JP3092691U - 平板式スピーカーとその放射パネル - Google Patents

平板式スピーカーとその放射パネル

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(57)【要約】 【課題】 ボイスコイル・ユニットと磁石ユニットとの
間に弾性支材がない平板式スピーカーを提供して放射パ
ネルの剛性増加の欠点を防止する。 【解決手段】 従来技術の放射パネル材料の代りに、単
軸方向繊維強化ポリマー積層板を用いて方形複合材平板
を製作し、有効に放射パネルの最適振動形状および振動
量を起し、放射パネルの拡声効果を大幅に向上させ、同
時に有効振動モードの判定方法を用いて帯体複合材平板
式スピーカーの設計パラメーターを有利に決めるもので
ある。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は平板式スピーカーに関するものであり、より詳しくは平面状放射パ ネルに激振を与えて撓み振動を起す方形平板式スピーカーに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来のスピーカーは主として円柱状電磁変換器を用いて円錐形振動膜を動かし て音声の拡大を行っている。従来のスピーカーの応用範囲は狭くないが、それに は音ボックスの機能を借りて音声を拡大する必要があり、このため大型となり、 重量も大きく、加えて音響の死角などの欠点がある。
【0003】 近年科学技術の進歩に伴い、多くの音響付きの電子機器と通信製品、例えばノ ート型パソコン、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)などに おいては、音声と映像を一体にする傾向があり、軽くて薄い方向へ発展している 。したがって、平板式スピーカーは逐次伝統的なスピーカーの肩代わりになる傾 向がある。
【0004】 図1と図2とはそれぞれ従来技術の平板式スピーカーの例を示すものである。 平板式スピーカーの構造には、弾性支材12を具えた電磁変換器10、放射パネ ル20、放射パネルと変換器を支えるのに用いるフレーム30と放射パネル20 をフレーム30上に取付ける柔軟性懸垂ユニット50などが含まれる。
【0005】 放射パネルを激振させて撓み振動を起し拡声を行う変換器には主に図3、4に 示すような2種類の形式がある。弾性支材12の働きは、ボイスコイル・ユニッ ト170のコイル172を磁石182上方の頂板181とパーミアンスユニット 183からなる磁場隙間184中に位置させて、かつ変換器に必要な減衰を提供 することにある。一般に従来の方形平板スピーカーでは弾性支材を持つ電磁変換 器を平板の中央に配置しているが、その理由は弾性支材が放射パネルの剛性を高 めるので平板を激振させて音声を拡大し、得た声圧スペクトル分布に比較的高い 初期反応振動数f0を持たせることにある。
【0006】 しかし声圧スペクトルに著しい高低起伏の変化がある場合には、入力パワーが 増大すると声圧反応とパワーの非線型性がより鮮明になる欠点がある。それ故に 声圧スペクトル分布をより緩やかにすることがアメリカ特許第4,426,55 6号に提案されている。そこでは2個の変換器を用いて方形平板を激振させてお り、これによって比較的緩やかな声圧スペクトル分布を得られる。しかし激振さ せる位置があまりにも平板の両短辺に寄り過ぎた故に、振動量が減り拡声の効果 に影響を及ぼすという欠点がある。
【0007】 さらに従来の平面スピーカー中の放射パネルのほとんどが金属、紙、ポリマー または編布などの材料によって作られている。これらの材料は重い上に剛性が不 足または減衰性が悪いなどの欠点があり、放射パネルの製作材料として理想的な 材料ではない。
