JP3091429U - 緊急避難装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震や火災等の緊急時にビルの各部屋の窓際
に沿ってロープを容易に垂下させることができる緊急避
難装置を提供する。 【解決手段】 ビル１の屋上２又は上階に設置され、各
ロープ３を、案内ローラ５を介して、階下の各部屋７の
窓際に沿って地上９又は避難可能位置まで垂下させるよ
うに繰り出し可能に巻き上げてなるロープ巻上げ機４
と、ビル１の各部屋７からの避難信号を入力してロープ
巻上げ機４を制御し、ロープ巻上げ機４にロープ３を繰
り出させると共に各部屋７の窓際に沿って各ロープ３を
垂下させるロープ制御装置６と、ビル１の各部屋７に設
置され、緊急時に操作してロープ制御装置６に避難信号
を出力する信号発信装置８とから構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、地震や火災等の緊急時にビルの部屋から外部に容易に脱出すること を可能にする緊急避難装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

地震や火災等の緊急時にビルの部屋から外部に脱出する方法として、部屋の窓 等から避難用ロープ等を垂下させることが広く知られているが、緊急時にそのよ うなロープ等の垂下操作を手早く行うには相当の訓練を必要とする。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、地震や火災等の緊急時にビルの各部屋の窓際に沿ってロープ を容易に垂下させることができる緊急避難装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る緊急避難装置は、ビルの屋上又は上階に設置され、ロープを階下 の各部屋の窓際に沿って地上又は避難可能位置まで垂下させるように繰り出し可 能に巻き上げてなるロープ巻上げ機と、ビルの各部屋からの避難信号を入力して ロープ巻上げ機を制御し、ロープ巻上げ機にロープを繰り出させると共に前記避 難信号の発信に係る部屋を含む所要部屋の窓際に沿ってロープを垂下させるロー プ制御装置と、ビルの各部屋に設置され、緊急時に操作してロープ制御装置に避 難信号を出力する信号発信装置とからなるものである。

【０００５】 前記構成によれば、ビルの各部屋に設置された信号発信装置の内、緊急避難を 要する事態が発生した部屋の信号発信装置が避難必要者により操作されると、避 難信号がロープ制御装置に入力されると共にロープ巻上げ機が前記避難信号の発 信に係る部屋を含む所要部屋に対応するロープの繰り出し動作を開始し、それに よって該ロープが前記部屋の窓際に沿って上階から地上又は避難可能位置まで垂 下させられることになる。前記ロープの垂下後に、避難必要者は、当該部屋の窓 から前記ロープに沿って地上又は避難可能位置まで降下し、脱出することができ る。

【０００６】 前記のように避難信号がロープ制御装置に入力されたとき、前記避難信号の発 信に係る部屋を含む全部屋又は同じ側に窓を有する複数の部屋に対応する各ロー プが一斉に繰り出され、垂下させられてもよく、或いは前記避難信号の発信に係 る部屋に対応するロープのみが繰り出されるようにしてもよい。ロープ巻上げ機 は、各ロープの前記繰り出し態様に応じて複数台設けられてもよい。

【０００７】 各ロープの同時垂下を容易にするために、同じ側に窓を有する複数の部屋に対 応する各ロープが一斉に繰り出される場合、各ロープがそれらの中間又は下端等 で横棒やロープ等の連結部材を介して連結されていてもよい。さらに、各ロープ の同時垂下をより円滑にするために、前記連結部材が、その両端において、ビル 外壁に高さ方向に付設された各案内部材に摺動可能に係合されていてもよい。こ の場合、前記ビル外壁が地震等で地上に対してオーバーハング状態に傾斜しても 、各ロープを窓際に沿って、ビル外壁から大きく離反することなく保持して垂下 させることができる。

【０００８】 また、各ロープの各窓際に沿った前記垂下を円滑にするために、ビル外壁等に 各ロープの案内部材を付設してもよい。さらに、各ロープの前記繰り出しを容易 にするために、繰り出し用駆動ローラを設けることもできる。

【０００９】 なお、避難必要者の前記降下動作を容易にするために、ロープとして、例えば 所要間隔ごとに足乗せ及び把持用ステップを設けてなるものや縄梯子式のものを 採用してもよく、或いはハーネスや降下器具等を避難必要者に使用させることも できる。

【００１０】

【考案の実施の形態】 図１は本考案の実施例に係る緊急避難装置の側面概要図である。 同図において、ビル１の屋上２には先端に錘の付いた複数のロープ３を繰り出 し可能に巻き上げたロープ巻上げ機４、各ロープ３を屋上２から下方に案内する 案内ローラ５及びそれらを制御するロープ制御装置６が設置され、ビル１の各部 屋７には前記ロープ制御装置６に避難信号を送信し得る押しボタン式の信号発信 装置８が設置されている。

【００１１】 そこで、ビル１の各部屋７に設置された信号発信装置８の内、緊急避難を要す る事態が発生した部屋７の信号発信装置８が避難必要者により操作されると、避 難信号がロープ制御装置６に入力されると共にロープ巻上げ機４が避難信号の発 信に係る部屋７を含む所要部屋７に対応する各ロープ３の繰り出し動作を開始し 、それによって各ロープ３が、案内ローラ５を介して、前記各部屋７の窓際に沿 って上階から地上９又は避難可能位置まで一斉に垂下させられることになる。前 記ロープ３の垂下後に、避難必要者は、必要に応じて手袋を嵌め、さらにヘルメ ット等を着け、さらには靴その他の必需品を収納した非常袋等を所持して、各部 屋７の窓から各ロープ３に沿って地上９又は避難可能位置まで降下し、脱出する ものである。

【００１２】

【考案の効果】

本考案に係る緊急避難装置は以上のように構成されるので、地震や火災等の緊 急時にビルの各部屋の窓際に沿ってロープを容易に垂下させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る緊急避難装置の側面概要
図である。

【符号の説明】

１ ビル ２ 屋上 ３ ロープ ４ ロープ巻上げ機 ５ 案内ローラ ６ ロープ制御装置 ７ 部屋 ８ 信号発信装置 ９ 地上

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ビルの屋上又は上階に設置され、ロープ
   を階下の各部屋の窓際に沿って地上又は避難可能位置ま
   で垂下させるように繰り出し可能に巻き上げてなるロー
   プ巻上げ機と、ビルの各部屋からの避難信号を入力して
   ロープ巻上げ機を制御し、ロープ巻上げ機にロープを繰
   り出させると共に前記避難信号の発信に係る部屋を含む
   所要部屋の窓際に沿ってロープを垂下させるロープ制御
   装置と、ビルの各部屋に設置され、緊急時に操作してロ
   ープ制御装置に避難信号を出力する信号発信装置とから
   なる緊急避難装置。
2. 【請求項２】 ロープが所要間隔ごとに足乗せ及び把持
   用ステップを設けてなる、請求項１に記載の緊急避難装
   置。
3. 【請求項３】 ロープが縄梯子式である、請求項１に記
   載の緊急避難装置。
4. 【請求項４】 信号発信装置が押しボタンからなる、請
   求項１に記載の緊急避難装置。
5. 【請求項５】 同じ側に窓を有する複数の部屋に対応す
   る各ロープがそれらの中間又は下端で連結部材を介して
   連結された、請求項１に記載の緊急避難装置。
6. 【請求項６】 連結部材が、その両端において、ビル外
   壁に高さ方向に付設された各案内部材に摺動可能に係合
   された、請求項５に記載の緊急避難装置。