JP3092311U - スライド式物干しスタンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な構成で、しかも、支持支柱に対
する可動支柱の係止操作が、手動で、容易かつ確実に行
えるスライド式物干しスタンドを提供する。 【解決手段】 支持パイプとこれに摺動可能に嵌挿され
た可動パイプとから伸縮可能な支持構造を有する物干し
スタンドにおいて、前記支持パイプに、内側に向けて進
退する係止爪を設けると共に該係止爪を内側に向けて弾
持する弾持手段を備えており、また、前記係止爪を前記
弾持手段に抗して退出する操作子を備えており、前記可
動パイプに、その長手方向に向けて、所定ピッチで、前
記係止爪を嵌入する係止部を備えており、また、その上
部に物干し竿を受ける受け部を設けていることを特徴と
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、物干し竿の高さ調節が段階的にできるように支柱高さを調節するス ライド式物干しスタンドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の物干しスタンドは、特開平７−７３００２号公報に所載のように、ベ ランダの柵部に沿わせて中空支柱を固定し、該中空支柱内に可動支柱を上下に摺 動するように挿入した構造が採用されていて、使用しないときには、可動支柱を 下げて、ベランダ外側からの見栄えを良くするように工夫されている。しかし、 上述の発明は、手動ハンドルによる制御で、可動支柱の昇降操作を行うもので、 これには複雑なギア列を用いており、コスト高となるだけでなく、昇降操作の箇 所が大型化する欠点がある。

【０００３】 また、実開平５−９４９１号公報には、中空支柱内で昇降する可動支柱に、所 要ステップで係止用の凹部を形成し、前記可動支柱を手動操作で昇降すると共に 、中空支柱に螺合した操作ネジの進退で、その先端を前記凹部に係止する物干し スタンドが提示されている。これは単純な構造であるが、可動支柱に凹部を形成 する高度な加工が必要であり、また、ねじ込み操作が面倒であり、可動支柱に係 る物干し竿からの負荷の大小で、ネジに弛みを生じて、可動支柱の固定が不完全 になる畏れがある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、比 較的簡単な構成で、しかも、支持支柱に対する可動支柱の係止操作が、手動で、 容易かつ確実に行えるスライド式物干しスタンドを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成するため、本考案では、支持パイプとこれに摺動可能に嵌挿 された可動パイプとから伸縮可能な支持構造を有する物干しスタンドにおいて、 前記支持パイプに、内側に向けて進退する係止爪を設けると共に該係止爪を内側 に向けて弾持する弾持手段を備え、また、前記係止爪を前記弾持手段に抗して退 出する操作子を備え、前記可動パイプに、その長手方向に向けて、所定ピッチで 、前記係止爪を嵌入する係止部を備え、また、その上部に物干し竿を受ける受け 部を設けていることを特徴とする。

【０００６】 このような構成では、前記弾持手段の働きで、係止爪が可動支柱の係止部に嵌 入することで、可動支柱に係る負荷の大小に拘わらず、可動支柱を支持支柱に確 実に固定でき、しかも、操作子のワンタッチ操作で係止部に対する係止爪の係合 を解除できる。

【０００７】 なお、本考案の実施に際しては、その形態として、前記係止爪が、支持パイプ の外側に設けた支持ブラケットに枢軸を介して枢支された板状部材から構成され 、前記枢軸より上側で、その先端爪部を支持パイプの内側に臨ませると共に、操 作子側に延びる被操作部を備え、前記操作子が、前記枢軸と平行で軸方向に移動 可能な状態で、前記支持ブラケットに支持されると共に、前記被操作部に対応す るテーパ部を有する操作軸を備え、前記弾持手段が、前記係止爪を、その先端爪 部を進出する方向に偏奇する捩りバネで構成され、前記操作子の操作により、前 記捩りバネに抗して、前記係止爪を回動し、その先端爪部を退出するように構成 している。この場合、前記弾持手段とは別に、前記操作軸を軸方向に偏奇する圧 縮コイルバネで構成された第２の弾持手段を備え、この第２の弾持手段に抗して 、前記操作子を押圧操作することにより、前記圧縮コイルバネに抗して前記操作 軸を移動し、そのテーパ部で前記被操作部を押圧して、前記係止爪を回動し、そ の先端爪部を退出するように構成していることが好ましい。