【0008】 有効振動モードパラメーター判定法(effective modal pa rameters identification method)は、平板式 スピーカーを設計するひとつの方法であり、この方法は振動モード解析(mod al vibration method)、レイリー第1声圧積分式(Ray leigh’s first sound pressure level i ntegral)と最適化方法(sound pressure level optimization method)などの方法に基づくものである。
【0009】 これらの方法によって方形複合材料の平板式スピーカーの設計パラメーター、 例えば平板厚と複合層の角度、激振の位置、懸垂ユニットの支持位置と弾性など を有利に決めることができる。
【0010】 レイリー第1声圧積分式に基づくと、周囲が剛性板で囲まれた平板式スピーカ ーが激振を受けて音声を発した際には、平板中心点からr離れた場所の声圧は次 式より求めることができる。
【0011】
【数1】
【0012】 式中のP(r,t)は板面からr離れた場所におけるの瞬時声圧、rは計測点 と板面上の参考座標原点間の距離、Rは計測点と板面上の振動点間の距離、rs は振動点と座標原点間の距離、ρ0は空気密度、tは時間、sは板の面積、ωは 平板の振動数、Vn(rs,t)は平板上振動点の正面方向速度、i=√−1など を表す。さらに声圧の感度を次の様に定義される。
【0013】
【数2】
【0014】 式中のLpは声圧の感度、Prmsは声圧の二乗の平方根、Prefは参考圧力常数 などを表す。異なる振動数の声圧感度を解析すると放射パネルの声圧感度スペク トルを得ることができ、人の耳で聞く事のできる振動数範囲内で比較的均等な声 圧感度分布を得ることは眞の音声を伝える平面スピーカーを設計するのに必要な 条件である。
【0015】 数1から明らかなように、1個の固定計測点に対し、瞬時声圧の大きさは板が 激振を受けた時の振動数ωと板の振動速度Vnなどと密接な関係がある。もし特 定の振動数範囲内で比較的均等な声圧感度スペクトル分布を得るには、必ず平板 表面が異なる激振振動数下で適合した速度分布にする必要がある。ここで基準座 標X−Yの原点を平板の中心に置き、かつ水平軸Xと垂直軸Yをそれぞれ平板の 長辺と短辺に平行にする。
【0016】 数1の積分項中から明らかな様に、速度Vnの正負の符号は最後に得られる声 圧値に影響する。平板表面上の速度が参考座標に対して逆対称分布となるとき、 すなわち平板の振動波形が逆対称の場合、平板上の各点に生じる声圧は相互に干 渉または相殺し、この故に計測された声圧値が著しく低減する。平板表面の速度 分布はその振動モードと関係があるので、放射パネルを設計する際には、拡声振 動モードを妨げるモードを判定する必要がある。また適切な調整を行って、拡声 の振動モードを有効に被激振されるようにする。
【0017】 数1中の速度項の平板表面上の分布は、理論的方法に基づいて有限要素法(f inite element method)とモード解析法(modal a nalysis)などで求めることができる。モード解析より板の横方向の変位 応答が求められ各モードの横方向の変位応答の総和は以下のように表すことがで きる。
【0018】
【数3】
【0019】 式中のDは変位、nは考慮する固有振動モード数、θi、AiとΦiはそれぞれ 第i番目の固有振動モードの位相角、振幅と振動波形を表す。数3をDについて 微分すると速度が得られる。
【0020】
【数4】
【0021】 数4から明らかなように、平板上の速度分布は振動モードの相関パラメーター θi、AiとΦiなどと緊密な関係がある。他方振動理論から明らかなうに、任意 の1個のモード振幅は激振力の大きさと、その作用位置、当該モードの固有振動 数と激振力の振動数の比、平板の撓み剛性、減衰値および支持方式などの要素と 関係があり、激振力の振動数がモードの固有振動数と同じ場合、共振現象が発生 し、この時のモード振幅が最大値になる。
