階で、ガス混入を最小限にして十分な剪
    断作用を複合混合物に与え、 上記混合手段から混合された複合材料の流れを連続的に
    取り出す手段(18)をさらに備えることを特徴とする複
    合材料製造装置。
  13. 【請求項13】上記単一の水平なミキサー(62、82又は
    92)が少なくとも2つの固定バッフル(68)を含むこと
    を特徴とする請求項12記載の装置。
  14. 【請求項14】上記混合手段が、第1段階と第2段階の
    各々に、溶融金属と非金属粒子を混合する羽根車(36)
    を含む請求項12に記載の装置。
  15. 【請求項15】少なくとも2つの独立したチャンバ(3
    0、32)を有する上記のミキサー(12)が、各チャンバ
    が垂直状容器で且つ、垂直軸廻りに回転する上記羽根車
    を配置し、2つのチャンバ(30、32)間を導管で接続し
    て連通させ、溶融金属と非金属粒子とを該チャンバに順
    次通過させて、チャンバ内の羽根車により攪拌して混合
    するようにしたことを特徴とする請求項14に記載の装
    置。
  16. 【請求項16】上記の2つのチャンバが、溶融金属と非
    金属粒子を混合するのを補助するために上記の複数の羽
    根車と共に、壁面に取着して内部に突設する複数のバッ
    フル(42、68)を備えたことを特徴とする請求項15に記
    載の装置。
  17. 【請求項17】少なくとも2つの上記羽根車を、上記単
    一の水平ミキサーに流れ方向に、垂直軸廻り回転するよ
    うに配置したことを特徴とする請求項14に記載の装置。
  18. 【請求項18】上記混合手段のミキサーが真空ポンプ
    (34)に接続されて、複合材料が真空下で混合されるこ
    とを特徴とする請求項12ないし17のいずれかに記載の装
    置。
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