【０００８】 これによって、係止爪による可動支柱の固定手段を、簡単な構造で、コンパク トに組み立てることができる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、図１ は全体の斜視図、図２は要部の分解斜視図、図３および図４は、仕様態様を示す 要部の縦断側面図である。本考案に係るスライド式物干しスタンドは、例えば、 ほぼ断面四角形で中空な、支持パイプ１とこれに摺動可能に嵌挿された、ほぼ断 面四角形で中空な、可動パイプ２とから伸縮可能な支持構造を有し、例えば、前 記支持パイプ１を、後述する支持ブラケットを介して、ベランダの柵Ａに取付け 固定するのである。

【００１０】 そして、この物干しスタンドにおいて、支持パイプ１に、内側に向けて進退す る、左右一対の先端爪部３ａを有する係止爪３を設けると共に係止爪３を内側に 向けて弾持する弾持手段４を備えており、また、係止爪３を弾持手段４に抗して 退出する操作子５を備えている。また、可動パイプ２には、その長手方向に向け て、所定ピッチで、係止爪３の先端爪部３ａを嵌入する左右一対の、スリット状 の係止部２ａを備えている。また、可動パイプ２の上部に物干し竿（図示せず） を受ける受け部６を設けている。受け部６は、この実施の形態では、図５に示す ように、２つの係止部６ｅ、６ｆを備える取り付け部材６ｄに、ピン６ｄを介し て、物干し竿を通す孔を幾つか形成した支持アーム６ｂを枢支したものであって 、ピン６ｄに対しては、支持アーム６ｂのスリット６ｃが摺動可能に嵌合してい る。

【００１１】 更に詳述すれば、係止爪３は、支持パイプ１の外側に、例えば、一体的に形成 した支持ブラケット７（この実施の形態では、支持パイプ１の正面に形成した左 右一対の支持壁７ａと、ボルト・ナット８の手段で支持壁７ａに取り付けられる 、柵固定用の取付け部材７ｂとから構成される）に、枢軸９を介して枢支された 、例えば、平面視でコ字形の板状部材から構成される。なお、好ましくは、図６ に示すように、支持パイプ１には、内側にスライド用のレール部１ｂが形成して あって、これには、可動支柱２に形成した縦溝２ｂが嵌合する構造にすると良い 。また、係止爪３は、枢軸９より上側で、支持パイプ１に形成された左右一対の スリット１ａを貫通して、その先端爪部３ａを支持パイプ１の内側に臨ませると 共に、枢軸９より下側で、操作子５側に延びる被操作部３ｂを備えている。また 、弾持手段４は、係止爪３を、その先端爪部３ａを進出する方向に偏奇する捩り バネで構成されており、操作子５の操作により、前記捩りバネに抗して、係止爪 ３を回動し、その先端爪部３ａを退出するように構成している。

【００１２】 操作子５は、枢軸９と平行な状態で、支持ブラケット７に軸方向移動可能に支 持される操作軸５ａを備えており、この操作軸５ａは、被操作部３ｂに対応する テーパ部５ｂを有する。また、弾持手段４とは別に、操作軸５ａを軸方向に偏奇 する圧縮コイルバネで構成された弾持手段１０が用意されており、操作子５の押 圧により、前記圧縮コイルバネに抗して操作軸５ａを移動し、弾性手段４に抗し て、そのテーパ部５ｂで被操作部３ｂを押圧して、係止爪３を、その枢軸９を中 心に回動し、その先端爪部３ａを少なくとも、係止部２ａから退出するように構 成している。このため、前記圧縮コイルバネは、一方の支持壁７ａと操作軸５ａ に設けたバネ座５ｃとの間に、圧縮された状態で介装されている。

【００１３】 このような構成では、弾持手段４の働きで、係止爪３が可動支柱２の係止部２ ａに嵌入することで、可動支柱２に係る負荷の大小に拘わらず、可動支柱２を支 持支柱１に確実に固定でき、しかも、操作子５のワンタッチ操作で係止部２ａに 対する係止爪３の係合を簡単に解除することができる。

【００１４】 これを、更に、この実施の形態に照らして具体的に述べれば、次のようになる 。即ち、支持支柱１（取付け部材１ｃを、ボルト・ナットまたはスタッドなどの 取付け手段（図示せず）を介して柵Ａに取り付ける）を上下に貫通する可動支柱 ２を、手動操作により昇降して、図３に示すように、係止部２ａをスリット１ａ に対応させると、弾性手段４の働きで、係止爪３の先端係止部３ａがスリット１ ａを介して、係止部２ａ内に挿入されるので、支持支柱１内で、可動支柱２の昇 降を止め、ロック状態とすることができる。