【0022】 もし激振点がちょうど当該共振モードの振動波形の最大変位の点上に位置した 場合には、モードの振幅が倍増され、この振動数の声圧感度が急に上昇する。他 方、もし激振点が当該共振モード振動波形の節線(node line)上に位 置した場合、共振モード振動波形は逆に激振されなくなり、平板の速度が減少さ れ、これが故に当該激振振動数の声圧値に著しく影響を及ぼす。
【0023】 しかし数4から明らかなように、もしその他のモード振幅がこの振動数下の速 度に対しある一定の程度の寄与があれば、この振動数は必要な声圧を発生させる ことができる。以上から明らかなように激振に適合する振動モードは、平板の音 声拡大効果に重要な影響を及ぼす。減衰の大きさもまたモード振幅性に影響し適 合する減衰値は音声の拡大に寄与し、放射パネルの材料としては材料とその減衰 の比の値が100分の10以下のものにするのが望ましい。
【0024】 平板の曲げ剛性は、弾性係数と密度の比、長さと厚さの比および支持方式など の影響を受ける。平板の曲げ剛性は平板のモード振幅と反比例になるが、平板の 固有振動数は板の曲げ剛性と正比例する。すなわち剛性が大きい程それによって 生じる振動数も高くなる。数4中には、モードの固有振動数が直接式にはないが 、上記したように固有振動数と激振振動数の比に影響し、またこれによってモー ドの振幅の大きさに影響するので、このことから固有振動数も速度と密接な関係 があることが分かる。
【0025】 一般的にいえば、平板の固有振動数は各音階レベルの振動数範囲内で皆妥当な 分布になり、これによって異なる振動数の激振を受けた際、当該振動数付近の固 有振動数も拡声の変位効果に寄与できるようになる。こうすれば激振点の位置が ある1個の振動モードの節線上にあっても、この原因で声圧に急激な変化を生じ させることはない。
【0026】 平板縁上の弾性帯体は、減衰を持バネにシミュレートすることができ、その減 衰値、弾性と支持位置などが平板の振動モードに直接影響し、特に異なった支持 点の選択によって、平板のモード振動波形を変化させることができる。上記した ように、一部のモード振動波形、例えば逆対称波形は、放射パネルの均一な分布 の声圧感度スペクトル生成を妨げる、しかしもし平板周辺の縁に妥当な支持方式 と支持点位置を選べば、上記したような好ましくないモード波形の発生を回避す ることができる。
【0027】 数4中の位相角は、例えば減衰、固有振動数と激振振動数などのパラメーター と関係があり、平板と懸垂ユニットの減衰を既知の場合、平板の剛性を変えてそ の位相角を調整することができる。
【0028】 近年最適化方法は、すでに工程設計に広範囲に応用されており、この最適化設 計方法を用いると迅速でかつ有効に設計パラメーターを選択して所定の目標に到 達させることができる。したがって最適化方法も帯体複合材料の積層複合放射パ ネルの設計に用いることができる。
【0029】 既定の長さ幅帯体の複合材料積層複合放射パネルを設計する際、その設計過程 を2段階に分けて行われる。第1段階の設計目標は、放射パネルが既知の支持条 件下と設計振動数の範囲内で、最大の拡声効果を得ることにある。すなわち声圧 スペクトル範囲内に最大のエネルギーを含ませるようにし、この時選択する設計 パラメーターは、複合材料の繊維と垂直繊維方向の弾性係数と密度の比、層板の 複合層角度と層数および変換器の放射パネル上での激振位置などである。
【0030】 第2段階の設計目標は、特定振動数の範囲内の声圧感度をより均等に分布させ ることである。その目標関数εは、次のように表現できる。
【0031】
【数5】
【0032】 式中のPiは激振振動数ωi時の声圧を表し、P ̄は平均声圧を表す。すなわち
【0033】
【数6】
【0034】 この時の設計上の問題はεを最小にし、そして設計変数は方形を吊る弾性と支 持位置である。上記したような各段階の設計目標は最適化方法、例えば遺伝アル ゴリズム(genetic algorithm)、または確率的最適化手法( stochastic global optimization techn ique)で求めることができる。
【0035】 以上総括すると、長さと幅とが既知の複合材放射パネルを設計する場合、平板 の振動モードパラメーターはその拡声効果と密接な関係があり、設計時有効な振 動モードを判定する必要がある。モードパラメーターについて適切な調整を行っ て拡声のモード振動波形の妨げを防ぐことができる。
【0036】
【考案の解決すべき課題】
この考案の目的は平板式スピーカーとその放射パネルを提供することにある。
【0037】 この考案の他の目的は、ボイスコイル・ユニットと磁石ユニットとの間に弾性 支材がない平板式スピーカーを提供するもので、これを用いて放射パネルの剛性 増加の欠点を防ぐことにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】
従来技術の放射パネル材料の代わりに、単軸方向繊維強化ポリマー積層板を用 いて方形複合材平板を製作し、有効に放射パネルの最適振動形状および振動量を 起し、放射パネルの拡声効果を大幅に向上させると同時に、有効振動モードの判 定方法を用いて帯体複合材平板式スピーカーの設計パラメーター、例えば平板厚 と複合層角度、激振位置、弾性懸垂ユニットの支持位置と弾性などを有利に決め るものである。
【0039】 この考案はまた放射パネル提供するもので、該放射パネルは実質的に1対の長 辺bと1対の短辺aの帯体積層複合板を有し、積層複合板の上下面が単軸繊維強 化のポリマー積層板で、中間が軽量材質で形成されている。放射パネルは激振さ せて撓み振動を起すのに用いられる。
【0040】 電磁変換器には1個のボイスコイル・ユニットと1個の磁石ユニットが含まれ 、ボイスコイル・ユニットが積層複合板の下板面の第1の特定位置に添着され、 かつボイスコイル・ユニットと磁石ユニットとの間には弾性支材が無い。積層複 合板と当該磁石ユニットはフレームにより固定され、かつソフトな材質で作られ る。積層複合板の下板面周辺の縁とフレームとの間に添着されているフレームな どを包含している。
【0041】 考案はまた放射パネルを提供するもので、それは実質的には、1対の長辺bと 1対の短辺aの帯体積層複合板を有しており、積層複合板の上下面板が単軸繊維 強化のポリマー積層板であり、中間が軽量材質で製作された中間層である。
【0042】
【実施例】
単軸繊維強化ポリマー層は軽量で、繊維方向の剛性が大きくかつ減衰性が良い などの長所がある。したがってそれを複合材料の放射パネルに製作する際、その 層の複合方式の設計を最適に行えば拡声の振動モードを有利に生じさせ、より良 い感度とより良い均等な声圧スペクトル分布を得ることができる。
【0043】 平板の振動モード特性に最も寄与する設計上のパラメーターは平板上の激振点 の位置、平板の長さと厚さの比、材料の繊維方向の弾性係数と密度の比、積層板 板の複合層角度と懸垂ユニット中の弾性方形体の弾性とその支持位置などである 。適正な設計パラメーターを選択すれば有効に振動モードを激振させることがで き、これによって声圧感度の急激な変化を防ぎ、ある特定振動数の範囲内で比較 的均等な声圧感度スペクトル分布を平板上に生じさせることができる。
【0044】 したがって設計パラメーターを決定する過程において、上述の有効振動モード 特性の判定法を用いて平板の振動モードおよび生じる声圧感度スペクトルなどの 解析をする必要がある。これによって有利な拡声モード特性を判定する。
【0045】 図5〜7にこの考案の方形平板式スピーカー100の構造を示す、スピーカー 100の構造には複合材料の積層複合板140(すなわち放射パネル)、筒状ボ イスコイル・ユニット170、磁石ユニット180、中空フレーム160および 弾性懸垂ユニット150などが含まれる。
【0046】 複合材料の積層複合板140の長さ、幅はそれぞれbとaで表し、そのbとa の比は1.3より大にし、かつ複合材料の積層複合板140は主として2個のポ リマー層141と1個の中間層142によって上下対称に積層複合方式で添着さ れている。筒状ボイスコイル・ユニット170は、複合材料の積層複合板140 底面の特定位置上に添着され、複合材料の積層複合板140を激振するのに用い る。