【００１５】 また、弾性手段１０に抗して、操作子５を押圧すると、操作軸５ａを軸方向に 移動し、弾持手段４に抗して、テーパ部５ｂで被操作部３ｂを押圧し、係止爪３ を枢軸９回りで回動する。これにより、先端係止部３ａを係止部２ａから退出さ せることができ、この状態で、支持支柱１に対して、可動支柱２を昇降操作でき る。この段階では、操作子５の押圧を解除することで、弾性手段４の戻りにより 、被操作部３ｂ経由で、テーパ部５ｂが押圧され、操作軸５ａが戻る。そして、 再び、別の係止部２ａをスリット１ａに対向させると、弾性手段４により、係止 爪３が回動し、その先端係止部３ａを係止部２ａに嵌挿し、支持支柱１に対する 可動支柱２のロックを達成するのである。

【００１６】 このようにして、可動支柱２を簡単に昇降・固定操作ができるから、従来のよ うな、ネジ止め式に比べて、操作が容易であり、また、従来のギア列などを用い た昇降・固定手段に比べて、構成を簡素化でき、比較的コンパクトに纏められ、 また、コストの低減を図ることができる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は、以上詳述した構成からなるので、比較的簡単な構成で、しかも、支 持支柱に対する可動支柱の係止操作が、手動で、容易かつ確実に行えるという実 用上の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の全体を概略的に示す斜視図である。

【図２】同じく、要部を示す分解斜視図である。

【図３】可動支柱のロック状態を示す縦断側面図であ
る。

【図４】可動支柱の昇降可能な状態を示す縦断側面図で
ある。

【図５】受け部の構造、支持状態を示す側面図である。

【図６】支柱の好ましい断面形状を示す平断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 支持支柱 １ａ スリット ２ 可動支柱 ２ａ 係止部 ３ 係止爪 ３ａ 先端係止部 ３ｂ 被操作部 ４ 弾持手段 ５ 操作子 ５ａ 操作軸 ５ｂ テーパ部 ６ 受け部 ７ 支持ブラケット ７ａ 支持壁 ７ｂ 取付け部材 ８ ボルト・ナット ９ 枢軸 １０ 第２の弾持手段

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持パイプとこれに摺動可能に嵌挿され
   た可動パイプとから伸縮可能な支持構造を有する物干し
   スタンドであって、 前記支持パイプには、内側に向けて進退する係止爪を設
   けると共に該係止爪を内側に向けて弾持する弾持手段を
   備えており、また、前記係止爪を前記弾持手段に抗して
   退出する操作子を備え、 前記可動パイプには、その長手方向に向けて、所定ピッ
   チで、前記係止爪を嵌入する係止部を備え、また、その
   上部に物干し竿を受ける受け部を設けていることを特徴
   とするスライド式物干しスタンド。
2. 【請求項２】 前記係止爪は、支持パイプの外側に設け
   た支持ブラケットに枢軸を介して枢支された板状部材か
   ら構成され、前記枢軸より上側で、その先端爪部を支持
   パイプの内側に臨ませると共に、操作子側に延びる被操
   作部を備え、 前記操作子は、前記枢軸と平行で軸方向に移動可能な状
   態で、前記支持ブラケットに支持されると共に、前記被
   操作部に対応するテーパ部を有する操作軸を備え、 前記弾持手段は、前記係止爪を、その先端爪部を進出す
   る方向に偏奇する捩りバネで構成され、 前記操作子の操作により、前記捩りバネに抗して、前記
   係止爪を回動し、その先端爪部を退出するように構成し
   ていることを特徴とする、請求項１に記載のスライド式
   物干しスタンド。
3. 【請求項３】 前記弾持手段とは別に、操作軸を軸方向
   に偏奇する圧縮コイルバネで構成された第２の弾持手段
   を備え、第２の弾持手段に抗して前記操作子を押圧操作
   することで、前記操作軸を移動し、そのテーパ部で前記
   被操作部を押圧して、前記捩りバネに抗して、前記係止
   爪を回動し、その先端爪部を退出するように構成してい
   ることを特徴とする、請求項２に記載のスライド式物干
   しスタンド。
4. 【請求項４】 前記可動パイプおよび支持パイプは、回
   り止め用に、ほぼ断面が四角形に構成されていることを
   特徴とする、請求項１〜３の何れか１項に記載のスライ
   ド式物干しスタンド。