【0047】 磁石ユニット180は筒状になっており、かつその頂部には環状磁場の隙間が ある。中空フレーム160は方形で、複合材料の積層複合板140と磁石ユニッ ト180を固定するのに用いる。弾性懸垂ユニット150は複合材料の積層複合 板140周辺上の特定位置と方形中空フレームの4辺の間に添着される。
【0048】 図8に示すごとく、カップ状磁石ユニット180の構造にはカップ状本体18 30とカップ口周辺外から水平リング端1831に突出したパーミアンスユニッ ト183、円柱状の永久磁石182と円形頂板181などが含まれる。
【0049】 頂板181は磁石頂部の後に重なって同心円状にカップ状のパーミアンスユニ ット内に配置され、磁石と頂板の直径はパーミアンスユニットの内径より小さい 。組立後の頂板の高さとパーミアンスユニットのカップ口は同じ高さになり、こ の故に頂板とパーミアンスユニットとの間に磁力均等分布の磁場隙間184が形 成される。
【0050】 図9に示すごとく、中空方形フレーム160は2個の長辺と2個の短辺からな る方形フレームであり、その中の長辺と短辺の比とフレーム四辺で囲まれた面積 は、実質上それぞれ放射パネルの長さと幅の比と面積に近い(図3〜8参照)。 フレーム160各辺の断面はL形を呈し、L形中の平らな部分は懸垂ユニット1 50を支えるのに用いられる。その外にフレームの両長辺の放射パネル上のボイ スコイル・ユニット位置に相当する所にそれぞれ1個のフレーム平面と垂直の円 弧状凸耳162がある。両円弧状凸耳162の間は1個の帽状パーミアンスユニ ット183のリング端1831の直径に相当する円を形成する。
【0051】 パーミアンスユニット183を凸耳162間に嵌め込んだ際、磁石ユニット1 80はボイスコイル・ユニット170と互いに係合することができ、同時にコイ ル172を磁場隙間184中に位置させることによって弾性支材を持たない電磁 変換器に構成することができる。パーミアンスユニットの外凸環状板と弧状凸耳 との間に接着剤190(図7)を塗布すれば磁石ユニット180とフレーム16 0を一体にすることができ、これによってこの考案の方形平板式スピーカーの組 立が完成する。
【0052】 音声コイルに電気が通ると環状磁場の隙間に上下運動が起こって複合材料積層 複合板を激振させ、この時変換器は放射パネルを激振させる。振動変形に必要な 減衰は放射パネル構造と弾性懸垂ユニットによって起こされ、最適設計の積層板 を経て激振後有利な拡声振動モード変形を生じ、特定振動数の範囲内で最適な声 圧感度曲線を生じる。
【0053】 図10は複合材料積層複合板140の分解状態を表す。2個の同じ方形繊維強 化ポリマー層141と1個の中間層142を上下対称に積層複合状に組合せ、ポ リマー層141はn層の繊維と長辺からなる複合層角度をそれぞれθ1、θ2、. ..、θnの単軸方向繊維強化積層板143とする。この積層板は、例えばカー ボンファイバー、コフラファイバー、グラスファイバー、ボロンファイバーなど の任意1種の繊維と剛性エポキシ樹脂、多元エステル、フェノリックアルデヒド などの任意の1種のポリマー樹脂からなるものである。
【0054】 上述の有効振動モード判定法を応用すればこの考案の帯体複合材料の平板スピ ーカーのパラメーターを設計して、スピーカーに最適な声圧スペクトル曲線を生 じさせることができる。放射パネルは上下対称に添着してできた板なので、繊維 と平行な平板長辺を複合層角度0°とし、平板と直角になる角度を複合層角度9 0°と定義する。
【0055】 最適な複合方式を[θ1/θ2/Λ/θn/tcsで表す。ここでθnは第n層の 繊維角度、2nは積層板の総数、tcは中間層の半分の厚さ、sは平板の重合が 中心を軸に上下対称であることを示しでいる。これによって各積層板の厚さは0 .2mm以下、中間層の厚さは5mm以下になる。中間層の厚さがゼロの場合は 、放射パネル全体が積層板で複合された板となる。
【0056】 積層板の総数2nは8以下、複合層の角度は0度、90度、45度および45 度のうちの任意の1個の角度または上述角度の組合せにすることができる。積層 板の繊維方向の最適弾性係数(Gpa)と質量密度(g/cm3)の比は80〜 380(Gpa/g/cm3)の間、垂直繊維方向の最適弾性係数(Gpa)と 質量密度(g/cm3)の比は3〜80(Gpa/g/cm3)の間であるのが望 ましい。
【0057】 中間層は蜂巣構造、PU発泡材、PV発泡材、紙材と編布でない材料中の任意 の1種を用いることができる。その厚さは5mm以下とし、最適弾性係数(Gp a)と質量密度(g/cm3)との比は1.0〜20(Gpa/g/cm3)の間 にあるのが望ましい。
【0058】 図11および12にボイスコイル・ユニット170と弾性懸垂ユニット150 の構造およびそれらの積層複合板140上の位置を表す。ボイスコイル・ユニッ ト170は筒状フィルム171と筒状フィルムの外表面に配置された可動コイル 172からなり、弾性懸垂ユニット150は数本の弾性の比較的小さい弾性支持 用の帯体151と数本の弾性の比較的大きい弾性支持用の帯体152とからなる 。弾性帯体の構造は表面に接着剤が塗付されたゴム敷板、発泡綿体または弧形断 面の薄セル板などにすることができる。
【0059】 有効振動モード判定法の解析と設計結果に基づき、弾性の比較的小さい帯体1 51の最適弾性値は0.1〜10cm2/Nの間、弾性の比較的大きい帯体15 2の最適弾性値は10〜100cm2/Nの間に入るのが望ましい。放射パネル 上のボイスコイル・ユニットの位置は中心点から放射パネル1個の長辺までの距 離yと1個の短辺までの距離xで表すことができる。有効振動モード判定法で得 られた最適のx値は、(2/7)b〜(1/2)b、最適のy値は(1/4)a 〜(3/4)aになる。
【0060】 弾性懸垂ユニット中の弾性帯体151と152は接着剤を用いて放射パネルの 周辺の縁の特定位置に添着し、放射パネルの両短辺に対称に弾性の小さい帯体1 51を添着し、かつ帯体の長さは(3/4)a〜aにし、放射パネルの両長辺上 は同時に相互対称に2種の弾性および異なる長さの帯体を用いて添着する。
【0061】 同様に放射パネルに定位されたボイスコイル・ユニットの短辺を基準線とし、 放射パネルの長辺と基準線の距離を3区間に分け、その中の第1区間は0〜(2 /7)bとしてこの区間に弾性の比較的小さい帯体151を添着し、その長さは (2/7)b以下とし、第2区間(2/7)b〜(4/7)b、この区間に弾性 の比較的大きい帯体152を添着し、その長さは(2/7)b以下とする。第3 区間は(4/7)b〜b、この区間に弾性の比較的小さい帯体151を添着し、 その長さは(3/7)bとする。
【0062】
【考案の効果】
この考案の単軸方向繊維強化のポリマー複合材料で製造した放射パネルは、有 効振動モード判定法で決定された最適設計パラメーターに合わせて製作した平板 式スピーカーであり、有効に放射パネルの最適振動波形と振動数を激振させ、か つ放射パネルの拡声効果を大きく向上させることができる。
【0063】 またこの考案の平板式スピーカー中の、ボイスコイル・ユニット、磁石ユニッ トの間には弾性支材が無く、したがって従来技術における弾性支材の使用に起因 する放射パネルの欠点を克服することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の平板式スピーカーの平面図である。
【図2】同じく断面図である。
【図3】変換器の一例の断面図である。
【図4】変換器の他の例の断面図である。
【図5】この考案の平板式スピーカーの正面図である。
【図6】図5中線A−Aに沿ってとった断面図である。
【図7】図5中線B−Bに沿ってとった断面図である。
【図8】この考案に応用した平板式スピーカー中の磁石
ユニットの断面図である。
【図9】この考案に応用した平板式スピーカー中のフレ
ームの斜視図である。
【図10】この考案に応用した平板式スピーカー中の複
合材積層板の分解斜視図である。
【図11】この考案に応用した平板式スピーカー中の弾
性懸垂ユニットの配置を示す図である。
【図12】この考案に応用した平板式スピーカー中の弾
性懸垂ユニットの配置を示す図である。
【符号の説明】
10: 電磁変換器 12: 弾性支材 20: 放射パネル 50: 懸垂ユニット 100: 方形スピーカー 140: 積層複合板 141: 繊維強化ポリマー層 142: 中間層 143: 単軸方向繊維強化積層板 150: 弾性懸垂ユニット 151・152: 帯体 160: フレーム 162: 凸耳 170: ボイスコイル・ユニット 172: 可動コイル 180: 磁石ユニット 181: 頂板 182: 永久磁石 183: パーミアンスユニット

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に1対の長辺(b)と1対の短辺
    (a)とによって画定される方形帯体積層複合板を有し
    ており、該積層複合板の上下面板が単軸方向繊維補強ポ
    リマー積層板であり、中間が軽量材質で製作された中間
    層である放射パネルであり、該放射パネルは激振により
    撓み振動を起すものであり、変換器にはボイスコイル・
    ユニットと磁石ユニットが含まれ、該ボイスコイル・ユ
    ニットが積層複合板の下板面の第1の所定位置に添着さ
    れており、該ボイスコイル・ユニットと磁石ユニットと
    の間には弾性支材が無く、積層複合板と当該磁石ユニッ
    トを固定するのにはフレームが用いられており、軟質材
    料からなりかつ積層複合板の下板面周辺の縁とフレーム
    との間に柔軟性懸垂ユニットが添着されていることを特
    徴とする平板式スピーカー。
  2. 【請求項2】 積層複合板の長辺と短辺の比b/aを少
    なくとも1.3であり、繊維補強のポリマー積層板が1
    〜4層であり、各層の厚さは0.2mm以下であり、各
    層の繊維と積層複合板の長辺との間の角度は0、90お
    よび45度のいずれかであり、各層の繊維方向の弾性係
    数と密度との比が80〜380Gpa/(g/cm3
    であり、各層の垂直繊維方向の最適弾性係数と質量密度
    との比が3〜80Gpa/(g/cm3)であることを
    特徴とする請求項1に記載の平板式スピーカー。
  3. 【請求項3】 各繊維補強のポリマー層がグラスファイ
    バー補強のポリマー樹脂材料、カーボンファイバー補強
    ポリマー樹脂材料、コフラファイバー補強のポリマー樹
    脂材料、またはボロンファイバー補強ポリマー樹脂材料
    などから形成されており、ポリマー樹脂がエポキシ樹
    脂、フェノリックアルデヒドまたは多元エステルであ
    り、中間層の厚さが5mm以下であり、中間層の弾性係
    数と密度比が1.0〜20Gpa/(g/cm3)であ
    り、中間層は紙綿板、PU発泡板、PV発泡板または蜂
    巣板から形成されており、ボイスコイル・ユニットが筒
    状薄膜とその外表面に巻かれたコイルからなることを特
    徴とする請求項1に記載の平板式スピーカー。
  4. 【請求項4】 第1の特定位置が当該帯体積層複合板の
    1個の頂点を基準点とし、ボイスコイル・ユニットの中
    心点と短辺との距離が(2/7)b〜(1/2)bであ
    り、長辺との距離が(1/4)a〜(3/4)aであ
    り、フレームが2個の相対短辺と2個の相対長辺を含む
    帯体中空構造であり、フレームの各辺の断面は実質的に
    L形であり、L形断面の水平側が弾性懸垂ユニットを支
    持するために用いられ、L形断面の垂直側で囲まれた中
    空面積が実質上方形積層複合板の面積に相当し、弾性懸
    垂ユニットが複数個の第1の弾性の第1の帯体と複数個
    の第2の弾性の第2の帯体を有しており、これらの帯体
    はそれぞれ当該L形断面の水平側の第2の特定位置に位
    置し、第1の弾性が0.1〜10cm2/Nであり第2
    弾性が10〜100cm2/Nであり、第2の特定位置
    は方形積層複合板の1個の頂点を基準点とし、フレーム
    両短辺のL形断面の水平側の位置に対称にそれぞれ1個
    の長さ(3/4)a〜aの第1の帯体が添着されてお
    り、フレーム両長辺のL形断面の水平側において、それ
    ぞれ短辺との距離が0〜(2/7)bの位置に、対称に
    それぞれ1個の長さが(2/7)b以下の第1の帯体が
    添着されており、短辺との距離が(2/7)b〜(4/
    7)bの位置に、対称にそれぞれ1個の長さが(2/
    7)b以下の第2の帯体が添着されており、短辺との距
    離が(4/7)b〜bの位置に、対称にそれぞれ1本の
    長さが(3/7)b以下の第1の帯体が添着されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の平板式スピーカー。
  5. 【請求項5】 磁石ユニットが1個の円形頂板と円柱状
    の磁石と1個のキャップ状パーミアンスユニットを有し
    ており、円柱状磁石の頂面が同心状に頂板の下側に連結
    されており、パーミアンスユニットが1個のカップ状本
    体とカップ口から水平方向に突出した1個の環状帽辺を
    有しており、頂板と磁石がパーミアンスユニットのカッ
    プ状の本体内に配置され、磁石の底面がカップ状の本体
    内のカップ底と互いに連結されており、頂板の高さがパ
    ーミアンスユニット頂部カップ口周辺の縁と実質的に同
    じであり、これによって頂板とパーミアンスユニットカ
    ップ口との間に磁力が均一に分布した環状隙間が形成さ
    れ、フレームが2個の相対短辺と2個の相対長辺を含む
    帯体中空構造であり、フレーム各辺の断面が実質上L形
    であり、L形断面の水平側が弾性懸垂ユニットを支える
    のに用いられ、L形断面の垂直側で囲まれた中空面積が
    実質上方形積層複合板の面積に相当し、ボイスコイル・
    ユニットに対応する位置にフレームの両相対長辺にそれ
    ぞれ1個の磁石ユニットの環状帽辺の弧度と同じ弧形を
    持つ凸耳が設けられていることを特徴とする請求項1に
    記載の平板式スピーカー。
  6. 【請求項6】 実質的に1対の長辺(b)と1対の短辺
    aの方形体積層複合板を具有し、積層複合板の上下板が
    単軸方向繊維強化のポリマー積層板であり、中間が軽量
    材質で製作された中間層であることを特徴とする放射パ
    ネル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110198507A (zh) * 2019-06-10 2019-09-03 厦门冠音泰科技有限公司 一种新型振膜及扬声器
JP2020096355A (ja) * 2018-12-10 2020-06-18 アスク インダストリーズ ソシエタ ペル アツィオーニAsk Industries Societa’ Per Azioni 懸架システムを備えた音響パネルアセンブリ

Cited By (4)

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CN110198507A (zh) * 2019-06-10 2019-09-03 厦门冠音泰科技有限公司 一种新型振膜及扬声器
CN110198507B (zh) * 2019-06-10 2024-03-29 厦门冠音泰科技有限公司 一种新型振膜及扬声器

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